JP4231693B2 - 自動車両誘導システムの磁気センサ - Google Patents

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Description

本発明は自動車両誘導システムの磁界センサと磁界センサを有する自動車両誘導システムとに関する。
車両が往来する経路に沿うまたは経路上の磁石のグリッドや線を利用する自動車両誘導システムは既知である。車両には磁石を検出する磁界センサがあり、そのため磁石に対して相対的に車両を誘導可能にする情報が得られる。
従来のシステムでは幅広い種類のセンサが利用されている。使用される技術は、マグネトロメータを利用して磁石の3次元磁界強度を測定するものから、磁石の位置を検出する磁気センサを単純に一列に並べるものまである。各技術にはそれぞれ利点や制約があり、使用される技術は、車両の速度や、センサと磁石との離隔距離や、精度などの、用途の要求事項に依存する。
通常、磁気センサスイッチを有する磁気センサは、道路に固定されていて車両が往来する経路を規定する磁石とともに使用される。磁界を検出することにより、磁石に対して相対的な車両の位置に関する強度情報が決定され、ある場所から別の場所へと運転する際に車両が磁石を追跡するよう車両の操縦が制御される。
デジタル出力信号回線を備える磁気センサスイッチは一般に、センサに近接して配置されている磁石の存在を検出するために使用されている。従って、近接した磁界を検出することを意図し磁気センサスイッチは動作しきい値を高くして製造される。この点から、遠い磁界の検出を必要とする用途においては、局地的な磁界強度を高めるためにおよそ100mmの直径と75mmの厚さの相対的に大きい磁石が必要である。上記の大きさの磁石ではセンサから磁石までの距離は22cm程度にしかできない。即ち、センサが磁石による磁界を検出するためには、センサが磁石の上を通過する際、センサは磁石から22cm以下のところになくてならない。
従って、磁石誘導システムのほとんどは、車両の縦の偏位が少ない屋内や工場の環境で使用される車両の走行に利用されている。センサは地面の磁石に近接した一定の高さを維持する。上記システムは製鉄所のような重工業の現場でも使用される。しかし、上記の用途では移動する車両の速度は毎秒およそ2メートルであり比較的遅い。従って、車両(及び車両に保持されているセンサ)が動いている間の動的な縦の偏位は、十分に検出の限界内にある。
しかしその結果、上記環境以外の環境、特に車両が60トンまでの実質的な負荷変動を受ける環境、例えば、運送用コンテナが船から下ろされた後にある場所から路上走行車に積み込む別の場所へと運送用コンテナを輸送するために車両が使用されている環境などでは、上記のシステムの応用範囲は広くはない。上記の自動的に誘導される車両は空気タイヤで走り、上記車両の最大の直線走行速度は毎秒7メートル、方向転換速度および平行車線変更速度は毎秒3メートルである。従って、車両に荷積みや荷下ろしがされる際や移動中に道路からの車両までの距離すなわち高さの実質的な変動が起こりうる。更に、異物のないことが確実な環境でシステムが使用される場合は地面がセンサを損傷することはありえないが、センサが低く取り付けられている場合にはセンサの損傷が起こりうる。従ってこのことにより、センサと地面との間には一定の最小の離隔距離が必要とされる。
更に、この環境では磁石を道路に埋め込む空間の量が制限されている。これは、車両が移動するコンクリート道路の内部に補強バーが利用されているためである。例えば、補強バーは道路の表面から70mm下に配置される場合があり、従って、自動的に誘導される車両のためにマークをつけるべく磁石を配置可能な、容易に製造できる穴の大きさが制限される。
デジタル出力の磁気センサスイッチを利用する従来のシステムに関する第2の問題は、ヒステリシスの現象に関するものである。上記の問題が発生するのは、設計と構造の性質により磁気センサスイッチの動作点と解放点とが異なるためである。センサが磁石を離れると、センサの動作点よりかなり低いセンサの解放点より磁束レベルが下がるまで、磁気センサスイッチはオンに切り換わったままである。従って、計算された磁石位置はメモリ効果すなわちヒステリシスにより磁石の物理的位置の後方に「遅れ」として現れる。これにより、磁石位置は不正確に推定されることになる。波止場の環境でのある場所から別の場所への運送用コンテナの移動においては、荷積みや荷下ろし作業の目的地点から5cm以内で車両は停止(他のセンサの補助なしで)するように要求されているので、磁石の位置の検出精度は非常に重要である。
本発明の第1の態様の目的は、センサから磁石までの距離に関する上述した第1の問題を克服することである。
本発明のこの態様は、以下に示すセンサアセンブリの中に存在すると言いうる。すなわち、このセンサアセンブリは、磁石により生成された磁界を検出する磁界センサアセンブリであって、センサ素子を有する少なくとも1つのセンサと、上記センサの使用時に上記センサ素子に近接しかつ上記センサ素子と上記磁石との間に配置された磁化可能部材とを備え、上記部材は、上記センサアセンブリの使用時に、上記磁石により生成された上記磁界により磁化され、上記センサ素子により検出される第2の磁界を生成し、上記磁石により生成された局地的な磁束密度を増加させる。
本発明の本態様によれば、部材は、磁石による外部印加磁界の存在下で、磁性を誘導し一時磁石になる。ここで、部材は空気より高い物質透磁率を有しセンサ素子に近接している。従って、この部材を用いない場合にはセンサから磁石までの距離が十分長くて磁界はセンサ素子を作動させるには小さすぎるであろうような場合であっても、この部材によって生成された磁界がセンサ素子により検出可能となる。従って、磁気センサの動作点はそのままでセンサから磁石までの距離は大きく延長できる。即ち、センサを始動するには小さい外部磁界強度があればよい。これは、センサが磁石の上を通過する際に上記小さい磁界強度は部材内に磁性を誘導し、上記磁界がセンサ素子によって検出され、磁石を示すセンサ素子からの出力を生成するためである。
