JP4231431B2 - 赤外線反射膜付ハロゲン電球、および反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球 - Google Patents

赤外線反射膜付ハロゲン電球、および反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線反射膜付ハロゲン電球、および反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球に関するものである。
近年の省エネルギー化動向に伴い、一般照明用ハロゲン電球においてランプ効率を向上させるために、タングステンフィラメント(以下、「WFL」と称す)コイルを発光管内部に配設し、発光管の外表面に赤外線反射膜を形成してなる、いわゆる赤外線反射(「IR」とも言う)膜付ハロゲン電球が開発され、普及しつつある。
赤外線反射膜付ハロゲン電球では、例えば特表平10-501368号公報に開示されているように、WFLコイルからの赤外放射を、上記発光管に配された赤外線反射膜で反射してWFLコイルに帰還し、再加熱に利用することでランプ消費電力を削減し、ランプ効率を向上させるようになっている。
上記赤外線反射膜は、基本的には、高屈折率及び低屈折率の組み合わせからなる多層干渉膜で構成されている。この構造により、WFLコイルからの赤外反射を行う一方で、可視放射を外部へ透過する。ハロゲン電球用の赤外線反射膜としては、高屈折率材料として酸化タンタル(Ta2O5)、低屈折率材料としてシリカ(SiO2)からなる多層膜が広く適用されている。
最近の市場では、CVD技術を利用して製造された高効率ハロゲン電球として、点灯電圧の違いの面から、商用電圧100V/110Vタイプと、低電圧12Vタイプの2品種が展開されている。
これらの高効率ハロゲン電球では、略回転楕円形の石英ガラス製の発光管における発光部の外表面に、約20層のTa2O5-SiO2多層膜からなる赤外線反射膜が塗布されている。さらに発光部の内側において、その中心軸上にWFLコイルが設置され、上記WFLコイルに連なる一対のリード線がモリブデン箔を介して配設されつつ、発光管内部が気密封止された片口金構造を有している。そのランプ効率としては、例えば前者110Vおよび後者12Vタイプの50W品種で、それぞれ22.4lm/Wおよび25.4lm/Wという高い値が得られている。
なお、ここで言う「略」とは、一般的な交差、ずれを含む範囲を指す。
一方、上述のランプ効率面からの改良に加え、現在ではハロゲン電球から光を取り出す光学系による省エネルギー化も図られるようになっている。具体的には、WFLコイルからの光を被射体にビーム光として収束する反射ミラーと組み合わせてなる、反射ミラー付ハロゲン電球が、店舗照明用等として活発に展開されている。さらに最近では、反射ミラーと前記赤外線反射膜付ハロゲン電球とを組み合わせたタイプも開発および展開されている。
この反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球のうち、特に低電圧12Vタイプは、小型でありながらビーム光度が同一ランプ入力の商用電圧タイプのものより高いので、一層の省エネルギー化を図ることができ、今後の店舗照明分野での伸びが期待されている。当該小型の反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球の主力品種としては、反射ミラー径が50mmの35Wおよび50Wタイプのものが展開されている。
ところで前述した小型の反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球の12Vタイプは、他の種類のランプに比べてコスト高の傾向があるため、そのコストに見合うような長寿命化の要望が市場から出されている。これに応じて最近では、定格寿命4000hrsの反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球12Vタイプ(反射ミラー径50mm)を目指して開発および展開されるに至っている。
特表平10-501368号公報
