JP4233232B2 - 冷菓製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトクリーム等の冷菓を抽出販売する冷菓製造装置に関し、特に冷菓に苺ジャムやチョコレート等の流動性のソースをトッピングするようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソフトクリーム等の冷菓を抽出販売する冷菓製造装置は、特開平7−264991号公報に示される如く、冷菓原料により冷菓を製造すると共に、前端部には冷菓が抽出される抽出路が形成されている冷却シリンダと、抽出路の出口が内壁面に形成されると共に、下端には抽出された冷菓を取り出すための冷菓取出口部が形成されている冷菓通路と、この冷菓通路内に上下移動可能に設けられ、通常抽出路の出口を塞ぐプランジャとを備えている。
【0003】
そして、冷菓抽出販売時にはプランジャを上方に移動させて抽出路の出口を開放する。この抽出路の出口が開放されると、冷菓は冷却シリンダ内に設けられた撹拌装置(ビータ)の撹拌圧力により、抽出路を通ってその出口から冷菓通路に抽出された後、冷菓取出口部から取り出されるように構成されている。
【0004】
また、前記公報ではプランジャ内に導通路を形成し、抽出したソフトクリーム等の冷菓に、導通路を介してシロップやチョコレート等のソースを降りかけることにより、所謂トッピングを施すことができるように構成されていた。
【0005】
更に近年では、このような流動性のトッピングソースを冷菓取出口部に圧送するソース圧送装置を設け、前記プランジャによる冷菓の取出動作に連動してソース圧送装置より、前記ソースが充填されたソース容器からソースを圧送する冷菓製造装置が開発されて来ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記冷菓製造装置におけるソース圧送装置は、ソース抽出モータと押出装置及びシリンダとから構成されており、このシリンダ内に装填したソース容器を、モータにて直線運動される押出装置にて押圧することにより、ソース容器からソースを押し出すものであったため、円滑に無駄なくソースを押し出すためには機械的構造が複雑となると共に、ソース容器自体の形状も限定されるなどの問題があった。
【0007】
そこで、本発明は係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、円滑且つ安全にソースを圧送でき、且つ、ソース容器を含めた全体的構成の簡素化も可能となる冷菓製造装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷菓製造装置は、冷菓を製造する冷却シリンダと、この冷却シリンダから冷菓を抽出する取出通路と、この取出通路を開閉して冷菓の取り出しを制御するプランジャと、流動性のトッピング用ソースが貯蔵されたソース容器と、このソース容器から前記取出通路の出口部にソースを圧送するソース圧送装置とを備えたものであって、 前記ソース圧送装置は、密閉容器と、この密閉容器内に圧縮空気を供給するための空気圧縮装置とを備え、密閉容器は、開口を有してソース容器を交換可能に収納する容器本体と、挿通孔を有して容器本体の開口を開閉可能に、且つ、気密的に閉塞する蓋部材と、この蓋部材の閉塞状態を保持するストッパーと、ソース容器に取り付けられ、蓋部材の挿通孔を貫通して密閉し、ソース容器内を外部と連通させるソース抽出口部材とを備え、このソース抽出口部材は、蓋部材に螺合して挿通孔を密閉すると共に、空気圧縮装置により密閉容器内の空気圧力を上昇させることにより、ソース容器に空気圧を加えてソースを圧送することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、冷菓を製造する冷却シリンダと、この冷却シリンダから冷菓を抽出する取出通路と、この取出通路を開閉して冷菓の取り出しを制御するプランジャと、流動性のトッピング用ソースが貯蔵されたソース容器と、このソース容器から前記取出通路の出口部にソースを圧送するソース圧送装置とを備えた冷菓製造装置において、前記ソース圧送装置は、空気圧縮装置と、前記ソース容器を収納する密閉容器とを備え、前記空気圧縮装置により前記密閉容器内の空気圧力を上昇させ、前記ソース容器に空気圧を加えてソースを圧送するようにしたので、空気圧縮装置により密閉容器内においてソース容器全体に空気圧を加えて内部のソースを押し出すことが可能となる。これにより、空気圧によって変形可能なソース容器であれば、その形状に限定されること無く円滑なソースの圧送とトッピングを達成することができるようになる。また、機械的押圧力を加えるものや、水などの他の流動性媒体を介してソース容器に圧力を加えるものに比べて、機械的構造を簡素化し、且つ、メンテナンス性も改善することができるので、著しいコストの削減も図ることが可能となる。
【0010】
特に、密閉容器内においてソース容器に空気圧を加えるので、ソースの押出も円滑に行えるようになる。そして、密閉容器は、開口を有してソース容器を交換可能に収納する容器本体と、挿通孔を有して容器本体の開口を開閉可能に、且つ、気密的に閉塞する蓋部材と、この蓋部材の閉塞状態を保持するストッパーと、ソース容器に取り付けられ、蓋部材の挿通孔を貫通して密閉し、ソース容器内を外部と連通させるソース抽出口部材とを備え、このソース抽出口部材は、蓋部材に螺合して挿通孔を密閉するようにしたので、ソース容器は蓋部材に着脱可能に取り付けられ、これにより、ソースが終了した際の取り外し、取り付けが極めて容易となるものである。
【0011】
請求項2の発明の冷菓製造装置は、上記において前記ソース圧送装置は、単一の前記空気圧縮装置により前記複数の密閉容器内の空気圧力を上昇させることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、上記に加えて前記ソース圧送装置は、単一の前記空気圧縮装置により複数の前記密閉容器内の空気圧力を上昇させるようにしたので、単一の空気圧縮装置により複数種類のソースを冷菓にトッピングすることができるようになり、更なるコストの削減を図ることが可能となるものである。
【0013】
請求項3の発明の冷菓製造装置は、上記において前記ソース圧送装置は、前記各密閉容器内の空気圧力をそれぞれ独立して制御可能な弁装置を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明によれば、上記に加えて前記ソース圧送装置は、前記各密閉容器内の空気圧力をそれぞれ独立して制御可能な弁装置を備えているので、単一の空気圧縮装置を用いて複数種類のソースの供給を独立して制御することが可能となり、更なる冷菓販売効果の向上を図ることが可能となるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の実施形態としての冷菓製造装置1の縦断斜視図、図2は冷菓製造装置1のフリーザドア3部分の縦断正面図及びソース圧送装置2の構造説明図、図3はフリーザドア3部分の縦断正面図を示している。
