JP4231270B2 - 鋳塊のバリ取り装置 - Google Patents
鋳塊のバリ取り装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4231270B2 JP4231270B2 JP2002311839A JP2002311839A JP4231270B2 JP 4231270 B2 JP4231270 B2 JP 4231270B2 JP 2002311839 A JP2002311839 A JP 2002311839A JP 2002311839 A JP2002311839 A JP 2002311839A JP 4231270 B2 JP4231270 B2 JP 4231270B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blade
- main body
- ingot
- adjustment screw
- blade portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続鋳造機から引き出された鋳塊に生じたバリを除去する鋳塊のバリ取り装置に関するものである。特に、刃部の位置調整が容易で、刃部の交換作業が簡単で安全性が高い鋳塊のバリ取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属線材などは、荒引線を冷間や熱間伸線加工して得られるものであり、この荒引線は、通常、溶解炉→保持炉→連続鋳造機→バリ取り装置→圧延機を連続的に経て得られる。連続鋳造機から引き出された鋳塊は、通常、断面矩形や台形などの角柱状であり、連続鋳造機として、ツインベルト型やベルトアンドホイール型と呼ばれる二つの形式のものが知られている。ツインベルト型鋳造機は、所定の間隔を空けて配置された一対のダムブロック間に溶解金属を流し込み、ブロックに接していない上下面にそれぞれ回転ベルトを押し当てて角柱状の鋳塊を製造するものである。ベルトアンドホイール型鋳造機は、所定の形状の凹溝が設けられた鋳造用ホイールに溶解金属を流し込み、凹溝の開口部に回転ベルトを押し当てて角柱状の鋳塊を製造するものである。
【0003】
上記鋳造機から引き出された長尺な鋳塊において、ベルトが押し当てられた角部には、通常、バリが生じている。このバリをつけたままの鋳塊に圧延を行うと、荒引線の表面に傷などの欠陥が生じるため、鋳塊を圧延機に入れる前にバリ取り装置を設置して、これらのバリを除去することが行われている。
【0004】
図2、3は、従来のバリ取り装置の模式図であり、図2は、刃部間を広げた状態、図3は、刃部間に鋳塊が配置された状態を示す。この装置は、連続鋳造機から引き出された角柱状の鋳塊100の角部101に押し当てられて角部101に生じたバリを切削する一対の刃部50と、刃部50を支持すると共に軸部52を軸として円弧運動して両刃部50を近接離反させる本体51と、本体51を支持すると共に本体51の円弧状移動の駆動源となる油圧シリンダ53とを具える。刃部50は、2組の円錐台形状の刃部本体50aを断面において短辺が接するように組み合わせたもので、各刃部本体50aの側面50bに複数の切刃(図示せず)を装着している。
【0005】
この装置は、軸部52を軸として本体51を円弧運動させて図2においてそれぞれ左右に開き、刃部50間の間隔を空けて刃部50間に鋳塊が位置するようにする。そして、シリンダ53を動作して軸部52を軸として本体51を円弧運動させて図3に示すように刃部50間の間隔を狭めて、モータにて回転させた刃部50の側面50bに鋳塊の角部を押し当て、バリを除去する。
【0006】
その他、バリ取り装置として、円柱状の刃部を用いたものが知られている(特許文献1記載参照)
【0007】
【特許文献1】
特開2000-61723号公報(第8図参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図2、3に示す従来のバリ取り装置では、以下の問題があった。
▲1▼ 刃部の交換の際、作業性及び安全性がよくない。