しかしながら、本願発明者らが前記反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球12Vタイプについて、長期にわたり詳細に寿命特性を追跡したところ、特に高ワット50W品種で寿命末期の約3000hrs以上の長期エージング試験によって、ランプ駆動時に大きな品質問題が発生することがわかった。すなわち実験した反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球12Vタイプでは、駆動時に発熱状態にある発光管において、前記リード線がモリブデン箔を介して気密封止されている封止部が割れてしまい、場合によってはこの割れが起点となって、発光管の破損が発生することがわかった。さらに上記発光管の破損により、反射ミラーに装着されている前面ガラスまでが、稀ではあるが破損することが明らかになった。また、その他の品質問題として、同様の長期エージング時間において、発光部表面に被膜された赤外線反射膜がランプ駆動に伴い剥がれてしまい、WFLコイルからの赤外放射が漏れてランプ光束が低下することもわかった。
ハロゲン電球の正常な寿命終了は、一般的にエージングが進行するにつれてWFLコイルが蒸発により損耗して断線に至る、という現象によるものである。これに対して上記2つの品質問題は、正常な寿命終了以前に発生する異常な現象であって、中でも前者の発光管割れは使用中の安全に関わる問題であるため、確実に防止すべき問題である。
以上のように、現在では反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球12Vタイプ(特に高ワット50W品種(反射ミラー径50mm))において、正常な寿命終了以前に発生する発光管破損および赤外線反射膜剥がれの現象を確実に防止できる手段を見出すことが、主要な技術課題である。
本発明は以上の課題に鑑みて為されたものであって、その第一の目的として、高いランプ効率を維持しつつ、長期使用期間において発光管破損、および赤外線反射膜剥がれの現象を確実に防止することにより、安全で長寿命な12Vタイプの赤外線反射膜付ハロゲン電球を提供する。
具体的には、当該12Vタイプの赤外線反射膜付ハロゲン電球の高ワット50W品種において、ランプ効率および定格寿命時間として、それぞれ少なくとも25lm/W以上、および4000hrs以上の値を得ることを目標とする。
また、第二の目的として、従来より省エネルギー性に優れる反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球を提供する。
そこで本発明は、上記第一の目的を解決するために、12Vタイプの赤外線反射膜付ハロゲン電球であって、封止部及び中空の発光部とを備える石英ガラス製の発光管と、当該発光管の発光部の外表面を覆うように赤外線反射膜が形成されており、前記発光部で囲繞された内部空間に向かって延出された状態で、フィラメントが封止部に支持されているとともに、前記フィラメントの端部と電気的に接続された状態で、モリブデン箔が前記封止部中に埋設され、一端側が前記金属箔と電気的に接続された状態で、他端側が外部に露出されるように電力導入線が配設された構成を有し、且つ、前記発光管における前記発光部の外表面積をSb、前記封止部の外表面積をSeとするとき、SbおよびSeはそれぞれ、450mm2≦Sb≦650mm2、且つSe≧-0.35Sb+520の範囲に規定されているものとした。
なお、前記発光部は略回転楕円形状または略球形状とすることができる。
ここで前記ハロゲン電球は、具体的には45Wから80Wに適用することが可能である。
また本発明では、上記第二の目的を達成するために、本発明の赤外線反射膜付ハロゲン電球を、反射ミラーの内部に配設して構成されていることを特徴とする反射ミラーおよび赤外線反射膜付ハロゲン電球として構成するものとした。
以上のように本発明では、発光管の発光部および封止部の各外表面積を数値範囲に基づいて規定することで、第一に、ランプ駆動時の発熱による発光管内部のモリブデン材料の温度上昇を小さくすることができ、モリブデン材料の酸化がなく、体積膨張の発生がともに低減され、これに伴う応力低減によって封止部への負担が低減されるので、発光管の破損が防止されるという効果が奏される。
