JP4232003B2 - 穀類の空気輸送方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は穀類の輸送方法及びその装置に係り、特に輸送管内に導入した気送用空気によって穀類を空気輸送するようにした穀類の空気輸送方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
精米工場では、玄米を銘柄毎に精米機にかけて白米として貯蔵する。また、貯蔵した各種の白米を必要に応じてブレンド米とし包装出荷するようにしている。これらの各工程間の玄米、白米、ブレンド米の輸送を通常はバケットコンベアやチェーンコンベアなどの輸送装置を用いて行うようにしている。しかしながら、これらの輸送装置では部品表面に糠が固着したり、部品間に糠や米粒が入り込んで運転の不調を招き易い。また、部品に滞留した糠や米粒からカビが発生したり、糠や米粒を食する昆虫類が繁殖して衛生上の問題や、米の品質低下を招き易い。このため、上記輸送装置では分解、清掃を頻繁に行う必要があり、メンテナンスに多大な労力と費用がかかるという問題を抱えていた。
【0003】
このような問題を解決するために、従前の機械的な輸送方法に替えて米を空気輸送する方法が導入されつつある。この空気輸送方法は輸送管内に導入した気送用空気によって米を15〜20m/sの高速度で輸送する。このため、輸送管の内面に糠や米粒が固着、滞留することがなく、従前の輸送方法の問題点を回避することができる(以上、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−316059号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、米に代表されるこの種の穀類はそれぞれの加工、出荷段階で適正な水分量を含んでいることが必要である。水分量が過大であれば貯蔵、保管時にカビが発生し易くなり品質の低下を招く。水分量が過小であれば亀裂が生じ易くなり同様に品質の低下を招く。また、食加工した際に穀類の含水率が味に微妙に影響するともいわれている。さらに、出荷される穀類は通常、重量ベースで取引されるので、穀類の含水率に変動があると商取引上の問題が生じる。このように、穀類の含水率は精米工場等における管理要素として重要な項目になっている。
【0006】
一方、前記したように穀類を空気輸送すると輸送管内で穀類と気送用空気が激しく混合接触するので、輸送の途中で穀類と気送用空気との間で水分の授受が発生することが判明してきた。例えば、冬季の乾燥した外部空気(以下、外気という。)を気送用空気として用いると輸送の途中で穀類中の水分が気送用空気に移行し、穀類が乾燥する。逆に梅雨時など湿度が高い外気を気送用空気として用いると輸送の途中で気送用空気中の水分が穀類に移行し、穀類の含水率が上昇する。空気輸送した穀類の含水率が、このように外気の湿度条件によって影響を受けることは好ましくない。
【0007】
この問題点を克服するために、外気の湿度条件に応じて気送用空気を加湿又は減湿することが考えられる。しかしながら、空気輸送に使用する多量の空気を短時間に所望の湿度にまで調湿するためには、調湿機の設備容量を大きくしなければならず実用的ではない。
【0008】
本発明はこのような背景の元で創案されたものであり、本発明の目的は、外気の湿度条件が大きく変動しても簡便な構成によって気送用空気の湿度を一定範囲内に調節することができ、もって穀類の含水率を安定に維持することができる穀類の空気輸送方法及びその装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る穀類の空気輸送方法は、輸送管内に導入した気送用空気によって穀類を空気輸送する穀類の空気輸送方法において、前記穀類の空気輸送に使用した空気を循環使用するとともに、前記空気の循環量を外気の湿度に基づいて調節することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る穀類の空気輸送装置は、穀類を空気輸送する輸送管と、この輸送管の上流側から気送用空気を送り込むか又は下流側から気送用空気を吸引するブロワと、前記輸送管の上流側に穀類を供給する穀類供給器と、前記輸送管の下流側に設けられた穀類分離器と、この穀類分離器で分離された使用済の空気を前記ブロワに循環させる空気返送管と、前記使用済の空気の循環量を検出した外気の湿度に基づいて調節可能な調節手段とを具備したことを特徴とする。この装置は前記気送用空気の温湿度を調整可能な空気調和機を具備したことが好ましい。
