JP2000053486A - 結晶引き上げ装置および結晶引き上げ方法 - Google Patents

結晶引き上げ装置および結晶引き上げ方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないヒータパワーにより大チャージ量の原
料を短時間に溶融し、且つ結晶成長を制御できる結晶引
き上げ装置と結晶引き上げ方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも原料を充填する坩堝と該坩堝
を囲繞するヒータを備え、チョクラルスキー法により結
晶を製造する結晶引き上げ装置において、前記ヒータか
らの輻射熱を受けて前記坩堝の下方まで熱伝導により熱
を伝え坩堝に向かって輻射熱を放出する熱伝導輻射部材
が配置されている結晶引き上げ装置。およびこの装置を
用いて結晶を引き上げる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(CZ法)により結晶を製造する結晶引き上げ装置お
よび結晶引き上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チョクラルスキー法による結晶の
製造において、坩堝に原料を充填し、この坩堝を囲繞す
るヒータにより加熱し、原料を溶融して融液とし、種結
晶を該原料融液に接触させた後、回転させながらゆっく
り引き上げることで結晶棒を成長させ引き上げることが
行われてきた。
【0003】近年引き上げられる結晶の大直径化に伴
い、高収率を得るために原料を充填する坩堝を大直径化
して原料チャージ量を増大してきた。坩堝内の原料チャ
ージ量が増えると、増えた原料を溶融する時間が長くな
るため、単結晶の生産性が低下するとともに、長時間高
温にさらされるため石英坩堝の耐久性も低下する。そこ
で、溶融時間短縮のために、ヒータパワーを増加した
り、サブヒータを配置するといった対策が提案された。
【0004】しかし、ヒータパワーを増加させた場合に
は、原料の溶融時間を短縮することはできても坩堝の温
度が高くなってしまい、結局坩堝の耐久性が低下してし
まう。また消費電力が増加し製造コストが高くなってし
まう等の欠点がある。
【0005】またサブヒータを使用する場合(特開平2
−221184号公報参照)には、専用の電源を必要と
し、消費電力も大きくなると同時に、結晶引き上げ装置
のコストが高くなり、結果として製品コストが高くなっ
てしまう欠点がある。さらにサブヒータをMCZ法と組
み合わせ、結晶の引き上げにおいて結晶成長を制御しよ
うとするもの(特開平2−229786号公報参照)が
あるが、磁場中ではヒータが応力を受ける為、制御電流
の変化によりサブヒータが破損する問題があった。
【0006】以上のように、結晶を引き上げる場合、特
に大チャージ量の原料を溶融する場合に、ヒータ自体に
改良を加えてヒータが放出する熱量を増大させることに
より、溶融時間を短縮しようとする方法は、消費電力が
増大する等の問題があり、実用的ではなかった。
【0007】CZ法における原料の溶融においては、メ
インヒータからの輻射熱が坩堝に吸収され、その一部は
内部に輻射と熱伝導により伝わり坩堝内の原料を溶融す
るが、他の一部は黒鉛坩堝から坩堝軸に熱伝導されてし
まい原料の溶融に寄与しない。あるいは坩堝の下側表面
から下方に熱放射され、その分の熱量は無駄となってし
まう。そこで、この無駄となる熱量を減少させることに
よって、溶融時間の短縮を図る方法が研究された。
【0008】図2は、そのようなヒータ熱のロスを防ぐ
方法として提案された装置の一例を示したものである。
図2に示すように、この結晶引き上げ装置1において
は、原料11を充填する石英坩堝4とこれを支持する黒
鉛坩堝5、さらにこれを囲繞するヒータ2が備えられて
いる。そして、この装置の特徴は、黒鉛坩堝5の下側に
断熱板12を配置し、下方に熱が無駄に放出されるのを
防いでいることである。このような装置としては、さら
に進歩したものとして、特開平4−46099号公報に
示されているような、断熱板12の一部を開閉自在にす
ることにより、断熱板12の熱透過量を調節できるもの
も提案されている。
【0009】しかしながら、この方法は、断熱板がヒー
タから直接輻射熱を受けるわけではないため、坩堝から
下方へ逃げる熱量を調節するのみで、結晶引き上げ時に
おける坩堝の上下方向の温度バランスを調整する程度の
効果しかもっておらず、特に大チャージ量の原料を溶融
する際に坩堝の下方に失われる輻射熱を補う効果は殆ど