また第二に、発光部の過熱が抑制されることで、当該発光部の膨張が抑制されることとなり、発光部表面に配された赤外線反射膜の剥がれの現象を回避することが可能となる。
このように本発明によれば、各外表面積を上記所定の範囲とすることで、ランプ効率は維持されるとともに、正常なWFLコイル断線で寿命終了に至るような、安全で少なくとも定格寿命4000hrsが達成される長寿命の反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球12Vタイプを実現することが可能である。
なお、本発明で規定する発光管の発光部および封止部の各外表面積についての数値範囲によって、このような優れた効果が得られることは、後述の実験により確認されている。
さらに本発明では、上記本発明の赤外線反射膜付ハロゲン電球を、反射ミラーの内部に配設して構成されていることを特徴とする反射ミラーおよび赤外線反射膜付ハロゲン電球として構成することによって、上記ランプの長寿命化効果に加えて、さらに反射ミラーを利用した光学的手法によってランプ効率を向上させることが可能となるので望ましい。
1.実施の形態1
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図5を用いて順次説明する。
1-1.ハロゲン電球の構成
図1は、本実施の形態1として、12Vタイプ/50W品種の赤外線反射(IR)膜付ハロゲン電球1の構成を示す図である。ハロゲン電球の形式例としては低電圧反射形片口金ハロゲン電球を示している。当図1では、発光管2および赤外線反射膜3等をカットして、その内部構造を示した一部断面図(図1(a)は正面図、図1(b)は側面図)としている。
まず図1に示すように、赤外線反射膜付ハロゲン電球1は、石英ガラス製の発光管2を主体として構成されている。
当該発光管2は、図中縦方向を長径a、横方向を短径bとする略回転楕円状に形成された中空の発光部6と、発光管2の端部において各配線8〜11を挟みつつ発光管2内部を気密封止するための、直方体状の封止部5とからなる。具体的には図1(b)において、内部空間がある部分と、石英ガラスが完全に充填されている部分および空間を含む部分との間の境界において、その下側が封止部5、その上側が発光部6となる。
ここで本発明では、発光部の外表面積(Sb)は、図1中で示す発光部6全体(先端のチップ部を含む)の外表面積を指すものとする。
さらに封止部の外表面積(Se)は、封止部5全体の全面積(表裏主表面と両側面、および底面の和)を指すものとする。
本発明は、このSbとSeのそれぞれを所定の数値範囲(450mm2≦Sb≦650mm2、且つ、Se≧-0.35Sb+520)に規定することによって、ランプ駆動時の発光部表面、封止部の過度の温度上昇を抑制し、発光管の破損及び赤外線反射膜3の剥がれを防止して、長期間にわたり良好にランプを駆動できるという主な効果を有する。この長寿命の効果については測定実験のデータを交えて後述する。
発光部6の外表面には、例えばCVD塗布技術を用いて、合計18層のTa2O5-SiO2多層膜からなる赤外線反射膜3が形成されている。ただし当該赤外線反射膜3は、これ以外の材料(例えば高屈折率材料としてTiO2、CeO2、低屈折率材料としてMgF2等を挙げることができる)から構成してもよい。また、層の数もこれ以外であってもよい。
上記発光部6の中心軸には、発光部6内部に露出するように、フィラメントとしてWFLコイル4が設置されている。具体的なWFLコイル4としては、線径190μmのタングステン線からなるシングルコイルを用い、そのコイル長Lcおよびコイル外径φcをそれぞれ4.3mmおよび1.7mmに設定することができる。また、回転楕円形の発光部5の短径bに対する長径aの比a/bは、上記WFLコイルの寸法に相応して例えば1.05に設定することができる。
封止部5では図1に示すように、上記WFLコイル4から延長された一対のリード線41、42が、それぞれ短冊状の金属箔であるモリブデン箔8、9の各一端側に接続されている。上記モリブデン箔8、9の他端には、モリブデン材料からなる電力導入線(外部導入線)としてのリードピン10、11が溶接されている。モリブデン材料を用いる理由は発光管2の石英に近い膨張率を有する最適な金属部材として選んだものである。さらにモリブデン箔8、9は、できる限り金属部材の体積膨張を低減するために使用している。