上記装置に用いられる刃部は、切刃の刃先に欠けなどが生じると、刃部全体を取り替える。そして、刃部の交換作業は、図2に示すように刃部50間の間隔を空けた状態にある本体51の上面51aに作業者が載って行う。ここで、本体51は、刃部50間の間隔を空けた際、軸部51と対向する側の下部51bがベース54に衝突しないように、下面51cに角度α=15〜30°程度の傾斜を設けている(図3参照)。そのため、刃部50間の間隔を空けた状態にある本体51の上面51aは、図2に示すように15〜30°程度傾斜した状態となる。従って、交換作業の際、作業者の足場は、傾斜した不安定な状態であり、刃部の取り外し及び取り付けが非常に行いにくい。また、本体51の上面51aは、刃部50の調整機構や配線などがあり、足場が狭い。更に、刃部の重さは1組で10kg強程あり、不安定で狭い足場でこのような重量の刃部の着け外しを行うことで、作業者がバランスを崩し易く転倒などする恐れがあり、作業者の安全性からも好ましくない。
【0009】
▲2▼ 刃部の位置調整が困難である。
交換後、切刃が設けられた刃部50の側面50bを鋳塊100の角部101に押し当てるように配置する。ここで、刃部本体50aに装着される切刃は、欠けなどが生じた場合、通常、刃部本体50aから取り外されて研磨などされて再利用されることが多い。研磨された切刃は、サイズが小さくなるため、研磨後、刃部本体50aに装着すると、刃先の位置が交換前の位置からずれることになる。従って、交換前の位置に刃部50を配置しても鋳塊100の角部101に切刃を押し当てることができない。そこで、切刃の位置を調整する必要があるが、従来の装置では、所定位置に刃部50を装着させた本体51を軸部52を軸として円弧運動させることで、刃部の位置がほとんど決定されてしまう。従って、この装置では、両刃部を垂直方向の適切な位置に配置することがほとんどできない。また、油圧シリンダ53の一端に具えるネジ55にて水平方向の位置を微調整することができるが、水平方向の位置をより適切な位置にできるよう望まれている。
【0010】
なお、特許文献1では、刃部をネジにて上下移動させることが記載されているが、水平方向の移動については全く触れられていない。また、ツインベルト型鋳造機から引き出された鋳塊、即ち、四箇所の角部にバリが生じる鋳塊のバリ取りについて全く考慮されていない。
【0011】
▲3▼ 刃部の寿命が短く、刃部の交換の頻度が高い。
上記のように交換後、鋳塊の角部に対して両刃部を適切な位置に配置することが難しいことで、鋳塊の角部に対し、一方の刃部が深く切り込むように配置され、他方の刃部がほとんど接触しない状態で配置されることがある。前者の一方の刃部は、深く切り込むことで、異常摩耗して寿命が短くなり、刃部を交換する頻度が高くなる。また、深く切り込まれることで切屑が多くなる傾向にあり、経済性もよくない。後者の他方の刃部は、バリが除去されにくいことから、圧延時、バリが圧延機に巻き込まれて荒引線に疵が発生し、荒引線の品質が低下する恐れがある。
【0012】
更に、刃部が適切な位置から多少ずれた状態でも、確実にバリが除去されるように、深めに切り込むように刃部を配置することもある。このような場合、刃部は、摩耗の進行が早くなるため寿命が短く、やはり交換の頻度が高くなる。
【0013】
刃部の交換時期は、装置の点検時期などで装置を停止する際などと合うことが好ましい。従って、交換時期が操業パターンと一致できるように、刃部の寿命をより長くすることが望まれる。交換時期が装置の点検時期と一致しない場合、例えば、鋳造機から引き出された鋳塊を定尺長にバーカットしている際などで刃部を交換すると、バーカットされた鋳造材がバリ取り装置に送られる恐れがあり、作業者に危険が及ぶ可能性がある。
【0014】
そこで、本発明の主目的は、刃部の位置調整が容易で交換作業性がよく、安全性の高い鋳塊のバリ取り装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、鋳塊の角部に押し当てる刃部を水平移動及び垂直移動させることで上記目的を達成する。
【0016】
バリ取り方法として、連続鋳造機から引き出された鋳塊の角部に生じたバリを切削する一対の刃部を垂直方向及び水平方向に移動させて、鋳塊の両側に刃部を配置する。そして、鋳塊の角部に刃部を押し当て、バリを切削することを提案する。
【0017】
上記バリ取り方法に最適なバリ取り装置として以下を提案する。即ち、本発明バリ取り装置は、連続鋳造機から引き出された鋳塊の角部に押し当てられて角部に生じたバリを切削する一対の刃部と、前記各刃部をそれぞれ水平方向に移動させて、両刃部間の間隔を調整可能な水平移動機構と、前記各刃部をそれぞれ垂直方向に移動させる垂直移動機構と、各刃部をそれぞれ支持する本体とを具える。各本体はそれぞれ、その内部に刃部を回転させるモータを具える。そして、各刃部はそれぞれ、各本体の上面に設けられたモータの装着軸に装着される。
