JP4234090B2 - 電子写真用二成分現像剤 - Google Patents
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Description
(1)「少なくともトナーとキャリアからなる二成分現像剤であって、キャリア芯材表面が樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は粒子材料を含有し、該粒子材料は少なくとも導電性粒子を含むものであり、該導電性粒子は酸化スズ層の上に二酸化スズを含む酸化インジウム層からなる導電性被覆層を有し、前記樹脂被覆層中に含まれる前記粒子材料は前記キャリア芯材に対して被覆率が30〜90%の範囲で含有されており、前記トナーはトナー母体粒子表面をフッ素処理されており、XPS(X線光電子分光)法によって検出される、前記フッ素含有化合物に依存したフッ素原子の含有率が、2〜30原子個数%であることを特徴とする電子写真用二成分現像剤」;
(2)「前記導電性粒子は基体の上に前記酸化スズ層を有し、該酸化スズ層の上に二酸化スズを含む酸化インジウム層からなる導電性被覆層を有するものであり、該基体が、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムのいずれかの単独或いは複数であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真用二成分現像剤」;
(3)「前記導電性粒子の粉体比抵抗が、200(Ω・cm)以下であることを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の電子写真用二成分現像剤」;
(4)「前記樹脂被覆層に含有される前記粒子材料は、前記導電性粒子以外の粒子を含有するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(5)「前記キャリアの体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(6)「前記キャリアの重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(7)「前記結着樹脂が少なくともシリコン樹脂を含むものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(8)「前記結着樹脂が少なくともアクリル樹脂を含むものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(9)「前記結着樹脂が少なくともアクリル樹脂及びシリコン樹脂であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(10)「前記樹脂被覆層に含まれる前記粒子材料の粒子径(D)と、該樹脂被覆層の膜厚(h)の比が、1<[D/h]<10であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(11)「前記キャリアの1000(10 3 /4π・A/m)における磁気モーメントが、40(Am 2 /kg)以上90(Am 2 /kg)以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤」;
(12)「前記トナーがカラートナーであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の電子写真用二成分カラー現像剤」;
(13)「像担持体上に静電潜像を形成する工程、前記静電潜像を少なくともキャリアとトナーからなる現像剤で現像し可視像を形成する工程、得られた可視像を記録部材に転写し、定着する工程を有する画像形成方法であって、前記現像剤が前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法」;
(14)「現像手段と、像担持体、帯電手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、現像剤を保持し、該現像剤は前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ」。
本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決するために検討を続けてきた結果、少なくともトナーとキャリアからなる二成分現像剤用キャリアにおいて、該キャリアのキャリア芯材表面に樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層中には粒子材料を含有し、該粒子材料は少なくとも導電性粒子を含むものであり、該導電性粒子は酸化スズ層の上に二酸化スズを含む酸化インジウム層からなる導電性被覆層を有し、前記樹脂被覆層中に含まれる前記粒子材料は前記キャリア芯材に対して被覆率が30〜90%、より好ましくは40〜80%で、特に好ましくは45〜75%の範囲で含有することで改善効果が顕著であることが判った。該導電性粒子は、基体粒子を用いてこの上に前記酸化スズ層、二酸化スズを含む酸化インジウムの層を順次設けても、或いは、基体を用いず(酸化スズ粒子を基体として用い)、この酸化スズの表面に二酸化スズを含む酸化インジウムの層を設けてもよいが、基体粒子を用いてこの上に前記酸化スズ層、二酸化スズを含む酸化インジウムの層を順次設けるのが好ましい。これは、該導電性粒子の構成が、その基体粒子の表面の下層に二酸化スズ層を設け、その上に導電層である二酸化スズを含む酸化インジウムの層を設け適切な処理をすることで、上層の導電層が粒子表面に均一かつ強固に固定化することができるので、抵抗調整効果を充分発揮することが可能となる。
X線源:MgKα(400W)
分析領域:0.8×2.0mm
前処理:試料はアルミ皿内に詰め込み、カーボンシートで試料ホルダに接着させて測定した。
表面原子濃度算出:PHI社提供の相対感度因子を用いた。
また得られる結果はatomic%(原子個数%)である。
本発明における粉体比抵抗は、つぎのようにして測定される。すなわち、内径1インチの塩ビ管の下部に鋼鉄製電極を当て、塩ビ管内に試料5gを入れる。塩ビ管上部に鉄鋼製電極を当て、電極の上下に2mm厚テフロン(登録商標)板を敷き、油圧ブレス機にて油圧ゲージ目盛りで10kg/cm2の加重を加える。10kg/cm2の加圧した状態でLCRメーター(横河−HEWLETT−PACKARD社製 4261A)を接続し、接続直後の抵抗r(Ω)を読み取る。ノギスで全長L(cm)を測定する。
