JP2024068014A - 燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】混合ガス中の空気の混合比率を速やかに許容範囲内に収めることが可能な燃焼装置を提供する。【解決手段】燃焼ファンから供給された空気と、燃料ガス供給部から供給された燃料ガスとを混合させた混合ガスをバーナで燃焼させる。燃焼排気中のCO濃度が閾値を超えた場合には、空気の混合比率を増加させた時のCOセンサの出力変化に基づいて、空気の混合比率が過大状態か過小状態かを判断し、その結果に応じて混合比率を補正する。ここで、空気が過大状態の場合には、混合比率を減少させるに先立って、空気温センサで空気の温度を検出する。そして、空気の温度が所定の低温側閾値温度よりも低い場合には、低温側閾値温度よりも高い場合よりも、混合比率の減少量を大きくする。こうすれば、空気の温度が所定の低温側閾値温度よりも低い場合でも、空気の混合比率を速やかに許容範囲内に収めることができる。【選択図】図6

Description

本発明は、燃料ガスと空気とが混合した混合ガスをバーナで燃焼させる燃焼装置に関する。
燃料ガスを燃焼させるための燃焼装置は、給湯器などの様々な装置に組み込まれて使用されている。この燃焼装置には、燃料ガスと空気との混合ガスを燃焼させるバーナや、バーナ内に燃料ガスを噴射する噴射ノズルや、バーナに燃焼用の空気を供給する燃焼ファンなどが搭載されている。燃焼ファンを回転させてバーナに空気を供給しながら、噴射ノズルからバーナ内に向けて燃料ガスを噴射すると、バーナ内部で燃料ガスと空気とが混合して混合ガスが生成された後、バーナで燃焼する。そして、燃焼によって生じた燃焼排気は排気通路を通って外部に排出されるようになっている。
ここで、混合ガスを適切に燃焼させるためには、燃料ガスと空気とが混合する比率が所定の許容範囲内であることが必要となる。混合ガス中での空気の混合比率が許容範囲よりも小さい場合は燃焼に必要な空気が不足するため、燃焼排気中に一酸化炭素(以下、CO)が発生する。また、空気の混合比率が許容範囲よりも大きい場合は、混合ガスの一部が着火しないままとなるため、燃焼排気中に未燃の混合ガスが混入するようになる。
そこで、一酸化炭素を検出するCOセンサを排気通路に搭載しておき、COセンサの出力が所定の閾値以下となるように燃焼ファンの回転速度を補正することによって、混合ガス中での空気の混合比率が許容範囲内となるように制御する技術が提案されている。この提案の技術では、COセンサの出力が所定の閾値を超えた場合には、燃焼ファンの回転速度を所定量だけ増加させて、それに伴うCOセンサの出力の変化を検出する。その結果、COセンサの出力が低下した場合は、燃焼に必要な空気が不足して燃焼排気中にCOが発生したものと判断できるので、燃焼ファンの回転速度を増加させる。これに対して、燃焼ファンの回転速度を増加させたことでCOセンサの出力が上昇した場合は、混合ガス中の空気の混合比率が大き過ぎて、混合ガスの一部が着火しないまま燃焼排気と共に排出され、その混合ガスにCOセンサが反応したものと判断できる。そこで、この場合は燃焼ファンの回転速度を減少させる。こうすれば、混合ガス中の空気の混合比率が小さ過ぎる場合も、大き過ぎる場合も、燃焼ファンの回転速度を正しい方向に補正することができるので、空気の混合比率を速やかに許容範囲内に収めることができる(特許文献1)。
特開2014-214925号公報
しかし、上述した従来の技術では、燃焼装置の運転条件によっては空気の混合比率を速やかに許容範囲内に収めることができない場合があった。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するために成されたものであり、燃焼装置に運転条件に依らずに、混合ガス中の空気の混合比率を速やかに許容範囲内に収めることが可能な燃焼装置の提供を目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の燃焼装置は次の構成を採用した。すなわち、
燃料ガスと空気とが混合した混合ガスをバーナで燃焼させる燃焼装置において、
前記バーナに前記空気を供給する燃焼ファンと、
前記バーナに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記バーナでの燃焼によって発生した燃焼排気を排出する排気通路に搭載されて、前記燃焼排気中のCO濃度を検出するCOセンサと、
前記空気の温度を検出する空気温センサと、
前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を制御することにより、前記混合ガス中での前記空気の混合比率を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記COセンサの出力が所定の閾値を超えた場合は、前記空気の混合比率が増加するように、前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を変更する混合比率変更部と、
前記空気の混合比率を増加させることで前記COセンサの出力が低下した場合には、前記空気の混合比率が過小状態と判断し、前記空気の混合比率を増加させることで前記COセンサの出力が上昇した場合には、前記空気の混合比率が過大状態と判断する混合比率判断部と、
前記空気の混合比率が前記過大状態であった場合は、前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を補正することによって前記混合比率を減少させ、前記空気の混合比率が前記過小状態であった場合は、前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を補正することによって前記混合比率を増加させる混合比率補正部と
を備えており、