また、好ましくは、上記部材は、円筒形の棒状部材であり、使用時において上記センサが上記磁石を通り過ぎるときに当該部材の縦軸が上記磁石と上記センサとの間に伸びる線の方向に並ぶように配置されている。
また、好ましくは、上記部材は強磁性体部材である。
また、好ましくは、上記部材は一般式MnZn‐Feのマンガンジンクフェライト材料によって形成される。
また、好ましくは、上記部材は上記センサ素子に当たっている。
また、好ましくは、上記部材は直径がおよそ8mm、長さがおよそ40mm、初期透磁率が2000である。
また、好ましくは、上記センサ素子はセンサボード上に取り付けられ、上記部材は部材保持具に配置され、上記部材保持具には、上記部材が上記センサ素子に当たるように、上記部材を片寄らせるためのバネが配置されている。
また、好ましくは、上記部材保持具は保持板に連結され、上記保持板はねじ山を切られた穴を有し、上記部材保持具は上記ねじ山を切られた穴に噛み合うためのねじ山を有し、上記センサボードは、上記センサ素子が上記ねじ山を切られた穴を介して上記部材保持具へと突出するように、上記保持板に近接して配置される。
また、好ましくは、上記部材保持具は底面を有し、上記バネは、上記部材を上記センサ素子へと片寄らせるために、上記底面と上記部材との間に配置される。
上記部材保持具は、当該部材保持具が上記保持板の上記ねじ山を切られた穴へとねじ込まれる際に当該部材保持具の上記ねじ山を切られた穴への挿入量を制限するように、上記保持板の表面に当たる円周方向のフランジを有するようにしてもよい。
また、好ましくは、上記センサは、複数の上記センサ素子と複数の上記磁化可能部材とを備える。
本発明は、以下に示す自動車両誘導システムの中に存在するとも言いうる。すなわち、この自動車両誘導システムは、少なくとも1台の自動的に誘導される車両と、道路に沿った上記車両の移動を誘導するために上記車両が往来する上記道路に沿って配列された複数の磁石とを備え、上記自動的に誘導される車両は、少なくとも1つのセンサを備えたセンサアセンブリを有し、上記センサは複数のセンサ素子を備え、上記各センサ素子は、上記車両が上記磁石を通り過ぎるときに当該センサ素子と上記磁石との間にくるように当該センサ素子に近接して配置された磁化可能部材を備え、上記車両が上記磁石を通り過ぎるときに、上記部材は上記磁石によって生成された上記磁界によって磁化され、上記センサ素子によって検出される第2の磁界を生成し、上記磁石により生成された局地的な磁束密度を増加させる。
また、好ましくは、上記部材は、円筒形の棒状部材であり、使用時において上記センサが上記磁石を通り過ぎるときに当該部材の縦軸が上記磁石と上記センサとの間に伸びる線の方向に並ぶように配置されている。
また、好ましくは、上記磁化可能部材は強磁性体部材である。
また、好ましくは、上記部材は一般式MnZn‐Feのマンガンジンクフェライト材料によって形成される。
また、好ましくは、上記部材は上記センサ素子に当たっている。
また、好ましくは、上記部材は直径がおよそ8mm、長さがおよそ40mm、初期透磁率が2000である。
また、好ましくは、上記センサ素子はセンサボード上に取り付けられ、上記部材は部材保持具に配置され、上記部材保持具には、上記部材が上記センサ素子に当たるように、上記部材を片寄らせるためのバネが配置されている。
また、好ましくは、上記部材保持具は保持板に連結され、上記保持板はねじ山を切られた穴を有し、上記部材保持具は上記ねじ山を切られた穴に噛み合うためのねじ山を有し、上記センサボードは、上記センサ素子が上記ねじ山を切られた穴を介して上記部材保持具へと突出するように、上記保持板に近接して配置される。
また、好ましくは、上記部材保持具は底面を有し、上記バネは、上記部材を上記センサ素子へと片寄らせるために、上記底面と上記部材との間に配置される。
また、好ましくは、上記磁石は、直径がおよそ100mm、厚みがおよそ50mmの円筒形状のセラミックフェライト磁石である。
本発明の第2の態様の目的は、センサの異なる動作点と解放点によるヒステリシスに関する問題を克服することである。
本発明の本態様は、以下のセンサアセンブリを提供する。すなわち、このセンサアセンブリは、センサアセンブリ用の磁石により生成された磁界を検出する磁界センサアセンブリであって、上記磁石により生成された上記磁界を検出する少なくとも1つのセンサ素子と、上記センサ素子のオンとオフとを選択的に切り換える電力スイッチング手段とを備える。
本発明の本態様によれば、センサ素子のパワーオンとパワーオフとを選択的に切り換えられるので、センサの効果的なリセットが行われ、このためセンサ素子の動作はセンサの動作点にのみ依存する。ここで、センサの動作点とは、センサ素子を始動する磁気ガウスレベルである。センサの解放点はセンサ素子の動作においては重要でない。センサのトリガ点を単一トリガ点とすることで、センサが磁石の上を通過する際の測定を不正確にするヒステリシスの現象が完全に解消される。
好ましくは、上記電力スイッチング手段は、トランジスタと当該トランジスタのオン/オフを切り換えるスイッチング制御手段とを有し、上記トランジスタのコレクタは上記センサ素子に接続され、エミッタは接地され、ベースは上記スイッチング制御手段に接続されており、上記スイッチング制御手段から上記ベースにオン信号が加えられると、上記センサ素子は上記トランジスタを介して接地され、上記トランジスタによってもたらされたアースと上記センサ素子へのセンサ電源との間で上記センサ素子の両端に電位が印加されることから、上記センサ素子がオンとなり、上記スイッチング制御手段が上記トランジスタをオフに切り換えると、上記トランジスタはオフに切り換えられ、上記センサ素子はアースから切断され、上記センサ素子の両端に電位差はなくなり、上記センサ素子はオフとなる。
好ましくは、上記スイッチング制御手段は、上記トランジスタのベースに対して高レベル信号や低レベル信号を供給することによって上記センサ素子のオン/オフを周期的に切り換える。
また、好ましくは、上記センサがおよそ2msに渡ってオンとされ、次にオフとされるというように制御される。好ましくは、上記センサは、2msのオン期間が過ぎる毎にセンサ情報が読み取られ、読み取られた後で次のオン期間の前に短くとも1msに渡ってオフとされる。
