JP3920503B2 - 冷菓製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトクリーム等の冷菓を抽出販売する冷菓製造装置に関し、特に冷菓に苺ジャムやチョコレート等のソースをトッピングするようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ソフトクリーム等の冷菓を抽出販売する冷菓製造装置は、特開平7−264991号公報に示される如く、冷菓原料(ソフトクリームミックス)により冷菓を製造すると共に、前端部には冷菓が抽出される抽出路が形成されている冷却シリンダと、抽出路の出口が内壁面に形成されると共に、下端には抽出された冷菓を取り出すための冷菓取出口部が形成されている冷菓通路と、この冷菓通路内に上下移動可能に設けられ、通常抽出路の出口を塞ぐプランジャとを備えている。
【0003】
そして、冷菓抽出販売時にはプランジャを上方に移動させて抽出路の出口を開放する。ここで、このように抽出路の出口が開放されると、冷菓は冷却シリンダ内に設けられている撹拌装置(ビータ)の撹拌圧力により、抽出路を通って抽出路の出口から冷菓通路に抽出された後、下端の冷菓取出口部(取出ノズル)から取り出されるように構成されている。
【0004】
また、前記公報ではプランジャ内に導通路を形成し、抽出したソフトクリーム等の冷菓に、導通路を介してシロップやチョコレートのソースを降りかけることにより、所謂トッピングを施すことができるように構成されていた。
【0005】
一方、特願平11−58319号公報には、苺ジャムやチョコレートなどのトッピングソースを冷菓と同時に抽出することにより、冷菓に独特の模様を形成する冷菓製造装置が示されている。この冷菓製造装置には、ソースを供給するためのソース通路と、ソース容器と、ソース容器を押圧してソース通路にソースを押し出すためのソース圧送装置と、ソース通路を開閉するソース弁が備えられており、冷菓の抽出と同時に、抽出中の冷菓にソースが供給される構造とされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、ソース圧送装置により押圧されるソース容器は、一般的には軟質樹脂により構成されており、ソース圧送装置に押圧される底壁とこれに対向してソース通路に連通される抽出口を有している。ところで、係るソース容器をブロー成形で製造する場合、圧縮エアーは抽出口から封入される。そして、成形金型内においてソース容器の各壁となる部分が膨らんで行き、最後に抽出口に対向することになる底壁部分が押し広げられるかたちとなる。そのため、この底壁には延びきれない部分が圧肉の硬質部となって残留すると共に、外側には金型が存在するため、この硬質部はソース容器の内方に突出して来る。このようなソース容器の底壁を押圧部で押圧すると、硬質部の存在によってソース容器がそれ以上潰れず、結果として最終的には比較的多量のソースがソース容器内部に残留してしまう問題があった。
【0007】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、ソース容器内部に残留するソースを最小限に抑えることができ、経済性を向上させた冷菓製造装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の冷菓製造装置は、 撹拌装置によりミックスを撹拌しながら冷却して冷菓を製造する冷却シリンダと、この冷却シリンダから冷菓を抽出する取出通路と、この取出通路を開閉するプランジャと、取出通路の出口部に流動性のトッピング用ソースを供給するソース通路と、ソースが貯蔵されたソース容器と、このソース容器を押圧して当該ソース容器よりソース通路にソースを押し出す押圧装置とを備え、ソース容器は、ソース通路に連通される抽出口とこの抽出口に対向した底壁とを有した軟質樹脂製容器から成り、底壁には成形時に構成される内方に突出した硬質部を有し、押圧装置は、ソース容器の底壁を押圧すると共に、硬質部以外の部分の底壁に対応する位置には、硬質部と略同一の突出寸法