前記混合比率補正部は、前記過大状態の前記空気の混合比率を減少させる補正を行う場合には、前記空気温センサで前記空気の温度を検出して、前記空気の温度が所定の低温側閾値温度よりも低い場合には、前記低温側閾値温度よりも高い場合よりも、前記混合比率の減少量を増加させる
ことを特徴とする。
このような本発明の燃焼装置においては、燃焼ファンから供給された空気と、燃料ガス供給部から供給された燃料ガスとを混合させて、形成された混合ガスをバーナで燃焼させる。燃焼によって生じた燃焼排気は排気通路から排出されており、排気通路にはCO濃度を検出するCOセンサが搭載されている。そして、COセンサの出力が所定の閾値を超えた場合は、燃焼ファンの回転速度または燃料ガスの供給量の少なくとも一方を制御することによって、混合ガス中での空気の混合比率を増加させ、そのことによってCOセンサの出力が低下した場合には、空気の混合比率が過小状態と判断できるので、空気の混合比率を増加させる。逆に、COセンサの出力が上昇した場合には、空気の混合比率が過大状態と判断できるので、空気の混合比率を減少させる。ここで、空気が過大状態の場合には、混合比率を減少させるに先立って、空気温センサで空気の温度を検出する。そして、空気の温度が所定の低温側閾値温度よりも低い場合には、低温側閾値温度よりも高い場合よりも、混合比率の減少量を大きくする。
空気の温度が低くなると空気の密度が大きくなるため、燃焼ファンの回転速度が同じでも、バーナに供給される空気の供給量が大きくなる。このため、燃焼ファンの回転速度や燃料ガスの供給量が同じでも、空気の温度が低くなるほど、混合ガス中での空気の混合比率は大きくなる方向にシフトする。従って、空気の温度が通常よりも低い時に、空気の混合比率が過大状態と判断された場合には、空気の混合比率が通常時よりも大きくシフトしていると考えられ、通常時と同じように混合比率を減少させたのでは、COセンサの出力が閾値以下にならない可能性がある。そこで、空気の温度が所定の低温側閾値温度よりも低い場合には、低温側閾値温度よりも高い場合よりも、混合比率の減少量を大きくする。こうすれば、空気の温度が低温側閾値温度よりも低い場合でも、空気の混合比率を速やかに許容範囲内に収めることが可能となる。
また、上述した本発明の燃焼装置においては、燃料ガスの供給量を変更することなく燃焼ファンの回転速度を変更することによって、空気の混合比率を変更しても良い。すなわち、COセンサの出力が閾値を超えた場合は、燃料ガスの供給量を変更することなく燃焼ファンの回転速度を増加させることによって、空気の混合比率を増加させる。その結果、COセンサの出力が上昇したことで空気の混合比率が過大状態と判断された場合は、燃料ガスの供給量を変更することなく燃焼ファンの回転速度を減少させる。また、COセンサの出力が低下したことで空気の混合比率が過小状態と判断された場合は、燃料ガスの供給量を変更することなく燃焼ファンの回転速度を増加させることとしても良い。
こうすれば、燃料ガスの供給量を変更する必要がないので、燃焼装置の火力を変えることなく、空気の混合比率を許容範囲内に収めることが可能となる。
また、上述した本発明の燃焼装置においては、COセンサの出力が所定の閾値を超えて、空気の混合比率が過小状態と判断された場合にも、混合比率を増加させるに先立って空気の温度を検出しても良い。そして、空気の温度が所定の高温温側閾値温度よりも高い場合には、高温側閾値温度よりも低い場合よりも、混合比率の増加量を大きくしても良い。
空気の温度が高くなると空気の密度が小さくなるため、燃焼ファンの回転速度が同じでも、バーナに供給される空気の供給量が小さくなる。このため、燃焼ファンの回転速度や燃料ガスの供給量が同じでも、空気の温度が高くなるほど、混合ガス中での空気の混合比率は小さくなる方向にシフトする。従って、空気の温度が通常よりも高い時に、空気の混合比率が過小状態と判断された場合には、空気の混合比率が通常時よりも大きくシフトしていると考えられ、通常時と同じように混合比率を増加させたのでは、COセンサの出力が閾値以下にならない可能性がある。そこで、空気の温度が所定の高温側閾値温度よりも高い場合には、高温側閾値温度よりも低い場合よりも、混合比率の増加量を大きくする。こうすれば、空気の温度が高温側閾値温度よりも高い場合でも、空気の混合比率を速やかに許容範囲内に収めることが可能となる。
本実施例の燃焼装置10を搭載した給湯器1の構成を示す説明図である。 燃焼装置10に搭載された制御部20が、混合ガス中の空気の混合比率を補正する混合比率補正処理のフローチャートである。 燃焼装置10に搭載された燃焼ファン13のファン回転速度の補正可能範囲を例示した説明図である。 混合比率補正処理の中で制御部20が実行する空気過小状態補正処理のフローチャートである。 混合比率補正処理の中で制御部20が実行する空気過大状態補正処理のフローチャートである。 本実施例の制御部20が混合比率補正処理を実行し、必要に応じて空気過小状態補正処理や空気過大状態補正処理を実行することで、ファン回転速度を補正する様子を示した説明図である。
A.装置構成 :
図1は、本実施例の燃焼装置10を搭載した給湯器1の構成を示す説明図である。給湯器1は、本体ケース2の内部に、燃焼筐3や、燃焼装置10や、熱交換器30などが収容された構造となっている。燃焼装置10は、燃焼筐3の内部に搭載されたバーナ11や、バーナ11に燃料ガスを供給するガスマニホールド12や、燃焼筐3の底部に取り付けられた燃焼ファン13や、バーナ11に点火する点火プラグ14などを備えている。
バーナ11は、複数の単体バーナ11aが配列されることによって形成されており、ガスマニホールド12にはそれぞれの単体バーナ11aに向けて燃料ガスを噴射するガス噴射ノズル12aが突設されている。ガスマニホールド12にはガス配管4が接続されており、ガス配管4の途中には、ガス配管4を開閉するガス電磁弁15や、ガス配管4内を流れる燃料ガスの流量を調節するガス流量調節弁16が搭載されている。
