JP4231711B2 - 犠牲陽極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
船舶用の推進装置においては、電気化学腐蝕の発生により、推進装置ケース及びプロペラの腐蝕が発生し、これが推進装置ケース及びプロペラの損傷の原因となり、航行の危険性を高めるという不具合があった。この危険を回避する為に、腐蝕電流を制御する方式の一つとして犠牲陽極を装着する方法があり、該犠牲陽極の陽極材質としては、防食用亜鉛合金や防食用マグネシウム電極や防食用アルミニウム合金等が用いられる。本発明は、このように推進装置ケース及びプロペラの腐蝕の代わりに犠牲となって、電気化学腐蝕を受ける犠牲陽極をプロペラの近傍に配置する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、犠牲陽極に関する技術は公知とされているのである。例えば、特開平8−133185号公報や、特開平8−133184号公報に記載の技術の如くである。また、他の従来技術として、図25・図26・図27のように犠牲陽極をプロペラの部分に付設する技術も公知とされていたのである。図25は、従来の犠牲陽極Bをプロペラ軸1に装着した状態の斜視図、図26は、従来の犠牲陽極Bをプロペラ軸1の上の、折畳式のプロペラ機構2を外して見た状態の斜視図、図27は、同じく従来の犠牲陽極Bを4本のボルトを外すことにより、脱着している状態の斜視図である。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−133185号公報
【特許文献2】
特開平8−133184号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来技術の図面において示す如く、従来は、推進装置本体Cを構成する推進装置ケース5に対して、円環状の従来の犠牲陽極Bを、プロペラ軸1の軸心を同一軸心とする軸心上に、後方からプロペラ機構を外してから、螺装する4本の固定ボルト13・13・13・13により固定していたのである。該従来の犠牲陽極Bは、推進装置ケース5と、プロペラ軸1の上に装着したプロペラ機構2との間の位置に、円環状の従来の犠牲陽極Bが介装固定されていたのである。故に、該犠牲陽極Bが電気化学腐食により溶融して痩せた場合に、これを取り替える操作において、その都度、プロペラ軸1からプロペラ機構2を先ず取り外して、次に固定ボルト13を外してから犠牲陽極を取外す必要があったのである。即ち、前記した4本の固定ボルト13・・を外す為には、プロペラ機構2が邪魔であり、必ずプロペラ機構2を外さなければ、犠牲陽極Bを外すことが出来ないという不具合があったのである。
本発明は、以上のような従来技術の不具合を解消せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、半月状の同一部品である2つの犠牲陽極(A・A)を左右に配置して連結し、脱着時には左右に分割可能とした犠牲陽極において、該犠牲陽極(A)は腐食溶融することの無い材料により構成した芯金(7)の一端部を残して、防食亜鉛を焼付け付着させて構成し、該芯金(7)は、一側の途中から軸心に対して前後方向の段差(7a)部を構成し、該段差(7a)の側の芯金(7)の部分は露出して亜鉛焼付けをしない部分とし、該段差(7a)と反対側は防食亜鉛を焼付けた後で面取り加工し、前記段差(7a)の厚み分だけ凹む構成として、該凹み部分に、他方の犠牲陽極(A)の段差(7a)を重複可能とし、組立時に他方の犠牲陽極(A)と重ねた場合において、同一部品により構成した犠牲陽極(A)の、一側の段差(7a)を設けた側のボルト挿入孔(7b)と、他方の犠牲陽極(A)の段差(7a)を設けていない側のボルト挿入孔(7b)を重ねて密着可能とし、該分割構造とした犠牲陽極(A)を、前記芯金(7)に設けた2つのボルト挿入孔(7b・7b)の一方に挿入した枢支ボルト(11)を中心に開閉回動可能に構成し、該犠牲陽極(A)を、推進装置本体(C)と、プロペラ機構(2)のプロペラ(2a)との間に嵌装した軸受ケース(4)の側面に、2本の前記枢支ボルト(11・11)により固定可能としたものである。
