JP4233302B2 - データ符号化装置、データ復号装置、データ符号化方法、データ復号方法、それらの方法をコンピュータに実現させるためのプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

データ符号化装置、データ復号装置、データ符号化方法、データ復号方法、それらの方法をコンピュータに実現させるためのプログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データの処理技術に関し、特に、画像データを圧縮符号化するデータ符号化装置、データ符号化方法および伸張復号するデータ復号装置、データ復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
データ符号化処理として、広く用いられているものに、辞書に基づいた符号化処理がある。これは、符号化処理にあたって、符号化されるべきデータの各部分列が、それまでに符号化器が処理した部分列のいずれと一致するかを判定して、そのようなパターンを指定する情報自体を符号化するものである。
【0003】
このようにして得られる符号語が、元の部分列に比べて短ければ、データを圧縮する効果が得られることになる。このような原理を用いた、可逆符号化処理は、データの種類を問わずに、一定の圧縮効果を得られることから、広く用いられている。たとえば、このような辞書に基づいた符号化の一つであるZiv‐Lempel符号 (LZ77符号)は、圧縮ツールgzipの符号化アルゴリズムとして用いられている。このようなツールは、圧縮対象のデータが画像を表わすデータであるか、テキストを表わすデータであるのかなどを問わず、復号処理の計算負荷が軽量であることもあって、汎用の可逆圧縮処理のために広く使われている。
【0004】
このような辞書に基づく符号化処理は、汎用性という観点からは優れたものであるが、一般的に異なるデータ系列の相関を利用して、圧縮効率を高めるという符号化処理との関連性は低い。
【0005】
異なるデータ系列の相関を利用して、圧縮効率を高めるという、辞書に基づく符号化処理を実行する、本発明に関連する画像符号化装置を説明する。
【0006】
図39に、この画像符号化装置100のブロック図を示す。この画像符号化装置100は、画像データを記憶する入力画像データメモリ102と、その画像を符号化する前に、入力画像の解像度で符号化するための高解像度画像と、その半分の解像度の低解像度画像とを作成する符号化前処理器104と、作成された高解像度画像データを記憶する高解像度画像データメモリ106と、作成された低解像度画像データを記憶する低解像度画像データメモリ108と、高解像度画像を表わす画像データと低解像度画像を表わす画像データとを符号化処理するデータ符号化器110と、符号化処理された高解像度画像を表わす符号化画像データを記憶するための高解像度符号化画像データメモリ112と、符号化処理された低解像度画像を表わす符号化画像データを記憶するための低解像度符号化画像データメモリ114と、符号化処理された高解像度画像を表わす符号化画像データと符号化処理された低解像度画像を表わす符号化画像データとを結合処理する符号化データ結合器116と、結合処理された結合符号化画像データを記憶する結合符号化画像データメモリ118とを含む。
【0007】
図40に、この画像符号化装置100で実行される処理の手順を表わすフローチャートを示す。
【0008】
ステップ(以下、ステップをSと記述する。)100にて、符号化前処理器104は、入力画像データメモリ102に記憶された入力画像300を、低解像度画像304と、高解像度画像302とに分離して、それぞれ、低解像度画像データメモリ108と、高解像度画像データメモリ106とに記憶させる。
【0009】
図41に、この画像符号化装置100で処理される低解像度画像304と、高解像度画像302とを示す。なお、図41に示す画像は、説明を簡略化するために、入力画像300を、縦横ともに4ピクセルで示すことにする。ただし、これは、説明の簡略化のためであり、通常、符号化の対象となる画像の大きさはこれより大きい。
【0010】
図41においては、入力画像300、高解像度画像302および低解像度画像304の各ピクセルは、付された数字で区別される。ピクセルに付された数字から明らかなように、高解像度画像302は、入力画像300のコピーであり、低解像度画像304は、入力画像300の1/2ダウンサンプリングで作成されている。
【0011】
S200にて、データ符号化器110は、高解像度画像データメモリ106に記憶された高解像度画像302、低解像度画像データメモリ108に記憶された低解像度画像304を符号化して、それぞれ高解像度符号化画像データメモリ112、低解像度符号化画像データメモリ114に記憶させる。高解像度画像302と低解像度画像304の各ピクセルがデータ符号化器110で符号化される順序は、図42で示されるような通常のラスタスキャン順とする。
【0012】
データ符号化器110は、符号化にあたって、LZ77符号化を用いるとする。このLZ77符号化は、以下に示すような動作原理を有する。
(1)最も新しく符号化されたものから取り出した一定の長さの記号列(参照記号列)と、未符号化記号列の先頭からの記号列(未参照符号化列)を最長一致法にて比較する。
(2)以下を含む情報を符号語として出力する。
・最も長い一致が参照記号列の何番目の記号から始まるか
・上記一致はいくつの記号を含むか
・未参照符号化列の、一致しない最初の記号は何か
(3)一度に符号化される記号列の長さ(記号の数)は、一般にはその都度異なるが、符号化された記号列だけ、参照記号列の内容は古いものが押し出される形で書き換えられる。未符号化記号列の先頭は、符号化された記号列の数だけ進む。
(4)符号化対象記号列に、短い同一パターンが高い頻度で現れるほど符号化効率は高い。
なお、上記(4)で述べた「短い同一パターンが高い頻度で現れる」という前提は、「符号化対象記号列に含まれる、近接した記号の間の相関が高い」ことと同じであることに注意されるべきである。これは、たとえば、2つの記号からなる同一の記号列の繰り返しからなる符号化対象データでは、ある記号を取り出すと、次の記号も決定される、すなわち相関係数が「1」となることからも分かる。また、この(4)の性質は、LZ77に限られるわけではなく、辞書に基づいた可逆符号化一般に通用する性質であることにも注意されるべきである。
【0013】
LZ77符号化については、多数の文献があるため、さらに詳細な説明は、ここでは繰返さない。
【0014】
S300にて、符号化データ結合器116は、低解像度符号化画像データメモリ114、高解像度符号化画像データメモリ112の内容を結合して、結合符号化画像データメモリ118に記憶させる。
【0015】
このような画像符号化装置100によると、高解像度画像302と低解像度画像304は、明らかに相関をもった異なるデータ系列である。この両者の符号化にあたって、両者の相関を用いて効率的に符号化を行なう。さらに、低解像度画像304の復号にあたって、高解像度画像302を復号する必要がないようにする。この画像符号化装置100では、復号時に、高解像度画像302と低解像度画像304とを選択的に得られるような符号化の方法として、最も簡単な方法である、高解像度画像302と低解像度画像304に含まれるピクセルを、たとえば図41に示すピクセル310のように一部重複するものを採用している。そのため、符号化効率は悪くなる。
【0016】
さらに、この符号化効率を向上させるために、重複するピクセルをなくすように改良された画像符号化装置がある。
【0017】
この改良された画像符号化装置のブロック図は、図39に示すブロック図と同じであり、改良された画像符号化装置のフローチャートは、図40に示すフローチャートと同じである。
【0018】
図43に、この改良された画像符号化装置における、高解像度画像502、低解像度画像504を示す。入力画像500および低解像度画像504は、前述の入力画像300および低解像度画像304と、それぞれ全く同じである。しかし、高解像度画像502は、低解像度画像504に含まれているピクセルを含まないように構成される。このように高解像度画像502、低解像度画像504を構成すれば、重複して符号化されるピクセルはないので、符号化効率は向上する。
【0019】
図44に、この改良された画像符号化装置のデータ符号化器110における、高解像度画像502を符号化する際の順序を示す。このように、データ符号化器110において、高解像度画像502を符号化する際に、以下のような問題がある。
【0020】
図44で示す順序で符号化するため。図43に示すピクセル508を符号化する際に、直前に符号化されるピクセルは、左に隣接するのピクセルではなくさらにもう1つ左隣のピクセル506である。一方、図41の高解像度画像302のピクセル308を符号化する際には、直前に符号化されるピクセルは、左に隣接するピクセル306である。これは、図43の高解像度画像502において、ピクセル508の左隣のピクセルは、ピクセル510として低解像度画像504のに含まれているため、高解像度画像502を符号化する際に、参照記号列に入らないことによるものである。
【0021】
画像データの特性として、近くのピクセルほど、相関が高いことが知られているが、改良された画像符号化装置においては、高解像度画像502を符号化する際、ピクセルによっては、最も相関の高い他ピクセルの参照ができないことを示す。このため、改良された画像符号化装置では、符号化効率を高めることが困難である。これはLZ77の動作原理から、辞書に基づいた符号化処理一般に該当するものである。
【0022】
このような場合であっても、もちろん、低解像度画像504、高解像度画像502の順で順次データ符号化器110にて符号化して、かつ低解像度画像504から高解像度画像502に処理を移す際に参照記号列を初期化せず、参照記号列を極端に長くすることにより、この問題は回避できる。しかし、参照記号列の中で、符号化対象文字列がどの部分列に一致するかを示す情報が長くなり、符号化効率という観点で好ましくない。
【0023】
このような2つの画像符号化装置は、互いに相関を持つ、異なるデータ系列を、その相関を生かして符号化することが、明示的に与えられた確率モデルをもたない符号化手法(従来の辞書に基づいた符号化手法に代表される手法)では難しいということに起因している。
【0024】
このような問題に関連して、特開平7−336237号公報(特許文献1)は、データ情報を圧縮する方法を開示する。この公報に開示された圧縮方法は、先行する記号を使用して句の辞書を作成し、この辞書を使用してデータ・ストリームを圧縮するレンペル−ジブ(LZ)圧縮処理に基づくデータ圧縮方法において、ある句のdコンテキストまたはdヒストリhとは、その直前のdビットの集合であるものとして、符号化される句のそれぞれに関連するヒストリの関数として、符号化される句の複数の辞書を展開し、記憶するステップと、前に符号化された句に関して複数の辞書の圧縮効率を比較して統計的に最も高い潜在圧縮を提供すると判定される辞書を選択するステップと、選択された辞書内の、次の句のヒストリに対応する特定のヒストリを使用して次の句を符号化するステップとを含む。
【0025】
この公報に開示された圧縮方法によると、各時点での符号化の履歴によって、異なる参照文字列を用いることで、より効率的な符号化を行なうことで、実質的に同じ効果を得ようとするものである。この圧縮方法は、一般のエントロピー符号化まで範囲を広げて、複数の確率モデルを持たせた符号化に適用されるものである。この圧縮方法は、符号化済(符号化時)、復号済(復号時)のデータをもとに、明示的に与えられた確率モデルを選択しながら符号化または復号処理を行なう方法である。
【0026】
【特許文献1】
特開平7−336237号公報
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この公報に開示された圧縮方法は、単一のデータ系列の符号化の効率を向上することを目的とする。上述した画像符号化装置や改良された画像符号化装置は、異なるデータ系列の相関を利用した符号化の効率を向上させるものである。このため、上述した画像符号化装置や改良された画像符号化装置に、この公報に開示された圧縮方法を適用することはできない。したがって、これらの技術を組合せても、特に辞書に基づいた符号化のように、復号処理が高速に行なえるという特徴を有しつつ、符号化処理において、異なるデータ系列の相関を利用するという方法は実現できない。
【0028】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、従来の辞書に基づいた符号化では困難であった、複数のデータ系列の相関に基づいて、効率的な符号化を実行できるデータ符号化装置およびそのデータ符号化装置に対応するデータ復号装置を提供することであり、さらに、効率的な符号化を実行できるデータ符号化方法およびそのデータ符号化方法に対応するデータ復号方法を提供することであり、さらに、それらの方法をコンピュータに実現させるためのプログラムおよび記録媒体を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るデータ符号化装置は、複数のデータを含む第1のデータ群と、第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とを記憶するための記憶手段と、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けを決定するための決定手段と、決定された対応付けに基づいて、第1のデータ群を、複数のサブデータ群に分類するための分類手段と、分類手段により分類されたサブデータ群ごとに、サブデータ群に含まれるデータを符号化処理するための第1の符号化手段と、第2のデータ群に含まれるデータを符号化処理するための第2の符号化手段と、サブデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データと、第2のデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データとを結合するための結合手段とを含む。
【0030】
第1の発明によると、決定手段により決定される対応付けは、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとの間に成立する相関関係に基づく対応付けなどである。分類手段は、このような対応付けに基づいて、第1のデータ群を、相関関係が強いデータから構成される複数のサブデータ群に分類する。このとき、分類された1つのサブデータ群に含まれるデータは、互いにその値が近似しているなどの強い相関関係を有する。第1の符号化手段は、分類されたサブデータ群ごとに、サブデータ群に含まれるデータを符号化処理し、第2の符号化手段は、第2のデータ群に含まれるデータを符号化処理する。結合手段は、サブデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データと、第2のデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データとを結合する。これにより、第1の符号化手段は、互いに強い相関関係を有するデータから構成されるサブデータ群ごとに符号化処理するので、このサブデータ群に含まれるデータのエントロピーを下げることができる。その結果、分類ごとに符号化することで符号化効率を向上させることができ、従来の辞書に基づいた符号化では困難であった、複数のデータ系列の相関に基づいて、効率的な符号化を実行できるデータ符号化装置を提供することができる。
【0031】
第2の発明に係るデータ符号化装置は、第1の発明の構成に加えて、決定手段は、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとが、データの値についての予め定められた関係を有するように、対応付けを決定するための手段を含む。
【0032】
第2の発明によると、決定手段は、たとえば、静止画像データの場合には画素の位置データが近いことにより、動画像データの場合には隣接するフレームであることにより、データの値が互いに近似するなどの関係を有するように、対応付けを決定することができる。
【0033】
第3の発明に係るデータ符号化装置は、第2の発明の構成に加えて、決定手段は、第1のデータ群に含まれる画素データについての画像における位置と、第2のデータ群に含まれる画素データについての画像における位置とに基づいて、関係を有するように、対応付けを決定するための手段を含む。
【0034】
第3の発明によると、符号化処理の対象であるデータは、画像を表わすデータであって、そのデータは、画像を構成する複数のピクセルに対応する画素データを含む。決定手段は、その画像における画素の位置に基づいて、互いに強い相関がある関係を有するように対応付けを決定する。このようにすると、画素の位置が近いデータは、互いに強い相関関係を有するので(画素データの値が近似する)、これらのデータから構成されるサブデータ群をまとめて符号化処理することにより、効率的な符号化を実行できる。
