JP4234073B2 - 額縁 - Google Patents

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Description

本発明は、本体枠内に各種の展示物が納められる額縁の構築技術に関するものである。
従来、各種の展示物を本体枠内に納める構成の額縁が知られており、例えば、特許文献1には、遺影、書画、賞状等の展示物を本体枠内に納めるとともに、当該展示物の周囲に装飾を施した構成の額縁が開示されている。また、額縁の本体枠に、展示物装飾用の装飾物を載置可能な飾り台を設け、この飾り台に装飾物を載置することによって、本体枠内に納められた展示物を立体的に装飾することを可能とする構成が知られている。
ところで、この種の額縁は、主には壁に吊るして使用され、場合によっては壁に立て掛けて使用される。額縁を壁に吊るして使用する際には、人の水平の目線位置よりも上方の位置において、本体枠が壁の鉛直面に対し若干前倒しとなるように額縁を設置するのが一般的である。一方、額縁を壁に立て掛けて使用する際には、本体枠が壁の鉛直面に対し若干後倒しとなるように額縁を設置するのが一般的である。このような設置形態が想定される額縁において、額縁の本体枠に上記のような飾り台を固定状に設けると、額縁の設置形態が変わることにより飾り台の載置面の水平度合いが変化することとなり、飾り台本来の目的を全うできないという問題が生じる。具体的には、額縁を壁に吊るして使用する場合と、額縁を壁に立て掛けて使用する場合では、本体枠の延在方向が変わるため、本体枠に固定状に設けられた飾り台の載置面の水平を、両設置形態において維持することはできない。また、例えば額縁を壁に吊るして使用する際、額物の吊るし方や吊るし場所によっては本体枠の延在方向が多少変化することがあるため、場合によっては飾り台の載置面が傾斜するおそれがある。そこで、特に展示物装飾用の装飾物を載置可能な飾り台を備える額縁においては、その設置形態を考慮した構成が要請される。
特開2003−246199号公報
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本体枠内に展示物が納められる額縁において、当該額縁の設置形態によらず展示物の装飾効果を高めるのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、各請求項に記載の発明が構成される。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの額縁である。請求項1に記載の額縁は、本体枠、飾り台、延出角度可変手段を少なくとも備える。
本発明の本体枠は、その本体枠内に展示物が納めされるように構成される。ここでいう「展示物」には、本体枠の奥行き方向の幅内に納めることが可能な大きさのものが広く包含され、典型的には、本体枠の奥行き方向に対応した厚みが小さい二次元的な構成の絵画、書画、写真、遺影、色紙、賞状、カレンダーなどを本発明の展示物として用いる。
本発明の飾り台は、本体枠の前面側から当該本体枠の延在面と交差する方向に延出するとともに、装飾物が載置される載置面を有する板状の飾り台として構成される。ここでいう「装飾物」として、典型的には本体枠内に納められた展示物に関連した装飾物を用いる。これにより、載置面に置かれたこの装飾物によって、本体枠内に納めされた展示物の装飾効果を高めることが可能となる。
本発明の延出角度可変手段は、本体枠の延在面に対する飾り台の延出角度を可変とする機能を有する手段として構成される。これにより、本体枠の延在面に対する飾り台の延出角度が延出角度可変手段によって変更される。本体枠の延在方向は、額縁を壁に吊るしたり、壁に立て掛けたりするような設置形態の違いによって変化するため、本体枠の延在面に対する飾り台の延出角度を変更することができないと、額縁の設置形態が限られたものになる。そこで、本発明では、額縁に延出角度可変手段を設け、本体枠の延在面に対する飾り台の延出角度を、この延出角度可変手段によって変更することができるようにしたのである。