封止部5は、上記リード部41、42、モリブデン箔8、9、リードピン10、11を保持した状態で、ガスバーナー加熱加工のピンチ方式により直方体状に形成され、発光部6の内部を気密封止するようになっている。
なお、この封止部5の形成とともに、発光管2の内部は当該発光管2の先端頂部に接合された排気管(これは排気工程後に切断されるので図示していない)を介して真空排気され、その後内部に封入ガスが封入される。この封入ガスとしては、一例として200〜500ppmの臭化水素(HBr)を含むキセノンガスが、0.6MPaの圧力で使用される。
なお、封入ガスとしては、キセノンガスの代わりにクリプトンガス、アルゴンガス、窒素ガス、又はこれらの混合ガスを用いてもよい。また、封入圧力は0.1〜1.0MPaの範囲が望ましい。
1-2.反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球の構成
図2は、前記ハロゲン電球1を装備した反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球の構成を示す図である。当図2では、前面ガラス20および反射ミラー15等をカットして、その内部構造を示した一部断面図としている。
反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球14の構成は、上記赤外線反射膜付ハロゲン電球1の封止部5が反射ミラー15の後部取付口16に挿入され、セメント17により固定および装着されてなる。
上記反射ミラー15は一般的なものであって、本体が硬質ガラス材料から構成されており、その内表面にZnS-MgF2多層膜からなる可視光反射膜が塗布されている。当該反射ミラー15を前記ハロゲン電球1と組み合わせることによって、光学系による省エネルギー化が図られ、ランプ効率が向上される。
可視光反射膜にはこれ以外の材料、例えばアルミ蒸着膜等を用いてもよい。反射ミラー15の内面形状は、ハロゲン電球1からの反射光の集束度合を表すビーム角に相応した曲面形状をなすように設計されている。反射ミラー15の形状寸法は、ここでは一例としてミラー径φ、ミラー深さDmおよび全長Lmがそれぞれ一般的なサイズの50mm、22mmおよび37mmのいずれかで、取付口16の高さHmが13mmのものを用いることができる。またその取付口16の断面寸法も、一般的にミラー反射率を高める上から規定されており、ここでも長方形断面の長辺aが14mm、および短辺bが7mmのものを用いることができる。
上記反射ミラー15の後部には、EZ10タイプの口金18を取り付けたセラミックホルダー19がセメント17により固定および装着される。ミラー前面には、安全のための前面ガラス20が装着されている。一例として、反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球14の全長Loは57.5mmとすることができる。
2.本発明の効果と駆動温度についての考察
2-1.発光部と封止部の温度上限について
上記説明した本実施の形態1の上記反射ミラー付ハロゲン電球14と、これに装備した赤外線反射膜付ハロゲン電球1を得るために、12Vタイプ/50Wハロゲン電球について長期エージング試験を行い、正常なWFLコイルの断線による寿命終了以前に発生する発光管破損、および赤外線反射膜剥がれの品質問題を確実に防止できる手段について、それぞれ調査研究した。
この長期エージング試験に際して、定格寿命期間として少なくとも4000hrsまでは上記品質問題の発生を防止するとともに、この定格寿命期間においてランプ効率をハロゲン電球の本来特長とする少なくとも25lm/W以上の高い値に保つという目標を設定した。
このエージング試験とともに、本願発明者らが行った幾つかの実験結果により明らかになったことを以下に示す。