【0016】
図1において実施例の冷菓製造装置1は、ソフトクリームを製造して例えばコーン製のカップに抽出し、螺旋状の冷菓の流れを盛り上げて生成し、販売するものであり、液状のソフトクリームミックスが貯留されるホッパー6には、周囲にホッパー冷却用の冷却パイプP1が巻回されている。8は前記液状のソフトクリームミックスをビータ(撹拌装置)7によって撹拌しながら冷却することにより、半硬化状態の冷菓(ソフトクリーム)を製造する冷却シリンダであり、その周囲にはシリンダ冷却用の冷却パイプP2を配している。
【0017】
ここで、ホッパー6を冷却する冷却パイプP1および冷却シリンダ8を冷却する冷却パイプP2は圧縮機5を備えた周知の冷却装置Rにより冷却されるものとする。3は上記冷却シリンダ8前方の冷菓製造装置1の前面に取り付けられたフリーザドアであり、22はこのフリーザドア3の上側の前面に取り付けられた操作パネルである。
【0018】
前記フリーザドア3内には上下に取出通路11A、11B、11C、11Dが左右に合計四カ所形成されている。各取出通路11A〜11D内にはそれぞれプランジャ12A、12B、12C、12Dが上下移動可能に挿入されており、各プランジャ12A〜12Dは前面のレバー13A、13B(図1。プランジャ12C、12Dについては図示せず)にて上下動される。
【0019】
一方、冷却シリンダ8の前端部下側には抽出路14が形成されており、この抽出路14は四方向に分岐し、各分岐の出口は前記取出通路11A〜11Dの内壁面にそれぞれ形成されている。
【0020】
また、フリーザドア3の取出通路11A〜11Dの下端部には取出ノズル4A、4Bが下側から取り付けられており、フリーザドア3側方の冷菓製造装置1の側面には本発明を適用したソース圧送装置2が設置されている。そして、このソース圧送装置2と前記取出ノズル4Aとはソース通路を構成するホース16A〜16Cによって連通されている。
【0021】
次に、図2及び図3において、取出ノズル4Aは硬質樹脂若しくは金属から構成されており、この取出ノズル4Aには三個の星形アダプタ19・・がそれぞれ嵌合する嵌合孔21・・が左右に並んで三カ所形成されている。また、取出ノズル4Aには、各嵌合孔21・・の周囲をそれぞれ囲繞する環状通路23と、各環状通路23・・から左側にそれぞれ延在する導入通路24(何れもソース通路の一部を構成する)と、各導入通路24・・の環状通路23側にそれぞれ形成された断面円形の凹所26・・とが形成されており、各導入通路24・・の端部が接続口27とされ、各接続口27・・には前記ホース16A〜16Cが接続される(図2)。
【0022】
この場合、取出ノズル4Aの向かって左側の環状通路23の導入通路24は左方向に延在し、接続口27は左側に突出している。尚、中央の環状通路23及び右側の環状通路23の導入通路24、24はそれぞれの左側(図3)に一旦延在した後、後方に屈曲しており、それらの接続口27、27は後側に突出しているものとする。また、取出ノズル4Aには、各嵌合孔21・・の左側であって前記各凹所26・・の上方に対応する位置から起立する保持筒部28・・が形成されている。
【0023】
一方、星形アダプタ19は円筒状の部材であり、中央部に星形の透孔31が上下に貫通形成されている。また、透孔31周囲の上面は透孔31の中心に向けて低く傾斜している。更に、対向する側壁には透孔31と外面とを連通する出口32、32がそれぞれ形成されおり、取出ノズル4Aの嵌合孔21に嵌め込まれた状態で、両出口32、32は環状通路23に連通する。
【0024】
このような構造の取出ノズル4Aはフリーザドア3の取出通路11A〜11Cの下端に対応させて取り付けられる。プランジャ12Aの下端は下側の星形アダプタ19の上面形状に合致するように中心の先端が尖った円錐状を呈しており、プランジャ12Aは常には降下していて該星形アダプタ19の透孔31にその下端を密着させ、これを閉じると共にその側面により前記抽出路14の出口を閉じている。そして、レバー13Aの操作によりプランジャ12Aが上方に移動されると、その下端は透孔31から離間すると共に、抽出路14の出口を開放する。
【0025】
また、取出ノズル4Aがフリーザドア3に取り付けられた状態で、各保持筒部28・・は取出通路11A、11B、11Cの左側にて起立し、フリーザドア3内に形成された保持孔35・・の下端に連続する。そして、各保持孔35・・と保持筒部28・・内には上からソース弁36・・がそれぞれ挿入される。各ソース弁36は例えば断面円形の金属棒状体であり、保持孔35と保持筒部28に上下移動可能に保持されると共に、下端部はその下側に対応する凹所26内にそれぞれ略キッチリと収納される寸法とされている。
【0026】
係る構造により、各ソース弁36・・が降下した状態ではその下端が各凹所26・・内にそれぞれ進入して各導入通路24・・を閉じる。そして、ソース弁36・・が上方に移動すると、各導入通路24・・がそれぞれ開放される。
【0027】
各ソース弁36・・の上端には水平面上で回動自在の連結アーム38がそれぞれ取り付けられており、前記各プランジャ12A、12B、12Cの上部にはこの連結アーム38が係脱自在に係合される係合溝39がそれぞれ形成されている。
【0028】
一方、取出ノズル4Bも硬質樹脂若しくは金属から構成されており、この取出ノズル4Bには星形の透孔18が上下に貫通形成されている。係る取出ノズル4Bはフリーザドア3の取出通路11Dの下端に対応させて取り付けられる。プランジャ12Dの下端は下側の取出ノズル4Bの上面形状に合致するように中心の先端が尖った円錐状を呈しており、プランジャ12Dは常には降下していて取出ノズル4Bの透孔18にその下端を密着させ、これを閉じると共にその側面により前記抽出路14の出口を閉じている。そして、レバーの操作によりプランジャ12Dが上方に移動されると、その下端は透孔18から離間すると共に、抽出路14の出口を開放する。
【0029】
また、42A、42B、42C、42Dはソフトクリーム抽出スイッチ44A〜44Dと後述するソース1取出しスイッチ46A、ソース2取出しスイッチ46B、ソース3取出しスイッチ46Cを動作させるためのアームであり、冷菓製造装置1の前面に設けられ、それぞれプランジャ12A、12B、12C、12Dの上面に当接されている。尚、アーム42Dはソース抽出スイッチとは無関係である。
【0030】
