JP4231458B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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本発明は、1又は複数本のバーナユニットで構成される複数のバーナユニット群の燃焼を切り替えて流体を加熱させる給湯器等の燃焼装置に関する。
例えば給湯器では、燃焼室内に設けたバーナの燃焼によって熱交換器を通過する水を加熱し、湯として供給する。このバーナとしては、複数のバーナユニットからなるバーナユニット群を、バーナユニットの本数を変えて複数段用意し、各バーナユニット群ごとに単独で燃焼可能としたものがあり、制御手段となるコントローラが、要求される熱量に応じて各バーナユニット群の燃焼を選択するようになっている。例えば特許文献1においては、このようなバーナを用いたものにおいて、予め設定された点火用の低インプット用のバーナユニット群の点火制御を行った(点火モード)後、設定時間が経過するまでの定常燃焼モードにおいて、指令される目標燃料供給量が、能力小側のバーナユニット群の最大目標燃料供給量と能力大側の最低目標燃料供給量との間の場合には、能力小側のバーナユニット群を選択して切替を実行する発明が記載されている。
特開平6−117624号公報
このような燃焼装置においては、点火モード(緩点火動作とも言う)終了直後に器具の最大能力を要求された場合には、全段のバーナユニット群を燃焼させることになるが、バーナや燃焼室の温度が低い状態からいきなり最大能力で燃焼を行うと、共鳴による燃焼振動が発生してしまう。
そこで、発明は、点火直後の燃焼振動を効果的に防止できる燃焼装置を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前回の通常燃焼制御の停止から第1所定時間経過している場合、制御手段は、緩点火動作終了後から第2所定時間にわたって、要求される熱量にかかわらず一部のバーナユニット群のみを用い、その一部のバーナユニット群で燃焼可能な最大燃焼量以下の範囲で通常燃焼制御を行うことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、前回の燃焼熱量が所定値以下である場合、制御手段は、緩点火動作終了後から所定時間にわたって、要求される熱量にかかわらず一部のバーナユニット群のみを用い、その一部のバーナユニット群で燃焼可能な最大燃焼量以下の範囲で通常燃焼制御を行うことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、前回の燃焼時における単位時間当たりのガス消費量が所定値以下である場合、制御手段は、緩点火動作終了後から所定時間にわたって、要求される熱量にかかわらず一部のバーナユニット群のみを用い、その一部のバーナユニット群で燃焼可能な最大燃焼量以下の範囲で通常燃焼制御を行うことを特徴とするものである。
発明によれば、器具の温度が低い状態からの燃焼による共鳴を抑制でき、燃焼振動の発生を効果的に防止可能となる。
また、一部のバーナユニット群のみの燃焼を、燃焼振動の抑制に必要なタイミングで確実に実行可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は燃焼装置の一例である給湯器の概略図で、給湯器1は、燃焼室2内に収容されて複数のバーナユニット群4,5を備えた熱交換器3に、水道管からの水を供給する給水管6と、加熱後の湯を出湯する出湯管7とが夫々接続されてなり、給水管6と出湯管7との間には、熱交換器3をバイパスするバイパス管8が接続されている。9はバーナユニット群4,5へのガスの供給を行うガス管で、上流側から元電磁弁10、ガス比例制御弁11が夫々設けられ、ガス管9から各バーナユニット群4,5へ分岐される分岐管には、切替電磁弁12,13が夫々設けられている。また、給水管6の上流には、水量センサ14が、出湯管7には、サーミスタ15が設けられている。さらに、出湯管7の下流で器具の外部には、給湯栓16が備えられている。17は燃焼室2の下方に設置されてバーナユニット群4,5へ燃焼用空気を供給するファンである。