第一に、従来における発光管破損は、基本的に、封止部内に気密封止されているモリブデンからなる外部リードピンが経時的に次第に酸化していく、という現象に起因することがわかった。ここで上記モリブデン材料からなる外部リードピンの酸化は、必然的に体積膨張をともなう故に、体積膨張時の応力で封止部の石英ガラスに割れを生じ、これを起点として発光管の破損に至ることになると考えられる。なおハロゲン電球では、封止部温度が高くなった場合にモリブデン材料の酸化が発生するのを防止するため、予め電球設計において実使用での封止部温度Ts(モリブデン箔と外部リードピンの溶接周りの温度)が350℃以下になるように規定されている。
次いで第二に、本願発明者らはもう一つの品質問題である、赤外線反射膜剥がれの発生要因を解析した結果、特にTa2O5-SiO2多層膜からなる赤外線反射膜は、実使用での石英ガラスの発光管における発光部温度Tb(ここでは略回転楕円状に形成された発光部6の外表面で最も高温となる場所の温度を指す。尚、発光部6の外表面上で最も高温となる場所は、ランプの点灯方向によって変わる)が600℃を超えると、基本的に石英ガラスとの熱膨張差に起因して、膜剥がれを発生することが確認された。したがって、赤外線反射膜剥がれを防止するためには、発光部温度Tbが600℃以下になるように規定するのが望ましいことがわかった。
このような各データから、赤外線反射膜付ハロゲン電球では、発光部の温度Tbiを600℃以下、および封止部の温度Tsiを350℃以下に抑えられるようにそれぞれ規定すると、発光管の熱膨張を減らして赤外線反射膜剥がれを防止し、モリブデン材料の酸化をも抑制できるので、上記問題の発生を回避できることになる。
2-2.実使用での赤外線反射膜付ハロゲン電球の温度規定について
次に、本願発明者らは以下の点について検討を行った。
すなわち、実使用での赤外線反射膜付ハロゲン電球は、口金やセラミックホルダーからなるベースや、反射ミラーに組み込まれており、また市場では一般に灯具内に設置されて点灯される。つまり、発光部の温度Tbiおよび封止部の温度Tsiを決定する要因として、点灯中、WFLが発光することによる加熱の他に、ベースや反射ミラーなどに組み込まれることによる温度上昇や、灯具内に設置して使用することによる温度上昇が想定される。
そこで本願発明者らは、灯具内に設置したときでも前述の通り発光部の温度Tbiおよび封止部の温度Tsiをそれぞれ600℃および350℃以下になるように規定するため、灯具内に設置したときに発光部の温度上昇および封止部の温度上昇が最も大きくなる条件を検討した。
本検討における点灯条件としては、JIS C 7527の5.2を考慮して定格電力の108%で点灯させ、また、封止部の温度測定は、JIS C 7802に規定された方法に従った。そして図2とほぼ同様の構成の12Vタイプ/50Wで反射ミラー・赤外線反射膜付ハロゲン電球を、その口金を装着するソケットの後方が密閉され、ランプ前方が約70mmの直径で開口されたスポットライト灯具内に設置した構成について測定を行った。
その結果、ハロゲン電球のリードピンを真下に向けて点灯した時、発光部の温度上昇ΔTbiが最大で100℃になり、またリードピンを真上に向けて点灯した時、封止部の温度上昇ΔTsiが最大で90℃となることがわかった。
このデータによって、定格電力の50Wで発光管のみを裸点灯したときの温度Tbi,oおよびTsi,oを、それぞれ500℃および260℃以下に規定すれば、灯具内に設置されて点灯される発光管の温度Tbiおよび封止部の温度Tsiをそれぞれ600℃および350℃以下に規定するという条件を満足できることが分かった。
2-3.本発明のSeとSbの規定について
このようなデータに基づき、次に本願発明者らは、本実施の形態1である12Vタイプ/50Wの赤外線反射膜付ハロゲン電球1において、発光管破損の防止、赤外線反射膜剥がれの防止、および少なくとも25lm/Wのランプ効率を達成するための手段について検討した。
赤外線反射膜剥がれの防止を効果的に図るためには、発光部の温度Tbi,oを上記規定値500℃以下に保てばよい。ここで図3は、目標のランプ効率と赤外線反射膜の剥がれ防止を達成するための発光部外表面積Sbの規定範囲を示す図である。
当図3に示すように、発光部の温度Tbi,oは、外表面積Sbの減少(A)→(B)につれて上昇する。つまり、発光部6の外表面積Sbが大きいほど、冷却効果が高いことになる。したがって当図に示されるデータによれば、温度Tbi,oを500℃以下に保つには、発光部6の外表面積Sbを450mm2以上に規定すればよいことがわかる。
