JP4232918B2 - 拡散反射型ホログラフィック光学部材 - Google Patents

拡散反射型ホログラフィック光学部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、拡散反射型ホログラフィック光学部材に関し、特に、周囲の外光を有効に利用する明るい拡散反射型ホログラフィック光学部材であって、反射型液晶表示装置等の拡散反射板として利用可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、特願平7−312362号において、拡散反射型ホログラムを用いた液晶表示装置を提案した。その拡散反射型ホログラムは、特定の方向から入射した光を観察域と定めた方向にのみ拡散反射させるホログラムであり、図5に示す1ステップ撮影法、あるいは、図6に示す2ステップ撮影法により作製される。
【0003】
図5の1ステップ撮影法は、スリガラスのような散乱板10に対して予め拡散反射域と定めた位置に、フォトポリマーのような反射型ホログラム乾板(リップマンホログラム乾板)11を配置し、散乱板10の背面から同一光源から2分された所定波長のコヒーレント光12で照明して散乱板10の前面に出た散乱光14を物体光として反射型ホログラム乾板11に入射させると同時に、同一光源から2分された所定波長の別のコヒーレント光13を参照光として、散乱光14と反対側から拡散反射型ホログラムで想定される入射光と反対方向に進む参照光13を入射させることにより、反射型ホログラム乾板11に拡散反射型ホログラムを記録する。
【0004】
また、図6の2ステップ撮影法は、図(a)に示すように、スリガラスのような散乱板10に対して予め拡散反射域と定めた位置に、透過型ホログラム乾板15を配置し、散乱板10の背面から同一光源から2分された所定波長のコヒーレント光12で照明して散乱板10の前面に出た散乱光14を物体光として透過型ホログラム乾板15に入射させると同時に、同一光源から2分された所定波長の別のコヒーレント光16を参照光として、散乱光14と同じ面側から任意の角度で入射させることにより、透過型ホログラム乾板15に第1のホログラムである透過型ホログラムを記録する。
【0005】
次に、この第1のホログラムを17とし、図6(b)に示すように、元の透過型ホログラム乾板15の位置に配置すると共に、散乱板10の位置に今度は反射型ホログラム乾板20を配置し、ホログラム17の実像をこの反射型ホログラム乾板20の位置(図(a)の散乱板10の位置)に結像させるように、ホログラム17にその記録の際の参照光16と反対側に進む同じ波長の再生照明光18を照射して、ホログラム17からの回折光19を物体光として反射型ホログラム乾板20に入射させると共に、拡散反射型ホログラムで想定される入射光と反対方向に進む参照光21を反射型ホログラム乾板20の反対側から入射させることにより、反射型ホログラム乾板20に第2のホログラムである拡散反射型ホログラムを記録する。この方法により、観察域を第1のホログラム17の範囲に限定する拡散反射型ホログラムが作製できる。また、このホログラムを原版として、密着複製されたホログラムも原版の回折方向(散乱方向)が保持された拡散反射型ホログラムとなる。
【0006】
以上のようにして得た拡散反射型ホログラム31を、図7に断面を示すように、液晶表示素子40の観察側とは反対側に配置することにより、液晶表示素子40の表示側から入射する照明光32を液晶ディスプレイ装置の観察域に合致する角度範囲θにのみ拡散光33として拡散反射させ、明所で自発光型のバックライトを使用することなしに明るい表示が可能な液晶ディスプレイ装置を構成することができる。ここで、液晶表示素子40は、例えば、2枚のガラス基板41、42の間に挟持されたツイストネマチック等の液晶層45からなり、一方のガラス基板42内表面には一様な透明対向電極44が設けられ、他方のガラス基板41内表面には画素毎に独立に透明表示電極43と不図示のブラック・マトリックスが設けられている。なお、カラー表示装置の場合は、他方のガラス基板41内表面には液晶セルR、G、B毎に独立に透明表示電極43とカラーフィルター、ブラック・マトリックスが設けられている。また、電極43、44の液晶層45側には不図示の配向層も設けられており、さらに、観察側ガラス基板41外表面には偏光板46が、観察側とは反対側のガラス基板42外表面には偏光板47がそれぞれ貼り付けられており、例えばそれらの透過軸は相互に直交するように配置されている。このような液晶表示素子40の画素毎に透明表示電極と透明表示電極間に印加する電圧を制御してその透過状態を変化させることにより、表示が可能なものである。なお、図7の配置において、拡散反射型ホログラム31の背面側に拡散反射板あるいは反射板を設けることにより、より一層の輝度向上を行うことができる。
【0007】
また、反射型ホログラムの特定波長のみを回折し他の波長域の光は透過する特性を活かして、図8に示すように、拡散反射型ホログラム31の背面側に自発光型バックライト34を併用することにより、暗所ではこの自発光型バックライト34からの光35により照明し、明所では自発光型バックライト31の輝度を落とすか消灯して、外光32の拡散反射光33により照明するようにすることにより、ポータブルコンピュータ等の液晶ディスプレイ装置を用いる装置のバッテリー駆動時間を大幅に延ばすことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにして撮影された拡散反射型ホログラム31は、通常、図3(a)に示すように、法線nに対して一方の側の所定角度範囲αから入射する外光照明光32を略正面方向へ散乱光33として回折する特性を有する。この角度範囲αは撮影のときの参照光13、21の方向と散乱板10の散乱特性等によって定まる。
【0009】
何れにしても、外光照明光32を回折できるのは、拡散反射型ホログラム31の面の法線nに対して一方の側から入射する場合であり、図3(b)に示すように、拡散反射型ホログラム31の面の法線nに対して反対側から外光照明光32’が入射する場合には、その外光照明光32’は透過光36として拡散反射型ホログラム31を透過してしまい、反射側には回折しないので、観察者の眼にはほとんど達しない。これは、拡散反射型ホログラム31がリップマンホログラムあるいは体積型ホログラムと呼ばれるものであり、回折光の角度選択性が高いことによる。
【0010】
したがって、従来の拡散反射型ホログラムは、所定の角度範囲から入射する外光は効率よく回折散乱するが、その角度範囲から外れて入射する外光はほとんど回折散乱しないので、例えばこのような拡散反射型ホログラムを拡散反射板として用いている反射型液晶表示装置は、利用できる外光の方向に合わせて表示パネルの角度・方向を調節する等をしなければならなかった。また、周囲の外光の利用効率も必ずしも高いものではなかった。
【0011】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定方向以外から入射する照明光も有効に利用できる明るい拡散反射型ホログラフィック光学部材を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材は、表側の所定方向から入射する光を表側の特定の角度範囲内に拡散反射する体積型の拡散反射型ホログラムと、その裏側に一体にあるいは離間して略平行に配置された正反射ミラーとからなることを特徴とするものである。
【0013】
この場合、その所定方向が拡散反射型ホログラム面の法線に対して一方の側の所定の角度範囲であり、その特定の角度範囲の中心が拡散反射型ホログラム面の法線の方向であるように構成することができる。
【0014】
なお、拡散反射型ホログラムは例えばフォトポリマーからなり、正反射ミラーは例えばアルミニウム層からなる。
【0015】
本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材は、例えば反射型液晶表示装置の拡散反射板として用いられる。
【0016】
本発明においては、拡散反射型ホログラムとその裏側に配置された正反射ミラーとからなるので、拡散反射型ホログラム単独の場合より拡散反射できる外光の入射角度範囲が倍増し、かつ、より明るい拡散反射板を構成することができる。この拡散反射型ホログラフィック光学部材は反射型液晶表示装置等の拡散反射板に適したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材26の基本的構成は、図1に模式的断面図を示すように、図5あるいは図6のような配置で撮影して得られた拡散反射型ホログラム31を用いる。そして、その背後に、一体にあるいは離間して略平行に金属反射ミラー25を配置してなるものである。金属反射ミラー25としては、例えば鏡面仕上げのアルミニウムフィルムあるいは正反射するアルミニウム蒸着層を用いる。
【0018】
図2はこのような構成の拡散反射型ホログラフィック光学部材26の作用を説明するための図であり、図3を参照にして説明したように、拡散反射型ホログラム31自体は、法線nに対して一方の側(図2では、右側)の所定角度範囲αから入射する外光照明光32(図3(a))を略正面方向へ散乱光として回折するが、法線nに対して反対側(図2では、左側)から入射する外光照明光32’はほとんど回折せず、透過光36として拡散反射型ホログラム31を透過してしまう特性がある。
【0019】
本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材26においては、拡散反射型ホログラム31の背後に一体にあるいは離間して金属反射ミラー25が配置されているので、この透過光36は金属反射ミラー25で反射光37として正反射され、反射光37は拡散反射型ホログラム31の背後から外光照明光32’の拡散反射型ホログラム31への入射角と同じ角度で入射する。反射光37が所定角度範囲α内で入射する外光照明光32(図3(a))と反対方向に進む場合、すなわち、外光照明光32’がその角度範囲αと反対の角度範囲−αで入射する場合には、反射光37は拡散反射型ホログラム31で裏面方向に散乱光として回折され、その散乱光は金属反射ミラー25で正面方向に反射されて散乱光38となる。この散乱光38は今度は拡散反射型ホログラム31の背後から略垂直に入射する。散乱光38の一部は拡散反射型ホログラム31で外光照明光32(図3(a))の透過方向に回折されるが、残りは拡散反射型ホログラム31を透過して、散乱光33と同様な拡散反射光39となり、例えば反射型液晶表示装置の拡散反射板として用いるときに表示に利用できる。
【0020】
ここで、所定角度範囲αから入射する外光照明光32の拡散反射型ホログラム31の回折効率を例えば50%とするとき、散乱光38は外光照明光32’の略半分の強度になり、拡散反射光39は略4分の1の強度になるが、元々表示に全く寄与できなかった角度範囲−α内の外光照明光32’を表示に寄与させることができるので、角度範囲αの外光照明光32と合わせてより明るい表示が可能になる。しかも、外光が角度範囲αあるいは−α内にしかない場合であっても、表示パネルの方向を外光の方向に合わせるように角度・方向を調節する必要がなくなる。
【0021】
図4は、例示として、図7に示したような液晶表示素子40のバックライト側に、上記の本発明による拡散反射型ホログラフィック光学部材26を配置した構成の断面図である。上記したように、液晶表示素子40の表示側から角度範囲α内で入射する外光照明光32は、液晶ディスプレイ装置の観察域に合致する略正面方向の所定の角度範囲θ(図7)にのみ拡散光33として拡散反射される。一方、液晶表示素子40の表示側から角度範囲−α内で入射する外光照明光32’も、液晶ディスプレイ装置の観察域に合致する略正面方向の所定の角度範囲θ(図7)にのみ拡散光39として拡散反射される。したがって、明所で自発光型のバックライトを使用することなしに明るい表示が可能な液晶ディスプレイ装置が構成される。ここで、外光が角度範囲αと−α内、すなわち、法線nに対して両側に存在する場合、図7の従来例では拡散光33しかなかったに対し、本発明によると、拡散光33に加えて拡散光39も存在するので、より明るい表示が可能になる。そして、従来例では、外光が角度範囲−α内にしか存在しない場合には、表示が見えないめ、この表示パネルを法線nの周りで180°回転させる等の角度・方向を調節する必要があったが、本発明においては、拡散光39が得られるため、そのような調節をする必要がない。
【0022】
以上、本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材によると、拡散反射型ホログラムとその裏側に配置された正反射ミラーとからなるので、拡散反射型ホログラム単独の場合より拡散反射できる外光の入射角度範囲が倍増し、かつ、より明るい拡散反射板を構成することができる。この拡散反射型ホログラフィック光学部材は反射型液晶表示装置等の拡散反射板に適したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材の基本的構成を説明するための模式的断面図である。
【図2】本発明の拡散反射型ホログラフィック光学部材の作用を説明するための図である。
【図3】拡散反射型ホログラムの特性を説明するための模式的断面図である。
【図4】液晶表示素子のバックライト側に本発明による拡散反射型ホログラフィック光学部材を配置した構成例の断面図である。
【図5】拡散反射型ホログラムを1ステップ撮影法で作製する方法を説明するための図である。
【図6】拡散反射型ホログラムを2ステップ撮影法で作製する方法を説明するための図である。
【図7】従来の拡散反射型ホログラムを備えた液晶ディスプレイ装置の断面図である。
【図8】従来の拡散反射型ホログラムを備えた別の液晶ディスプレイ装置の断面図である。
【符号の説明】
n…法線
26…拡散反射型ホログラフィック光学部材
31…拡散反射型ホログラム
25…金属反射ミラー
32、32’…外光照明光
33…拡散光
36…透過光
37…反射光
38…散乱光
39…拡散反射光
40…液晶表示素子
41、42…ガラス基板
43…透明表示電極
44…透明対向電極
45…液晶層
46、47…偏光板

Claims (3)

  1. 表側の所定方向から入射する光を表側の特定の角度範囲内に拡散反射すると共に前記所定方向以外の方向から入射する光を透過する体積型の拡散反射型ホログラムと、その裏側に一体にあるいは離間して略平行に配置された正反射ミラーとからなり、前記所定方向が前記拡散反射型ホログラム面の法線に対して一方の側の所定の角度範囲であり、前記の特定の角度範囲の中心が前記拡散反射型ホログラム面の法線の方向であり、前記の表側の所定方向から入射した光は前記拡散反射型ホログラムにより中心が前記拡散反射型ホログラム面の法線の方向にある前記の特定の角度範囲内に拡散反射され、前記拡散反射型ホログラム面の法線に対して前記の表側の所定方向と反対側から入射した光は前記拡散反射型ホログラムを透過して前記正反射ミラーに入射して正反射され、その反射光は前記拡散反射型ホログラムに裏面側から入射して中心が前記拡散反射型ホログラム面の法線の方向にある前記の特定の角度範囲の反対の裏面側に拡散反射され、その拡散反射光は前記正反射ミラーに入射して正反射され、その反射光は前記拡散反射型ホログラムに裏面側から入射して透過することを特徴とする拡散反射型ホログラフィック光学部材。
  2. 前記拡散反射型ホログラムがフォトポリマーからなり、前記正反射ミラーがアルミニウム層からなることを特徴とする請求項1記載の拡散反射型ホログラフィック光学部材。
  3. 反射型液晶表示装置の拡散反射板として用いられていることを特徴とする請求項1又は2記載の拡散反射型ホログラフィック光学部材。
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