請求項1に記載の額縁の上記構成によれば、額縁の設置形態によらず展示物の装飾効果を高めることが可能となる。具体的には、額縁を壁に吊るして使用したり、壁に立て掛けて使用することが想定される場合であっても、延出角度可変手段を介して飾り台の載置面の水平度合いを調節することによって載置面の水平を維持することができる。また、例えば額縁を壁に吊るして使用する際、額物の吊るし方や吊るし場所によっては本体枠の延在方向が多少変化することがあるが、このような場合であっても、延出角度可変手段を介して飾り台の載置面の水平度合いを調節することによって載置面の水平を維持することができる。従って、額縁の設置形態によらず、水平が維持された飾り台の載置面に装飾物を安定的に飾り付けることが可能となる。
なお、本発明において「延出角度可変手段」は、本体枠の延在面に対する飾り台の延出角度を変更する機能を有していれば足り、その構成は必要に応じて適宜選択可能である。具体的には、飾り台を、本体枠側に形成された回動支点を中心に下方または上方に回転動作可能としたうえで、回転動作位置の異なる複数箇所において当該飾り台の回転動作を固定することができるような第1の構成や、飾り台を、本体枠側に形成された複数の差込み部に差込み可能としたうえで、当該飾り台の差込み箇所を変えることによって飾り台の延出角度が変更されるような第2の構成などを採り得る。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの額縁である。請求項2に記載の額縁では、請求項1に記載の飾り台が、本体枠側に形成された回動支点を中心に下方または上方に回転動作可能に構成されるとともに、延出角度可変手段としてのネジ部材を介して本体枠側に止着される構成になっている。また、飾り台は、ネジ部材のネジ込み動作またはネジ戻し動作によって回動支点を中心に下方または上方に回転動作し、これにより本体枠の延在面に対する延出角度が可変とされるようになっている。本発明における「ネジ部材」として、典型的には本体枠側のナット部分に螺合可能なボルトや、本体枠側に直接的にネジ込まれるネジ釘を用いることができる。
請求項2に記載の額縁の上記構成によれば、飾り台を本体枠側に止着するネジ部材を用いて延出角度可変手段を構成するため、延出角度可変手段の構造が簡素化されることとなり合理的である。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの額縁である。請求項3に記載の額縁は、請求項1または請求項2に記載の構成において、更に開閉扉を備える。この開閉扉は、本体枠の本体枠内に納められた展示物の前面側を閉鎖した閉鎖状態、または当該展示物の前面側を開放した開放状態を形成可能な機能を有する開閉扉として構成される。開閉扉が閉鎖状態を形成すると、当該開閉扉によって展示物の前面側が被覆される一方、開閉扉が開放状態を形成すると、当該開閉扉による展示物の被覆が解除されることとなる。これにより、展示物の展示の必要性に応じて開閉扉の開閉状態を変えることが可能となる。
請求項3に記載の額縁の上記構成によれば、本体枠内に展示を必要とする場合と必要としない場合が想定されるような展示物を、本体枠内に納めるような場合に特に効果的である。
なお、本発明において「開閉扉」は、展示物の前面側を閉鎖した閉鎖状態と、当該展示物の前面側を開放した開放状態を形成する機能を有していれば足り、その構成は必要に応じて適宜選択可能である。具体的には、扉部材が所定の回動支点を中心に回転動作することによって開閉が行われる回転式扉や、扉部材の折り畳み動作または折り戻し動作によって開閉が行われる折り畳み式扉や、扉部材の巻き取り動作または巻き戻し動作によって開閉が行われる巻き取り式扉などを用いて、本発明の開閉扉を構成することができる。
本発明によれば、本体枠内に展示物が納められる額縁において、特に本体枠の延在面に対する飾り台の延出角度を可変とする構成を採用することによって、当該額縁の設置形態によらず展示物の装飾効果を高めることが可能とされる。
以下に、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施の形態は、本発明の好ましい一実施の形態を説明するためのものであって、これにより本発明が制限されるものではない。