燃焼ファン13を回転させて燃焼筐3の内部に空気を供給しながら、ガス電磁弁15およびガス流量調節弁16を開弁させると、ガス配管4から燃料ガスがガスマニホールド12内に流入して、ガス噴射ノズル12aからそれぞれの単体バーナ11aに向かって燃料ガスが噴射される。噴射された燃料ガスは周囲の空気を巻き込みながら単体バーナ11a内に流入し、単体バーナ11aの内部で空気と混合して混合ガスとなった後、単体バーナ11aの図示しない炎口から流出する。そして、点火プラグ14から火花を飛ばすことによって混合ガスに点火すると、バーナ11での燃焼が開始される。
また、燃焼装置10は、マイクロコンピュータを搭載した制御部20も備えている。制御部20には燃焼ファン13や、点火プラグ14や、ガス電磁弁15や、ガス流量調節弁16などが接続されており、燃焼ファン13の回転速度や、点火プラグ14の点火動作や、ガス電磁弁15の開閉状態や、ガス流量調節弁16の弁開度は制御部20によって制御されている。
燃焼筐3の内部には、バーナ11の上方に熱交換器30が収容されている。熱交換器30は、所定の間隔を空けて積層した複数枚の吸熱板31と、複数枚の吸熱板31を貫通する通水管32とを備えている。通水管32は複数枚の吸熱板31を貫通した後、反転して逆方向から再び複数枚の吸熱板31を貫通することを、何回も繰り返した蛇行形状となっている。そして、通水管32の一端側および他端側は燃焼筐3の側面から外部に突出している。
更に、熱交換器30の上方には燃焼筐3の天井部3aが形成されており、天井部3aには排気通路3bが形成されている。そして、排気通路3bの内部には一酸化炭素を検出するCOセンサ17が搭載されており、COセンサ17の出力は制御部20に入力されている。また、本体ケース2の内部には空気温センサ18も搭載されており、空気温センサ18の出力も制御部20に入力されている。
また、燃焼筐3の側面から突出した通水管32の一端側は、給水配管5に接続されており、通水管32の他端側は出湯配管6に接続されている。そして、出湯配管6の先端には出湯カラン8が接続されている。このため、出湯カラン8を開栓すると、給水配管5から上水が通水管32に供給され、通水管32の内部を通過した後、出湯配管6を通って出湯カラン8から流出する。また、給水配管5の途中には、上水の流れを検知する水流センサ7が搭載されており、水流センサ7の出力も制御部20に入力されている。
このような構成を有する給湯器1は次のように動作する。先ず、ユーザーが出湯カラン8を開くと、上水が給水配管5、通水管32、および出湯配管6を通って出湯カラン8から流出する。この上水の流れを給水配管5の水流センサ7が検知して、制御部20に信号を出力する。すると、制御部20は、燃焼ファン13を回転させて燃焼筐3に空気の供給を開始すると共に、ガス電磁弁15およびガス流量調節弁16を開いて、ガスマニホールド12に燃料ガスの供給を開始する。
ガスマニホールド12に供給された燃料ガスは、ガス噴射ノズル12aから単体バーナ11aに向かって噴射され、単体バーナ11a内で空気と混合して混合ガスとなった後、単体バーナ11aの図示しない炎口から流出する。そして、点火プラグ14から火花を飛ばすことによってバーナ11での燃焼が開始される。こうしてバーナ11で混合ガスを燃焼させると、燃焼によって生じた高温の燃焼排気が熱交換器30の吸熱板31の間を通過する。その結果、通水管32内を流れる水が熱交換器30で燃焼排気によって加熱され、湯となって出湯配管6へと流出した後、出湯カラン8から出湯する。また、吸熱板31の間を通過した燃焼排気は排気通路3bから外部に排出される。尚、本実施例では、ガスマニホールド12が本発明における「燃料ガス供給部」に対応する。
ここで、バーナ11で燃焼させる燃料ガスの供給量は、出湯カラン8から出湯させる湯量や湯温などに応じて変化し、それに応じて燃焼に必要な空気の流量も変化する。そこで制御部20は、ガス流量調節弁16の弁開度を変更することによって燃料ガスのガス流量を制御し、燃焼ファン13の回転速度を変更することによって燃焼用の空気の流量を制御する。また、バーナ11で燃料ガスと空気との混合ガスを適切に燃焼させるためには、燃料ガスに対する空気の混合比率が所定の許容範囲内となっていることが重要となる。燃料ガスに対して空気の混合比率が小さ過ぎる状態(過小状態)になると燃焼排気中に一酸化炭素が発生し、逆に、燃料ガスに対して空気の混合比率が大き過ぎる状態(過大状態)になると、燃焼排気中に未燃の混合ガスが混入するようになる。そこで、制御部20はCOセンサ17の出力を監視しており、COセンサ17の出力が所定の閾値を超えた場合には、燃焼ファン13の回転速度またはガス流量調節弁16の弁開度の少なくとも一方を変更することによって、燃料ガスに対する空気の混合比率が許容範囲内となるように制御する。
しかし、給湯器1の運転条件によっては、空気の混合比率を迅速に許容範囲内に制御することができない場合がある。そこで、給湯器1の運転条件に依らずに、空気の混合比率を迅速に許容範囲内に制御することが可能とするために、本実施例の制御部20は、混合比率変更部21や、混合比率判断部22や、混合比率補正部23を備えている。尚、これらの「部」は、制御部20が備える機能を表す抽象的な概念であり、これらの「部」に対応する部品などが存在することを示すわけではない。これらの「部」は、コンピュータで実行されるプログラムを用いてソフトウェア的に実現することや、LSIなどの集積回路や電気回路などを用いてハードウェア的に実現することができる。本実施例の燃焼装置10に搭載された制御部20は、空気の混合比率を許容範囲内に制御する目的で、以下のような処理(混合比率補正処理)を実行する。
B.混合比率補正処理 :
