JP4232990B1 - 電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】同じ構成を有する他の少なくとも一つの電池パックと連結されて成る電池パック群の一部として使用可能な電池パックであって、その電池パックの電力によって駆動される電気機器の駆動時間を、その電気機器の構造に依存することなく、かつ、電池パックの信頼性や耐久性または使い勝手を良好に維持しつつ、延長可能であるものを提供する。
【解決手段】電池パック100を、(a)電池セル群を有する電池モジュール110と、その電池セル群の放電を制御する放電制御手段120と、(b)電池パックが単独で使用される場合に電池パックから電気機器へ出力される電圧の特性と、(c)電池パックが電池パック群の一部として、かつ、電池パックが、電気機器に接続される状態で使用される場合に電池パックから電気機器へ出力される電圧の特性とが互いに実質的に一致するように、電池パックの出力を制御する出力制御手段とを含むものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、リチウムイオン電池等の2次電池を用いて構成される電池パックに関するものである。
電気機器は、主に、商用電源から得られる交流電圧、または、電池セルから得られる直流電圧を用いて駆動する。前述の電池セルを電源として用いる電気機器には、例えば、携帯電話など負荷電流が微小であることに特化し小型軽量を重視した電池パックを用いるものと、電動工具など大きな負荷電流を必要とし大電流放電を重視した電池パックを用いるものがある。
特開2002−254355号公報
前述の大電流放電を重視した電池パックを用いる電気機器においては、近年の電池技術や充電制御技術等の発達により、その性能は高まりつつある。しかし、商用電源電圧より大幅に低い電圧を有する電池パックを用いるため、商用電源を用いる電気機器に対し負荷電流を相対的に大きくする必要がある。そのため、その負荷電流の増大に伴う電気ロス等により性能低下を容認せざるを得ない。
そこで、従来、商用電源を確保できない場所で前記商用電源に相当する出力を用いて駆動する電気機器を使用する場合、エンジン駆動式発電機等の機器を用いる。しかし、取り扱いの難しさや高いコストを要するなど、あくまで業務用途として限られる。すなわち、一般家庭用途において、商用電源を確保できない場所で、商用電源に相当する出力を用いて駆動する電気機器を使うという状況は極めて少ない。そのため、一般家庭用途を想定して、商用電源を確保できない場所に持ち運びが可能であり、安価であり、取り扱いが容易であり、かつ、商用電源電圧に相当する出力を可能とする電池パックの提供が要望される。
また、電池パックに蓄えられる電気エネルギーは有限であるため、電池パックを用いた場合の電気機器の駆動時間には限りがある。そのため、電気機器の用途によっては、電気機器の駆動時間が不足する場合がある。その不足を解消するために、電池パックの容量を十分に確保すると、大きく、かつ、重くなり、また、コストが高くなる。
従来技術として、電池パック1個分の容量としては、電池パックに対応する電気機器の駆動時間が不足するが、電気機器に電池パックを並列接続することで電気機器の駆動時間を延長する手法がある。その並列接続を行うためには、電気機器に専用の並列接続構造を設ける必要がある。その並列接続構造を有する電気機器は、その駆動時間の延長を実現することができる。しかし、電池パック単独の機能として電気機器の駆動時間は延長されないため、並列接続構造を有しない他の電気機器では駆動時間の延長を実現できない。
以上説明した事情を背景として、本発明は、同じ構成を有する他の少なくとも一つの電池パックと連結されて成る電池パック群の一部として使用可能な電池パックであって、その電池パックの電力によって駆動される電気機器の駆動時間を、その電気機器の構造に依存することなく、かつ、電池パックの信頼性や耐久性または使い勝手を良好に維持しつつ、延長することが可能であるものを提供することを課題としてなされたものである。
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組み合わせの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組み合わせが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
(1) 電気機器の電源として用いられる電池パックであって、
互いに直列に接続された複数の電池セルである電池セル群と、
その電池セル群の放電を制御する放電制御手段を有する電気回路と、
当該電池パックの出力を前記電気機器へ供給するための出力端子と、
それら電池セル群、電気回路および出力端子を収容するケースと
を含み、
当該電池パックは、単独で使用されても、当該電池パックと同じ構成を有する少なくとも一つの他の電池パックと連結されて成る電池パック群の一部として使用されても、前記電気機器に電圧を出力することが可能であり、
前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが単独で使用される場合に当該電池パックから前記電気機器へ出力される電圧の特性と、当該電池パックが前記電池パック群の一部として、かつ、当該電池パックが、前記電気機器に接続される状態で使用される場合に当該電池パックから前記電気機器へ出力される電圧の特性とが互いに実質的に一致するように、当該電池パックの出力を制御する出力制御手段を有する電池パック。
一般に、電池パックに蓄えられる電気エネルギーは有限であるため、電池パックを用いた場合の電気機器の駆動時間には限りがある。そのため、従来の電池パックでは、電気機器の用途によっては、前記駆動時間が不足する場合があり、その不足を解消するために、電池パックの容量を十分に確保すると、大きき、かつ、重くなり、また、コストが高くなる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、電池パックが単独で出力する際にその電池パックが有する出力端子から電気機器へ供給される電圧特性と、複数の電池パックを連結接続して電池パック群を成し、その電池パック群の中の出力末端部に位置する電池パックが有する出力端子から電気機器へ供給される電圧特性とが、同じであり、また、前記電池パック群の中の出力末端部の電池パックが出力に用いる出力端子と、前記電池パックが単独で出力に用いる出力端子が、互いに共通化される。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パックの連結個数に依存しない直感的な使用感、すなわち、ユーザーの自然な感覚に合致した使い易い使用方法を提供することができる。
前述の放電制御手段の出力方式は、交流出力、直流出力等の如何を問わない。また、連結時の電池パック間の接続方法は、直接的でも間接的(何らかの装置を介して接続)でもよい。
(2) 前記出力端子は、当該電池パックが単独で使用される場合に前記電気機器に接続される端子であるとともに、当該電池パックが前記電池パック群の一部として使用される場合に前記電気機器に接続される端子である(1)項に記載の電池パック。
(3) 前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、前記少なくとも一つの他の電池パックによる制御処理に必要な第1情報を、前記少なくとも一つの他の電池パックに送信する送信手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、当該電池パックによる制御処理に必要な第2情報を前記少なくとも一つの他の電池パックから受信する受信手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、前記少なくとも一つの他の電池パックから受信した前記第2情報に従って前記制御処理を行う制御処理手段と
を含む(1)または(2)項に記載の電池パック。
複数の電池パックを連結接続した状態において、個々の電池パックが、適切な制御処理を行うことができない可能性がある。具体的には、従来の電池パックを複数連結すると、個々の電池パックは、連結接続された電池パック群の出力末端部に位置する電池パックの出力端子から、適切な出力を行うように制御すること、また、連結接続された電池パック群の入力末端部に位置する電池パックの入力端子から、適切な充電を行うように制御することができない。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、互いに連結された電池パック間の通信により、各電池パックは、連結された他の電池パックから得た情報に従い制御処理を行う。ここに、「制御処理」とは、例えば、放電制御処理、充電制御処理および状態表示処理のうちの少なくとも一つを意味する。
よって、本項に係る電池パックによれば、連結接続状態にある電池パック群の個々の電池パックが適切な制御処理を行うことが実現される。
前述の送信手段および受信手段がそれぞれ扱う信号は、デジタル信号、アナログ信号、有線信号、無線信号のいずれであってもよい。
また、前述の第1および第2情報はそれぞれ、例えば、電池パックが有する電池セル、回路の状態、電池パック群における電池パック自身の位置、連結接続された他方の電池パックの情報、また、他の電池パックの情報との積算値や差分値など、当該電池パックの制御処理に必要な情報を示す。
なお、連結された電池パックの出力端子から出力される電圧を測定した結果も一つの情報であり、通信等のために設けた特定の送受信手段に限らない。
(4) 前記第1情報は、当該電池パックの電気エネルギーの残存容量を表す情報を含み、
前記第2情報は、前記少なくとも一つの他の電池パックの電気エネルギーの残存容量を表す情報を含み、
前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、当該電池パックの電気エネルギーの残存容量であって前記第1情報によって表されるものが、いずれの他の電池パックの電気エネルギーの残存容量であって前記第2情報によって表されるものよりも多い場合には、当該電池パックが前記電気機器に出力することを許可する一方、そうではない場合には、当該電池パックが前記電気機器に出力することを禁止する出力許可・停止手段を有する(3)項に記載の電池パック。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができない場合には、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、電池パック群の中の特定の電池パックに対して充放電が集中的に繰り返され、特定の電池パックの寿命劣化が加速されるおそれがある。
一般的に、電池セルの放電において、残存容量が低下した状態で、なおも放電を継続する過放電状態は、電池セルの寿命劣化が進行しやすくなる。そのため、電池パックが連結接続された電池パック群が使用される際、電池パック群の中の電池パックであって、相対的に残存容量の少ない特定の電池パックが連続的に放電されると、その電池パックの寿命劣化が進行しやすくなる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、互いに連結される電池パック間で、電池パックの残存容量を示す情報が交換され、その情報に基づき、残存容量が少ない電池パックの放電が禁止される。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の特定の電池パックの寿命劣化が進行することを抑制できる。また、電池パック群の連結接続解除後の各電池パックに相応の残存容量を確保できる利便性向上にも貢献する。
(5) 前記第1情報は、当該電池パックの寿命劣化量を表す情報を含み、
前記第2情報は、前記少なくとも一つの他の電池パックの寿命劣化量を表す情報を含み、
前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、前記少なくとも一つの他の電池パックと連結された状態で使用される場合に、当該電池パックの寿命劣化量であって前記第1情報によって表されるものが、いずれの他の電池パックの寿命劣化量であって前記第2情報によって表されるものよりも少ない場合には、当該電池パックが前記電気機器に出力することを許可する一方、そうではない場合には、当該電池パックが前記電気機器に出力することを禁止する出力許可・停止手段を有する(3)または(4)項に記載の電池パック。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができない場合には、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、電池パック群の中の特定の電池パックに対して充放電が集中的に繰り返され、特定の電池パックの寿命劣化が加速されるおそれがある。
一般的に、寿命劣化が進行した電池セルは、その充電、または、放電において、寿命劣化に伴う電池セルの内部抵抗の増大により、通電時の発熱が、非劣化時よりも大きくなるため、発熱に伴い電池セルの寿命劣化がさらに進行しやすくなる。そのため、電池パックが連結接続された電池パック群が使用される際、電池パック群の中の電池パックであって、相対的に寿命劣化が進行した特定の電池パックが連続的に使用された場合、その電池パックの寿命劣化がさらに進行しやすくなる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、互いに連結される電池パック間で、電池パックの寿命劣化容量を示す情報が交換され、その情報に基づき、寿命劣化量が多い電池パックの放電が禁止される。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の特定の電池パックの寿命劣化が進行することを抑制できる。
(6) 前記第1情報は、当該電池パックの電気エネルギーの残存容量を表す情報を含み、
前記第2情報は、前記少なくとも一つの他の電池パックの電気エネルギーの残存容量を表す情報を含み、
前記電気回路は、さらに、
前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、当該電池パックの電気エネルギーの残存容量であって前記第1情報によって表されるものが、いずれの他の電池パックの電気エネルギーの残存容量であって前記第2情報によって表されるものよりも少ない場合には、当該電池パックの充電を許可する一方、そうではない場合には、当該電池パックの充電を禁止する充電許可・停止手段と
を含む(3)ないし(5)項のいずれかに記載の電池パック。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができない場合には、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、電池パック群の中の特定の電池パックに対して充放電が集中的に繰り返され、特定の電池パックの寿命劣化が加速されるおそれがある。
一般的に、電池セルの放電において、残存容量が多い状態で、なおも充電を継続する過充電状態は、電池セルの寿命劣化が進行しやすくなる。そのため、電池パックが連結接続された電池パック群が使用される際、電池パック群の中の電池パックであって、相対的に残存容量の多い特定の電池パックが連続的に充電されると、その電池パックの寿命劣化が進行しやすくなる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、互いに連結される電池パック間で、電池パックの残存容量を示す情報が交換され、その情報に基づき、残存容量が多い電池パックの充電が禁止される。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の特定の電池パックの寿命劣化が進行することを抑制できる。
(7) 前記第1情報は、当該電池パックの寿命劣化量を表す情報を含み、
前記第2情報は、前記少なくとも一つの他の電池パックの寿命劣化量を表す情報を含み、
前記電気回路は、さらに、
前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、当該電池パックの寿命劣化量であって前記第1情報によって表されるものが、いずれの他の電池パックの寿命劣化量であって前記第2情報によって表されるものよりも少ない場合には、当該電池パックの充電を許可する一方、そうではない場合には、当該電池パックの充電を禁止する充電許可・停止手段と