請求項2においては、請求項1記載の犠牲陽極において、前記推進装置本体(C)を構成する推進装置ケース(5)の、プロペラ軸(1)が突出する側の嵌入孔に軸受ケース(4)を嵌装し、該軸受ケース(4)のプロペラ機構(2)側側面に、該犠牲陽極(A)を固定する間座プレート(8)の固定用螺子孔(4b・4b)を穿設し、該間座プレート(8)は、略三角形状に構成して左右対称として、両側に前記軸受ケース(4)のボルト嵌装孔(4b・4b)に重複するように一致させたボルト螺装孔(8b・8b)を穿設し、該間座プレート(8)の左右中央にはビス孔(8a)を穿設し、前記2つの犠牲陽極(A・A)の芯金(7・7)に設けたボルト挿入孔(7b・7b)に挿入した枢支ボルト(11)が、該間座プレート(8)のビス孔(8a)を貫通し、前記軸受ケース(4)に設けたボルト嵌装孔(4a)を貫通し、前記推進装置ケース(5)に対して螺子止めされるべく構成し、前記犠牲陽極(A)の推進装置ケース(5)側には、段差(9・10)を構成し、該段差(9・10)の部分により前記間座プレート(8)を迂回回避し、該犠牲陽極(A)を間座プレート(8)を介して、該軸受ケース(4)と推進装置ケース(5)に対して固定可能としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。図1は、ヨットの船体部分に舶用エンジンと舶用推進装置を付設した状態の正面図、図2は、舶用エンジンと舶用推進装置を一体化した状態の正面図、図3は、本発明の犠牲陽極Aを付設する推進装置ケース5とプロペラ機構2の間の部分の正面図である。
【0007】
図1において、ヨットの船体の内部に舶用エンジンEの部分が配置されており、推進装置本体Cの推進装置ケース5とプロペラ機構2の部分が、船体から水中に突出している。本構成の場合には、船体の全体をヨットハーバーにおいて、吊り上げて格納した場合以外には、推進装置本体Cは常時海水中に沈んだ状態を維持することとなり、推進装置ケース及びプロペラの電気化学腐蝕が発生する可能性が高くなり、この腐蝕を防止する為には犠牲陽極を必ず付設する必要があるのである。
【0008】
そして、該犠牲陽極は、水にさらされた箇所に、推進装置ケース及びプロペラと導通するように配置し、また、該部品が推進抵抗とならないようにする必要がある。これまでも、図25・図26・図27に図示するように、推進装置本体Cの推進装置ケース5と、プロペラ2aが付設されているプロペラ機構2との間の、プロペラ軸1の外周に同一軸心として螺装固定されているのである。図2において図示する如く、舶用エンジンEのフライホイール側に、推進装置本体Cが付設されている。該推進装置本体Cは、上部のベベルギアケース3と推進装置ケース5により構成されている。該ベベルギアケース3と推進装置ケース5との関係位置は、前後に180度変更可能に構成されており、図1においては、エンジンEとプロペラ2aの方向が同じ方向となっているが、図2の実施例においては、プロペラ2aとエンジンEの方向が逆の方向に配置された構成となっている。
【0009】
推進装置本体Cを構成するベベルギアケース3の内部には、エンジンEからの駆動力を下方へ方向転換するベベルギア装置と、該ベベルギア装置に対して、スライドして回転方向を前進と後進と中立に切り換えるクラッチ機構が配置されている。また、該ベベルギアケース3の前端部には、フライホイールケース3aが付設されており、該フライホイールケース3aの部分でエンジンEのフライホイールケース側のクランクケースにボルトにより固定されるように構成されている。また、推進装置ケース5の内部には、垂直軸と、その下端に配置されたベベルギア装置が包含されている。該下端のベベルギア装置により、垂直軸の回転をプロペラ軸1の水平方向の回転に変更している。そして、水平方向に突出されたプロペラ軸1に、プロペラ機構2とプロペラ2aが付設されているのである。