一方、前記ソース圧送装置2は、図2に示す如く三個の密閉容器53A、53B、53Cと、各密閉容器53A〜53Cに圧縮空気を供給するための空気圧縮装置としてのエアーポンプ51などから構成されている。そして、各密閉容器53A〜53C内にソース容器54がそれぞれ装填される。
【0031】
図4は密閉容器53Aの平面図、図5は正面図、図6は縦断側面図を示す。尚、密閉容器53B、53Cも同様の構造であるので説明を省略する。密閉容器53Aは前端が開口する厚肉鋼板製の略円筒状の容器本体56と、この容器本体56内に着脱自在に略キッチリと挿入されて該開口を開閉可能に閉塞する円柱状の樹脂製蓋部材57と、断面略コ字状に屈曲された厚肉鋼板製のストッパー58と、全体としては略管状の金属製ソース抽出口部材59などから構成されている。
【0032】
密閉容器53Aの開口部の上下には保持具61、62が対向して取り付けられており、各保持具61、62は密閉容器53Aの開口より前方に突出している。また、保持具61、62の先端は内側に屈曲されて屈曲部61A、62Aとされており、更に保持具61の左側面は開放し、右側面には当接部61Bが形成されると共に、保持具62の右側面は開放し、左側面には当接部62Bが形成されている。
【0033】
また、上側の保持具61の内側には密閉容器53Aの開口縁に位置して付勢部材としての板バネ63が取り付けられている。更に、密閉容器53Aの開口縁向かって右側には台座64によってソース1蓋スイッチ66Aが取り付けられている。そして、ソース1蓋スイッチ66Aのアーム65は保持具61の当接部61B下方に突出している。尚、密閉容器53Bの場合はソース2蓋スイッチ66Bが、また、密閉容器53Cの場合はソース3蓋スイッチ66Cが取り付けられる。
【0034】
更に、密閉容器53Aの後面には給気管67とリリーフバルブ68が密閉容器53A内に連通して取り付けられている。このリリーフバルブ68は、後述する制御装置Cやエアーコンプレッサ51、各給気弁88A〜88C、各排気弁92A〜92Cや圧力センサ93A〜93Cなどの故障により、密閉容器53A内の空気圧力が所定の異常高圧力となった際に、予め定められた圧力(異常高圧力)で自ら開放して密閉容器53Aの内外を連通するものであり、前記異常高圧力より低い圧力下では常には閉じている。
【0035】
また、ストッパー58の中央には円形の透孔71が穿設されていると共に、右側面の上部には右方向に突出する突起72が設けられている。
【0036】
前記蓋部材57の周側面にはOリング73が取り付けられており、このOリング73によって密閉容器53A内面との間を気密的にシールする。この蓋部材57の中央部には挿通孔74が貫通形成されている。この挿通孔74は蓋部材57の外面側となる前半部分が狭く、内面側となる後半部分が拡開された形状を呈しており、幅狭部分と拡開部分との間に当接面76が形成され、拡開部分の内面にはネジ溝77が形成されている。
【0037】
前記ソース抽出口部材59は、前半分の直管状の直管部81と後半分の拡開された拡開部82とから成り、両端が開放していると共に、拡開部82は後方に向けて徐々に先細りとされ、後端側の側面には複数の連通孔83・・が形成されている。
【0038】
他方、前記ソース容器54は変形可能な例えば薄い合成樹脂製の容器であり、密閉容器53Aの内周面に収まる寸法の円柱状の本体内にソースが貯蔵されている。また、本体部分よりも細い寸法の厚肉の首部54Aの先端には取出口54Bが形成されており、この首部54Aの周囲にはネジ部54Cが形成されている。
【0039】
ここで、ソース容器54内に貯蔵されるソースとしては、苺ジャムなどのように、ソフトクリームミックスが実質的に非含有であって、冷却されて半硬化状態となったソフトクリームミックスと同程度の流動性を呈する流動性材料が用いられる。また、使用するソフトクリームミックスは、ソフトクリームミックスパウダー(しょ糖40%〜45%、乳固形分約50%)に約2倍量の水を添加したものである。
【0040】
ソース容器54を密閉容器53A(密閉容器53B、53Cも同様)内に収納する際には、先ず、蓋部材57の挿通孔74の拡開部分にソース抽出口部材59の直管部81を差し込み、拡開部82が当接面76に当接するまで挿入する。この状態でソース抽出口部材59の直管部81は蓋部材57の外面側に突出すると共に、拡開部82は蓋部材57の挿通孔74を気密的に密閉する。
【0041】
次に、ソース容器54の首部54A内にソース抽出口部材59を挿入すると共に、ネジ部54Cを蓋部材57のネジ溝77に螺合させることにより、蓋部材57及びソース抽出口部材59にソース容器54を取り付ける。このとき、ソース抽出口部材59の拡開部82の先端(後端)は首部54Aよりもソース容器54の内方に突出し、連通孔83も首部54Aよりもソース容器54の内方に位置する(図6)。また、拡開部82はソース容器54の首部54A内面に密着すると共に、首部54Aの外面(ネジ部54C)を蓋部材57のネジ溝77側に押圧してソース容器54の取出口54B周囲をシールする。これによって、ソース容器54の取出口54Bは気密的にソース抽出口部材59に連通し、ソース容器54内はソース抽出口部材59のみを介して外部と連通するかたちとなる。係るネジ部54Cとネジ溝77との螺合によってソース容器54は蓋部材57に取り付けられ、且つ、ソース抽出口部材59によって押し付けられてシールされるので、ソース容器54の取り付け(取り外しも同様)は極めて容易となる。
【0042】
このように、蓋部材57とソース抽出口部材59及びソース容器54を一体化した後、ソース容器54を密閉容器53A内に挿入すると共に、密閉容器53Aの開口を蓋部材57で閉塞する。次に、蓋部材57の中央から密閉容器57が開口する方向に突出しているソース抽出口部材59の直管部81をストッパー58の透孔71に回動自在に挿通係合させる。そして、ストッパー58を正面から見て時計回りに回動させ、両端部を密閉容器53Aが開口する方向に直角に交差する方向から保持具61、62の屈曲部61A、62Aの内側に入り込ませて係合させる。このような係合により、後述する如く密閉容器53A内の圧力が上昇して蓋部材57を押し出す方向に押圧力が加わってもも、ストッパー58は保持具61、62から外れなくなる。
【0043】
係る保持具61、62とストッパー58との回動による係合は、保持具61、62の当接部61B、62Bにストッパー58の両端部が当接し、それ以上回らなくなることで分かる。この状態で、ストッパー58の突起72はソース1蓋スイッチ66Aのアーム65に当接してスイッチ66Aの接点を閉じる(ON)。また、板バネ63はその付勢力によってストッパー58を保持具61の屈曲部61Aの内面に押圧するので、ストッパー58と保持具61、62との係合状態はこの時点で保持される。そして、ソース抽出口部材59の直管部81にホース16A(密閉容器53Bの場合にはホース16B、密閉容器53Cの場合にはホース16C)を着脱可能に連通接続することになる。