期待できない。
【0010】以上述べたように、従来の技術では、大チ
ャージ量の原料を溶融する際の溶融時間の長時間化や坩
堝の耐久性の低下を有効に防ぐことができず、適当な解
決手段が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題に
鑑みてなされたもので、少ないヒータ加熱電力により大
チャージの原料を短時間に溶融し、坩堝の劣化を防止す
るとともに、さらには結晶成長を制御できる結晶引き上
げ装置と結晶引き上げ方法を提供することを主たる目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、少なくとも原
料を充填する坩堝と該坩堝を囲繞するヒータを備え、チ
ョクラルスキー法により結晶を製造する結晶引き上げ装
置において、前記ヒータからの輻射熱を受けて前記坩堝
の下方まで熱伝導により熱を伝え坩堝に向かって輻射熱
を放出する熱伝導輻射部材が配置されていることを特徴
とする結晶引き上げ装置である。
【0013】このように、ヒータからの輻射熱を受けて
坩堝の下方まで熱伝導により熱を伝え坩堝に向かって輻
射熱を放出する熱伝導輻射部材が配置されていれば、熱
伝導輻射部材によりヒータの輻射熱、特にヒータの下側
からの輻射熱を、直接的に受けて効率良く坩堝の下方に
導くことができ、坩堝の下部を積極的に再加熱すること
ができる。
【0014】この場合、請求項2に記載したように、熱
伝導輻射部材が、昇降可能であることが好ましく、さら
に請求項3に記載したように熱伝導輻射部材が、坩堝の
昇降および/またはヒータの昇降と連動して昇降可能で
あることが好ましい。このように、熱伝導輻射部材が昇
降可能であり、特に坩堝やヒータの昇降と連動して昇降
可能であれば、熱伝導輻射部材を坩堝とヒータの位置関
係に応じた所定の位置に移動させることができ、これに
より最適な加熱状態を得ることができる。従って、最適
の状態で原料の溶融をすることができるし、結晶引き上
げ中においても、坩堝内の原料融液の対流状態を最適と
なるように調整することができる。
【0015】また、請求項4に記載したように、熱伝導
輻射部材が、炭素部材あるいは炭素と金属との複合部材
からなるものとすることができる。このように、熱伝導
輻射部材が、炭素部材あるいは炭素と金属との複合部材
からなるのであれば、ヒータからの輻射熱を高効率で吸
収することができ、吸収された熱を高い輻射効率で坩堝
に向かって放出することができる。
【0016】そして、本発明の請求項5に記載した発明
は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の結
晶引き上げ装置を用いて、結晶を引き上げることを特徴
とする結晶引き上げ方法である。このように請求項1な
いし請求項4のいずれか1項に記載の引き上げ装置を用
いて、結晶を引き上げる方法は、大量にチャージされた
原料を短時間に少ないヒータパワーで溶融可能な引き上
げ方法となる。さらにヒータパワーを低減することがで
きるので、坩堝の耐用寿命を長くすることもできる。従
って、結晶の生産性の向上およびコストダウンを図るこ
とができる。
【0017】さらに、本発明の請求項6に記載した発明
は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の結
晶引き上げ装置を用いて結晶を引き上げる場合に、熱伝
導輻射部材の位置を制御しながら引き上げることを特徴
とする結晶引き上げ方法である。このように本発明の結
晶引き上げ装置を用いて結晶を引き上げる場合には、前
記原料溶融時間の短縮等ができるのみならず、熱伝導輻
射部材の位置を制御しながら引き上げるようにすれば、
結晶成長の安定性や、結晶に取り込まれる不純物の濃度
の均一性に影響を与える坩堝内の原料融液の対流状態を
最適にすることができ、結晶性にも優れた結晶を引き上
げることができる。
【0018】以下、本発明につきさらに詳細に説明す
る。本発明の発明者は、大チャージ量の原料を石英坩堝
に劣化を生じることなく短時間で溶融し、さらには結晶
成長を制御することができる結晶引き上げ装置と結晶引
き上げ方法について鋭意研究を重ねた。その結果、ヒー
タからの輻射熱を直接的に受けることができ、この熱を
坩堝の下方まで熱伝導により伝え、坩堝に向かって輻射
熱を放出することができる熱伝導輻射部材を配置するこ
とにより、上記課題を解決することを着想し、改良を重
ねた結果、本発明を完成するに到ったものである。
【0019】前述のように、従来のヒータ自体を増設し