【0035】
第4の発明に係るデータ符号化装置は、第3の発明の構成に加えて、決定手段は、画像における位置を用いた関数により、対応付けを決定するための手段を含む。
【0036】
第4の発明によると、画像における画素の位置であるXY座標値を用いた関数により、第1のデータ群に含まれるデータと第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けを決定することができる。
【0037】
第5の発明に係るデータ符号化装置は、第3または4の発明の構成に加えて、画像を複数の種類の解像度の画像に分割するための分割手段をさらに含む。第1のデータ群は、高い解像度の画像についてのデータを含み、第2のデータ群は、低い解像度の画像についてのデータを含む。
【0038】
第5の発明によると、分割手段は、たとえば、高解像度の画像データと低解像度の画像データとを作成して、高解像度のデータを、高解像度の画素の位置に対応する低解像度の画素のデータに対応付ける。これにより、1つの低解像度のデータに対応する、複数の高解像度のデータを、1つのサブデータ群に含めることができる。
【0039】
第6の発明に係るデータ符号化装置は、第2の発明の構成に加えて、動画像を、時系列に従って複数のフレームの画像に分割するための分割手段をさらに含む。決定手段は、第1のデータ群に含まれる特定のフレームの画像についてのデータと、第2のデータ群に含まれる特定のフレームよりも早い時間の画像についてのデータとに基づいて、関係を有するように、対応付けを決定するための手段を含む。
【0040】
第6の発明によると、動画像を表わすデータを符号化処理する場合において、ある特定のフレームのある位置におけるデータと、その特定のフレームよりも早い時間のフレームの同じ位置におけるデータとは、互いに強い相関関係を有する。これらのデータを1つのサブデータ群に含めて符号化処理すると、サブデータ群に含まれるデータのエントロピーが下がって、効率のよい符号化を実行できる。
【0041】
第7の発明に係るデータ符号化装置は、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、分類手段は、第1のデータ群を、互いに関係が強いデータから構成されるサブデータ群に分類するための手段を含む。
【0042】
第7の発明によると、サブデータ群は、互いに関係が強いデータから構成され、このサブデータ群ごとに符号化処理するため、サブデータ群に含まれるデータのエントロピーが下がって、効率のよい符号化を実行できる。
【0043】
第8の発明に係るデータ符号化装置は、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、分類手段は、第1のデータ群を、互いのデータの値が近似するデータから構成されるサブデータ群に分類するための手段を含む。
【0044】
第8の発明によると、サブデータ群は、互いにデータの値が近似するデータから構成され、このサブデータ群ごとに符号化処理するため、サブデータ群に含まれるデータのエントロピーが下がって、効率のよい符号化を実行できる。
【0045】
第9の発明に係るデータ符号化装置は、第1〜8のいずれかの発明の構成に加えて、第1の符号化手段で実行される符号化処理の種類と、第2の符号化手段で実行される符号化処理の種類とは同じ処理である装置である。
【0046】
第9の発明によると、第1の符号化手段で実行される符号化処理と、第2の符号化手段で実行される符号化処理とを、同じ種類の符号化処理にしたので、符号化手段を実現する符号化器を1つにまとめて、回路規模の小さなデータ符号化装置を提供できる。
【0047】
第10の発明に係るデータ符号化装置は、第9の発明の構成に加えて、辞書に基づく符号化処理を実行するものである。
【0048】
第10の発明によると、従来は困難であった、辞書に基づく符号化処理において、効率のよい符号化を実行できる。
【0049】
第11の発明に係るデータ復号装置は、結合された、第1の符号化データ群と第2の符号化データ群とを記憶するための記憶手段と、記憶手段に記憶されたデータ群を、第1の符号化データ群と第2の符号化データ群とに分割するための分割手段と、第1の符号化データ群に含まれる符号化データを復号処理してサブデータ群を作成するための第1の復号手段と、第2の符号化データ群に含まれる符号化データを復号処理して第2のデータ群を作成するための第2の復号手段と、サブデータ群と第2のデータ群とに基づいて、対応付けに従って、第1のデータ群を作成するための作成手段とを含む。
【0050】
第11の発明によると、このデータ復号装置により復号される元データは、複数のデータを含む第1のデータ群と、第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とから構成される。サブデータ群は、第1のデータ群に含まれるデータと第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けに基づいて第1のデータ群が分類されたデータ群である。サブデータ群は、サブデータ群ごとに第1の符号化データ群に符号化処理されている。この対応付けは、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとの間に成立する相関関係に基づく対応付けなどである。第1の復号手段は、分割手段により分割された、第1の符号化データ群に含まれる符号化データを復号してサブデータ群を作成し、第2の復号手段は、第2の符号化データ群に含まれる符号化データを復号して第2のデータ群を作成する。作成手段は、復号されたサブデータ群と第2のデータ群とを用いて、符号化されたときの対応付けに基づいて、第1のデータ群を作成する。これにより、符号化データを復号処理して元データを作成することができる。符号化処理においては、分類された1つのサブデータ群に含まれるデータは、互いにその値が近似しているなどの強い相関関係を有する。分類されたサブデータ群ごとに、サブデータ群に含まれるデータを符号化処理するので、このサブデータ群に含まれるデータのエントロピーを下げることができ、符号化効率を向上させることができる。その結果、従来の辞書に基づいた符号化では困難であった、複数のデータ系列の相関に基づいて、効率的な符号化を実行できるデータ符号化装置に対応するデータ復号装置を提供することができる。
【0051】
第12の発明に係るデータ復号装置は、第11の発明の構成に加えて、作成手段は、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとが、データの値についての予め定められた関係を有するように、第1のデータ群を作成するための手段を含む。
【0052】
第12の発明によると、作成手段は、たとえば、静止画像データの場合には画素の位置データが近いことにより、動画像データの場合には隣接するフレームであることにより、データの値が互いに近似するなどの関係を有するように、第1のデータ群を作成することができる。
【0053】
第13の発明に係るデータ復号装置は、第12の発明の構成に加えて、作成手段は、第1のデータ群に含まれる画素データについての画像における位置と、第2のデータ群に含まれる画素データについての画像における位置とに基づいて、関係を有するように、第1のデータ群を作成するための手段を含む。
【0054】
第13の発明によると、復号処理の対象である元データは、画像を表わすデータであって、そのデータは、画像を構成する複数のピクセルに対応する画素データを含む。作成手段は、その画像における画素の位置に基づいて、互いに強い相関がある関係を有するように第1のデータ群を作成する。このようにすると、符号化処理において、画素の位置が近いデータは、互いに強い相関関係を有するので(画素データの値が近似する)、これらのデータから構成されるサブデータ群をまとめて効率的に符号化された符号化データを復号できるデータ復号装置を提供することができる。
【0055】
第14の発明に係るデータ復号装置は、第13の発明の構成に加えて、作成手段は、画像における位置を用いた関数により、第1のデータ群を作成するための手段を含む。
【0056】
第14の発明によると、画像における画素の位置であるXY座標値を用いた関数により決定された対応付けに基づいて分類され、符号化された符号化データを復号できるデータ復号装置を提供することができる。
【0057】
第15の発明に係るデータ復号装置は、第13の発明の構成に加えて、解像度を指定するための指定手段をさらに含む。
【0058】
第15の発明によると、元データは、画像を複数の解像度で表わすデータを含み、指定手段は、どの解像度までの画像データを復号処理するのかを指定できる。
【0059】
第16の発明に係るデータ復号装置は、第12の発明の構成に加えて、作成手段は、第1のデータ群に含まれる特定のフレームの画像についてのデータと、第2のデータ群に含まれる特定のフレームよりも早い時間の画像についてのデータとに基づいて、第1のデータ群を作成するための手段を含む。
【0060】
第16の発明によると、動画像を表わす元データに復号処理する場合において、ある特定のフレームのある位置におけるデータと、その特定のフレームよりも早い時間のフレームの同じ位置におけるデータとは、互いに強い相関関係を有する。これらのデータを1つのサブデータ群に含めて効率よく符号化処理された符号化データを復号できるデータ復号装置を提供することができる。
【0061】
第17の発明に係るデータ復号装置は、第11〜16のいずれかの発明の構成に加えて、第1の復号手段で実行される復号処理の種類と、第2の復号手段で実行される復号処理の種類とは同じ処理である装置である。
【0062】
第17の発明によると、第1の復号手段で実行される復号処理と、第2の復号手段で実行される復号処理とを、同じ種類の復号処理にしたので、復号手段を実現する復号器を1つにまとめて、回路規模の小さなデータ復号装置を提供できる。
【0063】
第18の発明に係るデータ復号装置は、第17の発明の構成に加えて、復号処理は、辞書に基づく復号処理を実行するものである。
【0064】
第18の発明によると、従来は困難であった、辞書に基づく、効率のよい符号化された符号化データを復号できるデータ復号装置を提供することができる。
【0065】
第19の発明に係るデータ符号化方法は、複数のデータを含む第1のデータ群と、第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とを予め準備する準備ステップと、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けを決定する決定ステップと、決定された対応付けに基づいて、第1のデータ群を、複数のサブデータ群に分類する分類ステップと、分類ステップにて分類されたサブデータ群ごとに、サブデータ群に含まれるデータを符号化処理する第1の符号化ステップと、第2のデータ群に含まれるデータを符号化処理する第2の符号化ステップと、サブデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データと、第2のデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データとを結合する結合ステップとを含む。
【0066】
第19の発明によると、決定ステップにて決定される対応付けは、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとの間に成立する相関関係に基づく対応付けなどである。分類ステップにて、このような対応付けに基づいて、第1のデータ群を、相関関係が強いデータから構成される複数のサブデータ群に分類する。このとき、分類された1つのサブデータ群に含まれるデータは、互いにその値が近似しているなどの強い相関関係を有する。第1の符号化ステップにて、分類されたサブデータ群ごとに、サブデータ群に含まれるデータを符号化処理し、第2の符号化ステップにて、第2のデータ群に含まれるデータを符号化処理する。結合ステップにて、サブデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データと、第2のデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データとを結合する。これにより、第1の符号化ステップは、互いに強い相関関係を有するデータから構成されるサブデータ群ごとに符号化処理するので、このサブデータ群に含まれるデータのエントロピーを下げることができる。その結果、分類ごとに符号化することで符号化効率を向上させることができ、従来の辞書に基づいた符号化では困難であった、複数のデータ系列の相関に基づいて、効率的な符号化を実行できるデータ符号化方法を提供することができる。
【0067】
第20の発明に係るデータ復号方法は、結合された、第1の符号化データ群と第2の符号化データ群とを予め準備する準備ステップと、準備ステップにて準備されたデータ群を、第1の符号化データ群と第2の符号化データ群とに分割する分割ステップと、第1の符号化データ群に含まれる符号化データを復号処理してサブデータ群を作成する第1の復号ステップと、第2の符号化データ群に含まれる符号化データを復号処理して第2のデータ群を作成する第2の復号ステップと、サブデータ群と第2のデータ群とに基づいて、対応付けに従って、第1のデータ群を作成する作成ステップとを含む。
【0068】
第20の発明によると、このデータ復号方法により復号される元データは、複数のデータを含む第1のデータ群と、第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とから構成される。サブデータ群は、第1のデータ群に含まれるデータと第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けに基づいて第1のデータ群が分類されたデータ群である。サブデータ群は、サブデータ群ごとに第1の符号化データ群に符号化処理されている。この対応付けは、第1のデータ群に含まれるデータと、第2のデータ群に含まれるデータとの間に成立する相関関係に基づく対応付けなどである。第1の復号ステップにて、分割ステップにより分割された、第1の符号化データ群に含まれる符号化データを復号してサブデータ群を作成し、第2の復号ステップにて、第2の符号化データ群に含まれる符号化データを復号して第2のデータ群を作成する。作成ステップにて、復号されたサブデータ群と第2のデータ群とを用いて、このような対応付けに基づいて、第1のデータ群を作成する。これにより、符号化データを復号処理して元データを作成することができる。符号化処理においては、分類された1つのサブデータ群に含まれるデータは、互いにその値が近似しているなどの強い相関関係を有する。分類されたサブデータ群ごとに、サブデータ群に含まれるデータを符号化処理するので、このサブデータ群に含まれるデータのエントロピーを下げることができ、符号化効率を向上させることができる。その結果、従来の辞書に基づいた符号化では困難であった、複数のデータ系列の相関に基づいて、効率的な符号化を実行できるデータ符号化方法に対応するデータ復号方法を提供することができる。
【0069】
第21の発明に係るプログラムは、第19の発明に係るデータ符号化方法および第20の発明に係るデータ復号方法の少なくともいずれかを、コンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0070】
第21の発明によると、従来の辞書に基づいた符号化では困難であった、複数のデータ系列の相関に基づいて、効率的な符号化を実行できるデータ符号化方法およびそのデータ符号化方法に対応するデータ復号方法のいずれかをコンピュータに実現させるためのプログラムを提供することができる。
【0071】
第22の発明に係る記録媒体は、第21の発明に係るプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0072】
第22の発明によると、従来の辞書に基づいた符号化では困難であった、複数のデータ系列の相関に基づいて、効率的な符号化を実行できるデータ符号化方法およびそのデータ符号化方法に対応するデータ復号方法のいずれかをコンピュータに実現させるためのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
【0073】
第23の発明に係るデータ符号化装置は、予め順序付けられた複数のデータ群を記憶するための記憶手段と、順序付けられた複数のデータ群の、一つのデータ群に含まれるそれぞれのデータから次順のデータ群に含まれるデータへの対応関係を決定するための決定手段と、一つのデータ群を、対応関係に基づいて、次順のデータ群の対応するデータに基づいてサブデータ群に分類するための分類手段と、分類手段に基づいて分類されたサブデータ群のそれぞれについて符号化処理するための第1の符号化手段と、順序付けられた複数のデータ群の中の最後順のデータ群を符号化処理するための第2の符号化手段とを含む。
【0074】