一方、少なくとも25lm/Wのランプ効率を達成するための手段は次の通りである。赤外線反射膜付ハロゲン電球のランプ効率は、主に回転楕円形の発光部の大きさ、すなわち外表面積Sbに反比例し、図3に示すように、外表面積Sbが減少するにつれて上昇する。この現象は、基本的に赤外線反射膜による赤外放射のWFLコイルへの帰還率が増大することによるものである。したがって当図に示されるデータから、目標の25lm/W以上のランプ効率を達成するためには、発光部の外表面積Sbを650mm2以下に規定すればよいことがわかる。
このような理由から、本発明のハロゲン電球では、目標のランプ効率25lm/W以上を維持し、且つ赤外線反射膜剥がれ防止を行ってランプ寿命を延ばすために、発光部6の外表面積Sbを450〜650mm2の範囲に規定するものである。
2-4.発光管破損の防止について
さらに、本発明のハロゲン電球において、残りの目標である発光管破損を良好に防止するためには、前述の通り、封止部の温度Tsi,oを260℃以下に保てばよいが、本願発明者らのさらなる具体的な検討によれば、封止部の温度Tsi,oは、主に封止部5の外表面積Seと、発光部6の外表面積Sbの2つのパラメータに依存することがわかった。
ここで図4は、発光管破損防止を達成するための封止部外表面積Se及び発光部外表面積Sbの規定範囲を示す図である。
当図4に示すように、封止部温度Tsi,oは、外表面積Seの増大につれて低下し、一方で外表面積Sbの増大につれても低下する(なお、後者外表面積Sbの増大による封止部温度Tsi,oの低下は、発光管温度Tbi,oの低下によるものである)。当図4が示すデータから、発光管破損の防止のために封止部温度Tsi,oを260℃以下に保つには、外表面積SeおよびSbを、図4の封止部温度Tsi,oの260℃等温線Aより上側範囲(図中に示された斜線部分)に規定すればよいことがわかる。いま図4の上記等温線Aは、一次関数式Se=-0.35Sb+520により表されるので、本発明はこのような理由により上記外表面積SeおよびSbをSe≧-0.35Sb+520の範囲に規定するものとしている。
ここで前記のように、封止部5は反射ミラー15の一般的な規定寸法からなる取付口16に挿入され、セメント17により装着されるので、かかる装着工程の作業率を向上させるためにも、その外表面積Seは上記取付口16の内表面積Smより小さい値に限定するのが妥当である。
次に示す図5は、以上の図3および図4に示した各データを組み合わせたものであり、本発明の目標(ランプ効率25lm/W以上、赤外線反射膜剥がれ防止、発光管破損防止)をすべて達成するために、規定すべき封止部5の外表面積Seおよび発光部6の外表面積Sbの具体的な範囲(図中に示された斜線部分)を示すものである。
当図5は、外表面積Seおよび外表面積Sbを、450mm2≦Sb≦650mm2かつSe≧-0.35Sb+520、の範囲にそれぞれ規定すべきであることを示している。但し、外表面積Seは、実際には反射ミラー15の取付口16の内表面積Smより小さい値に限定するのが妥当である。
2-5.各数値規定に基づく実施例の効果について
上記各データに基づき、実施例のハロゲン電球として、実施の形態1に示すように、封止部5の外表面積Seおよび発光部6の外表面積Sbをそれぞれ390mm2および530mm2に設定した12Vタイプ/50Wの赤外線反射膜付ハロゲン電球1からなる反射ミラー付ハロゲン電球15を作製した。そして、当該実施例のハロゲン電球について、寿命も含めたランプ諸特性を測定した。
ここで(i)発光部6をなす回転楕円形の長径aおよび短径bは、それぞれ12.65mmおよび12mmとし、且つ、(ii)封止部5をなす長方体の断面長辺c、短辺dの長さeをそれぞれこの順に、11.1mm、3.0mm、13mmに設定した。
この測定結果から、実施例の赤外線反射膜付ハロゲン電球のランプ効率は、目標の平均25.5lm/Wの値を満足するとともに、例えばビーム角20°(中角形)の反射ミラー付ハロゲン電球15の中心光度について平均5860cdという高い値が得られた。