を有する凸部を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明の冷菓製造装置は、冷菓を製造すると共に、前端部には冷菓が抽出される抽出路が形成された冷却シリンダと、抽出路の出口が内壁面に形成されると共に、下端部には抽出された冷菓を取り出すための取出ノズルが取り付けられた取出通路と、この取出通路内に上下移動可能に設けられると共に、降下した状態で取出ノズルを閉塞し、上方に移動して取出ノズルより離間した際には、抽出路の出口を開放するプランジャと、流動性のトッピング用ソースが貯蔵されたソース容器と、取出ノズルに出口が形成され、ソース容器から出口にソースを供給するソース通路と、ソース容器を押圧して当該ソース容器よりソース通路にソースを押し出す押圧装置とを備え、ソース容器は、ソース通路に連通される抽出口とこの抽出口に対向した底壁とを有した軟質樹脂製容器から成り、底壁には成形時に構成される内方に突出した硬質部を有し、押圧装置は、ソース容器の底壁を押圧すると共に、硬質部以外の部分の底壁に対応する位置には、硬質部と略同一の突出寸法を有する凸部を備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、冷却シリンダから取り出された冷菓が通過する取出通路の出口部或いは取出ノズルに、押圧装置によりソース容器内のソースを押し出して供給し、冷菓の流れに沿ってその表面にソースを添加することができるようになる。これにより、抽出される冷菓の流れの表面に独特のソース模様を形成し、購買意欲の増進を図ることができるようになると共に、顧客は冷菓の流れに沿ってソース独自の風味を味わうことが可能となる。
【0011】
特に、ソース容器は、ソース通路に連通される抽出口とこの抽出口に対向した底壁とを有した軟質樹脂製容器から成り、底壁には成形時に構成される内方に突出した硬質部を有し、押圧装置は、ソース容器の底壁を押圧すると共に、硬質部以外の部分の底壁に対応する位置には、硬質部と略同一の突出寸法を有する凸部を備えているので、ソース容器の硬質部以外の部分の底壁を押圧装置の凸部によって内方に変形させることができるようになる。
【0012】
これにより、硬質部の存在によって最終的にソース容器内部に残留してしまうソース量を減少させることができるようになり、経済性が向上するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の実施例の冷菓製造装置1の縦断斜視図、図2は冷菓製造装置1のソース圧送装置2の構成図、図3は冷菓製造装置1のフリーザドア3部分の縦断正面図、図4は冷菓製造装置1のフリーザドア3及び取出ノズル5の分解斜視図、図5は冷菓製造装置1の取出ノズル5の縦断正面図、図6は取出ノズル5の平断面図を示している。
【0014】
図1において実施例の冷菓製造装置1は、ソフトクリームを製造して例えばコーン製のカップに抽出し、螺旋状の冷菓の流れを盛り上げて生成し、販売するものであり、液状のソフトクリームミックスが貯留されるミックスタンク6、6と、この液状のソフトクリームミックスを撹拌しながら冷却して半硬化状態とするビータ(撹拌装置)7を備えた冷却シリンダ8と、この冷却シリンダ8やミックスタンク6を冷却する冷却装置Rが設けられている。尚、9は前記ビータ7を回転駆動するビータモータである。
【0015】
3は上記冷却シリンダ8前方の冷菓製造装置1の前面に取り付けられたフリーザドアであり、このフリーザドア3内には上下方向に連通する2つの冷菓取出通路11、15が左右方向に並設されている。そして、取出通路11内には、通路開閉部材としてのプランジャ12が上下移動可能に挿入されており、このプランジャ12は前面のレバー13にて上下動される。そして、取出通路15内には、開閉部材としてのプランジャ20が上下移動可能に挿入されており、このプランジャ20は前面のレバー10にて上下動される。一方、冷却シリンダ8の前端部下側には取出通路11および取出通路15の内壁面の双方に連通される抽出路14が形成されている。
【0016】
