JP4235282B2 - 結晶引き上げ装置および結晶引き上げ方法 - Google Patents

結晶引き上げ装置および結晶引き上げ方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)により結晶を製造する結晶引き上げ装置および結晶引き上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チョクラルスキー法による結晶の製造において、坩堝に原料を充填し、この坩堝を囲繞するヒータにより加熱し、原料を溶融して融液とし、種結晶を該原料融液に接触させた後、回転させながらゆっくり引き上げることで結晶棒を成長させ引き上げることが行われてきた。
【0003】
近年引き上げられる結晶の大直径化に伴い、高収率を得るために原料を充填する坩堝を大直径化して原料チャージ量を増大してきた。坩堝内の原料チャージ量が増えると、増えた原料を溶融する時間が長くなるため、単結晶の生産性が低下するとともに、長時間高温にさらされるため石英坩堝の耐久性も低下する。
そこで、溶融時間短縮のために、ヒータパワーを増加したり、サブヒータを配置するといった対策が提案された。
【0004】
しかし、ヒータパワーを増加させた場合には、原料の溶融時間を短縮することはできても坩堝の温度が高くなってしまい、結局坩堝の耐久性が低下してしまう。また消費電力が増加し製造コストが高くなってしまう等の欠点がある。
【0005】
またサブヒータを使用する場合(特開平2−221184号公報参照)には、専用の電源を必要とし、消費電力も大きくなると同時に、結晶引き上げ装置のコストが高くなり、結果として製品コストが高くなってしまう欠点がある。
さらにサブヒータをMCZ法と組み合わせ、結晶の引き上げにおいて結晶成長を制御しようとするもの(特開平2−229786号公報参照)があるが、磁場中ではヒータが応力を受ける為、制御電流の変化によりサブヒータが破損する問題があった。
【0006】
以上のように、結晶を引き上げる場合、特に大チャージ量の原料を溶融する場合に、ヒータ自体に改良を加えてヒータが放出する熱量を増大させることにより、溶融時間を短縮しようとする方法は、消費電力が増大する等の問題があり、実用的ではなかった。
【0007】
CZ法における原料の溶融においては、メインヒータからの輻射熱が坩堝に吸収され、その一部は内部に輻射と熱伝導により伝わり坩堝内の原料を溶融するが、他の一部は黒鉛坩堝から坩堝軸に熱伝導されてしまい原料の溶融に寄与しない。あるいは坩堝の下側表面から下方に熱放射され、その分の熱量は無駄となってしまう。そこで、この無駄となる熱量を減少させることによって、溶融時間の短縮を図る方法が研究された。
【0008】
図2は、そのようなヒータ熱のロスを防ぐ方法として提案された装置の一例を示したものである。
図2に示すように、この結晶引き上げ装置1においては、原料11を充填する石英坩堝4とこれを支持する黒鉛坩堝5、さらにこれを囲繞するヒータ2が備えられている。そして、この装置の特徴は、黒鉛坩堝5の下側に断熱板12を配置し、下方に熱が無駄に放出されるのを防いでいることである。このような装置としては、さらに進歩したものとして、特開平4−46099号公報に示されているような、断熱板12の一部を開閉自在にすることにより、断熱板12の熱透過量を調節できるものも提案されている。
【0009】
しかしながら、この方法は、断熱板がヒータから直接輻射熱を受けるわけではないため、坩堝から下方へ逃げる熱量を調節するのみで、結晶引き上げ時における坩堝の上下方向の温度バランスを調整する程度の効果しかもっておらず、特に大チャージ量の原料を溶融する際に坩堝の下方に失われる輻射熱を補う効果は殆ど期待できない。
【0010】
以上述べたように、従来の技術では、大チャージ量の原料を溶融する際の溶融時間の長時間化や坩堝の耐久性の低下を有効に防ぐことができず、適当な解決手段が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、少ないヒータ加熱電力により大チャージの原料を短時間に溶融し、坩堝の劣化を防止するとともに、さらには結晶成長を制御できる結晶引き上げ装置と結晶引き上げ方法を提供することを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に記載した発明は、少なくとも原料を充填する坩堝と該坩堝を囲繞するヒータを備え、チョクラルスキー法により結晶を製造する結晶引き上げ装置において、