【0044】
尚、ソース容器54を交換する際には以上の逆の操作を行えばよい。そして、係る構造によりソース容器54は密閉容器53A内に交換可能に収納される。また、以上の如き構成により、ストッパー58、蓋部材57、ソース抽出口部材59、ホース16A(16B、16C)及びソース容器54は全て分解可能となるので、各部材の清掃や交換は極めて容易である。
【0045】
次に、ソース圧送装置2の前記エアーポンプ51と各密閉容器53A〜53Cとの間の配管経路84について説明する。エアーポンプ51の吐出配管86には逆止弁87が接続され、この逆止弁87を経た後、三方に分岐されている。このうちの分岐配管89Aはソース1給気弁(電磁弁)88Aを介して密閉容器53Aの給気管67に連通接続されると共に、分岐配管89Bはソース2給気弁(電磁弁)88Bを介して密閉容器53Bの給気管67に連通接続され、分岐配管89Cはソース3給気弁(電磁弁)88Cを介して密閉容器53Cの給気管67に連通接続されている。
【0046】
尚、前記逆止弁87はソース1給気弁88A、ソース2給気弁88B及びソース3給気弁88C方向が順方向とされている。また、分岐配管89A、89B、89Cには排気配管91A、91B、91Cがそれぞれ取り付けられ、各排気配管91A〜91Cにはソース1排気弁(電磁弁)92A、ソース2排気弁92B、ソース3排気弁92Cがそれぞれ取り付けられている。また、93A、93B、93Cは各密閉容器53A〜53C内の空気圧力をそれぞれ検出するためのソース1圧力センサ、ソース2圧力センサ、ソース3圧力センサである。
【0047】
エアーポンプ51は運転されて空気を圧縮し、吐出配管86に吐出する。ソース1給気弁88A、ソース2給気弁88B、ソース3給気弁88Cが開いている場合、エアーポンプ51から吐出された圧縮空気は逆止弁87を介して分岐配管89A〜89Cから各密閉容器53A〜53C内に供給される。係る圧縮空気の供給によって密閉容器53A〜53C内の空気圧力が上昇し、各ソース容器54に周囲から圧力を加える。これにより、ソース容器54内のソースはソース抽出口部材59からホース16A〜16Cに押し出されることになる。
【0048】
また、各給気弁88A〜88Cを開閉制御することにより、各密閉容器53A〜53Cへの圧縮空気の供給は独立して制御できる。更に、各排気弁92A〜92Cを開くと、密閉容器53A〜53C内の空気を排気配管91A〜91Cによってそれぞれ外部に排出できる構成とされている。
【0049】
次に、図7は前記操作パネル22の正面図を示している。操作パネル22は、ソース圧送装置2の動作状態を表示すると共に、ソース圧送装置2の各密閉容器53A〜53C内のソース容器54・・から抽出するソースの量を設定するためのパネルであり、この操作パネル22には、設定スイッチ94と、密閉容器53Aに対応するソース1スイッチ96と、密閉容器53Bに対応するソース2スイッチ97と、密閉容器53Cに対応するソース3スイッチ98と、ソース量調整スイッチ99の各操作スイッチが設けられている。
【0050】
また、ソース1スイッチ96の上側には表示器としてのソース1LED101が、ソース2スイッチ97の上側には表示器としてのソース2LED102が、また、ソース3スイッチ98の上側には表示器としてのソース3LED103がそれぞれ対応して設けられている。各LED101、102、103は赤色点灯する赤色チップと緑色点灯する緑色チップから成る多色発光LEDであり、何れも赤色、緑色の点灯状態に加えて、双方のチップが点灯して成る橙色の点灯状態が可能とされている。
【0051】
更に、104は点検表示器であり、同様のLED若しくは赤色点灯のLEDから構成されている。106はソース量設定表示器であり、例えば緑色点灯のLED5個を並設して構成されている。
【0052】
次に、図8は冷菓製造装置1の制御装置Cのブロック図を示している。尚、制御装置Cは冷菓製造装置1全体の冷菓製造及び抽出に関する制御も司るが、ここではソース圧送装置2の制御に関する部分のみを示す。制御装置Cはマイクロコンピュータ107から構成されており、このマイクロコンピュータ107の入力には前記操作パネル22と、各圧力センサ93A〜93C、各蓋スイッチ66A〜66C及び各取出しスイッチ46A〜46Cが接続されている。また、マイクロコンピュータ107の出力には、エアーコンプレッサONリレー51CR、エアーコンプレッサ水抜きリレー51LR、ソース1給気弁リレー88AR、ソース1排気弁リレー92AR、ソース2給気弁リレー88BR、ソース2排気弁リレー92BR、ソース3給気弁リレー88CR、ソース3排気弁リレー92CRが接続されている。
【0053】
マイクロコンピュータ107は操作パネル22の各操作スイッチと各圧力センサ93A〜93C、各蓋スイッチ66A〜66C及び各取出しスイッチ46A〜46Cの出力に基づいてエアーコンプレッサONリレー51CR、エアーコンプレッサ水抜きリレー51LR、ソース1給気弁リレー88AR、ソース1排気弁リレー92AR、ソース2給気弁リレー88BR、ソース2排気弁リレー92BR、ソース3給気弁リレー88CR、ソース3排気弁リレー92CRの通電をON−OFF制御し、また、操作パネル22の各LEDの点灯を制御する。
【0054】
この場合、エアーコンプレッサONリレー51CRがON−OFFされるとエアーコンプレッサ51が運転−停止される。また、エアーコンプレッサ水抜きリレー51LRがON−OFFされると、エアーコンプレッサ51の水抜き装置がON−OFFされる。また、ソース1給気弁リレー88ARがON−OFFされるとソース1給気弁88Aが開−閉され、ソース1排気弁リレー92ARがON−OFFされるとソース1排気弁92Aが開−閉される。また、ソース2給気弁リレー88BRがON−OFFされるとソース2給気弁88Bが開−閉され、ソース2排気弁リレー92BRがON−OFFされるとソース2排気弁92Bが開−閉される。更に、ソース3給気弁リレー88CRがON−OFFされるとソース3給気弁88Cが開−閉され、ソース3排気弁リレー92CRがON−OFFされるとソース3排気弁92Cが開−閉される。
【0055】
以上の構成で、本発明の冷菓製造装置1の動作を説明する。ホッパー6には液状ソフトクリームミックスを収納する。そして、前述の如くこの液状のソフトクリームミックスを冷却シリンダ8に導入し、ビータ7にて撹拌しつつ冷却することにより、半硬化状態のソフトクリームを生成する。そして、今ソースをトッピングしないソフトクリームを抽出する場合には、最も右側のレバーを引き下げてプランジャ12Dを上方に移動させると、前述の如く取出ノズル4Bの透孔18からプランジャ12Dが離間すると共に、抽出路14の最も右側の出口も開放する。また、プランジャ12Dの上昇によってアーム42Dを介し、ソフトクリーム抽出スイッチ44DがONとされるので、前記制御装置Cはビータモータ9を駆動してビータ7を回転させる。
