JP4230695B2 - 外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造 - Google Patents

外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的な接続と電気的接続が容易な外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤロープ(ケーブルと称するものも含む以下同じ)は動索、静索などに汎用されているが、損傷を受けると強度が低下したり、連結していた物体が遊離したり、落下したりする。その例としては、盗難防止用や侵入防止用のワイヤロープなどに賊や不心得者がロープの長手方向と直角方向から切断力が加えられる場合、構造物同士、物体同士を連結したワイヤたとえばゴンドラ用のケーブルやガードケーブルなどに車輌等が衝突し、長手方向と直角方向から切断力が加えられる場合などがその典型的な例である。
【0003】
こうしたワイヤロープの損傷に対しては、ワイヤロープ自体の強度を上げて損傷しにくくすることが一般的に行われているが、この方法を採っても、ワイヤロープの損傷の有無を知るには、人間が巡視してチェックすることが必要であり、場合によっては手後れですでにワイヤロープが切断されてしまっていたりすることも多い。
【0004】
従来、かかるワイヤロープの損傷を検知する方法として、ロープ内に検知材を内包してロープの伸び量を検知することが行われているが、この方法はロープ長手方向の状態変化を知ることはできるが、ロープ外側からの損傷ことに長手方向と直角方向からの損傷の発生それ自体を検知することはできない(外部からの損傷の検知機能がない)という問題があるため、損傷検知手段としては有効でなかった。
【0005】
この対策として、本出願人は、特願2001-24462号において、ワイヤロープ本体の外側に電気導体からなる検知線を前記ワイヤロープ本体と電気的に絶縁された状態で配置一体化し、外部からの損傷をロープが致命的な損傷を受ける前に知ることができるワイヤロープを提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このワイヤロープを使用目的に沿うようにするには、機械的な接続と電気的な接続とが不可欠になるが、通常のワイヤロープと同じようにカシメ加工などにより定着用の端末部を作ると、その加工の際に検知線が切断されてしまう。
これを回避するためには定着用の端末部と電気的接続のためのコネクターを別々に作るほかないが、構造が複雑、大型になる点、使用時にロック手段との脱着とコネクターの接続との2操作が必要で、煩雑である点、検知線が外部に露出するため、切断されたり不正な電気回路細に細工されたりやすい点などが未解決で、実用化を図ることができない問題があった。
【0007】
本発明は前記のような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、検知線を破損させないように安全に保持し、かつロック手段との機械的な脱着と検知手段との電気的な接離を同時に行うことができ、外部からの損傷をロープが致命的な損傷を受ける前に知ることができるコンパクトな外部損傷検知機能付きワイヤロープ端末構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため第1発明は、ワイヤロープ本体の外側に電気導体からなる検知線を前記ワイヤロープ本体と電気的に絶縁された状態で配置し外周に被覆層が施されている外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末部に、被覆層を嵌合する穴部と、被覆層より先のワイヤロープ本体と定着したカシメ部を有するロック用金具を取り付け、検知線を被覆層の端からワイヤロープ本体1内を通過して同軸上後方の電気接続器に接続したことを特徴としている。
【0009】
【0010】
前記第1発明において、外部損傷検知機能付きワイヤロープは、検知線が繊維ストランド中に配置されており、前記繊維ストランドの複数本がワイヤロープ本体の外周を囲繞するように撚り合わされた2重複合ロープからなっているものを含んでいる。