また、フリーザドア3の取出通路11の下端部には、取出ノズル4が下側から取り付けられると共に、取出通路15の下端部には、取出ノズル(出口部)5が下側から取り付けられている。そして、フリーザドア3の側方の冷菓製造装置1側面にはソース圧送装置2が設置されている。このソース圧送装置2と前記取出ノズル5とはソース通路を構成するホース16によって連通されている。
【0017】
このように、後述する如くソースを添加する冷菓(ソフトクリーム)の取出通路15と、ソースを添加しない冷菓(ソフトクリーム)の取出通路11を別系統にて形成しているため、ソースを添加しない冷菓(ソフトクリーム)を提供する際には、取出通路11から冷菓を取り出すことにより、ソースの付着が全くない冷菓(ソフトクリーム)を提供することができるようになる。
【0018】
次ぎに、図2乃至図6を参照して取出ノズル4及び5について詳述する。取出ノズル5は、金属製のノズル上部材17とノズル下部材18とを重合して構成されており、ノズル上部材17の略中央部には、ノズル下部材18の略中央に一体に立設された星形アダプタ19が下側から挿入嵌合される嵌合孔21が形成されている。
【0019】
ノズル上部材17の嵌合孔21周囲には、図6に示す如く星形アダプタ19の周囲略半分を囲繞する円弧状溝23が形成され、この円弧状溝23の中間部から導入溝24(何れもソース通路の一部を構成する)が側方に延在している。また、この導入溝24と円弧状溝23の接続点に位置するノズル下部材18には、断面円形の凹所26が形成されている。更に、導入溝24の端部が接続口27とされ、この接続口27には前記ホース16が接続される(図2)。
【0020】
また、ノズル上部材17には嵌合孔21の側方であって前記凹所26の上方に対応する位置から起立する筒状の保持筒部28が形成されている。そして、このノズル上部材17を、パッキン22、22、29を介してノズル下部材18に重合しネジ止めすると、ノズル下部材18の星形アダプタ19の周囲には接続口27に連通した円弧状溝23の通路が構成される。
【0021】
ここで、ノズル下部材18に形成された星形アダプタ19は、図4乃至図6に示す如く円筒状の部材であり、中央部に星形の透孔31が上下に貫通形成されている。また、透孔31は、周囲の上面は透孔31の中心に向けて低く傾斜している。更に、対向する側壁には透孔31内と星形アダプタ19の外面とを連通する出口32、32がそれぞれ形成されており、この出口32、32の下側に連続する透孔31の側壁には、切欠25がそれぞれ透孔31の下端まで連続して形成されている。そして、ノズル上部材17とノズル下部材18が嵌合された状態で、両出口32、32は前記円弧状溝23に連通する。
【0022】
このように透孔31の出口32の下側に連続する側壁には切欠25が形成されているため、円弧状溝23に流動性の低いソースが流入し、出口32から流れ出る際、当該ソースは冷菓(ソフトクリーム)の表面に沿って円滑に添加されるようになる。
【0023】
このように組み立てられた取出ノズル5はフリーザドア3の取出通路15下端に設けられ、図示しないネジなどによりフリーザドア3に取り付けられる。プランジャ20の下端は星形アダプタ19の上面形状に合致するように中心の先端が尖った円錐状を呈しており、プランジャ20は常には降下していて星形アダプタ19の透孔31にその下端を密着させ、これを閉じると共にその側面により前記抽出路14の出口を閉じている。そして、レバー10の操作によりプランジャ20が上方に移動されると、その下端は透孔31から離間すると共に、抽出路14の出口を開放する構造である。
【0024】
また、取出ノズル5がフリーザドア3に取り付けられた状態で、保持筒部28は取出通路15の側方にて起立し、フリーザドア3内に形成された保持孔35の下端に連続する。そして、この保持孔35と保持筒部28内には上からソース弁36が挿入される。このソース弁36は例えば断面円形の金属棒状体であり、保持孔35と保持筒部28に上下移動可能に保持されると共に、下端部は凹所26内に略キッチリと収納される寸法とされている。係る構造により、ソース弁36が降下した状態ではその下端が凹所26内に進入して導入溝24を閉じる。そして、ソース弁36が上方に移動すると、導入溝24が開放される。尚、37はソース弁36の周囲に取り付けられ、保持筒部28との間をシールするOリングである。