【0056】
これにより、冷却シリンダ8内の半硬化状態のソフトクリームは前方に押し出され、抽出路14から取出通路11Dに入り、取出ノズル4Bの透孔18を経て抽出される。このようにしてソースの圧送によるトッピングされることのないソフトクリーム(冷菓)が、最も右側に位置する取出通路11Dを経て取出ノズル4Bから抽出されるようになる。
【0057】
次に、図9の制御シーケンス図を参照しながら冷菓製造装置1のソース圧送装置2の動作を説明する。尚、以下の説明では密閉容器53Aからソースを抽出する場合について説明するが、他の密閉容器53B、53Cについても同様であるものとする。
【0058】
(1)通常運転(準備)
前述の如く密閉容器53A内にソース容器54が収納され、蓋部材57が閉じられているものとすると、ソース1蓋スイッチ66AはON状態となっている。この状態で操作パネル22のソース1スイッチ96を押す(ON)と、制御装置CはエアーコンプレッサONリレー51CRとソース1給気弁リレー88ARをONし、エアーコンプレッサ51を運転すると共にソース1給気弁88Aを開く。尚、常にはソース1排気弁リレー92ARはOFFされており、ソース1排気弁92Aは閉じられているものとする。また、プランジャ12Aに対応するソース弁36も降下して導入通路24を閉じている。
【0059】
これにより、エアーコンプレッサ51から吐出された圧縮空気が、吐出配管86、逆止弁87、ソース1給気弁88A、分岐配管89A、給気管67を経て密閉容器53A内に供給され、密閉容器53A内の空気圧力(図9ではソース1圧力(Mpa)で示す)は上昇していく。このとき、制御装置Cは操作パネル22のソース1LED101の赤色と緑色のチップを点滅させ、橙色で点滅させることにより、密閉容器53A内のソース容器54(ソース1)の抽出準備中であることを使用者に表示する。
【0060】
そして、密閉容器53A内の圧力が設定値である例えば0.2Mpaまで上昇すると、制御装置Cはソース1圧力センサ93Aの出力に基づいて密閉容器53A内の空気圧力が設定値まで上昇したものと判断し、エアーコンプレッサONリレー51CRとソース1給気弁リレー88ARをOFFし、エアーコンプレッサ51を停止すると共にソース1給気弁88Aを閉じる。この時点で密閉容器53Aのソース容器54からのソースの抽出準備は完了し、制御装置Cはソース1LED101を橙色の連続点灯に切り換えてソース抽出可能状態となったことを使用者に表示する。
【0061】
尚、以下のソース抽出動作によってソース容器54の容積が減ると密閉容器53A内の空気圧力は低下する(図9参照)。そして、密閉容器53A内の空気圧力が前記設定値(0.2Mpa)よりも低い下限値である0.18Mpa(ヒステリシス0.02Mpa)まで低下した場合には、制御装置Cはソース1圧力センサ93Aの出力に基づいて再びエアーコンプレッサONリレー51CRとソース1給気弁リレー88ARをONし、エアーコンプレッサ51を運転すると共にソース1給気弁88Aを開く。そして、前記設定値まで密閉容器53A内の空気圧力が上昇したらエアーコンプレッサONリレー51CRとソース1給気弁リレー88ARをOFFし、エアーコンプレッサ51を停止すると共にソース1給気弁88Aを閉じる。これによって、制御装置Cは密閉容器53A内の空気圧力を常時設定値である0.2Mpaから0.18Mpaの範囲の(略)一定値に維持し、ソース容器54に加える空気圧を設定値に制御している。
【0062】
(2)通常運転(抽出)
そして、最も左側のレバー13Aを引き下げてプランジャ12Aを上方に移動させると、前述の如く星形アダプタ19の透孔31からプランジャ12Aが離間すると共に、抽出路14の最も左側の出口も開放する。また、プランジャ12Aの上昇によってアーム42Aを介し、ソフトクリーム抽出スイッチ44A及びソース1取出しスイッチ46AがONとされるので、前記制御装置Cはビータモータ9を駆動してビータ7を回転させる。
【0063】
これにより、冷却シリンダ8内の半硬化状態のソフトクリームは前方に押し出され、抽出路14から取出通路11Aに入り、取出ノズル4Aの最も左側の星形アダプタ19の透孔31を経て抽出される。
【0064】
一方、最も左側のソース弁36の連結アーム38がプランジャ12Aの係合溝39に係合していることにより、当該ソース弁36はプランジャ12Aの上昇に伴って上昇する。ソース弁36が上昇すると、前述の如く導入通路24を開放するので、ホース16A及びソース抽出口部材59を介して密閉容器53A内のソース容器54と取出ノズル4Aの最も左側の導入通路24は連通される。
【0065】
これによって、密閉容器53A内に収納されたソース容器54は密閉容器53A内の空気圧力によって押圧され、ソース抽出口部材59の後端の開口及び側面の連通孔83・・からソース抽出口部材59内に押し出され、ホース16Aを通って取出ノズル4A内に入る。取出ノズル4A内に入ったソースは最も左側の導入通路24から環状通路23に至り、そこで左右に分流された後、出口32、32から吐出される。
【0066】
これにより、取出通路11Aから星形アダプタ19の透孔31を経て抽出されるソフトクリームの流れに沿ってその周縁部にソースが連続的に添加されることになるので、抽出されたソフトクリームの表面には独特のソース模様が形成され、購買意欲の増進が図られると共に、顧客は食べ始め当初から食べ終わるまで苺ジャム独自の風味を味わうことが可能となる。
【0067】
そして、抽出を終了する場合には、レバー13Aを押し上げてプランジャ12Aを引き下げる。これによって、プランジャ12Aは抽出路14の最も左側の出口を閉じると共に、星形アダプタ19の透孔31に密着するので、ソフトクリームの抽出は停止される。また、アーム42Aを介してソフトクリーム抽出スイッチ44A及びソース1取出しスイッチ46AもOFFされるので、制御装置Cはビータモータ9を停止させる。また、ソース弁36もプランジャ12Aの降下に伴って引き下げられるので、取出ノズル4A内の最も左側の導入通路24は閉じられ、これによって、ソースの添加も停止される。また、ソース弁36が導入通路24を閉じることにより、出口32からのソースの漏洩も阻止される。
【0068】
(3)通常運転(ソース量調整)
尚、各密閉容器53A〜53Cから抽出されるソース量(1回のソフトクリームの抽出時に抽出されるソースの量、或いは、一定時間当たりのソース抽出量)を調整する場合には、操作パネル22の設定スイッチ94を押す。制御装置Cは設定スイッチ94が押されると、最初にソース1LED101を緑色点灯させることにより、ソース量調整中であることを表示すると共に(ソース2LED102及びソース3LED103は消灯)、ソース量設定表示器106により密閉容器53A内のソース容器54のソース(ソース1)に対応した現在の設定値をLEDの点灯数で表示する。