【0018】
従来のバリ取り装置では、刃部の交換において本体から刃部を取り外す又は取り付ける際、傾斜した本体の上面に作業者が載って行うため(図2参照)、作業性が悪いだけでなく、安全性もよくなかった。また、本体の軸部を軸として円弧運動させて本体に装着された刃部間の間隔を狭めて、鋳塊に対する刃部の位置決めを行っていた(図3参照)。このような位置決めのため、特に、垂直方向の位置調整ができず、研磨によりサイズが変わった切刃を鋳塊の角部に適切に配置することが困難である。また、刃部の位置調整が適切に行われていないことで、切り込み過ぎて刃部が異常摩耗して短寿命となって交換頻度が高くなったり、切り込みが浅すぎてバリが確実に除去されず、荒引線に不良が生じたりすることがあった。
【0019】
これに対し、本発明は、刃部を垂直方向及び水平方向の双方に移動可能とし、円弧運動による移動を行わないことで、本体の下部を傾斜させる必要がない。そのため、交換作業の際、作業者が載る本体の上面は傾斜しておらず、安全性を向上することができると共に、垂直移動と水平移動とによるため交換作業性がよい。また、垂直方向及び水平方向の移動により刃部の位置を調整するため、鋳塊の角部に適切に刃部を配置し易く、位置調整を容易に行うことができる。そして、刃部を適切に配置できることで、刃部の異常摩耗を抑制し、刃部の交換時期を延長させることも可能である。かつ、刃部が適切に配置されることで、バリの除去をより確実に行って荒引線の品質を向上すると共に、切屑の量を削減することができ、経済性にも優れる。以下、本発明をより詳しく説明する。
【0020】
本発明において刃部は、鋳塊の角部に押し当てて角部に生じたバリを切削可能なものであればよく、例えば、円錐台形状の刃部本体の側面部に複数の切刃を装着したものを2組組み合わせて鼓状にした構成が挙げられる。切刃は、超硬合金などで形成された高強度のものが好ましい。ここで、バリ取り装置を通過する鋳塊は、800〜1000℃程度の高温であるため、刃部を押し当てることでバリを切削することができる。従って、刃部は、鋳塊の角部に押し当てるだけでもよいし、回転駆動機構を具えて刃部を回転させて、バリを切削してもよい。回転駆動機構は、モータと、ギアボックスなどのモータの出力を調整する調整部とを具えるものが挙げられる。
【0021】
ツインベルト型鋳造機で成形された鋳塊は、通常、四箇所の角部全てにバリが生じる。即ち、上下方向(垂直方向)に二箇所、左右方向(水平方向)に二箇所の合計四箇所に生じる。そこで、鼓状に組み合わせた刃部本体の側面部に装着した切刃が鋳塊の片側にある二箇所のバリ(垂直方向及び水平方向それぞれ一箇所のバリ)を切削できるように、鋳塊の厚み(垂直方向の大きさ)に合わせて刃部本体を断面において短辺を対向させて組み合わせるとよい。そして、連続鋳造機から引き出された鋳塊の垂直方向の位置に合わせて上記刃部を配置し、更に、鋳塊の幅(水平方向の大きさ)に合わせて上記刃部を一対対向させて配置することで、鋳塊の四箇所の角部に生じるバリを切削除去することができる。
【0022】
ベルトアンドホイール型鋳造機で成形された鋳塊は、通常、水平方向にある二箇所の角部、一般に上方にある二箇所の角部にバリが生じる。そのため、二組の刃部本体を組み合わせた刃部を用いる場合、刃部本体の側面部において、バリが生じる側の刃部本体のみ、例えば、上方側の刃部本体のみに切刃を装着させておくとよい。そして、上記と同様に配置することで、鋳塊の二箇所の角部に生じるバリを切削除去できる。
【0023】
このような刃部は、本体にて支持し、刃部を装着した本体を垂直方向や水平方向に移動させることで、刃部を垂直方向や水平方向に移動する構成としてもよい。例えば、刃部は、本体の上面に取り付け、刃部の交換の際、本体の上面を作業者の足場としてもよい。
【0024】
刃部を水平方向に移動させる水平移動機構としては、水平方向に直線往復運動が可能なものであればよく、例えば、シリンダやモータなどが挙げられる。シリンダは、エア式のものでも油圧式のものでもよい。
【0025】
刃部を垂直方向に移動させる垂直移動機構としては、垂直方向に直線往復運動が可能なものであればよく、例えば、調整ネジを有する調整ネジ機構が挙げられる。より具体的には、刃部を本体にて支持する場合、本体に螺合される調整ネジと、調整ネジを回転させるナットとを具え、ナットを回転させることで、調整ネジを回転させて、この回転により本体を垂直方向に移動させる機構が挙げられる。調整ネジとしては、例えば、角ネジなどが挙げられる。