前記ヒータからの輻射熱を受けて前記坩堝の下方まで熱伝導により熱を伝え坩堝に向かって輻射熱を放出する熱伝導輻射部材が配置されていることを特徴とする結晶引き上げ装置である。
【0013】
このように、ヒータからの輻射熱を受けて坩堝の下方まで熱伝導により熱を伝え坩堝に向かって輻射熱を放出する熱伝導輻射部材が配置されていれば、熱伝導輻射部材によりヒータの輻射熱、特にヒータの下側からの輻射熱を、直接的に受けて効率良く坩堝の下方に導くことができ、坩堝の下部を積極的に再加熱することができる。
【0014】
この場合、伝導輻射部材が、昇降可能であることが好ましく、さらに伝導輻射部材が、坩堝の昇降および/またはヒータの昇降と連動して昇降可能であることが好ましい。
このように、熱伝導輻射部材が昇降可能であり、特に坩堝やヒータの昇降と連動して昇降可能であれば、熱伝導輻射部材を坩堝とヒータの位置関係に応じた所定の位置に移動させることができ、これにより最適な加熱状態を得ることができる。従って、最適の状態で原料の溶融をすることができるし、結晶引き上げ中においても、坩堝内の原料融液の対流状態を最適となるように調整することができる。
【0015】
また、伝導輻射部材が、炭素部材あるいは炭素と金属との複合部材からなるものとすることができる。
このように、熱伝導輻射部材が、炭素部材あるいは炭素と金属との複合部材からなるのであれば、ヒータからの輻射熱を高効率で吸収することができ、吸収された熱を高い輻射効率で坩堝に向かって放出することができる。
【0016】
そして、本発明に記載した発明は、上記いずれかの結晶引き上げ装置を用いて、結晶を引き上げることを特徴とする結晶引き上げ方法である。
このように上記いずれかの引き上げ装置を用いて、結晶を引き上げる方法は、大量にチャージされた原料を短時間に少ないヒータパワーで溶融可能な引き上げ方法となる。さらにヒータパワーを低減することができるので、坩堝の耐用寿命を長くすることもできる。従って、結晶の生産性の向上およびコストダウンを図ることができる。
【0017】
さらに、本発明に記載した発明は、上記いずれかの結晶引き上げ装置を用いて結晶を引き上げる場合に、熱伝導輻射部材の位置を制御しながら引き上げることを特徴とする結晶引き上げ方法である。
このように本発明の結晶引き上げ装置を用いて結晶を引き上げる場合には、前記原料溶融時間の短縮等ができるのみならず、熱伝導輻射部材の位置を制御しながら引き上げるようにすれば、結晶成長の安定性や、結晶に取り込まれる不純物の濃度の均一性に影響を与える坩堝内の原料融液の対流状態を最適にすることができ、結晶性にも優れた結晶を引き上げることができる。
【0018】
以下、本発明につきさらに詳細に説明する。
本発明の発明者は、大チャージ量の原料を石英坩堝に劣化を生じることなく短時間で溶融し、さらには結晶成長を制御することができる結晶引き上げ装置と結晶引き上げ方法について鋭意研究を重ねた。その結果、ヒータからの輻射熱を直接的に受けることができ、この熱を坩堝の下方まで熱伝導により伝え、坩堝に向かって輻射熱を放出することができる熱伝導輻射部材を配置することにより、上記課題を解決することを着想し、改良を重ねた結果、本発明を完成するに到ったものである。
【0019】
前述のように、従来のヒータ自体を増設した結晶引き上げ装置は、消費電力が増大する等の問題があるため実用性に欠け、図2に示したような断熱板を配置した装置は、坩堝以外の場所に逃げる熱量を調節するのみで、坩堝を積極的に再加熱するわけではないため、坩堝の上下方向の温度バランスを調整することにより原料融液の対流を調整し結晶成長を制御することはできても、原料の溶融時間を短縮する効果は乏しかった。
【0020】