【0069】
例えば前記設定値0.2Mpaの密閉容器53A内の空気圧力の場合のソース量が標準値であるものとすると、この標準値は例えばソース量設定表示器106のLEDが左から3個点灯されることで表示される。そして、例えばソース量を増やしたい場合には、ソース量調整スイッチ99の右側矢印ボタンを押すとLEDの点灯が1個増える。そして、密閉容器53A内の空気圧力の設定値は1ステップ(例えば0.04Mpaなどの所定圧力)上昇される。これにより、ソース容器54に加わる空気圧が高くなるので、押圧力が強くなって抽出量は増える。逆に、ソース量を減らしたい場合には、ソース量調整スイッチ99の左側矢印ボタンを押すとLEDの点灯が1個減る。そして、密閉容器53A内の空気圧力の設定値は1ステップ降下される。これにより、ソース容器54に加わる空気圧が低くなるので、押圧力も弱くなって抽出量は減ることになる(前記ヒステリシスは同じ)。このようにして、密閉容器53A内の空気圧力の設定値は一定の範囲の任意の値に設定可能とされている。
【0070】
尚、前記設定スイッチ94を2回押せば制御装置Cはソース2LED102を緑色点灯させ(ソース1LED101及びソース3LED103は消灯)、ソース量設定表示器106により密閉容器53B内のソース容器54のソース(ソース2)に対応した現在の設定値をLEDの点灯数で表示する。そして、同様にソース量調整スイッチ99によるソース量の調整を可能とする。また、設定スイッチ94が3回押されたら制御装置Cはソース3LED103を緑色点灯させ(ソース1LED101及びソース2LED102は消灯)、ソース量設定表示器106により密閉容器53C内のソース容器54のソース(ソース3)に対応した現在の設定値をLEDの点灯数で表示する。そして、同様にソース量調整スイッチ99によるソース量の調整を可能とするものである。
【0071】
(4)通常運転(蓋開)
ここで、このような通常運転中に例えば密閉容器53Aのストッパー58が反時計回りに回動された場合、即ち、密閉容器53Aの蓋部材57が開放されようとした場合、ストッパー58の突起72がソース1蓋スイッチ66Aのアーム65から離間してスイッチ66Aの接点が開放(OFF)される。制御装置Cはソース1蓋スイッチ66AがOFFした場合、ソース1排気弁リレー92ARをONしてソース1排気弁92Aを開放する。また、ソース1LED101を赤色で点滅させてソース1排気弁92Aの開放を使用者に報知すると共に、エアーコンプレッサ51の運転とソース1給気弁88Aの開放は禁止する。
【0072】
これにより、密閉容器53A内は排気配管91A及びソース1排気弁92Aを介して外部と連通されるので、密閉容器53A内の圧縮空気は抜かれて空気圧力は迅速に大気圧まで降下する。従って、ストッパー58が外された場合に密閉容器53A内の空気圧力によって蓋部材57が飛び出してしまう不都合が解消される。尚、ストッパー58が再び時計回りに回動されてストッパー1蓋スイッチ66AがONされれば、制御装置Cは再び前述の抽出準備動作を開始して密閉容器53A内の空気圧力を設定値まで上昇させるものである。
【0073】
(5)通常運転(売切れ)
このようなソフトクリーム(冷菓)の取出に伴うソースの抽出により、ソース容器54内のソースは徐々に減少していく。そして、ソース容器54内のソースが無くなるとソース容器54の容積はそれ以上減少しなくなるので、プランジャ12Aが引き下げられてソース弁36が上昇し、且つ、ソース1取出しスイッチ46AがONされても密閉容器53A内の空気圧力は減少しなくなる(変化しなくなる)。
【0074】
制御装置Cはソース1圧力センサ93Aの出力に基づき、ソース1取出しスイッチ46AがONした後、一定期間密閉容器53A内の空気圧力に変化がない場合には、或いは、所定時間当たりの圧力変化量が一定の値(しきい値)よりも小さい場合、密閉容器53Aのソース容器54内のソース(ソース1)が終了、即ち、売切れとなったものと判断する。
【0075】
制御装置Cは係る売切れの判断を行った場合、ソース1排気弁リレー92ARをONしてソース1排気弁92Aを開き、前述同様に密閉容器53A内の空気を排出して圧力を大気圧とする。そして、ソース1LED101を赤色で点滅させることにより、ソース終了を使用者に報知する。このように、密閉容器53A内の圧力変化に応じてソースの終了を判断するので、売切れ検知のために格別なセンサーやスイッチを取り付けたり、販売数のカウントを行う必要が無くなる。
【0076】
ここで、ソース容器54内のソース量が減少してくると、やがてソース容器54の底面が図6に破線で示す如くソース抽出口部材59の後端開口に当接し、それを閉塞してしまう。しかしながら、ソース抽出口部材59の拡開部82の後端は首部54Aよりもソース容器54の奥部まで進入して内方に突出し、連通孔83も首部54Aよりもソース容器54の内方に位置しているので、ソース容器54の底面がソース抽出口部材59の後端開口を塞いでも、側面の連通孔83は塞がれずにその周囲にはソース容器54内の空間が確保される。
【0077】
これにより、ソース容器54が更に潰れて図6の破線の状態から底面が首部54Aの基部に密着し、連通孔83が塞がれるまでソース容器54内のソースは押し出されるようになるので、売切れ判断をした時点でソース容器54内に残留しているソース量は最小限に抑えられる。従って、ソースの有効利用によるコストの削減を図ることが可能となる。
【0078】
(6)ソース交換運転
このように密閉容器53Aのソース容器54内のソースが終了した場合には、終了したソース容器54を新しいソース容器54と交換することになる。その場合には、先ず、密閉容器53Aのストッパー58を反時計回りに回動して保持具61、62から外す。これにより、ストッパー58の突起72がソース1蓋スイッチ66Aのアーム65から離間してソース1蓋スイッチ66Aの接点が開放(OFF)される。制御装置Cはこの蓋スイッチ66AのOFFによって蓋部材57が開放されたと判断する。次に、使用者はソース1スイッチ96を押す。
【0079】
制御装置Cはソース1蓋スイッチ66AがOFFした状態でソース1スイッチ96が押された場合には、エアーコンプレッサONリレー51CRとソース1給気弁リレー88ARを例えば3秒間ONして、3秒間だけエアーコンプレッサ51を運転し、且つ、ソース1給気弁88Aを開く。これにより、密閉容器53A内のソース容器54に瞬間的に空気圧を加えて蓋部材57とソース容器54を開口側に押し出すので、蓋部材57及びソース容器54の取り出しが容易となる。また、この間ソース1LED101を赤色で点滅させることにより、交換(交換中)のために圧力を上昇させていることを使用者に表示(報知)する。使用者は押し出された蓋部材57及びソース容器54を密閉容器53Aから引き出してその開口を開放する。