【0026】
本発明装置は、ツインベルト型鋳造機やベルトアンボンドホイール型鋳造機にて連続鋳造された鋳塊を圧延機にて圧延して荒引線を製造するラインにおいて、使用することが好ましい。特に、鋳造機と圧延機間に配置して、圧延前に鋳塊のバリの切削除去を行うことが好ましい。また、本発明装置は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの各種の金属からなる鋳塊に適用できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明バリ取り装置を模式的に示した正面図である。
【0028】
<全体構成>
本発明バリ取り装置は、刃部1と、刃部1を支持する本体2と、刃部1及び本体2を垂直方向に移動させる調整ネジ機構3と、本体2を支持する枠体4と、枠体4を水平方向に移動させるシリンダ5と、本体2・枠体4・シリンダ5を水平方向に移動させて水平方向の位置の微調整を行う微調整ネジ6とを具える。これら各構成要素は、それぞれ一対具えて、図1に示すように鋳塊100を中心にほぼ対称に配置している。本発明の特徴とするところは、刃部1(本体2)の垂直移動機構(調整ネジ機構3)と水平移動機構(シリンダ5,微調整ネジ6)とを具えることである。以下、本発明をより詳しく説明する。
【0029】
(刃部)
本例において刃部1は、図1に示すように円錐台形状の刃部本体1aの側面部1bに複数の切刃(図示せず)を装着する構成である。このような刃部本体1aを2組用い、断面において短辺1cを対向するように組み合わせている。これら刃部本体1aは、切刃が鋳塊100の角部101に適切に接触できるように鋳塊100の厚さ(図1において垂直方向の大きさ)に応じて刃部本体1a間の間隔を設定している。本例において切刃は、超硬合金製のものを用いた。刃部1は、本体2の上面2aに設けられると共に、後述するモータMに連結される装着軸2bに装着され、モータMにより回転されて鋳塊100のバリを切削する。
【0030】
(本体)
本体2は、刃部1を支持する筺体であり、内部に刃部1を回転させるモータMと、モータMの出力を調整するギアボックスGを具える。ギアボックスGは、装着軸2bに連結されて、モータMの駆動力を刃部1に伝える。この構成により、バリを切削除去する際、モータM及びギアボックスGにて刃部1を回転させることができる。
【0031】
(調整ネジ機構)
本例では、刃部1を装着した本体2を垂直方向に移動させる機構として、調整ネジ3aと、調整ネジ3aを回転させるナット3bとを有する調整ネジ機構3を具える。調整ネジ3aは、一端側(図1において下方側)が本体2に螺合されており、他端側(同上方側)が後述する枠体4を貫通してナット3bに固定されている。この構成により、ナット3bを回転させることで調整ネジ3aも同期して回転し、調整ネジ3aに螺合された本体2が垂直方向に移動する。このような調整ネジ機構3により、刃部1の垂直方向の位置調整が容易に行うことができる。
その他、調整ネジ機構は、調整ネジの一端側を本体に固定し、他端側をナットに螺合させてもよい。
【0032】
(枠体、垂直ガイド)
本例において上記刃部1を装着した本体2は、枠体4にて支持する。枠体4は、断面]状(断面コ字状)の部材で、上片4aに調整ネジ3aを挿通させ、調整ネジ3aとナット3bにて本体2を吊り下げた状態で支持する構成である。下片4bには、本体2の垂直方向の移動をより確実に行うための垂直ガイド棒4cを具えている。本体2には、この垂直ガイド棒4cにスライド可能な垂直ガイド部2cを具えている。この構成により、調整ネジ3aの回転に伴い、本体2が垂直方向に移動する際、垂直ガイド部2cは、垂直ガイド棒4cを摺動し、本体2の垂直方向の移動をより確実なものとする。
【0033】
(シリンダ)
本例においてシリンダ5は、単動の油圧シリンダを用い、L型支持部5aに固定し、シリンダ軸5bの一端側を枠体4の側片4dに挿通させると共に、下片4bのシリンダ固定部5cに固定させている。この構成により、油圧を掛けてシリンダ軸5bを水平方向に移動させると、シリンダ固定部5cを介して枠体4をも水平方向に移動させる。従って、結果として、本体2を水平方向に移動させることができる。
【0034】
(微調整ネジ)