【0010】
プロペラ機構2を構成するプロペラ2aは、プロペラ枢支部2bを中心に折畳み式に構成されており、エンジンEからの駆動力が伝達されて、プロペラ軸1が回転すると、プロペラ2aがプロペラ枢支部2bを中心に遠心力で開いた状態となり、推進力を発揮するように構成されている。逆に、エンジンEからの動力が伝達されずに、プロペラ軸1が回転しない場合に、プロペラ2aは船体の推進力をヨットの帆により得て航行しているおり、水の抵抗によりプロペラ枢支部2bを中心にして折り畳まれた状態となり、帆による推進力に対して抵抗とならないように構成されている。
【0011】
図4においては、推進装置ケース5とプロペラ機構2とプロペラ軸1と犠牲陽極Aとの位置関係が正面断面図として図示されている。図5は、推進装置ケース5に嵌装されてプロペラ軸1の軸受を支持する軸受ケース4の正面断面図、図6は、同じく軸受ケース4の推進装置ケース5側の前面図、図7は、同じく軸受ケース4のプロペラ機構2側の後面図である。
【0012】
該軸受ケース4は、推進装置ケース5のプロペラ軸1が突出する側の嵌入孔に嵌装されている部品であり、該軸受ケース4には、軸受嵌入部とオイルシール嵌入部が構成されている。プロペラ軸1の外周と軸受ケース4の内周との間に、軸受とオイルシールが嵌装介在されている。該軸受ケース4は、推進装置ケース5に対する取り付け用のボルト嵌装孔4a・4aが2本上下に開口されている。該ボルト嵌装孔4a・4aには、M8の六角孔付きボルトが嵌装されて、推進装置ケース5の側面に螺装固定される構成となっている。該六角孔付きボルトは、軸受ケース4のプロペラ機構2側の側面よりも突出せずに、ボルト嵌装孔4a・4a内に陥没する程度の頭部長さを持つボルトとしている。
【0013】
従来の犠牲陽極Bを固定する為の螺子孔4bがプロペラ機構2の側の、軸受ケース4の側面に開口されている。従来の犠牲陽極Bは、完全な円環状に構成されており、そのままの円環状で、該螺子孔4bに螺子により螺装固定されていたのである。本発明においては、該従来の犠牲陽極Bの為の螺子孔4bを、そのまま利用して、該螺子孔4bに、図13と図14に図示している本発明の犠牲陽極Aを固定する為の間座プレート8・8を固定すべく構成している。図4において、プロペラ機構2とプロペラ軸1との間には、ショックアブソーバー6が介装されており、プロペラ2aの回転との間の衝撃を緩和している。図13は間座プレート8の後面図、図14は間座プレート8の正面断面図である。
【0014】
該間座プレート8は、略三角形状に構成して左右対称として、その両側に前記した軸受ケース4のボルト嵌装孔4b・4bに重複するように一致させてボルト螺装孔8b・8bが穿設されている。また、軸受ケース4に対して後面視で上下対称に配置される。前記ボルト螺装孔8bは、本実施例ではM6のボルトが螺装可能な螺子孔となっており、該ボルト螺装孔8bにM6のボルトを螺装して軸受ケース4に固定すべく構成している。該ボルト螺装孔8bに挿入したボルトの頭部は、前記した軸受ケース4を推進装置ケース5に固定後に犠牲陽極Aを取り付けた時に接当しない程度の長さに構成している。また、間座プレート8に犠牲陽極Aを固定する為に、軸受ケース4のボルト嵌装孔4aを貫通して推進装置ケース5に対して螺子止めする為の、埋め込みビス孔8aが、左右中央に開口され、前記ボルト嵌装孔4aに合致するように配設し、二分割された犠牲陽極Aをボルト11により取り付けるようにしている。
【0015】