そこで、本発明の発明者は、従来では坩堝以外に逃げてしまっていたヒータからの輻射熱を直接受け、それを坩堝の直近まで伝導し、その伝導した熱を坩堝に再輻射できる機能をもつ熱伝導輻射部材を配置することにした。このようにすれば、同じヒータパワーでも坩堝が受ける全熱量は大幅に増え、石英坩堝に損傷を与えることなく原料の溶融時間を短縮することができる。
【0021】
この熱伝導輻射部材は、一般的な炭素素材や金属素材等を用いて簡単に作製することができ、このような部材を適当に配置することにより、原料の溶融時間を短縮し、ヒータパワーを低減して坩堝の耐用寿命を長くすることができる。
【0022】
さらに、この熱伝導輻射部材の位置を任意に移動することにより、例えば、充填された原料の量の相違に従い、熱伝導輻射部材の位置を変更し、効率的に原料の溶融をすることができる。また、坩堝の上下方向の温度バランスを調整することもでき、これによって坩堝の原料融液の対流を調節して、原料融液の対流に関係した結晶成長の安定性や結晶に取り込まれる不純物の濃度の均一性を制御することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の結晶引き上げ装置の一例を示した説明図である。図1に示すように、チョクラルスキー法により結晶を製造する結晶引き上げ装置1において、原料11を充填する石英坩堝4とこれを支持する黒鉛坩堝5を備えており、さらにこれを囲繞するヒータ2を備えている。ヒータの外側には断熱材8が配置され、保温効果を得ている。
【0024】
またヒータ2は、これを支持するヒータ支持軸3を介して昇降機構(図示せず)により昇降可能とされている。黒鉛坩堝5は、これを支持する坩堝支持円盤6に組み込まれ、該坩堝支持円盤6は坩堝軸7の上端に固定されている。坩堝軸7は駆動機構(図示せず)によって昇降、回転自在とされている。
これらの黒鉛坩堝5及びヒータ2の位置関係は、例えば結晶引き上げ時における石英坩堝4内の原料11の残量その他の状態により自在に変化させることが可能なようになっている。
【0025】
ここで、ヒータ2の下側と坩堝支持円盤6の側面の空間から坩堝支持円盤6の下側面を取り囲むように熱伝導と輻射機能を備えた熱伝導輻射部材9が配置されているのが本発明の結晶引き上げ装置の特徴である。この熱伝導輻射部材9は熱伝導輻射部材支持軸10を介して昇降機能(図示せず)により昇降可能となっており、単独で昇降することも、また黒鉛坩堝5の昇降およびヒータ2の昇降と連動して、昇降することもできるようになっている。
【0026】
この熱伝導輻射部材9は、耐熱性に優れ、熱の吸収率と輻射効率が高い炭素部材で構成されていることが好ましく、あるいは外部を炭素で構成し、内部を高融点の金属で構成するような複合部材としても良い。このような複合部材を用いた構造とすることの利点は、該部材の表面ではヒータ2からの輻射熱を高効率で吸収することができ、また吸収された熱を該部材内部の金属を伝って高い熱伝導率で伝えることができ、さらに該部材の表面から高い輻射効率で坩堝支持円盤6や黒鉛坩堝5に向かって輻射熱を発することが可能である点にある。ここで高融点金属としては、例えばW(タングステン)あるいはMo(モリブデン)などが挙げられるが、これに限る必要はない。
【0027】
このような、本発明の熱伝導輻射部材9の、図2のような従来の断熱板12との最大の相違点は、本発明の熱伝導輻射部材9は、例えばその側面でヒータ2の熱を直接受ける事ができるようになっている事である。従って、図1の構成例では、熱伝導輻射部材9の側面を大きくし、ヒータ2の熱をより効率よく受領できるような構造をしている。
【0028】
以下、この本発明の結晶引き上げ装置1を用いて原料の溶融および結晶の引き上げを行う場合について説明する。
この結晶引き上げ装置1を用いて、石英坩堝4に充填された原料11を溶融する場合、例えば充填された原料の底部の方から溶融するため黒鉛坩堝5をヒータより相対的に高くすると、坩堝支持円盤6の下側とヒータ2との間には大きな空間ができる。ヒータ2からの輻射熱は水平方向に作用するが、これを受けるのは距離の離れた坩堝軸7であり、ヒータ2からの輻射熱線に対する坩堝軸7の投影面積は小さく、ヒータ2からの輻射熱を有効に受けることはできない。しかも、受け取った輻射熱は熱伝導によって黒鉛坩堝5とは反対の下側に逃げてしまう。