また、好ましくは、上記センサ電源は上記センサ素子に供給される固定電圧を含む。
また、好ましくは、上記各センサ素子は、上記磁石により生成された局地的な磁束密度を増加させるために、当該センサ素子に近接して配置された強磁性体部材を有する。
本発明の態様は、以下に示す自動車両誘導システムの中に存在するとも言いうる。すなわち、この自動車両誘導システムは、少なくとも1つのセンサ素子を備えた磁界センサアセンブリを有する少なくとも1台の車両と、磁石に対して相対的に上記車両の移動を誘導するために道路に沿って配置された複数の磁石と、上記少なくとも1つのセンサ素子のオン/オフを周期的に切り換える電力スイッチング手段とを備える。
また、好ましくは、上記電力スイッチング手段は、トランジスタと当該トランジスタのオン/オフを切り換えるスイッチング制御手段とを有し、上記トランジスタのコレクタは上記センサ素子に接続され、エミッタは接地され、ベースは上記スイッチング制御手段に接続されており、上記スイッチング制御手段から上記ベースにオン信号が加えられると、上記センサ素子は上記トランジスタを介して接地され、上記トランジスタによってもたらされたアースと上記センサ素子へのセンサ電源との間で上記センサ素子の両端に電位が印加されることから、上記センサ素子がオンとなり、上記スイッチング制御手段が上記トランジスタをオフに切り換えると、上記トランジスタはオフに切り換えられ、上記センサ素子はアースから切断され、上記センサ素子の両端に電位差はなくなり、上記センサ素子はオフとなる。
また、好ましくは、高レベル信号や低レベル信号をトランジスタのベースに供給することによりセンサ素子への電源供給が周期的にオンやオフに切り換えられる。
また、好ましくは、上記スイッチングセンサは、およそ2msに渡ってオンとされ、次にセンサ情報を読み取られ、次に短くとも1msに渡ってオフとされ、次に再度2msに渡ってオンとされるというように制御される。
また、好ましくは、上記センサ電源は上記センサ素子に供給される固定電圧を含む。
また、好ましくは、上記各センサ素子は、上記磁石により生成された局地的な磁界強度を増加させるために、当該センサ素子に近接して配置された強磁性体部材を有する。
本発明のこの態様は、以下に示すセンサアセンブリの中に存在するとも言いうる。すなわち、このセンサアセンブリは、磁石により生成された磁界を検出するセンサアセンブリであって、第1の電力ピンと第2の電力ピンと出力ピンとを有する少なくとも1つのセンサ素子と、上記少なくとも1つのセンサ素子をオンとするための電力を上記少なくとも1つのセンサに供給するために、上記少なくとも1つのセンサ素子の上記第2のピンを基準電位に結合可能にするとともに、上記少なくとも1つのセンサ素子の上記第1のピンに電力を供給するセンサ電源と、上記少なくとも1つのセンサ素子を選択的にオン/オフするスイッチ手段と、上記スイッチ手段に上記少なくとも1つのセンサ素子のオン/オフを周期的に切り換えさせ、上記少なくとも1つのセンサ素子のリセットを行い、上記少なくとも1つのセンサ素子のヒステリシスを解消するために、上記スイッチ手段にパルス電力信号を供給するスイッチング制御手段とを備える。
また、好ましくは、上記スイッチ手段は、ベースとコレクタとエミッタとを持つトランジスタを有し、上記コレクタは上記第2のピンに接続されており、上記エミッタは上記基準電位に接続されており、上記ベースは上記スイッチング制御手段に接続されている。
また、好ましくは、上記基準電位はアースである。
また、好ましくは、上記スイッチング制御手段は、上記トランジスタをオンに切り換えるとともに上記第2のピンをおよそ2msの期間に渡って上記基準電位に接続するための高レベル信号を有するパルス信号を供給し、また、上記トランジスタをオフに切り換えるとともに上記第2のピンを上記基準電位から切断する低レベル信号を有するパルス信号を供給する。
また、好ましくは、上記センサ素子は、当該センサ素子に近接する磁化可能部材を有し、上記磁化可能部材は上記磁石により生成された磁界によって磁化され、上記少なくとも1つのセンサ素子によって検出される上記局地的な磁界強度を高める。
この発明のこの態様は、以下に示す自動車両搬送システムの中に存在するとも言いうる。すなわち、この自動車両搬送システムは、複数の磁石に対して相対的に自動的に車両を誘導する自動車両誘導システムであって、少なくとも1つの磁界センサアセンブリを有する少なくとも1台の車両と、上記車両が往来する道路に沿って配列されている複数の磁石と
を備え、上記センサアセンブリは、第1の電力ピンと第2の電力ピンと出力ピンとを有する少なくとも1つのセンサ素子と、上記少なくとも1つのセンサ素子をオンとするための電力を上記少なくとも1つのセンサに供給するために、上記少なくとも1つのセンサ素子の上記第2のピンを基準電位に結合可能にするとともに、上記少なくとも1つのセンサ素子の上記第1のピンに電力を供給するセンサ電源と、上記少なくとも1つのセンサ素子を選択的にオン/オフするスイッチ手段と、上記スイッチ手段に上記少なくとも1つのセンサ素子のオン/オフを周期的に切り換えさせ、上記少なくとも1つのセンサ素子のリセットを行い、上記少なくとも1つのセンサ素子のヒステリシスを解消するために、上記スイッチ手段にパルス電力信号を供給するスイッチング制御手段とを有する。
また、好ましくは、上記スイッチ手段は、ベースとコレクタとエミッタとを持つトランジスタを有し、上記コレクタは上記第2のピンに接続されており、上記エミッタは上記基準電位に接続されており、上記ベースは上記スイッチング制御手段に接続されている。
また、好ましくは、上記基準電位はアースである。
また、好ましくは、上記スイッチング制御手段は、上記トランジスタをオンに切り換えるとともに上記第2のピンをおよそ2msの期間に渡って上記基準電位に接続するための高レベル信号を有するパルス信号を供給し、また、上記トランジスタをオフに切り換えるとともに上記第2のピンを上記基準電位から切断する低レベル信号を有するパルス信号を供給する。