【0011】
本発明による端末構造を備えたワイヤロープは、オートバイ、自転車などの車輌、船舶などで代表される盗難防止手段、いたずら防止手段、侵入禁止手段など広い範囲に適用が可能である。
【0012】
【作用】
本発明によれば、ワイヤロープ本体の外側に電気導体からなる検知線が配置されているが、施錠のためのロック用金具においては、検知線が被覆層の端からワイヤロープ本体内を通過して後方の電気接続具に接続されるか、もしくは検知線が被覆層の端からロック用金具の穴部内とカシメ部の外側を通過して後方に導かれ、電気接続具に接続されているので、構造がコンパクトであるとともに、定着による検知線の切断が生じない。
また、ロック用金具と電気接続具とが同軸上で前後にあるため、検知・警報手段を内蔵したロック手段本体との機械的接続と検知・警報手段との電気的接続を同時に行うことができる。したがって、ロック手段本体も構成が簡易、コンパクトなものとなり、故意、過失または偶発的事故等によって外部からワイヤロープに損傷が与えられた場合、検知線が先に断線され、それにより電気抵抗が著しく増大するので、ワイヤロープが致命的な損傷を受ける前に損傷を受けていることを自動的に検知でき、迅速、的確に対処することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
図1(a)(b)は本発明をロック具に適用した実施例を示している。符号Aはロック具であり、外部損傷検知機能付きワイヤロープBの長手方向一端に第1の端末部Cを有し、他端に第2の端末部Dを有している。この例では、第1の端末部Cはつなぎ固定用であり、第2の端末部Dは、施錠および通電用である。
Eはロックボックスであり、内部に電源、警報器などを備え、前記ロック具Aの第1の端末部Cを固定するとともに、第2の端末部Dを脱着・ロック可能に保持する機構を有している。Fは連結対象物(この例ではオートバイなどの二輪車)である。
【0014】
〔第1発明について〕
図2ないし図7は各部の詳細を示している。まず、外部損傷検知機能付きワイヤロープBは、中心のワイヤロープ本体1と、ワイヤロープ本体1の外側に電気的に絶縁された状態で配置された検知線2と、検知線2の外周を囲繞する被覆層4とを備えている。
【0015】
前記ワイヤロープ本体1は強度メンバーであり、用途に応じて必要とされる長手方向の引張り荷重、取り扱いのための重量、切断抵抗を考慮して任意の材質、構造が選択される。
素材は通常の硬鋼線材でも、ステンレス鋼でも、メッキ線材でも良い。構造は任意であり、1×5、1×7、1×9などの1重撚りのほか、多重撚り、複数の素線をより合わせたストランドを複数本撚合したもの、たとえば、IWRC6×Fi(29)など種々のものがある。この例では、芯ストランド100の周りに複数の側ストランド101を配して撚合した構成としている。
【0016】
検知線2は損傷を受けた時に大きな電気抵抗変化を示す材質たとえば銅あるいはアルミニウムからなっている。検知線2は、1本導線であってもよいし、2本導線、3本導線、4本導線でもよい。それ以上の本数の導線も使用できるが経済性に劣るため、あまり好ましくない。
検知線2はそれ自体に絶縁層3を有しているもの、すなわち絶縁被覆導線が好適である。絶縁被覆は、ビニール樹脂、ポリエチレン樹脂など絶縁性能や耐候性などを考慮して選択する。さらに、検知線2は絶縁層3に加え、保護手段を兼ねた絶縁手段3’を有していてもよい。
【0017】
検知線2はワイヤロープ本体1の長手方向と平行状に位置されてもよいが、好適にはワイヤロープ本体1の外側に所定のピッチで螺旋状に巻き付けられる。
図2ないし図6は検知線2とその配置の具体例を示しており、2重絶縁手段としての繊維ストランド3’の中心部に絶縁被覆導線からなる検知線本体を配置し、この繊維被覆検知線2を見かけ上複数本(図面では6本)となるようにワイヤロープ本体1の周りに配して撚り合わせて複合2重ロープとしたものである。
かかる態様は、絶縁手段としての繊維ストランド3’によりワイヤロープ本体1と検知線の電気絶縁性が一段と確実なものとなる点、検知線が繊維ストランド中に位置した状態で撚り合わされることでワイヤロープ本体1と一体化されるため、特別な位置固定手段を必要としない点で有利である。
【0018】
前記繊維ストランド3’は電気絶縁材料からなる合成繊維が用いられる。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの汎用繊維のほか、高強力高弾性繊維たとえば芳香族アラミド繊維や高分子量ポリエチレン繊維などが選択して使用される。後者は強度メンバーとしても機能することができる利点がある。
この例では繊維ストランド3’は、2本1組の撚り合わせヤーン300を複数組使用し、中心に検知線2を配して撚り合わせることで構成されている。しかしこれに限定されるものではない。また、繊維被覆検知線2は、被覆が撚り構造でなく編組構造である場合を含んでいる。図5(b)では図面の煩雑化をさけるため、1本の繊維ストランドだけヤーンも示し、他の繊維ストランドについては簡易的に検知線のみを示している。
【0019】
繊維被覆検知線2はワイヤロープ本体1の外周の谷間に沿って螺旋状に密接配置されている。この態様を得るには、撚り合わせたワイヤロープ本体1の側ストランド101の各谷間に、繊維被覆検知線2を位置させて螺旋状に巻き付けるか、あるいはまた、ワイヤロープ本体1の製造の際に、繊維被覆検知線2を側ストランド101の各谷間に配置し、この状態でストランドと一緒に撚り合わせればよい。
【0020】
なお、検知線2が見かけ上複数本であるとは、実質的には一つながりの検知線(直列接続)であることを意味する。これは、偶数本の検知線を直列に接続すると、ロープ長手方向片端から2本の検知線延長部20,20を取り出すことができるので、電気的接続が容易なるからである。
このような見かけ上複数本の検知線2を構成するには、1本の検地線2を同じ端末側に延長部が存するようにロープとして必要な長さ位置でUターンさせるか、または、複数本の検知線2を順次接続すればよい。図5(b)および図8において200,200は検知線反転部を指している。
【0021】
被覆層4は検知線2をワイヤロープ本体1の外側で移動しないように固定するとともに、外部からの損傷から保護し、また外観をよくしたり手触りをよくするために用いられる。
被覆層4は、代表的にはゴム系材料のほか合成樹脂が用いられる。合成樹脂は用途に応じて種々のものを使用でき、耐候性を上げるためにはポリエチレン樹脂、フロン樹脂が多く用いられ、耐摩耗性が重視される場合にはウレタン樹脂が、美観を重視する場合には透明ビニル樹脂などが用いられる。
被覆層4は合成樹脂を押出し成形することによって施されるが、もちろんこれに限らず、粘着テープの巻き付けにより構成してもよいし、熱収縮性チューブを利用してもよい。さらには前3者のいずれか2種以上を併用して構成してもよい。
【0022】
なお、図示するものはあくまでも一例であり、繊維ストランド3’を使用せず、図8のように、検知線2としての絶縁被覆導線そのものをワイヤロープ本体1の外周の谷間に沿って螺旋状に配置してもよい。
また、検知線2はワイヤロープ本体1の外側に直接でなく適度に離隔していわば間接的に配置されていてもよい。
【0023】
図3と図5は第1の端末部Cを示している。該端末部Cにおいては、外部損傷検知機能付きワイヤロープBは、検知線2(繊維被覆検知線または絶縁被覆導線検知線)の検知線反転部200を含む被覆層4から先に、ワイヤロープ本体端部1’が露出され、ロック用金具5が定着一体化している。
【0024】
該ロック用金具5は前記被覆層4を密に嵌合する穴部50と、前記ワイヤロープ本体端部1’に対する定着部51を有しており、定着部51の外周には盗難防止用ロックボックスE内のロック機構に把持されるべき係合部(この例では周溝)52を有している。なお、定着部51は径を小さくするためこの例ではカシメ部であるが、楔止め部、合金止め部などであってもよい。
【0025】
図4と図6および図7は第2の端末部Dを例示している。この端末部Dは、ロック用金具6と、カシメリング6’と、雄型または雌型の電気接続具(コネクター)7と、カバー筒8とを有している。
この端末部Dにおいては、外部損傷検知機能付きワイヤロープBは、検知線2の検知線反転部200を含む被覆層4から先に、ワイヤロープ本体端部1’が露出されている。そして、ワイヤロープ本体端部1’の中心に、後端から所要位置まで鋼鉄などの硬質パイプ11が配されており、該硬質パイプ11を囲むロープ側部分(この例では側ストランド)は、硬質パイプ始端部分の位置に導入用窓口102が形成されている。
【0026】
硬質パイプ11を配置するには、ワイヤロープ本体端部1’の撚りを解き、芯(この例では芯ストランド100)を切り取り、それにより形成された穴に硬質パイプ11を挿入すればよい。また、導入用窓口102は、ロープ側部分の1本を切断し、それを長手方向にずらして撚り直すことにより得ることができる。
【0027】
ロック用金具6は、前記被覆層4を密に嵌合する穴部60と、ワイヤロープ本体端部1’の通過と許す内穴61とを有し、外周には盗難防止用ロックボックスEの施錠用チャック機構との係脱部62が設けられている。係脱部62はこの例では周溝であるが、クイックジョイントで用いられているような複数個のボールを埋め込んだ構造などであってもよい。そして係脱部62よりも後方にはカバー筒8との接続のためのねじ部63が設けられている。
【0028】
カシメリング6’は前記ロック用金具6の後端に位置し、ワイヤロープ本体端部1’を圧着している。この圧着部分は硬質パイプ11が芯として存するのでワイヤロープ本体端部1’は潰れることがなく、カシメリング6’と緊密に一体化される。
2本の検知線延長部20,20は被覆層4から穴部60に導かれ、導入用窓口102から硬質パイプ11を貫通してワイヤロープ本体端部1’の端部から導出され、電気接続具7の端子に接続される。
【0029】
カバー筒8は鉄鋼材などからからなり、先端部をもってロック用金具6のねじ部63と螺合され、中間内つば80が定着用ワイヤロープ本体部1’を外嵌し、後端内つば81が電気接続具7を外嵌保持する。
なお、この例ではカシメリング6’をロック用金具6と別部材としているが、第2発明の場合と同じようにカシメリング6’をロック用金具6の後部に一体形成していてもよく、これも本発明に含まれる。
【0033】
図9と図10は本発明のロック具Aを適用したロックボックスEと電気回路を例示している。
ロックボックスEは、鋼材などの頑丈な材料で作られ、内部に検知・警報手段を備えている。ロック板部9には離隔した位置にロック用金具5,6をそれぞれ挿入するシリンダー筒90,91が設けられ、一方のシリンダー筒90の先には、ロック用金具5の係合部52を把持して引き抜きを阻止するロック機構92が設けられている。
【0034】
他方のシリンダー筒91の先方には、支持機構93によって固定された電気接続具94が対峙しており、電気接続器94は電気回路に接続されていて、ロック用金具6をシリンダー筒91に挿入したときに、電気接続器7が電気接続器94に接続され、検知線2に通電されるようになっている。
この電気接続具94よりも手前には、キーの挿入回転によって動かされる可動ロック機構95が設けられており、ロック用金具6をシリンダー筒91に挿入し、キーを挿入回転することで係脱部62に可動ロック機構95のたとえばヨークが嵌まり、ロック用金具6が抜出不能にされるようになっている。
【0035】
本発明における損傷の検知は検知線2の抵抗変化を利用する。このための検知手段としては、たとえばリレー回路などが用いられ、有線または無線によりモニターや警報器(ブザー、ランプなど)と接続される。図10はその電気回路の例を示している。
検知手段は、検知線2に微弱な電流を常時あるいは周期的に流す方法を採用することができる。この方法は電源が得にくい場合に、乾電池や蓄電池等で検知するのに適当である。
【0036】
本発明は第2端末部Dのみを施錠および通電のための端末部としているが、必ずしもこれに限定されず、第1端末部Cも施錠および通電のための端末部としてもよい。この場合には、両端の端末部を図4または図9の構造とし、検知線をロープ長手方向両端からそれぞれ1本ずつ取り出して電気接続具と結線すればよい。
【0037】
【実施例の作用】
本発明を適用したロック具Aをオートバイ、自転車などの盗難防止に使用する場合には、第1端末部CをロックボックスEのシリンダー筒90に挿入してロック機構92によりロック用金具5を強固に固定しておく。
使用時には、外部損傷検知機能付きワイヤロープBを対象物Fの要部に通し、第2端末部Dをシリンダー筒91に挿入する。第2端末部Dは、ワイヤロープ本体端部1’とカシメ部により一体化したロック用金具6と同軸上に検知線2が接続された電気接続器7を有しているので、第2端末部Dをシリンダー筒91に挿入すれば、奥に対峙している雌(または雄)の電気接続器94に自動的に接続され、検知線2,2は電気回路に組み込まれる。そして、キーを挿入回転すれば、係脱部62に可動ロック機構95が係合し、ロック用金具6が抜出不能に施錠される。したがって、操作を簡単迅速に行うことができる。
【0038】
本発明のロープはワイヤロープ本体1の外側にこれと電気的に絶縁された検知線2を備えているので、ロープが外部から損傷を受けた場合には、外側に位置する検知線2がまず損傷を受け、検知線2が断線した場合には、それにともなって電気抵抗が著しく増大し、直ちに損傷の発生を検知することができる。
たとえば、図10において、警報器スイッチをオンにすれば、検知線2が切断されるとリレーR1の動作が停止して接点R1−bが切れ、リレーR2が作動する。これにより接点R2−aが継がるため警報器が作動し、ブザーがなったり、警告ランプが点灯したり、警報電波が発信される。したがって、遠隔場所においても直ちにロープの損傷の発生を知ることができ、その後、検知線を継いでも、接点R1−aによる自己保持機能により警報器は作動を続けるため、見落としなどが生じない。
したがって、盗難のためロープを切断しようとした場合に、ロープが切断に至る前にそれを検知することが可能となり、切断に至るまでの時間内に警報により盗難者を驚愕させて不正行為を止めさせたり、警備員が駆けつけて盗難を防止することが可能となる。
【0039】
第2の端末部Dは検知線2,2が外部に露出しておらず、第1発明ではワイヤロープ本体1の中心を通ってカバー筒8内の電気接続器7と接続されている。したがって、第2端末部Dが盗難防止用ロックボックスEに施錠されない状態にあっても、検知線2,2が切断されたり、細工されたりすることが防止される。
【0040】
本発明の他の適用例を示すと、立入り禁止区域への車輌などの侵入を禁止し、しかも侵入時にはこれを検知して警告したり、連絡したりするために、侵入を禁止したい地域の周囲あるいは禁止区域のゲート部分にロックボックスEを支柱など頑強な構造体として立設して使用することができる。
また、漁港、ヨットハーバーなどに停泊、係留中の船舶の盗難を防止するために本発明ロック具により船舶と岸壁などを接続し、あるいは複数の船舶同士を係留する。ロックボックスEは船舶側に設備し、電源としては船舶に装備されているバッテリーを利用すればよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1によれば、ワイヤロープ本体1の外側に電気導体からなる検知線2を前記ワイヤロープ本体1と電気的に絶縁された状態で配置し外周に被覆層4が施されている外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末部に、被覆層4を嵌合する穴部と、被覆層4より先のワイヤロープ本体1と定着したカシメ部を有するロック用金具6を取り付け、検知線2を被覆層4の端からワイヤロープ本体1内を通過して同軸上後方の電気接続器7に接続したので、コンパクトな構造によりロープ本体外周の検知線2を破損させないように安全に保持し、かつロック手段との機械的な脱着と検知手段との電気的な接離を同時に簡単に行うことができ、特に検知線2がロープ本体の内部を通って後方に導かれ電気接続器7と接続されるので、確実に検知線2を切断から守ることができるとともに、端末部の径を小さく保つことができる。したがって、ワイヤロープの長手方向と直角方向から故意、過失または偶発的に損傷が与えられた場合に、いち早く損傷を確実に検知することができ、事故や被害の発生を未然に防ぐことが可能とるというすぐれた効果が得られる。
【0042】
請求項2によれば、ワイヤロープ本体1が中心部にパイプを有し、検知線2が該パイプを貫通して後方に導かれているので、ロック用金具6をワイヤロープ本体1と確実安定的に定着することができるというすぐれた効果がえられる。
【0043】
請求項によれば、検知線2が繊維ストランド中に配置されており、前記繊維ストランドの複数本がワイヤロープ本体1の外周を囲繞するように撚り合わされた複合2重ロープとなっており、検知線2が繊維ストランド中に位置した状態で撚り合わされることでワイヤロープ本体1と一体化されるため、特別な位置固定手段を必要とせず、それでいて全体を切断しにくいように太くすることができるとともに太さの割に軽量なものとすることができるなどのすぐれた効果が得られる。
【0044】
請求項によれば、外部損傷検知機能付きワイヤロープの他の端末が、検知線2を内包した被覆層4を嵌合する部分と被覆層4より先の露出したワイヤロープ本体1を定着する部分を有するロック用金具を備えているので、これを常時固定端末として使用し、電気的な接続は一方の端末だけで行えばよくなるので、ロック装置が簡単になるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明による外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造を用いたロック具の斜視図、(b)はその使用例を示す斜視図である。
【図2】 本発明による外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造を用いたロック具の部分切欠斜視図である。
【図3】 第1の端末部を示す断面図である。
【図4】 第2の端末部を示す断面図である。
【図5】 (a)は図3のV−V線に沿う断面図、(b)は図3のVI−VI線に沿う断面図である。
【図6】 (a)は図4のVII−VII線に沿う断面図、(b)は図4のVIII−VIII線に沿う断面図、(c)は図4のIX−IX線に沿う断面図である。
【図7】 第2の端末部の部分切欠側面図である。
【図8】 (a)は本発明における外部損傷検知機能付きワイヤロープの他の例を示す部分切欠側面図、(b)はその断面図である。
【図9】 本発明の端末部のロック本体との接続関係を示す断面図である。
【図10】 本発明を適用した検出回路の一例を示す電気回路図である。

Claims (4)

  1. ワイヤロープ本体1の外側に電気導体からなる検知線2を前記ワイヤロープ本体1と電気的に絶縁された状態で配置し外周に被覆層4が施されている外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末部に、被覆層4を嵌合する穴部と、被覆層4より先のワイヤロープ本体1と定着したカシメ部を有するロック用金具6を取り付け、検知線2を被覆層4の端からワイヤロープ本体1内を通過して同軸上後方の電気接続器7に接続したことを特徴とする外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造。
  2. ワイヤロープ本体1が中心部にパイプを有し、検知線2が該パイプを貫通して導かれている請求項1に記載の外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造。
  3. 外部損傷検知機能付きワイヤロープが、検知線2が繊維ストランド中に配置され、前記繊維ストランドの複数本がワイヤロープ本体1の外周を囲繞するように撚り合わされた2重複合ロープからなっているものを含む請求項1ないしのいずれかに記載の外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造。
  4. 外部損傷検知機能付きワイヤロープの他の端末が、検知線2を内包した被覆層4を嵌合する部分と被覆層4より先の露出したワイヤロープ本体1を定着する部分を有するロック用金具を備えている請求項1ないしに記載の外部損傷検知機能付きワイヤロープの端末構造。
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