第23の発明によると、再帰的に1つ後の(画像に適用した場合には、解像度が1段階粗い)データ群を参照しながら、データをサブデータ群に分類して符号化することができる。
【0075】
第24の発明に係るデータ復号装置は、結合された符号化データ群を記憶するための記憶手段と、結合された符号化データ群を、複数の順序付けられた符号化データ群に分割するための分割手段と、複数の順序付けられた符号化データのうち最後順の符号化データ群を復号処理するための第1の復号手段と、最後順の符号化データ群以外の順序付けられた符号化データ群を復号処理して、サブデータ群を生成するための第2の復号手段と、複数の順序付けられた符号化データに含まれる一つのデータ群に含まれるそれぞれのデータから次順のデータ群に含まれるデータへの対応関係を決定するための決定手段と、サブデータ群を、対応関係に基づいて、次順のデータ群の対応するデータに基づいて、当該データ群に統合するための統合手段とを含む。
【0076】
第24の発明によると、再帰的に1つ後の(画像に適用した場合には、解像度が1段階粗い)データ群を参照しながら、データをサブデータ群に分類して符号化された符号化データを復号することができる。
【0077】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0078】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装置について説明する。
【0079】
図1に、本実施の形態に係る画像符号化装置1000のブロック図を示す。図1に示すように、この画像符号化装置1000は、画像データを記憶する入力画像データメモリ1010と、その画像を符号化する前に、入力画像の解像度で符号化するための高解像度画像と、その半分の解像度の低解像度画像とを作成する符号化前処理器1020と、作成された高解像度画像データを記憶する高解像度画像データメモリ1030と、作成された低解像度画像データを記憶する低解像度画像データメモリ1040と、高解像度画像を表わす画像データと低解像度画像を表わす画像データとを符号化処理する画像符号化器1050と、符号化処理された高解像度画像を表わす符号化画像データを記憶するための高解像度符号化画像データメモリ1060と、符号化処理された低解像度画像を表わす符号化画像データを記憶するための低解像度符号化画像データメモリ1070と、符号化処理された高解像度画像を表わす符号化画像データと符号化処理された低解像度画像を表わす符号化画像データとを結合処理する符号化データ結合器1080と、結合処理された結合符号化画像データを記憶する結合符号化画像データメモリ1090とを含む。
【0080】
この画像符号化装置1000における、入力画像データメモリ1010と、高解像度画像データメモリ1030と、低解像度画像データメモリ1040と、高解像度符号化画像データメモリ1060と、低解像度符号化画像データメモリ1070と、結合符号化画像データメモリ1090とは、一般的にコンピュータを含む計算システムに実装される記憶デバイスにより実現される。
【0081】
この画像符号化装置1000における、符号化前処理器1020と、画像符号化器1050と、符号化データ結合器1080とは、コンピュータにより実行されるソフトウェアで実現することも、ハードウェアで実現することも可能である。以下の説明では、この符号化前処理器1020と、画像符号化器1050と、符号化データ結合器1080とは、コントローラを含む特定のハードウェアを有し、そのコントローラが予め定められたソフトウェアを実行することによりハードウェアを制御して、所定の機能を実現するものとして説明する。ただし、特定のハードウェアではなく、一般的なコンピュータを用いて、所定の機能を実現するものであってもよい。したがって、本発明の本質的な一局面は、このような機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0082】
入力画像データメモリ1010に記憶される入力画像データ、すなわち本実施の形態に係る画像符号化装置1000で符号化処理されるデータについて詳細に説明する。入力画像データは、256階調のグレースケールの画像であると想定とする。なお、本実施の形態に係る画像符号化装置1000は、対応するパラメータの値を適切に変更することで異なる階調数の画像データの場合にも適用できる。さらに、カラー画像は、YUV、RGBなどに分離することで、複数のグレースケール画像に帰着するため、本実施の形態に係る画像符号化装置1000は、グレースケール画像やモノクローム画像に限定して適用されるものではない。すなわち、カラー画像に適用する場合、必要に応じて、色成分の数(通常3ないし4)だけ、処理を繰り返せば良いからである。なお、以下の説明において、各メモリにおけるレジスタの長さは、可能な値を表現するのに必要十分な長さであるとして、符号化画像データのフォーマットに関係しない限り、特に言及しないこととする。また、画像符号化器1050の構造の詳細については後述する。
【0083】
図2を参照して、本実施の形態に係る画像符号化装置1000の画像データ符号化処理の手順について説明する。
【0084】
S1000にて、画像符号化装置1000は、符号化前処理器1020を用いて、入力画像データメモリ1010に記憶された入力画像データに基づいて、高解像度画像データと低解像度画像データとを作成して、それぞれ、高解像度画像データメモリ1030と低解像度画像データメモリ1040とに記憶させる。符号化前処理器1020は、図3に示すように、入力画像1200に基づいて、高解像度画像1210と低解像度画像1220とを作成する。ここでは、入力画像1200は、横4ピクセル、縦4ピクセルの画像として示されるが、説明を簡略化するためである。実際には、通常、符号化の対象となる画像の大きさはこれより大きい。図3においては、入力画像1200、高解像度画像1210および低解像度画像1220の各ピクセルは、付された数字で区別する。ピクセルに付された数字から明らかなように、高解像度画像1210は、入力画像1200のコピーから低解像度画像1220に含まれるピクセルを除外したものであり、低解像度画像1220は、入力画像1200の1/2ダウンサンプリングで作成されている。
【0085】
さらに、符号化前処理器1020は、図4に示すように、入力画像1300に基づいて、高解像度画像1310と低解像度画像1320とを作成するようにしてもよい。図3および図4からわかるように、高解像度画像1310の各ピクセルは、高解像度画像1210の各ピクセルと同じであるが、図4に示す低解像度画像1320の各ピクセルの値は、入力画像1300の4つのピクセルの値の平均値で与えられる。
【0086】
図3および図4に示すように構成すると、高解像度画像1210(または高解像度画像1310)と、低解像度画像1220(または低解像度画像1320)とが復号されると、入力画像1200(または入力画像1300)を完全に復号するために十分な情報が与えられる。すなわち、図4の場合、低解像度画像1320の各ピクセル値は、入力画像1300の対応する4つのピクセルの平均値であるので、高解像度画像1310の3つのピクセルの値を復号すれば、残りの1つのピクセルの値は、低解像度画像1320の対応するピクセルを4倍した値から、高解像度画像1310の対応する3つのピクセルの値を合計した値を減算することで(ビット精度の許す範囲で)、高解像度画像1310の残りの1つのピクセルの値を得ることができる。なお、図3の場合、高解像度画像1210、低解像度画像1220の情報を合算すれば、入力画像1200を復元するために十分な情報が得られることは明らかである。もちろん、完全な可逆符号化が必要な場合には、図4の方法は、ビット精度の問題から一般的には採用できないことになる。
【0087】
S1100にて、画像符号化装置1000は、画像符号化器1050を用いて、高解像度画像データと低解像度画像データとを予め定められた圧縮方式で符号化処理して、符号化処理されたデータを高解像度符号化画像データメモリ1060と低解像度符号化画像データメモリ1070とに記憶させる。この画像符号化器1050における処理の手順の詳細については後述する。なお、図3に示す高解像度画像1210および図4に示す高解像度画像1310が、画像符号化器1050で符号化される順序は、図5で示されるような通常のラスタスキャン順とする。
【0088】
S1200にて、画像符号化装置1000は、符号化データ結合器1080を用いて、高解像度符号化画像データメモリ1060と低解像度符号化画像データメモリ1070とに記憶されたデータを結合して、結合符号化画像データメモリ1090に記憶させる。
【0089】
結合符号化画像データメモリ1090には、図6に示す高解像度符号化画像データメモリ1060の内容と、図7に示す低解像度符号化画像データメモリ1070の内容を、この順に結合させた、図8に示すデータが記憶される。なお、本実施の形態に係る画像符号化装置1000は、復号装置に送信される情報であって、画像の縦横サイズなどの復号処理に必要な情報を、結合符号化画像データメモリ1090に記憶させることを除外するものではない。
【0090】
以下、画像符号化器1050の詳細について説明する。
図9に、画像符号化器1050のブロック図を示す。なお、本実施の形態に係る画像符号化装置1000の画像符号化器1050においては、LZ77符号化処理を実行するが、本発明に係る画像符号化装置1000は、このLZ77符号化処理に限定して適用されるものではない。本発明に係る画像符号化装置1000は、辞書に基づいた一般的な符号化処理に適用できるものである。
【0091】
画像符号化器1050は、記号列分解器1420と、記号列バッファ1430と、記号列カウンタ1440と、データ符号化器1450と、これらを制御するコントローラ1410とを含む。
【0092】
コントローラ1410は、画像符号化器1050の全体を制御する。コントローラ1410には、図示しないCPU(Central Processing Unit)や、そのCPUで実行されるプログラムを記憶するメモリを含む。
【0093】
以下、記号列バッファ1430のI、J番目の要素をS[I][J]で表わし、記号列カウンタ1440のI番目の値をSC[I]で表わす。
【0094】
記号列分解器1420は、高解像度画像データメモリ1030に記憶された高解像度画像データの内容を分解して、記号列バッファ1430に記憶させる。記号列バッファ1430は、第1次元が3、第2次元が高解像度画像データメモリ1030の長さと等しい2次元配列のバッファである。すなわち、記号列バッファ1430は、3×Nの大きさの二次元配列を有する。「第1次元が3」とは、3×Nの「3」を表わし、「高解像度画像データメモリ1030の長さ」とは、「高解像度データメモリ1030」を構成するワード数(=格納され得るピクセルの数の最大)を意味する。
【0095】
この記号列バッファ1430は、高解像度データメモリ1030に含まれる各ピクセルを、各ピクセルごとに算出されるキーの値(キーについては後述する。)に応じて分類して、記憶するための2次元配列である。本実施の形態に係る画像符号化装置1000においては、キーの値Kを0〜2の3通りと設定したため、記号列バッファ1430が3列から構成される。このため、第1次元が「3」になる。
【0096】
第2次元の長さは、必要な最大限の長さ(全てのピクセルから同じキーレジスタ1428の値が算出された場合)であってもデータを記憶することができるように、高解像度画像データメモリ1030の長さ(=格納されうるピクセルの数の最大)に設定している。ただし、このような記号列バッファ1430の構成は、一例であって、本発明に係る画像符号化装置がこのようなバッファの構成に限定されるものではない。
【0097】
記号列カウンタ1440は、3つの要素を持つ1次元配列のバッファである。この3つの要素とは、SC[0]、SC[1]、SC[2]である。このSC[I](I=0、1、2)自体は、画像データの値を示すものではなく、各ピクセルをキーの値に合わせて分類した際、各分類に含まれるピクセルの数を示すものである。SC[0]、SC[1]、SC[2]は、後述するフローチャート(図12)の中では、次にピクセルが格納される、記号列バッファ1430の場所を示すことになる。キーの値にしたがって、各ピクセルがS[K]、[SC[K]]に記憶されるごとに、Kの値に応じて、SC[K]がインクリメントされる。後述するフローチャートで示す処理の終了後は、SC[0]、SC[1]、SC[2]は、各分類に入っているピクセルの数を示すことになる。
【0098】
なお、上述したような記号列バッファ1430に記号列を分類して記憶させる、記号列分解器1420の構造の詳細については後述する。
【0099】
データ符号化器1450は、記号列バッファ1430に記憶された3つの記号列および低解像度画像データメモリ1040に記憶された画像データを符号化処理する。
【0100】
図10を参照して、以上のような構造を有する画像符号化器1050で実行される符号化処理(図2のS1100における処理)の手順について説明する。
【0101】
S1110にて、コントローラ1410に制御された記号列分解器1420は、高解像度画像データメモリ1030の内容を分解して、記号列バッファ1430に記憶させる。これと同時に、記号列分解器1420は、記号列カウンタ1440のカウンタ値を生成する。なお、この記号列分解器1420における処理の手順の詳細については後述する。
【0102】
S1130にて、コントローラ1410に制御されるデータ符号化器1450は、記号列バッファ1430に記憶されている以下の3つの記号列を、LZ77符号化で符号化処理して、高解像度符号化画像データメモリ1060に記憶させる。このとき記号列バッファ1430に記憶される記号列は、
S[0]から始まるSC[0]個の記号からなる記号列
S[1]から始まるSC[1]個の記号からなる記号列
S[2]から始まるSC[2]個の記号からなる記号列
である。ここで、3つの記号列が記憶されているのは、後述するキーの種類を3つに設定したためである。なお、本発明に係る画像符号化装置1000は、キーの種類が3つに設定されるものに限定されない。さらに、本発明に係る画像符号化装置1000は、データ符号化の方式がLZ77符号化であるものに限定されない。
【0103】
図6に高解像度符号化画像データメモリ1060に格納される符号化画像データのフォーマットの例を示す。符号化画像データ長1510の後に符号化画像データ1520が続くデータ構造が、符号化画像データの数だけ(この例では3回)繰り返される。符号化画像データ長1510は、符号化画像データ1520の長さをバイト数で表す4バイトのフィールドである。
【0104】
これに続いて、符号化画像データ長1530、符号化画像データ1540、符号化画像データ長1550、符号化画像データ1560が続けて記憶される。符号化画像データ長1530と符号化画像データ1540との関係、符号化画像データ長1550と符号化画像データ1560との関係は、いずれも上述した符号化画像データ長1510と符号化画像データ1520との関係と同じである。また、符号化画像データ長1530と符号化画像データ長1550とは、いずれも符号化画像データ長1510と同様に、4バイトのフィールドである。なお、本発明に係る画像符号化装置は、このようなデータフォーマットに限定されるものではない。
【0105】
S1140にて、コントローラ1410で制御されたデータ符号化器1450は、低解像度画像データメモリ1040に記憶された低解像度画像データを、図5に示すラスタスキャン順にLZ77符号化で符号化処理して、低解像度符号化画像データメモリ1070に記憶させる。
【0106】
低解像度符号化画像データメモリ1070のフォーマットについても、図7に示すように、符号化のデータの長さ1610の後に符号化画像データ1620が続くものとする。このようなデータ構造にすることによって、復号時に、画像全体を復号することなく、低解像度画像だけを個別に復号できることに注意すべきである。また、ここでは低解像度画像データメモリ1040の内容を高解像度画像データメモリ1030と同じ方法で符号化しているが、これはデータ符号化器1450の構成をより簡潔にするためである。このような簡潔性は多くの応用では好ましい。なお、本発明に係る画像符号化装置は、異なる2種類以上の符号化方式を適用するものに適用することもできる。
【0107】
以下、記号列分解器1420の詳細について説明する。
図11に、記号列分解器1420のブロック図を示す。記号列分解器1420は、第1カウンタ1424と、対応ピクセル番号レジスタ1426と、キーレジスタ1428と、これらを制御するコントローラ1422とを含む。
【0108】
コントローラ1422は、記号列分解器1420の全体を制御する。コントローラ1422には、図示しないCPUや、そのCPUで実行されるプログラムを記憶するメモリを含む。
【0109】
第1カウンタ1424は、高解像度画像データの要素数(ピクセル数)を表わす変数Iをカウントする。対応ピクセル番号レジスタ1426には、高解像度画像データメモリ1030の要素(ピクセル)に対応する相関の強い、低解像度画像データメモリ1040の要素(ピクセル)が記憶される。キーレジスタ1428には、高解像度画像データの要素(ピクセル)が対応する、分類されたキーの値が記憶される。