【0080】
その後、制御装置Cはソース1排気弁リレー92ARをONしてソース1排気弁92Aを開き、密閉容器53A内の空気を排出すると共に、密閉容器53Aの内外を連通して新しいソース容器54を密閉容器53A内に挿入し易くする。また、ソース1LED101を緑色で点滅させることにより、交換中であってソース1排気弁92Aが開いていることを使用者に表示(報知)する。尚、制御装置Cは蓋部材57が閉じられたとき(ソース1蓋スイッチ66AがON)又はソース1排気弁92Aの開放から15分経過した時点でソース1排気弁リレー92ARをOFFし、ソース1排気弁92Aを閉じる。
【0081】
その後は前述と同様にソース抽出口部材59を新しいソース容器54内に挿入し、ねじ込みによって蓋部材57に取り付けてソース容器54を密閉容器53A内に挿入し、蓋部材57によりその開口を閉塞する。そして、ストッパー58を時計回りに回動させ、保持具61、62に係合(ソース1蓋スイッチ66AがON)させて交換を完了する。その後、ソース1スイッチ96が押されれば制御装置Cは前述同様に加圧を介しして抽出の準備を行うものである。
【0082】
(7)動作異常表示
ここで、前述の如き通常運転及びソース交換運転中の加圧時に、ソース1圧力センサ93Aの出力に基づき、密閉容器53A内の空気圧力が異常高圧となった場合、或いは、設定値まで上昇しない場合には、ソース圧送装置2の各弁やエアーコンプレッサ51などに異常が発生したものと判断してソース1LED101を赤色点灯させると共に点検LED104を点灯し、使用者に警報して異常発生を表示すると共に、迅速な点検を促す。また、同時にソース1排気弁リレー92ARをONしてソース1排気弁92Aを開き、密閉容器53A内の空気圧力を大気圧とするものである。
【0083】
制御装置Cは各圧力センサ93B、93Cやレバー13Bなどの操作に応じて、以上と同様の準備、抽出、蓋開、売切れ、ソース交換及び動作異常表示に関する制御を各密閉容器53B及び53Cに対しても同様に行う。この場合、各分岐配管89A〜89Cにはそれぞれ給気弁88A〜88C及び排気弁92A〜92Cが設けられ、密閉容器53A〜53Cにはそれぞれ圧力センサ93A〜93Cが設けられているので、各密閉容器内の圧力が他の密閉容器に影響することは無く、また、逆止弁87も設けられているので、エアーコンプレッサ51側への逆流も無く、単一のエアーコンプレッサ51から三個の密閉容器53A〜53Cに圧縮空気を供給するにも拘わらず、各密閉容器53A〜53C内の空気圧力は制御装置Cにより独立して制御されると共に、ソースの供給も各取出通路11B、11Cに対して独立して行われることになる。
【0084】
また、操作パネル22のLED101〜103を多色発光LEDで構成し、点灯色と連続点灯・点滅によってソース圧送装置2の動作状態を表示しているので、各動作状態に応じたLEDを設ける必要が無くなり、操作パネル22における表示状態が認識し易くなると共に、部品点数の削減も図れるようになる。特に、このことは実施例の如く複数の密閉容器53A〜53Cを設けて複数のソース容器54・・からソースを抽出する場合に有効となる。
【0085】
尚、実施例では3個の密閉容器53A〜53Cを設けて三種類のソースのトッピングを可能としたが、2個若しくは4個以上の密閉容器を設けてもよい。但しその場合には取出通路も2個若しくは4個以上設けることになる。また、実施例ではソース抽出口部材59の後端部側面に連通孔83・・を設けたが、それに限らず、ソース抽出口部材59の後端に切欠を形成して、後端開口がソース容器54により完全に塞がれないようにしてもよい。
【0086】
また、実施例では各密閉容器53A〜53C内の空気圧力を設定値に維持しておくように構成したが、それに限らず、プランジャの上昇に伴ってソースを取出す度にエアーコンプレッサから密閉容器内に圧縮空気を供給して設定値(変更可能)まで空気圧を上昇させるような構成のものも含まれる。但し、実施例の如き構成によれば冷菓の取出に対するソース圧送の応答性が向上するものである。
【0087】
以上のようにソース圧送装置2は、エアーコンプレッサ51と、ソース容器54を収納する密閉容器53A〜53Cとを備え、エアーコンプレッサ51により密閉容器53A〜53C内の空気圧力を上昇させ、ソース容器54に空気圧を加えてソースを圧送するようにしたので、エアーコンプレッサ51により密閉容器53A〜53C内においてソース容器54全体に空気圧を加えて内部のソースを押し出すことが可能となる。これにより、空気圧によって変形可能なソース容器であれば、その形状に限定されること無く円滑なソースの圧送とトッピングを達成することができるようになる。また、機械的押圧力を加えるものや、水などの他の流動性媒体を介してソース容器に圧力を加えるものに比べて、機械的構造を簡素化し、且つ、メンテナンス性も改善することができるので、著しいコストの削減も図ることが可能となる。
【0088】
特に、密閉容器53A〜53C内においてソース容器54に空気圧を加えるので、ソースの押出も円滑に行えるようになる。そして、密閉容器53A〜53Cには当該密閉容器53A〜53C内の所定の異常高圧力で当該密閉容器53A〜53Cの内外を連通するリリーフバルブ68を設けているので、制御装置Cや圧力センサ93A〜93C、エアーコンプレッサ51や各弁88A〜88C、92A〜92Cなどの故障によって万一密閉容器53A〜53C内の圧力が異常に高くなった場合には、リリーフバルブ68が自ら密閉容器53A〜53Cの内外を連通して空気圧を抜くことになる。これにより、異常高圧によって生じる密閉容器53A〜53C、エアーコンプレッサ51や弁88A〜88C、92A〜92Cなどの破裂や破損(損傷)を未然に回避し、安全なソースの圧送を実現することができるようになる。
【0089】
また、ソース容器54は、密閉容器53A〜53C内に交換可能に収納されるようにしているので、ソース容器54内のソースが終了(ソース切れ)した場合には新たなソース容器54と容易に交換することが可能となる。
【0090】
また、ソース圧送装置2は、複数のソース容器54・・をそれぞれ収納する複数の密閉容器53A〜53Cを備え、各密閉容器53A〜53Cはリリーフバルブ68をそれぞれ備えているので、複数種類のソースを円滑且つ安全に圧送して冷菓にトッピングすることができるようになり、冷菓販売効果の向上を図ることが可能となる。
【0091】