た結晶引き上げ装置は、消費電力が増大する等の問題が
あるため実用性に欠け、図2に示したような断熱板を配
置した装置は、坩堝以外の場所に逃げる熱量を調節する
のみで、坩堝を積極的に再加熱するわけではないため、
坩堝の上下方向の温度バランスを調整することにより原
料融液の対流を調整し結晶成長を制御することはできて
も、原料の溶融時間を短縮する効果は乏しかった。
【0020】そこで、本発明の発明者は、従来では坩堝
以外に逃げてしまっていたヒータからの輻射熱を直接受
け、それを坩堝の直近まで伝導し、その伝導した熱を坩
堝に再輻射できる機能をもつ熱伝導輻射部材を配置する
ことにした。このようにすれば、同じヒータパワーでも
坩堝が受ける全熱量は大幅に増え、石英坩堝に損傷を与
えることなく原料の溶融時間を短縮することができる。
【0021】この熱伝導輻射部材は、一般的な炭素素材
や金属素材等を用いて簡単に作製することができ、この
ような部材を適当に配置することにより、原料の溶融時
間を短縮し、ヒータパワーを低減して坩堝の耐用寿命を
長くすることができる。
【0022】さらに、この熱伝導輻射部材の位置を任意
に移動することにより、例えば、充填された原料の量の
相違に従い、熱伝導輻射部材の位置を変更し、効率的に
原料の溶融をすることができる。また、坩堝の上下方向
の温度バランスを調整することもでき、これによって坩
堝の原料融液の対流を調節して、原料融液の対流に関係
した結晶成長の安定性や結晶に取り込まれる不純物の濃
度の均一性を制御することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の結晶引き上げ装置の一例を示した説明図
である。図1に示すように、チョクラルスキー法により
結晶を製造する結晶引き上げ装置1において、原料11
を充填する石英坩堝4とこれを支持する黒鉛坩堝5を備
えており、さらにこれを囲繞するヒータ2を備えてい
る。ヒータの外側には断熱材8が配置され、保温効果を
得ている。
【0024】またヒータ2は、これを支持するヒータ支
持軸3を介して昇降機構(図示せず)により昇降可能と
されている。黒鉛坩堝5は、これを支持する坩堝支持円
盤6に組み込まれ、該坩堝支持円盤6は坩堝軸7の上端
に固定されている。坩堝軸7は駆動機構(図示せず)に
よって昇降、回転自在とされている。これらの黒鉛坩堝
5及びヒータ2の位置関係は、例えば結晶引き上げ時に
おける石英坩堝4内の原料11の残量その他の状態によ
り自在に変化させることが可能なようになっている。
【0025】ここで、ヒータ2の下側と坩堝支持円盤6
の側面の空間から坩堝支持円盤6の下側面を取り囲むよ
うに熱伝導と輻射機能を備えた熱伝導輻射部材9が配置
されているのが本発明の結晶引き上げ装置の特徴であ
る。この熱伝導輻射部材9は熱伝導輻射部材支持軸10
を介して昇降機能(図示せず)により昇降可能となって
おり、単独で昇降することも、また黒鉛坩堝5の昇降お
よびヒータ2の昇降と連動して、昇降することもできる
ようになっている。
【0026】この熱伝導輻射部材9は、耐熱性に優れ、
熱の吸収率と輻射効率が高い炭素部材で構成されている
ことが好ましく、あるいは外部を炭素で構成し、内部を
高融点の金属で構成するような複合部材としても良い。
このような複合部材を用いた構造とすることの利点は、
該部材の表面ではヒータ2からの輻射熱を高効率で吸収
することができ、また吸収された熱を該部材内部の金属
を伝って高い熱伝導率で伝えることができ、さらに該部
材の表面から高い輻射効率で坩堝支持円盤6や黒鉛坩堝
5に向かって輻射熱を発することが可能である点にあ
る。ここで高融点金属としては、例えばW(タングステ
ン)あるいはMo(モリブデン)などが挙げられるが、
これに限る必要はない。
【0027】このような、本発明の熱伝導輻射部材9
の、図2のような従来の断熱板12との最大の相違点
は、本発明の熱伝導輻射部材9は、例えばその側面でヒ
ータ2の熱を直接受ける事ができるようになっている事
である。従って、図1の構成例では、熱伝導輻射部材9
の側面を大きくし、ヒータ2の熱をより効率よく受領で
きるような構造をしている。
【0028】以下、この本発明の結晶引き上げ装置1を
用いて原料の溶融および結晶の引き上げを行う場合につ
いて説明する。この結晶引き上げ装置1を用いて、石英
坩堝4に充填された原料11を溶融する場合、例えば充
填された原料の底部の方から溶融するため黒鉛坩堝5を
ヒータより相対的に高くすると、坩堝支持円盤6の下側