【0025】
係るソース弁36の上端には連結アーム38が取り付けられており、前記プランジャ20の上部にはこの連結アーム38が係合される係合溝39が形成されている。尚、41はプランジャ20の周囲に取り付けられて取出通路15との間をシールするOリングである。
【0026】
また、42は取出通路15からソフトクリームの抽出及びソースの抽出を行うためのスイッチ44を動作させるアームであり、冷菓製造装置1の前面に設けられ、ソース弁36の上面に当接されている。
【0027】
一方、もう一つの取出ノズル4は星形の透孔33を備えた星形アダプタ34を有する金属製のノズル部材45により構成されており、フリーザドア3に螺合することにより取り付けられる。プランジャ12の下端は星形アダプタ34の上面形状に合致するように中心の先端が尖った円錐状を呈しており、プランジャ12は常には降下していて星形アダプタ34の透孔33にその下端を密着させ、これを閉じると共にその側面により前記抽出路14の出口を閉じている。そして、レバー13の操作によりプランジャ12が上方に移動されると、その下端は透孔33から離間すると共に、抽出路14の出口を開放する。
【0028】
また、43は取出通路11からソフトクリームを抽出するためのスイッチ46を動作させるアームであり、冷菓製造装置1の前面に設けられ、プランジャ12の上面に当接されている。
【0029】
次に、前記ソース圧送装置2は、押圧装置を構成するソース抽出モータ51及び押出装置52と、シリンダ53とから成り、このシリンダ53内にはソース容器54が着脱可能に装填される。前記ソース抽出モータ51は固定板56によってベース57上の後端部に据え付けられており、その回転軸51Aはカップリング58を介して押出装置52に連結されている。
【0030】
この押出装置52は先端にピストン59が取り付けられたシャフト61と、軸受62とから構成されており、ソース抽出モータ51の回転をシャフト61及びピストン59の前後運転(直線運転)に変換するものである。尚、ソース抽出モータ51が正転するとピストン59は前進し、逆転した場合には後退する構造である。
【0031】
そして、押出装置52のシャフト61の向かって右側の側面後端部にはプッシャ77が取り付けられており、軸受62とシリンダ53間のベース57上には前後に準備スイッチ73と初期位置を示す原点スイッチ79とが設置され、シャフト61の移動によって前記プッシャ77と当接する位置関係とされている。同じくシャフト61の向かって左側の側面後端部には、プッシャ75が取り付けられており、軸受62とシリンダ53間のベース57上の前部(準備スイッチ73より前側)には売切スイッチ78が設置され、シャフト61の移動によって前記プッシャ75と当接する位置関係とされている。
【0032】
シリンダ53内に装填されたソース容器54は、変形可能な軟質樹脂ボトルにより構成された容器であり、底壁54Aには、成形時に構成される内方に突出した硬質部54B、54Bが形成されている。また、この底壁54Aに対向する面には前記ソース通路を構成するホース16に接続されて連通される抽出口47が形成されている。
【0033】
また、前記押出装置52のピストン59には、前記ソース容器54の底壁54Aを押圧した際に、ソース容器54の硬質部54B、54B以外の部分、例えば、図7に示す如く硬質部54B、54Bの外側の部分の底壁54Aに対応する位置に、硬質部54Bと略同一の突出寸法を有する凸部59A、59Aが形成されている。尚、図2は左右に硬質部54Bがあり、その左右外側に対応して凸部59Aを配置した例を示し、図7〜図9は上下に硬質部54Bがあり、その上下外側に対応して凸部59Aを配置した例を示している。
【0034】