下層の二酸化スズの水和物の被膜を形成し、上層の二酸化スズを含む酸化インジウムの水和物の被覆を形成し、次にこれら水和物を加熱焼成処理(非水和化処理)する(及び、所望によりさらに、その後シランカップリング剤添加処理する)態様が、非限定的な態様例として、挙げられ、その際、下層の二酸化スズの水和物の被膜を形成させる方法としては、種々の方法がある。例えば、白色無機顔料の水懸濁液に、スズ塩またはスズ酸塩の溶液を添加した後、アルカリまたは酸を添加する方法、スズ塩またはスズ塩酸とアルカリまたは酸とを別々に並行して添加し被覆処理する方法等がある。白色無機顔料粒子表面に酸化スズの含水物を均一に被覆処理するには、後者の並行添加の方法がより適しており、このとき、水懸濁液を50〜100℃に加温保持することがより好ましい。また、スズ塩またはスズ酸塩とアルカリまたは酸とを並行添加する際のpHを2〜9とする。二酸化スズ水和物の等電点はpH=5.5であるので、好ましくはpH=2〜5あるいはpH6〜9を維持することが重要で、これによりスズの加水反応生成物を白色無機顔料粒子表面に均一に沈着させることができる。
二酸化スズの水和物の被覆量は基体の白色無機顔料に対して、SnO2として0.5〜50重量%であり、好ましくは1.5〜40重量%である。少な過ぎると、上に被覆する酸化スズを含む酸化インジウムの水和物の被覆状態が不均一となり、しかも、基体の無機顔料の影響を受け、粉体の体積固有抵抗が高くなる。多過ぎると、基体の無機顔料粒子表面に密着していない酸化スズの水和物の量が多くなり、被覆が不均一になり易い。
二酸化スズ添加量は、In2O3に対してSnO2して0.1〜20重量%、好ましくは、2.5〜15重量%であり、少な過ぎても、多過ぎても所望の導電性が得られない。
非酸化性雰囲気とするためには、不活性ガスが使用できる。不活性ガスとしては例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等を使用することができる。工業的には、窒素ガスを吹き込みながら加熱処理を行なうことがコスト的に有利であり、特性の安定したものが得られる。
ここで、本発明でいうトナーについて詳しく説明することにする。本発明でいうトナーとは、モノクロトナー、カラートナー、フルカラートナーを問わず、一般的にいうトナー全てを含む。例えば、従来より用いられている混練粉砕型のトナーや、近年用いられるようになってきた多種の重合トナーなどが挙げられる。更に、離型剤を有するいわゆるオイルレストナーも用いることができるが、トナー母体粒子表面をフッ素処理しており、XPS(X線光電子分光)法によって検出される、前記フッ素含有化合物に依存したフッ素原子の含有率が2〜10原子個数%であればよい。一般的に、オイルレストナーは離型剤を含有するため、この離型剤がキャリア表面に移行するいわゆるスペントが生じやすいが、本発明のキャリアは耐スペント性が優れているため、長期にわたり良好な品質を維持できる。特にオイルレスフルカラートナーにおいては、結着樹脂が軟らかいため一般的にスペントし易いといわれるが、本発明のキャリアは非常に向いているといえる。
また、これら着色剤は1種または2種以上を使用することができる。
前記一般式(I)の化合物の代表的な具体例としては、以下のようなフッ素系化合物(1)〜(27)が挙げられ、すべて白色または淡黄色を示している。またYはヨウ素がより好ましい。
フッ素化合物をトナーに処理する方法として、無機微粒子添加前の母体トナーをフッ素化合物を分散させた水系溶媒(界面活性剤を含んだ水も好ましい)に分散させ、トナー表面にフッ素化合物を付着させた後、溶媒を除去、乾燥させてトナー母体を得ることができるが、この方法に限定されない。
図1に本発明の現像剤を有するプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。図1において、図はプロセスカートリッジ全体を示し、像担持体の典型例としての感光体、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段を備えている。
[導電微粒子]
酸化アルミニウム(平均一次粒径0.40μm、真比重3.9)200gを水2.5リットルに分散させて水懸濁液とした。この懸濁液を80に加温保持した。別途用意した塩化第二スズ(SnCl4・5H2O)25gを2N塩酸200ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを、懸濁液のpHを7〜8に保持するように添加した。引き続き別途用意した塩化インジウム(InCl3)75gおよび塩化第二スズ(SnCl4・5H2O)10gを2N塩酸800ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のpHを7〜8に保持するように滴下した。滴下終了後、処理懸濁液を濾過、洗浄し、得られた処理顔料のケーキを120℃で乾燥した。
次いで、得られた乾燥粉末を窒素ガス気流中(1リットル/分)で500℃にて1.5時間熱処理した。得られた焼成物を粉砕し、この粉砕物を70℃に加温したヘンシェルミキサーにて、攪拌しながら4重量%のγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを添加処理をする。さらに処理品は100℃で1時間の加熱処理を行ない目的とする白色導電性粉末Aを得た。
・シリコン樹脂溶液[固形分23重量%(SR2410:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 132.2重量部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66重量部
・導電性粒子A[基体:アルミナ、表面処理;
下層=二酸化スズ/上層=二酸化スズを含む酸化インジウム、
粒径:0.40μm、粒子粉体比抵抗:3.7Ω・cm]31重量部
・無機酸化微粒子A
酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重:3.9 45重量部
・トルエン 300重量部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコン樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として平均粒径;35μm焼成フェライト粉(真比重5.5)5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて240℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、D/h:2.3、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア1]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が46%であった。