また、好ましくは、上記センサ素子は、当該センサ素子に近接する磁化可能部材を有し、上記磁化可能部材は上記磁石により生成された磁界によって磁化され、上記少なくとも1つのセンサ素子によって検出される上記局地的な磁界強度を高める。
この発明のさらなる態様は、以下に示すセンサアセンブリの中に存在すると言いうる。すなわち、このセンサアセンブリは、磁石により生成された磁界を検出する磁界センサアセンブリであって、少なくとも1つの中央のセンサアレイと、上記中央のセンサアレイを間に挟むよう上記中央のセンサアレイの各側方に配列された第1の側方センサアレイと第2の側方センサアレイとを備え、上記中央のセンサアレイは、所定の第1の距離を隔てて配置される複数のセンサを有し、上記第1と第2の側方センサアレイは、それぞれ、上記第1の距離より長い第2の所定の距離を隔てて配置される複数のセンサを有する。
従って、本発明の本態様によれば、車両の通常の直線走行中は、磁石は殆どの場合に中央のアレイ内に位置していることが予想される。上記センサアレイのセンサ素子同士間の離隔距離が短いことによって精度が改善される。第1と第2の側方センサボードは磁石マーカが中央のセンサアレイのどちらかの側方に現れる回転操作中は有用であり、第1と第2の側方センサアレイの間隔が大きいことにより、精度は若干低下するが、探索範囲を大きくすることができる。本発明の本態様は、側方センサアレイの間隔が広いことから、第1と第2の側方センサアレイにより車両の回転移動中に広い探索範囲を確保すると同時に、必要なセンサ素子の数を削減できる。その結果、必要なセンサ素子の数は最も少なくなる。
また、好ましくは、上記中央のセンサアレイは、第1の中央のセンサアレイと第2の中央のセンサアレイとを有する。
また、好ましくは、上記第1と第2の中央のセンサアレイは、それぞれ、9行8列の磁気センサ素子を有する。
また、好ましくは、上記第1と第2の側方センサアレイは、それぞれ、9行8列の磁気センサ素子を有する。
また、好ましくは、上記センサアレイは、それぞれ、各センサアレイからの出力信号を受信して上記磁石に対する相対的な車両の位置を決定するプロセッサボードに連結されている。
また、好ましくは、上記プロセッサボードは、上記磁石に対する相対的な車両の位置を決定するとともに上記位置信号に応じて上記車両の移動を制御する制御信号を生成するナビゲーションシステムに連結可能となっている。
また、好ましくは、上記センサは、それぞれ、センサ素子と上記センサ素子に近接する磁化可能部材とを有する。
この発明のこの態様は、以下に示す自動車両搬送システムの中に存在するとも言いうる。すなわち、この自動車両搬送システムは、センサアセンブリを有する少なくとも1台の車両と、上記車両を磁石に対して相対的に自動的に誘導するために上記センサによって検出されるように道路に沿って配置された複数の磁石とを備え、上記センサアセンブリは、少なくとも1つの中央のセンサアレイと、上記中央のセンサアレイを間に挟むよう上記中央のセンサアレイの各側方に配列された第1の側方センサアレイと第2の側方センサアレイとを備え、上記中央のセンサアレイは、所定の第1の距離を隔てて配置される複数のセンサ素子を有し、上記第1と第2の側方センサアレイは、それぞれ、上記第1の距離より長い第2の所定の距離を隔てて配置される複数のセンサを有する。
また、好ましくは、上記中央のセンサアレイは、第1の中央のセンサアレイと第2の中央のセンサアレイを有する。
また、好ましくは、上記第1と第2の中央のセンサアレイは、それぞれ、9行8列の磁気センサ素子を有する。
また、好ましくは、上記第1と第2の側方センサアレイは、それぞれ、9行8列の磁気センサ素子を有する。
また、好ましくは、上記センサアレイは、それぞれ、各センサアレイからの出力信号を受信して上記磁石に対する相対的な車両の位置を決定するプロセッサボードに連結されている。
また、好ましくは、上記プロセッサボードは、上記磁石に対する相対的な車両の位置を決定するとともに上記位置信号に応じて上記車両の移動を制御する制御信号を生成するナビゲーションシステムに連結可能となっている。
また、好ましくは、上記センサは、それぞれ、センサ素子と上記センサ素子に近接する磁化可能部材とを有する。
図1は、車両と磁石によってマークされた道路とを示す概要図である。上記車両と道路は、波止場地域の環境でコンテナが船に積み込まれたり船から積み降ろされる場所から、運送用コンテナが道路輸送による集荷のために保管されたり積荷輸送車に直接積み込まれたりする他の場所への、運送用コンテナの輸送に利用される。
図1は、車輪14を有する車両10の底面の図を示す。車両の前部には第1のセンサアセンブリ15が配置され、車両の後部には第2のセンサアセンブリ16が配置されている。センサアセンブリ15及び16について、後に詳細に説明する。
車両10が移動する道路20の表面には磁石22が埋め込まれている。磁石22は一般に円筒形の構成だが、図1では単純に図を簡略化するために四角で示されている。
図2を参照すると、車両が道路に沿って磁石22の上を走っている際、センサアセンブリ15及び16は、磁石22の検出を示す検出信号を位置推定器26へと出力する。位置推定器26は既知のアルゴリズムに従って磁石22に対して相対的な車両の位置を算出し、回線28を介して位置信号を出力する。ここで位置信号は、制御コンピュータ(図示せず)からの目標値信号30と組み合わされ、ドライバ制御信号としてドライバ制御装置32に供給される。ドライバ制御装置32は、車輪14を介して車両の速度と車両の回転とを制御するために、回線34を介して、速度および前輪と後輪のステアリングコマンドを車両10へと出力する。その結果、車両10は、道路に沿って磁石22に対して相対的に動きながら、ある場所から別の場所へと自動的に誘導される。