【0011】
【作用】
本発明によれば、穀類の空気輸送に使用した空気を循環使用するので、外気の湿度条件に大きな影響を受けることなく、気送用空気の湿度を好ましい値に調節することができる。このため、輸送の途中における穀類と気送用空気と間の水分の授受が少なくなり、穀類の含水率を安定に維持することができる。特に搗精直後の穀類は搗精時の摩擦熱によって温度が上昇しており水分の蒸散が多いので、この蒸散した水分を加湿源として活用できる。つまり、搗精直後の穀類を輸送した循環空気の湿度が自律的に高くなるので、冬季など外気の湿度が低い時節の運転方法として有効である。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る穀類の空気輸送装置の実施形態を示す装置系統図である。白米などの穀類10が穀類供給器12に貯留されている。この穀類供給器12内の穀類10を穀類貯蔵タンク14に空気輸送するために輸送管16が用いられる。輸送管16の上流端にはブロワ18によって昇圧した圧送用空気を輸送管16に供給する空気供給管20が接続されている。この空気供給管20には空気調和機22が設けられ、この空気調和機22によって温湿度が調整された圧送用空気が輸送管16内に15〜20m/s程度の風速で導入される。
【0013】
穀類供給器12の底部にはロータリーフィーダ24が設けられ、このロータリーフィーダ24から定量で供給された穀類10が供給管26を介して輸送管16の上流部28に供給される。この輸送管16に供給された穀類10は前記圧送用空気と混合し、圧送用空気によって輸送管16内を圧送される。輸送管16の下流側には穀類分離器であるサイクロン30が配設されている。圧送用空気と穀類10の混合体はこのサイクロン30で分離され、穀類10はシュート32を介して穀類貯蔵タンク14に落下し、貯蔵される。
【0014】
一方、サイクロン30で分離された使用済みの空気は空気返送管34によってブロワ18側に循環される。この使用済みの空気中には、穀類10が白米である場合には、白米に付着していた糠などの微粉が同伴、混入している。そこで、空気返送管34の途中にバグフィルタ36を取り付け、空気中の微粉をこのバグフィルタ36によってろ過集塵する。
【0015】
ブロワ18は防音構造のブロワ室38に収容されており、このブロワ室38に空気返送管34の下流端が接続されている。ブロワ室38にはバグフィルタ36を経由して清浄化した使用済みの空気が空気返送管34によって循環供給される。また、ブロワ室38には外気40の取込口42が設けられている。ブロワ18は空気返送管34によってブロワ室38に循環された返送空気又は取込口42から取り込んだ外気40のいずれか一方、もしくは両者が混合した空気を昇圧し、この昇圧した空気を圧送用空気として輸送管16に供給することになる。空気返送管34からは排気ダンパ44を備えた排気管46が分岐しており、この排気管46が分岐した下流側の空気返送管34には流量調整ダンパ48が取り付けられている。これらの排気ダンパ44及び流量調整ダンパ48は外気の湿度49を取り込んだ第1の制御器50によってその開度が制御される。
【0016】
前記、空気調和機22には冷却コイル52と加湿手段54を内蔵している。冷却コイル52には冷水供給管56が接続され、冷水供給管56には冷水の流量調節弁58が取り付けられている。加湿手段54には散布用の温水又は蒸気等の水分を供給する水分供給管60が接続され、水分供給管60には水分の流量調節弁62が取り付けられている。また、空気供給管20には圧送用空気の温度検出計64と湿度検出計66が取り付けられ、これらの検出計で検出された圧送用空気の温湿度は第2の制御器68に送信される。第2の制御器68では受信した圧送用空気の温湿度が設定値となるように冷水の流量調節弁58及び水分の流量調節弁62を制御する。
【0017】