また、ソース圧送装置2は、単一のエアーコンプレッサ51により複数の密閉容器53A〜53C内の空気圧力を上昇させるようにしたので、単一のエアーコンプレッサ51により複数種類のソースを冷菓にトッピングすることができるようになり、更なるコストの削減を図ることが可能となる。
【0092】
更に、ソース圧送装置2は、各密閉容器53A〜53C内の空気圧力をそれぞれ独立して制御可能な給気弁88A〜88Cを備えているので、単一のエアーコンプレッサ51を用いて複数種類のソースの供給を独立して制御することが可能となり、更なる冷菓販売効果の向上を図ることが可能となる。
【0093】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、冷菓を製造する冷却シリンダと、この冷却シリンダから冷菓を抽出する取出通路と、この取出通路を開閉して冷菓の取り出しを制御するプランジャと、流動性のトッピング用ソースが貯蔵されたソース容器と、このソース容器から前記取出通路の出口部にソースを圧送するソース圧送装置とを備えた冷菓製造装置において、前記ソース圧送装置は、空気圧縮装置と、前記ソース容器を収納する密閉容器とを備え、前記空気圧縮装置により前記密閉容器内の空気圧力を上昇させ、前記ソース容器に空気圧を加えてソースを圧送するようにしたので、空気圧縮装置により密閉容器内においてソース容器全体に空気圧を加えて内部のソースを押し出すことが可能となる。これにより、空気圧によって変形可能なソース容器であれば、その形状に限定されること無く円滑なソースの圧送とトッピングを達成することができるようになる。また、機械的押圧力を加えるものや、水などの他の流動性媒体を介してソース容器に圧力を加えるものに比べて、機械的構造を簡素化し、且つ、メンテナンス性も改善することができるので、著しいコストの削減も図ることが可能となる。
【0094】
特に、密閉容器内においてソース容器に空気圧を加えるので、ソースの押出も円滑に行えるようになる。そして、密閉容器は、開口を有してソース容器を交換可能に収納する容器本体と、挿通孔を有して容器本体の開口を開閉可能に、且つ、気密的に閉塞する蓋部材と、この蓋部材の閉塞状態を保持するストッパーと、ソース容器に取り付けられ、蓋部材の挿通孔を貫通して密閉し、ソース容器内を外部と連通させるソース抽出口部材とを備え、このソース抽出口部材は、蓋部材に螺合して挿通孔を密閉するようにしたので、ソース容器は蓋部材に着脱可能に取り付けられ、これにより、ソースが終了した際の取り外し、取り付けが極めて容易となるものである。
【0095】
請求項2の発明によれば、上記に加えて前記ソース圧送装置は、単一の前記空気圧縮装置により複数の前記密閉容器内の空気圧力を上昇させるようにしたので、単一の空気圧縮装置により複数種類のソースを冷菓にトッピングすることができるようになり、更なるコストの削減を図ることが可能となるものである。
【0096】
請求項3の発明によれば、上記に加えて前記ソース圧送装置は、前記各密閉容器内の空気圧力をそれぞれ独立して制御可能な弁装置を備えているので、単一の空気圧縮装置を用いて複数種類のソースの供給を独立して制御することが可能となり、更なる冷菓販売効果の向上を図ることが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態としての冷菓製造装置の縦断斜視図である。
【図2】 図1の冷菓製造装置のフリーザドア部分の縦断正面図及びソース圧送装置の構造説明図である。
【図3】 図1の冷菓製造装置のフリーザドア部分の縦断正面図である。
【図4】 図1の冷菓製造装置のソース圧送装置の密閉容器の平面図である。
【図5】 図4の密閉容器の正面図である。
【図6】 ソース容器を収納した状態の図4の密閉容器の縦断側面図である。
【図7】 図1の冷菓製造装置の操作パネルの正面図である。
【図8】 図1の冷菓製造装置の制御装置のブロック図である。
【図9】 図1の冷菓製造装置のソース圧送装置の制御シーケンス図である。
【符号の説明】
1 冷菓製造装置
2 ソース圧送装置
3 フリーザドア
4A、4B 取出ノズル
7 ビータ(撹拌装置)
8 冷却シリンダ
11A〜11D 取出通路
12A〜12D プランジャ
14 抽出路
16A〜16C ホース
19 星形アダプタ
31 透孔
32 出口
46A〜46C ソース抽出スイッチ
51 エアーコンプレッサ(空気圧縮装置)
53A〜53C 密閉容器
54 ソース容器
54A 首部
54B 取出口
54C ネジ部
56 容器本体
57 蓋部材
58 ストッパー
59 ソース抽出口部材
61、62 保持具
61B、62B 当接部
63 板バネ(付勢部材)
66A〜66C 蓋スイッチ
68 リリーフバルブ
71 透孔
77 ネジ溝
83 連通孔
87 逆止弁
88A〜88C 給気弁(弁装置)
89A〜89C 分岐配管
92A〜92C 排気弁
93A〜93C 圧力センサ
94 設定スイッチ
96 ソース1スイッチ
97 ソース2スイッチ
98 ソース3スイッチ
99 ソース量調整スイッチ
101 ソース1LED
102 ソース2LED
103 ソース3LED
104 点検LED
106 ソース量設定表示器
107 マイクロコンピュータ
C 制御装置

Claims (3)

  1. 冷菓を製造する冷却シリンダと、この冷却シリンダから冷菓を抽出する取出通路と、この取出通路を開閉して冷菓の取り出しを制御するプランジャと、流動性のトッピング用ソースが貯蔵されたソース容器と、このソース容器から前記取出通路の出口部にソースを圧送するソース圧送装置とを備えた冷菓製造装置において、
    前記ソース圧送装置は、密閉容器と、該密閉容器内に圧縮空気を供給するための空気圧縮装置とを備え、
    前記密閉容器は、開口を有して前記ソース容器を交換可能に収納する容器本体と、挿通孔を有して前記容器本体の開口を開閉可能に、且つ、気密的に閉塞する蓋部材と、該蓋部材の閉塞状態を保持するストッパーと、前記ソース容器に取り付けられ、前記蓋部材の挿通孔を貫通して密閉し、前記ソース容器内を外部と連通させるソース抽出口部材とを備え、
    該ソース抽出口部材は、前記蓋部材に螺合して前記挿通孔を密閉すると共に、前記空気圧縮装置により前記密閉容器内の空気圧力を上昇させることにより、前記ソース容器に空気圧を加えてソースを圧送することを特徴とする冷菓製造装置。
  2. 前記ソース圧送装置は、単一の前記空気圧縮装置により複数の前記密閉容器内の空気圧力を上昇させることを特徴とする請求項1に記載の冷菓製造装置。
  3. 前記ソース圧送装置は、前記各密閉容器内の空気圧力をそれぞれ独立して制御可能な弁装置を備えることを特徴とする請求項2の冷菓製造装置。
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