本発明の「額縁」の一実施の形態である額縁100の正面図が図1に示され、図1中の当該額縁100の分解斜視図が図2に示される。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の額縁100は、本体枠110と、この本体枠110に組み込まれる飾り台120、内枠130、扉枠140、展示物保持板150、裏板160とに大別される。本体枠110に組み込まれるこれら各組み込み部材は、額縁100の前面から、飾り台120、内枠130、扉枠140、展示物保持板150、裏板160の順で配置される。
本体枠110は、四角形の枠状に形成され窓状の本体枠開口112を有する。この本体枠110は、典型的には木質材料や樹脂材料によって構成される。この本体枠110に展示物保持板150が組み込まれることによって、展示物保持板150に保持された展示物151が本体枠内に納められることとなり、この本体枠110が本発明における「本体枠」に対応している。
内枠130は、本体枠110の本体枠開口112よりも開口面積の小さい窓状の内枠開口132を有する板状の部材である。また、この内枠130は、その下縁部に下方側が開口した切り欠き部134を備え、この切り欠き部134は、飾り台120の後述する挿入片122を挿入可能な大きさに形成されている。
飾り台120は、本体枠110の前面側から当該本体枠110の延在面と交差する方向に延出する板状の部材である。この飾り台120はその上面に載置面120aを有し、この載置面120aには左右一対の有底状の凹み部124,124が設けられている。典型的には、この飾り台120の載置面120aの各部位に、後述する展示物151を装飾する装飾物180が載置される。特に、凹み部124の形状を所望の装飾物に対応した形状とし、当該装飾物を凹み部124内に載置することによって、当該装飾物は凹み部124の外壁部分によって囲まれることとなり、当該装飾物を載置面120aに安定的に載置することが可能とされる。この飾り台120が本発明における「飾り台」に対応しており、この飾り台120の載置面120aが本発明における「載置面」に対応している。
また、この飾り台120は、背面側へ突出する挿入片122を備える。本体枠110に組み込まれた状態の内枠130の切り欠き部134に挿入片122を挿入することによって、本体枠110に対する飾り台120の左右方向(図1中の左右方向)への移動が規制される。更に、この飾り台120は、挿入片122において上下方向(図1中の上下方向)に貫通する貫通孔122aを備える。この貫通孔122aは、その内径が後述するネジ部材128の軸径よりも大きい構成を有しており、当該貫通孔122aに挿設したネジ部材128を本体枠110にネジ込むことによって、本体枠110に対する飾り台120の上下方向(図1中の上下方向)への移動が規制される。これにより、飾り台120が本体枠110に止着されることとなる。
扉枠140は、枠状部材142に左右両開き式の開閉扉145,145を備える。詳細については後述するが、これら開閉扉145,145の開放操作または閉鎖操作を行うことによって、開閉扉145の背面側を閉鎖した(被覆した)閉鎖状態と、開閉扉145の背面側を開放した開放状態が形成される。この開閉扉145,145が、本発明における「開閉扉」に対応している。開閉扉145,145が開放状態に設定されると、当該開閉扉145,145の背面側に配置された展示物保持板150の前面が、内枠開口132及び本体枠開口112を通じて視認可能となり、従ってこの展示物保持板150の前面に保持された展示物151が視認可能となる。一方、開閉扉145,145が閉鎖状態に設定されると、展示物151が視認不能となる。なお、この展示物151は、典型的には、展示物保持板150と透明樹脂製のフィルム(図示省略)との間に挟み込まれることによって保持される。この透明樹脂製のフィルムは、展示物151保護の見地より、板厚のある透明樹脂製やガラス製の板材等の部材によって適宜代替してもよい。この結果、本実施の形態においては、額縁100を観る者の側からみて、閉じた状態の開閉扉145,145、透明樹脂製のフィルム(透明樹脂製やガラス製の板材によって代替可能)、展示物151の順に配設されることとなり、開閉扉145,145の開閉操作に際し当該開閉扉145,145と透明樹脂製のフィルムとが干渉することがない。