センサアセンブリ15と16とは、構成は同一であり、図式的に図3に示される。センサアセンブリ15及び16それぞれは、中央左側のセンサアレイ40と、中央右側のセンサアレイ42と、左側のセンサアレイ44と、右側のセンサアレイ46とを含んで構成される。各センサアレイ40〜46は複数のセンサ50を備えている。中央のアレイ40と42のセンサ50は、x方向に3cmまたy方向に5cmずつ間隔を隔てて配置され、9行8列のセンサを有し、よって各アレイ40と42には72個のセンサが備わる。左側と右側のセンサアレイ44と46にも9行8列のセンサがあるので、各々72個のセンサが設けられている。しかし、アレイ44と46のセンサ50はx方向とy方向の両方向に5cmずつ間隔を隔てて配置されている。
中央のアレイ40と42のセンサ密度が高いと精度が向上するが、これは、直線を運転する場合にはたいてい磁石22が中央のアレイ40と42の下に位置することが予想されるためである。上記アレイ中のセンサ間の離隔距離は短いので、精度が向上する。一方、側方のセンサアレイ44と46は、磁石22が中央のセンサアレイ40と42のどちらかの側方に現れる回転操作中は有用である。2つの側方センサアレイ44と46は、センサの間隔が広いので精度は若干低下するが広い探索範囲を提供する。それでも、図3に示すセンサの配置では、車両の操作中に磁石22を検出するために精度と広い探索範囲の両方を備えたセンサを提供できるように、高い精度は検出の殆どが行われる中央のアレイのセンサ密度によりもたらされ、広い検出範囲は左側のアレイ44と右側のアレイ46のセンサの広い間隔によりもたらされるようにしている。
センサアセンブリ15及び16のセンサの配置は2次元アレイであるので、システムは検出区域内でマーカ磁石の正確なx、y位置を特定できる。2次元アレイのサイズは用途の目的とする有効範囲に依存する。本発明の好適な実施の形態では、アレイ40と42のx方向の長さは21cmであり、アレイ44と46のx方向の長さは35cmである。アレイ40、42、44、46のy方向の長さは40cmである。
センサ50同士間の離隔距離は位置の測定において所望の精度を達成するよう選択される。各測定での予想される誤差は、センサ離隔距離の半分に相当し、一様な分布関数に従う。
図4に最もよく示されているように、センサ50にはセンサ素子60を備えている。ここでセンサ素子60としては磁気センサスイッチが最も望ましく、例えば、ハネウェル社製の固体の磁気センサ(2SS52M)などが利用できる。センサ素子60に隣接して配置されるのは、局地的な磁界強度を増加させる中間ブースタとして働くようにセンサ50と磁石22との間に配置される軟強磁性体部材62である。部材62は、一般的な化学式がMnZn‐Feのセラミック材料であるマンガンジンクフェライトから成ることが望ましい。上記軟磁性材料は容易に磁化されかつ消磁されるが、これは透磁率が比較的高くヒステリシスループが非常に小さいためである。
部材62は、直径およそ8mmかつ長さおよそ40mmの円筒形の棒として構成されることが望ましく、図6を参照して更に詳細に説明されるように、センサ素子60の検出面61に当たっている。
磁石22によりもたらされる磁界などの外部の印加磁界が存在する場合、棒62は磁性を誘導し一時磁石になる。棒62の物質透磁率が高くなるに従い、フェライト棒62による磁束密度の増大が極めて激しくなる。棒62をセンサ素子60の検出面61に押し付けることにより、システム全体に必要なのはセンサ素子60を作動させるに十分な小さい外部の磁界強度のみとなる。従って、磁気センサの動作点は必要とされる磁界の量という観点からは元のままであるが、センサから磁気までの距離は、磁石22により生成された磁界に関して棒が持つ増幅効果により効果的に延長される。試験によると、前述の磁気センサ素子を用いた場合、磁気センサが動作し磁石22への近接を適切に示すためには、従来の最高のセンサから磁石までの離隔距離は18cmである。センサ素子60の面61に当たる上述のフェライト棒62を用いる本発明では、距離は31cmまで延長可能である。更に、磁石22のサイズは相対的に小さいままでもよく、そのため磁石22は道路に容易に埋め込み可能である。本発明の好適な実施の形態では、磁石22は直径およそ100mmかつ長さおよそ50mmの円筒形状のセラミックフェライト磁石である。上記の大きさの磁石は、道路を強化するために道路に埋め込まれている補強バーなどの補強構造に支障をきたすことなく、道路に容易に埋め込み可能である。
棒62の効果的な透磁率はセンサから磁石までの距離を決定する際に非常に重要な役割を果たす。上記透磁率は物質の初期透磁率と同様に棒の長さ対直径の比の関数である。図5は、多数の初期透磁率について(棒の長さ)/(棒の直径)に対する棒50の透磁率を表すグラフである。従って、機械的な大きさを変更することにより、フェライト棒の効果的な透磁率はセンサが使用される環境に合うよう選択できる。
図6はセンサ50を更に詳細にしめす。センサ50は、シングルボードを構成するセンサボード70に取り付けられ、センサボード70の上には図3を参照して以前に説明したアレイ40、42、44、46がそれぞれ形成される。3つのセンサ素子60が図6に示されるが、以前に説明した通り、各センサアレイには、以前に説明した72個のセンサ50を構成する72個のセンサ素子が備えられている。従って、それぞれのセンサボード70には、それぞれ、72個のセンサ素子が備えられていることになる。センサ素子60は図6に示すようにそれぞれ3つのピン60a、60b、60cを有する。ピン60a、60bは電源ピンとして使用され、ピン60cは磁界の検出を示す出力をするための出力ピンとして使用される。
センサアレイ42と44を組み立てるために、センサボード70を保持板78にボルト止めする。保持板78にはねじ山を切られた穴79があり、センサ素子60が穴79を通って突出するよう穴79はセンサ素子60と位置が合っている。棒保持具80が設けられ保持具80は一般に円筒形である。保持具80は、底面82と円周方向のフランジ84とを有する。フランジ84の上方にある保持具80の部分85はねじ山をきられている。そのためフランジ84により部分85の穴79への挿入量を制限しながら保持具80を板78に取り付けられるように保持具80が穴79にねじ込まれ、これにより部分85の上部は、図7を構成する組み立て図に示されるように、板78の上面78aと一般に同一平面上に位置するようになる。