該間座プレート8は、平頭付きの埋め込みボルトにより軸受ケース4の螺子孔4b・4bに螺装固定されて、該埋め込みボルトの頭部が、2つ割りにした犠牲陽極Aと当接しないように埋め込まれているのである。該間座プレート8は、従来の犠牲陽極Bを固定する場合において、プロペラ機構2を取り外さなけれは、ボルトが外せない位置に存在した螺子孔4bを利用して、ボルト螺装孔8bで固定し、従来から存在する推進装置ケース5に装着する部材として構成されているのである。この構成により、該間座プレート8を螺子孔4b・4bの部分で、埋め込みボルト12・12により軸受ケース4に固定すれば、該間座プレート8のボルト螺装孔8aの部分が、プロペラ機構2の外周部分に露出した状態で位置するのである。このボルト螺装孔8aに対して、2つ割りの犠牲陽極Aの枢支ボルト11部分を螺装するように構成したものである。
【0016】
図8は、本発明の犠牲陽極Aのプロペラ機構2側の後面図、図9は、犠牲陽極Aの正面図、図10は、犠牲陽極Aの推進装置ケース5側の前面図、図11は、犠牲陽極Aの芯金7の後面図、図12は、芯金7の正面図である。本発明の犠牲陽極Aは、半月状に構成されて、同一部品を左右に配置して2つ割り状にでき、芯金7に一端部を残して防食亜鉛を鋳物製造工程で焼付け付着させた構成としている。該芯金7はステンレス材により構成されて、この芯金7は腐食溶融することの無い材料により構成されている。実際に電気化学腐食により海水中に溶融して痩せて行くのは、芯金7に焼付けた亜鉛材料の部分だけである。
【0017】
該芯金7は、一側の途中から軸心に対して前後方向の段差7a部を構成しており、組立時に他方の犠牲陽極Aと重ねた場合において、同一部品により構成した犠牲陽極Aの一側の段差7aと他方のボルト挿入孔7bの部分を重ねて密着できるようにしている。つまり、段差7aの側の芯金7の部分は露出して亜鉛焼付をしない部分とし、段差7aの反対の側は防食亜鉛を焼付た後で面取り加工して、図9に示すように段差7aの厚み分凹む構成として、この凹み部分にもう一方の段差部7aを位置させて一致すべく構成している。そして、犠牲陽極Aの両側の推進装置ケース5の側には、段差9・10が構成されており、点対称で同一部品を兼用して使用する犠牲陽極Aをボルト挿入孔7bの部分にボルトを挿入して一体化した場合において、該段差9・10の部分に、前記間座プレート8が位置する空間を構成すべく構成されている。即ち、該段差9・10の部分で間座プレート8を迂回回避して、後述するように、取付や取り外しのときに左右開いた状態でも干渉しない構成としているのである。また芯金7の中央部分には、防食亜鉛を焼付する場合において、両者が一体化して離れるようなことのないように、溶融亜鉛が通過する亜鉛通過孔7c・7c・・・が適宜間隔をあけて開口されている。
【0018】
図15は軸受ケース4に対して、間座プレート8を埋め込みネジ12により固定する状態を図示した斜視図、図16は軸受ケース4と間座プレート8と犠牲陽極Aを示すプロペラ機構2側の後面図、図17は犠牲陽極Aを一体化する枢支ボルト11により2つ割りの犠牲陽極Aを一体化する状態を示す図面、図18は枢支ボルト11により一端のみを枢支連結した犠牲陽極A・Aを開いた状態の図面、図19は該犠牲陽極A・Aを固定しようとする状態の図面、図20は図19の状態の同じくプロペラ機構2側の後面図、図21は枢支ボルト11によりボルト螺装孔8aに固定しようとする状態の斜視図、図22は犠牲陽極A・Aを2本の枢支ボルト11により固定する状態の図面である。該枢支ボルト11は、六角孔付きボルトのM8により構成されている。
【0019】
図15から図22に図示したような、手順により、左右対称の犠牲陽極Aを、枢支ボルト11により一体化して固定して行くのである。この際において、まず点対称の犠牲陽極A・Aのボルト挿入孔7b・7bの部分をボルト螺装孔8aに一致させて、図21の如く枢支ボルト11を挿入して仮止めし、図22の如く犠牲陽極A・Aを閉じて、下方側にも枢支ボルト11を挿入して固定するのである。このように構成することにより、取替作業をする作業者が、海中に潜ってプロペラ機構2の近傍で、犠牲陽極Aの取替を行う場合にも、プロペラを外すことなく、枢支ボルト11を外して2つ割りにして犠牲陽極A・Aを開いて、もう一方の枢支ボルト11を外して犠牲陽極A・Aを二つに分割して取り外すことができる。取り付ける場合は逆の操作を行う。