図2は、本実施例の燃焼装置10に搭載された制御部20が実行する混合比率補正処理のフローチャートである。この処理は、燃焼装置10の燃焼運転中に実行される処理である。尚、燃焼装置10の燃焼運転とは、給湯器1が出湯する湯の流量や出湯温度などに応じて必要な火力が得られるように、バーナ11で適切な流量の混合ガスを燃焼させる制御である。燃焼運転は、制御部20がガス流量調節弁16の弁開度および燃焼ファン13の回転速度(以下、ファン回転速度)を、必要な火力に応じた適切な弁開度およびファン回転速度に制御することによって実現されている。
図2に示されるように、混合比率補正処理では、先ず始めにCOセンサ17の出力を取得する(STEP10)。前述したように、本実施例のCOセンサ17は、燃焼排気中のCO(一酸化炭素)の濃度を検出することができるが、燃焼排気中に未燃の混合ガス(いわゆる生ガス)が存在する場合にも、生ガスに反応してセンサ出力が増加する。
続いて、COセンサ17の出力が所定の閾値を超えているか否かを判断する(STEP11)。本実施例では、所定の閾値はCO濃度600ppmに対応する出力に設定されている。その結果、COセンサ17の出力が所定の閾値を超えていない場合は(STEP11:no)、混合ガスが正常に燃焼しており、混合ガス中の空気の混合比率は許容範囲内にあると考えられる。そこで、この場合は、STEP10に戻って、COセンサ17の出力の監視を継続する。
これに対して、COセンサ17の出力が所定の閾値を超えている場合は(STEP11:yes)、混合ガス中の空気の混合比率が許容範囲から外れているものと考えられる。但し、本実施例のCOセンサ17は、燃焼排気中にCOが存在する場合だけでなく、未燃の混合ガスが存在する場合にも出力が増加する。燃焼排気中のCOを検出して出力が閾値を超えたのであれば、空気の混合比率が小さ過ぎると考えられるので、燃焼ファン13のファン回転速度を上昇させて空気の流量を増加させるか、ガス流量調節弁16の弁開度を小さくして燃料ガスのガス流量を減少させる必要がある。逆に、燃焼排気中の未燃の混合ガスを検出して出力が閾値を超えたのであれば、空気の混合比率が大き過ぎると考えられるので、燃焼ファン13のファン回転速度を低下させて空気の流量を減少させるか、ガス流量調節弁16の弁開度を大きくして燃料ガスのガス流量を増加させる必要がある。このように、混合ガス中の空気の混合比率が、許容範囲に対して小さ過ぎるのか、大き過ぎるのかによって補正の方向が逆になる。
そこで、一旦、空気の混合比率が小さ過ぎるものと仮定する。この場合は、空気の混合比率を増加させればよいので、燃焼ファン13のファン回転速度を増加させるか、ガス流量調節弁16の弁開度を減少させればよい。以下では、燃焼ファン13のファン回転速度を変更するものとして説明するが、ガス流量調節弁16の弁開度を変更しても良い。すなわち、ファン回転速度を増加させる代わりに、ガス流量調節弁16の弁開度を小さくすることによって燃料ガスのガス流量を減少させても良いし、ファン回転速度を減少させる代わりに、ガス流量調節弁16の弁開度を大きくすることによって燃焼ガスのガス流量を増加させても良い。
燃焼ファン13のファン回転速度を増加させるに先立って、燃焼ファン13のファン回転速度が補正可能範囲の上限に達しているか否かを判断する(STEP12)。ここで、燃焼ファン13のファン回転速度に補正可能範囲が設定されているのは、次のような理由による。先ず、給湯器1で湯を生成するために必要な火力が決まると、バーナ11で燃焼させるべき燃料ガスのガス量が決まるから、バーナ11に供給するべき空気量も決まり、それに応じて、ガス流量調節弁16の弁開度や燃焼ファン13のファン回転速度も決まる。しかし、屋外に開口した給湯器1の排気通路3bに対する風向きの影響や、排気通路3b内に入り込んだ異物などの影響で、バーナ11に供給される空気の流量が変動する可能性がある。また、ガス配管4内への異物の混入や、ガスマニホールド12のガス噴射ノズル12aの目詰まりなどの影響で、バーナ11に供給される燃料ガスのガス流量も変動する可能性がある。そこで、これらの影響で、混合ガス中の空気の混合比率が許容範囲から外れることを防止するために、燃焼ファン13のファン回転速度には、一定比率あるいは一定量の補正可能範囲が設定されており、火力に応じて決まるファン回転速度を補正可能範囲で補正可能となっている。
尚、本実施例では、燃焼ファン13のファン回転速度を補正するものとしているので、ファン回転速度に対して補正可能範囲が設定されており、STEP12では、ファン回転速度が補正可能範囲の上限に達しているか否かを判断している。しかし、ガス流量調節弁16の弁開度を補正する場合には、弁開度に対して補正可能範囲を設定しておき、STEP12では、ガス流量調節弁16の弁開度が補正可能範囲の下限に達しているか否かを判断すれば良い。
図3は、燃焼ファン13のファン回転速度の補正可能範囲を例示した説明図である。本実施例の燃焼装置10では、給湯器1で必要な火力から決まる標準のファン回転速度に対して、-6%から+9%の範囲でファン回転速度を補正可能となっている。また、補正量は補正可能範囲内で連続的に変更するのではなく、段階的に変更するようになっている。すなわち、ファン回転速度を増加させる場合には、標準のファン回転速度から5%増加させた状態(増加状態1)、7%増加させた状態(増加状態2a)、9%増加させた状態(増加状態2b)の3段階に増加させることが可能となっている。また、ファン回転速度を減少させる場合には、標準のファン回転速度から2%減少させた状態(減少状態1)、4%減少させた状態(減少状態2a)、6%減少させた状態(減少状態2b)の3段階に減少することが可能となっている。従って、図2のSTEP12では、燃焼ファン13のファン回転速度の補正状態が「増加状態2a」であるか否かを判断することになる。
その結果、燃焼ファン13のファン回転速度が補正可能範囲の上限に達している場合は(STEP12:yes)、このことが原因でCOセンサ17の出力が上昇して、閾値を超えたものと予想される。そこで、この場合は、燃焼ファン13のファン回転速度を2段階下げる補正を行った後(STEP13)、処理の先頭に戻って再びCOセンサ17の出力を取得する(STEP10)。