そして、このソース容器54は、その底壁54Aをピストン59側とし、底壁54Aにピストン59を当接させると共に、底壁54Aに対向する位置にある抽出口47はシリンダ53から前方に引き出して装填される。
【0035】
このソース容器54内に充填されるソースとしては、苺ジャムなどのように、ソフトクリームミックスが実質的に非含有であって、冷却されて半硬化状態となったソフトクリームミックスと同程度の流動性を呈する流動性材料が用いられる。また、使用するソフトクリームミックスは、ソフトクリームミックスパウダー(しょ糖40%〜45%、乳固形分約50%)に約2倍量の水を添加したものである。
【0036】
上記の構成により、押出装置52がソース容器54の底壁54Aを押圧した際に、ピストン59の凸部59A、59Aが、ソース容器54の硬質部54B以外の部分を押圧して、底壁54Aの硬質部54B以外の部分を内方に変形させる。
【0037】
これにより、硬質部54Bの存在によって最終的にソース容器54内部に残留してしまうソース量を減少させることができるようになり、ソース量の無駄を省くことができ、経済性を向上させることができる。
【0038】
ここで、63はシリンダ53の前面開口を開閉する内蓋であり、64は内蓋63の一端部に設けられた把手である。この内蓋63の他端部には図8、図9に示す如く長孔66が穿設されており、シリンダ53をベース57に固定する前板67の上部には両側方に突出する軸68が設けられている。そして、この長孔66に軸68を回動且つ移動自在に係合することにより、内蓋63はシリンダ53に回動且つ移動自在に枢支されている。
【0039】
この内蓋63がシリンダ53の前面を閉じた状態で、内蓋63の一端は下側となり降下して(非枢支側に移動)、図8に示す如くベース57に取り付けられたストッパとしての押さえ板71の後側に係合する。
【0040】
そして、ソース容器54を交換する際には、把手64を持って長孔66に沿い内蓋63を持ち上げ(枢支側に移動)、押さえ板71との係合を解いた後、一端を手前上に回動させてシリンダ53の前面を開放する。そして、水平となった状態で押し込むと、内蓋63の他端(後端)は前板67上部に取り付けられた略逆L字状の係合板72内に係合するので、開放状態は保持される(図9)。
【0041】
次に、図10は上記ソース圧送装置2の制御回路図を示している。ソース圧送装置2は、この図に示す如く汎用のマイクロコンピュータ80にて制御されている。尚、マイクロコンピュータ80は冷却装置Rやビータモータ9による冷菓の製造および抽出の制御も行うが、ここでは説明を省略する。このマイクロコンピュータ80の入力側にはソース抽出モータ51の通電電流を検出する電流検出手段としての電流センサ81と、スイッチ回路82と、前記原点スイッチ79と、前記準備スイッチ73及び売切スイッチ78が接続されている。また、マイクロコンピュータ80の出力側には前記ソース抽出モータ51の運転/停止を行うためのモータONリレー83と、モータ51の低速で運転するためのモータ低速リレー84と、モータ51を逆転させるためのモータ逆転リレー85と、モータ保護リレー86と、LEDランプから成る自動LED87と、後退LED88及びカートリッジLED89(カートリッジはソース容器54を意味する)が接続されている。
【0042】
以上の構成により、図11のタイミングチャートを参照しながらソース圧送装置2の動作を説明する。尚、このときピストン59は最も後退しており、プッシャ77は原点スイッチ79をONしている。そして、ソース圧送装置2には前述の如く内蓋63を開けて例えば苺ジャムが封入されたソース容器54を装填し、底壁54Aをピストン59側として、抽出口47にはホース16を接続する。そして、スイッチ回路82の自動スイッチがONされていれば、マイクロコンピュータ80はこのようにソース容器54がセットされた状態でモータONリレー83及びモータ低速リレー84をONする。
【0043】
これにより、ソース抽出モータ51が例えば1分間に5回の速度の低速で正転し、ソース容器54を後方から少許押圧して予圧をかける予圧運転を行う。このとき、ピストン59の凸部59A、59Aはソース容器54の硬質部54Bの外側に当接し、徐々に前進して後方から圧力を加えていくと共に、マイクロコンピュータ80は自動LED87を点滅する。