とヒータ2との間には大きな空間ができる。ヒータ2か
らの輻射熱は水平方向に作用するが、これを受けるのは
距離の離れた坩堝軸7であり、ヒータ2からの輻射熱線
に対する坩堝軸7の投影面積は小さく、ヒータ2からの
輻射熱を有効に受けることはできない。しかも、受け取
った輻射熱は熱伝導によって黒鉛坩堝5とは反対の下側
に逃げてしまう。
【0029】そこで、熱伝導輻射部材9を上記の空間を
ほぼ埋めるように位置させれば、ヒータ2の下部側面か
ら発せられた輻射熱を前記熱伝導輻射部材9の側面で直
接受けることができる。熱伝導輻射部材9により受けた
熱は、該部材の内部を熱伝導により伝わり、黒鉛坩堝5
や坩堝支持円盤6の下方まで導かれる。そして、熱伝導
輻射部材9が黒鉛坩堝5や坩堝支持円盤6に向かって輻
射熱を放出することにより、黒鉛坩堝5の下部を積極的
に再加熱することができる。
【0030】なお、本発明の結晶引き上げ装置1は、図
2に示したような断熱板12を使用することを妨げるも
のではない。例えば、この熱伝導輻射部材9の下側に、
上記の断熱板12を配置してもよく、このようにして熱
伝導輻射部材9の温度をより効率的に高温に保つように
してもよい。
【0031】ところで、引き上げる結晶がシリコンのよ
うな高純度が要求される結晶である場合については、一
般に結晶引き上げ装置内の高温部分で部材として金属を
用いることは、結晶に汚染を与える弊害が懸念されてい
るところである。しかし、本発明においては、例えば熱
伝導輻射部材9が炭素と金属との複合部材である場合で
あっても、熱伝導輻射部材9は、原料11よりも下方に
位置し、しかも一般に雰囲気ガスは一方的に坩堝上方か
ら下方に向かって流れ、結晶引き上げ装置1の底部から
排出されるのみである。したがって、万が一、該熱伝導
輻射部材9の内部から金属元素が拡散によって揮散した
としても、ガスによって結晶引き上げ装置1の外に排出
され、原料融液中に混入することはない。
【0032】石英坩堝4内に充填された原料11の溶融
進行中は、一般に原料11の進行に合わせて、最も効率
良く原料の溶融が行われるように、黒鉛坩堝5とヒータ
2の位置を移動させるが、本発明ではそれに合わせて熱
伝導輻射部材9を移動させるのが好ましい。また、石英
坩堝4内に充填された原料11の溶融が完了して、結晶
引き上げの工程に入ると、今度は原料融液の対流を制御
するために、適宜、熱伝導輻射部材9の位置を所定の位
置に制御しながら引き上げが行われる。
【0033】この場合、熱伝導輻射部材9が、黒鉛坩堝
5およびヒータ2の昇降と連動して連続的にその位置を
制御しても良いし、あるいは、必ずしもこれらに連動し
て連続的に位置が制御されなくとも、黒鉛坩堝5とヒー
タ2との位置関係に従うように予め位置を設定してお
き、その設定位置に熱伝導輻射部材9を昇降移動させ、
引き上げ中その位置で固定するようにしても良い。
【0034】このように、本発明の結晶引き上げ装置を
用いて結晶を引き上げる場合に、熱伝導輻射部材9の位
置を制御しながら引き上げることにより、結晶は安定し
て成長し、結晶性に優れた結晶を引き上げることができ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
説明する。 (実施例)図1に示す本発明の結晶引き上げ装置1を用
いて結晶の引き上げを行った。石英坩堝4のサイズは直
径24インチであり、130kgの原料11を石英坩堝
4に充填して結晶の引き上げを行うこととし、原料の溶
融時間、消費電力および結晶の成長特性を測定した。
【0036】なお、この結晶引き上げ装置1の熱伝導輻
射部材9としては、Moをカーボン素材で覆った、炭素
と金属との複合部材を用いた。また原料11の溶融が終
了した後は、石英坩堝4内の原料11の融液の対流を制
御するために、熱伝導輻射部材9の位置を坩堝の移動に
連動して、原料融液の対流を制御しつつ、結晶の引き上
げを行った。
【0037】(比較例)また比較のため、図2に示す従
来の結晶引き上げ装置1を用いて結晶の引き上げを行っ
た。石英坩堝4のサイズ、原料11の量は実施例と同じ
として、同様に結晶の引き上げを行うこととし、原料の
溶融時間、消費電力および結晶の成長特性を測定した。
なお、この結晶引き上げ装置1の断熱板12としては、
断熱板12の一部を開閉可能とすることにより、断熱板
12の熱透過量を調節できるものとした。そして、実施
例と同様に、原料11の溶融が終了した後は、石英坩堝
4内の原料11の融液の対流を制御するために、断熱板
12の熱透過量を調節して、原料融液の対流を制御しつ