これに対して、燃焼ファン13のファン回転速度が補正可能範囲の上限に達していない場合は(STEP12:no)、ファン回転速度を1段階だけ増加させる補正を行った後(STEP14)、COセンサ17の出力を取得する(STEP15)。尚、COセンサ17の出力を取得する際には、ファン回転速度を補正したことによる影響がCOセンサ17の出力に現れるまでに要する時間(例えば、2分間)が経過したことを確認してから、COセンサ17の出力を取得する。また、図1中に示した制御部20の混合比率変更部21は、COセンサ17の出力が閾値を超えた場合(STEP11:yes)に、ファン回転速度を1段階だけ増加(STEP14)させる機能を実現する。
続いて、ファン回転速度を補正したことによってCOセンサ17の出力が低下したか否かを判断する(STEP16)。その結果、COセンサ17の出力が低下していた場合は(STEP16:yes)、ファン回転速度を1段階だけ増加させたことによって、COセンサ17の出力が低下したことになるから、COセンサ17の出力が閾値を超えていた理由は、混合ガス中の空気の混合比率が小さ過ぎる状態(過小状態)であったためと判断する(STEP17)。
そして、ファン回転速度を補正した後のCOセンサ17の出力が所定の閾値以下に収まっているか否かを判断する(STEP18)。その結果、COセンサ17の出力が閾値以下に低下していた場合は(STEP18:yes)、ファン回転速度を補正することで空気の混合比率が許容範囲内に修正されたと考えられるので、処理の先頭に戻って再びCOセンサ17の出力を取得する(STEP10)。これに対して、ファン回転速度の補正後のCOセンサ17の出力が閾値以下に収まっていない場合は(STEP18:no)、補正が不十分であり、混合ガス中の空気の混合比率が許容範囲内に入っていないと考えられるので、後述する空気過小状態補正処理を開始する(STEP30)。
以上では、STEP14でファン回転速度を1段階だけ増加させたことで、COセンサ17の出力が低下した場合(STEP16:yes)に実行する動作について説明した。これに対して、ファン回転速度を増加させたことでCOセンサ17の出力が上昇してしまった場合は(STEP16:no)、STEP11で「yes」と判断された理由が、混合ガス中の空気の混合比率が大き過ぎる状態(過大状態)であったためと判断できる(STEP19)。従って、COセンサ17の出力を低下させるためには、STEP14でファン回転速度を1段階増加させるのではなく、1段階減少させるべきであったと考えられる。そこで、STEP16で「no」と判断した場合は、燃焼ファン13のファン回転速度を2段階減少させる(STEP20)。
その後、ファン回転速度を減少させた後のCOセンサ17の出力を取得して(STEP21)、COセンサ17の出力が所定の閾値以下に収まっているか否かを判断する(STEP22)。その結果、閾値以下であった場合は(STEP22:yes)、空気の混合比率が許容範囲内に入ったと考えられるので、処理の先頭に戻って再びCOセンサ17の出力を取得する(STEP10)。これに対して、ファン回転速度の補正後のCOセンサ17の出力が閾値以下に低下していない場合は(STEP22:no)、補正が不十分と考えられるので、後述する空気過大状態補正処理を開始する(STEP40)。
尚、図1中に示した制御部20の混合比率判断部22は、COセンサ17の出力が低下したか否かを判断し(STEP16)、その結果に基づいて、空気過小状態であると判断し(STEP17)、あるいは空気過大状態であると判断する(STEP19)機能を実現する。また、図1中に示した制御部20の混合比率補正部23は、空気過小状態の場合には後述する空気過小状態補正処理(STEP30)を実行し、空気過大状態の場合には後述する空気過大状態補正処理(STEP40)を実行する機能を実現する。
C.空気過小状態補正処理 :
図4は、制御部20が実行する空気過小状態補正処理のフローチャートである。この処理は、図2の混合比率補正処理の中で、混合ガス中の空気の混合比率が過小状態であり(STEP17)、且つ、ファン回転速度を1段階増加させるだけでは補正が不十分であった場合に(STEP18:no)、制御部20によって実行される処理である。
図4に示されるように、空気過小状態補正処理(STEP30)を開始すると先ず始めに、ファン回転速度が補正可能範囲の上限に達しているか否かを判断する(STEP31)。このような判断をする理由は、空気過小状態補正処理(STEP30)を開始するに先立って、混合比率補正処理の中でファン回転速度を1段階だけ増加させているので(図2のSTEP14)、ファン回転速度が既に補正可能範囲の上限に達している可能性があるためである。
その結果、ファン回転速度が補正可能範囲の上限に達していた場合は(STEP31:yes)、燃焼装置10の燃焼運転を停止する(STEP32)。すなわち、空気過小状態補正処理(STEP30)は、空気の混合比率が過少状態であり(図2のSTEP17)、ファン回転速度を1段階増加させる補正を行ったにも拘わらず、COセンサ17の出力が閾値以下まで下がらない場合に(STEP18:no)開始される。従って、空気過小状態補正処理を開始した直後のSTEP31で「yes」と判断されたということは、ファン回転速度を補正可能範囲の上限まで増加させたにも拘わらず、空気の混合比率が過少状態であるため、COセンサ17の出力が閾値以下に下がらないということである。このようなことは通常では起こり得ないので、何らかの異常が発生していると考えられる。そこで、燃焼運転を停止した後(STEP32)、異常の発生を報知して(STEP33)、混合比率補正処理に復帰することなく、空気過小状態補正処理を終了する。