一方、実施例の赤外線反射膜付ハロゲン電球の発光部6および封止部5の温度Tbi,oおよびTsi,oは、それぞれ規定範囲内の485℃および245℃の値に抑えられていた。
そして長期エージング試験では、正常なWFLコイル断線による平均4550hrsの寿命終了に至るまで、実施例として作製したすべての赤外線反射膜付ハロゲン電球1において、発光管破損および赤外線反射膜剥がれ等の問題は発生しなかった。このような測定結果から、本発明による高い効果が再確認された。
以上のように、略楕円形発光管からなる赤外線膜付ハロゲン電球の高ワット50W品種を装備した反射ミラー付12Vタイプ(ミラー径50mm)において、上記本実施の形態1の構成からなる赤外線反射膜付ハロゲン電球を適用することにより、ランプ効率は本来特徴とする25lm/W以上の高い値を保ちながら、少なくとも4000hrsまでの正常なWFLコイル断線による寿命終了に至るまでは、発光管破損および赤外線反射膜剥がれの問題の発生を確実に低減できることが明らかとなった。
一方、一般的な従来品の構成では、Sb或いはSeが上記の規定範囲外なので、このような本発明の効果を得ることは不可能である。
3.その他の事項
上記実施の形態1では、ミラー径が50mm、高ワット50W品種のものについて説明したが、当然ながら本発明はこれに限定せず、他の径のミラーを用いてもよい。本発明のハロゲン電球は、45W以上80W以下のいずれかのものに適用すれば、前記50W品種とほぼ同様の高い効果が得られることが分かっている。
また本発明は発光管において、容囲器の形状を略回転楕円形に限定するものではなく、例えば略球形、または円筒型としても、上記実施の形態1とほぼ同様の効果が奏される。しかしながら、略回転楕円形の容囲器を用いた場合に、WFLコイルからの赤外線放射を有効に発光に再利用できるので、ランプ効率が向上するといったメリットがある。
本発明の赤外線反射膜付ハロゲン電球は、一般的照明装置や店舗用照明、露光装置の光源等に利用が可能である。
実施の形態1における赤外線反射(IR)膜付ハロゲン電球の構成図である。 実施の形態1における赤外線反射(IR)膜付ハロゲン電球を用いた反射ミラー付ハロゲン電球の構成図である。 ランプ効率と赤外線反射膜の剥がれ防止を達成するための発光部外表面積Sbの規定範囲を示す図である。 目標の発光管破損防止を達成するための封止部外表面積Se及び発光部外表面積Sbの規定範囲を示す図である。 上記目標のすべてを達成するための封止部外表面積Se及び発光部外表面積Sbの規定範囲を示す図である。
符号の説明
1 赤外線反射(IR)膜付ハロゲン電球
2 発光管
3 赤外線反射膜
4 タングステンフィラメント(WFL)コイル
5 封止部
6 発光部
8、9 モリブデン箔
10、11 外部リードピン
14 反射ミラー付ハロゲン電球
15 反射ミラー
16 取付口

Claims (4)

12Vタイプの赤外線反射膜付ハロゲン電球であって、
封止部及び中空の発光部とを備える石英ガラス製の発光管と、当該発光管の発光部の外表面を覆うように赤外線反射膜が形成されており、
前記発光部で囲繞された内部空間に向かって延出された状態で、フィラメントが封止部に支持されているとともに、
前記フィラメントの端部と電気的に接続された状態で、モリブデン箔が前記封止部中に埋設され、
一端側が前記金属箔と電気的に接続された状態で、他端側が外部に露出されるように電力導入線が配設された構成を有し、且つ、
前記発光管における前記発光部の外表面積をSb、前記封止部の外表面積をSeとするとき、SbおよびSeはそれぞれ、450mm2≦Sb≦650mm2、且つSe≧-0.35Sb+520の範囲に規定され
ていることを特徴とする赤外線反射膜付ハロゲン電球。
前記発光部は、略回転楕円形状または略球形状であることを特徴とする請求項1に記載
の赤外線反射膜付ハロゲン電球。
前記赤外線反射膜付ハロゲン電球は、45W以上80W以下であることを特徴とする請求項1
に記載の赤外線反射膜付ハロゲン電球。
請求項1に記載の赤外線反射膜付ハロゲン電球を、反射ミラーの内部に配設して構成さ
れていることを特徴とする反射ミラー赤外線反射膜付ハロゲン電球。
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