【0044】
ピストン59がソース容器54を押圧するのに伴い、ソース抽出モータ51の負荷が増大するため、その通電電流(モータ電流)は上昇して行く。マイクロコンピュータ80は電流センサ81によりソース抽出モータ51の通電電流を監視しており、規定の予圧が加わる初期設定電流(例えば0.31A)までソース抽出モータ51の通電電流が上昇したところでモータONリレー83をOFFし、ソース抽出モータ51を停止する。係る予圧運転によってホース16内などに存在する空気はソース弁36と凹所26の隙間などから押し出され、ソースはソース弁36まで押し出される。そして、自動LED87を常時点灯として予圧運転を終了し、販売待機状態となる。
【0045】
この販売待機状態で前記レバー10が下げられると、前記ソース弁36の連結アーム38がプランジャ20の上昇に伴って上昇され、前述の如く導入溝24が開放されるので、ホース16を介してソース容器54と取出ノズル5は連通される。
【0046】
また、ソース弁36の上昇によってアーム42を介し、スイッチ44がONされるので、前記ビータモータ9がONされ、ビータ7が回転されると共に、スイッチ44のONによりスイッチ回路82の果肉抽出スイッチもONされる。果肉抽出スイッチがONされると、マイクロコンピュータ80はモータONリレー83及びモータ低速リレー84をONし、ソース抽出モータ51を低速で正転させる。
【0047】
これによって、前述同様にソース容器54の底壁54Bはピストン59によって押圧されるので、負荷の上昇によってソース抽出モータ51の通電電流も上昇していく。そして、前述同様に電流センサ81によりソース抽出中のモータ51の通電電流(モータ電流)を監視し、それが所定の抽出設定電流(上限値:例えば0.4A)に到達した場合は、マイクロコンピュータ80は、モータONリレー83および低速リレー84をOFFとし、ソース抽出モータ51への通電を停止する。
【0048】
そして、例えば0.5秒間停止した後、マイクロコンピュータ80は再びモータONリレー83および低速リレー84をONしてソース抽出モータ51への通電を行い、前記レバー10が上げられ、スイッチ44がOFFとされて前記果肉抽出スイッチがOFFされるまで係るソース抽出モータ51への通電(運転)/停止のサイクルを繰り返す。
【0049】
このような制御によって、ピストン59はソース容器54の底壁54Aを押圧するので、ソース容器54内のソースは抽出口47から押し出され、ホース16を通って取出ノズル5内に入る。
【0050】
取出ノズル5内に入ったソースは導入溝24から円弧状溝23に至り、そこで左右に分流された後、出口32、32から吐出される。これにより、取出通路15から星形アダプタ19の透孔31を経て抽出されるソフトクリームの流れに沿ってその周縁部に苺ジャムから成るソースが連続的に添加されることになるので、抽出されたソフトクリームの表面には独特のソース模様が形成され、購買意欲の増進が図られると共に、顧客は食べ始め当初から食べ終わるまで苺ジャム独自の風味を味わうことが可能となる。
【0051】
前記ソース抽出モータ51の抽出設定電流(上限値)はスイッチ回路82の設定スイッチによって調整可能とされている。これにより、ソース容器54に加える圧力を調整してソースの単位時間当たりの抽出流量、即ち、ソフトクリームの表面に添加するソースの量を適宜調整することができる。
【0052】
また、上述の如くソースの押圧抽出中はソース抽出モータ51の通電(運転)/停止のサイクルを繰り返すことにより、ソース容器54に所定の押圧力を加えるようにしているので、連続通電でソース抽出モータ51を運転する場合に比して、安定したソース抽出が行えるようになると共に、消費電力も削減でき、モータ51の負荷も軽減できる。従って、モータ51の寿命も延長できるようになる。
【0053】
尚、この場合ミックスタンク6にソースを混ぜ込むものではないので、加熱殺菌によって変質してしまう材料も使用できるようになり、ソフトクリームの華やかな外観と独特の風味を味わうことができるようになる。
【0054】
そして、抽出を終了する場合には、レバー10を押し上げてプランジャ20を引き下げる。ソース弁36もプランジャ20の降下に伴って引き下げられるので、取出ノズル5内の導入溝24は閉じられ、これによって、ソースの添加も停止される。また、ソース弁36が導入溝24を閉じることにより、出口32からのソースの漏洩も阻止される。
【0055】
ソース弁36の降下により、アーム42を介してスイッチ44もOFFされるので、前記果肉抽出スイッチもOFFとなり、マイクロコンピュータ80はモータONリレー83および低速リレー84をOFFしてソース抽出モータ51を停止する。マイクロコンピュータ80は一回の冷菓販売動作(ソフトクリームおよびソースの抽出)が終了すると、内部に有するメモリ(カウンタ)の販売回数をカウントアップする。これにより、冷菓販売数を管理することも可能となる。
【0056】
このようなソースの抽出によってソース容器54は徐々に潰され、その容積が縮小されて行くと共に、シャフト61およびピストン59は前進する。そして、ソース容器54内のソース量が残り少なくなった時点で、プッシャ77は準備スイッチ73を押し、ONする。この準備スイッチ73がONされると、マイクロコンピュータ80は、カートリッジLED89を点滅させ、使用者にソース容器54内のソース量が少量であることを報知する。
【0057】
更に、ソースの抽出が行われることによってソース容器54はより一層容積が縮小されていき、やがてピストン59が抽出口47までに至ると(図7参照)、プッシャ75が今度は売切スイッチ78を押してONさせるので、マイクロコンピュータ80はこの売切スイッチ78のONによってカートリッジLED89を点灯させ、ソース容器54が空になったことを検知すると共に、自動LED87を点滅させる。
【0058】
また、売切スイッチ78がONとなった時点でソース容器54は図7に示すような状態まで潰されている。このときピストン59の凸部59A、59Aはソース容器54の硬質部54B、54Bの外側部分の底壁54Aを押圧し、底壁54Aの硬質部54Bの外側部分を硬質部54B、54Bの突出寸法と同じくらい内方に変形させている。
【0059】
ここで、ソース容器54の底壁54Aを平坦なピストンにて押圧すると、硬質部54Bが潰れないために、底壁54Aと内蓋63間には少なくとも硬質部54Bの突出寸法分の間隔ができてしまい、その容積分のソースが残留することになるが、凸部59A、59Aは硬質部54B以外の部分(外側部分)の底壁54を内蓋63側に押し込むので、ソースの残留量は著しく少なくなる。
【0060】
この売切スイッチ78がONとされた後、例えば、0.5秒経過すると、マイクロコンピュータ80は、今度はモータ逆転リレー85をONし、更に、0.5秒経過すると、モータONリレー83をONする。これによって、モータ51は逆転され、ピストン59は初期位置に戻って行く。そして、プッシャ77が原点スイッチ79を押してONすることでマイクロコンピュータ80は初期位置を検知し、モータONリレー83およびモータ逆転リレー85をOFFする。尚、このときモータ低速リレー84はOFFしているので、ソース抽出モータ51の逆転時の速度は、正転時の低速運転の約6倍の速度で回転する。
【0061】
その後、ソース容器54が交換されれば、再び前記予圧運転を行い待機状態となる。尚、ソースとしては実施例の苺ジャムに限らず、ブルーベリージャムや杏ジャム、チョコレートなども有効である。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、冷却シリンダから取り出された冷菓が通過する取出通路の出口部或いは取出ノズルに、押圧装置によりソース容器内のソースを押し出して供給し、冷菓の流れに沿ってその表面にソースを添加することができるようになる。これにより、抽出される冷菓の流れの表面に独特のソース模様を形成し、購買意欲の増進を図ることができるようになると共に、顧客は冷菓の流れに沿ってソース独自の風味を味わうことが可能となる。