これに対して、ファン回転速度が補正可能範囲の上限に達していないと判断した場合は(図4のSTEP31:no)、バーナ11に供給される空気の空気温を取得する(STEP34)。図1を用いて前述したように、燃焼ファン13は本体ケース2内の空気を吸い込んでバーナ11に供給しており、本体ケース2内の空気の温度は空気温センサ18(図1参照)を用いて検出することができる。そして、空気温が所定の高温側閾値温度よりも高いか否かを判断する(STEP35)。本実施例では、高温側閾値温度は40℃に設定されている。その結果、空気温が高温側閾値温度よりも低い場合は(STEP35:no)、ファン回転速度を更に1段階だけ増加させた後(STEP36)、空気過小状態補正処理を終了して図2の混合比率補正処理の先頭に復帰する。
これに対して、空気温が高温側閾値温度よりも高い場合は(STEP35:yes)、ファン回転速度を2段階、増加させることが可能か否かを判断する(STEP37)。すなわち、STEP31で「no」と判断しているので、ファン回転速度をもう1段階だけ増加させることが可能なことは既に分かっているが、2段階増加させることが可能か否かを判断する。その結果、2段階増加させることも可能であった場合は(STEP37:yes)、ファン回転速度を2段階増加させた後(STEP38)、空気過小状態補正処理を終了して図2の混合比率補正処理の先頭に復帰する。これに対して、ファン回転速度を2段階増加させることができなかった場合は(STEP37:no)、ファン回転速度を更に1段階だけ増加させた後(STEP36)、空気過小状態補正処理を終了して図2の混合比率補正処理の先頭に復帰する。このように、空気過小状態補正処理では、処理を開始した時の空気温が高温側閾値温度を上回っている場合には、高温側閾値温度を上回らない場合よりも、ファン回転速度の増加量が大きくなっている。この理由については後述する。
以上では、図2の混合比率補正処理の中で、混合ガスに対する空気の混合比率が過小状態であり、燃焼ファン13のファン回転速度を1段階増加させただけでは、COセンサ17の出力が閾値以下まで下がらなかった場合(STEP18:no)に、ファン回転速度を更に補正する処理(空気過小状態補正処理)について説明した。これに対して、混合ガスに対する空気の混合比率が過大状態であり、燃焼ファン13のファン回転速度を2段階減少させても、COセンサ17の出力が閾値以下まで下がらなかった場合は(STEP22:no)、以下のようにしてファン回転速度を補正する。
D.空気過大状態補正処理 :
図5は、制御部20が実行する空気過大状態補正処理のフローチャートである。この処理は、図2の混合比率補正処理の中で制御部20によって実行される処理である。図5に示されるように、空気過大状態補正処理(STEP40)を開始すると先ず始めに、ファン回転速度が補正可能範囲の下限に達しているか否かを判断する(STEP41)。このような判断をする理由は、空気過大状態補正処理(STEP40)を開始するに先立って、混合比率補正処理の中でファン回転速度を2段階だけ減少させているので(図2のSTEP20)、ファン回転速度が既に補正可能範囲の下限に達している可能性があるためである。尚、本実施例ではファン回転速度の補正可能範囲は、標準のファン回転速度に対して6%減少させた状態(減少状態2b)~9%増加させた状態(増加状態2b)の範囲に設定されているので(図3参照)、図5のSTEP41では、ファン回転速度の補正状態が「減少状態2b」であるか否かを判断することになる。
その結果、ファン回転速度が補正可能範囲の下限に達していた場合は(STEP41:yes)、燃焼装置10の燃焼運転を停止する(STEP42)。すなわち、空気過大状態補正処理(STEP40)は、空気の混合比率が過大状態であり(図2のSTEP19)、ファン回転速度を2段階減少させる補正を行ったにも拘わらず、COセンサ17の出力が閾値以下まで下がらない場合に(STEP22:no)開始される。従って、空気過大状態補正処理を開始した直後のSTEP41で「yes」と判断されたということは、ファン回転速度を補正可能範囲の下限まで減少させたにも拘わらず、空気の混合比率が過大状態であるため、COセンサ17の出力が閾値以下に下がらないということである。このようなことは通常では起こり得ないので何らかの異常が発生していると考えられる。そこで、燃焼運転を停止した後(STEP42)、異常の発生を報知して(STEP43)、空気過大状態補正処理を終了する。
これに対して、ファン回転速度が補正可能範囲の下限に達していないと判断した場合は(図5のSTEP41:no)、空気温センサ18を用いて空気温を取得して(STEP44)、空気温が所定の低温側閾値温度よりも低いか否かを判断する(STEP45)。本実施例では、低温側閾値温度は0℃に設定されている。その結果、空気温が低温側閾値温度よりも高い場合は(STEP45:no)、ファン回転速度を1段階だけ減少させた後(STEP46)、そのまま空気過大状態補正処理を終了して、図2の混合比率補正処理の先頭に復帰する。
これに対して、空気温が低温側閾値温度よりも低い場合は(STEP45:yes)、ファン回転速度を2段階、減少させることが可能か否かを判断する(STEP47)。すなわち、STEP41で「no」と判断しているので、ファン回転速度をもう1段階だけ減少させることが可能なことは既に分かっているが、2段階減少させることが可能か否かを判断する。その結果、2段階減少させることも可能であった場合は(STEP47:yes)、ファン回転速度を2段階減少させた後(STEP48)、空気過大状態補正処理を終了して図2の混合比率補正処理の先頭に復帰する。これに対して、ファン回転速度を2段階減少させることができなかった場合は(STEP47:no)、ファン回転速度を更に1段階だけ減少させた後(STEP46)、空気過大状態補正処理を終了して図2の混合比率補正処理の先頭に復帰する。このように、空気過大状態補正処理では、処理を開始した時の空気温が低温側閾値温度を下回る場合には、低温側閾値温度を下回らなかった場合よりも、ファン回転速度の減少量が大きくなっている。この理由についても後述する。