を含む(3)ないし(6)項のいずれかに記載の電池パック。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができない場合には、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、電池パック群の中の特定の電池パックに対して充放電が集中的に繰り返され、特定の電池パックの寿命劣化が加速されるおそれがある。
一般的に、寿命劣化が進行した電池セルは、その充電、または、放電において、寿命劣化に伴う電池セルの内部抵抗の増大により、通電時の発熱が、非劣化時よりも大きくなるため、発熱に伴い電池セルの寿命劣化がさらに進行しやすくなる。そのため、電池パックが連結接続された電池パック群が使用される際、電池パック群の中の電池パックであって、相対的に寿命劣化が進行した特定の電池パックが連続的に使用された場合、前記電池パックの寿命劣化がさらに進行しやすくなる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、互いに連結される電池パック間で、電池パックの寿命劣化量を示す情報が交換され、その情報に基づき、寿命劣化量が多い電池パックの充電が禁止される。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の特定の電池パックの寿命劣化が進行することを抑制できる。
(8) 当該電池パックは、さらに、電力を前記電池セル群へ入力するための入力端子であって前記ケースに収容されたものを含み、
前記電気回路は、さらに、
前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段と、
当該電池パックの前記入力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックの前記出力端子が接続された状態で当該電池パックが使用される場合に、他の電池パックから当該電池パックに流入する電流値である流入電流値を検知する電流値検知手段と、
当該電池パックの充電電流値の要求値を計算する充電電流値計算手段と、
その計算された充電電流値の要求値が前記検知された流入電流値に加算された合計電流値が、当該電池パックまたは他の電池パックの通電容量を超えないように、前記充電電流値の実際値を制御する充電電流値制御手段と
を含む(1)ないし(7)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、電池セル群からの放電状態、充電の停止状態、放電の停止状態、または、電池パックの入力端子から入力された電力を電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないと、前記連結接続時の電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、また、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などのおそれがある。
また、連結された電池パック群の入力末端部に位置する電池パックに商用電源が接続され、かつ、前記電池パック群の出力末端部に位置する電池パックに電気機器が接続されている場合、前記電気機器を駆動するための負荷電流と、前記電池パック群の中の少なくとも1個の電池パックが充電を行う際の充電電流との総和が、電池パック内の通電容量を超えて故障する可能性がある。特に、連結個数が多くなるほど、その可能性は高まり、その対策はコストアップにつながる。
また、前記入力末端部に位置する電池パックに商用電源が接続されず、かつ、前記電池パック群の中の電池パック間で充電が行われ、さらに、前記出力末端部に位置する電池パックに電気機器が接続されている場合、前記充電のための充電電流の大きさによっては、前記電気機器の負荷電流値が、電池パックの有する過負荷保護のための所定値に達していなくても、前記充電電流が加わることにより過負荷保護が作動し、電気機器が停止するため、利便性が低下するおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、連結された電池パック群の中の電池パックにおいて、前記電池パックの入力端子側に接続された他の電池パックから流れ込む電流値を検知し、前記電池パックが充電に要する充電電流値を予め計算し、前記他の電池パックから流れ込む電流値に前記充電電流値を加えた積算電流値を計算し、前記積算電流値が、電池パックまたは他の電池パックの通電容量を示す所定値を超えないように、前記充電電流値を低減して制御する。特に、前記充電電流値の低減制御は、充電開始前、及び、充電中にかかわらず行うと好適である。
したがって、本項に係る電池パックによれば、連結された電池パック群の使用時の各電池パックの通電容量超過が防止される。さらに、充電による不用意な電気機器の停止も防止される。
(9) 前記放電制御手段は、
スイッチング素子を有し、かつ、そのスイッチング素子のスイッチング動作によって当該電池パックの放電を制御するとともに、いずれの電池パックにも、それを充電するための外部電源が接続されておらず、かつ、いずれの電池パックにも、放電先である前記電気機器が接続されていない場合に、そうではない場合より少ない回数で前記スイッチング素子をスイッチングすることにより、当該電池パックの前記出力端子に接続された、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックを充電する電池パック間充電を行う(1)ないし(8)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、前記電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、前記電池セル群からの放電状態、前記充電、または放電の停止状態、または、待機状態、電池パックの入力端子から入力された電力を前記電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないと、電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などのおそれがある。
さらに、複数の電池パックが連結接続された電池パック群の入力末端部に位置する電池パックに商用電源が接続されていない状態において、電池パック群の中の電池パック間で充電を行う場合、電力を供給する側の電池パックの放電制御手段が有するスイッチング素子等の電気ロスにより、充電される側の電池パックへの充電効率が低下するおそれもある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、電池パック群において、それの入力末端部に位置する電池パックに商用電源が接続されていない状態、かつ、電池パック群の出力末端部に位置する電池パックに電気機器が接続されていない状態である場合、電池パック群の中で電池パック間充電を行うために放電出力を行う電池パックが、前記入力末端部および前記出力末端部の電池パックの状態を検知し、放電制御手段のスイッチング素子のスイッチング回数を減らして出力する。
スイッチング回数の減少は、例えば、電池パックが有する電池セル群の直流電圧を交流電圧に変換する際の電圧波形を、正弦波から矩形波、また、矩形波から直流、とすることにより実現する。なお、その波形変更前後の各波形の組み合わせは、製品仕様に応じて選択可能であり、一つに限らない。
したがって、本項に係る電池パックによれば、前記出力を行う電池パックの有するスイッチング素子のスイッチング回数が減ることで、スイッチング素子の発熱が低減し、すなわち、電気ロスが低減し、充電効率低下を抑制できる。
(10) 前記電気回路は、さらに、前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段を含み、
当該電池パックは、さらに、電力を前記電池セル群へ入力するための入力端子であって前記ケースに収容されたものを含み、
当該電池パックの前記入力端子には、当該電池パックと同じ構成を有する他の第1の電池パックの出力端子に接続され、かつ、当該電池パックの前記出力端子には、当該電池パックと同じ構成を有する他の第2の電池パックの入力端子に接続されるように、当該電池パックにそれら第1および第2の電池パックが一緒に接続されるように、当該電池パックの前記入力端子および前記出力端子が前記ケースに配置された(1)ないし(8)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、電気機器に電池パックを並列接続するためには、電気機器に専用の並列接続構造を設ける必要がある。そのため、前記並列接続構造を有しない形式の電気機器では、複数の電池パックを連結接続して駆動時間の延長を実現することができない。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、電気機器に特別の構造を付加することなく、複数の電池パックを連結接続して駆動時間の延長を実現することができる。したがって、本項に係る電池パックによれば、複数の電池パックを連結して電気機器を駆動する方法が、電気機器の構造の如何を問わず、実施可能となり、汎用性が向上する。
(11) 前記ケースは、向きが互いに異なる複数の部分外周面によって構成された全体外周面を有し、
前記入力端子および前記出力端子は、前記複数の部分外周面のうち同一ではないように選択された2つの部分外周面にそれぞれ配置された(10)項に記載の電池パック。
この電池パックによれば、当該電池パックを他の電池パックに連結するために、ユーザーの自然な感覚に合致した連結方法が提供される。
(12) 当該電池パックは、さらに、外部電源から可変の電源電圧を前記電池セル群へ入力するための入力端子であって前記ケースに収容されたものを含み、
前記電気回路は、さらに、
前記入力端子に前記外部電源が接続された状態で、その外部電源から前記入力端子に入力された電源電圧の特性を検出する検出手段と、
その検出された電源電圧特性に応じて、当該電池パックが放電を終止するときの電圧条件を変更する変更手段と、
前記電圧条件が成立すると、当該電池パックの放電を停止させる停止手段と
を含む(1)ないし(11)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、外部電源が例えば商用電源である場合には、外部電源から供給される交流電圧の特性は、地域により異なる。商用電源の交流電圧に相当する出力を可能とする電池パックにつき、地域ごとに、交流電圧特性に合わせた個々の電池パックの仕様を用意するとした場合には、1種類の電池パックの使用可能領域が減少し、1種類の電池パックの汎用性が低下する。
具体的には、電源電圧特性の地域差に合わせて同じ種類の電池パックを制御することができない場合には、電池パック内部部品、または、電気機器の故障等の信頼性の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などの問題が生じる。
さらに、例えば、商用電源電圧の実効値が、100Vと120Vの地域の場合、電池パックの残存容量低下時における放電終止電圧の従来設定方法として、終止電圧を固定値、例えば、終止電圧90Vとした場合、100V地域においては、放電時に電池パックの出力電圧が90Vに達すると出力停止、また、120V地域においても、電池パックの出力電圧が90Vに達すると出力停止することになる。ここで、90V停止時に、100V地域の場合は、出力100Vに対して90Vは10%の電圧低下、120V地域の場合は、出力120Vに対して90Vは25%の電圧低下となる。
そのため、100V地域で使用するユーザーにとって、放電末期の電圧低下、すなわち、出力低下は、官能的に許容範囲内であるが、120V地域で使用するユーザーにとっては、官能的な許容範囲を超えた低い電圧、すなわち、出力不足を感じる状態での使用が継続できることとなり、地域電圧差により、放電末期使用時の使用感低下が生じる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、1種類の電池パックでも、電源電圧特性の地域差に自動的に対応する。具体的には、電池パックの入力端子から入力された電源電圧特性を記憶する手段を有し、その手段により記憶した電源電圧特性(例えば、交流電圧特性)に基づき、出力時の放電終止電圧を変更する。例えば、120V地域と100V地域の場合、入力時に記憶した電源電圧特性に従い、120V地域においては、終止電圧を定格出力の90%の実効値108V、100V地域においては、終止電圧を定格出力の90%の実効値90Vに切り替える。
この電池パックの一具体例においては、1セル当たりの作動電圧範囲が2.5V〜4.0Vであるリチウムイオン電池を50セル直列接続した電池セル群とした場合、電池セル群の作動電圧範囲は、125V〜200Vとなる。そこで、電池セル群の直流電圧を交流電圧波形に変換、および、出力する際、入力時、すなわち、充電時に記憶した電圧特性に基づき、120V地域では、充電電圧上限値を交流波形ピーク電圧と同等の169V、放電終止電圧値を交流波形ピーク電圧の90%の152V、すなわち、電池セル群の使用電圧範囲を152Vから169Vとなるように制御し、100V地域では、充電電圧上限値を交流波形ピーク電圧と同等の141V、放電終止電圧値を交流波形ピーク電圧の90%の127V、すなわち、電池セル群の使用電圧範囲を127Vから141Vとなるように制御する。
この具体例のように、地域ごとに電池セルの作動電圧範囲内における使用範囲を変更することで、電池パック内のセル群構成等を変更することなく、制御処理(例えば、ソフト処理)のみで、利便性を低下させることなく電源電圧特性の地域差に適切に対応することが可能となる。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電源電圧特性の地域差による、放電末期の使用感低下が解消される。
なお、放電終止電圧処理は、その一例においては、電池パックが収容する電池セル群の直流電圧が所定値を下回った場合に出力停止し、また、別の例においては、電池セル群の直流電圧を、放電制御回路により交流電圧に変換した実効値が所定値を下回った場合に出力停止する、というように一つの方法に限定されない。
(13) 当該電池パックは、さらに、外部電源から可変の電源電圧を前記電池セル群へ入力するための入力端子であって前記ケースに収容されたものを含み、
前記電気回路は、さらに、
前記入力端子に前記外部電源が接続された状態で、その外部電源から前記入力端子に入力された電源電圧の特性を検出する検出手段と、
その検出された電源電圧特性に応じて、当該電池パックの充電上限電圧を変更する変更手段と、
当該電池パックの実充電電圧が前記充電上限電圧を超えようとすると、当該電池パックの充電を停止させるかまたは充電電流を減少させる充電制限手段と
を含む(1)ないし(12)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、外部電源が例えば商用電源である場合には、外部電源から供給される交流電圧の特性は、地域により異なる。商用電源の交流電圧に相当する出力を可能とする電池パックにつき、地域ごとに、交流電圧特性に合わせた個々の電池パックの仕様を用意するとした場合には、1種類の電池パックの使用可能領域が減少し、1種類の電池パックの汎用性が低下する。
具体的には、電源電圧特性の地域差に合わせて同じ種類の電池パックを制御することができない場合には、電池パック内部部品、または、電気機器の故障等の信頼性の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などの問題が生じる。
さらに、例えば、前記商用電源の交流電圧波形のピーク値は、100V地域では約141V、120V地域では約169Vである。交流電圧を出力可能電池パックを前記100V地域と120V地域の両方に対応させる場合、電池パックに収容する電池セル群の個数を、電圧の高い120V地域に合わせることが一例として挙げられる。例えば、最大電圧が4.0Vであるリチウムイオン電池セルを42個直列接続して電池セル群を成し、120V地域の交流電圧波形ピーク値169Vと同等の168Vとして、前記168Vの直流電圧を交流変換出力できるような手段を設けた場合、前記電池パックを100V地域にて使用する際、100V地域の交流電圧波形ピーク値約141Vを超過し、接続された電気機器の故障など信頼性に影響する可能性がある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、電池パックの入力端子から入力された電源電圧特性を記憶する手段を有し、その手段により記憶した電源電圧特性に基づき、充電時の充電上限電圧を変更する。
この電池パックの一具体例においては、120V地域と100V地域の場合、前記記憶した交流電圧特性に従い、120V地域においては、充電上限電圧を交流電圧波形ピーク値と同等の168V、100V地域においては、充電上限電圧を前記地域の交流電圧波形ピーク値と同等の141Vに切り替える。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電源電圧特性の地域差に伴う充電電圧超過に起因する信頼性低下が解消する。
(14) 前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、製造終了後、一度も使用されていない場合には、前記放電制御手段による出力制御を禁止する出力制御禁止手段と、
外部電源による当該電池パックの初回充電のために前記外部電源から当該電池パックに入力された電源電圧の特性を検出する検出手段と、
前記電源電圧特性の検出を待って、前記放電制御手段による出力制御を許可するとともに、前記検出された電源電圧特性に応じた特性で出力制御を行うことを前記放電制御手段に指令する出力制御許可手段と
を含む(1)ないし(13)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、外部電源が例えば商用電源である場合には、外部電源から供給される交流電圧の特性は、地域により異なる。商用電源の交流電圧に相当する出力を可能とする電池パックにつき、地域ごとに、交流電圧特性に合わせた個々の電池パックの仕様を用意するとした場合には、1種類の電池パックの使用可能領域が減少し、1種類の電池パックの汎用性が低下する。具体的には、電圧特性の異なる地域に出荷する際、出荷地域に合わせた電圧特性初期設定が必要となり、コストアップにつながる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、当該電池パックの未使用状態を検知する手段を設け、当該電池パックが未使用であることを検知した場合には、出力制御を行わず、充電制御のみを行い、初回充電時に入力した商用電源の電圧特性を記憶する。その記憶処理が実行された後は、通常の出力制御、および、充電制御を行う。
したがって、本項に係る電池パックによれば、製造後に出荷された地域において初回使用時から商用電源電圧特性に確実に合わせることができるため、利便性および信頼性の向上が実現される。
(15) 前記第1情報は、当該電池パックの温度を表す情報を含み、
前記第2情報は、前記少なくとも一つの他の電池パックの温度を表す情報を含み、
前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、前記少なくとも一つの他の電池パックと連結された状態で使用される場合に、当該電池パックの温度であって前記第1情報によって表されるものが、いずれの他の電池パックの温度であって前記第2情報によって表されるものよりも、予め定められた基準温度に近い場合には、当該電池パックが前記電気機器に出力することを許可する一方、そうではない場合には、当該電池パックが前記電気機器に出力することを禁止する出力許可・停止手段と
を有する(3)ないし(7)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができない場合には、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、その電池パック群の中の特定の電池パックに対して充放電が集中的に繰り返され、特定の電池パックの寿命劣化が加速されるおそれがある。
また、一般に、室温から大きく離れた高温、または、低温の電池セルは、その充電、または、放電において、前記温度に伴う電池セルの特性変化に伴い、電池セルの寿命劣化が進行しやすくなる。電池パックが連結接続された電池パック群が使用される際、電池パック群の中の電池パックであって、相対的に寿命劣化に影響する温度である特定の電池パックが連続的に使用された場合、電池パックの寿命劣化が進行しやすくなるおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、互いに連結された電池パック間で、電池パックの温度に関する情報が交換され、電池パック群の中で、基準温度(例えば、室温)に最も近い少なくとも1個の電池パックについて出力が許可され、それ以外の電池パックについては出力が許可されない。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の特定の電池パックの寿命劣化が進行することを抑制できる。
(16) 前記電気回路は、さらに、前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段を有し、
前記第1情報は、当該電池パックの温度を表す情報を含み、
前記第2情報は、前記少なくとも一つの他の電池パックの温度を表す情報を含み、
前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、前記少なくとも一つの他の電池パックと連結された状態で使用される場合に、当該電池パックの温度であって前記第1情報によって表されるものが、いずれの他の電池パックの温度であって前記第2情報によって表されるものよりも、予め定められた基準温度に近い場合には、当該電池パックが充電されることを許可する一方、そうではない場合には、当該電池パックが充電されることを禁止する充電許可・停止手段と
を有する(3)ないし(7)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができない場合には、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、電池パック群の中の特定の電池パックに対して充放電が集中的に繰り返され、特定の電池パックの寿命劣化が加速されるおそれがある。
また、一般に、室温から大きく離れた高温、または、低温の電池セルは、その充電、または、放電において、前記温度に伴う電池セルの特性変化に伴い、電池セルの寿命劣化が進行しやすくなる。電池パックが連結接続された電池パック群が使用される際、電池パック群の中の電池パックであって、相対的に寿命劣化に影響する温度である特定の電池パックが連続的に使用された場合、電池パックの寿命劣化が進行しやすくなるおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、互いに連結された電池パック間で、電池パックの温度に関する情報が交換され、電池パック群の中で、基準温度(例えば、室温)に最も近い少なくとも1個の電池パックについて充電が許可され、それ以外の電池パックについては充電が許可されない。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の特定の電池パックの寿命劣化が進行することを抑制できる。
(17) 当該電池パックは、さらに、電力を外部電源から前記電池セル群へ入力するための入力端子であって前記ケースに収容されたものを含み、
前記放電制御手段は、
当該電池パックの前記入力端子に前記外部電源ではなく、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックである入力側電池パックの出力端子が接続されている状態で当該電池パックの放電を制御する制御部を含み、
その制御部は、当該電池パックの前記出力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックである出力側電池パックの入力端子が接続されているときには、直流電圧を当該電池パックの前記出力端子から前記出力側電池パックの入力端子に出力する一方、当該電池パックの前記出力端子に前記電気機器が接続されているときには、当該電池パックは、前記入力側電池パックから当該電池パックの前記入力端子に入力された直流電圧を交流電圧に変換して、その変換された交流電圧を当該電池パックの前記出力端子から前記電気機器に出力し、
前記出力制御手段は、当該電池パックの前記入力端子に前記入力側電池パックの出力端子が接続されているときに、その入力側電池パックから入力される直流電圧が、当該電池パックにおける前記電池セル群に対して並列に印加されるように、当該電池パックの前記入力端子と前記電池セル群とを互いに接続する並列接続回路を含む(1)ないし(16)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、電池セル群からの放電状態、充電または放電の停止状態、または、待機状態、電池パックの入力端子から入力された電力を前記電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。従来技術においては、複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないため、電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下などのおそれがある。
例えば、交流電圧を出力端子から出力する手段を有する電池パックが複数、互いに連結接続して成る電池パック群において、その電池パック群の出力末端部に位置する電池パックの出力端子から電気機器へ交流電圧を供給する場合には、電池パック群の中の各電池パックは、連結接続される他方の電池パックとの情報交換の結果に基づき、各電池パックの出力順を確定し、その出力順に従い、電池パック群の中の電池パックが少なくとも1個ずつ順に交流電圧を出力する方法が、後述する本発明の一側面による電池パックにより提供される。
この方法によると、例えば、出力中の電池パックの残存容量が低下した場合、連結された他方の残存容量の多い電池パックから出力するよう切り替えられる。そのため、前記切替直前は、前記電池パックの残存容量低下に伴う作動電圧低下により、電気機器へ供給する出力低下が生じやすく、ユーザーが電気機器を使用する際の効率低下につながるおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、当該電池パックの出力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックである出力側電池パックの入力端子が接続されているときには、直流電圧が当該電池パックの出力端子から前記出力側電池パックの入力端子に出力される。一方、当該電池パックの出力端子に電気機器が接続されているときには、当該電池パックは、前記入力側電池パックから当該電池パックの入力端子に入力された直流電圧を交流電圧に変換して、その変換された交流電圧を当該電池パックの出力端子から前記電気機器に出力する。
さらに、本項に係る電池パックによれば、当該電池パックの前記入力端子に前記入力側電池パックの出力端子が接続されているときに、その入力側電池パックから入力される直流電圧が、当該電池パックにおける前記電池セル群に対して並列に印加されるように、当該電池パックの前記入力端子と前記電池セル群とが互いに接続される。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の電池パックの出力を他方の電池パックの出力に切り替える際に生じる出力効率低下を抑制できる。さらに、交流電圧出力が可能な各電池パックを並列接続した閉回路内に、正電圧出力の電池パックと負電圧出力の電池パックとが同時に併存せずに済むため、信頼性が向上する。
(18) 前記放電制御手段は、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、当該電池パックを、前記少なくとも一つの他の電池パックに代わって当該電池パックが放電を行うことを許可する許可状態と、前記少なくとも一つの他の電池パックが放電を行うために当該電池パックの放電を禁止する禁止状態とに切り換える状態切換手段と、
いずれかの電池パックに接続されている前記電気機器が実質的に無負荷状態にある場合には、前記状態切換手段による前記禁止状態から前記許可状態への切換えを許可し、そうではない場合には禁止する切換え許可・禁止手段と
を含む(1)ないし(17)項のいずれかに記載の電池パック。
一般に、複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、前記電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、電池セル群からの放電状態、充電または放電の停止状態、または、待機状態、電池パックの入力端子から入力された電力を前記電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないと、電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などのおそれがある。
また、電池パック群の中で、放電出力を行う電池パックを、他方の電池パックに切り替える際、前記出力が交流電圧の場合、切替時に切替前の電池パックが出力していた交流電圧と、切替後の電池パックが出力する交流電圧の周波数の同期をとる必要があり、そのために回路構成の複雑化を伴うというおそれがある。また、前記出力が直流電圧の場合においても、切替時に、切替素子に流れ込む突入電流や遮断電流等により、前記切替素子の負担が大きく、故障の要因となるおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、連結された電池パック群の出力末端部に位置する電池パックに接続された電気機器が無負荷、または、負荷電流が無負荷に近い所定値未満の場合には、出力を行う電池パックの切替を行う。
したがって、本項に係る電池パックによれば、当該電池パックの回路構成の簡略化や、切替素子の負担軽減に貢献する。
(19) 前記電気回路は、さらに、前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段を有し、
当該電池パックは、さらに、
電力を前記電池セル群へ入力するための入力端子であって前記ケースに収容されたものと、
前記入力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックが接続されていることを電気的に、機械的にまたは光学的に検出する第1検出手段と、
前記出力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックが接続されていることを電気的に、機械的にまたは光学的に検出する第2検出手段と
を含む(1)ないし(18)項のいずれかに記載の電池パック。
複数の電池パックを連結接続する場合には、各電池パックの、電池パック群における位置の情報を認識しないと、各電池パックについて適切な制御処理を行うことができないおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、当該電池パックの入力端子に接続されたものが他の電池パックであるか否か、および当該電池パックの出力端子に接続されたものが他の電池パックであるか否かが判定される。その判定方法は、例えば、他の電池パックとの間での通信手段を用いたり、当該電池パックのケースにスイッチを設けて、他の電池パックに接続される場合にのみスイッチが閉じる構造としたり、当該電池パック内に抵抗素子と、その抵抗素子に接続された端子と、連結される他の電池パックの抵抗素子を検知するため手段とを設け、前記抵抗素子が接続された場合、他の電池パックの制御回路が、前記抵抗素子を介して通電、及び、起動し制御開始したりすることが可能である。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群において、当該電池パックが、その電池パック群における入力末端部および出力末端部に位置することを検知できる。
(20) 前記電気回路は、さらに、前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段を有し、
その充電制御手段は、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、他の電池パックが当該電池パックを充電する電池パック間充電を行うことを許可する許可状態と、前記電池パック間充電を行うことを禁止する状態とに切り換える切換え手段を含む(1)ないし(19)項のいずれかに記載の電池パック。
この電池パックによれば、電池パック間充電により、連結解除後の各電池パックに残存容量を確保できる。さらに、電池パック群の中で、相対的に残存容量が多い電池パックから、相対的に残存容量が少ない電池パックへ充電を行うことで、残存容量の少ない電池パックが早期に過放電に至り寿命劣化を早めることが防止される。
(21) 前記切換え手段は、
いずれかの電池パックに外部電源が接続されているか否かを判定する判定手段と、
その判定手段が、いずれかの電池パックに前記外部電源が接続されていると判定した場合には、当該電池パックを前記許可状態に移行させる一方、前記判定手段が、いずれかの電池パックにも前記外部電源が接続されていないと判定した場合には、当該電池パックを前記禁止状態に移行させる状態制御手段と
を含む(20)項に記載の電池パック。
複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、前記電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、電池セル群からの放電状態、前記充電、または放電の停止状態、または、待機状態、電池パックの入力端子から入力された電力を前記電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないと、電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などのおそれがある。
また、電池パック群において、電池パック群の入力末端部の電池パックに、商用電源が接続されていない場合、電池パック群の中の電池パックは、電池パック群の出力末端部の電池パックに接続された電気機器への負荷電流、または、電池パック間の充電のための充電電流を流す制御を行うことができる。
電池パック間充電は、連結解除後の各電池パックに残存容量を確保できる長所、また、連結された電池パック群の中で、相対的に残存容量が多い電池パックから、相対的に残存容量が少ない電池パックへ充電を行うことで、前記残存容量の少ない電池パックが早期に過放電に至り寿命劣化を早めることを防ぐ長所がある一方、電池パック間充電においては、電池パックの電池セル群から連結された他方の電池パックの電池セル群へ、電力供給側の電池パックの放電制御回路、及び、電力受給側の電池パックの充電制御回路を介して通電するため、電気ロスが生じ、電池パック群として有する残存容量総和が低減し、前記電気機器の駆動時間が低下するおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、電池パック群の入力末端部に位置する電池パックに外部電源が接続される状態を検知し、電池パック群の中の電池パック全てが、外部電源の接続状態を認識する手段を有する。連結接続された電池パック群の各電池パックは、前記情報に基づき、入力末端部の電池パックに外部電源が接続されている場合には、充電許可し、外部電源が接続されていない場合には、充電不許可とする。なお、電池パックに切替スイッチを設け、そのスイッチにより、電池パック間充電を許可、または、不許可とすることも、ユーザーの目的に応じて選択することもできる。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群として有する残存容量の総和の低減を防ぎ、電気機器への供給電力を最大化できる。
(22) 前記電気回路は、さらに、前記電池セル群の充電を制御する充電制御手段を有し、
その充電制御手段は、当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、他の電池パックが、その電池パックに前記電気機器が接続されていない状態から、接続された状態に移行したことに応答して、当該電池パックの充電を停止させるかまたはその充電電流を減少させる(1)ないし(21)項のいずれかに記載の電池パック。
複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、電池セル群からの放電状態、充電または放電の停止状態、または、待機状態、電池パックの入力端子から入力された電力を前記電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないと、電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などのおそれがある。
また、電池パック群において、その電池パック群の中の電池パックが充電を行っている際に、電池パック群の中の出力末端部に位置する電池パックに電気機器が接続され使用された場合、電気機器の負荷電流の大きさによっては、充電中の充電電流と負荷電流との総和が通電許容値を超過し、電気機器が接続直後から使用できず、信頼性および利便性が低下するおそれがある。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、複数の電池パックが連結接続された電池パック群において、出力末端部に位置する電池パックに電気機器が接続されたことを、連結された電池パック群の各電池パックが検知し、電池パック群の中の電池パックにおいて、充電中である電池パックは、充電を一時停止、または、充電電流低減し、電気機器の駆動開始に備える。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群に電気機器を接続した際に、不用意に使用できなくなることを防ぐことができ、信頼性および利便性が向上する。
前述の充電一時停止状態または充電電流低減状態は、例えば、電気機器が接続されてから所定時間が過ぎたら、電気機器の負荷電流を検知しながら、通常の制御に戻ると好適である。
(23) 前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、当該電池パックの存在を示す第1情報を、前記少なくとも一つの他の電池パックに送信する送信手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、前記少なくとも一つの他の電池パックの存在を示す第2情報を前記少なくとも一つの他の電池パックから受信する受信手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、前記少なくとも一つの他の電池パックから受信した前記第2情報に基づき、現在の電池パック群を構成する電池パックの総数を検出する検出手段と、
その検出された総数が所定値を超えた場合に警告を発する警告手段と、前記検出された総数が所定値を超えた場合に前記放電制御手段による放電制御を停止させる停止手段との少なくとも一方と
を含む(1)ないし(22)項のいずれかに記載の電池パック。
複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、電池セル群からの放電状態、充電または放電の停止状態、または、待機状態、電池パックの入力端子から入力された電力を前記電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないと、電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などのおそれがある。
また、電池パック群の中の電池パックの通電容量は、電池パックが有する電池セル群からの放電、前記電池セル群への充電、また、外部電源の電圧を入力端子から出力端子へバイパスするなどの動作の組み合わせに依存する。したがって、連結される電池パックの個数が多く、かつ、電池パック群の入力末端部に近い位置にある電池パックであるほど、前記電池パックの通電容量を超過する可能性が高まり、通電容量超過に伴う回路素子の故障など信頼性に影響する。そのため、前述の一例のように、電流値を測定して充電電流の低減処理を行う方法も良いが、明らかに連結個数が多いような場合には、電流値を測定する時点で故障に至るおそれが生じる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の中の電池パックが、その電池パックが有する通信手段を用いて、電池パック群に含まれる電池パックの総個数を検知し、その総個数が所定値を超えた場合は、制御停止、または、許容個数内での制御許可および不許可の処理を行う。
したがって、本項に係る電池パックによれば、通電容量超過を充電制御開始前、および、放電制御開始前に防ぐことができる。
前記総個数を検知し判断する方法以外に、電池パック群の中の出力末端部から所定値の個数範囲に含まれる電池パックに対しては、制御許可し、前記個数範囲に含まれない電池パックに対しては、制御不許可とする方法でも、上記と同じ効果が得られる。なお、前記許容個数超過状態において、制御停止する際は、個数超過を警告表示すると好適である。
(24) 前記電気回路は、さらに、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、当該電池パックの電気エネルギーの残存容量を表す第1情報を、前記少なくとも一つの他の電池パックに送信する送信手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、前記少なくとも一つの他の電池パックの電気エネルギーの残存容量を表す第2情報を前記少なくとも一つの他の電池パックから受信する受信手段と、
当該電池パックが、前記電池パック群の一部として使用される場合に、前記少なくとも一つの他の電池パックから受信した前記第2情報に基づき、現在の電池パック群を構成する複数の電池パックの電気エネルギーの残存容量の総和を計算する計算手段と、
その計算された総和を当該電池パックにおいて表示するか、または前記電気機器において表示することを可能にする表示手段と
を含む(1)ないし(23)項のいずれかに記載の電池パック。
複数の電池パックが連結接続された電池パック群においては、電池パック群の中の各電池パックが収容する電池セル群への充電状態、電池セル群からの放電状態、充電または放電の停止状態、または、待機状態、電池パックの入力端子から入力された電力を前記電池パックの出力端子へバイパスする状態、など、様々な状態が同時に併存する。
複数の電池パックの連結接続時に適切な制御処理ができないと、電池パック内部部品の故障等の信頼性の低下、電気機器への電力供給効率の低下、ユーザーにとっての使用感や利便性の低下、などのおそれが生じる。電池パックを連結接続し電池パック群を成す場合に、電池パック群全体の残存容量を知ることは、制御適正化のために望ましい。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の各電池パックが、連結接続された他の電池パックの残存容量情報を受信し、その受信結果に基づき、電池パック群全体の残存容量の総和を計算する。特に、出力末端部に位置する電池パックは、前記計算された電池パック群全ての残存容量の総和を表示する。
なお、前記残存容量の総和を表示する具体的な方法は、前記出力末端部の電池パックで表示する方法に限らず、前記出力末端部の電池パックに接続された電気機器が、残存容量の総和に関する情報を受信し、前記電気機器にて前記残存容量の総和を表示する方法も広く包含する。
したがって、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の残存容量の総和を知ることができる。
残存容量の総和を計算する手段の一例においては、電池パック群の中の電池パックが、入力端子側に接続された他の電池パックから残存容量情報を受信し、前記残存容量情報に電池パック自身の残存容量を積算して、出力端子側に接続された他方の電池パックへ送信する。これにより、出力末端部に位置する電池パックは、連結された電池パック群全ての残存容量の総和を計算することができる。
前記残存容量の総和の表示は、例えば、「Wh」、「Ah」等の絶対値表示、「XX%」といった満充電時の残存容量に対する相対値表示、また、電気機器側の消費電力から計算された駆動可能時間など一つに限らない。
さらに、出力末端部に位置しない全ての電池パックは、前記出力末端部に位置しないことを検知し、残存容量表示を消灯する手段を設けることで、電池パックの消費電力低減やユーザーに対する誤認防止に有効である。また、誤認防止を目的として、連結時に表示を必要としない電池パックの表示部位が、連結される他方の電池パックのケースによって物理的に隠れる構造を用いてもよい。
(25) (1)ないし(24)項のいずれかに記載の電池パックを単独でまたはその電池パックと同じ構成を有する少なくとも一つの他の電池パックと直列に連結された状態で収納することが可能な電池パック収納装置であって、
各電池パックは、電力を前記電池セル群に入力するための入力端子を有し、
当該電池パック収納装置は、
少なくとも一つの電池パックを収容することが可能な収容空間を規定するハウジングと、
そのハウジングに対して相対的に、前記収容空間の延びる方向に沿って移動可能であり、それにより、前記収容空間の長さを可変に規定する可動部と、
その可動部に、それと一体的に移動可能に配置された電力供給端子であって、前記入力端子に電力を供給するためにその入力端子に着脱可能に接続されるものと、
前記少なくとも一つの電池パックが前記収容空間に収容された状態で、前記可動部が前記少なくとも一つの電池パックを保持することが可能な位置に前記可動部の位置を保持する保持手段と
を含む電池パック収納装置。
一般に、電気機器等に電池パックを収納可能な収納装置はあるが、従来技術として、交流電圧に相当する出力を可能とする電池パック、または、複数の電池パックを連結接続して成る電池パック群を収納、及び、着脱可能とする装置はない。したがって、交流電圧に相当する出力を可能とする1個の電池パックまたは複数の電池パックを連結接続して成る電池パック群を収納、および、着脱可能とする収納装置において、信頼性および利便性の低下などの問題が生じる。
これに対し、本項に係る電池パック収納装置によれば、1個の電池パックまたは複数の電池パックを連結接続した電池パック群を収納可能な収納装置であって、1個の電池パックまたは電池パック群へ外部電源から電力供給する手段を有する。前記収納装置は、前記電池パックの入力端子に電力を供給するための電力供給端子を有し、その電力供給端子は可動部に設けられる。前記電池パックを前記可動部に接続すると、前記可動部は、その電池パックを前記収納装置内に収納できるように動作する。また、前記電池パックを接続していない状態においては、その電池パックの接続を可能とする位置、例えば、収納装置の表面に可動部が位置するように動作する。また、電池パックを接続しない状態、および、少なくとも1個の電池パックが接続完了した状態のいずれにおいても、可動部の位置がそれぞれの位置に保持される保持手段を有する。
したがって、本項に係る電池パック収納装置によれば、使用感の良い電池パックまたは電池パック群の収納装置を提供できる。
なお、前記収納装置は、電池パック、および、電池パック群を、収納装置の内部に全て納めるような構造とする必要はない。すなわち、接続完了した電池パック、または、電池パック群が、接続状態を保持されながら、利便性を損なわない範囲で収納装置から突出しても良い。
この収納装置は、例えば、住宅や電気自動車の内壁に設置することで、本発明の一実施形態に示す交流出力可能な電池パックを、屋内から屋外まで幅広い範囲で、充電、持ち運び、および、放電という使用サイクルを高い利便性と共に実現できる。
なお、電池パック内に充電制御回路を収容しない場合は、収納装置内に充電制御回路を収容するシステムにしても良い。また、前記収納装置は、前記内壁等に設置するだけでなく、収容装置自体を単独化し、連結された電池パック群をまとめて持ち運び、かつ、まとめて充電等が可能な収納ボックスとしても良い。
(26) 前記収容空間は、互いに直列に連結された複数の電池パックから成る電池パック群を収容する状態で、それら複数の電池パックが積み重ねられる方向に沿って延び、
前記可動部は、前記少なくとも一つの電池パックが前記収容空間に収容された状態で、その少なくとも一つの電池パックのうち、充電のために外部電源に接続されるべき電池パックの複数の部分外周面のうち、前記入力端子が配置された部分外周面に対向する位置に配置され、
前記保持手段は、前記可動部を前記少なくとも一つの電池パックに弾性的に押し付ける弾性部材を含む(25)項に記載の電池パック収納装置。
この電池パック収納装置は、電池パックが有する入力端子および出力端子を、前記電池パックの対面上に配置するため、当該収納装置の利便性が向上する。
(27) (1)ないし(24)項のいずれかに記載の電池パックを単独でまたはその電池パックと同じ構成を有する少なくとも一つの他の電池パックと直列に連結された状態で使用することによって構成された電源から供給される電力によって駆動する電気機器であって、
当該電気機器は、少なくとも一つの電池パックを収納することが可能な収納装置を含み、
その収納装置は、
少なくとも一つの電池パックを収容することが可能な収容空間を規定するハウジングと、
そのハウジングに物理的に関連付けられ、当該電気機器に電力を入力するための電力入力端子であって、前記少なくとも一つの電池パックが前記収容空間に収容された状態で、その少なくとも一つの電池パックのうち、当該電気機器に接続されるべき電池パックの前記出力端子に着脱可能に接続されるものと
を含む電気機器。
一般に、電気機器等に電池パックを収納可能な収納装置はあるが、従来技術として、交流電圧に相当する出力を可能とする1個の電池パック、または、複数の電池パックを連結接続して成る電池パック群を収納、および、着脱可能とする装置はない。したがって、交流電圧に相当する出力を可能とする1個の電池パック、または、複数の電池パックを連結接続して成る電池パック群を収納、および、着脱可能とする収納装置において、信頼性、及び、利便性の低下などの問題が生じる。
一般に、電池パックを電源として駆動する電気機器は、前記電池パックと前記電気機器を接続する接続部を有する。前記電気機器の駆動時間を延長する目的として、電池パックを複数個並列接続できるような接続部を有する電気機器が従来技術としてある。しかし、前記並列接続可能な接続部に対応する個数の電池パックを全て接続しない場合、電池パックが接続されない接続部が露出するため、使用感の低下や外部からの衝撃等による信頼性低下などの課題が生じる。
これに対し、本項に係る電気機器によれば、1個の電池パック、および、複数の電池パックを連結接続して成る電池パック群から電力を受給し駆動可能な電気機器が提供される。この電気機器は、前記電池パック群を収納可能な収納装置を有し、その収納装置は、1個の電池パックの出力端子、および、複数の前記電池パックを連結接続して成る電池パック群の出力末端部に位置する電池パックの出力端子と接続可能な電力入力端子を有する。その電力入力端子は前記収納装置が有する可動部に配置され、少なくとも1個の電池パックを接続すると、その電池パックを前記収納装置内に収納できるように可動部が動作する。
また、前記電池パックを接続していない状態では、その電池パックの接続を可能とする位置、例えば、収納装置の表面に可動部が位置するように動作する。また、電池パックを接続しない状態、及び、少なくとも1個の電池パックが接続完了した状態のいずれにおいても、前記可動部の位置が保持される保持手段を有する。特に、前記収納装置に収納可能な電池パックは、前記電池パックが有する入力端子、および、出力端子を、前記電池パックの対面上に配置すると、前記収納装置の利便性が向上し好適である。
したがって、本項に係る電気機器によれば、当該電気機器への電力供給を目的とした信頼性、および、利便性の高い電池パック群の収納装置を提供できる。
なお、前記電気機器の収納装置に接続される電池パックの交流、または、直流等の出力方式は問わず、電気機器に合わせて選択すると良い。
また、収納装置に、電池パック群の収納完了後に、電池パック全体を覆う蓋部を設けると、粉塵、水等の浸入に対する信頼性を向上することもできる。また、前記収納装置は、前述の粉塵、水等の浸入の懸念がなければ、1個の電池パックおよび電池パック群を、収納装置の内部に全て納めるような構造とする必要はない。すなわち、接続完了した電池パック、または、電池パック群が、接続状態を保持されながら、利便性を損なわない範囲で収納装置から突出しても良い。また、収納装置は、前記電気機器に設置するだけでなく、収容装置自体を単独化し、連結された電池パック群をまとめて持ち運び、かつ、収納した電池パックの個数分だけ出力が可能な収納ボックスとしても良い。
(28) 前記放電制御手段は、
前記電池パック群に属する複数の電池パックのうち前記電池パック群の出力末端部に位置するものの前記出力端子に実際に前記電気機器が接続されているか否かを判定する判定部と、
前記出力末端部に位置する電池パックの出力端子に実際に前記電気機器が接続されていると判定された場合には、当該電池パックまたは他の電池パックが、前記出力末端部に位置する電池パックの出力端子から前記電気機器へ電圧を出力することを、許可する一方、そうではない場合には、禁止する出力許可・禁止部と
を含む(1)ないし(24)項のいずれかに記載の電池パック。
複数の電池パックを連結接続して成る電池パック群において、その電池パック群の出力末端部に位置する電池パックの出力端子に電気機器が接続されていない場合、電池パック群の各電池パックが有する放電制御手段により無負荷出力を行いながら、電気機器が接続されるまで待機すると、各電池パックの残存容量が低下する。
また、各電池パックが高電圧出力状態で待機する状態は、水等の浸入による絶縁破壊や感電等の信頼性低下にもつながる。
これに対し、本項に係る電池パックによれば、電池パック群の各電池パックが、前記電池パック群の出力末端部に位置する電池パックの出力端子に電気機器が接続されていることを検知した場合は、電池パック群の少なくとも1個の電池パックが、前記電池パックの出力端子からの電圧出力を行い、そうでない場合は、電池パック群の全ての電池パックが、前記電池パックの出力端子からの電圧出力を停止する。
したがって、本項に係る電池パックによれば、上記待機状態における消費電流が低減し、また、絶縁破壊や感電等に関する信頼性が向上する。
以下、本発明の第1実施形態に従う電池パック100を図1ないし図6に基づいて説明する。
図1には、電池パック100の外観が概略的に示され、図2および図3には、電池パック100が機能ブロック図で概略的に表されている。また、図4には、電池パック100の制御シーケンスがフローチャートで概念的に表され、図5および図6には、電池パック100の内部構造が概略的に示されている。
図1は、電池パック100の外観を示す。この電池パック100は、後述する内部構成部品を前面ケース101と後面ケース102により収容している。前面ケース101には、コンセントプラグの挿入に応じて可動するコンセントカバー103と、電池パック100に収容される電池セルの残存容量を示す残存容量表示ライト104とが配置されている。また、後面ケース102には、図示しない充電端子124(図3参照)が配置されている。
電池パック100の望ましい一形態として、1個の電池パックが複数の電池モジュールを収容する方式を説明する。1個の電池パックに用いる電池セル総数は、複数の電池セルが直列接続されて成る電池セル群の直流電圧を正逆発振して商用電圧に相当する実効値を出力できるような個数とする。電池モジュールは、1個の電池パックが有する電池セル総数より相対的に少ない個数の電池セルを直列接続して電池モジュールのケース内に収容する。この際、電池モジュールの個数は、少なくとも2個とし、一方、1個の電池モジュールに収容する電池セルの個数は、電池パックに有する電池セルの総数の約数とすると良い。
電池セルの種類は、リチウムイオン電池を望ましい一形態とするが、その適用可能な複数のバリエーションは、電池パックに収容して電圧出力が可能な2次電池等を広く包含する。
図2は、電池パック100が収容する電池モジュール110の機能ブロック図を示す。
各電池モジュール110においては、9個の電池セル111が直列接続され、それら電池セル111は、電池モジュール充電用FET112および電池モジュール放電用FET113を介し、電池モジュール入出力部114に接続される。
各電池モジュール110は電池モジュールコントローラ115を有する。この電池モジュールコントローラ115は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、セル電圧検知のための電圧モニタ線116、および、セル温度検知のための温度センサ117を用いて、電池セル111の状態を検知し、さらに、その結果に応じて、電池モジュール充電用FET112と電池モジュール放電用FET113を用いて所定の制御を行う。また、電池モジュールコントローラ115は、電池モジュールコントローラデジタル通信部118を有しており、後述のメインコントローラ125とデジタル通信を行う。
図3は、電池パック100の機能ブロック図を示す。直列接続された4個の電池モジュール110は、4個のFETを主要な素子として構成される放電制御部120と出力切替部121とを介して交流出力端子122に接続され、また、1個のSCRを主要な素子として構成される充電制御部123を介して充電端子124に接続される。
電池パック100はメインコントローラ125を有する。このメインコントローラ125は、マイクロコンピュータを主体として構成されており、バックアップ付電源回路126より電力供給を受けて駆動し、電池モジュール110の電圧を検知する電池モジュール電圧検知部127、コンセントカバー103の動作を検知するコンセント差込検知部128、充電端子124に商用電源が接続されたことを検知する充電端子入力検知部129、および、電流検知部(例えば、電流検出抵抗器)130に接続されている。また、メインコントローラ125は、電池モジュールコントローラデジタル通信部118を介して、電池モジュールコントローラ115とデジタル通信を行う。
これに対し、電池モジュールコントローラ115は、電池セル111の電圧、温度、およびメインコントローラ115から受信した情報に基づき、電池モジュール110の充電および放電のそれぞれの可否を判断し、その結果に応じて、電池モジュール充電用FET112および電池モジュール放電用FET113を制御し、選択的にそれらFET112,113の入出力および停止を行う。また、電池モジュールコントローラ115は、前述の電池セル111の状態や制御情報をデジタル通信にてメインコントローラ125に送信する。
メインコントローラ125は、電池モジュール110の電圧、電流、およびデジタル通信にて電池モジュール110より受信した情報に基づき、電池パック100の充電および放電のそれぞれの可否を判断し、その結果に応じて、充電制御部123および放電制御部120を制御し、選択的に電池パック100の入出力および停止を行う。また、メインコントローラ125は、充電および放電のそれぞれの可否の判断結果を電池モジュールコントローラ115へ送信する。
放電制御部120は、よく知られているように、電池セル111と交流出力端子122との間に接続された複数のスイッチとしての4個のFET(各FETは、スイッチと、そのスイッチをバイパスするダイオードとの並列回路と等価である)の状態を選択的にオン・オフに切り替えることにより、電池セル111から交流出力端子122に向かう電流の流れを交互に変化させ、それにより、電池セル111の直流電圧を交流電圧に変換する回路である。
放電制御部120は、例えば、図3において上から1番目のFETと2番目のFETと3番目のFETと4番目のFETとをいずれもオフにする非出力状態と、1番目のFETと4番目のFETとをいずれもオンにする一方、2番目のFETと3番目のFETとをいずれもオフにする正出力状態と、1番目のFETと4番目のFETとをいずれもオフにする一方、2番目のFETと3番目のFETとをいずれもオンにする負出力状態とを、商用電源周波数のもと、選択的に実現することを繰り返す。それにより、パルスの平均値が商用電源の正弦波形になるように出力信号が発振させられ、その結果、正弦波が擬似的に出力される。
放電制御部120は、商用電源電圧に相当する交流電圧、例えば、正弦波、または、矩形波を出力する。特に、出力電圧の実効値が商用電源電圧の実効値に相当する一定値を保つように制御すると、ユーザーが電池セル群の残存容量低下に伴う出力低下を感じることなく使用できる。また、電池セル群の残存容量低下に伴う電圧低下時まで交流出力波形を商用電源電圧の正弦波に近づけるために、電池セル群の直流電圧が商用電源電圧よりも相対的に低い場合、昇圧回路を用いて電池セル群の直流電圧を昇圧してから正逆発振しても良い。
メインコントローラ125および電池モジュールコントローラ115は、電池セル111等が、例えば、過放電、高温、過負荷といった放電を許可できない状態であるか否かを判定し、その結果に応じて、選択的に電池セル111の出力および停止を行う。また、電池パック100は、コンセントカバー103に連動するコンセント差込検知部128を有し、そのコンセント差込検知部128を用いて、メインコントローラ125が、交流出力端子122に電気機器等のコンセントプラグが接続される状態であるか否かを判定し、その結果に応じて、選択的に電池パック100の出力および停止を行う。
充電制御部123は、商用電源等の交流電圧を直流電圧に変換し、電池セル群の充電を行う。特に電池セルにリチウムイオン電池を用いて充電する場合、電池セル電圧が所定電圧に達するまでは上限電流を設けた電流制御を行い、電池セル電圧が所定電圧に達してからは、充電中の電池セル電圧が前記所定電圧を超えないように電流制御を行う。例えば、電池セル電圧および充電電流を検知し、電池セル111の状態に適した充電電流と充電電圧が目的の値となるようにSCRの点弧角を制御すると良い。
メインコントローラ125および電池モジュールコントローラ115は、電池セル111等が、例えば、過充電、高温、過電流充電といった充電を許可できない状態であるか否かを判定し、その結果に応じて、選択的に電池セル111の充電および停止を行う。電池パック100は、充電端子入力検知部129を有し、その充電端子入力検知部129を用いて、メインコントローラ125が、充電端子124に充電可能な電圧が入力される状態であるか否かを判定し、その結果に応じて、選択的に電池パック100の充電および停止を行う。
電池パック100の出力切替部121は、後述する制御シーケンスに従い、出力切替部121のA側、すなわち、充電端子124側、または、出力切替部121のB側、すなわち、放電制御部120側のいずれかと選択的に接続する。これにより、交流出力端子122からは、充電端子124から入力した商用電源等の交流電圧、または、電池セル群の直列電圧を放電制御部120により交流変換した交流電圧を選択的に出力することができる。
図4は、電池パック100の制御シーケンスを示すフローチャートである。
ステップS101において、メインコントローラ125が、充電端子124に商用電源等の外部電源の交流電圧が入力される状態を検知したか否かを判定する。検知した場合には、ステップS102に移行し、一方、検知しなかった場合には、ステップS103に移行する。
また、このステップS101においては、電池パック100が、製造終了後、一度も使用されていない場合には、ステップS103へ移行することを禁止し、後述する交流電圧特性の記憶完了を待って、ステップS103へ移行することを許可する。
ステップS102においては、メインコントローラ125が、出力切替部121をA側に接続する。これにより、充電端子124から交流出力端子122への通電経路、および、充電端子124から充電制御部123を介して電池モジュール110へ充電する経路が形成される。
なお、充電端子124に商用電源等の交流電圧が入力される状態において、メインコントローラ125が、充電端子124から交流出力端子122への通電経路に流れる電流が、出力切替部121等に負担がかかる過負荷状態に近づいていることを検知した場合は、出力切替部121をB側に接続し、前記経路を遮断しても良い。また、充電端子124から交流出力端子122への通電経路に流れる電流を遮断する遮断手段として、充電端子124と出力切替部121との間にブレーカ等の遮断素子を設けても良い。
ステップS104において、メインコントローラ125および電池モジュールコントローラ115は、電池セル111など、電池パック100に収容される、充電制御に関わる各要素が充電可能な状態であるか否かを判定し、それに応じて、選択的にステップS105の充電制御、または、ステップS107の充電停止を実行する。
ステップS105の充電中において、交流出力端子122に電池パック100の外部の電気機器の電力入力用のコンセントプラグ(図示しない)が接続された場合、電池パック100は、充電端子124から入力された商用電源等の交流電力を前記電気機器へ直接電力供給できる。
また、ステップS105の充電中において、製造終了後初めて充電が行われる場合、メインコントローラ125は、充電端子124より入力した交流電圧特性、例えば、実効電圧を検知する。また、製造終了後初めての充電ではない場合、前回の充電時に後述するステップS106の実行によって記憶された交流電圧特性、例えば、実効電圧をメモリから読み込む。メインコントローラ125は、前記実効電圧に応じて、電池パック100の充電上限電圧を設定する。実効電圧が高いほど、充電上限電圧は高く設定される。メインコントローラ125は、電池パック100の実充電電圧が前記充電上限電圧を超えようとすると、電池パック100の充電を停止させるかまたは電池パック100の充電電流を減少させる。
ステップS105の充電が完了すると、ステップS106において、メインコントローラ125は、充電端子124より入力した交流電圧特性、例えば、実効電圧、および、周波数をメインコントローラ125の、図示しないメモリ(例えば、EEPROM)に記憶する。なお、前記記憶の方法として、充電端子124より入力した交流電圧を測定し、その測定結果に基づいて記憶する方法の他に、後述の入力側電池パック通信部150を用いて、入力端子側に連結接続される他の電池パックから受信した交流電圧の特性を表わす情報に基づいて記憶する方法を用いても良い。前記実効電圧の一例として、地域別に100V、120V、また、前記周波数の一例として地域別に50Hz、60Hzが挙げられる。
ステップS103においては、メインコントローラ125が、出力切替部121をB側に接続する。これにより、充電端子124から充電制御部123を介して電池モジュール110へ充電する経路、および、電池モジュール110から放電制御部120を介して交流出力端子122へ放電する経路が形成される。
ステップS108において、メインコントローラ125は、電池パック100の外部の電気機器の電力入力用のコンセントプラグ(図示しない)が、電池パック100の交流出力端子122に差し込まれたか否かを判定する。このステップS108において、電気機器の電力入力用のコンセントプラグが電池パック100の交流出力端子122に差し込まれたことを検知すると、ステップS109へ移行する。
ステップS109においては、メインコントローラ125および電池モジュールコントローラ115が、電池セル111等が放電可能な状態であるかを検知し、その結果に応じて、選択的にステップS110の放電制御、または、ステップS111の放電停止を実行する。ステップS110の放電制御においては、ステップS106において記憶された交流電圧特性に基づき交流出力端子122の出力を変更する。なお、前述の出力の変更は、電池パックに設けたスイッチ等で選択する手段を用いることもできる。ステップS111において放電停止した以降は、電池セルの残存容量がないため、充電が必要となり、ステップS102へ移行する。
また、ステップS109においては、メインコントローラ125が、前記交流電圧特性、例えば、実効電圧に応じて、電池パック100が放電を終止するときの電圧条件(例えば、放電下限電圧)を設定する。実効電圧が高いほど、放電下限電圧は高く設定される。メインコントローラ125は、前記電圧条件が成立、例えば、電池パック100の実放電電圧が前記電圧条件を下回ると、放電を停止させる。
図5は、電池パック100の内部構造を示す側面図である。メインコントローラ125に接続された4個の電池モジュール110、充電端子124、交流出力端子122、コンセントカバー103、コンセントカバースプリング140などは、前面ケース101と後面ケース102を用いて収容される。
ケース101と102との間に隔壁141を介在させることで、コンセントカバー103と前面ケース101との間の隙間等からメインコントローラ125や電池モジュール110への異物侵入を防ぐことができる。隔壁141は、ゴム等の絶縁性を有する弾性体を用いて、電気機器の電力入力用のコンセントプラグが交流出力端子122へ挿入される部位のみに切り込み部(例えば、長細い貫通穴、スロット)を有するように、構成することが望ましい。
また、電気機器の電力入力用のコンセントプラグの挿入にあたり、電池パック100においては、コンセントカバー103が、電池パック100の後面ケース102によって背後から支持される弾性体である隔壁141を押して変形させ、その結果、コンセントカバー検知部128に設けられたコンセントカバースイッチ131がオンする。それにより、放電制御のシーケンスへ移行する。
図6は、電池パック100が2個、互いに直列に連結されることによって電池パック群(電池パックユニット)が構成される態様で使用される場合の一例を示している。この使用例においては、説明の便宜上、一方の電池パック100を「100A」、他方の電池パック100を「100B」として表記上区別する。
この使用例においては、電池パック100Aに電池パック100Bが連結されている。電池パック100Bのケース後面係合部142Bが、電池パック100Aのケース前面係合部143Aに係合するとともに、電池パック100Bの充電端子124Bが電池パック100Aの交流出力端子122Aに挿入されることにより、2個の電池パック100Aおよび100Bが機械的にかつ電気的に互いに接続される。
また、電池パック100Aと電池パック100Bとの係合部は、例えば、図6に示すように、ケース後面係合部142Bのように、ケース前面係合部143Aの表面との合わせ面の延びる方向とは交差する方向に延びるリブ(例えば、凸部)を設け、それにより、2個の電池パック100A、100Bの端子接続部(すなわち、充電端子124Bと交流出力端子122Aとの接続部)における合わせ面(すなわち、コンセントカバー103の露出面とケース後面係合部142Bの表面との合わせ面)が、電池パック100A、100Bの外部空間に露出しないようにする。これは、電池パック100A、100Bの外部空間から端子接続部へ異物が直接侵入することを防ぐために望ましい構造である。なお、図6に示すリブの形状は、一実施例であり、2個の電池パック100Aおよび電池パック100Bを互いに係合させるための形状は、この限りでない。
複数の電池パックを互いに連結する方式は、図6に示すように、2個の電池パックを互いに連結する方式に限らず、3個以上の複数の電池パックを互いに連結する方式を含む。
後者の方式を採用する場合には、互いに連結された複数の電池パックについては、図4の制御シーケンスに従い、電池パックごとに、充電、放電および停止の制御を行う。
具体的には、各電池パック100は、充電端子124より、商用電源、または、自身の電池パック100の充電端子124側に接続された少なくとも一つの他方の電池パック100のうちのいずれかの交流電圧を入力し、充電を行う。また、各電池パック100は、交流出力端子122より、自身の電池パック100の充電端子124側に接続された商用電源(図示しない)と、自身の電池パック100の充電端子124側に接続された他方の電池パック100の交流電圧と、自身の電池パック100の電池セル111群の直流電圧を交流変換した交流電圧とのうちのいずれかを出力する。各電池パック100の交流出力端子122より出力される交流電圧は、自身の電池パック100の交流出力端子122側に接続される電気機器(図示しない)と、他方の電池パック100とのうちのいずれかへ供給される。
以上より、複数連結接続されて電池パック群と成る電池パック100であって本発明の一実施形態に従うものについては、商用電源に接続される充電端子124、および、電気機器に接続される交流出力端子122は、連結される電池パック100の個数にかかわらず同じ充電端子124、および、同じ交流出力端子122を共用し、かつ、同じ端子接続方法を実現し、また、交流出力端子122から電気機器へ供給される電力は、連結される電池パック100の個数にかかわらず同じ電圧特性を有するように実現される。さらに、電池パック群における個々の電池パック100の残存容量は自動的に調整され、連結個数に応じた放電容量を実現できる。すなわち、本実施形態によれば、電気機器の使用時間に応じて連結個数を選択するだけという簡単な取り扱い方法を提供できる。
充電端子124として機能するコンセントプラグの一例は、図5に示すコンセントプラグの位置(使用位置)から90度回転し、電池パック100のケース後面に沿って延びる格納位置であってケース表面より内側の位置に格納可能にする手段を有する。この例によれば、未使用時のコンセントプラグが外部から衝撃を受け難くなる。また、コンセントプラグの周囲からの衝撃を防ぐための保護カバーを設け、その保護カバーをコンセントプラグの差し込み動作に連動して開閉させてもよい。
次に、本発明の第2実施形態に従う電池パック100−2を図7および図8に基づいて説明する。
図7は、電池パック100−2の機能ブロック図を示す。以下、電池パック100−2の機能を説明するが、重複した説明を省略するため、図1に示す電池パック100に対して付加された機能のみを説明する。
電池パック100−2は、図1に示す電池パック100に対して付加された機能ブロックとして、入力側電池パック通信部150および出力側電池パック通信部151を有しており、いずれもメインコントローラ125−2に接続されている。
入力側電池パック通信部150は、複数の電池パック100−2が連結接続される際に、充電端子124側に接続される他方の電池パック100−2が有する出力側電池パック通信部151と接続される。これに対し、出力側電池パック通信部151は、複数の電池パック100−2が連結接続される際に、交流出力端子122−2側に接続される他方の電池パック100−2が有する入力側電池パック通信部150と接続される。これにより、複数の電池パック100−2が連結接続されると、各電池パック100−2が有する各メインコントローラ125−2が通信を行い、各種制御処理を行うために必要な情報の送受信を行う。
ここに、「制御処理」とは、放電制御処理、充電制御処理および状態表示処理のうちの少なくとも一つであり、特に、放電制御処理および充電制御処理には、メインコントローラ125−2、および、そのメインコントローラ125−2に接続される複数の電池モジュール110の制御が関連付けられ、それにより、電池パック単独としての信頼性の向上を実現できる。以上より、複数の電池パック100−2が互いに連結されて成る電池パック群における各電池パック100−2が適切な制御処理を行うことを実現する。
図8は、第2実施形態の電池パック100−2の制御シーケンスを示すフローチャートである。電池パック100−2の制御シーケンスに従う制御処理を説明するが、重複した説明を省略するため、第1実施形態の電池パック100の制御処理(図4参照)に対して付加された制御処理のみを説明する。
ステップS104において、メインコントローラ125−2および電池モジュールコントローラ115は、電池セル111など、電池パック100−2に収容される、充電制御に関わる各要素が充電可能な状態であるか否かを検知し、充電可能な状態でなければ、ステップS107の充電停止に移行し、一方、充電可能な状態であれば、ステップS201へ移行する。
ステップS201においては、メインコントローラ125−2が、複数の電池パック100−2が連結接続された電池パック群において、充電端子124側に接続された他方の電池パック100−2から流れ込む電流値(充電前の電流値)を電流検知部130を用いて検知する。
メインコントローラ125−2は、さらに、その検知された電流値に、電池セル111を充電するために予定される充電電流値の計算値(例えば、予め設定された通電容量上限値から、予め設定された充電電流最大値を差し引くことによって求める)、または充電中の充電電流の測定値(電流検知部130を用いて求める)を加えた場合の通電電流値の総和が、電池パック100−2の通電容量の許容範囲を示す通電容量上限値(例えば、15A)以内であるかを判定する。通電容量上限値を超えた場合は、ステップS107の充電停止に移行し、一方、通電容量上限値を超えない場合は、ステップS202へ移行する。したがって、入力端子(充電端子)124側に接続された他方の電池パック100−2の通電容量上限値を超過するか否かを判定することができる。
ステップS202においては、メインコントローラ125−2が、複数の電池パック100−2が連結接続されて成る電池パック群の各電池パック100−2と通信を行い、各電池パック100−2の残存容量情報を認識する。メインコントローラ125−2は、その認識された残存容量情報に基づき、自身の電池パック100−2の残存容量を、それに連結接続された他方の電池パック100−2の残存容量と比較する。自身の電池パック100−2の残存容量が前記電池パック群の中で最少である場合には、ステップS105の充電制御へ移行し、一方、最少ではない場合は、ステップS203へ移行する。
自身の電池パック100−2の残存容量が前記電池パック群の中で最少ではないという判断は、正確には、電池パック群の中に、残存容量が最少であり、かつ、同等である複数の電池パックが存在する場合(例えば、残存容量がそれぞれ80%、60%、20%、20%および20%である5個の電池パックが存在する場合)を含む。ステップS203においては、自身の電池パック100−2を含め、残存容量が最少で、かつ、同等である複数の電池パックがあるか否かを判定する。そうである場合には、ステップS204に移行し、一方、そうでない場合は、ステップS107の充電停止へ移行する。
ステップS204において、メインコントローラ125−2は、残存容量が最少で、かつ、同等である複数の電池パックの各々につき、電池モジュールコントローラ115より受信した検知温度(図2に示す温度センサ117によって検知された、電池モジュール110の温度)と電池セルの寿命低下に影響が少ないとされる代表的な温度値(予め定められた基準温度であり、例えば、摂氏25度)との間の温度差を計算する。その温度差は、計算値の符号が正負のいずれであるかを問題にしない値、すなわち、絶対値として定義される。
自身の電池パック100−2のメインコントローラ125−2は、それに連結接続された他方の電池パックとの通信により、前述の計算方法と同様にして各電池パックごとに取得される前述の温度差の情報を認識する。ここで、ステップS203の実行によって認識された残存容量が最少で、かつ、同等である他方の電池パック100−2の前記温度差と比較し、自身の電池パック100−2の温度差が最少である場合は、ステップS105の充電制御へ移行し、一方、最少ではない場合は、ステップS205へ移行する。
自身の電池パック100−2の前述の温度差が最少でないという判断は、正確には、電池パック群の中に、温度差が最少、かつ、同等である複数の電池パックが存在する場合を含む。ステップS205においては、自身の電池パック100−2を含め、前記温度差が最少で、かつ、同等である複数の電池パックがあるか否かを判定する。そうである場合には、ステップS206へ移行し、一方、そうでない場合は、ステップS107の充電停止へ移行する。
ステップS206においては、メインコントローラ125−2が、前記温度差が最少で、かつ、同等である他方の電池パックとの通信により、前記各電池パックの劣化状態を認識する。各電池パック100−2の劣化状態は、例えば、各電池パックの充放電回数の累積値、または、各電池パックが収容する電池セル群の内部抵抗値を用いて定義することが可能である。充放電回数の累積値が大きいほど、または、電池セル群の内部抵抗値が大きいほど、電池パックの劣化量が多いと判断される。メインコントローラ125−2は、自身の電池パック100−2の劣化状態を他方の電池パック100−2の劣化状態と比較する。自身の電池パック100−2の劣化量が最少である場合に、ステップS105の充電制御へ移行し、一方、最少ではない場合には、ステップS107の充電停止へ移行する。
以上より、電池パック群の中の特定の電池パックが集中的に使用されることに起因する寿命劣化の進行を防ぐことができる。なお、前述の残存容量、温度差、および、劣化状態の最少判断に関しては、例えば、5個の電池パックが連結接続された電池パック群の場合、前記最少判断に基づき優先的に充電を実行する電池パックを1個、および、前記1個の電池パックの充電が完了するまで、他方の4個の電池パックは待機状態としても良いし、また、例えば、5個の電池パック群の中の3個の電池パックが優先的に、かつ、同時に充電を実行し、他方の2個の電池パックは待機状態としても良い。
前述の処理によってステップS105の充電制御処理が開始され、メインコントローラ125−2は、ステップS207において、電池パック群の出力末端部(すなわち、電池パック群を構成する複数の電池パックであって一列に並んだもののうち、電気機器に電力を出力するためにその電気機器が接続されるべきもの)に位置する他方の電池パック100−2の交流出力端子122−2に電気機器が接続された状態であるか否かを判定する。メインコントローラ125−2は、例えば、前述のコンセントカバースイッチ131がオフの場合には、交流出力端子122−2に電気機器が接続されていないと判定し、一方、コンセントカバースイッチ131がオンであり、かつ、その接続相手との通信とによってその接続相手が電気機器であることが判明した場合には、交流出力端子122−2に電気機器が接続されていると判定する。
自身の電池パック100−2の交流出力端子122−2に電気機器が接続されている場合には、ステップS208において、メインコントローラ125−2は、自身の電池パック100−2の充電を一時停止する。一方、自身の電池パック100−2の交流出力端子122−2に電気機器が接続されない場合には、その電池パック100−2が有する電池セル111が満充電状態に到達するまで、または、その電池パック100−2の内部において充電許可できない状態が発生し充電遮断を必要とするまで、充電状態を維持する。ステップS208の充電一時停止処理では、例えば、10秒間、また、1分間という時間だけ充電を停止し、ステップS201に帰還し、充電制御を再開する。
ステップS108において、メインコントローラ125−2は、自身の電池パック100−2の交流出力端子122−2に他方の電池パック100−2が接続されているか否かを判定する。メインコントローラ125−2は、例えば、前述のコンセントカバースイッチ131がオフの場合には、交流出力端子122−2に他方の電池パック100−2が接続されていないと判定し、一方、コンセントカバースイッチ131がオンであり、かつ、その接続相手との通信によってその接続相手が電池パック100−2であることが判明した場合には、交流出力端子122−2に電池パック100−2が接続されていると判定する。
自身の電池パック100−2の交流出力端子122−2に他方の電池パック100−2が接続されている場合には、ステップS209において、メインコントローラ125−2は、電池パック群を構成する電池パックの総個数を認識する。メインコントローラ125−2は、例えば、自身の電池パック100−2に連結された他方の各電池パック100−2との通信により、各電池パックが保有するデータであって、電池パックが存在することを意味するデータ(N=1)を他方の電池パックから個別に受信し、その受信したデータ(N=1)を積算することにより、電池パック群に存在する電池パック100−2の総個数(ΣN)を認識する。
電池パックの総個数が、電池パックとしての信頼性の確保が困難とされる所定値を超えた場合には、ステップS210において、ユーザーに対して、電池パック100−2の連結個数が多過ぎることを示す警告表示を行う。その後、ステップS111に移行し、放電制御を実行しない。
図8は、電池パックの総個数が所定値を超えた場合に放電制御を許可しない制御シーケンスを示している。これに対し、図8は示していないが、電池パックの総個数が所定値を超えた場合には、それにもかかわらず、総個数の電池パックの中から特定の個数の電池パックについてだけ、充電を許可する態様を採用することが可能である。
具体的には、例えば、複数の電池パック100−2が連結接続された場合、電池パック群において、電池パックが、その電池パック群の入力末端部(すなわち、電池パック群を構成する複数の電池パックであって一列に並んだもののうち、商用電源等、充電用の外部電源から電力を受け取るためにその外部電源が接続されるべきもの)に近づくほど、その電池パックに流れる電流値が通電容量上限値を超過する可能性が高い。この知見に基づき、電池パック群としての総個数に対して超過判断を行い、そのうえで充電の許否を判定するのではなく、電池パック群の中の出力末端部から数えて所定数の領域に位置する各電池パックは、電池パックの総個数が所定値を超えた場合であっても、充電を許可するようにすることが可能である。
ステップS109において、メインコントローラ125−2および電池モジュールコントローラ115は、電池セル111など、電池パック100−2に収容される、放電制御に関わる各要素が放電可能な状態であるかを判定する。放電可能な状態でなければ、ステップS111の放電停止に移行し、一方、放電可能な状態であれば、ステップS211へ移行する。
ステップS211においては、メインコントローラ125−2が、複数の電池パック100−2が連結接続されて成る電池パック群における各電池パック100−2と通信を行い、他の各電池パック100−2の残存容量情報を認識する。メインコントローラ125−2が、その認識された残存容量情報に基づき、自身の電池パック100−2に連結接続された他方の電池パック100−2の残存容量と比較する。自身の電池パック100−2の残存容量が前記電池パック群の中で最多である場合は、ステップS110の放電制御へ移行し、一方、最多ではない場合は、ステップS212へ移行する。
自身の電池パック100−2の残存容量が前記電池パック群の中で最多ではないという判断は、正確には、電池パック群の中で残存容量が最多、かつ、同等である複数の電池パックがある場合を含む。ステップS212においては、自身の電池パック100−2を含め、前記残存容量が最多で、かつ、同等である複数の電池パックがあるか否かを判定する。そうである場合には、ステップS213に移行し、一方、そうでない場合は、ステップS111の放電停止へ移行する。
ステップS213においては、メインコントローラ125−2が、電池モジュールコントローラ115より受信した検知温度(図2に示す温度センサ117によって検知された、電池モジュール110の温度)と電池セルの寿命低下に影響が少ないとされる代表的な温度値(例えば、摂氏25度)との間の温度差を計算する。その温度差は、その計算値の符号の正負を問題にしない値、すなわち、絶対値として定義される。
自身の電池パック100−2のメインコントローラ125−2は、それに連結接続された他方の電池パックとの通信により、前述の計算方法と同様にして各電池パックごとに取得される前述の温度差の情報を認識する。ここで、ステップS212の実行によって認識された残存容量が最少で、かつ、同等である他方の電池パック100−2の前記温度差と比較する。自身の電池パック100−2の温度差が最少である場合は、ステップS110の放電制御へ移行し、最少ではない場合は、ステップS214へ移行する。
自身の電池パック100−2の前述の温度差が最少でないという判断は、正確には、電池パック群の中で温度差が最少、かつ、同等である複数の電池パックがある場合を含む。ステップS214においては、自身の電池パック100−2を含め、前記温度差が最少で、かつ、同等である複数の電池パックがある場合には、ステップS215に移行し、一方、そうでない場合は、ステップS111の放電停止へ移行する。
ステップS215においては、メインコントローラ125−2が、前記温度差が最少で、かつ、同等である他方の電池パックとの通信により、各電池パックの劣化状態を認識する。メインコントローラ125−2は、自身の電池パック100−2の劣化状態を他方の電池パック100−2の劣化状態と比較する。自身の電池パック100−2の劣化量が最少である場合には、ステップS110の放電制御へ移行し、一方、最少ではない場合には、ステップS111の放電停止へ移行する。
以上より、連結接続された電池パック群の中の特定の電池パックが集中的に使用されることに起因する寿命劣化の進行を防ぐことができる。なお、前述の残存容量、温度差、および、劣化状態の最少判断に関しては、例えば、5個の電池パックが連結接続された電池パック群の場合、前記最少判断に基づき優先的に放電を実行する電池パックを1個、および、前記1個の電池パックの放電が完了するまで、他方の4個の電池パックは待機状態としても良いし、また、例えば、5個の電池パック群の中の3個の電池パックが優先的に、かつ、同時に放電を実行し、他方の2個の電池パックは待機状態としても良い。
ステップS216において、メインコントローラ125−2は、自身の電池パック100−2に電気機器が接続されている場合には、その電気機器の負荷電流、自身の電気パック100−2に他の電池パック100−2が連結接続されて成る電池パック群の出力末端部に電気機器が接続されている場合には、その電気機器の負荷電流を、いずれも、電流検知部130を用いて検知する。このステップS216は、ステップS101の判定がNOであって、商用電源が接続されていない状態で実行されるため、電流検知部130によって検知される電流値は、電気機器の駆動に必要な負荷電流を表す。
メインコントローラ125−2は、負荷電流がゼロ、または、負荷電流が所定値未満である無負荷状態であることを検知した場合には、ステップS211に帰還し、放電を実行する電池パックの優先順を再設定する。すなわち、前述の電池パック群の中の電池パックにおいて、優先的に放電を実行する電池パックは、無負荷状態で切り替えることにより、電池パック100−2が有する出力切替部121等の負担を軽減し、信頼性向上に貢献できる。
ステップS217において、メインコントローラ125−2は、複数の電池パック100−2が連結接続され成る電池パック群において、その電池パック群の入力末端部に位置する電池パック100−2に商用電源が接続されているか否かを、他の電池パックとの通信によって取得された情報に基づいて判定する。電池パック群の入力末端部に位置する電池パック100−2に商用電源が接続されている場合には、ステップS111の放電停止へ移行し、その後、ステップS104の充電制御に関するフローへ移行する。
ステップS218において、メインコントローラ125−2は、自身の電池パック100−2の交流出力端子122−2に他方の電池パック100−2が接続されているか否かを、他の電池パックとの通信によって取得された情報に基づいて判定する。自身の電池パック100−2の交流出力端子122−2に他方の電池パック100−2が接続されている場合には、ステップS220において、放電制御部120−2が直流電圧を出力し、一方、自身の電池パック100−2の交流出力端子122−2に他方の電池パック100−2ではなく、電気機器が接続されている場合には、ステップS219において、放電制御部120−2が交流電圧を出力する。
これにより、交流電圧により駆動する電気機器に対して、交流電圧の出力が可能な電池パック100−2であって、複数の電池パック100−2が連結接続されて成る電池パック群が交流電圧に基づく電力を電気機器へ供給する際に電池パック群の出力末端部以外に位置する電池パック100−2の放電制御部120−2は、直流電圧を出力する。その出力された直流電圧は、電池パック群の出力末端部に位置する電池パック100−2が有する電池セル群の直流電圧と並列接続される。これに対し、電池パック群の出力末端部に位置する電池パック100−2の放電制御部120−2は、前記並列接続された直流電圧を交流電圧に変換し、電池パック100−2の出力端子122−2より電気機器へ電力を供給する。これにより、電気機器への電力供給効率を向上することができる。
図15には、3個の電池パック100−2A、100−2Bおよび100−2Cが互いに並列に接続されている様子が電気回路図で示されている。
具体的には、電池セル111Aを有する電池パック100−2A(電池パック群の入力末端部に位置する)の交流出力端子122−2A(前記(1)項における「出力端子」の一例)の正極が、他方の電池パック100−2Bの充電端子124−2B(前記(1)項における「入力端子」の一例)の正極に接続されるとともに、電池パック100−2Aの交流出力端子122−2Aの負極が、他方の電池パック100−2Bの充電端子124−2Bの負極に接続されている。交流出力端子122−2Aは、それに接続されている対象が他の電池パック100−2Bであるため、今回は交流ではなく直流を出力する。
同様に、電池セル111Bを有する電池パック100−2Bの交流出力端子122−2Bの正極が、他方の電池パック100−2Cの充電端子124−2Cの正極に接続されるとともに、電池パック100−2Bの交流出力端子122−2Bの負極が、他方の電池パック100−2Cの充電端子124−2Cの負極に接続されている。
電池セル111Cを有する電池パック100−2Cの交流出力端子122−2Cの正極が、負荷252を有する交流駆動式の電気機器250の電力入力端子251の正極に接続されるとともに、電池パック100−2Cの交流出力端子122−2Cの負極が、電気機器250の電力入力端子251の負極に接続されている。
なお、本発明は、例えば、電池パック100−2のメインコントローラ125−2が、(a)電池パック100−2の製造終了後、一度も使用されていない場合には、放電制御部120による出力制御を禁止する出力制御禁止手段と、(b)外部電源による電池パック100−2の初回充電のために外部電源から電池パック100−2に入力された電源電圧の特性を検出する検出手段と、(c)その検出手段による電源電圧特性の検出を待って、放電制御部120による出力制御を許可するとともに、前記検出された電源電圧特性に応じた特性で出力制御を行うことを放電制御部120に指令する出力制御許可手段とを有する形態で実施することが可能である。
次に、本発明の第3実施形態に従う電池パック100−3を、その電池パック100−3を収納可能な電源側電池パック収納装置200と、電気機器側電池パック収納装置220とを有する収納システムと共に、図9ないし図14に基づいて説明する。
図9は、第3実施形態の電池パック100−3の内部構造を示す側面図である。電池パック100−3の内部構造を説明するが、重複した説明を省略するため、第1実施形態の電池パック100(図5参照)に対して付加された要素のみを説明する。
電池パック100−3は、図5に示す電池パック100に対して追加される要素として、電気パック100−3の移動方向とは交差する方向に延びる回動軸156と、その回動軸156まわりに、係合方向とそれとは逆向きの解除方向とに回動可能に後面ケース102に取り付けられたスナップアクション可能なフックボタン152と、そのフックボタン152を、係合方向に付勢するフックボタンスプリング153とを有する。
図11に示すように、フックボタン152は、自身の電池パック100−3を、後述する電源側電池パック収納装置200にスナップアクションによって連結させるために使用されるとともに、図14に示すように、自身の電池パック100−3Bを、他の電池パック100−3Aにスナップアクションにより、ユーザーの意に反して離脱しないように、連結させるために使用される。
図9に示すように、電池パック100−3は、さらに、ケース前面係止凹部154を有する。このケース前面係止凹部154は、図11に示すように、自身の電池パック100−3を電源側電池パック収納装置200に、ユーザーの意に反して離脱しないように、係合させるために使用される。そのために、電源側電池パック収納装置200においては、フックボタン201が、電池パック100−3の移動方向とは交差する方向であって、係合方向と解除方向とに移動可能に配置される。そのフックボタン201は、スプリング202により、係合方向に付勢される。
図14に示すように、自身の電池パック100−3Aのケース前面係止凹部154Aは、さらに、他の電池パック100−3Bのフックボタン152Bが係合するためにも使用される。
図9に示すように、電池パック100−3は、さらに、ケース後面係止凹部155を有する。このケース後面係止凹部155は、図13に示すように、自身の電池パック100−3を電気機器側電池パック収納装置220に、ユーザーの意に反して離脱しないように、係合させるために使用される。そのために、電気機器側電池パック収納装置220においては、フックボタン221が、電池パック100−3の移動方向とは交差する方向であって、係合方向と解除方向とに移動可能に配置される。そのフックボタン221は、スプリング222により、係合方向に付勢される。
図9に示すように、電池パック100−3は、さらに、複数の電池パック100−3を連結接続する際に、電池パック同士の位置合わせ等のために、他方の電池パック100−3と係合するケース前面係合部143−3とケース後面係合部142−3とを有する。
一例においては、そのケース後面係合部142−3は、図11に示すように、電源側電池パック収納装置200の、後述する可動接続部203に設けられる係合部209に係合する。これにより、接続時における作業し易さが向上する。一方、ケース前面係合部143−3は、図13に示すように、電気機器側電池パック収納装置220の、後述の可動接続部223の係合部228に係合する。これにより、接続時における作業し易さが向上する。