ここでのバーナユニット群4,5は、上方に炎孔を、下方に、分岐管のガスノズルを臨ませた混合管を夫々形成した偏平なバーナユニットを複数本(バーナユニット群4が6本、バーナユニット群5が11本)水平方向に並設してなり、制御手段となるコントローラ18によって夫々単独で燃焼可能となっている。19はイグナイタ、20はバーナユニット群4の近傍に設けられた点火電極、21は炎を検知するフレームロッド、22はリモコンである。
よって、この給湯器1においては、給湯栓16の開栓による器具内の通水を水量センサ14で検知すると、コントローラ18は、まずファン17を所定時間回転させて、燃焼室2内に貯留している燃焼ガスを排出させる(プリパージ)。その後、元電磁弁10、各切替電磁弁12,13を開弁させ、ガス比例制御弁11を所定のインプットとなる所定開度で開弁させて、各バーナユニット群4,5へガスを供給すると共に、イグナイタ19を動作させて点火電極20を連続放電させ、各バーナユニット群4,5に点火する(緩点火動作)。
フレームロッド21によってバーナユニット群4,5の燃焼を確認すると、緩点火動作を終了し、通常燃焼制御(比例制御)を開始する。コントローラ18は、出湯管7のサーミスタ15によって出湯温度を監視し、出湯温度がリモコン22によって指示された設定温度となるように、必要とされるインプット(単位時間当たりの発熱量)を演算し、それに応じて切替電磁弁12,13の開閉制御と、ガス比例制御弁11の開度調整とを行うと共に、ファン17の回転数制御によってガス量と空気量との関係を一定に保持する。
一方、給湯栓16を閉じると、水量センサ14からの検知信号が得られなくなるため、コントローラ18は、元電磁弁10及び切替電磁弁12,13、ガス比例制御弁11を夫々閉弁させてバーナユニット群4,5を消火させた後、ファン17を所定時間回転させるポストパージを行う。
そして、コントローラ18は、上記緩点火動作の終了後の所定時間は、所定の条件でバーナユニット群4,5の燃焼を制限して、器具の温度が低い状態からの燃焼により発生する振動を抑制するようにしている。以下、この燃焼振動抑制制御を図2のフローチャートに基づいて説明する。
緩点火動作が終了すると、S1でリモコン22で燃焼ランプを点灯させると共に、イグナイタ19をOFFさせて、タイマΔT(ここでは20秒)をスタートさせる。次にS2で、前回の燃焼の停止から5分以下か否かを判別する。この間欠時間が5分を越えていれば、器具の温度が低い状態であるとして、S3で、バーナユニット群5のみを燃焼させて比例制御を行う。S4でタイマΔTがタイムアップすると、S5でバーナユニット群4,5を用いた通常の比例制御を実行する。
図3は、各バーナユニット群4,5によるガスインプットとファン17の回転数との関係を示すグラフで、Aがバーナユニット群4のみで制御されるライン、Bがバーナユニット群5のみで制御されるライン、Cがバーナユニット群4,5で制御されるラインとなる。すなわち、緩点火動作終了後のタイマΔT間では、バーナユニット群5のみで比例制御を行うことで、要求されるインプットにかかわらず、最大インプットをラインBにおけるMaxb点までに制限したものである。つまり、バーナユニット群5の最大燃焼量以下の範囲で燃焼させることになる。
また、この最大インプットの制限は、間欠時間に限らず、前回の燃焼熱量や平均ガス消費量(インプット)によっても選択される。まず、S2で間欠時間が5分以下であっても、S6の判別で、前回燃焼熱量が500kcal以上でなければ、器具の温度は低い状態であるとして、S3,4でバーナユニット群5のみが燃焼制御され、前回燃焼熱量が500kcal以上であっても、S7の判別で、前回平均インプットが7000kcal/hを下回っていれば(バーナユニット群4のみの燃焼であったことを意味する)、同様にS3,4でバーナユニット群5のみが燃焼制御される。つまり、緩点火動作終了後は、間欠時間が5分以下、前回の燃焼熱量が500kcal以上で、なおかつ前回平均インプットが7000kcal/h以上の場合のみそのまま通常の比例制御へ移行することになる。
このように、上記形態の給湯器1によれば、コントローラ18は、緩点火動作終了後の所定時間は、要求されるインプットにかかわらずバーナユニット群5のみを用い、そのバーナユニット群5で燃焼可能な最大燃焼量以下の範囲で比例制御を行うようにしたことで、器具の温度が低い状態からの燃焼による共鳴を抑制でき、燃焼振動の発生を効果的に防止可能となる。