【0063】
特に、ソース容器は、ソース通路に連通される抽出口とこの抽出口に対向した底壁とを有した軟質樹脂製容器から成り、底壁には成形時に構成される内方に突出した硬質部を有し、押圧装置は、ソース容器の底壁を押圧すると共に、硬質部以外の部分の底壁に対応する位置には、硬質部と略同一の突出寸法を有する凸部を備えているので、ソース容器の硬質部以外の部分の底壁を押圧装置の凸部によって内方に変形させることができるようになる。
【0064】
これにより、硬質部の存在によって最終的にソース容器内部に残留してしまうソース量を減少させることができるようになり、経済性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の冷菓製造装置の縦断斜視図である。
【図2】 ソース圧送装置の構成図である。
【図3】 フリーザドア部分の縦断正面図である。
【図4】 フリーザドア部分の分解斜視図である。
【図5】 取出ノズルの縦断正面図である。
【図6】 取出ノズルの平断面図である。
【図7】 ソース容器縮小時のシリンダ内の拡大縦断側面図である。
【図8】 ソース圧送装置の内蓋部分の側面図である。
【図9】 内蓋を開いた状態のソース圧送装置の側面図である。
【図10】 制御回路のブロック図である。
【図11】 ソース圧送装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 冷菓製造装置
2 ソース圧送装置
3 フリーザドア
5 取出ノズル
11、15 取出通路
12、20 プランジャ
14 抽出路
16 ホース(ソース通路)
19 星形アダプタ
32 出口
36 ソース弁
38 連結アーム
51 ソース抽出モータ
52 押出装置
53 シリンダ
54 ソース容器
54A 底壁
54B 硬質部
59 ピストン
59A 凸部
Claims (2)
- 撹拌装置によりミックスを撹拌しながら冷却して冷菓を製造する冷却シリンダと、
この冷却シリンダから冷菓を抽出する取出通路と、
この取出通路を開閉するプランジャと、
前記取出通路の出口部に流動性のトッピング用ソースを供給するソース通路と、
前記ソースが貯蔵されたソース容器と、
このソース容器を押圧して当該ソース容器より前記ソース通路にソースを押し出す押圧装置とを備え、
前記ソース容器は、前記ソース通路に連通される抽出口とこの抽出口に対向した底壁とを有した軟質樹脂製容器から成り、前記底壁には成形時に構成される内方に突出した硬質部を有し、前記押圧装置は、前記ソース容器の底壁を押圧すると共に、前記硬質部以外の部分の前記底壁に対応する位置には、前記硬質部と略同一の突出寸法を有する凸部を備えていることを特徴とする冷菓製造装置。 - 冷菓を製造すると共に、前端部には前記冷菓が抽出される抽出路が形成された冷却シリンダと、
前記抽出路の出口が内壁面に形成されると共に、下端部には抽出された前記冷菓を取り出すための取出ノズルが取り付けられた取出通路と、
この取出通路内に上下移動可能に設けられると共に、降下した状態で前記取出ノズルを閉塞し、上方に移動して前記取出ノズルより離間した際には、前記抽出路の出口を開放するプランジャと、
流動性のトッピング用ソースが貯蔵されたソース容器と、
前記取出ノズルに出口が形成され、前記ソース容器から前記出口にソースを供給するソース通路と、
前記ソース容器を押圧して当該ソース容器より前記ソース通路にソースを押し出す押圧装置とを備え、
前記ソース容器は、ソース通路に連通される抽出口とこの抽出口に対向した底壁とを有した軟質樹脂製容器から成り、前記底壁には成形時に構成される内方に突出した硬質部を有し、前記押圧装置は、前記ソース容器の底壁を押圧すると共に、前記硬質部以外の部分の前記底壁に対応する位置には、前記硬質部と略同一の突出寸法を有する凸部を備えていることを特徴とする冷菓製造装置。
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