図9に示すように、電池パック100−3は、交流出力端子122−3を2個有している。充電端子124−3は、連結接続される他方の電池パック100−3の前記交流出力端子122−3のいずれか1個と接続可能な位置に設けることで、利便性向上を実現する。
それら交流出力端子122−3と充電端子124−3とは、電池パック100−3のケースの外周面を構成する主要な6面の中の異なる2面にそれぞれ配置され、かつ、それら2面を互いに対向する2面とすることで、3個以上の電池パック100−3の連結接続において、電池パック群の接続形態を複雑にすることなく、かつ、ユーザーの自然な感覚に合致した使い易い使用方法を提供することができる。
図10は、第3実施形態の電池パック100−3を収納可能な電源側電池パック収納装置200の内部構造を示す側面図である。
電源側電池パック収納装置200は、商用電源に接続された電源コード206を介して、前記商用電源の交流電圧を電気機器または電池パック100−3へ供給するための交流出力端子205を有する。交流出力端子205は、可動接続部203に配置される。
可動接続部203は、スプリング204の弾性力を受けて前進しようとするとともに、電源側電池パック収納装置200の内部を摺動可能である。可動接続部203は、前述のフックボタン201が係合すべき係止凹部207を有しており、それにより、可動接続部203は、所定位置に保持される。可動接続部203は、さらに、スプリング204による可動接続部203の前進限度を規定するための係止部208を有している。
係止凹部207には、スプリング202の弾性力を受けて前進しようとするフックボタン201が係合し、ユーザーによるフックボタン201の解除操作により、可動接続部203が所定位置に保持される状態を解除できる。可動接続部203は、さらに、係合部209を有している。その係合部209は、電池パック100−3に設けられるケース後面係合部142−3と係合可能である。
図11は、第3実施形態の電池パック100−3を電源側電池パック収納装置200に収納した状態を示す内部構造の側面図である。
電池パック100−3を電源側電池パック収納装置200に収納する際、可動接続部203は、それの係合部209において、電池パック100−3のケース後面係合部142−3と係合しつつ、電源側電池パック収納装置200の内壁にそって摺動する。電池パック100−3の充電端子124−3と交流出力端子205との接続、および、その電池パック100−3のケース前面係止凹部154とフックボタン201との係合の完了により、電池パック100−3の、電源側電池パック収納装置200への収納が完了する。
電池パック100−3が電源側電池パック収納装置200に収納される状態は、ユーザーによってフックボタン201の解除操作が行われるまで維持される。この収納構造と第1実施形態の電池パック100が有する制御シーケンスとにより、電池パック100−3は、充電を行いつつ、その電池パック100−3の交流出力端子122−3から、商用電源の交流電圧を出力する。
なお、図11に示すように、電源側電池パック収納装置200を、それの設置参考ライン210で示す面が、例えば、屋内の壁と同一面となるように設置すると、一般的に屋内等に設置される壁コンセントの使用方法と同じになる。したがって、図11に示す電源側電池パック収納装置200に記電池パック100−3を収納した状態であるか、図10に示す電源側電池パック収納装置200に電池パック100−3を収納しない状態であるかを問わず、ユーザーは、従来の壁コンセントを使用する場合と同じ使用感で、電池パック100−3を電源側電池パック収納装置200に収納したり、電池パック100−3を充電することができる。
さらに、充電完了した電池パック100−3を電源側電池パック収納装置200から取り出し、商用電源に相当する交流出力可能な電池パックとして、電池パック100−3を壁コンセント外に持ち出すことができる。以上の理由により、電池パック100−3は、利便性の向上に貢献する。
図12は、第3実施形態の電池パック100−3を収納可能な電気機器側電池パック収納装置220の内部構造を示す側面図である。
電気機器側電池パック収納装置220は、電力供給端子226より受給した電力を、電力供給コード225を介して、電気機器が有する駆動回路(図示しない)へ供給する。電力供給端子226は、可動接続部223に配置される。
可動接続部223は、スプリング224の弾性力を受けて前進しようとするとともに、気機器側電池パック収納装置220の内部を摺動可能である。可動接続部223は、前述のフックボタン221が係合すべき係止凹部227を有しており、それにより、可動接続部223は、所定位置に保持される。可動接続部223は、さらに、スプリング224による可動接続部223の前進限度を規定するための係止部228を有している。
係止凹部227には、スプリング222の弾性力を受けて前進しようとするフックボタン221が係合し、ユーザーによるフックボタン221の解除操作により、可動接続部223が所定位置に保持される状態を解除できる。可動接続部223は、さらに、係合部229を有している。その係合部229は、図13に示すように、電池パック100−3に設けられるケース前面係合部143−3と係合可能である。
図13は、第3実施形態に従う1個の電池パック100−3を電気機器側電池パック収納装置220に収納した状態を示す内部構造の側面図である。
電池パック100−3を電気機器側電池パック収納装置220に収納する際、可動接続部223は、それの係合部229において、電池パック100−3のケース前面係合部143−3に係合し、電気機器側電池パック収納装置220の内壁にそって摺動する。電池パック100−3の交流出力端子122−3と電力供給端子226との接続、および、電池パック100−3のケース後面係止凹部155とフックボタン221との係止動作の完了により、電池パック100−3の収納が完了する。
電池パック100−3が電気機器側電池パック収納装置220に収納される状態は、ユーザーによるフックボタン221の解除操作が行われるまで維持される。この収納構造と第1実施形態の電池パック100が有する制御シーケンスとにより、電池パック100−3の交流出力端子122−3から電気機器へ電力が供給される。
図14は、それぞれ第3実施形態に従う2個の電池パック100−3Aおよび100−3Bを電気機器側電池パック収納装置220に収納した状態を示す内部構造の側面図である。
2個の電池パック100−3Aおよび100−3Bは、電池パック100−3Aのケース前面係合部143−3Aと電池パック100−3Bのケース後面係合部142−3Bとの係合、電池パック100−3Aの交流出力端子122−3Aと電池パック100−3Bの充電端子124−3Bとの接続、および、電池パック100−3Aのケース前面係止凹部154Aと電池パック100−3Bのフックボタン152Bとの係止動作の完了により、互いに連結接続される。
電池パック100−3Aおよび100−3Bが互いに連結されて成る電池パック群を電気機器側電池パック収納装置220に収納する際、電池パック100−3Aの可動接続部223は、それの係合部228において、電池パック100−3Bのケース前面係合部143−3Bに係合し、電気機器側電池パック収納装置220の内壁にそって摺動する。電池パック100−3Bの交流出力端子122−3Bと電力供給端子226との接続、および、電池パック100−3Aのケース後面係止凹部155Aとフックボタン221との係止動作の完了により、前記電池パック群の収納が完了する。
前記電池パック群が電気機器側電池パック収納装置220に収納される状態は、ユーザーによるフックボタン221の解除操作が行われるまで維持される。この収納構造と第2実施形態の電池パック100−2が有する制御シーケンスとにより、電池パック100−3Bの交流出力端子122−3Bから電気機器へ、電池パック100−3Aおよび100−3Bの残存容量の総和に相応の電力が供給される。
以上より、電気機器側電池パック収納装置220は、互いに連結接続された電池パックの個数の如何を問わず同じ電圧特性の電力出力が可能である複数の電池パック100−3を、収納する個数の如何を問わず同じ操作方法によって、任意の個数の電池パック100−3を収納することが可能である。さらに、電気機器側電池パック収納装置220は、電気機器へ、任意の個数の電池パックから成る電池パック群に相応の電力の供給を行うことができる。
したがって、電気機器を使用する際に、例えば、使用予定の駆動時間の長さに基づいて、電気機器側電池パック収納装置220に収納する電池パックの個数を、ユーザーの自然な感覚に合致した使い易い方法で調整することができる。
なお、図14に示す電気機器側電池パック収納装置220に連結接続された電池パック群を収納する方法は、電源側電池パック収納装置200に連結接続された電池パック群を収納する方法にも同様に用いることができる。また、電源側電池パック収納装置200、および、電気機器側電池パック収納装置220は、それぞれ、壁コンセントや電気機器等に組み込んで一体化して用いても良く、単独で持ち運び可能な収納ボックスとして用いても良い。
以上、本発明のいくつかの実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
本発明の第1実施形態に従う電池パックの外観を示す斜視図である。 図1に示す電池パックが収容する電池モジュールを示す機能ブロック図である。 図1に示す電池パックの機能ブロック図である。 図1に示す電池パックの制御シーケンスを概念的に表すフローチャートである。 図1に示す電池パックの内部構造を示す側面図である。 図1に示す電池パック2個を接続した状態を示す内部構造の側面図である。 本発明の第2実施形態に従う電池パックを示す機能ブロック図である。 図7に示す電池パックの制御シーケンスを概念的に表すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に従う電池パックの内部構造を示す側面図である。 図9に示す電池パックを収納可能な電源側電池パック収納装置の内部構造を示す側面図である。 図9に示す電池パックを図10に示す電源側電池パック収納装置に収納した状態を示す内部構造の側面図である。 図9に示す電池パックを収納可能な電気機器側電池パック収納装置の内部構造を示す側面図である。 図9に示す電池パック1個を図12に示す電気機器側電池パック収納装置に接続した状態を示す内部構造の側面図である。 図9に示す電池パック2個を図12に示す電気機器側電池パック収納装置に接続した状態を示す内部構造の側面図である。 本発明の第2実施形態に従う電池パック120−2を複数連結して成る電池パック群を交流駆動式の電気機器と共に示す概念的な電気回路図である。
符号の説明
100:本発明の第1実施形態に従う電池パック
100−2:本発明の第2実施形態に従う電池パック
100−3:本発明の第3実施形態に従う電池パック
101:前面ケース
102:後面ケース
103:コンセントカバー
104:残存容量表示ライト
110:電池モジュール
111:電池セル
112:電池モジュール充電用FET
113:電池モジュール放電用FET
114:電池モジュール入出力部
115:電池モジュールコントローラ
116:電圧モニタ線
117:温度センサ
118:電池モジュールコントローラデジタル通信部
120:本発明の第1実施形態に従う放電制御部
120−2:本発明の第2実施形態に従う放電制御部
121:出力切替部
122:本発明の第1実施形態に従う交流出力端子
122−2:本発明の第2実施形態に従う交流出力端子
122−3:本発明の第3実施形態に従う交流出力端子
123:充電制御部
124:本発明の第1実施形態に従う充電端子
124−2:本発明の第2実施形態に従う充電端子
124−3:本発明の第3実施形態に従う充電端子
125:本発明の第1実施形態に従うメインコントローラ
125−2:本発明の第2実施形態に従うメインコントローラ
126:バックアップ付電源回路
127:電池モジュール電圧検知部
128:コンセント差込検知部
129:充電端子入力検知部
130:電流検知部
131:コンセントカバースイッチ
140:コンセントカバースプリング
141:隔壁
142:本発明の第1実施形態に従うケース後面係合部
142−3:本発明の第3実施形態に従うケース後面係合部
143:本発明の第1実施形態に従うケース前面係合部
143−3:本発明の第3実施形態に従うケース前面係合部
150:入力側電池パック通信部
151:出力側電池パック通信部
152:フックボタン
153:フックボタンスプリング
154:ケース前面係止凹部
155:ケース後面係止凹部
156:回動軸
200:電源側電池パック収納装置
201:フックボタン
202:スプリング
203:可動接続部
204:スプリング
205:交流出力端子
206:電源コード
207:係止凹部
208:係止部
209:係合部
210:設置参考ライン
220:電気機器側電池パック収納装置
221:フックボタン
222:スプリング
223:可動接続部
224:スプリング
225:電力供給コード
226:電力供給端子
227:係止凹部
228:係止部
229:係合部
250:電気機器
251:電力入力端子
252:負荷

Claims (2)

  1. 電気機器の電源として用いられる電池パックであって、
    互いに直列に接続された複数の電池セルである電池セル群と、
    その電池セル群へ電力を入力するための入力端子と、
    前記電池セル群の放電を制御する放電制御手段を有する電気回路と、
    当該電池パックの出力を前記電気機器へ供給するための出力端子と、
    それら電池セル群、入力端子、電気回路および出力端子を収容するケースと
    を含み、
    当該電池パックは、単独で使用されても、当該電池パックの入力端子が、当該電池パックと同じ構成を有する少なくとも一つの他の電池パックの出力端子と連結されて成る電池パック群の一部として使用されても、前記電気機器に電圧を出力することが可能であり、
    前記電気回路は、さらに、
    当該電池パックが単独で使用される場合に当該電池パックから前記電気機器へ出力される電圧の特性と、当該電池パックが前記電池パック群の一部として、かつ、当該電池パックが、前記電気機器に接続される状態で使用される場合に当該電池パックから前記電気機器へ出力される電圧の特性とが互いに実質的に一致するように、当該電池パックの出力を制御する出力制御手段を有し、
    当該電池パックの出力端子は、当該電池パックが単独で使用される場合には、前記電気機器に接続され、一方、当該電池パックが前記電池パック群の一部として使用される場合には、前記電気機器の入力端子にも前記他の電池パックの入力端子にも選択的に接続されることが可能であり、
    前記放電制御手段は、
    当該電池パックの入力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックである入力側電池パックの出力端子が接続されている状態で当該電池パックの放電を制御する制御部を含み、
    その制御部は、当該電池パックの出力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックである出力側電池パックの入力端子が接続されているときには、直流電圧を当該電池パックの出力端子から前記出力側電池パックの入力端子に出力する一方、当該電池パックの出力端子に前記電気機器が接続されているときには、当該電池パックは、前記入力側電池パックから当該電池パックの入力端子に入力された直流電圧を交流電圧に変換して、その変換された交流電圧を当該電池パックの出力端子から前記電気機器に出力し、
    前記出力制御手段は、当該電池パックの入力端子に前記入力側電池パックの出力端子が接続されているときに、その入力側電池パックから入力される直流電圧が、当該電池パックにおける前記電池セル群に対して並列に印加されるように、当該電池パックの入力端子と前記電池セル群とを互いに接続する並列接続回路を含む電池パック。
  2. さらに、
    当該電池パックの入力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックが接続されていることを電気的に、機械的にまたは光学的に検出する第1検出手段と、
    当該電池パックの出力端子に、当該電池パックと同じ構成を有する他の電池パックが接続されていることを電気的に、機械的にまたは光学的に検出する第2検出手段と
    を含む請求項1に記載の電池パック。
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