本例では、更に、水平方向の位置を微調整するための機構としてL型支持部5aに一端を螺合させた微調整ネジ6を具える。この微調整ネジ6を締め付けたり緩めたりすることで微調整ネジ6が回転され、L型支持部5aを水平方向に移動させる。そして、L型支持部5aを介してシリンダ5が水平方向に移動されることで、上記と同様に結果として本体2を水平方向に移動させる。なお、水平方向の移動後、枠体4やL型支持部5aを支持するベース7に接するL型支持部5aの短片5dに取り付けボルト8などを挿入して、L型支持部5aをベース7に固定し、水平方向の位置を固定してもよい。
【0035】
(水平ガイド)
その他、本例では、本体2の水平方向の移動をより確実に行うための水平ガイド棒7aを上記ベース7に具えると共に、ガイド棒7aにスライド可能な水平ガイド部4eを枠体4の下片4bに具えている。この構成により、シリンダ5の作動や微調整ネジ6の回転に伴い、本体2が水平方向に移動する際、水平ガイド部4eは、水平ガイド棒7aを摺動し、本体2の水平方向の移動をより確実なものとする。
【0036】
<刃部の交換手順>
上記本発明バリ取り装置において、刃部1を交換する手順を説明する。まず、モータMを停止して刃部の回転を止め、L型支持部5aの短片5dに挿入した取り付けボルト8を緩め、水平方向の移動を可能な状態とする。シリンダ軸5bを引き戻し、刃部1間の水平方向の間隔を広げる。次に、作業者は、本体2の上面2aに載り、刃部本体1aを取り外す。取り外した刃部本体1aの側面部1bから切刃を外し、研磨などの処理を行い再び刃部本体1aの側面部1bに切刃を取り付ける。作業者は、再び本体2の上面に載って、切刃を取り付けた刃部本体1aを装着軸2bに装着する。上記刃部本体1aの取り外し及び取り付け作業において本体2の上面2aは、傾斜しておらず、安定した状態で作業を行うことができる。
【0037】
本体2に刃部本体1aを装着後、シリンダ5を動作させて刃部1間の間隔を狭める。そして、微調整ネジ6を締め付け又は緩めることで水平方向の位置を微調整する。このとき、水平方向の移動は、水平ガイド棒7a及び水平ガイド部4eの水平ガイド機構によって、確実に行われる。一方、ナット3bの締め付け又は緩めにより調整ネジ3aを回転させて本体2を垂直方向に移動させて、垂直方向の位置を調整する。このとき、垂直方向の移動は、垂直ガイド棒4c及び垂直ガイド部2cの垂直ガイド機構によって、確実に行われる。このように本体2を垂直方向及び水平方向に移動させることで、鋳塊100の角部101に対して、刃部1の切刃をより確実にかつ適切な位置に押し当てることができる。
【0038】
<試験例>
上記本発明バリ取り装置と図2に示す従来のバリ取り装置とにおいて、刃部の交換頻度、刃部の交換に要する時間、刃部の調整に要する時間(刃部の交換時において、刃部の垂直方向、水平方向の位置調整に要する時間)を比較してみた。
【0039】
その結果、本発明バリ取り装置は、刃部の異常磨耗を抑制し、刃部の寿命を延長したことで、従来のバリ取り装置と比較して、刃部の交換頻度を約35%低減することができた。特に、刃部の交換頻度において、バーカット中の交換頻度の占める割合が従来と比較して半分以下となり、作業者の安全性を向上することができた。また、このことから、刃部の交換時期を操業パターンに合わせ易くなったと思われる。更に、本発明バリ取り装置は、刃部の調整が容易になったことで、従来のバリ取り装置と比較して、刃部の調整時間を約15%低減することができた。そして、本発明バリ取り装置は、刃部の交換作業性が向上したことで、従来のバリ取り装置と比較して、刃部の交換時間を約5%低減することができた。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、刃部を垂直方向及び水平方向に移動させることで、刃部の交換作業を容易にし、かつ作業者の安全性も高めることができるという特有の効果を奏し得る。また、刃部の垂直方向及び水平方向の位置調整が容易であるため、鋳塊に対して刃部を適切な位置に容易に配置することができ、所望の切り込み量とすることができる。そのため、過剰な切り込みによる刃部の異常摩耗を抑制して刃部の寿命を長くし、交換スパンを長期化することができる。かつ、切り込み不足による鋳塊の品質の低下を抑制することができる。加えて、所望の切り込みにすることで、切屑量も削減することができ、経済性にも優れる。更に、位置調整が容易なことで、歩留まり率を向上することができ、生産量の向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明バリ取り装置を模式的に示した正面図である。