特に、バーナユニット群5のみの燃焼を、前回の燃焼停止から5分経過している場合や、前回の燃焼熱量が500kcalを下回る場合、そして前回平均インプットが7000kcal/hを下回る場合に行うようにしたことで、バーナユニット群5のみによる比例制御を、燃焼振動の抑制に必要なタイミングで確実に実行可能となる。
なお、上記形態では、バーナユニット群を2段設けたものとしているが、3段以上のものであっても差し支えない。勿論各バーナユニット群におけるバーナユニットの本数も適宜設計変更可能である。
また、燃焼振動抑制制御において燃焼させるバーナユニット群の一部も適宜選択でき、バーナユニット群が3段以上の場合は、複数のバーナユニット群を本発明の一部のバーナユニット群として使用することもできる。さらに、一部のバーナユニット群は常に同じバーナユニット群に固定する必要はなく、燃焼させるバーナユニット群を器具使用の度や所定の使用回数ごとに変えても良い。
そして、燃焼振動抑制制御の条件も、上記形態以外に間欠時間や燃焼熱量等は適宜変更でき、何れか一つの条件に限らず、例えば間欠時間と前回の燃焼熱量との複数の条件を満たした場合にのみ燃焼振動抑制制御を行うようにしても良いし、逆にこのような条件をなくして、常に点火直後は燃焼振動抑制制御を行うようにすることも可能である。
給湯器の概略構成図である。 燃焼振動抑制制御のフローチャートである。 ガスインプットとファン回転数との関係を示すグラフである。
符号の説明
1‥給湯器、2‥燃焼室、3‥熱交換器、4,5‥バーナユニット群、6‥給水管、7‥出湯管、9‥ガス管、11‥ガス比例制御弁、12,13‥切替電磁弁、17‥ファン、18‥コントローラ。

Claims (3)

  1. 1又は複数本のバーナユニットで構成される複数のバーナユニット群と、その各々のバーナユニット群の燃焼を個別に制御可能な制御手段とを備え、前記制御手段は、前記バーナユニット群の点火の際には、所定の低インプットで前記バーナユニット群を燃焼させる緩点火動作を行い、その緩点火動作終了後に、要求される熱量に応じて前記バーナユニット群の燃焼を選択する通常燃焼制御を行う燃焼装置であって、
    前回の通常燃焼制御の停止から第1所定時間経過している場合、前記制御手段は、前記緩点火動作終了後から第2所定時間にわたって、要求される熱量にかかわらず一部のバーナユニット群のみを用い、その一部のバーナユニット群で燃焼可能な最大燃焼量以下の範囲で前記通常燃焼制御を行うことを特徴とする燃焼装置。
  2. 1又は複数本のバーナユニットで構成される複数のバーナユニット群と、その各々のバーナユニット群の燃焼を個別に制御可能な制御手段とを備え、前記制御手段は、前記バーナユニット群の点火の際には、所定の低インプットで前記バーナユニット群を燃焼させる緩点火動作を行い、その緩点火動作終了後に、要求される熱量に応じて前記バーナユニット群の燃焼を選択する通常燃焼制御を行う燃焼装置であって、
    回の燃焼熱量が所定値以下である場合、前記制御手段は、前記緩点火動作終了後から所定時間にわたって、要求される熱量にかかわらず一部のバーナユニット群のみを用い、その一部のバーナユニット群で燃焼可能な最大燃焼量以下の範囲で前記通常燃焼制御を行うことを特徴とする燃焼装置。
  3. 1又は複数本のバーナユニットで構成される複数のバーナユニット群と、その各々のバーナユニット群の燃焼を個別に制御可能な制御手段とを備え、前記制御手段は、前記バーナユニット群の点火の際には、所定の低インプットで前記バーナユニット群を燃焼させる緩点火動作を行い、その緩点火動作終了後に、要求される熱量に応じて前記バーナユニット群の燃焼を選択する通常燃焼制御を行う燃焼装置であって、
    回の燃焼時における単位時間当たりのガス消費量が所定値以下である場合、前記制御手段は、前記緩点火動作終了後から所定時間にわたって、要求される熱量にかかわらず一部のバーナユニット群のみを用い、その一部のバーナユニット群で燃焼可能な最大燃焼量以下の範囲で前記通常燃焼制御を行うことを特徴とする燃焼装置。
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