以上のように、本実施例の燃焼装置10に搭載された制御部20は、上述した混合比率補正処理や、空気過小状態補正処理や、空気過大状態補正処理を実行することによって、燃焼ファン13のファン回転速度を補正する。こうすることで、何らかの理由で混合ガス中の空気の混合比率が許容範囲から外れた場合でも、速やかに許容範囲内に復帰させることができる。
図6は、本実施例の制御部20が混合比率補正処理や、空気過小状態補正処理や、空気過大状態補正処理を実行することによって、ファン回転速度を補正する様子を示した説明図である。図6では、ファン回転速度が標準状態(補正されていない状態)でCOセンサ17の出力が閾値を超えた場合を例に用いて、縦軸に示したファン回転速度の補正状態が、横軸に示した時間の経過と共に変更される様子が示されている。
図2を用いて前述したように、混合比率補正処理ではCOセンサ17の出力が閾値を超えた場合には(図2のSTEP11:yes)、ファン回転速度を1段階増加させる(STEP14)。図6では、図中に(a)と表示した斜線付きの丸印から、(b)と表示した斜線付きの丸印に向かって延びる実線の矢印は、混合比率補正処理でファン回転速度を1段階増加させる動作を表している。また、ファン回転速度を1段階増加させたことでCOセンサ17の出力が上昇してしまった場合は(図2のSTEP16:no)、ファン回転速度を2段階減少させる(STEP20)。図6では、図中に(b)と表示した斜線付きの丸印から、(c)と表示した斜線付きの丸印に向かって延びる実線の矢印は、混合比率補正処理でファン回転速度を2段階減少させる動作を表している。尚、図6中に実線の矩形で囲った範囲の動作が、混合比率補正処理で行われる補正動作である。
多くの場合は、COセンサ17の出力が閾値を超えても、このように混合比率補正処理による補正動作を行うことで、COセンサ17の出力を閾値以下にすることができる。しかし、混合比率補正処理でファン回転速度を1段階増加させただけでは、COセンサ17の出力が閾値以下には下がらない場合(図2のSTEP18:no)も発生し得る。そこで、このような場合は、空気過小状態補正処理を開始する(STEP30)。
図4を用いて前述したように、空気過小状態補正処理では、空気温が高温側閾値温度を上回らない場合はファン回転速度を1段階増加させるが(図4のSTEP36)、空気温が高温側閾値温度を上回った場合は、ファン回転速度を2段階増加させる(図4のSTEP38)。図6では、図中に(b)と表示した斜線付きの丸印から、(d)と表示した白抜きの丸印に向かって延びる実線の矢印は、空気過小状態補正処理でファン回転速度を1段階増加させる動作を表している。また、図中で(b)と表示した斜線付きの丸印から、(e)と表示した白抜きの四角印に向かって延びる破線の矢印は、空気温が高温側閾値温度を上回った場合にファン回転速度を2段階増加させる動作を表している。尚、図6中では、破線の矩形で囲った範囲の動作が、空気過小状態補正処理で行われる補正動作に該当する。
このように、空気過小状態補正処理では、空気温が高温側閾値温度を上回った場合にファン回転速度の増加量を大きくしている理由は次のようなものである。燃焼ファン13のファン回転速度は、バーナ11に供給される燃料ガスのガス流量に対して、適切な流量の空気を供給することが可能なファン回転速度に設定されている。ここで、ファン回転速度を設定する際には、空気温が室温(約25℃)であるものとしているが、実際には空気温は大きく変化する。空気温が高くなると空気の密度が小さくなるので、バーナ11に同じ流量の空気を供給しても、燃料ガスに対して空気が不足気味となる。従って、空気温が室温(約25℃)に対して大幅に高い場合は、空気温が室温付近の場合と同じようにファン回転速度を増加させたのでは、増加量が不足する可能性が高い。そして、増加量が不足していた場合、COセンサ17の出力が閾値以下にならないので、更にファン回転速度を増加させる必要が生じる。
図6に示したように、空気過小状態補正処理は混合比率補正処理でCOセンサ17の出力が閾値以下とならなかった場合に開始される処理であるから、空気過小状態補正処理では、COセンサ17の出力をできるだけ速やかに閾値以下に下げる必要がある。しかし、空気温が室温(約25℃)よりも大幅に高い場合は、空気温が室温付近の場合と同じようにファン回転速度を増加させたのでは、再度、ファン回転速度を増加させる必要が生じる可能性が高い。そこで、本実施例では、空気温が高温側閾値温度よりも高い場合は、室温付近であった場合に比べて、ファン回転速度の増加量を大きくする。こうすれば、一度の補正で、COセンサ17の出力を速やかに閾値以下とすることができるので、混合ガス中の空気の混合比率を速やかに許容範囲内に復帰させることが可能となる。
以上では、混合比率補正処理でファン回転速度を1段階増加(図6では(a)の丸印から(b)の丸印に移動)させることで、COセンサ17の出力が低下する場合(燃料ガスに対する空気の混合比率が小さ過ぎる場合)について説明した。これに対して、燃料ガスに対する空気の混合比率が大き過ぎる場合は、ファン回転速度を1段階増加させるとCOセンサ17の出力が増加してしまうので、ファン回転速度を2段階減少(図6では(b)の丸印から(c)の丸印に移動)させる。こうすれば、多くの場合は、COセンサ17の出力を閾値以下にすることができるが、閾値以下には下がらない場合(図2のSTEP22:no)も発生し得る。そこで、このような場合は、空気過大状態補正処理を開始する(STEP40)。
図5を用いて前述したように、空気過大状態補正処理では、空気温が低温側閾値温度を下回らない場合にはファン回転速度を1段階減少させるが(図5のSTEP46)、空気温が低温側閾値温度を下回る場合には、ファン回転速度を2段階減少させる(図5のSTEP48)。図6では、図中に(c)と表示した斜線付きの丸印から、(f)と表示した黒塗りの丸印に向かって延びる実線の矢印は、空気過大状態補正処理でファン回転速度を1段階減少させる動作を表している。また、図中で(c)と表示した斜線付きの丸印から、(g)と表示した黒塗りの四角印に向かって延びる破線の矢印は、空気温が低温側閾値温度よりも低い場合にファン回転速度を2段階減少させる動作を表している。尚、図6中では、一点鎖線の矩形で囲った範囲の動作が、空気過大状態補正処理で行われる補正動作に該当する。