本実施の形態の展示物151として、典型的には、本体枠110の奥行き方向に対応した厚みが小さい二次元的な構成の絵画、書画、写真、遺影、色紙、賞状、カレンダーなどが適宜選択される。また、このとき、展示物151を装飾するべく、当該展示物151に対応して飾り台120の載置面120aに飾り付ける装飾物180は、必要に応じて適宜選択可能である。一例として、展示物151が仏教に関する展示物(絵画、書画、写真、遺影、色紙、賞状、カレンダーなど)である場合には、装飾物180として、高杯、燭台、香炉、花立て、仏飯器などの仏具を、飾り台120の載置面120aに飾り付けることができる。
裏板160は、本体枠110に組み込まれた内枠130、扉枠140及び展示物保持板150を裏面から覆うように構成される。この裏板160は、本体枠110の裏面に設けられた止め具(後述する止め具118)によって、本体枠110に対して保持されるようになっている。
図3には、図1中の額縁100のA−A線における断面構造が示される。ここでは、上記飾り台120の詳細な構成を、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、飾り台120の挿入片122は、ネジ部材128を挿設可能な貫通孔122aを有する。一方、本体枠110は、その枠下部にネジ部材128が螺合する螺合孔116を有する。すなわち、ネジ部材128は、ボルトとしての機能を果たす一方、螺合孔116は、その内壁面にネジ部材128のネジ山に対応したネジ溝を有するナットとしての機能を果たす。挿入片122の貫通孔122aに挿設された状態のネジ部材128が、本体枠110の螺合孔116に螺合するように下向きにネジ込まれることによって、飾り台120が本体枠110に止着される。これにより、飾り台120の自重及び載置面120aに飾り付けられた装飾物の重量によって、回動支点114を中心にして図3中の矢印22方向へ回転動作しようとする飾り台120の動作が阻止される。
また、本実施の形態では、飾り台120を本体枠110に止着するべくある程度ネジ込んだネジ部材128を、更に図3中の矢印10方向へネジ込む操作によって、飾り台120が、本体枠110の枠下部の回動支点114(本発明における「回動支点」に対応)を中心として、図3中の矢印12方向へ回転動作するように構成されている。反対に、当該ネジ部材128を図3中の矢印12方向へネジ戻す操作によって、飾り台120が、回動支点114を中心として図3中の矢印22方向へ回転動作するように構成されている。これにより、額縁100の本体枠110の延在面に対する飾り台120の延出角度θが調節可能とされる。すなわち、本実施の形態のネジ部材128は、飾り台120を本体枠110に止着する機能を有するとともに、飾り台120の延出角度θを可変とする機能を有するものであり、本発明における「延出角度可変手段」及び「ネジ部材」を構成する。なお、図3では、本体枠110が図中上下方向に延在する状態、すなわち本体枠110の延在面が図中上下方向に形成される状態を示しており、またこの本体枠110の延在面に対する飾り台120の延出角度θが、ほぼ90度の状態を示している。
ここで、上記飾り台120の延出角度θの具体的な調節態様を、図4及び図5を参照しながら説明する。図4には、額縁100を壁に吊るして使用する場合における当該額縁100の断面構造が示され、図5には、額縁100を壁に立て掛けて使用する場合における当該額縁100の断面構造が示される。
上記構成の額縁100を、鉛直面を形成する壁170に吊るして使用する場合、図4に示すように、本体枠110の下縁部を下部取付け具173に引っ掛けるとともに、当該本体枠110の吊り具119と、壁170の上部取付け具172との間に紐状部材174を介在させる。これにより、額縁100は、壁170の鉛直面に対し若干前倒しの状態で設置される。このような場合には、ネジ部材128を操作することによって、飾り台120の延出角度θを調節する。具体的には、図3に示す状態を基準にした場合、ネジ部材128を図3中の矢印10方向へネジ込むネジ込み操作(ネジ込み動作)によって、この延出角度θが90度よりも小さくなるように調節する。これにより、飾り台120は、壁170の鉛直面に対しほぼ直角となるように水平が維持され、額縁100を壁170に吊るして使用する場合であっても、飾り台120の載置面120aに飾り付ける装飾物を安定的に載置することが可能とされる。
一方、上記構成の額縁100を、鉛直面を形成する壁170に立て掛けて使用する場合、図5に示すように、額縁100は、壁170の鉛直面に対し若干後倒しの状態で設置される。このような場合には、ネジ部材128を操作することによって、飾り台120の延出角度θを調節する。具体的には、図3に示す状態を基準にした場合、ネジ部材128を図3中の矢印20方向へネジ戻すネジ戻し操作(ネジ戻し動作)によって、この延出角度θが90度よりも大きくなるように調節する。これにより、飾り台120は、壁170の鉛直面に対しほぼ直角となるように水平が維持され、額縁100を壁170に立て掛けて使用する場合であっても、飾り台120の載置面120aに飾り付ける装飾物を安定的に載置することが可能とされる。
次に、上記扉枠140の構成及び作用を図6及び図7を参照しながら説明する。図6には、図1中の額縁100のB−B線における断面構造を示す図であって、扉枠140の開閉扉145,145が閉鎖された閉鎖状態が示され、図7には、図1中の額縁100のB−B線における断面構造を示す図であって、扉枠140の開閉扉145,145が開放された開放状態が示される。
図6に示すように、扉枠140の各開閉扉145は、内側扉部材143及び外側扉部材144の2つの扉構成部材を、既知の構成のヒンジ部材147によって互いに連結した構成を有する。また、枠状部材142の枠上部及び枠下部には、左右方向に延在する第1係合溝142aが形成され、その両端部の限られた範囲に第2係合溝142bが形成されている。第1係合溝142aは、内側扉部材143の上部及び下部において突出する第1突出片143aが係合する(嵌まり込む)係合溝として構成される。従って、第1係合溝142a内における第1突出片143aの左右方向の移動が許容されることとなる。一方、第2係合溝142bは、外側扉部材144の上部及び下部において突出する第2突出片144aが係合する(嵌まり込む)係合溝として構成される。従って、第2係合溝142b内における第2突出片144aの移動が、第1係合溝142aの両端部の限られた範囲内で許容されることとなる。
そして、開閉扉145,145は、図6に示す閉鎖状態において、右側の取っ手146が矢印30方向へ引っ張られ、また左側の取っ手146が矢印32方向へ引っ張られることによって、図7中の二点鎖線で示す中間状態を経て、図7中の実線で示す開放状態を形成する。この過程において、各開閉扉145の内側扉部材143は、第1突出片143aが第1係合溝142a内を外方へ移動することによって外側扉部材144側へと移動する。かくして、各開閉扉145は、ヒンジ部材147を介して内側扉部材143及び外側扉部材144の裏面同士が近接するように折り畳まれ、開放状態を形成することとなる。
以上のように、本実施の形態の額縁100を用いれば、その設置形態によらず、装飾物180によって展示物151を効果的に装飾することが可能となる。具体的には、額縁100を壁に吊るして使用したり、壁に立て掛けて使用することが想定される場合であっても、ネジ部材128の調節によって飾り台120の載置面120aの水平度合いを調節し、これにより載置面120aの水平を維持することができる。また、額縁100を壁に吊るして使用する際、その吊るし方や吊るし場所によっては本体枠110の延在方向が多少変化することがあるが、このような場合であっても、ネジ部材128の調節によって載置面120aの水平度合いを調節し、これにより載置面120aの水平を維持することができる。従って、額縁100の設置形態によらず、水平が維持された飾り台120の載置面120aに装飾物180を安定的に飾り付けることが可能となる。特に、飾り台120の延出角度θを調節するのに、当該飾り台120を止着するネジ部材128を用いることによって、飾り台120の延出角度可変手段の構造が簡素化されることとなり合理的である。
また、本実施の形態の額縁100は、展示物の前面側を閉鎖した状態と開放した状態に設定可能な開閉扉145,145を備えるため、展示を必要とする場合と必要としない場合が想定されるような展示物を納めるような場合に特に効果的である。
なお、本発明は、上記実施の形態で説明した構成に限定されず種々の変更、追加、削除が可能である。
上記実施の形態の額縁100では、ネジ部材128のネジ込み操作又はネジ戻し操作によって飾り台120の延出角度θが可変とされる場合について記載したが、本発明では、飾り台120の延出角度θを可変とする構成は、必要に応じて適宜変更可能である。一例として、飾り台が、いわゆるラチェット式ギアと称呼されるギア機構を介して回転動作可能とされ、飾り台を回転動作させるにつれて飾り台の延出角度θが所望の角度に定まるような構成を採用することもできる。また、その他の構成として、飾り台を、本体枠側に形成された複数の差込み部に差込み可能としたうえで、当該飾り台の差込み箇所を変えることによって飾り台の延出角度が変更されるような構成を用いることもできる。
また、上記実施の形態の額縁100では、ネジ部材128が、本体枠110の枠下部に形成された螺合孔116に下向きに螺合する構成について記載したが、本発明では別の構成を用いることもできる。具体的には、挿入片122の貫通孔122aにかえて、ネジ部材128が螺合可能な貫通状の螺合孔を設けたうえで、当該螺合孔の挿入片下面側からネジ部材128を螺合させる。また、ネジ部材128を、その先端部が挿入片122の上面側に突出するようにネジ込むとともに、この突出部分の先端が本体枠110側の被当接部に当接するように構成する。このような構成において、ネジ部材128のネジ込み操作又はネジ戻し操作を行うと、当該ネジ部材128の突出部分の突出長さが可変とされ、本体枠110側の被当接部と挿入片122との間の距離が変わる。従って、このような構成であっても、上記実施の形態と同様に、ネジ部材128のネジ込み操作又はネジ戻し操作によって、飾り台120は回動支点114を中心に上方または下方に回転動作し、本体枠110の延在面に対する飾り台120の延出角度を調節することが可能となる。
また、上記実施の形態では、ネジ部材128及び螺合孔116が互いに螺合する構成について記載したが、本発明では、ネジ部材128にかえて、本体枠110に直接的にネジ込まれるネジ釘を用いることもできる。
また、上記実施の形態の額縁100では、内側扉部材143及び外側扉部材144の2つの扉構成部材がヒンジ部材147によって互いに連結された構成の開閉扉145について記載したが、本発明では、扉構成部材の数は限定されず、2つ以上の扉構成部材を用いて開閉扉を構成することができる。
また、上記実施の形態の額縁100では、開閉扉145,145の両方が左右両開きとなる折り畳み式扉について記載したが、本発明では、開閉扉の構成につき種々の形態を採り得る。一例として、図8〜図10において後述するスライド式の開閉扉や、扉部材が所定の回動支点を中心に回転動作することによって開閉が行われる片開き式や観音開き式の回転式扉や、扉部材の巻き取り動作または巻き戻し動作によって開閉が行われる巻き取り式扉(いわゆる、「ロールアップスクリーン」と称呼されるような遮光部材を用いた扉)を採用することもできる。
ここで、別の実施の形態の額縁200の構成及び動作を、図8〜図10を参照しながら説明する。図8には、本発明の「額縁」の別の実施の形態である額縁200の正面図が示され、図9には、図8中の額縁200のC−C線における断面構造を示す図であって、扉枠240の開閉扉245,245が閉鎖された閉鎖状態が示され、図10には、図8中の額縁200のC−C断面における断面構造を示す図であって、扉枠240の開閉扉245,245が開放された開放状態が示される。なお、額縁200は、扉枠240以外の構成要素には上記実施の形態の額縁100と同様の構成を有するため、ここでは扉枠240についてのみ説明するものとし、他の構成要素についての説明は省略する。
図8及び図9に示すように、額縁200の扉枠240は、枠状部材242に左右両開き式の開閉扉245,245を備える。この開閉扉245,245が、本発明における「開閉扉」に対応している。各開閉扉245は、複数(図9では9つ)の扉構成片243を連結紐247によって互いに連結した構成を有する。また、枠状部材242の枠上部及び枠下部には、左右方向に延在する係合溝242aが形成されている。係合溝242aは、各扉構成片243の上端部及び下端部が係合する(嵌まり込む)係合溝として構成される。従って、係合溝242a内における各扉構成片243の左右方向の移動が許容されることとなる。また、係合溝242aの左右外方には、扉構成片243を収容可能な収容空間242bが形成されており、扉構成片243はこの収容空間242bにおいて折り畳まれるか、あるいは軸状部材の周りに巻き取られるように構成されている。