【0029】
そこで、熱伝導輻射部材9を上記の空間をほぼ埋めるように位置させれば、ヒータ2の下部側面から発せられた輻射熱を前記熱伝導輻射部材9の側面で直接受けることができる。熱伝導輻射部材9により受けた熱は、該部材の内部を熱伝導により伝わり、黒鉛坩堝5や坩堝支持円盤6の下方まで導かれる。そして、熱伝導輻射部材9が黒鉛坩堝5や坩堝支持円盤6に向かって輻射熱を放出することにより、黒鉛坩堝5の下部を積極的に再加熱することができる。
【0030】
なお、本発明の結晶引き上げ装置1は、図2に示したような断熱板12を使用することを妨げるものではない。例えば、この熱伝導輻射部材9の下側に、上記の断熱板12を配置してもよく、このようにして熱伝導輻射部材9の温度をより効率的に高温に保つようにしてもよい。
【0031】
ところで、引き上げる結晶がシリコンのような高純度が要求される結晶である場合については、一般に結晶引き上げ装置内の高温部分で部材として金属を用いることは、結晶に汚染を与える弊害が懸念されているところである。しかし、本発明においては、例えば熱伝導輻射部材9が炭素と金属との複合部材である場合であっても、熱伝導輻射部材9は、原料11よりも下方に位置し、しかも一般に雰囲気ガスは一方的に坩堝上方から下方に向かって流れ、結晶引き上げ装置1の底部から排出されるのみである。したがって、万が一、該熱伝導輻射部材9の内部から金属元素が拡散によって揮散したとしても、ガスによって結晶引き上げ装置1の外に排出され、原料融液中に混入することはない。
【0032】
石英坩堝4内に充填された原料11の溶融進行中は、一般に原料11の進行に合わせて、最も効率良く原料の溶融が行われるように、黒鉛坩堝5とヒータ2の位置を移動させるが、本発明ではそれに合わせて熱伝導輻射部材9を移動させるのが好ましい。
また、石英坩堝4内に充填された原料11の溶融が完了して、結晶引き上げの工程に入ると、今度は原料融液の対流を制御するために、適宜、熱伝導輻射部材9の位置を所定の位置に制御しながら引き上げが行われる。
【0033】
この場合、熱伝導輻射部材9が、黒鉛坩堝5およびヒータ2の昇降と連動して連続的にその位置を制御しても良いし、あるいは、必ずしもこれらに連動して連続的に位置が制御されなくとも、黒鉛坩堝5とヒータ2との位置関係に従うように予め位置を設定しておき、その設定位置に熱伝導輻射部材9を昇降移動させ、引き上げ中その位置で固定するようにしても良い。
【0034】
このように、本発明の結晶引き上げ装置を用いて結晶を引き上げる場合に、熱伝導輻射部材9の位置を制御しながら引き上げることにより、結晶は安定して成長し、結晶性に優れた結晶を引き上げることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて説明する。
(実施例)
図1に示す本発明の結晶引き上げ装置1を用いて結晶の引き上げを行った。石英坩堝4のサイズは直径24インチであり、130kgの原料11を石英坩堝4に充填して結晶の引き上げを行うこととし、原料の溶融時間、消費電力および結晶の成長特性を測定した。
【0036】
なお、この結晶引き上げ装置1の熱伝導輻射部材9としては、Moをカーボン素材で覆った、炭素と金属との複合部材を用いた。
また原料11の溶融が終了した後は、石英坩堝4内の原料11の融液の対流を制御するために、熱伝導輻射部材9の位置を坩堝の移動に連動して、原料融液の対流を制御しつつ、結晶の引き上げを行った。
【0037】
(比較例)
また比較のため、図2に示す従来の結晶引き上げ装置1を用いて結晶の引き上げを行った。石英坩堝4のサイズ、原料11の量は実施例と同じとして、同様に結晶の引き上げを行うこととし、原料の溶融時間、消費電力および結晶の成長特性を測定した。
なお、この結晶引き上げ装置1の断熱板12としては、断熱板12の一部を開閉可能とすることにより、断熱板12の熱透過量を調節できるものとした。
そして、実施例と同様に、原料11の溶融が終了した後は、石英坩堝4内の原料11の融液の対流を制御するために、断熱板12の熱透過量を調節して、原料融液の対流を制御しつつ、結晶の引き上げを行った。