【0110】
図12を参照して、以上のような構造を有する記号列分解器1420で実行される分解処理(図10のS1110の処理)の手順について説明する。
【0111】
S1112にて、コントローラ1422は、第1カウンタ1424のカウンタ値を初期化(カウンタ値=0)する。以下、第1カウンタ1424のカウンタ値は、変数Iで示される。
【0112】
S1114にて、コントローラ1422は、3つの要素をもった1次元配列である記号列カウンタ1440の全ての要素を初期化する(SC[K]=0、K=0、1、2)。
【0113】
S1116にて、コントローラ1422は、高解像度画像データメモリ1030のI番目の要素(ピクセル)に対応する(相関の強い)低解像度画像データメモリ1040の要素(ピクセル)の番号Jを算出して、対応ピクセル番号レジスタ1426に記憶させる。
【0114】
この高解像度画像のピクセルが低解像度画像のどのピクセルに対応する算出は、符号化前処理器1020にて、高解像度画像と低解像度画像をどのように生成したかに、主として依存する。なお、ここで、高解像度画像と低解像度画像とを対応付けするのは、それぞれの間で相関が高いと考えられるピクセルどうしを対応付けすることである。高解像度画像の各ピクセルが、低解像度画像の各ピクセルのどれに対応することを示す規則が与えられる限り、どのような規則であってもよい。ただし、高解像度画像と低解像度画像の対応するピクセルの間の相関が低いか、または全くなければ、効率的な符号化が達成できないことになる。
【0115】
図3に示した画像例を用いてこの対応について説明する。画像の横幅をW(ここでは4)、高解像度画像データメモリ1030のI番目の要素に対応する低解像度画像データメモリ1040の要素の番号をJとすると、Jは以下のように算出される。なお、以下の説明では、画像の横幅Wは簡単のために偶数とし、Wを3/2倍した値をV(V=1.5×W)と想定する。
【0116】
図5に示すような、ラスタスキャン順に0から高解像度画像データメモリ1030の各要素(各ピクセル)に番号Iを割り当てた場合、そのI番目の要素の、元画像上でのピクセルとしてのXY座標は (I mod V)の値により、以下のように場合分けされる。なお、(X,Y)の形式で、XY座標を表わす。
(a) (I mod V)<W/2 の場合
(2 ×(I mod (W/2))+1,2×(I/V))・・・(1)
(b) W/2≦(I mod V)<Wの場合
(I mod (W/2), 2×(I/V)+1)・・・(2)
(c) (I mod V)≧Wの場合
(I mod (W/2)+W/2,2×(I/V) + 1 )・・・(3)
以下、低解像度画像データメモリ1040の要素(ピクセル)に、低解像度画像上でラスタスキャン順に、0から番号Jを対応付けて割り当てるとする。
【0117】
高解像度画像データメモリ1030のI番目の要素に対応する、低解像度画像データメモリ1040の要素の番号をJとすると、低解像度画像が元画像の1/2縮小にあたること、その横幅がW/2であること、式(1)、(2)、(3)からJは下記のようにして求められる。
(a) (I mod V)<W/2 の場合
J=(I mod (W/2))+(I/V)×(W/2)・・・(4)
(b) W/2≦(I mod V)<Wの場合
J=(I mod (W/2))/2 +( 2×(I/V)+1)/2×(W/2) ・・・(5)
(c) (I mod V)≧Wの場合
J=((I mod (W/2))+W/2)/2+((2×(I/V))+1)/2×(W/2) ・・・(6)
S1118にて、コントローラ1422は、低解像度画像データメモリ1040の、対応ピクセル番号レジスタ1426の値が示す番号の要素を読み込み、値を変換して、キーレジスタ1428に記憶させる。このときの変換の規則は、以下のように与えられる。低解像度画像データメモリ1040から読み出されたピクセルの値をP、キーレジスタ1428の値をKとする。
K=0 (P=0のとき)
K=1 (1≦P≦254のとき)
K=2 (P=255のとき)
ここで、このようにキーレジスタ1428の値を設定したのは、通常の紙面では背景ピクセル(255)、文字が素(0)のピクセル値を取るピクセルが多く含まれ、低解像度ピクセルが背景(文字)ピクセルであれば、高解像度ピクセルも全て背景(文字)ピクセルである確率が高いと考えられるためである。この現象は、通常の文書では、特に背景ピクセルで顕著である。
【0118】
背景ピクセルの値や文字ピクセルの値に揺れがあるような場合は、たとえばキーレジスタ1428の値が、0や2になるようなピクセルの値に幅を持たせることが望ましい。たとえば、キーレジスタ1428の値Kを0にする条件を、「0≦P<16」、キーレジスタ1428の値Kを1にする条件を「16≦P<240」、キーレジスタ1428の値Kを2にする条件を「240≦P≦255」とするように設定することもできる。
【0119】
ここでは、このようにキーレジスタ1428の値Kを、3通りの値を取るように設計しているが、これは一例であって、本発明に係る画像符号化装置は、これに限定されない。
【0120】
さらに、キーレジスタ1428の値Kの他の設定としては、ピクセルの値Pを一定の整数で割った値に基づく場合なども考えられる。この場合は、ピクセルの値Pを割る整数の値に応じて、キーレジスタ1428の値Kがとりうる値の範囲も変動する。キーレジスタ1428の値Kの設定には、他にもいろいろなバリエーションが考えられる。キーレジスタ1428の値Kの設定においては、キーレジスタ1428の値Kによって、低解像度画像データメモリ1040から読み出されたピクセルに対応する高解像画像データメモリ1030のピクセルの値を予測できるものであること、すなわちキーレジスタ1428の値Kによって分類された高解像度画像データメモリ1030のピクセルの値が、同一分類内では一部の値に集中することが重要である。これによって、各分類内のエントロピーを下げることが可能になる。したがって、各分類ごとに符号化を行うことが、全てのピクセルをまとめて符号化するのに比べて符号化効率を向上させることにつながる。より一般的に言えば、高い相関を持つ二つのデータ系列の一方をキーとして、他方をサブデータ系列に分類すると、作成された各サブデータ系列の要素の値が、それぞれの中では一部の値に集中することになる。したがって、各サブデータ系列のエントロピーの和が、元のデータ系列よりも低くなり、符号化効率を向上させることができるのものである。
【0121】
なお、記号列バッファ1430の第1次元方向の要素の長さ、記号列カウンタ1440の要素の数は、どれもキーレジスタ1428の値Kの範囲によって定まる。そのため、キーレジスタ1428の値Kの範囲が変更されれば、このようなパラメータも変更されるべきものである。
【0122】
S1120にて、コントローラ1422は、高解像度画像データメモリ1030のI番目の要素(ピクセル)を、記号列バッファ1430のS[K][SC[K]]に代入する。
【0123】
S1122にて、コントローラ1422は、記号列カウンタ1440のK番目の値SC[K]に1を加算する。S1124にて、コントローラ1422は、第1カウンタ1424のカウンタ値Iに1を加算する。
【0124】
S1126にて、コントローラ1422は、第1カウンタ1424のカウンタ値Iが、高解像度画像データメモリ1030に含まれるピクセルの数と比較する。第1カウンタ1424のカウンタ値Iが、高解像度画像データメモリ1030に含まれるピクセルの数と等しければ(S1126にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S1126にてNO)、処理はS1116に戻されて、さらに次の要素(ピクセル)についての処理が行なわれる。
【0125】
以上のような構造およびフローチャートに基づく画像符号化装置1000の動作について説明する。
【0126】
撮像された画像データなどが入力画像データとして、入力画像データメモリ1010に記憶される。符号化前処理器1020は、入力画像データメモリ1010に記憶された入力画像データに基づいて、高解像度画像データと低解像度画像データとを作成する(S1000)。これにより、高解像度画像データメモリ1030には、図3に示す高解像度画像1210または図4に示す高解像度画像1310が記憶され、低解像度画像データメモリ1040には、図3に示す低解像度画像1220または図4に示す低解像度画像1320が記憶される。
【0127】
画像符号化器1050は、高解像度画像データと低解像度画像データとを予め定められた圧縮方式で符号化処理する(S1100)。このとき、まず、記号列分解器1420は、高解像度画像データメモリ1030の内容を分解して、記号列バッファ1430に記憶させる(S1110)。第1カウンタ1424のカウンタ値Iが初期化され(S1112)、記号列カウンタSC[K]が初期化される(S1114)。高解像度画像データメモリ1030のI番目の要素(ピクセル)に対応する(相関の強い)低解像度画像データメモリ1040の要素(ピクセル)の番号Jが算出される。このとき式(1)〜(6)を用いて、変数Iから番号Jが算出される(S1116)。低解像度画像データメモリ1040のJ番目の要素を読み込み、キー値Kに変換する(S1118)。高解像度画像データメモリ1030のI番目の要素(ピクセル)が、記号列バッファ1430のS[K][SC[K]]に代入される(S1120)。
【0128】
記号列カウンタ1440のK番目の値SC[K]に1が加算され(S1122)、第1カウンタ1424のカウンタ値Iに1が加算される(S1124)。第1カウンタ1424のカウンタ値Iが、高解像度画像データメモリ1030に含まれるピクセルの数に等しくなるまで(S1126にてYES)、S1116からS1124までの処理が繰返し実行されて、全ての要素(ピクセル)についての処理が行なわれる。
【0129】
このような動作により、高解像度画像データメモリ1030の要素(ピクセル)が、対応する低解像度画像データメモリ1040の要素(ピクセル)の値に従って分類される。ここで、高解像度画像データメモリ1030の各ピクセルの値と対応する低解像度画像データメモリ1040のピクセルの値に相関がある場合には、対応する低解像度画像データメモリ1040の値が近似していれば、元の高解像度画像データメモリ1030の各ピクセルの値が近似していることになる。したがって、低解像度画像データメモリ1040の対応するピクセルの値が近似するという条件で、高解像度画像データメモリ1030を分類すると、各分類の中では、ピクセルデータの値は一部の値に集中すると考えられる。別の言い方をすれば、各分類は、低いエントロピーを持つことになる。
【0130】
なお、この分類においては、上述した式(1)〜(6)が用いられる。図3に示す画像データの場合、たとえば、ピクセル(00)とピクセル(22)とが近似した値であって、ピクセル(02)とピクセル(20)とが近似した値であると想定する。この場合、それぞれが同じキーの値に変換されることになる。この場合、ピクセル(00)とピクセル(22)のいずれかに対応する、高解像度画像のピクセル(01)、ピクセル(10)、ピクセル(11)、ピクセル(23)、ピクセル(32)、ピクセル(33)が同じ分類になり、ピクセル(02)とピクセル(20)のいずれかに対応する、高解像度画像のピクセル(03)、ピクセル(12)、ピクセル(13)、ピクセル(21)、ピクセル(30)、ピクセル(31)が同じ分類になることを示す。このあと、高解像度画像のピクセルを上記の2つの分類ごとに符号化することで、高解像度画像のピクセルをまとめて符号化するよりも効率の高い符号化を実行できる。このようにして、図6に示すようなフォーマットで、高解像度符号化画像データメモリ1060に、符号化画像データが記憶される。
【0131】
その後、データ符号化器1450により、記号列バッファ1430に記憶されている以下の3つの記号列が、LZ77符号化で符号化処理されて、高解像度符号化画像データメモリ1060に記憶される(S1130)。
【0132】
低解像度画像データメモリ1040に記憶された低解像度画像データが、LZ77符号化で符号化処理されて、低解像度符号化画像データメモリ1070に記憶される(S1140)。これにより、図7に示すようなフォーマットで、低解像度符号化画像データメモリ1070に、符号化画像データが記憶される。
【0133】
さらに、符号化データ結合器1080により、高解像度符号化画像メモリ1060と低解像度符号化画像メモリ1070とに記憶されたデータが結合されて、そのデータが、結合符号化画像データメモリ1090に記憶される(S1200)。
【0134】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像符号化装置によると、高解像度画像データを構成する要素を、低解像度画像データを構成する要素に関連付けて分類した。そして、その分類された高解像度画像データごとに符号化処理を実行すると、互いに高い相関のある高解像度画像データをまとめて、効率的に符号化できる。
【0135】
このことは、低解像度画像のピクセルの値をキーとして、対応している高解像度画像のピクセルを分類して、分類ごとに符号化することで符号化効率を向上させるために、高い相関を持つ複数のデータ系列の一方をキーとして、他方をサブデータ系列に分類することで、作成された各サブデータ系列の要素の値が、それぞれの中では一部の値に集中することになり、各サブデータ系列のエントロピーが下げられたことによるものである。
【0136】
また、本実施の形態に係る画像符号化装置によると、辞書に基づいた符号化に代表される、明示的な確率モデルを持たない符号化処理に適用できるので、この符号化処理が行なわれた符号化画像データを復号するときにも、その復号処理は軽量である。
【0137】
さらに、本実施の形態に係る画像符号化装置によると、特定のデータ系列の復号において、他のデータ系列の復号が不要であるように構成できるので、特に特定のデータ系列が、全体のデータ系列を統合してできるデータの概略を表している場合には、特定のデータ系列だけを復号することで、概略を知ることが可能となる。
【0138】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態に係る画像復号装置について説明する。本実施の形態に係る画像復号装置は、第1の実施の形態に係る画像符号化装置に対応する復号装置である。
【0139】
図13に、本実施の形態に係る画像復号装置2000のブロック図を示す。図13に示すように、この画像復号装置2000は、符号化処理された高解像度画像を表わす符号化画像データと符号化処理された低解像度画像を表わす符号化画像データとが結合処理された結合符号化画像データを記憶する結合符号化画像データメモリ2010と、その結合符号化画像データを復号する前に、結合符号化画像データから高解像度画像を表わす符号化画像データと低解像度画像を表わす符号化画像データとを分離する復号前処理器2020と、分離された高解像度符号化画像データを記憶する高解像度符号化画像データメモリ2030と、分離された低解像度符号化画像データを記憶する低解像度符号化画像データメモリ2040と、高解像度画像を表わす符号化画像データと低解像度画像を表わす符号化画像データとを復号処理する画像復号器2050と、復号処理された高解像度画像を表わす画像データを記憶するための高解像度画像データメモリ2060と、復号処理された低解像度画像を表わす画像データを記憶するための低解像度画像データメモリ2070と、復号処理された高解像度画像を表わす画像データと復号処理された解像度画像を表わす画像データとを結合処理する画像データ結合器2080と含む。
【0140】
この画像復号装置2000における、結合符号化画像データメモリ2010と、高解像度符号化画像データメモリ2030と、低解像度符号化画像データメモリ2040と、高解像度画像データメモリ2060と、低解像度画像データメモリ2070と、出力画像データメモリ2090とは、一般的にコンピュータを含む計算システムに実装される記憶デバイスにより実現される。
【0141】
この画像復号装置2000における、復号前処理器2020と、画像復号器2050と、画像データ結合器2080とは、コンピュータにより実行されるソフトウェアで実現することも、ハードウェアで実現することも可能である。以下の説明では、この復号前処理器2020と、画像復号器2050と、画像データ結合器2080とは、コントローラを含む特定のハードウェアを有し、そのコントローラが予め定められたソフトウェアを実行することによりハードウェアを制御して、所定の機能を実現するものとして説明する。ただし、特定のハードウェアではなく、一般的なコンピュータを用いて、所定の機能を実現するものであってもよい。したがって、本発明の本質的な一局面は、このような機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【0142】