棒62と保持具80の底面82との間には、バネ81が設けられている。そのため、棒62が保持具80の内部に位置する場合には、バネ81は棒62をセンサ素子60の検出面61へと片寄らせる。ここで、図7においては、センサ素子60と棒62との間に僅かな空間が示され、更に棒62とバネ81との間にも僅かな空間が示されているが、これは単に説明の便宜のためである。
このように、センサ素子60にはそれぞれ、バネ81の動作により検出面61に当たる棒62が設けられている。
以下に示す本発明の好適な実施の形態は、動作点と解放点とが異なる全ての磁気センサで起こるヒステリシスに関する問題に対処する。
ヒステリシスの問題を克服するために、センサ50のリセットによりヒステリシスを完全に解消する。図8に示すように、センサ50(図8には3つ示されている)を作動させるためには、センサ電源電圧Vccがセンサ素子60のピン60aへと供給される。また、センサ素子60のピン60bはバイポーラ接合トランジスタ90(型番ZTX689B)に接続されている。より詳細には、トランジスタ90のコレクタ91がピン60bに接続されている。トランジスタ90のベース92はスイッチング制御装置93に接続され、上記スイッチング制御装置93はパルス制御信号をベース92に供給し、そのためトランジスタは、電圧Vccにより2msの間オンに切り換えられ、ベース92のアースまたはベース92へのスイッチング制御装置93からのアース電位の供給によりオフに切り換えられる。センサ素子60に電力を供給するためにセンサ電源95が連続的な電圧Vccをピン60aに供給する。
トランジスタ90がスイッチング制御装置93の電圧VCCによりターンオンされるとトランジスタ90が導通するようになり、そのためトランジスタ90のエミッタ94を通じてピン60bがアースされる。従って、電位がピン60aと60bとの間にかかり、そのため、高レベル信号Vccがトランジスタ90のベース92に供給される際に正の電位が2msの間ピン60aと60b間にかかるので、センサ素子60はオンとなる。スイッチング制御装置93が低レベル信号またはアース電位をもたらすことによりベース92の電位が低下すると、トランジスタ90がターンオフされ、従ってピン60bはアースから切断され、またセンサ素子60は電気的にアースから切断される。従って、センサ素子60はオフとなる。センサ素子60は効果的にターンオフされ、スイッチング制御装置93からベース92にアース電位がもたらされるとセンサ素子60がリセットされる。従って、センサ素子60の動作点と解放点とが異なることによるヒステリシスはリセット中に全て解消され、そのためセンサアセンブリ15及び16の動作中にはヒステリシスは磁石22の検出の精度に支障をきたさない。
図9は図8の回路の動作を示すフローチャートである。図9に示すように、計算サイクルの開始に先立って、電源が安定するよう2msに渡ってセンサ素子60に電源を入れるために、トランジスタ90をオンに切り換えることで電力がセンサに供給される(ステップ901)。2msの期間の最後には、センサ素子60が磁界を検出しているかどうかを決定するためにセンサ素子60の状態が読み取られる(ステップ902)。センサ素子60の状態が読み込まれた後にトランジスタ90はターンオフされる(ステップ903)。それから作動しているセンサ素子60があるかどうかの決定がなされ、応答が「NO」の場合にはシステムはステップ901に戻る。応答が「YES」の場合にはステップ905でマーカ位置が計算され、ステップ906でマーカ位置を示す情報が出力される。
中央のアセンブリ15及び16の作動中は連続的に、図8に示すように、スイッチングトランジスタのパルスが8ms毎に2msに渡ってオンオフされる。以上で言及した2msの期間により、センサ素子60への電源供給は安定化され、上記の安定化後にシステムは全てのセンサ素子60の状態を取り込むためにスナップショットを実行する。これが終了すると、センサ素子60はオフに切り換えられ(即ちリセット状態)、磁石がセンサ15と16により検出されている場合は、プロセッサが磁石マーカ22の位置の計算を開始する。
トランジスタ90の切り換え時間が一般的に1msより短く、更に固体の磁気センサ素子の作動速度が100kHzと高いために、システムの2msの整定時間は、センサ素子60のヒステリシスの問題を解消し、単一のトリガ点を実現すると同時に、リセットを可能にするにも検出された磁界の読み取りを可能にするにも十分である。
図8Aは図8に示された配列の代替の配列を示す。図8Aの配列では、スイッチングトランジスタが電源電圧VCCとセンサ素子50のピン60aとの間に配置されている。スイッチング制御装置93は、電源電圧VCCをピン60aから選択的に切断するために間欠的なパルスをトランジスタ90に供給して、図8Aに示すセンサ素子60に間欠的に電源を入れたり切ったりする。
図8及び8Aに示されるような、3つのピン(即ち、VCCピンと、アースピンと、出力ピン)を有するピン配置の磁気センサを利用する代わりに、センサには、VCCピンと、アースピンと、電気的な特性が異なる2つの出力(例えば、NPN型とPNP型)を供給するための第1の出力ピンと第2の出力ピンとからなる4つのピンが利用されてもよい。また、VCCピンと、アースピンと、磁界の強度に対応する電圧出力の範囲を供給するための+VOピンと−VOピンとを有する4つのピンのセンサが利用されてもよい。
図10は、アセンブリ15(または16)を構成する磁気センサモジュールのブロック図を示す。モジュール80には、プロセッサボード81と4つのセンサアレイ40、42、44、46とが設けられている。プロセッサボード81には処理回路全体を構成する基本的なビルディングブロックが含まれる。上記ビルディングブロックには、マイクロコントローラ96と、ランダムアクセスメモリ88と、消去可能なプログラマブルランダムアクセスメモリ89と、アドレス復号回路87と、センサアレイに接続されたデジタル入力インタフェース82とがある。検出アルゴリズムを実行するソフトウェアプログラムは、消去可能なプログラマブルランダムアクセスメモリ89に保存されている。デジタル入力インタフェース82には、回線83、84、85、86により各アレイ40、42、44、46にそれぞれ接続されている4つの入力端がある。図2に示した位置推定器26への接続用の外部シリアルインタフェース99を提供するために、マイクロコントローラ96にはRS422ドライバ98が接続されている。
磁石を検出する検出アルゴリズムは磁石位置を計算するために3つの技法を利用する。上記技法の選択は、オンとなるセンサのパターンに依存し、同様に、センサアレイ下の磁石の位置に支配される。これらの技法を合わせて利用すると、システムはセンサの境界線に出現したマーカをも検出できる。上記のことは、使用されるセンサの数を物理的に増やす必要なく効果的に広いセンサ有効範囲を提供する。
検出アルゴリズムの略図を描く図11を参照すると、以下のように面積モーメントを利用して磁石のy位置がステップ1001で計算される。
Figure 0004231693
ただし、部分的でも全面的でもセンサ有効範囲内にあるあらゆる位置にある磁石の横方向y位置の計算は、面積モーメント法により正確に与えられる。これはパターンが中心軸(x軸に平行)に対してパターンを通じて対称なためである。
磁石の縦方向x位置の決定は、円形のパターンがどの程度センサ有効範囲内にあるかに依存する(ステップ1002および1003)。検出された円形のパターンが図12に示すように完全にセンサ有効範囲内にある場合は、ステップl004が以下のように実行される。
Figure 0004231693
端検出でセンサ有効範囲内にある円形のパターンが図13に示すように半分よりも大きい場合、磁石のx位置はステップ1005に従って以下のように計算される。
(a)行に関してスキャンし、最大の弦の幅を見つけることにより、円形の検出パターンの直径を決定する。
(b)直径の半分として半径Rを求める。
(c)円の先端(X、Y)を決定する。
(d)磁石のx位置は単純に[X−R]により与えられる。
端検出でセンサ有効範囲内にある円形のパターンが図14に示すように半分より小さく、ステップ1006に従って検出される場合、磁石のx位置は以下の順に計算される。
(a)センサ有効範囲の端の円形検出パターンの弦の幅をcとする。
(b)円の先端(X、Y)を決定する。
(c)円の先端からセンサ有効範囲の端までの垂直高さhを決定する。
(d)検出された円の半径Rが幾何学の公式により概算される。
Figure 0004231693
(e)磁石のx位置は[X−R]により与えられる。
図10に示すアセンブリは、3mm厚さのアルミニウムの板からなるセンサ箱(図示せず)に収納される。上記箱は磁束に対し透過性を持つように鉄を含まない材料から構成される必要がある。
本発明の好適な実施の形態では、アセンブリ15および16が地面から高い位置、例えば10cmどころではなく25cmの高さに取り付け可能となる。これにより、地面の突出した異物のために、またパンクや摩耗のタイプによって、センサが損傷する可能性が大幅に最小化される。これにより更に、車両のサスペンションについての要求条件が緩和され、センサと地面の磁石との間の高さが大きく変動可能になる。
更に、本発明の好適な実施の形態においては、小さくて薄い磁石が使用され得る。これは磁石の設置と磁石マーカ費用の実質的なコスト削減につながる。更にこれによりコンクリート内の補強バーに起因する磁石の許容できる厚さにおける制約が緩和される。その上更に、正確な磁石位置がヒステリシスのために不正確に検出される問題も完全に解消される。システムはセンサの仕様に従って、すなわち磁気センサ同士間の離隔距離の半分という精度で、磁石位置を正確に測定できる。
本発明の精神と範囲内での修正は当業者により容易になされるため、本発明は以上に例として説明した特定の実施の形態に限定されていないことが理解されるはずである。
本発明の好適な実施の形態が添付の図面を参照して例として説明される。
図1は、車両の底面と本発明を具体化する磁石とを示す概要図である。 図2は、本発明の好適な実施の形態にかかる誘導システムの動作全体を示す図である。 図3は、本発明の好適な実施の形態にかかるセンサアセンブリの概要図である。 図4は、好適な実施の形態のセンサアセンブリで使用されるセンサ及びセンサにより検出される磁界を生成する磁石の概要図である。 図5は、好適な実施の形態のセンサで使用される磁化可能部材の大きさとスラグ透磁率との関係を示すグラフである。 図6は、センサアセンブリで使用されるセンサの分解図である。 図7は、図6のセンサの組立図である。 図8は、本発明の好適な実施の形態にかかるセンサを示す回路図である。 図8Aは、図8に示す実施の形態とは別の実施の形態である。 図9は、図8の回路の動作を示すフローチャートである。 図10は、好適な実施の形態のセンサアセンブリを内蔵する磁気センサモジュールを示すブロック回路図である。 図11は、本発明の好適な実施の形態に従う検出アルゴリズムの動作を図示するフローチャートである。 図12は、磁石がセンサ有効範囲の特定の位置にある場合の磁界の検出を示す図である。 図13は、磁石がセンサ有効範囲の異なる位置にある場合の磁界の検出を示す図である。 図14は、磁石がセンサ有効範囲のさらに異なる位置にある場合の磁界の検出を示す図である。

Claims (21)

  1. 磁石により生成された磁界を検出する磁界センサアセンブリであって、
    センサ素子を有する少なくとも1つのセンサと、上記センサの使用時に上記センサ素子に近接しかつ上記センサ素子と上記磁石との間に配置された磁化可能部材とを備え、
    上記部材は、上記センサアセンブリの使用時に、上記磁石により生成された上記磁界により磁化され、上記センサ素子により検出される第2の磁界を生成し、上記磁石により生成された局地的な磁束密度を増加させ、
    上記センサ素子はセンサボード上に取り付けられ、
    上記磁化可能部材を保持する部材保持具と、
    上記磁化可能部材を上記センサ素子に対して近接する位置に片寄らせるバイアス手段とをさらに備えた
    ことを特徴とするセンサアセンブリ。
  2. 上記部材は、円筒形の棒状部材であり、使用時において上記センサが上記磁石を通り過ぎるときに当該部材の縦軸が上記磁石と上記センサとの間に伸びる線の方向に並ぶように配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  3. 上記部材は強磁性体部材である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のアセンブリ。
  4. 上記部材は一般式MnZn−Feのマンガンジンクフェライト材料によって形成される
    ことを特徴とする請求項3に記載のアセンブリ。
  5. 上記部材は上記センサ素子に当たっている
    ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  6. 上記部材は直径がおよそ8mm、長さがおよそ40mm、初期透磁率が2000である
    ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  7. 上記バイアス手段は、センサ素子に対して上記部材が当たるように上記部材を片寄らせるために上記部材保持具内に配置されたバネである
    ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
  8. 上記部材保持具は保持板に連結され、
    上記保持板はねじ山を切られた穴を有し、
    上記部材保持具は上記ねじ山を切られた穴に噛み合うためのねじ山を有し、
    上記センサボードは、上記センサ素子が上記ねじ山を切られた穴を介して上記部材保持具へと突出するように、上記保持板に近接して配置される
    ことを特徴とする請求項7に記載のアセンブリ。
  9. 上記部材保持具は底面を有し、
    上記バネは、上記部材を上記センサ素子へと片寄らせるために、上記底面と上記部材との間に配置される
    ことを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
  10. 上記部材保持具は、当該部材保持具が上記保持板の上記ねじ山を切られた穴へとねじ込まれる際に当該部材保持具の上記ねじ山を切られた穴への挿入量を制限するように、上記保持板の表面に当たる円周方向のフランジを有する
    ことを特徴とする請求項8に記載のアセンブリ。
  11. 上記センサは、複数の上記センサ素子と複数の上記磁化可能部材とを備える
    ことを請求項1に記載のアセンブリ。
  12. 自動車両誘導システムであって、
    少なくとも1台の自動的に誘導される車両と、道路に沿った上記車両の移動を誘導するために上記車両が往来する上記道路に沿って配列された複数の磁石とを備え、
    上記自動的に誘導される車両は、少なくとも1つのセンサを備えたセンサアセンブリを有し、
    上記センサは複数のセンサ素子を備え、
    上記各センサ素子は、上記車両が上記磁石を通り過ぎるときに当該センサ素子と上記磁石との間にくるように当該センサ素子に近接して配置された磁化可能部材を備え、
    上記車両が上記磁石を通り過ぎるときに、上記部材は上記磁石によって生成された上記磁界によって磁化され、上記センサ素子によって検出される第2の磁界を生成し、上記磁石により生成された局地的な磁束密度を増加させ、
    上記センサ素子はセンサボード上に取り付けられ、
    上記磁化可能部材を保持する部材保持具と、
    上記磁化可能部材を上記センサ素子に対して近接する位置に片寄らせるバイアス手段とをさらに備えた
    ことを特徴とする自動車両誘導システム。
  13. 上記部材は、円筒形の棒状部材であり、使用時において上記センサが上記磁石を通り過ぎるときに当該部材の縦軸が上記磁石と上記センサとの間に伸びる線の方向に並ぶように配置されている
    ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  14. 上記磁化可能部材は強磁性体部材である
    ことを特徴とする請求項12または13に記載のシステム。
  15. 上記部材は一般式MnZn−Feのマンガンジンクフェライト材料によって形成される
    ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
  16. 上記部材は上記センサ素子に当たっている
    ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  17. 上記部材は直径がおよそ8mm、長さがおよそ40mm、初期透磁率が2000である
    ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  18. 上記バイアス手段は、センサ素子に対して上記部材が当たるように上記部材を片寄らせるために上記部材保持具内に配置されたバネである
    ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
  19. 上記部材保持具は保持板に連結され、
    上記保持板はねじ山を切られた穴を有し、
    上記部材保持具は上記ねじ山を切られた穴に噛み合うためのねじ山を有し、
    上記センサボードは、上記センサ素子が上記ねじ山を切られた穴を介して上記部材保持具へと突出するように、上記保持板に近接して配置される
    ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
  20. 上記部材保持具は底面を有し、
    上記バネは、上記部材を上記センサ素子へと片寄らせるために、上記底面と上記部材との間に配置される
    ことを特徴とする請求項19に記載のシステム。
  21. 上記磁石は、直径がおよそ100mm、長さがおよそ50mmの円筒形状のセラミックフェライト磁石である
    ことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
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