JP4232346B2 - キーパネル構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キーパネルの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ファクシミリ装置等の機器には、該機器の操作等のための各種の操作キーが備えられる操作パネルが設けられている。
この操作パネルの上にキーパネルを設ける構成も公知となっている。
この一般的な構成は次のようなものである。即ち、前記操作パネルの基体上の適宜の領域において一つあるいは複数のキーを配置し、各キーの突出部分を挿通させる孔を備えたキーパネルを複数枚枢支して開閉回動自在に構成し、該キーパネルの開閉状態によってキーの機能が異なるように構成して一つのキーに複数の役割を持たせるようにするものである。
複数枚のキーパネルを枢支する構造としては、例えば、各キーパネルにヒンジ部を設けて、該ヒンジ部に共通のピンを挿入して該ピン回りに回動自在とする構成が知られている。
そして、各キーパネルや基体上にはシールを貼設し、キーの機能についての説明やユーザがキーに割り当てた機能の説明を、各キーの近傍に書き込むことができるようにしておき、ユーザはこの説明を確認しながらボタンを押すことで、誤操作を防止できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、機器の故障の疑いがあって利用者が例えばメーカのサービス担当者と電話で話をしているとき等は、従来のキーパネルは今現在どのキーパネルが開かれているかが利用者にとって分かりづらく、サービス担当者がユーザに聞いて確認するのも困難であり、サービス担当者が利用者に対しキーパネルの開閉の指示(例えば「何枚目のキーパネルを開いてください」といったような指示)をしようとしても難しい場合が多かったのである。
従って、機器の不具合が実際には軽微なものであったり、全く不具合がなくてユーザの思い込みにすぎないかったような場合にまで、サービス担当者がユーザの所まで出向いて確認する必要が生じており、メーカにとってはサービス部門の効率向上の妨げとなっていたのである。
また、従来のキーパネルでは、目の不自由な人にとって今何枚目のキーパネルが開かれているか全く確認することができず、そのようなハンディキャップがある人に対する配慮が不十分なものとなっている。
【0004】
更には、従来のキーパネルにおいては今何枚目のキーパネルが開かれているのかを検知するための検知手段は前記操作パネルの基体上に突出されているのが通例であり、ユーザによってキーパネルが閉じられたときに該キーパネルが検知手段の突出部分に触れることで、該キーパネルが閉じられたことを機械側が検知できるようになっている。
しかし、このように検知手段が操作パネルの基体上に突出されているために、基体の上面に上述したようなボタンの機能の説明を書き込もうとしたときにペン先が検知手段とぶつかってしまい、邪魔になるばかりか、検知手段を損傷させるおそれがあったのである。
【0005】
また、キーパネルを複数枚設ける場合、従来においては、キーパネルに貼設するシールの形状がキーパネルごとに異なっていたために、シールが複数種類必要となり、コストアップの原因となる。
【0006】
更には、キーパネルを複数枚設ける場合、キーパネルを枢支するためのピンを多数のヒンジ部に挿通する必要があるが、ピンの先端が途中で引っ掛かることが多くあって煩わしく、組付けが面倒で、手間と時間を要していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、基体上にキーを複数行複数列にわたって備え、前記キーを配置する領域の一側に枢支軸を備え、前記枢支軸を介してキーパネルを枢支して複数枚重ねたキーパネル構造において、
前記キーパネルの開閉を検知するための検知手段は、前記キーパネルが閉じられた状態で前記キーパネルの下となる領域上に突出させて設けられるとともに、前記キーを配置する領域に対し平行にかつ前記枢支軸に垂直に見たときに、前記キーと重複しない位置に配置されており、
閉じられている状態で下側となる前記キーパネルには、前記検知手段に対応する位置に、前記検知手段の一部を押し込まないようにするための切欠部が形成され、閉じられている状態で上側となる前記キーパネルには、前記切欠部を挿通して前記検知手段を押し込むための突出部が形成されており、
それぞれのキーパネルの遊端側の端縁に形成される把持部には、凸状又は凹状の識別部を設け、前記識別部の形状はキーパネルごとに異なる形状に構成されている。
【0009】
請求項2においては、前記各キーパネルの表面に貼設するシールの形状を一致させている。
【0010】
請求項3においては、前記各キーパネルに共通の枢支軸を貫通させるヒンジ部を設け、前記ヒンジ部の貫通孔の少なくとも一端側をテーパ構造としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るファクシミリ装置の全体的な構成を示した斜視図、図2はキーパネル構造の全体斜視図、図3はキーパネルの枢支構成及び識別部の構成を示した斜視図である。図4は図2における矢視Yの方向から見た図である。
図5はキーパネルへのシール貼設の様子を示した斜視図、図6はキーパネルのヒンジ構造を示す断面図である。
【0013】
図1に示すファクシミリ装置1の上部には、原稿を自動的に読取装置へ給送する自動原稿搬送装置(以下「ADF」)2が付設されている。