【図2】従来のバリ取り装置を模式的に示した正面図であり、刃部間を広げた状態を示す。
【図3】従来のバリ取り装置を模式的に示した正面図であり、刃部間に鋳塊を配置した状態を示す。
【符号の説明】
1 刃部 1a 刃部本体 1b 側面部 1c 短辺
2 本体 2a 上面 2b 装着軸 2c 垂直ガイド部
3 調整ネジ機構 3a 調整ネジ 3b ナット
4 枠体 4a 上片 4b 下片 4c 垂直ガイド棒 4d 側片
4e 水平ガイド部
5 シリンダ 5a L型支持部 5b シリンダ軸
5c シリンダ固定部 5d 短片
6 微調整ネジ 7 ベース
7a 水平ガイド棒 8 取り付けボルト
50 刃部 50a 刃部本体 50b 側面 51 本体 51a 上面 51b 下部
51c 下面 52軸部 53 油圧シリンダ 54 ベース 55 ネジ
Claims (3)
- 連続鋳造機から引き出された鋳塊の角部に押し当てられて角部に生じたバリを切削する一対の刃部と、
前記各刃部をそれぞれ水平方向に移動させて、両刃部間の間隔を調整可能な水平移動機構と、
前記各刃部をそれぞれ垂直方向に移動させる垂直移動機構と、
前記各刃部をそれぞれ支持する本体とを具え、
前記各本体はそれぞれ、その内部に刃部を回転させるモータを具えており、
前記各刃部はそれぞれ、各本体の上面に設けられたモータの装着軸に装着されており、前記水平移動機構及び垂直移動機構により、鋳塊に対する位置決めが行われ、
前記各水平移動機構はそれぞれ、前記本体を水平方向に直線往復運動させるシリンダと、このシリンダを支持する支持部を水平方向に移動させる微調整ネジとを具えることを特徴とする鋳塊のバリ取り装置。 - 前記各刃部はそれぞれ、2組の円錐台形状の刃部本体をその断面において短辺が対向するように組み合わせてなることを特徴とする請求項1記載の鋳塊のバリ取り装置。
- 前記各垂直移動機構はそれぞれ、前記本体に螺合される調整ネジを有する調整ネジ機構を具えることを特徴とする請求項2記載の鋳塊のバリ取り装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002311839A JP4231270B2 (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 鋳塊のバリ取り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002311839A JP4231270B2 (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 鋳塊のバリ取り装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004142068A JP2004142068A (ja) | 2004-05-20 |
JP4231270B2 true JP4231270B2 (ja) | 2009-02-25 |
Family
ID=32456942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002311839A Expired - Lifetime JP4231270B2 (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 鋳塊のバリ取り装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4231270B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4615411B2 (ja) * | 2005-09-27 | 2011-01-19 | 古河電気工業株式会社 | 磁気ディスク用基板の加工装置 |
CN109624158B (zh) * | 2018-12-07 | 2021-05-07 | 浙江百得塑业有限公司 | 一种用于塑料制品生产的刮披锋机构 |
-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002311839A patent/JP4231270B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004142068A (ja) | 2004-05-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2008329159A1 (en) | Milling machine for milling a slab | |