【0020】
図23は、別の犠牲陽極14・15・16の参考例を示す図面である。図24は、同じく参考例の該犠牲陽極14・15・16の部分における推進装置ケース5の平面断面図である。本発明の目的は、該犠牲陽極の部分が海中に位置する場合にも、交換作業者が簡単に交換することが出来ることであり、図23・図24の如く、推進装置ケース5の側面と前後面に、犠牲陽極14・15・16を脱着可能に固定することも可能なのである。また、犠牲陽極14・15・16は分割構造とすることもできる。該実施例においては、推進装置ケース5の側面には左右の犠牲陽極15・15を六角孔付きボルトにより固定しており、また前後には、推進装置ケース5の断面舟型に沿った形状の犠牲陽極14・16を、六角孔付きボルトにより固定している。このように構成することにより、脱着が容易にできるのである。
【0021】
図23と図24の構成において、犠牲陽極14・15・16は、推進装置ケース5の水平断面図の外径に沿った形状に構成しており、該犠牲陽極14・15・16自体が、航行時の抵抗体となることのないように構成しているのである。また脱着も六角孔付きボルトにより構成して、埋め込みボルトとし、抵抗とは成らず、かつ脱着が容易なボルトとしている。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するものである。
請求項1においては、 半月状の同一部品である2つの犠牲陽極(A・A)を左右に配置して連結し、脱着時には左右に分割可能とした犠牲陽極において、該犠牲陽極(A)は腐食溶融することの無い材料により構成した芯金(7)の一端部を残して、防食亜鉛を焼付け付着させて構成し、該芯金(7)は、一側の途中から軸心に対して前後方向の段差(7a)部を構成し、該段差(7a)の側の芯金(7)の部分は露出して亜鉛焼付けをしない部分とし、該段差(7a)と反対側は防食亜鉛を焼付けた後で面取り加工し、前記段差(7a)の厚み分だけ凹む構成として、該凹み部分に、他方の犠牲陽極(A)の段差(7a)を重複可能とし、組立時に他方の犠牲陽極(A)と重ねた場合において、同一部品により構成した犠牲陽極(A)の、一側の段差(7a)を設けた側のボルト挿入孔(7b)と、他方の犠牲陽極(A)の段差(7a)を設けていない側のボルト挿入孔(7b)を重ねて密着可能とし、該分割構造とした犠牲陽極(A)を、前記芯金(7)に設けた2つのボルト挿入孔(7b・7b)の一方に挿入した枢支ボルト(11)を中心に開閉回動可能に構成し、該犠牲陽極(A)を、推進装置本体(C)と、プロペラ機構(2)のプロペラ(2a)との間に嵌装した軸受ケース(4)の側面に、2本の前記枢支ボルト(11・11)により固定可能としたので、該犠牲陽極Aを分割することにより、犠牲陽極Aの取外しに際して、プロペラ機構2やプロペラ2aを外す必要がなくなり、水中に沈んだプロペラ機構2の近傍に設けられた、犠牲陽極Aが腐食して痩せた場合の取替作業が、プロペラ機構2やプロペラ2aを外すことなく、容易に出来るようになったのである。
【0023】
また、分割構造とした犠牲陽極を、枢支ボルト11を中心に開閉回動可能に枢支する構造としたので、分割構造の一端の枢支ボルト11を外すことにより、他側の枢支ボルト11を中心に、犠牲陽極A・Aを開放することにより、プロペラ機構2とプロペラ2aを回避することが出来るので、犠牲陽極Aの取外しに際して、プロペラ機構2やプロペラ2aを外す必要がなくなり、水中に沈んだプロペラ機構2の近傍に設けられた、犠牲陽極Aが腐食して痩せた場合の取替作業が、プロペラ機構2やプロペラ2aを外すことなく、容易に出来るようになったのである。