つ、結晶の引き上げを行った。
【0038】これらの実施例、比較例の測定結果を、比
較例の値を100%とした場合の実施例の値を並記する
ことにより比較し、表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1より、実施例の本発明の結晶引き上げ
装置では、従来の結晶引き上げ装置に比べて、溶融時
間、消費電力ともに著しく改善されていることが判る。
また、結晶引き上げ中に、石英坩堝4内の融液の対流を
制御して引き上げを行ったため、成長した結晶の形状は
良好なものとなっている。
【0041】一方、比較例の従来の結晶引き上げ装置で
は、断熱板12の熱透過量を制御することにより、石英
坩堝4内の融液の対流を制御して引き上げを行ったた
め、成長した結晶の形状は良好なものとなっているが、
溶融時間、消費電力ともに、実施例の本発明の結晶引き
上げ装置に比べて劣っている。これより断熱板を設ける
方法では、引き上げる結晶の結晶性を制御することはで
きても、溶融時間、消費電力を低減する効果は薄いこと
が判る。
【0042】さらに、操業後の石英坩堝を調べてみた結
果、実施例の石英坩堝の劣化度は比較例の石英坩堝より
少なく、更に長時間の操業が可能であることが判った。
従って本発明により、操業時間を長時間化させ、結晶生
産性の一層の向上が可能であることが判った。
【0043】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0044】例えば、本発明で言う「チョクラルスキー
法」とは、坩堝内の融液に磁場を印加しながら結晶を育
成する、いわゆるMCZ法も含むものであり、本発明の
結晶引き上げ装置および結晶引き上げ方法は、当然MC
Z法においても適用でき、その効果を発揮できるもので
ある。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
大チャージ量の原料を短時間に少ないヒータパワーで溶
融することが可能となる。その結果、生産性の向上とコ
ストの低減を図ることができる。さらに、ヒータパワー
を低減することができるので、坩堝の耐用寿命を長くす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶引き上げ装置の一例を示した説明
図である。
【図2】従来の結晶引き上げ装置の一例を示した説明図
である。
【符号の説明】
1…結晶引き上げ装置、 2…ヒータ、 3…ヒータ支
持軸、4…石英坩堝、 5…黒鉛坩堝、 6…坩堝支持
円盤、 7…坩堝軸、8…断熱材、 9…熱伝導輻射部
材、 10…熱伝導輻射部材支持軸、11…原料、 1
2…断熱板。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも原料を充填する坩堝と該坩堝
    を囲繞するヒータを備え、チョクラルスキー法により結
    晶を製造する結晶引き上げ装置において、 前記ヒータからの輻射熱を受けて前記坩堝の下方まで熱
    伝導により熱を伝え坩堝に向かって輻射熱を放出する熱
    伝導輻射部材が配置されていることを特徴とする結晶引
    き上げ装置。
  2. 【請求項2】 前記熱伝導輻射部材が、昇降可能である
    ことを特徴とする請求項1に記載の結晶引き上げ装置。
  3. 【請求項3】 前記熱伝導輻射部材が、坩堝の昇降およ
    び/またはヒータの昇降と連動して昇降可能であること
    を特徴とする請求項2に記載の結晶引き上げ装置。
  4. 【請求項4】 前記熱伝導輻射部材が、炭素部材あるい
    は炭素と金属との複合部材からなることを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の結晶引き
    上げ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の結晶引き上げ装置を用いて、結晶を引き上げる
    ことを特徴とする結晶引き上げ方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の結晶引き上げ装置を用いて結晶を引き上げる場
    合に、前記熱伝導輻射部材の位置を制御しながら引き上
    げることを特徴とする結晶引き上げ方法。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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