【0038】
これらの実施例、比較例の測定結果を、比較例の値を100%とした場合の実施例の値を並記することにより比較し、表1に示した。
【0039】
【表1】
Figure 0004235282
【0040】
表1より、実施例の本発明の結晶引き上げ装置では、従来の結晶引き上げ装置に比べて、溶融時間、消費電力ともに著しく改善されていることが判る。また、結晶引き上げ中に、石英坩堝4内の融液の対流を制御して引き上げを行ったため、成長した結晶の形状は良好なものとなっている。
【0041】
一方、比較例の従来の結晶引き上げ装置では、断熱板12の熱透過量を制御することにより、石英坩堝4内の融液の対流を制御して引き上げを行ったため、成長した結晶の形状は良好なものとなっているが、溶融時間、消費電力ともに、実施例の本発明の結晶引き上げ装置に比べて劣っている。これより断熱板を設ける方法では、引き上げる結晶の結晶性を制御することはできても、溶融時間、消費電力を低減する効果は薄いことが判る。
【0042】
さらに、操業後の石英坩堝を調べてみた結果、実施例の石英坩堝の劣化度は比較例の石英坩堝より少なく、更に長時間の操業が可能であることが判った。従って本発明により、操業時間を長時間化させ、結晶生産性の一層の向上が可能であることが判った。
【0043】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0044】
例えば、本発明で言う「チョクラルスキー法」とは、坩堝内の融液に磁場を印加しながら結晶を育成する、いわゆるMCZ法も含むものであり、本発明の結晶引き上げ装置および結晶引き上げ方法は、当然MCZ法においても適用でき、その効果を発揮できるものである。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、大チャージ量の原料を短時間に少ないヒータパワーで溶融することが可能となる。その結果、生産性の向上とコストの低減を図ることができる。
さらに、ヒータパワーを低減することができるので、坩堝の耐用寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶引き上げ装置の一例を示した説明図である。
【図2】従来の結晶引き上げ装置の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1…結晶引き上げ装置、 2…ヒータ、 3…ヒータ支持軸、
4…石英坩堝、 5…黒鉛坩堝、 6…坩堝支持円盤、 7…坩堝軸、
8…断熱材、 9…熱伝導輻射部材、 10…熱伝導輻射部材支持軸、
11…原料、 12…断熱板。

Claims (5)

  1. 少なくとも原料を充填する坩堝と該坩堝を囲繞するヒータを備え、チョクラルスキー法により結晶を製造する結晶引き上げ装置において、
    前記ヒータからの輻射熱を受けて前記坩堝の下方まで熱伝導により熱を伝え坩堝に向かって輻射熱を放出する熱伝導輻射部材が配置され、該熱伝導輻射部材が、前記坩堝とは別体であり、昇降可能であることを特徴とする結晶引き上げ装置。
  2. 前記熱伝導輻射部材が、坩堝の昇降および/またはヒータの昇降と連動して昇降可能であることを特徴とする請求項に記載の結晶引き上げ装置。
  3. 前記熱伝導輻射部材が、炭素部材あるいは炭素と金属との複合部材からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の結晶引き上げ装置。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の結晶引き上げ装置を用いて、結晶を引き上げることを特徴とする結晶引き上げ方法。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の結晶引き上げ装置を用いて結晶を引き上げる場合に、前記熱伝導輻射部材の位置を制御しながら引き上げることを特徴とする結晶引き上げ方法。
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