【0024】
また、推進装置とプロペラ間に配置した分割構造の犠牲陽極を、それぞれ同一構造としたので、2つ割りに構成した犠牲陽極A・Aを同じ部品として構成することにより、製造コストの低下を図ることが可能となったものである。
また、2つ割り構造とした犠牲陽極Aの腐食の甚だしい方だけを交換して、他方を入れ換えた位置に配置して、一個だけの交換ということも可能となったものである。
【0025】
請求項2においては、請求項1記載の犠牲陽極において、前記推進装置本体(C)を構成する推進装置ケース(5)の、プロペラ軸(1)が突出する側の嵌入孔に軸受ケース(4)を嵌装し、該軸受ケース(4)のプロペラ機構(2)側側面に、該犠牲陽極(A)を固定する間座プレート(8)の固定用螺子孔(4b・4b)を穿設し、該間座プレート(8)は、略三角形状に構成して左右対称として、両側に前記軸受ケース(4)のボルト嵌装孔(4b・4b)に重複するように一致させたボルト螺装孔(8b・8b)を穿設し、該間座プレート(8)の左右中央にはビス孔(8a)を穿設し、前記2つの犠牲陽極(A・A)の芯金(7・7)に設けたボルト挿入孔(7b・7b)に挿入した枢支ボルト(11)が、該間座プレート(8)のビス孔(8a)を貫通し、前記軸受ケース(4)に設けたボルト嵌装孔(4a)を貫通し、前記推進装置ケース(5)に対して螺子止めされるべく構成し、前記犠牲陽極(A)の推進装置ケース(5)側には、段差(9・10)を構成し、該段差(9・10)の部分により前記間座プレート(8)を迂回回避し、該犠牲陽極(A)を間座プレート(8)を介して、該軸受ケース(4)と推進装置ケース(5)に対して固定可能としたので、従来の2つ割り構造ではない犠牲陽極Bを取り付ける為に構成された、軸受ケース4をそのまま使用して、該位置に間座プレート8を取り付けることにより、本発明の犠牲陽極A・Aを取り付けることが出来るので、従来の推進装置本体Cに対して、そのまま本発明の犠牲陽極Aを用いることが可能となったものである。
かつ、犠牲陽極Aの取外しに際して、プロペラ機構2やプロペラ2aを外す必要がなくなり、水中に沈んだプロペラ機構2の近傍に設けられた、犠牲陽極Aが腐食して痩せた場合の取替作業が、プロペラ機構2やプロペラ2aを外すことなく、容易に出来るようになったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヨットの船体部分に舶用エンジンと舶用推進装置を付設した状態の正面図。
【図2】 舶用エンジンと舶用推進装置を一体化した状態の正面図。
【図3】 本発明の犠牲陽極Aを付設する推進装置ケース5とプロペラ機構2の間の部分の正面図。
【図4】 推進装置ケース5とプロペラ機構2とプロペラ軸1と犠牲陽極Aとの位置関係の正面断面図。
【図5】 推進装置ケース5に嵌装されてプロペラ軸1の軸受を支持する軸受ケース4の正面断面図。
【図6】 同じく軸受ケース4の推進装置ケース5側の前面図。
【図7】 同じく軸受ケース4のプロペラ機構2側の後面図。
【図8】 本発明の犠牲陽極Aのプロペラ機構2側の後面図。
【図9】 犠牲陽極Aの正面図。
【図10】 犠牲陽極Aの推進装置ケース5側の前面図。
【図11】 犠牲陽極Aの芯金7の後面図。
【図12】 芯金7の正面図。
【図13】 間座プレート8の後面図。
【図14】 間座プレート8の正面断面図。
【図15】 軸受ケース4に対して、間座プレート8を埋め込みネジ12により固定する状態を図示した斜視図。
【図16】 軸受ケース4と間座プレート8と犠牲陽極Aを示すプロペラ機構2側の後面図。
【図17】 犠牲陽極Aを一体化する枢支ボルト11により2つ割りの犠牲陽極Aを一体化する状態を示す図面。
【図18】 枢支ボルト11により一端のみを枢支連結した犠牲陽極A・Aを開いた状態の図面。
【図19】 該犠牲陽極A・Aを固定しようとする状態の図面。