結合符号化画像データメモリ2010に記憶される符号化画像データ、すなわち本実施の形態に係る画像復号装置2000で復号処理されるデータについては、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000で符号化処理でされた符号化画像データである。
【0143】
図14を参照して、本実施の形態に係る画像復号装置2000の画像データ復号処理の手順について説明する。
【0144】
S2000にて、画像復号装置2000は、復号前処理器2020を用いて、結合符号化画像データメモリ2010に記憶された符号化画像データから、高解像度符号化画像データと低解像度符号化画像データとを分離して、それぞれ、高解像度符号化画像データメモリ2030と低解像度符号化画像データメモリ2040とに記憶させる。このとき、前述の図8に示す結合符号化画像データから、図6に示す高解像度符号化画像データと図7に示す低解像度符号化画像データとが分離される。
【0145】
S2100にて、画像復号装置2000は、画像復号器2050を用いて、高解像度符号化画像データと低解像度符号化画像データとを第1の実施の形態に係る画像符号化装置に対応する伸張方式で復号処理して、復号処理されたデータを高解像度画像データメモリ2060と低解像度画像データメモリ2070とに記憶させる。この画像復号器2050における処理の手順の詳細については後述する。
【0146】
S2200にて、画像復号装置2000は、画像データ結合器2080を用いて、高解像度画像データメモリ2060と低解像度画像データメモリ2070とに記憶されたデータを結合して、出力画像データメモリ2090に記憶させる。
【0147】
以下、画像復号器2050の詳細について説明する。
図15に、画像復号器2050のブロック図を示す。なお、本実施の形態に係る画像復号装置2000の画像復号器2050においては、第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000に用いられるLZ77符号化処理を実行するが、本発明に係る画像復号装置2000は、このLZ77符号化処理に限定して適用されるものではない。本発明に係る画像復号装置2000は、辞書に基づいた一般的な符号化処理に対応する復号処理に適用できるものである。
【0148】
画像復号器2050は、データ復号器2420と、記号列結合器2430と、記号列バッファ2440と、記号列カウンタ2450と、これらを制御するコントローラ2410とを含む。
【0149】
コントローラ2410は、画像復号器2050の全体を制御する。コントローラ2410には、図示しないCPUや、そのCPUで実行されるプログラムを記憶するメモリを含む。
【0150】
データ復号器2420は、符号化画像データから分離され、低解像度符号化画像データメモリ2040に記憶された低解像度符号化画像データと、記号列バッファ2440に記憶された符号化画像データとを復号処理する。
【0151】
なお、記号列バッファ2440および記号列カウンタ2450は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の画像符号化器1050における記号列バッファ1430および記号列カウンタ1440とそれぞれ同じ構成であるため、ここでの詳細な説明は繰返さない。記号列結合器2430の構造の詳細については後述する。
【0152】
図16を参照して、以上のような構造を有する画像復号器2050で実行される復号処理(図14のS2100の処理)の手順について説明する。
【0153】
S2110にて、コントローラ2410に制御されたデータ復号器2420は、低解像度符号化画像データメモリ2040に記憶された低解像度符号化画像データを復号処理する。
【0154】
S2130にて、コントローラ2410に制御されたデータ復号器2420は、記号列バッファ2440に記憶されている以下の3つの記号列を、LZ77符号化に対応して復号処理する。このとき記号列バッファ2440に記憶されて、復号処理される記号列は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000と同様、
S[0]から始まるSC[0]個の記号からなる記号列
S[1]から始まるSC[1]個の記号からなる記号列
S[2]から始まるSC[2]個の記号からなる記号列
である。
【0155】
また、本実施の形態に係る画像復号装置2000においては、低解像度符号化画像データメモリ2040の符号化画像データと、記号列バッファ2440の記号列とを同じ方法で復号しているが、これはデータ復号器2420の構成をより簡潔にするためである。このような簡潔性は多くの応用では好ましい。なお、本発明に係る画像復号装置は、異なる2種類以上の復号方式を適用するものに適用することもできる。
【0156】
S2140にて、コントローラ2410に制御された記号列結合器2430は、復号処理された低解像度画像データと復号処理された記号列とに基づいて、高解像度画像データを作成する。なお、この記号列結合器2430における処理の手順の詳細については後述する。
【0157】
以下、記号列結合器2430の詳細について説明する。
図17に、記号列結合器2430のブロック図を示す。記号列結合器2430は、第1カウンタ2434と、対応ピクセル番号レジスタ2436と、キーレジスタ2438と、これらを制御するコントローラ2432とを含む。
【0158】
コントローラ2432は、記号列結合器2430の全体を制御する。コントローラ2432には、図示しないCPUや、そのCPUで実行されるプログラムを記憶するメモリを含む。
【0159】
第1カウンタ2434は、高解像度画像データの要素数(ピクセル数)を表わす変数Iをカウントする。対応ピクセル番号レジスタ2436には、高解像度画像データメモリ2060の要素(ピクセル)に対応する相関の強い、低解像度画像データメモリ2070の要素(ピクセル)が記憶される。キーレジスタ2438には、高解像度画像データの要素(ピクセル)が対応する、分類されたキーの値が記憶される。
【0160】
図18を参照して、以上のような構造を有する記号列結合器2430で実行される結合処理(図16のS2140の処理)の手順について説明する。
【0161】
S2142にて、コントローラ2432は、第1カウンタ2434のカウンタ値を初期化(カウンタ値=0)する。以下、第1カウンタ2434のカウンタ値は、変数Iで示される。
【0162】
S2144にて、コントローラ2432は、3つの要素をもった1次元配列である記号列カウンタ2450の全ての要素を初期化する(SC[K]=0、K=0、1、2)。
【0163】
S2146にて、コントローラ2432は、高解像度画像データメモリ2060のI番目の要素(ピクセル)に対応する(相関の強い)低解像度画像データメモリ2070の要素(ピクセル)の番号Jを算出して、対応ピクセル番号レジスタ2436に記憶させる。この高解像度画像のピクセルが低解像度画像のどのピクセルに対応する算出は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000における符号化前処理器1020にて、高解像度画像と低解像度画像をどのように生成したかに、主として依存する。このS2136における、変数Iから番号Jの算出は、前述の第1の実施の形態において説明した式(1)〜(6)にょり算出される。
【0164】
S2148にて、コントローラ2432は、低解像度画像データの、対応ピクセル番号レジスタ2436の値が示す番号の要素を読み込み、値を変換して、キーレジスタ2438に記憶させる。このときの変換の規則は、前述の第1の実施の形態と同様に、以下のように与えられる。低解像度画像データのピクセルの値をP、キーレジスタ1428の値をKとする。
K=0 (P=0のとき)
K=1 (1≦P≦254のとき)
K=2 (P=255のとき)
Kの種類が3種類に限定されないこと、Kの値を規定するPの値が上記のように限定されないことは、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0165】
S2150にて、コントローラ2432は、記号列バッファ2440のS[K][SC[K]]の値を高解像度画像データのI番目の要素(ピクセル)に代入する。
【0166】
S2152にて、コントローラ2432は、記号列カウンタ2450のK番目の値SC[K]に1を加算する。S2154にて、コントローラ2432は、第1カウンタ2434のカウンタ値Iに1を加算する。
【0167】
S2156にて、コントローラ2432は、第1カウンタ2434のカウンタ値Iが、高解像度画像データのピクセルの数と比較する。第1カウンタ2434のカウンタ値Iが、高解像度画像データのピクセルの数と等しければ(S2156にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S2156にてNO)、処理はS2146に戻されて、さらに次の要素(ピクセル)についての処理が行なわれる。
【0168】
以上のような構造およびフローチャートに基づく画像復号装置2000の動作について説明する。
【0169】
前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000で符号化処理された結合符号化画像データが入力データとして、結合符号化画像データメモリ2010に記憶される。復号前処理器2020は、結合符号化画像データメモリ2010に記憶された結合符号化画像データから、高解像度符号化画像データと低解像度符号化画像データとを分離する(S2000)。これにより、高解像度符号化画像データメモリ2030には、図6に示す高解像度符号化画像データが記憶され、低解像度画像データメモリ2040には、図7に示す低解像度符号化画像データが記憶される。
【0170】
画像復号器2050は、高解像度画像データと低解像度画像データとを予め画像復号装置1000で実行された圧縮方式に対応する伸張方式で復号処理する(S2100)。このとき、まず、データ復号器2420が低解像度符号化画像データメモリ2040に記憶された低解像度符号化画像データを復号して低解像度画像データメモリ2070に記憶させる(S2110)。次いで、データ復号器2420が記号列バッファ2440に記憶された記号列を復号する(S2130)。
【0171】
記号列結合器2430は、復号された低解像度画像データと記号列とを用いて、データを記号列に記憶された内容に基づいて、データを結合して高解像度画像データを作成する。このとき、まず、第1カウンタ2434のカウンタ値Iが初期化され(S2142)、記号列カウンタSC[K]が初期化される(S2144)。高解像度画像データのI番目の要素(ピクセル)に対応する(相関の強い)低解像度画像データの要素(ピクセル)の番号Jが算出される。このとき式(1)〜(6)を用いて、変数Iから番号Jが算出される(S2146)。低解像度画像データのJ番目の要素を読み込み、キー値Kに変換する(S2148)。記号列バッファ2450のS[K][SC[K]]の値が高解像度画像データのI番目の要素(ピクセル)に代入される(S2150)。
【0172】
記号列カウンタ2450のK番目の値SC[K]に1が加算され(S2152)、第1カウンタ2434のカウンタ値Iに1が加算される(S2154)。第1カウンタ2434のカウンタ値Iが、高解像度画像データのピクセルの数に等しくなるまで(S2156にてYES)、S2146からS2154までの処理が繰返し実行されて、全ての要素(ピクセル)についての処理が行なわれる。
【0173】
このような動作により、高解像度画像データの要素(ピクセル)が、対応する低解像度画像データの要素(ピクセル)の値に従って処理されて、図19に示すように、高解像度画像2510と低解像度画像2520とが結合されて、出力画像2530が作成される。
【0174】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像復号装置によると、高解像度画像データを構成する要素を、低解像度画像データを構成する要素に関連付けて分類して、その分類された高解像度画像データごとに符号化処理を実行することにより効率的に符号化された符号化画像データを復号処理することができる。
【0175】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態に係る画像復号装置について説明する。本実施の形態に係る画像復号装置は、第1の実施の形態に係る画像符号化装置に対応する復号装置であって、第2の実施の形態に係る画像復号装置が有する機能に加えて、復号時に、低解像度画像および高解像度画像のいずれを復号するのかを選択できる機能を有する。それ以外については、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。
【0176】
図20を参照して、本実施の形態に係る画像復号装置3000のブロック図を示す。図20に示すように、この画像復号装置3000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の構成に加えて、画像データ結合器2080に接続されたセレクタ3010を含む。このセレクタ3010に記憶された内容に基づいて、低解像度画像および高解像度画像のいずれを復号するのかが判断される。セレクタ3010に記憶された内容が「0」であると高解像度画像を出力するための高解像度画像データを、そうでないと低解像度画像を出力するための低解像度画像データを作成する。それ以外の構造は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の構造と同じである。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0177】
図21を参照して、本実施の形態に係る画像復号装置3000の画像データ復号処理の手順について説明する。なお、図21に示すフローチャートの中で、前述の図14に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0178】
S3000にて、画像復号装置3000は、画像復号器2050を用いて、高解像度画像データまたは低解像度画像データを復号する。このS3000における処理の詳細については後述する。
【0179】
S3100にて、画像復号装置3000は、復号処理された高解像度画像データまたは低解像度画像データを出力して、高解像度画像または低解像度画像を表示させる。
【0180】
図22を参照して、本実施の形態に係る画像復号装置3000における、画像復号器2050とセレクタ3010とを含むブロック図を示す。図21に示すように、セレクタ3010は、画像復号器2050に接続されたコントローラ2410に接続されている。コントローラ2410は、セレクタ3010に記憶された内容に基づいて、高解像度画像および低解像度画像のいずれを復号するのかを決定して、データ復号器2420を制御して必要な復号処理を実行する。それ以外の構造は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の構造と同じである。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0181】
図23を参照して、以上のような構造を有する画像復号器2050で実行される復号処理(図21のS3000の処理)の手順について説明する。
【0182】
S3010にて、コントローラ2410に制御されたデータ復号器2420は、低解像度符号化画像データメモリ2040に記憶された低解像度符号化画像デデータを復号処理する。
【0183】
S3020にて、コントローラ2410は、セレクタ3010の内容が「0」であるか否かを判断する。セレクタ3010の内容が「0」であると(S3020にてYES)、処理はS3030に移される。もしそうでないと(S3020にてNO)、処理はS3040に移される。
【0184】
S3030にて、コントローラ2410に制御されたデータ復号器2420は、記号列バッファ2440に記憶されている3つの記号列を、LZ77符号化に対応して復号処理する。
【0185】
S3040にて、コントローラ2410は、セレクタ3010の内容が「0」であるか否かを判断する。セレクタ3010の内容が「0」であると(S3040にてYES)、処理はS2140に移される。もしそうでないと(S3040にてNO)、この処理は終了する。なお、S2140における処理は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000における処理と同じである。
【0186】
以上のような構造およびフローチャートに基づく画像復号装置3000の動作について説明する。
【0187】
復号前処理器2020により、結合符号化画像データが、高解像度符号化画像データと低解像度符号化画像データとに分離される(S2000)。低解像度符号化画像データが、データ復号器2420により復号され、低解像度画像データが低解像度画像データメモリ2070に記憶される(S3010)。