このように、空気過大状態補正処理では、空気温が低温側閾値温度を下回った場合にファン回転速度の減少量を大きくしている理由は、空気温が低いと空気の密度が大きくなるためである。すなわち、ファン回転速度は空気温が室温(約25℃)である場合を想定して設定されているため、空気温が室温よりも低くなると空気の密度が大きくなり、バーナ11に同じ流量の空気を供給しても、燃料ガスに対して空気が過剰気味となる。従って、空気温が室温(約25℃)に対して大幅に低い場合は、空気温が室温付近の場合と同じようにファン回転速度を減少させたのでは、減少量が足りずに、再度、ファン回転速度を減少させる必要が生じる可能性が高い。
空気過小状態補正処理と同様に、空気過大状態補正処理も混合比率補正処理ではCOセンサ17の出力が閾値以下とならなかった場合に開始される処理であるから、空気過大状態補正処理では、COセンサ17の出力をできるだけ速やかに閾値以下に下げる必要がある。そこで、空気温が低温側閾値温度よりも低い場合は、室温付近であった場合に比べて、ファン回転速度の減少量を大きくする。こうすれば、一度の補正で速やかにCOセンサ17の出力を閾値以下にすることができるので、混合ガス中の空気の混合比率を速やかに許容範囲内に復帰させることが可能となる。
以上、本実施例の燃焼装置10について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
1…給湯器、 2…本体ケース、 3…燃焼筐、 3a…天井部、
3b…排気通路、 4…ガス配管、 5…給水配管、 6…出湯配管、
7…水流センサ、 8…出湯カラン、 10…燃焼装置、 11…バーナ、
11a…単体バーナ、 12…ガスマニホールド、 12a…ガス噴射ノズル、
13…燃焼ファン、 14…点火プラグ、 15…ガス電磁弁、
16…ガス流量調節弁、 17…COセンサ、 18…空気温センサ、
20…制御部、 21…混合比率変更部、 22…混合比率判断部、
23…混合比率補正部、 30…熱交換器、 31…吸熱板、 32…通水管。

Claims (3)

  1. 燃料ガスと空気とが混合した混合ガスをバーナで燃焼させる燃焼装置において、
    前記バーナに前記空気を供給する燃焼ファンと、
    前記バーナに前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
    前記バーナでの燃焼によって発生した燃焼排気を排出する排気通路に搭載されて、前記燃焼排気中のCO濃度を検出するCOセンサと、
    前記空気の温度を検出する空気温センサと、
    前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を制御することにより、前記混合ガス中での前記空気の混合比率を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記COセンサの出力が所定の閾値を超えた場合は、前記空気の混合比率が増加するように、前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を変更する混合比率変更部と、
    前記空気の混合比率を増加させることで前記COセンサの出力が低下した場合には、前記空気の混合比率が過小状態と判断し、前記空気の混合比率を増加させることで前記COセンサの出力が上昇した場合には、前記空気の混合比率が過大状態と判断する混合比率判断部と、
    前記空気の混合比率が前記過大状態であった場合は、前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を補正することによって前記混合比率を減少させ、前記空気の混合比率が前記過小状態であった場合は、前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の少なくとも一方を補正することによって前記混合比率を増加させる混合比率補正部と
    を備えており、
    前記混合比率補正部は、前記過大状態の前記空気の混合比率を減少させる補正を行う場合には、前記空気温センサで前記空気の温度を検出して、前記空気の温度が所定の低温側閾値温度よりも低い場合には、前記低温側閾値温度よりも高い場合よりも、前記混合比率の減少量を増加させる
    ことを特徴とする燃焼装置。
  2. 請求項1に記載の燃焼装置において、
    前記混合比率変更部は、前記COセンサの出力が前記閾値を超えた場合は、前記燃料ガスの供給量を変更することなく前記燃焼ファンの回転速度を増加させ、
    前記混合比率補正部は、前記空気の混合比率が前記過大状態であった場合は、前記燃料ガスの供給量を変更することなく前記燃焼ファンの回転速度を減少させ、前記空気の混合比率が前記過小状態であった場合は、前記燃料ガスの供給量を変更することなく前記燃焼ファンの回転速度を増加させる
    ことを特徴とする燃焼装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃焼装置において、
    前記混合比率補正部は、前記過小状態の前記空気の混合比率を増加させる補正を行う場合には、前記空気温センサで前記空気の温度を検出して、前記空気の温度が所定の高温側閾値温度よりも高い場合には、前記高温側閾値温度よりも低い場合よりも、前記燃焼ファンの回転速度または前記燃料ガスの供給量の補正量を増加させる
    ことを特徴とする燃焼装置。
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