【図20】 図19の状態の同じくプロペラ機構2側の後面図。
【図21】 枢支ボルト11によりボルト螺装孔8bに固定しようとする状態の斜視図。
【図22】 犠牲陽極A・Aを2本の枢支ボルト11により固定する状態の図面。
【図23】 別の犠牲陽極14・15・16を示す図面。
【図24】 同じく該犠牲陽極14・15・16の部分における推進装置ケース5の平面断面図。
【図25】 従来の犠牲陽極Bをプロペラ軸1に装着した状態の斜視図。
【図26】 従来の犠牲陽極Bをプロペラ軸1の上の、折畳式のプロペラ機構2を外して見た状態の斜視図。
【図27】 同じく従来の犠牲陽極Bを4本のボルトを外すことにより、脱着している状態の斜視図。
【符号の説明】
A 犠牲陽極
B 従来の犠牲陽極
C 推進装置本体
E 舶用エンジン
1 プロペラ軸
2 プロペラ機構
2a プロペラ
3 ベベルギアケース
4 軸受ケース
4a ボルト嵌装孔
4b 螺子孔
5 推進装置ケース
7 芯金
7a 段差
7b ボルト挿入孔
7c 亜鉛通過孔
8 間座プレート
8a 埋め込みビス孔
8b ボルト螺装孔
9.10 段差
11 枢支ボルト
12 埋め込みネジ
14・15・16 他の犠牲陽極
Claims (2)
- 半月状の同一部品である2つの犠牲陽極(A・A)を左右に配置して連結し、脱着時には左右に分割可能とした犠牲陽極において、該犠牲陽極(A)は腐食溶融することの無い材料により構成した芯金(7)の一端部を残して、防食亜鉛を焼付け付着させて構成し、該芯金(7)は、一側の途中から軸心に対して前後方向の段差(7a)部を構成し、該段差(7a)の側の芯金(7)の部分は露出して亜鉛焼付けをしない部分とし、該段差(7a)と反対側は防食亜鉛を焼付けた後で面取り加工し、前記段差(7a)の厚み分だけ凹む構成として、該凹み部分に、他方の犠牲陽極(A)の段差(7a)を重複可能とし、組立時に他方の犠牲陽極(A)と重ねた場合において、同一部品により構成した犠牲陽極(A)の、一側の段差(7a)を設けた側のボルト挿入孔(7b)と、他方の犠牲陽極(A)の段差(7a)を設けていない側のボルト挿入孔(7b)を重ねて密着可能とし、該分割構造とした犠牲陽極(A)を、前記芯金(7)に設けた2つのボルト挿入孔(7b・7b)の一方に挿入した枢支ボルト(11)を中心に開閉回動可能に構成し、該犠牲陽極(A)を、推進装置本体(C)と、プロペラ機構(2)のプロペラ(2a)との間に嵌装した軸受ケース(4)の側面に、2本の前記枢支ボルト(11・11)により固定可能としたことを特徴とする犠牲陽極。
- 請求項1記載の犠牲陽極において、前記推進装置本体(C)を構成する推進装置ケース(5)の、プロペラ軸(1)が突出する側の嵌入孔に軸受ケース(4)を嵌装し、該軸受ケース(4)のプロペラ機構(2)側側面に、該犠牲陽極(A)を固定する間座プレート(8)の固定用螺子孔(4b・4b)を穿設し、該間座プレート(8)は、略三角形状に構成して左右対称として、両側に前記軸受ケース(4)のボルト嵌装孔(4b・4b)に重複するように一致させたボルト螺装孔(8b・8b)を穿設し、該間座プレート(8)の左右中央にはビス孔(8a)を穿設し、前記2つの犠牲陽極(A・A)の芯金(7・7)に設けたボルト挿入孔(7b・7b)に挿入した枢支ボルト(11)が、該間座プレート(8)のビス孔(8a)を貫通し、前記軸受ケース(4)に設けたボルト嵌装孔(4a)を貫通し、前記推進装置ケース(5)に対して螺子止めされるべく構成し、前記犠牲陽極(A)の推進装置ケース(5)側には、段差(9・10)を構成し、該段差(9・10)の部分により前記間座プレート(8)を迂回回避し、該犠牲陽極(A)を間座プレート(8)を介して、該軸受ケース(4)と推進装置ケース(5)に対して固定可能としたことを特徴とする犠牲陽極。
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