【0188】
セレクタ3010に「0」が記憶されていると(S3020にてYES)、記号列バッファ2440に記憶された記号列が、データ復号器2420により復号される(S3030)。さらに、セレクタ3010に「0」が記憶されていると(S3040にてYES)、復号処理された低解像度画像データと記号列とに基づいて、高解像度画像データが作成される(S2140)。作成された高解像度画像データは出力画像データメモリ2090に記憶される。
【0189】
一方、セレクタ3010に「0」が記憶されていないと(S3020にてNO)、記号列バッファ2440に記憶された記号列の復号処理は実行されず、高解像度画像データも作成されない。
【0190】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像復号装置によると、粗い解像度で画像の全体を早く知りたいという場合と、細かい解像度で画像の詳細を知りたいという場合とに対応して、低解像度画像を作成するのか、高解像度画像を作成するのかを選択することができる。このような機能は、画像閲覧システムなどにおいて大きな効果を発現する。
【0191】
なお、本実施の形態に係る画像復号装置は、高解像度と低解像度との2つの種類の解像度の画像のいずれかを選択するようにしたが、3種類以上の解像度の中から1の解像度の画像を選択するようにしてもよい。
【0192】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態に係る画像符号化装置について説明する。第1の実施の形態に係る画像符号化装置が、画像を高解像度と低解像度の2階層の解像度に分解して符号化処理を実行するのに対して、本実施の形態に係る画像符号化装置は、画像を3階層以上の解像度に分解して符号化処理を実行する機能を有する。それ以外については、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。なお、以下の説明では、本実施の形態に係る画像符号化装置は、(M+1)種類の解像度の画像データを符号化処理すると想定する。
【0193】
本実施の形態に係る画像符号化装置は、相関を持つデータ系列の一方をキーとして他方のデータ系列を分解して符号化するという手順を繰り返すことで、再帰的に3階層以上の解像度の階層に対して、効率的に符号化処理を実行する。
【0194】
図24に、本実施の形態に係る画像符号化装置4000のブロック図を示す。図24に示すように、この画像符号化装置4000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の高解像度画像データメモリ1030および低解像度画像データメモリ1040に代えて、解像度が高い方から、第0のレベル画像データメモリ4020、第1のレベル画像データメモリ4030、第Mのレベル画像データメモリ4040の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0195】
さらに、この画像符号化装置4000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の高解像度符号化画像データメモリ1060および低解像度符号化画像データメモリ1070に代えて、解像度が高い方から、第0のレベル符号化画像データメモリ4060、第1のレベル符号化画像データメモリ4070、第Mのレベル符号化画像データメモリ4080の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0196】
さらに、この画像符号化装置4000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の符号化前処理器1020に代えて、この符号化前処理器1020とはデータメモリとの接続関係が異なる、符号化前処理器4010を有する。この画像符号化装置4000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の画像符号化器1050に代えて、この画像符号化器1050とはデータメモリとの接続関係が異なる、画像符号化器4050を有する。この画像符号化装置4000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の符号化データ結合器1080に代えて、この符号化データ結合器1080とはデータメモリとの接続関係が異なる、符号化データ結合器4090を有する。
【0197】
図25を参照して、本実施の形態に係る画像符号化装置4000の画像データ符号化処理の手順について説明する。
【0198】
S4000にて、画像符号化装置4000は、符号化前処理器4010を用いて、入力画像データメモリ1010に記憶された入力画像データに基づいて、(M+1)種類の解像度(第0のレベル〜第Mのレベル)の画像データを作成して、それぞれ、第0のレベル画像データメモリ4020、第1のレベル画像データメモリ4030、第Mのレベル画像データメモリ4040に記憶させる。
【0199】
このS4000の処理においては、たとえば、図4に示すようにして、高解像度側の第Lのレベル画像(入力画像1300)から、それよりも1つ解像度のレベルが低い第(L+1)のレベル画像(低解像度画像1320)を作成する。さらに、この第(L+1)のレベル画像1320を高解像度側の画像として、それよりも1つ解像度のレベルが低い第(L+2)のレベル画像を作成する。このような処理を(M+1)回繰返すと、図26に示すように、入力画像(第0のレベル画像)に対して、解像度が高い方から低くなる順に、第1のレベルの画像、第2のレベルの画像、…、第(M−1)のレベルの画像、第Mのレベルの画像の(M+1)個の画像を作成することができる。
【0200】
すなわち、入力画像から第0のレベルの解像度の画像(高解像度画像に対応)、第1のレベルの解像度の画像(低解像度画像に対応)を作成して、今度は第1のレベルの解像度の画像を入力として第1のレベルの解像度の画像および第2のレベルの解像度の画像を作成する。図26に概念的に示すように、この処理を繰り返すことで、第Mのレベルの解像度の画像に到達できる。入力画像と高解像度画像が異なる場合についても、同様に再帰的に処理することで第Mのレベルの解像度の画像に到達できる。なお、このようにして処理される画像は図4に示される画像に限定されるものではない。
【0201】
S4100にて、画像符号化装置4000は、画像符号化器4050を用いて、各レベルの解像度の画像データを予め定められた圧縮方式で符号化処理して、符号化処理されたデータを、それぞれ、第0のレベル符号化画像データメモリ4060、第1のレベル符号化画像データメモリ4070、第Mのレベル符号化画像データメモリ4080に記憶させる。この画像符号化器4050における処理の手順の詳細については後述する。
【0202】
S4200にて、画像符号化装置4000は、符号化データ結合器4090を用いて、第0のレベル符号化画像データメモリ4060、第1のレベル符号化画像データメモリ4070、第Mのレベル符号化画像データメモリ4080に記憶されたデータを結合して、所定のレベルの解像度の画像に対応する結合符号化画像データを作成して、作成された符号化画像データを結合符号化画像データメモリ1090に記憶させる。
【0203】
図27に、本実施の形態に係る画像符号化装置4000における、画像符号化器4050のブロック図を示す。図27に示すように、画像符号化器4050は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の画像符号化器1050の構造に加えて、コントローラ1410に接続されたレベルレジスタ4052をさらに含む。レベルレジスタ4052は、解像度のレベル(数字が大きいほど低解像度)を記憶する。コントローラ1410は、解像度を1つ低くする処理ごとにレベルレジスタ4052に記憶されるデータをインクリメントして、そのデータが予め定められた解像度(Mとする。)になると、そのレベルの解像度の画像データを符号化して処理を終了させる。それ以外の構造は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の構造と同じである。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0204】
図28を参照して、以上のような構造を有する画像符号化器4050で実行される符号化処理(図25のS4100の処理)の手順について説明する。
【0205】
S4110にて、コントローラ1410は、レベルレジスタLを初期化(L=0)する。S4120にて、コントローラ1410に制御された記号列分解器1420は、第Lのレベルの解像度の画像データを記号列に分解する。分解された記号列は、記号列バッファ1430に記憶される。
【0206】
S4130にて、コントローラ1410に制御されたデータ符号化器1450は、記号列バッファ1430に記憶された記号列を符号化処理する。S4140にて、コントローラ1410は、レベルレジスタLに1を加算する。S4150にて、コントローラ1410は、レベルレジスタLと定数Mとを比較する。レベルレジスタLが定数Mと等しいと(S4150にてYES)、処理はS4160に移される。もしそうでないと(S4150にてNO)、処理はS4120に戻され、次のレベルの解像度の画像データについての処理が実行される。
【0207】
S4160にて、コントローラ1410に制御されたデータ符号化器1450は、第L(=M)のレベルの解像度の画像データを符号化処理する。このような処理が繰返し実行されて作成された結合符号化画像データが、結合符号化画像データメモリ1090に記憶される。
【0208】
図29に、結合符号化画像データメモリ1090のデータフォーマットの例を示す。階層数フィールド4500は、いくつの階層を符号化したかを示す4バイトフィールドである。ここでは、(M+1)という値が4バイト整数で格納されている。この階層数フィールド4500に続いて、第Mのレベルに対応する第Mのレベル解像度符号化画像に対応する符号化画像データ4510が続き、以下、解像度レベルが下がる順に(解像度自体は高くなる順に)、第1のレベル解像度符号化画像データ4520、第0のレベル解像度符号化画像データ4530まで続く。一般化された第Lのレベル解像度符号化画像データについては、第Lのレベル解像度符号化画像データメモリの内容がそのまま使用される。
【0209】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像符号化装置によると、画像を階層的に分解して、効率的に符号化することが実行できる。また、解像度の低い画像に対応するデータをデータ列の先頭側に置いて、符号化画像データの先頭からの一部分を読み込むだけで、その一部分のみを復号処理して、解像度の低い画像を表示して、早く画像の概略をユーザに表示することができる。
【0210】
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態に係る画像復号装置について説明する。本実施の形態に係る画像復号装置は、第4の実施の形態に係る画像符号化装置に対応する復号装置である。
【0211】
本発明の第5の実施の形態に係る画像復号装置について説明する。第2の実施の形態に係る画像復号装置が、画像を高解像度と低解像度の2階層の解像度に分解して復号処理を実行するのに対して、本実施の形態に係る画像復号装置は、画像を3階層以上の解像度に分解して復号処理を実行する機能を有する。それ以外については、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。なお、以下の説明では、本実施の形態に係る画像復号装置は、(M+1)種類の解像度の画像データを復号処理すると想定する。
【0212】
本実施の形態に係る画像復号装置は、相関を持つデータ系列の一方をキーとして他方のデータ系列を分解して符号化するという手順を繰り返すことで、再帰的に3階層以上の解像度の階層に対して、効率的に符号化処理をされた符号化画像データに対する復号処理を実行する。
【0213】
図30に、本実施の形態に係る画像復号装置5000のブロック図を示す。図30に示すように、この画像復号装置5000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の高解像度符号化画像データメモリ2030および低解像度符号化画像データメモリ2040に代えて、解像度が高い方から、第0のレベル符号化画像データメモリ5020、第1のレベル符号化画像データメモリ5030、第Mのレベル符号化画像データメモリ5040の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0214】
さらに、この画像復号装置5000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の高解像度画像データメモリ2060および低解像度画像データメモリ2070に代えて、解像度が高い方から、第0のレベル画像データメモリ5060、第1のレベル画像データメモリ5070、第Mのレベル画像データメモリ5080の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0215】
さらに、この画像復号装置5000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の復号前処理器2020に代えて、この復号処理器2020とはデータメモリとの接続関係が異なる、復号前処理器5010を有する。この画像復号装置5000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の画像復号器2050に代えて、この画像復号器2050とはデータメモリとの接続関係が異なる、画像復号器5050を有する。この画像復号装置5000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の画像データ結合器2080に代えて、この画像データ結合器2080とはデータメモリとの接続関係が異なる、画像データ結合器5090を有する。
【0216】
図31を参照して、本実施の形態に係る画像復号装置5000の画像データ復号処理の手順について説明する。
【0217】
S5000にて、画像復号装置5000は、復号前処理器5010を用いて、結合符号化画像データメモリ2010に記憶された符号化画像データに基づいて、(M+1)種類の解像度(第0のレベル〜第Mのレベル)の符号化画像データを作成して、それぞれ、第0のレベル符号化画像データメモリ5020、第1のレベル符号化画像データメモリ5030、第Mの符号化レベル画像データメモリ5040に記憶させる。このとき、第4の実施の形態において説明した図29に示すデータフォーマットに基づいて、(M+1)種類の解像度(第0のレベル〜第Mのレベル)の符号化画像データが作成される。すなわち、このS5000の処理は、符号化データを各解像度に対応するデータに分解する処理である。
【0218】
S5100にて、画像復号装置5000は、画像復号器5050を用いて、各レベルの解像度の符号化画像データを、第4の実施の形態に係る画像符号化装置4000で用いられた圧縮方式に対応する伸張方式で復号処理して、復号処理されたデータを、それぞれ、第0のレベル画像データメモリ5060、第1のレベル画像データメモリ5070、第Mのレベル画像データメモリ5080に記憶させる。この画像復号器5050における処理の手順の詳細については後述する。
【0219】
S5200にて、画像復号装置5000は、画像データ結合器5090を用いて、第0のレベル画像データメモリ5060、第1のレベル画像データメモリ5070、第Mのレベル画像データメモリ5080に記憶されたデータを結合して、所定のレベルの解像度の画像データを作成して、作成された画像データを出力画像データメモリ2090に記憶させる。
【0220】
図32に、本実施の形態に係る画像復号装置5000における、画像復号器5050のブロック図を示す。図32に示すように、画像復号器5050は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置1000の画像符号化器1050の構造に加えて、コントローラ2410に接続されたレベルレジスタ5052をさらに含む。レベルレジスタ5052は、解像度のレベル(数字が大きいほど低解像度)を記憶する。コントローラ2410は、予め定められた解像度(Mとする。)を初期値として解像度を1つ高くする処理ごとにレベルレジスタ5052に記憶されるデータをデクリメントして、そのデータが「0」になると、そのレベルの解像度の符号化画像データを復号して処理を終了させる。それ以外の構造は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の構造と同じである。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
【0221】
図33を参照して、以上のような構造を有する画像復号器5050で実行される復号処理(図31のS5100の処理)の手順について説明する。
【0222】
S5110にて、コントローラ2410に制御されたデータ復号器2420は、第Mのレベルの解像度の符号化画像データを復号する。復号された画像データは、第Mのレベル画像データメモリ5080に記憶される。
【0223】
S5120にて、コントローラ2410は、レベルレジスタLに(M−1)を代入する。この内容は、レベルレジスタ5052に記憶される。S5130にて、コントローラ2410に制御されたデータ復号器2420は、第Lのレベルの解像度の記号列バッファのデータを復号する。S5140にて、コントローラ2410に制御された記号列結合器2430は、第Lのレベルの解像度の画像データを作成する。
【0224】
S5150にて、コントローラ2410は、レベルレジスタLから1を減算する。この内容は、レベルレジスタ5052に記憶される。S5160にて、コントローラ2410は、レベルレジスタLが負であるか否かを判断する。レベルレジスタLが負であると(S5160にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S5160にてNO)、処理はS5130に戻され、次のレベルの解像度の符号化画像データについての処理が実行される。
【0225】
ここで、S5100(S5110〜S5160)の処理を確認的に記載すると、第Mレベルの解像度の符号化画像データを復号(S5110)した後、第(L+1)レベル画像データメモリに格納されている第(L+1)レベルの解像度の画像を参照しながら、記号列バッファ2440に格納されている(S5130で復号された)内容から第Lレベルの解像度画像を復号(作成)して(S5140)、第Lレベルの画像データメモリに格納するという一連の処理を、L=M−1、M−2、…、0について順次行なう。すなわち、このような復号処理を順次行い、異なるレベルの解像度の画像を参照しながら、符号化データを復号することになる。すなわち、各解像度の画像が独立して復号されるものではない。
【0226】
本実施の形態に係る画像復号装置5000においては、図34に示すように、解像度が高い方から低くなる順に、第0のレベルの画像、第1のレベルの画像、第2のレベルの画像、…、第(M−1)のレベルの画像、第Mのレベルの画像の(M+1)個の画像に基づいて、出力画像データを作成することができる。すなわち、解像度の階層を1つずつたどって再帰的に復号処理することになる。第Mレベルの画像と結合されることで第(M−1)レベル画像が復元され、復元された第(M−1)レベルの画像を用いて、第(M−2)レベルの画像が復元されるという処理を繰返して、第0レベルの画像が復元されることが示される。
【0227】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像復号装置によると、画像を階層的に分解して効率的に符号化した符号化画像データを復号処理することができる。また、解像度の低い画像に対応するデータをデータ列の先頭側に置いて、符号化画像データの先頭からの一部分を読み込むだけで、その一部分のみを復号処理して、解像度の低い画像を表示して、早く画像の概略をユーザに表示することができる。
【0228】
なお、本実施の形態に係る画像復号装置に、第3の実施の形態に係る画像復号装置のセレクタを設けて、セレクタにどこまでの解像度の画像データに復号するのかを設定しておいて、ユーザが必要とする解像度の画像データに復号するようにしてもよい。
【0229】
<第6の実施の形態>
以下、本発明の第6の実施の形態に係る画像符号化装置について説明する。第1の実施の形態に係る画像符号化装置が、画像を高解像度と低解像度の2階層の解像度に分解して符号化処理を実行するのに対して、本実施の形態に係る画像符号化装置は、符号化処理の対象を動画像として、動画像に含まれるフレーム間の相関を利用して、連続したフレームを符号化処理を実行する機能を有する。それ以外については、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。なお、以下の説明では、本実施の形態に係る画像符号化装置は、(M+1)フレームの画像データを符号化処理すると想定する。
【0230】
本実施の形態に係る画像符号化装置は、第4の実施の形態における画像符号化装置における解像度の階層を、連続したフレームに置換するものである。
【0231】
図35に、本実施の形態に係る画像符号化装置6000のブロック図を示す。図35に示すように、この画像符号化装置6000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の高解像度画像データメモリ1030および低解像度画像データメモリ1040に代えて、フレームの時系列の早い方から、第0のフレーム画像データメモリ6020、第1のフレーム画像データメモリ6030、第Mのフレーム画像データメモリ6040の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0232】
さらに、この画像符号化装置6000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の高解像度符号化画像データメモリ1060および低解像度符号化画像データメモリ1070に代えて、フレームの時系列の早い方から、第0のフレーム符号化画像データメモリ6060、第1のフレーム符号化画像データメモリ6070、第Mのフレーム符号化画像データメモリ6080の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0233】
さらに、この画像符号化装置6000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の符号化前処理器1010に代えて、画像を撮像する撮像装置6010を有する。この画像符号化装置6000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の画像符号化器1050に代えて、この画像符号化器1050とはデータメモリとの接続関係が異なる、画像符号化器6050を有する。この画像符号化装置6000は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置1000の符号化データ結合器1080に代えて、この符号化データ結合器1080とはデータメモリとの接続関係が異なる、符号化データ結合器6090を有する。
【0234】
図36を参照して、本実施の形態に係る画像符号化装置6000の画像データ符号化処理の手順について説明する。
【0235】
S6000にて、画像符号化装置6000は、撮像装置6010により撮像された第Lのフレームの画像データを、時系列順に、第Lのフレーム画像データメモリに記憶する。この処理は、Lが0からMになるまで実行される。
【0236】
S6100にて、画像符号化装置6000の画像符号化器6050は、第Lのフレーム画像データメモリに記憶された画像データを符号化して、第Lのフレーム符号化画像データメモリに記憶する。この処理は、Lが0からMになるまで実行される。このとき、連続したフレームの相関の利用は、最も簡単には、連続したフレームの、同じ物理的位置にあるピクセルを対応させることで実現できる。時間的に先行する側のフレームから参照されたピクセルの値をキーにして、時間的に後続する側のフレームから参照されたピクセルを符号化することになる。個のこと自体は、前述の第1の実施の形態に係る画像符号化装置において、低解像度画像から参照されたピクセルの値をキーにして、高解像度画像のピクセルを符号化したのと全く同様である。この対応するピクセルの定め方としては、MPEGなどの動画符号化で行なわれているように、動きベクトルを用いて、より精密に定めることも考えられる。本発明に係る画像符号化装置は、このようなものに限定されず、対応するピクセルはどのようにして求められるものであってもよい。
【0237】
S6200にて、画像符号化装置6000の符号化データ結合器6090は、各フレームの符号化画像データを結合して、結合符号化画像データメモリ1090に記憶させる。
【0238】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像符号化装置によると、動画像の符号化処理に適用して、異なるフレーム間の相関を利用して符号化することにより、フレーム間の相関を利用して、連続したフレームから構成される動画の符号化を効率的に実行することができる。
【0239】
<第7の実施の形態>
以下、本発明の第7の実施の形態に係る画像復号装置について説明する。本実施の形態に係る画像復号装置は、第6の実施の形態に係る画像符号化装置に対応する復号装置である。
【0240】
本発明の第7の実施の形態に係る画像復号装置について説明する。第2の実施の形態に係る画像復号装置が、画像を高解像度と低解像度の2階層の解像度に分解して復号処理を実行するのに対して、本実施の形態に係る画像復号装置は、復号処理の対象を動画像として、動画像に含まれるフレーム間の相関を利用して、連続したフレームを符号化処理した符号化画像データの復号処理を実行する機能を有する。それ以外については、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000と同じである。したがって、それらについてのここでの詳細な説明は繰返さない。なお、以下の説明では、本実施の形態に係る画像復号装置は、(M+1)フレームの画像データを復号処理すると想定する。
【0241】
本実施の形態に係る画像復号装置は、第5の実施の形態における画像復号装置における解像度の階層を、連続したフレームに置換するものである。
【0242】
図37に、本実施の形態に係る画像復号装置7000のブロック図を示す。図37に示すように、この画像復号装置7000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の高解像度符号化画像データメモリ2030および低解像度符号化画像データメモリ2040に代えて、フレームの時系列の早い方から、第0のフレーム符号化画像データメモリ7020、第1のフレーム符号化画像データメモリ7030、第Mのフレーム符号化画像データメモリ7040の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0243】
さらに、この画像復号装置7000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の高解像度画像データメモリ2060および低解像度画像データメモリ2070に代えて、フレームの時系列の早い方から、第0のフレーム画像データメモリ7060、第1のフレーム画像データメモリ7070、第Mのフレーム画像データメモリ7080の、(M+1)個のデータメモリを有する。
【0244】
さらに、この画像復号装置7000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の復号前処理器2020に代えて、この復号前処理器2020とはデータメモリとの接続関係が異なる、復号前処理器7010を有する。この画像復号装置7000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の画像復号器2050に代えて、この画像復号器2050とはデータメモリとの接続関係が異なる、画像復号器7050を有する。この画像復号装置7000は、前述の第2の実施の形態に係る画像復号装置2000の画像データ結合器2080および出力画像データメモリ2090に代えて、動画像を表示する表示装置7090を有する。
【0245】
図38を参照して、本実施の形態に係る画像復号装置7000の画像データ復号処理の手順について説明する。
【0246】
S7000にて、画像復号装置7000は、前述の第6の実施の形態に係る画像符号化装置6000により符号化処理された符号化画像データを、(M+1)個のフレームの符号化画像データに分離して、順次、第Lのフレーム符号化画像データメモリに記憶させる。この処理は、Lが0からMになるまで実行される。
【0247】
S7100にて、画像復号装置7000の画像復号器7050は、第Lのフレーム符号化画像データメモリに記憶された符号化画像データを復号して、第Lのフレーム画像データメモリに記憶する。この処理は、Lが0からMになるまで実行される。
【0248】
S7200にて、画像復号装置7000の表示装置7090は、(M+1)個のフレーム画像データメモリに記憶された、(M+1)個のフレームの画像データを順次時系列順に出力して表示させる。
【0249】
以上のようにして、本実施の形態に係る画像復号装置によると、異なるフレーム間の相関を利用して動画を効率的に符号化処理した符号化画像データを復号処理できる。
【0250】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装置のブロック図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装置において入力画像を高解像度画像と低解像度画像に分離する第1の例を示す図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装置において入力画像を高解像度画像と低解像度画像に分離する第2の例を示す図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態に係る画像符号化装置において高解像度画像を符号化するときのスキャンの順序を示す図である。
【図6】 第1の実施の形態に係る画像符号化装置における高解像度符号化画像データメモリに記憶されるデータのフォーマットを示す図である。
【図7】 第1の実施の形態に係る画像符号化装置における低解像度符号化画像データメモリに記憶されるデータのフォーマットを示す図である。
【図8】 第1の実施の形態に係る画像符号化装置における結合符号化画像データメモリに記憶されるデータのフォーマットを示す図である。
【図9】 第1の実施の形態に係る画像符号化装置における画像符号化器のブロック図である。
【図10】 第1の実施の形態に係る画像符号化装置における画像符号化器で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】 第1の実施の形態に係る画像符号化装置における記号列分解器のブロック図である。
【図12】 第1の実施の形態に係る画像符号化装置における記号列分解器で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】 本発明の第2の実施の形態に係る画像復号装置のブロック図である。
【図14】 第2の実施の形態に係る画像復号装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】 第2の実施の形態に係る画像復号装置における画像復号器のブロック図である。
【図16】 第2の実施の形態に係る画像復号装置における画像復号器で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】 第2の実施の形態に係る画像復号装置における記号列結合器のブロック図である。
【図18】 第2の実施の形態に係る画像復号装置における記号列結合器で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】 第2の実施の形態に係る画像復号装置において高解像度画像と低解像度画像を結合して、出力画像を作成する例を示す図である。
【図20】 本発明の第3の実施の形態に係る画像復号装置のブロック図である。
【図21】 第3の実施の形態に係る画像復号装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】 第3の実施の形態に係る画像復号装置における画像復号器のブロック図である。
【図23】 第3の実施の形態に係る画像復号装置における画像復号器で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】 本発明の第4の実施の形態に係る画像符号化装置のブロック図である。
【図25】 第4の実施の形態に係る画像符号化装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図26】 第4の実施の形態に係る画像符号化装置における符号化前処理器の動作を説明するための図である。
【図27】 第4の実施の形態に係る画像符号化装置における画像符号化器のブロック図である。
【図28】 第4の実施の形態に係る画像符号化装置における画像符号化器で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図29】 第4の実施の形態に係る画像符号化装置における結合符号化画像データメモリに記憶されるデータのフォーマットを示す図である。
【図30】 本発明の第5の実施の形態に係る画像復号装置のブロック図である。
【図31】 第5の実施の形態に係る画像復号装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図32】 第5の実施の形態に係る画像復号装置における画像復号器のブロック図である。
【図33】 第5の実施の形態に係る画像復号装置における画像復号器で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図34】 第5の実施の形態における画像データ結合器の動作を説明するための図である。
【図35】 本発明の第6の実施の形態に係る画像符号化装置のブロック図である。
【図36】 第6の実施の形態に係る画像符号化装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図37】 本発明の第7の実施の形態に係る画像符号化装置のブロック図である。
【図38】 第7の実施の形態に係る画像符号化装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図39】 本発明に関連する画像符号化装置のブロック図である。
【図40】 本発明に関連する画像符号化装置で実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図41】 本発明に関連する画像符号化装置において入力画像を高解像度画像と低解像度画像に分離する第1の例を示す図である。
【図42】 本発明に関連する画像符号化装置において高解像度画像および低解像度画像を符号化するときのスキャンの順序を示す図である。
【図43】 本発明に関連する画像符号化装置において入力画像を高解像度画像と低解像度画像に分離する第2の例を示す図である。
【図44】 本発明に関連する画像符号化装置において高解像度画像を符号化するときのスキャンの順序を示す図である。
【符号の説明】
1000 画像符号化装置、1010 入力画像データメモリ、1020 符号化前処理器、1030 高解像度画像データメモリ、1040 低解像度画像データメモリ、1050 画像符号化器、1060 高解像度符号化画像データメモリ、1070 低解像度符号化画像データメモリ、1080 符号化データ結合器、1090 結合符号化画像データメモリ、1200、1300 入力画像、1210、1310 高解像度画像、1220、1320 低解像度画像、1230、1240、1250 ピクセル、1410 コントローラ、1420記号列分解器、1422 コントローラ、1424 第1カウンタ、1426対応ピクセル番号レジスタ、1428 キーレジスタ、1430 記号列バッファ、1440 記号列カウンタ、1450 データ符号化器、2000 画像復号装置、2010 結合符号化画像データメモリ、2020 復号前処理器、2030 高解像度符号化画像データメモリ、2040 低解像度符号化画像データメモリ、2050 画像復号器、2060 高解像度画像データメモリ、2070 低解像度画像データメモリ、2080 画像データ結合器、2090 出力画像データメモリ、2410 コントローラ、2420 データ復号器、2430 記号列結合器、2432 コントローラ、2434 第1カウンタ、2436 対応ピクセル番号レジスタ、2428 キーレジスタ、2430 記号列結合器、2440 記号列バッファ、2450 記号列カウンタ、2510 高解像度画像、2520 低解像度画像、2530 出力画像、3000 画像復号装置、3010 セレクタ、4000 画像符号化装置、4010 符号化前処理器、4020 第0のレベル画像データメモリ、4030 第1のレベル画像データメモリ、4040 第Mのレベル画像データメモリ、4050 画像符号化器、4052 レベルレジスタ、4060 第0のレベル符号化画像データメモリ、4070 第1のレベル符号化画像データメモリ、4080 第Mのレベル符号化画像データメモリ、4090 符号化データ結合器、5000 画像復号装置、5010 復号前処理器、5020 第0のレベル符号化画像データメモリ、5030 第1のレベル符号化画像データメモリ、5040 第Mのレベル符号化画像データメモリ、5050 画像復号器、5052 レベルレジスタ、5060 第0のレベル画像データメモリ、5070 第1のレベル画像データメモリ、5080 第Mのレベル画像データメモリ、5090 画像データ結合器、6000 画像符号化装置、6010 撮像装置、6020 第0のフレーム画像データメモリ、6030 第1のフレーム画像データメモリ、6040 第Mのフレーム画像データメモリ、6050 画像符号化器、6060 第0のフレーム符号化画像データメモリ、6070 第1のフレーム符号化画像データメモリ、6080 第Mのフレーム符号化画像データメモリ、6090 符号化データ結合器、7000 画像復号装置、7010 復号前処理器、7020 第0のフレーム符号化画像データメモリ、7030 第1のフレーム符号化画像データメモリ、7040 第Mのフレーム符号化画像データメモリ、7050 画像復号器、7060 第0のフレーム画像データメモリ、7070 第1のフレーム画像データメモリ、7080 第Mのフレーム画像データメモリ、7090 表示装置。

Claims (22)

  1. データを符号化するデータ符号化装置であって、
    複数のデータを含む第1のデータ群と、前記第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とを記憶するための記憶手段と、
    前記第1のデータ群に含まれるデータと、前記第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けを決定するための決定手段と、
    前記決定された対応付けに基づいて、前記第1のデータ群を、複数のサブデータ群に分類するための分類手段と、
    前記分類手段により分類されたサブデータ群ごとに、前記サブデータ群に含まれるデータを辞書に基づいて符号化処理することで、前記第1のデータ群と前記第2のデータ群との相関を利用して符号化処理するための第1の符号化手段と、
    前記第2のデータ群に含まれるデータを符号化処理するための第2の符号化手段と、
    前記サブデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データと、前記第2のデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データとを結合するための結合手段とを含む、データ符号化装置。
  2. 前記決定手段は、前記第1のデータ群に含まれるデータと、前記第2のデータ群に含まれるデータとが、データの値についての予め定められた関係を有するように、前記対応付けを決定するための手段を含む、請求項1に記載のデータ符号化装置。
  3. 前記データは、画像を表わすデータであって、前記データは、前記画像を構成する複数のピクセルに対応する画素データを含み、
    前記決定手段は、前記第1のデータ群に含まれる画素データについての前記画像における位置と、前記第2のデータ群に含まれる画素データについての前記画像における位置とに基づいて、前記関係を有するように、前記対応付けを決定するための手段を含む、請求項2に記載のデータ符号化装置。
  4. 前記決定手段は、前記画像における位置を用いた関数により、前記対応付けを決定するための手段を含む、請求項3に記載のデータ符号化装置。
  5. 前記データ符号化装置は、前記画像を複数の種類の解像度の画像に分割するための分割手段をさらに含み、
    前記第1のデータ群は、高い解像度の画像についてのデータを含み、
    前記第2のデータ群は、低い解像度の画像についてのデータを含む、請求項3または4に記載のデータ符号化装置。
  6. 前記データは、動画像を表わすデータであって、
    前記データ符号化装置は、前記動画像を、時系列に従って複数のフレームの画像に分割するための分割手段をさらに含み、
    前記決定手段は、前記第1のデータ群に含まれる特定のフレームの画像についてのデータと、前記第2のデータ群に含まれる前記特定のフレームよりも早い時間の画像についてのデータとに基づいて、前記関係を有するように、前記対応付けを決定するための手段を含む、請求項2に記載のデータ符号化装置。
  7. 前記分類手段は、前記第1のデータ群を、互いに関係が強いデータから構成されるサブデータ群に分類するための手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のデータ符号化装置。
  8. 前記分類手段は、前記第1のデータ群を、互いのデータの値が近似するデータから構成されるサブデータ群に分類するための手段を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のデータ符号化装置。
  9. 前記第1の符号化手段で実行される符号化処理の種類と、前記第2の符号化手段で実行される符号化処理の種類とは同じ処理である、請求項1〜8のいずれかに記載のデータ符号化装置。
  10. 符号化データを復号するデータ復号装置であって、
    結合された、第1の符号化データ群と第2の符号化データ群とを記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたデータ群を、前記第1の符号化データ群と前記第2の符号化データ群とに分割するための分割手段と、
    前記第1の符号化データ群に含まれる符号化データを辞書に基づいて復号処理してサブデータ群を作成するための第1の復号手段と、
    前記第2の符号化データ群に含まれる符号化データを復号処理して第2のデータ群を作成するための第2の復号手段とを含み、
    前記データ復号装置により復号される元データは、複数のデータを含む第1のデータ群と、前記第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とから構成され、前記第1のデータ群と前記第2のデータ群との相関を利用して符号化され、前記サブデータ群は、前記第1のデータ群に含まれるデータと前記第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けに基づいて第1のデータ群が分類されたデータ群であり、前記サブデータ群ごとに第1の符号化データ群に符号化処理され、
    前記データ復号装置は、さらに、前記サブデータ群と前記第2のデータ群とに基づいて、前記対応付けに従って、前記第1のデータ群を作成するための作成手段を含む、データ復号装置。
  11. 前記作成手段は、前記第1のデータ群に含まれるデータと、前記第2のデータ群に含まれるデータとが、データの値についての予め定められた関係を有するように、前記第1のデータ群を作成するための手段を含む、請求項10に記載のデータ復号装置。
  12. 前記元データは、画像を表わすデータであって、前記元データは、前記画像を構成する複数のピクセルに対応する画素データを含み、
    前記作成手段は、前記第1のデータ群に含まれる画素データについての前記画像における位置と、前記第2のデータ群に含まれる画素データについての前記画像における位置とに基づいて、前記関係を有するように、前記第1のデータ群を作成するための手段を含む、請求項11に記載のデータ復号装置。
  13. 前記作成手段は、前記画像における位置を用いた関数により、前記第1のデータ群を作成するための手段を含む、請求項12に記載のデータ復号装置。
  14. 前記元データは、前記画像を複数の解像度で表わすデータを含み、
    前記データ復号装置は、前記解像度を指定するための指定手段をさらに含む、請求項12に記載のデータ復号装置。
  15. 前記データは、動画像を表わすデータであって、
    前記作成手段は、前記第1のデータ群に含まれる特定のフレームの画像についてのデータと、前記第2のデータ群に含まれる前記特定のフレームよりも早い時間の画像についてのデータとに基づいて、前記第1のデータ群を作成するための手段を含む、請求項11に記載のデータ復号装置。
  16. 前記第1の復号手段で実行される復号処理の種類と、前記第2の復号手段で実行される復号処理の種類とは同じ処理である、請求項10〜15のいずれかに記載のデータ復号装置。
  17. データを符号化するデータ符号化方法であって、
    複数のデータを含む第1のデータ群と、前記第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とを予め準備する準備ステップと、
    前記第1のデータ群に含まれるデータと、前記第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けを決定する決定ステップと、
    前記決定された対応付けに基づいて、前記第1のデータ群を、複数のサブデータ群に分類する分類ステップと、
    前記分類ステップにて分類されたサブデータ群ごとに、前記サブデータ群に含まれるデータを辞書に基づいて符号化処理することで、前記第1のデータ群と前記第2のデータ群との相関を利用して符号化処理する第1の符号化ステップと、
    前記第2のデータ群に含まれるデータを符号化処理する第2の符号化ステップと、
    前記サブデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データと、前記第2のデータ群に含まれるデータが符号化された符号化データとを結合する結合ステップとを含む、データ符号化方法。
  18. 符号化データを復号するデータ復号方法であって、
    結合された、第1の符号化データ群と第2の符号化データ群とを予め準備する準備ステップと、
    前記準備ステップにて準備されたデータ群を、前記第1の符号化データ群と前記第2の符号化データ群とに分割する分割ステップと、
    前記第1の符号化データ群に含まれる符号化データを辞書に基づいて復号処理してサブデータ群を作成する第1の復号ステップと、
    前記第2の符号化データ群に含まれる符号化データを復号処理して第2のデータ群を作成する第2の復号ステップとを含み、
    前記データ復号方法により復号される元データは、複数のデータを含む第1のデータ群と、前記第1のデータ群に含まれない複数のデータで構成される第2のデータ群とから構成され、前記第1のデータ群と前記第2のデータ群との相関を利用して符号化され、前記サブデータ群は、前記第1のデータ群に含まれるデータと前記第2のデータ群に含まれるデータとの対応付けに基づいて第1のデータ群が分類されたデータ群であり、前記サブデータ群ごとに第1の符号化データ群に符号化処理され、
    前記データ復号方法は、さらに、前記サブデータ群と前記第2のデータ群とに基づいて、前記対応付けに従って、前記第1のデータ群を作成する作成ステップを含む、データ復号方法。
  19. 請求項17に記載のデータ符号化方法および請求項18に記載のデータ復号方法の少なくともいずれかを、コンピュータに実現させるためのプログラム。
  20. 請求項19に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
  21. データを符号化するデータ符号化装置であって、
    予め順序付けられた複数のデータ群を記憶するための記憶手段と、
    前記順序付けられた複数のデータ群の、一つのデータ群に含まれるそれぞれのデータから次順のデータ群に含まれるデータへの対応関係を決定するための決定手段と、
    前記一つのデータ群を、前記対応関係に基づいて、前記次順のデータ群の対応するデータに基づいてサブデータ群に分類するための分類手段と、
    前記分類手段に基づいて分類された前記サブデータ群のそれぞれについて辞書に基づいて符号化処理することで、前記複数のデータ群の相関を利用して符号化処理するための第1の符号化手段と、
    前記順序付けられた複数のデータ群の中の最後順のデータ群を符号化処理するための第2の符号化手段とを含む、データ符号化装置。
  22. 符号化データを復号するデータ復号装置であって、
    結合された符号化データ群を記憶するための記憶手段と、
    前記結合された符号化データ群を、複数の順序付けられた符号化データ群に分割するための分割手段と、
    前記複数の順序付けられた符号化データのうち最後順の符号化データ群を復号処理するための第1の復号手段と、
    前記最後順の符号化データ群以外の前記順序付けられた符号化データ群を辞書に基づいて復号処理して、サブデータ群を生成するための第2の復号手段と、
    前記複数の順序付けられた符号化データに含まれる一つのデータ群に含まれるそれぞれのデータから次順のデータ群に含まれるデータへの対応関係を決定するための決定手段と、
    前記サブデータ群を、前記対応関係に基づいて、前記次順のデータ群の対応するデータに基づいて、当該データ群に統合するための統合手段とを含み、
    前記符号化データは、前記複数のデータ群の相関を利用して符号化されたデータである、データ復号装置。
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