芯材の平均粒径測定については、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定で行なったものを用いた。
結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
磁化測定は、東英工業(株)製VSM−P7−15を用い、下記の方法により測定したものである。試料約0.15gを秤量し、内径2.4mmφ、高さ8.5mmのセルに試料を充填し、1000エルステット(Oe)の磁場下で測定した値。
無機微粒子の製造例
コア用原料の液状SiCl4を液体原料供給装置を用いてキャリアガスとしてArガスを流量300SCCM(毎分標準体積流量(CC))で吹き込み、流量250SCCMのSiCl4蒸気を、H2ガス20SLM(毎分標準体積流量(L))、O2ガス20SLMと共にコア用バーナーに送り火炎加水分解、融合させてSiO2微粒子を生成させた。この微粒子を所定の一次粒子径になるまで成長させ、得られた微粒子をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理を行ない、平均一次粒子径が5nmの[無機微粒子1]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。該[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7):三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)40部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)60部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行ない、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
その後、水90部に対して[濾過ケーキ1]15部を加えて、これにフッ素化合物(上記例示化合物2)を0.0005部分散させることで、トナー粒子表面にフッ素化合物(2)を付着させた後、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、トナーを得た。これを、[トナー1]とする。このときのフッ素原子の含有率は2.2原子個数%であった。
[キャリア付着]
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX8200)改造機に現像剤をセットし、地肌ポテンシャルを150Vに固定し、無画像チャートを現像した感光体表面に付着しているキャリア個数をルーペ観察により5視野カウントし、その平均の100cm2当たりのキャリア付着個数をもってキャリア付着量とした。評価は、◎:20個以下、○:21個以上60個以下、△:61個以上80個以下、×:81個以上とし、◎○△を合格とし×を不合格とした。
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX8200)改造機に現像剤をセットし、大面積の画像を有するテストパターンを出力する。こうして得た画像パターン中央部の画像濃度の薄さ具合と、端部の濃さ具合の差を次のようにランクわけした。差がないものを◎、若干差があるものを○、差はあるが許容できるものを△、許容できないレベルまで差が生じているものを×とし、◎○△を合格とし×を不合格とした。
画像の精細性については、文字画像部の再現性によって評価した。評価方法は、市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX 8200)改造機に現像剤をセットし、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさ;2mm×2mm程度)を出力し、その文字再現性を画像により評価し、次のようにランク分けした。◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル、◎○△を合格とし×を不合格とした。
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製IPSiO CX 8200)改造機に現像剤をセットし、単色による100,000枚のランニング評価を行なった。そして、このランニングを終えたキャリアの帯電低下量、抵抗低下量をもって判断した。
キャリアへの添加剤スペントは、以下の方法で測定することができる。サンプリングした現像剤からトナーをエジェクトし、コート層を溶解しない溶媒にて完全洗浄し、得られたキャリアを計測する。(株)RIGAKU社製のZSX−100Eを用いて測定した。
[トナー2]
有機微粒子エマルションの合成
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン68部、メタクリル酸93部、アクリル酸ブチル115部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液2]を得た。[微粒子分散液2]をLA−920で測定した体積平均粒径は、90nmであった。[微粒子分散液2]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは56℃であり、重量平均分子量は15万であった。
トナー1での[微粒子分散液1]の代わりに[微粒子分散液2]を使用した以外はトナー1と同様の工程でトナーを[濾過ケーキ2]を得た。その後、水90部に対して[濾過ケーキ2]15部を加えて、これにフッ素化合物(上記例示化合物2)を0.002部分散させることで、トナー粒子表面にフッ素化合物(2)を付着させた後、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これにトナー1同様の外添剤処理を行ない、[トナー2]を得た。このときのフッ素原子の含有率は7.6原子個数%であった。
酸化アルミニウム(平均一次粒径0.40μm、真比重3.9)200gを水2.5リットルに分散させて水懸濁液とした。この懸濁液を80℃に加温保持した。別途用意した塩化第二スズ(SnCl4・5H2O)25gを2N塩酸200ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを、懸濁液のpHを7〜8に保持するように添加した。引き続き別途用意した塩化インジウム(InCl3)75gおよび塩化第二スズ(SnCl4・5H2O)10gを2N塩酸800ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のpHを7〜8に保持するように滴下した。滴下終了後、処理懸濁液を濾過、洗浄し、得られた処理顔料のケーキを120℃で乾燥した。
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 132.2重量部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.66重量部
・導電性粒子B[粒径:0.40μm、粒子粉体比抵抗:4.7Ω・cm] 57重量部
・無機酸化微粒子A
酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9 35重量部
・トルエン 300重量部
をホモミキサーで10分間分散し、シリコン樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として平均粒径;35μm焼成フェライト粉(真比重5.5)5000重量部を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるように、スピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて240℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し、粒子含有率:50重量%、D/h:2.3、体積固有抵抗:12.1[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア2]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が57%であった。こうして得た[キャリア2]と[トナー2]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行なった。結果を表3に示す。
被覆層処方が以下に記す、アクリル樹脂系とシリコン樹脂系の混合系に変更した以外は実施例2と同様にして、D/h:2.3、体積固有抵抗:12.5[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア3]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が63%であった。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 39.7重量部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 12.4重量部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.22重量部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 185.8重量部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.42重量部
・導電性粒子B[実施例2と同じ粒径:0.40μm、
粒子粉体比抵抗:3.7Ω・cm] 66重量部
・無機酸化微粒子A
酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9 35重量部
・トルエン 800重量部
こうして得た[キャリア3]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し評価を行なった。結果を表3に示す。
実施例3において、導電性粒子の基体を酸化チタンに変更したこと以外は実施例3と同様にして、D/h:2.3、体積固有抵抗:11.9[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア4]を得た。
導電性粒子物性[実施例1の基体を平均一次粒子径0.39μmの酸化チタンに変更
カーボン量:0.29重量%、粒子粉体比抵抗:4.0Ω・cm、真比重:4.2]
こうして得た[キャリア4]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が59%であった。
実施例1において、キャリアの体積固有抵抗が10.9(Ω・cm)に変更になったこと以外は実施例1と同様にして、D/h:2.3、磁化:68Am2/kgの[キャリア5]を得た。体積固有抵抗を下げるために、導電性粒子を以下のものに変更した。
導電性粒子物性[基体:アルミナ、真比重3.9
表面処理;下層=二酸化スズ/上層=二酸化スズを含む酸化インジウム、
粒径:0.39μm、カーボン量:0.33重量%、
粉体比抵抗:1.6Ω・cm]
こうして得た[キャリア5]と[トナー1]を、実施例2と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表2示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が48%であった。
実施例3において、キャリアの重量平均粒径が18μm(真比重5.7)、微粒子添加量を変更した以外は同様にして、D/h:2.3、体積固有抵抗:12.7[Log(Ω・cm)]、磁化:66Am2/kgの[キャリア6]を得た。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 39.7重量部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 12.4重量部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.22重量部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 185.8重量部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.42重量部
・導電性粒子B[粒径:0.40μm(真比重3.9)
粒子粉体比抵抗:3.7Ω・cm] 86重量部
・無機酸化微粒子A
酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9 46重量部
・トルエン 800重量部
こうして得た[キャリア6]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が45%であった。
実施例3において、キャリアの重量平均粒径が71μm(真比重5.3)、微粒子添加量を変更した以外は同様にして、D/h:2.3、体積固有抵抗:12.5[Log(Ω・cm)]、磁化:69Am2/kgの[キャリア7]を得た。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 39.7重量部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 12.4重量部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.22重量部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 185.8重量部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.42重量部
・導電性粒子B[実施例2と同じ粒径:0.40μm(真比重3.9)
粒子粉体比抵抗:3.7Ω・cm] 46重量部
・無機酸化微粒子A
酸化アルミニウム 粒径:0.37μm、真比重3.9 26重量部
・トルエン 800重量部
こうして得た[キャリア7]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が89%であった。
実施例3において、基体である酸化アルミニウム(真比重:4.2)の平均一次粒径を0.15μm、微粒子添加量を変更した以外は同様にして、D/h:0.8、体積固有抵抗:12.0[Log(Ω・cm)]、磁化:68Am2/kgの[キャリア8]を得た。
・アクリル樹脂溶液(固形分50重量%) 39.7重量部
・グアナミン溶液(固形分70重量%) 12.4重量部
・酸性触媒(固形分40重量%) 0.22重量部
・シリコン樹脂溶液[固形分20重量%(SR2410:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 185.8重量部
・アミノシラン[固形分100重量%(SH6020:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 0.42重量部
・導電性粒子[基体:アルミナ、表面処理;
下層=二酸化スズ/上層=二酸化スズを含む酸化インジウム、
粒径:0.15μm、カーボン量:0.15重量%、
粉体比抵抗:2.4Ω・cm] 36重量部
・無機酸化微粒子
酸化アルミニウム 粒径:0.15μm、真比重4.2 16重量部
・トルエン 800重量部
こうして得た[キャリア8]と[トナー1]、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が79%であった。
実施例3において、磁化の低い35μm焼成フェライト(真比重5.4)を用い、磁化が35Am2/kgに変更になった以外は同様にして、粒子含有率:50重量%、D/h:2.3、体積固有抵抗:13.9[Log(Ω・cm)]の[キャリア9]を得た。こうして得た[キャリア9]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表2に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が63%であった。
実施例3において、磁化の高い35μm焼成フェライト(真比重5.5)を用い、磁化が93Am2/kgに変更になった以外は同様にして、粒子含有率:50重量%、D/h:2.3、体積固有抵抗:10.9[Log(Ω・cm)]の[キャリア10]を得た。こうして得た[キャリア10]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3に示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が63%であった。
[導電微粒子]
酸化アルミニウム(平均一次粒径0.40μm、真比重3.9)200gを水2.5リットルに分散させて水懸濁液とした。この懸濁液を80℃に加温保持した。別途用意した塩化第二スズ(SnCl4・5H2O)22gを2N塩酸200ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを、懸濁液のpHを7〜8に保持するように添加した。引き続き別途用意した塩化インジウム(InCl3)65gおよび塩化第二スズ(SnCl4・5H2O)8gを2N塩酸800ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のpHを7〜8に保持するように滴下した。滴下終了後、処理懸濁液を濾過、洗浄し、得られた処理顔料のケーキを120℃で乾燥した。
実施例3において、導電性粒子のみ用いたこと以外は同様にして、D/h:2.3、体積固有抵抗:13.2[Log(Ω・cm)]の[キャリア11]を得た。
・導電性粒子C[粒径:0.40μm、カーボン量:0.31重量%
粒子粉体比抵抗:7.7Ω・cm] 78重量部
こうして得た[キャリア11]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3示す。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が48%であった。
[トナー3]
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液3]とする。
該[微粒子分散液3]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液3]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
実施例1での[微粒子分散液1]の代わりに[微粒子分散液3]を使用した以外は実施例1と同様の工程でトナーを[濾過ケーキ3]を得た。その後、水90部に対して[濾過ケーキ3]15部を加えて、これにフッ素化合物(上記例示化合物2)を0.01部分散させることで、トナー粒子表面にフッ素化合物(2)を付着させた後、循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これに実施例1同様の外添剤処理を行ない、[トナー3]を得た。このときのフッ素原子の含有率は30.2原子個数%であった。
こうして得た[トナー3]と[キャリア1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3示す。
[トナー4]
イオン交換水709gに0.1M−Na3PO4水溶液451gを投入し60℃に加温した後、TKホモミキサーを用いて12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。スチレン170g、2−エチルヘキシルアクリレート30g、リーガル400R10g、パラフィンワックス(s.p.70℃)60g、ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物5g、スチレン−メタクリル酸共重合体(Mw5万、酸価20mgKOH/g)10gをTK式ホモミキサーに投入、60℃に加温し、12,000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体系を調製した。前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TKホモミキサーにて10,000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体系を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃で3時間反応させた後、液温を80℃とし、10時間反応させた。
こうして得た[トナー4]と[キャリア1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3示す。
実施例11において、導電性微粒子添加量を78重量部から38重量部へと減量した以外は同様にして、D/h:2.3、体積固有抵抗:13.5[Log(Ω・cm)]、磁化:69Am2/kgの[キャリア12]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が23%であった。こうして得た[キャリア12]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3示す。
実施例11において、導電性微粒子添加量を78重量部から170重量部へと増量した以外は同様にして、D/h:2.3、体積固有抵抗:10.5[Log(Ω・cm)]、磁化:69Am2/kgの[キャリア13]を得た。このときの樹脂被覆層中に含まれる導電性粒子および無機酸化粒子は芯材に対して被覆率が105%であった。こうして得た[キャリア13]と[トナー1]を、実施例1と同様の方法により現像剤化し、評価を行なった。結果を表3示す。
一方、フッ素原子が範囲外の比較例1および2では、ランニング30,000枚の時点で帯電低下量が20[μC/g]以上となり、トナー飛散がひどく、実用上使用できない結果となったため中止した。
さらに、被覆率が36%の比較例3では、抵抗および帯電低下が激しく実用上使用できない結果となった。被覆率が105%の比較例4では、導電性微粒子の脱離により抵抗低下が激しく、また、抵抗変動に伴う帯電低下も発生し、実用上使用できない結果となった。
2 現像装置
3−3滞留現像剤
3a トナー
3b 磁性キャリア
4 現像スリーブ
5 マグネットローラ
6 ドクタブレード
7 現像剤収容ケース
7a プレドクター
8 トナーホッパー
8a トナー補給口
50 帯電ローラ
58 クリーニング装置
80 磁界形成手段
D 現像領域
S 現像剤収容部
Claims (14)
- 少なくともトナーとキャリアからなる二成分現像剤であって、キャリア芯材表面が樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は粒子材料を含有し、該粒子材料は少なくとも導電性粒子を含むものであり、該導電性粒子は酸化スズ層の上に二酸化スズを含む酸化インジウム層からなる導電性被覆層を有し、前記樹脂被覆層中に含まれる前記粒子材料は前記キャリア芯材に対して被覆率が30〜90%の範囲で含有されており、前記トナーはトナー母体粒子表面をフッ素処理されており、XPS(X線光電子分光)法によって検出される、前記フッ素含有化合物に依存したフッ素原子の含有率が、2〜30原子個数%であることを特徴とする電子写真用二成分現像剤。
- 前記導電性粒子は基体の上に前記酸化スズ層を有し、該酸化スズ層の上に二酸化スズを含む酸化インジウム層からなる導電性被覆層を有するものであり、該基体が、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化ケイ素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムのいずれかの単独或いは複数であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記導電性粒子の粉体比抵抗が、200(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記樹脂被覆層に含有される前記粒子材料は、前記導電性粒子以外の粒子を含有するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記キャリアの体積固有抵抗が、10[Log(Ω・cm)]以上16[Log(Ω・cm)]以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記キャリアの重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記結着樹脂が少なくともシリコン樹脂を含むものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記結着樹脂が少なくともアクリル樹脂を含むものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記結着樹脂が少なくともアクリル樹脂及びシリコン樹脂であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記樹脂被覆層に含まれる前記粒子材料の粒子径(D)と、該樹脂被覆層の膜厚(h)の比が、1<[D/h]<10であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記キャリアの1000(10 3 /4π・A/m)における磁気モーメントが、40(Am 2 /kg)以上90(Am 2 /kg)以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤。
- 前記トナーがカラートナーであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の電子写真用二成分カラー現像剤。
- 像担持体上に静電潜像を形成する工程、前記静電潜像を少なくともキャリアとトナーからなる現像剤で現像し可視像を形成する工程、得られた可視像を記録部材に転写し、定着する工程を有する画像形成方法であって、前記現像剤が請求項1乃至12のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
- 現像手段と、像担持体、帯電手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、現像剤を保持し、該現像剤は請求項1乃至12のいずれかに記載の電子写真用二成分現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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