上記構成の空気輸送装置の運転方法を以下に説明する。冬季など外気の相対湿度が30%以下の時には、外気をそのまま圧送用空気として用いると被輸送物である穀類が空気輸送の過程で乾燥し、その含水率が過小になる場合がある。そこで、第1の制御器50では空気輸送の運転に先立って、排気ダンパ44を全閉、流量調整ダンパ48を全開した状態でブロワ18を稼動させる。すると、圧送用空気はブロワ18→空気供給管20(空気調和機22)→輸送管16→サイクロン30→空気返送管34(バグフィルタ36)→ブロワ室38→ブロワ18の経路を循環する。この予備的な循環過程で圧送用空気は空気調和機22によって適度な温度、相対湿度(40%前後)に調整される。
【0018】
次いで、ロータリーフィーダ24を回転させ、穀類供給器12内の穀物10を供給管26から輸送管16の上流部28に定量供給して空気輸送を開始する。輸送管16に供給された穀類10は圧送用空気と混合し、圧送用空気によって輸送管16内を圧送される。圧送用空気と穀類10の混合体はサイクロン30で分離され、穀類10はシュート32を介して穀類貯蔵タンク14に落下し、貯蔵される。圧送用空気は予め適度な温度、相対湿度(40%前後)に調整されているので、この空気輸送の過程では圧送用空気と穀類10との間で水分の授受が少なく、穀類10の含水率を安定に維持することができる。
【0019】
一方、サイクロン30で分離された使用済みの空気は空気返送管34から循環される。この循環の途中で糠などの微粉がバグフィルタ36によってろ過集塵され清浄化した空気がブロワ室38に戻る。ブロワ18はこのブロワ室38に循環された使用済みの空気を吸込んで昇圧し、圧送用空気として再び輸送管16に供給する。ブロワ18による昇圧時に圧送用空気の温度が上昇し、この温度の上昇に伴って相対湿度が低下する。このため、第2の制御器68が空気輸送の間も常時作動し、圧送用空気は空気調和機22によって適度な温度、相対湿度に調整される。圧送用空気と穀類10との間では水分の授受が少ないので、圧送用空気中の水分量(絶対湿度)はあまり変化しない。したがって、空気調和機22による圧送用空気の温度調整が安定に行われると、空気調和機22での加湿手段54の負荷は非常に小さい。
【0020】
なお、圧送用空気の全量循環を継続すると、昇圧時の圧送用空気の温度上昇に対する空気調和機22での冷却負荷が大きくなる。そこで、第1の制御器50では冷却負荷の低減を目的として、圧送用空気の循環量を一部に止め、温度の低い外気を導入する制御を実行するようにしてもよい。この場合、第1の制御器50では外気の温度に基づいて圧送用空気の循環量を演算し、演算した循環量となるように排気ダンパ44及び流量調整ダンパ48の開度を制御する。
【0021】
次に、梅雨時や夏季など高温多湿な時期の運転方法について説明する。このような時期には外気の温度が高く、相対湿度も80%以上となり、外気をそのまま圧送用空気として用いると被輸送物である穀類が空気輸送の過程で加湿され、その含水率が過大になる場合がある。そこで、第1の制御器50では空気輸送の運転に先立って、排気ダンパ44を全閉、流量調整ダンパ48を全開した状態でブロワ18を稼動させる。すると、圧送用空気はブロワ18→空気供給管20(空気調和機22)→輸送管16→サイクロン30→空気返送管34(バグフィルタ36)→ブロワ室38→ブロワ18の経路を循環する。この予備的な循環過程で循環空気量を絞り冷却負荷を下げることによって、空気調和機22の冷却コイル52表面に循環空気中の水分を凝縮させ除湿する。その後、循環空気量を空気輸送に適した量とすることによって、圧送用空気は空気調和機22によって適度な温度、相対湿度(70%前後)に調整される。この適度な温度、相対湿度に調整された圧送用空気を循環させることによって、前述した冬季の乾燥時と同様に圧送用空気と穀類10との間で水分の授受が少ない空気輸送を実施でき、穀類10の含水率を安定に維持することができる。
【0022】
なお、適度な相対湿度を冬季の乾燥時には40%前後、梅雨時や夏季など高温多湿な時期には70%前後とした理由は、主として空気調和機22での負荷を低減するためである。すなわち、相対湿度が40〜70%前後の範囲では空気輸送される数秒間では圧送用空気と穀類10との間で穀類10の含水率に悪影響を与えるほどの水分の授受は生じない。このため、冬季の乾燥時には加湿負荷を低減する目的で適度な相対湿度を低目に設定し、高温多湿な時期には冷却負荷を低減する目的で適度な相対湿度を高目に設定する。
【0023】