給紙トレイ3に載置された原稿は、給紙口2aで一枚ずつ分離されてADF2内へと取り込まれ、装置本体側の読取装置により原稿の画像情報が読み取られた後に、排紙口から排出されて、排紙トレイ4上に積載される。この読み取られた画像情報は電気信号に変換され、電話線を介して相手先に送信されるように構成している。
また、相手側ファクシミリからの信号を画像情報に変換し、装置内部に貯溜された用紙に該画像を形成して出力することもできるようになっている。
【0014】
装置手前側には操作パネル5が配設されており、ファクシミリ送信等の操作を行うために必要な多数の操作ボタン6・6・・・が配置されている。
【0015】
操作パネル5の左側には本発明に係るキーパネル部7が配設される。該キーパネル部7は拡大図である図2に示すように、四行四列に配設されたキー群8・8・・・と、三枚のキーパネル9a・9b・9cとを有している。
【0016】
三枚のキーパネル9a・9b・9cはいずれも略長方形の板状に構成され、装置奥側の端縁を操作パネル5の基体10に枢支軸たるピン14を介して枢支している。
尚、図2の状態は三枚のキーパネル9a・9b・9cを上方へ回動して開いた状態であり、露出される基体10の上面の長方形状の領域P内に、前述のとおり四行四列に整列配置されたキー8・8・・・が突出されている。三枚のキーパネル9a・9b・9cにはいずれも前記キー群8・8・・・の位置及び形状に合わせて孔19・19・・・が開口され、キーパネル9を閉じたときにキー8の頭部が前記孔19を挿通して突出するようになっている。前記ピン14は、キー8・8・・・が配置される領域Pの装置奥側に備えられている。
【0017】
図3に示すように、各キーパネル9a・9b・9cの遊端側の端縁には把持部11a・11b・11cが形成され、キーパネルを開閉したいときは該把持部11a・11b・11cを手で持って行えるようにしている。
該把持部11のそれぞれの上面には識別部12を設けてあり、上から一枚目のキーパネル9aにおいては識別部12は小さい円形の突起を一つ形成してあり、二枚目のキーパネル9bの識別部12においては同様の突起を二つ形成し、三枚目のキーパネル9cの識別部においては同様の突起を三つ形成してある。
【0018】
このように把持部11上に識別部12を設けることにより、該識別部12を見れば、今何枚目のキーパネルが開かれているのかを利用者は容易に知ることができる。
また、識別部12は突起で形成してあるので、手で触れて突起の数を調べることにより目の不自由な人でも今何枚目のキーパネルが開かれているかを容易に判断できる。
【0019】
尚、本実施例では識別部12を把持部11上に設けているが、これに限るものでもない。即ち、キーパネルの上に設けるものであって、かつ、視認可能であれば構わない。
識別部12の形状も限定するものではなく、突起の形状や数等、種々のバリエーションが考えられる。勿論、突起の代わりに窪み等凹状のものを形成しても構わない。三枚のキーパネルで形状が異なるように識別部12を形成すれば十分である。
【0020】
このキーパネル9の開閉を検知するための検知手段13a・13b・13cは図2に示すように、基体10に開口した小径の孔から細い棒を上方に向けて少量突出させたような構成としており、キーパネル9をユーザが閉じたときに該キーパネル9が検知手段13の先端に接触しながら下方へ押し込むような構成になっている。これらの検知手段13はそれぞれ装置内部にあるセンサに連動されており、このセンサによりファクシミリ装置がキーパネル9の閉状態を検知できるようになっている。
三つの検知手段13a・13b・13cは三枚のキーパネル9a・9b・9cにそれぞれ対応しており、上から三枚目のキーパネル9cのみ閉じられている状態では検知手段13cが押し込まれ、上から二枚目9b及び三枚目9cが閉じられているときは二つの検知手段13b・13cが押し込まれ、三枚全てのキーパネルが閉じられている状態では三つの検知手段13a・13b・13cが押し込まれる。ファクシミリ装置は現在キーパネル9がどのような状態にあるかを前記三つの検知手段13a・13b・13cの状態を調べることによって判断し、それに対応して前記キー8・8・・・が押された場合の動作を割り当てる。
以上のようにして、一つのキー8に複数の機能(本実施例では四つの機能)を割り当て、キーパネル9の開閉状態に応じてその機能を切換可能となるよう構成しているのである。
【0021】
ここで、前述の検知手段13の配置について説明する。
図2における矢視Yの方向(即ち、前述のキー群8・8・・・を配置する基体10上の前記長方形状領域Pに平行な方向であり、かつ、前記ピン14に垂直な方向)に見た場合の、キー8と前記検知手段13の配置関係が図4に示され、この図から明らかなように、三つの検知手段のうち二つ13a・13bはキーが四つ並んでいる領域の外に配置され、残りの一つ13cはキー8とキー8との間に形成される隙間の部分に配置されている。
即ち、三つの検知手段13a・13b・13cはいずれも、前述の方向に見た場合にキー8と重複しない位置に配置されているのである。
【0022】
これにより、最も検知手段13に近い側のキー8の機能を書き込む際でも、書き込む部分(キー8のすぐ奥の部分。図2で符号Qで示される部分)に検知手段13が突出していないので、ペン先が検知手段13にぶつかって邪魔になったり、書き込むときに検知手段13を誤って破損してしまうようなことが少なくなるのである。
【0023】
尚、図5に示すように、各キーパネル9a・9b・9c上にはシール15を貼設し、そのシール15に、各キーパネルを開いている場合の各キー8・8・・・の機能を書き込んだりできるようにしている。
本実施例では、このシール15の形状を各キーパネル9a・9b・9cで異なる形状とせず、まったく同一の形状とすることで、シール15の種類を減らしてコストの低減に寄与できている。
【0024】
更に、各キーパネル9a・9b・9cを開閉自在に枢支すべく各キーパネルに設けられるヒンジ部16は、いずれも、例えば図6に示すように、ピン14を挿通させる孔17の一端をテーパ状に形成して、テーパ部18としてある。
この構成で、複数枚のキーパネル9のヒンジ部16にピン14を挿通する際は、図3に示す如く、テーパ部18を形成した側からピン14を挿通するようにする。これにより、挿通の際はテーパ部18にピン14の先端が案内されてスムーズに各ヒンジ部16にピン14を挿通でき、組付けの手間もかからず、組立作業に必要な時間も少なくできる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0026】
即ち、請求項1に示す如く、基体上にキーを複数行複数列にわたって備え、前記キーを配置する領域の一側に枢支軸を備え、前記枢支軸を介してキーパネルを枢支して複数枚重ねたキーパネル構造において、前記キーパネルの開閉を検知するための検知手段は、前記キーパネルが閉じられた状態で前記キーパネルの下となる領域上に突出させて設けられるとともに、前記キーを配置する領域に対し平行にかつ前記枢支軸に垂直に見たときに、前記キーと重複しない位置に配置されており、閉じられている状態で下側となる前記キーパネルには、前記検知手段に対応する位置に、前記検知手段の一部を押し込まないようにするための切欠部が形成され、閉じられている状態で上側となる前記キーパネルには、前記切欠部を挿通して前記検知手段を押し込むための突出部が形成されており、それぞれのキーパネルの遊端側の端縁に形成される把持部には、凸状又は凹状の識別部を設け、前記識別部の形状はキーパネルごとに異なる形状に構成されているので、
現在どのキーパネルが開かれているかが利用者にとって容易にかつすぐに理解でき、サービス担当者の電話での指示にも利用者が的確に対応できるような構造となったのである。従って、修理サービス提供者側からみればサービス効率の向上が図られることになる。
また、目が不自由な人にとっても手で触れることによりキーパネルが何枚目かを確認することが容易な構造である。
また、キーの機能を基体上に書き込む際にペン先が検知手段の先端にぶつかるおそれが小さくなり、検知手段の破損の可能性も低減される。
【0027】
請求項2に示す如く、前記各キーパネルの表面に貼設するシールの形状を一致させたので、
形状の異なる複数種類のシールを用意する必要がなく、コスト低減に寄与できる。
【0028】
請求項3に示す如く、前記各キーパネルに共通の枢支軸を貫通させるヒンジ部を設け、前記ヒンジ部の貫通孔の少なくとも一端側をテーパ構造としているので、
テーパ側から枢支軸を挿通させることにより、該枢支軸の先端をテーパに案内させながらヒンジに挿通でき、挿通作業が容易である。従って、組付作業が容易であり、時間も手間も低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るファクシミリ装置の全体的な構成を示した斜視図。
【図2】キーパネル構造の全体斜視図。
【図3】キーパネルの枢支構成及び識別部の構成を示した斜視図。
【図4】図2における矢視Yの方向から見た図。
【図5】キーパネルへのシール貼設の様子を示した斜視図。
【図6】キーパネルのヒンジ構造を示す断面図。
【符号の説明】
8 キー
9a・9b・9c キーパネル
12 識別部
13a・13b・13c 検知手段
16 ヒンジ部
Claims (3)
- 基体上にキーを複数行複数列にわたって備え、前記キーを配置する領域の一側に枢支軸を備え、前記枢支軸を介してキーパネルを枢支して複数枚重ねたキーパネル構造において、
前記キーパネルの開閉を検知するための検知手段は、前記キーパネルが閉じられた状態で前記キーパネルの下となる領域上に突出させて設けられるとともに、前記キーを配置する領域に対し平行にかつ前記枢支軸に垂直に見たときに、前記キーと重複しない位置に配置されており、
閉じられている状態で下側となる前記キーパネルには、前記検知手段に対応する位置に、前記検知手段の一部を押し込まないようにするための切欠部が形成され、閉じられている状態で上側となる前記キーパネルには、前記切欠部を挿通して前記検知手段を押し込むための突出部が形成されており、
それぞれのキーパネルの遊端側の端縁に形成される把持部には、凸状又は凹状の識別部を設け、前記識別部の形状はキーパネルごとに異なる形状に構成されていることを特徴とするキーパネル構造。 - 前記各キーパネルの表面に貼設するシールの形状を一致させたことを特徴とする請求項1に記載のキーパネル構造。
- 前記各キーパネルに共通の枢支軸を貫通させるヒンジ部を設け、前記ヒンジ部の貫通孔の少なくとも一端側をテーパ構造としていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のキーパネル構造。
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