そして、開閉扉245,245は、図9に示す閉鎖状態において、右側の取っ手246が矢印40方向へ引っ張られ、また左側の取っ手246が矢印42方向へ引っ張られることによって、図10中の二点鎖線で示す中間状態を経て、図10中の実線で示す開放状態を形成する。この過程において、各開閉扉245の各扉構成片243は、係合溝242a内を外方へ移動し、外方に配置されているものから順に収容空間242bに入り込む。かくして、各開閉扉245は、扉構成片243が全て収容空間242bに収容されることによって、開放状態を形成することとなる。このような構成の開閉扉245,245は、上記実施の形態の開閉扉145,145と同様に、展示を必要とする場合と必要としない場合が想定されるような展示物を額縁に納めるような場合に、特に効果的に使用される。
本発明の「額縁」の一実施の形態である額縁100の正面図である。 図1中の額縁100の分解斜視図である。 図1中の額縁100のA−A線における断面構造を示す図である。 額縁100を壁に吊るして使用する場合における当該額縁100の断面構造を示す図である。 額縁100を壁に立て掛けて使用する場合における当該額縁100の断面構造を示す図である。 図1中の額縁100のB−B線における断面構造を示す図であって、扉枠140の開閉扉145,145が閉鎖された閉鎖状態を示す。 図1中の額縁100のB−B線における断面構造を示す図であって、扉枠140の開閉扉145,145が開放された開放状態を示す。 本発明の「額縁」の別の実施の形態である額縁200の正面図である。 図8中の額縁200のC−C線における断面構造を示す図であって、扉枠240の開閉扉245,245が閉鎖された閉鎖状態を示す。 図8中の額縁200のC−C断面における断面構造を示す図であって、扉枠240の開閉扉245,245が開放された開放状態を示す。
符号の説明
100 額縁
110 本体枠
112 本体枠開口
114 回動支点
116 螺合孔
118 止め具
119 吊り具
120 飾り台
120a 載置面
122 挿入片
122a 貫通孔
124 凹み部
128 ネジ部材
130 内枠
132 内枠開口
134 切り欠き部
140 扉枠
142 枠状部材
142a 第1係合溝
142b 第2係合溝
143 内側扉部材
143a 第1突出片
144 外側扉部材
144a 第2突出片
145 開閉扉
146 取っ手
147 ヒンジ部材
150 展示物保持板
151 展示物
160 裏板
170 壁
172 上部取付け具
173 下部取付け具
174 紐状部材
180 装飾物
200 額縁
240 扉枠
242 枠状部材
242a 係合溝
242b 収容空間
243 扉構成片
245 開閉扉
247 連結紐

Claims (3)

  1. 本体枠内に展示物が納めされる本体枠と、
    前記本体枠の前面側から当該本体枠の延在面と交差する方向に延出するとともに、装飾物が載置される載置面を有する板状の飾り台と、
    前記本体枠の延在面に対する前記飾り台の延出角度を可変とする延出角度可変手段と、を備えることを特徴とする額縁。
  2. 請求項1に記載の額縁であって、
    前記飾り台は、本体枠側に形成された回動支点を中心に下方または上方に回転動作可能に構成されるとともに、前記延出角度可変手段としてのネジ部材を介して本体枠側に止着される構成であり、前記ネジ部材のネジ込み動作またはネジ戻し動作によって前記回動支点を中心に下方または上方に回転動作し、これにより前記本体枠の延在面に対する延出角度が可変とされることを特徴とする額縁。
  3. 請求項1または2に記載の額縁であって、
    前記本体枠の本体枠内に納められた展示物の前面側を閉鎖した閉鎖状態、または当該展示物の前面側を開放した開放状態を形成可能な開閉扉を備えることを特徴とする額縁。
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