春季や秋季など外気の温度、湿度が比較的適度な時期では、圧送用空気の全量を外気で賄うことができる。また、外気の温度、湿度の一方が不適切な場合や空気調和機22での冷却負荷や加湿負荷を低減させたい場合に、圧送用に使用した空気の全量又は一部を循環させるようにしてもよい。このような場合には、第1の制御器50では外気の湿度49や温度に基づいて、好ましい空気の循環量を演算し、演算した循環量となるように排気ダンパ44及び流量調整ダンパ48の開度を制御する。
【0024】
上記実施形態では当該穀類の空気輸送装置の運転を、第1の制御器50と第2の制御器68によって自動制御する場合について説明した。しかしながら、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、第1の制御器50と第2の制御器68を省略し、季節や外気条件に応じて操作員がマニュアルで空気の循環量や空気調和機の運転条件を調節するようにしてもよい。また、空気調和機に替えて冷却機能のみを有した空気冷却器を設置してもよい。すなわち、圧送用に使用した空気の全量を循環使用した場合には、空気輸送時の圧送用空気と穀類との間の水分の授受によって、循環空気の相対湿度が次第に平衡に達し、いわゆるセルフバランスする。このため、空気輸送初期での圧送用空気と穀類との間の水分の授受が許容できれば、空気調和機から調湿機能を省くことができ、設置機器の簡略化と運転操作の単純化を図ることができる。
【0025】
上記実施形態では穀類を圧送用空気によって圧送した。しかしながら、本発明はこれに限らず、穀類を空気輸送するための気送用空気として吸引空気を用いてもよい。この場合には空気輸送に使用した吸引空気を輸送管の吸引口に循環させればよい。また、上記実施形態ではブロワ20の下流側の空気調和機22に加湿手段54を設けたが、加湿手段の設置位置はこれに限らない。例えば加湿手段をブロワ室38に配置して、ブロワ20で吸引する空気を加湿するようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る穀類の空気輸送方法及びその装置によれば、穀類の空気輸送に使用した空気を循環使用するので、外気の湿度条件に大きな影響を受けることなく、気送用空気の湿度を好ましい値に調節することができる。このため、輸送の途中における穀類と気送用空気と間の水分の授受が少なくなり、穀類の含水率を安定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る穀類の空気輸送装置の実施形態を示す装置系統図である。
【符号の説明】
10………穀類、12………穀類供給器、14………穀類貯蔵タンク、16………輸送管、18………ブロワ、20………空気供給管、22………空気調和機、24………ロータリーフィーダ、30………サイクロン、32………シュート、34………空気返送管、36………バグフィルタ、38………ブロワ室、40………外気、50………第1の制御器、52………冷却コイル、54………加湿手段、64………温度検出計、66………湿度検出計、68………第2の制御器。

Claims (5)

  1. 輸送管内に導入した気送用空気によって穀類を空気輸送する穀類の空気輸送方法において、前記穀類の空気輸送に使用した空気を循環使用するとともに、前記空気の循環量を外気の湿度に基づいて調節することを特徴とする穀類の空気輸送方法。
  2. 前記循環使用する空気は穀類から蒸散した水分を含んだ空気であることを特徴とする請求項1に記載の穀類の空気輸送方法。
  3. 前記穀類が搗精直後の穀類であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の穀類の空気輸送方法。
  4. 穀類を空気輸送する輸送管と、この輸送管の上流側から気送用空気を送り込むか又は下流側から気送用空気を吸引するブロワと、前記輸送管の上流側に穀類を供給する穀類供給器と、前記輸送管の下流側に設けられた穀類分離器と、この穀類分離器で分離された使用済の空気を前記ブロワに循環させる空気返送管と、前記使用済の空気の循環量を検出した外気の湿度に基づいて調節可能な調節手段とを具備したことを特徴とする穀類の空気輸送装置。
  5. 前記気送用空気の温湿度を調整可能な空気調和機を具備したことを特徴とする請求項4に記載の穀類の空気輸送装置。
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