CN111604543A (zh) | 一种铸件切割机 | |
CN101642826A (zh) | 数控非晶钢带剪切机 | |
JP4231270B2 (ja) | 鋳塊のバリ取り装置 | |
KR100523413B1 (ko) | 절단금형의 절단날 형성부재의 취부구조 | |
JP2004283867A (ja) | 鋳造品の仕上げ装置及び方法 | |
CN214720867U (zh) | 一种十字滑板双头立卧两用铣床 | |
KR100417393B1 (ko) | 실제제품형상에근접하도록연속주조하는방법및장치 | |
CN112025407A (zh) | 一种异形拐臂加工用可检测刀具磨损状态的铣削装置 | |
KR102599393B1 (ko) | 재료의 크기를 축소시키기 위한 시스템, 장치 및 방법 | |
CN210997844U (zh) | 一种铜辊自动打磨喷砂装置 | |
CN109048570A (zh) | 一种模具制造用表面毛刺处理装置 | |
CN214292490U (zh) | 一种拉丝模磨孔机 | |
CN202162673U (zh) | 砂带抛磨整形设备 | |
CN208358521U (zh) | 铸件切割机 | |
JP6924655B2 (ja) | アルミニウム鋳造材の製造方法および製造装置 | |
CN202862417U (zh) | 一种双电镀金刚石带锯的多晶硅块去头尾切割设备 | |
CN111408775A (zh) | 一种旋转铣刀式钢坯切割端面残渣清除装置 | |
CN216730605U (zh) | 一种型材切割机 | |
CN117532471B (zh) | 一种金属铸件加工机 | |
CN214719363U (zh) | 一种钢材连接处一体化铸轧装置 | |
CN214768775U (zh) | 一种具有切割铁液功能用于铸锭浇注的切割装置 | |
CN217095966U (zh) | 一种工件定位装置及采用该装置的双工位铸件锯切机 | |
CN216680171U (zh) | 一种生铁铸件加工用表面修正设备 | |
CN220739447U (zh) | 一种铝压铸件渣包去除设备 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050607 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070223 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070608 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070802 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070907 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071107 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20071114 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20080523 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20081205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4231270 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111212 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121212 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131212 Year of fee payment: 5 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |