JP4230687B2 - 計量区画を有する秤 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の背景】
本発明は、計量セルを収容し、計量区画の後壁と床を形成するハウジングを備えた秤に関する。秤の被計量荷重受け部は、計量セルのカンチレバーアームにより保持されている。
【０００２】
この型の秤は、主に分析用秤の役目を果たし、実験室で広く用いられている。
【０００３】
ドイツ実用新案出願ＤＥ−Ｕ−２９９ １２ ８６７は、計量結果を表示する主ディスプレイに加え、補助ディスプレイを備えた秤を開示している。補助ディスプレイは、ドラフトエンクロージャの内側に、計量区画の固定された後壁に取り付けられており、時間および／または温度および他の環境条件を表示する。
【０００４】
本発明に関係がある他の秤は、ドイツ実用新案出願ＤＥ−Ｕ−９２ ９３ ７４４が開示している。この秤では、電子測定要素が、計量される被計量材料と測定要素を保持する特別な補助皿により計量皿に取り付けられるようになっている。補助皿は、測定要素のためのプラグを備えた接続要素を有する。測定要素のプロセッサユニット用の高さ調節可能なスタンドは、秤の外部に取り付けられている。補助皿の接続要素とスタンドを接続する電気ケーブルは、水平方向の力だけを伝達するように構成されている。
【０００５】
上記の公知のすべての秤は、用途が非常に狭いことと、さまざまなタスクに適応する融通性がないことを欠点としている。
【０００６】
【発明の目的】
したがって、本発明の目的は、小型でありながら、多様な用途に適応し、ユーザーのエルゴノミックスについて最適化された秤を提供することにある。
【０００７】
【発明の要約】
本発明によれば、上記の目的は、計量セルを収容し、計量区画の後壁と床を形成するハウジングを備えた秤において実現される。秤は、計量セルのカンチレバーアームで保持された被計量荷重受け部を有する。計量区画の後壁にはホルダー装置が設けられ、さまざまな計量区画用付属品を、計量区画の床上のさまざまな高さに、着脱自在に取り付けることができるようになっている。
【０００８】
本発明による秤は、小型である点に特徴がある。本発明の構成においては、以下の実施例について説明するように、多様な用途の可能性がある。したがって、この秤は、多くの種類の実験に適応できる融通性を有しており、それらの実験は計量区画内で行うことができる。
【０００９】
本発明の好ましい実施例において、ホルダー装置は後壁に平行に延びる二つの縦溝を有する。この実施例の発展形では、後壁の一部が柱のように計量区画内へ延び、溝が側面に配置されている。ホルダー装置は、接続部分に対応する相手部分を有する計量区画用付属品を嵌め合い式に取り付けうる同一形状の複数の接続部分を備えている。
【００１０】
ホルダー装置は、高さを調節して棚を取り付ける手段として、また、静電気を蓄積することなく実験室用器具やインジケータユニットやイオナイザーユニットを保持するホルダーとして好ましい。ホルダー装置に取り付けられた棚は、物質容器やツールなどを収納するのに有用である。ホルダー装置は、実験室用器具および／またはインジケータユニットの取り付けと取り外しが簡単に行えるように構成されている。取り付け可能な実験室用器具は、たとえば粉体と液体を供給する器具を含んでいる。
【００１１】
本願によれば、ホルダー装置は、電力または電気信号の接続用コンダクタトラックを有していてもよい。
【００１２】
また、本発明の別の実施例において、マイクログラムの範囲で計量を行う秤では、ホルダー装置は、被計量荷重受け部に被計量物を載置するために持ち上げうる側壁とともに内部のドラフトシールドエンクロージャを保持するために使用してもよい。
【００１３】
本発明の好ましい実施例におけるホルダー装置は、ホルダー装置に取り付けられた付属品装置の位置を上下させるモータ駆動による駆動装置を有している。
【００１４】
本発明の好ましい実施例において、計量セルのカンチレバーアームは、後壁の開口部を介して計量区画まで延びる連結部を有している。被計量荷重受け部は、この連結部に取り外し可能に取り付けられている。特に、連結部は、ホルダー装置の両側に、および／または溝に沿って、配置されている。
【００１５】
別の好ましい実施例によれば、被計量荷重受け部は、平坦な水平格子として構成されている。この思想は、実験室で行う計量の範囲で多くの用途の可能性をもたらす。たとえば、非常に多くの種類の容器や付属品を格子の上にセットしたり、格子に留めたりすることができる。こぼれた被計量材料は被計量荷重受け部上に残ることがなく、格子のバーの間に落ちるので、こぼれた被計量材料が計量結果に意図せず含まれるようなことが起きない。特に好ましい構成において、格子のバーは上面に隆起部を有する屋根のような三角形に形成され、こぼれた被計量材料が被計量荷重受け部から落ちやすくなっており、計量エラーが起こる可能性をさらに低くしている。
【００１６】
被計量荷重受け部は、実験室用容器のホルダーとして構成してもよい。物質の容器への供給がさらに便利になるよう、ホルダーを回転自在にし、さまざまな傾斜角をとるようにしてもよい。
【００１７】
本発明の好ましい実施例は、荷重を被計量荷重受け部から下ろす荷重逃し機構を有する。荷重逃し機構は、後壁に設けられ、バーを組み合わせた格子か、間隔を置いて配置した薄板のような形状の持ち上げ用プラットフォームを有している。持ち上げ用プラットフォームが上がると、持ち上げ用プラットフォームのバーまたは薄板が、被計量荷重受け部のバーの隙間を通って上がって来て、被計量物を受け部の格子から下ろす。荷重逃し機構があれば、被計量物を逃しした後に、秤が再びゼロに戻る時その被計量物を戻す必要がない。したがって、計量エラーの潜在的な原因がなくなる。また、長期間にわたる計量調査を行うことや、一回ずつの計量の間に再較正することも可能である。
【００１８】
本発明による秤の別の好ましい実施例は、たとえば濁度測定など、ある種の作業工程の効率をより高めるため、実験用コード識別システムあるいはセットアップを秤に内蔵することを可能にしている。
【００１９】
本発明による秤の好ましい特徴は小型のデザインとモジュール構造にあり、そのため多様な実験室での用途に使用できる。本発明による秤は、さまざまな用途に対して融通性があり、すばやく再構成することができることにおいてすぐれている。また、個々の構成要素を清掃することが非常に簡単にできる。
【００２０】
【好ましい実施例の詳細な説明】
図１は、秤のハウジング４と、計量区画３を囲むドラフトシールド２９を備えた秤１の側面図である。秤のハウジング４の左手部分は計量セル１５を含む（詳細は図示せず）。較正装置５を備えたＬ字形カンチレバー３０は、計量セル１５の荷重受け部分に接続され、荷重を計量セル１５へ伝達するようにしている。Ｌ字形カンチレバー３０の水平部分は、較正おもり７を受けるおもり受け要素６を有する。較正装置５は、計量区画３からの床８で遮閉された秤のハウジング４の部分に配置されている。Ｌ字形カンチレバー３０の垂直部分は、計量区画３の方へ延び、計量区画３の後壁１３に設けた開口部１２から突き出ている突出部３１を有する。突出部３１は、接続ボルト２２を有し、接続部１１を形成する。被計量荷重受け部２は、接続ボルト２２に掛かる鉤状部分１０を有するので、被計量荷重受け部２を接続ボルト２２から簡単に取り外すことができる。被計量荷重受け部２は、たとえばボウルや実験室用容器や試料を計量するための他の容器などいろいろな用途に用いる多様なクリップオン式装置用プラットフォームとして、あるいは計量される試料を載せるプラットフォームの役目をする。図１の実施例において、被計量荷重受け部２は、平坦な格子１６の形状に構成される。格子状に構成することにより、エアドラフトによる計量エラーが起こる可能性が弱まる。なぜなら、格子状の面は、板状の面を有する計量プラットフォームよりも、エアの流れに影響を受ける部分が小さいからである。
【００２１】
被計量荷重受け部２は、別の構成をとることも可能である。たとえば、一つまたはそれ以上の実験室用容器を保持するホルダーとして構成することも可能であり、この場合、ホルダーは、アダプターを介して接続部１１に取り付けられる。このことで設計に融通性が生まれ、ホルダーを回転自在にしてさまざまな傾斜角をとるようにすることも可能になる。
【００２２】
もちろん、被計量荷重受け部２は、計量区画の床８に設けた開口部を通る接続部によりカンチレバーアーム３０に取り付けてもよい。また、秤が較正装置を備えているかどうかに関わらず、本発明は同じように使用できる。
【００２３】
また、図１は、こぼれた物を受けるプレート１７を示している。このプレート１７は、被計量荷重受け部からこぼれ落ちた材料を受け止める役目を果たす。こぼれた物を受けるプレート１７は、清掃を簡単にするために取り外せるように設計されている。
【００２４】
また、図１は、ホルダー装置２１を示す。ホルダー装置２１は後壁に配置され、その位置は、被計量荷重受け部２の鉤状部分１０が突出部３１のボルト２２に掛かる位置より上方である。ホルダー装置２１は、計量に関し、ユーザーに多くの便宜と使い方を提供する。特に、ホルダー装置２１は、床８からさまざまな高さに計量区画用付属品を取り付ける役目を果たす。このことにより、計量区画３の内部で実験を行うことを可能にしている。図２〜図５には、ホルダー装置２１の多くの使い方の例として、ホルダー部２１に取り付けうる好ましい種類の付属品をいくつか示す。
【００２５】
図２は、床８の高さが調整自在でホルダー装置２１に取り付けられた棚３７を有する計量区画３の斜視図である。図２の実施例が示すように、棚３７は、計量の対象である物質を収容する容器４１を保持するために使用することができ、たとえば被計量荷重受け部２の格子状プラットフォーム１６に載置された実験室用容器の中へ開口部４０からその物質を供給できる。もちろん、開口部がない棚を使用してもよい。棚３７とホルダー装置２１を接続する接続器具３９としてどのようなものが可能であるかは、図６Ａ〜図６Ｃの説明の中で述べる。
【００２６】
図３は、床８から選択可能な高さでホルダー装置２１に引っ掛けることができる傾斜角調整可能なディスプレイパネル２５が追加されたこと以外は、図２の棚３７と同一の構成を示す。ディスプレイパネル２５は、ユーザーのエルゴノミックスの点から見て、特に好ましい。なぜなら、オペレータは、秤に載せられた計量容器に材料を追加した時、見る角度を変えずに計量された計量値の増加を知ることができるからである。
【００２７】
図４が示すように、開口部４０を有する棚３７を、実験室用器具２４を保持するのに使うことができる。たとえば図４Ａは、粉を詰めた容器４３が、その底部で制御可能な供給装置４４に接続した状態を示している。容器を接続した供給装置４４は、開口部４０を通してセットするか、ツイスト式またはスナップ式接続により固定してもよい。図４Ｂは、たとえば漏斗４７や管４８などのために一つかそれ以上の小さな開口部を有しており、開口部４０へ挿入されるアダプター４５を示している。
【００２８】
ホルダー装置２１の別の使い方の例を、図５に示す。ホルダー６７は、両方向矢印６０で示した方向にホルダー装置２１上で高さの調節が可能であり、いろいろな付属品器具（図示せず）を保持する締め具５７を有する。付属品器具には、実験室用容器、粉体や液体の供給装置、その他の計量工程に関係がある器具が含まれる。ダブルアームのばね式締め具５８は、刻み付きねじ６２、６３で両方向矢印５９の方向に、長さと角度の調節が可能である。
【００２９】
また、ホルダー装置２１により、さまざまに異なる仕方で、計量区画３の内部に器具を取り付けることができる。たとえば、計量対象に静電気の電荷が蓄積されないようにする手段として、ホルダー装置２１にイオナイザー（図示せず）を取り付けることも考えうる。
【００３０】
図６Ａと図６Ｂはそれぞれ、棚３７および／または装置ホルダー６７をホルダー装置２１に取り付ける多くの接続機構のうちの一つの側面図と断面図である。ホルダー装置２１は、後壁１３上に設けられ、垂直レールまたは柱２３の形状を成している。柱２３は、側面に縦溝６８を有する。接続部１１には被計量荷重受け部２が取り付けられ、溝６８と一直線を成すよう柱２３の下部に配置されている（図２〜図５参照）。ホルダー装置２１の前面に近い方の溝６８の面に、一定の間隔で半円形の凹部６９が設けられ、棚３７または装置ホルダー６７を取り付けるための取付器具３９のペグ７１に形状が合った取付座を形成している。ペグ７１は、ペグ７０から見て後方へずれた位置にあり、溝６８に嵌まっている。秤のオペレータ側の端部で棚３７または装置ホルダー６７をわずかに持ち上げることにより、ペグ７１は、ペグ７０が形成する軸を中心として棚が傾斜するにつれて、半円形の凹部６９から外れる。棚または装置ホルダーが傾斜した位置にあると、ペグ７０、７１は溝６８の中を上下に移動して新しい位置まで動き、棚または装置ホルダーを水平位置に復帰させることにより、ペグ７１は別の半円形の凹部６９に嵌まる。
【００３１】
また、取付器具３９を、たとえば無段階で、連続的に調節可能にしてもよい。半円形の凹部が使用されず、ペグ７０と７１の距離が十分小さい場合、棚３７または装置ホルダー６７はペグと溝との摩擦により所定の位置に保持される。
【００３２】
締め具５７を備えた棚３７または装置ホルダー６７の取付器具３９の高さをモータで調節することも、可能性として考えられる。
【００３３】
図６Ｃは、ホルダー装置２１の接続機構における電力および／またはデータ接続の設計思想を示す断面図である。絶縁物７３上の接触レール７２は、溝６８の一方または両方に嵌まっている（ホルダー装置２１の側面に配置するのが好ましい）。棚３７または装置ホルダー６７の取付器具３９は、絶縁物７７を詰めた中空ペグ７６を備えている。中空ペグ７６は、ばねで付勢された接触ピン７８を有し、ピン頭部７４がばね７５で押されて接触レール７２にスライド接触する。このことにより、電力または信号伝達のための電流がライン５６、ピン７８、レール７２を介して流れる。
【００３４】
図７は、ホルダー装置２１にセットされる荷重逃し機構７９の斜視図である。この機構は、Ｌ字形フレーム８５と、二本のアーム８３と間隔を置いて並べた薄板状要素８１を有するリフトプラットフォーム８９を上下させるためのモータ８０を有する。リフトプラットフォーム８９が上がると、薄板状要素８１は、被計量荷重受け部２の格子１６のバー同士の隙間を通って上がってくる。
【００３５】
図８は、別の構成による荷重逃し機構７９′の細部を、被計量荷重受け部８２とリフトプラットフォーム８９′の区域において示す。被計量荷重受け部８２は、接続部１１に接続され、格子が有する二本の横方向に延びる支持ビーム２７の外形が波状で、その波形の山になった部分に格子のバー８６が取り付けられているという構造になっている。荷重逃し機構７９′のバー８８は、普通はバー８６の下側に位置し、波形の谷の部分を通って延びている。リフトプラットフォーム８９´が持ち上げられると、リフトプラットフォーム８９´のバー８８は被計量荷重受け部８２のバー８６の隙間から上昇し、バー８６が形成する平面より上の位置に至る。
【００３６】
荷重逃し機構７９がどのように働くかについては、リフトプラットフォームの薄板構造とともに図９Ａと図９Ｂに示してある。図９Aは、計量時の荷重逃し機構の位置を示しており、計量容器８４は被計量荷重受け部２の格子１６に載っている。リフトプラットフォームの格子の薄板８１は下方に位置している。一方、図９Bは、リフトプラットフォームの上昇した状態を示しており、計量容器８４は被計量荷重受け部２の格子１６から持ち上げられ、リフトプラットフォーム８９の薄板８１に載っている。リフトプラットフォームの薄板構造と被計量荷重受け部２の格子１６は、清掃が容易である。
【００３７】
荷重逃し機構の有用な使用例としては、所定の時間間隔で秤のゼロ較正を何回も行い、ゼロ較正のために被計量荷重受け部から被計量物を逃しする必要がある長期にわたって計量を行うような場合である。また、長期にわたる使用の間に秤の再較正を行うことも考えられる。荷重逃し機構は、たとえば標準偏差を決定するなど統計上の目的で同一の被計量試料を複数回計量しなければならない場合にも有用である。この場合、秤のゼロ点がドリフトオフしていないことを確認するため、計量と計量の間に被計量物を計量皿から逃しする必要があるのが普通である。荷重逃し機構を使用すれば、被計量物を手で載せたり下ろしたりする必要がなくなり、統計上の目的で行う計量の効率や信頼性が高まる。
【００３８】
荷重逃し機構７９、７９´のフレーム８５は、荷重逃し機構７９、７９´が取り付けられた場合でも、付属品器具たとえば棚３７やホルダー６７を、計量区画の床８から所望の高さにホルダー装置２１を用いて固定することが可能なように構成されている。
【００３９】
荷重逃し機構７９、７９´を、他の用途で使用できるように融通性のある設計にすることも考えられる。たとえば秤に被計量物を載せた状態でゼロ較正や再較正を行う必要がない場合に、リフトプラットフォーム８９、８９´の薄板８１を取り外すことにより、ホルダー装置２１に固定された、たとえば棚３７やホルダー６７などの付属品の高さをモータで調節するために荷重逃し機構７９、７９´を使うのが有利である。棚３７やホルダー６７をホルダー装置２１に直接固定する代わりに、荷重逃し機構７９、７９´に固定し、この荷重逃し機構をホルダー装置２１に固定するようにしてもよい。あるいは、ホルダー装置２１自体が固定された器具を上下する役目を果たすように設計してもよい。
【００４０】
ホルダー装置２１は、図１０が示すように、別の有用な器具を計量区画３に取り付ける役目も果たす。精度０．１〜１μｇの最も敏感な範囲で計量を行うためには、計量区画３を囲むドラフトシールド２９の内部に、内側のドラフトシールド９０が設けられる。内側のドラフトシールド９０は、前壁９１と、二つの側壁９２、９３と、上部カバーパネル９４と、駆動機構を収容する後部区画９５から成る。後部区画９５は、内側のドラフトシールド９０の後壁を形成し、ホルダー装置２１に取り付けられる。後部区画９５の上側部分には、モータで駆動され側壁９２、９３に取り付けられたコード−プーリ式駆動装置が収容されている。コード−プーリ式駆動装置（これは一例にすぎず、スパー−ベルト式駆動装置を代わりに用いてもよい）は、側壁９２、９３の一方または両方を上下に動かし、内側のドラフトシールド９０を開閉する役目を果たす。内側のドラフトシールド９０は、棚３７と同様に、ホルダー装置２１に鉤で引っ掛かっているだけであるので、計量区画３から簡単に取り外せる。特に、内側のドラフトシールド９０は、計量区画の床に設けた開口部を介して計量セルのカンチレバーアームに接続された被計量荷重受け部を備えた秤に用いるのに適している。
【００４１】
被計量荷重受け部２が計量区画３の後壁１３の開口部１２に設けた接続部１１を介して計量セル１５に接続される構成により、融通のきく設計が可能になる。床８は他の用途にも利用できるので、たとえば計量容器９９の底に記されたＩＤコード１９を読み取るために、光学または誘導コード読取装置１８を被計量荷重受け部２の下方の床８に設けてもよい。図１１が示すように、光学または誘導コード読取装置１８は、計量区画の床８に配置された挿入モジュール１０２の中に取り付けられる。コード読取装置１８のエミッターとレシーバー部分は、同一のセンサハウジング１０３の中に収容するのが好ましい。ＩＤコード１９の区域では、被計量荷重受け部２のプラットフォーム９８は、ガラス製（光学式リーダー装置用）などの透明なものとするか、あるいはセラミックスやポリマー材料製（誘導式リーダー装置用）などの無誘導性のものとする。
【００４２】
コード読取装置１８は、光学センサか誘導センサのいずれかを使用し、被計量荷重受け部２の側面に配置するようにしてもよく、この場合ＩＤコード１９は容器９９の側壁に位置する。特に、コード読取装置１８は、計量区画の床８から任意の高さでホルダー装置２１に取り付けるように設計してもよい。
【００４３】
計量区画３（図１２参照）内での濁度測定を、計量区画３の床８に配置された挿入モジュール１０２´を用いて行うことも可能である。挿入モジュール１０２´は、上部に盛り上がった部分を有し、エミッターとしてレーザー１０４を、レシーバーとしてフォトダイオード１０５を備えている。濁度は、光路の区域に平坦な壁部分を有する透明な測定用容器１０６を透過する光の量を測定することによって求められる。測定用容器１０６の底部には、攪拌器（たとえば図示した磁気攪拌器１０７のように、磁石１０８の交替磁場によって駆動されるようなものなど）を配置してもよい。測定用容器は、被計量荷重受け部２に接続されたホルダー１１０で所定の位置に保持される。重量と濁度の両方を測定可能にするのが、特に好ましい。図１１に示す実験装置において、測定用容器を収容する開口部を有する棚３７は、ホルダー装置２１に取り付けられている。棚３７に載ったガラス製容器２８から物質１０９が測定用容器１０６に供給されることにより、容器１０６内の液体の重量や濁度が変化する。濁度の測定の完了後、測定用容器１０６内の液体の重量は、磁気攪拌器をオフにした後に測定できる。
【００４４】
計量区画内に設けられるあらゆる種類の実験装置のために、電線とホースを、クリップ式カバーで遮閉される開口部を介して外側から計量区画の中へ通すようにしてもよい。この点の詳細は、スイス特許出願ＣＨ−１９５８／００に記載されている。
【００４５】
すでに述べたように、上記の種類の実験装置をセットアップするために計量区画を用いるという本発明の思想は、計量区画の後壁に設けた開口部を介して荷重を計量セルに伝達する秤だけでなく、計量区画の床に設けた開口部を介して荷重を伝達する秤や、この明細書に具体的に記載されていない他の型の秤にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】秤の側面図
【図２】棚の取り付けにホルダー装置が用いられている構成の斜視図
【図３】図２に示したものと同じ構成に、傾斜角調整可能なディスプレイパネルを追加した状態の斜視図
【図４】棚の別の使い方の例を三次元的に示す図
【図５】ホルダー装置の別の使い方の例を三次元的に示す図
【図６】６Ａ、６Ｂはそれぞれ、ホルダー装置をさまざまな高さに設けるという設計思想を示す側面図と断面図、６Ｃは、電気的接続に関する設計思想の詳細を示す断面図
【図７】荷重逃し機構の斜視図
【図８】秤の格子状リフトプラットフォームと荷重受け部の格子の側面図
【図９】９Ａ、９Ｂは、荷重逃し機構がどのように働くかについて示す斜視図
【図１０】内側のドラフトシールドにおけるモータ駆動による側壁の上下運動を示す斜視図
【図１１】計量用容器を識別するコード読取装置の構成の側面図
【図１２】濁度測定を行うための構成の側面図
【符号の説明】
１ 秤
２ 被計量荷重受け部
３ 計量区画
４ 秤のハウジング
５ 較正装置
６ おもり受け要素
７ 較正おもり
８ 床
９ 荷重受け面
１０ 鉤状部分
１１ 接続部
１２ 通路開口部
１３ 後壁
１４ 垂直軸
１５ 計量セル
１６ 格子
１７ こぼれた物を受けるプレート
１８ コード読取装置
１９ コード
２１ ホルダー装置
２２ 接続ボルト
２３ 柱状突起
２４ 実験室用器具
２５ 秤のディスプレイパネル
２７ 横方向に延びる支持ビーム
２８ ガラス製容器
２９ ドラフトシールド
３０ カンチレバーアーム
３１ 突起
３７ 棚
３８ 実験室用容器
３９ 取付器具
４０ 開口部
４１ 容器
４２ スプーン
４３ 容器
４４ 供給装置
４５ アダプター
４６ 開口部
４７ 漏斗
４８ ホース
５６ 電源または信号線
５７ 締め具
５８ ダブルアームのばね式締め具
５９ 両方向矢印
６０ 両方向矢印
６１ 両方向矢印
６２ 刻み付きねじ
６３ 刻み付きねじ
６７ 装置ホルダー
６８ 溝
６９ 半円形の凹部
７０ ペグ
７１ ペグ
７２ 接触レール
７３ 絶縁物
７４ ピン頭部
７５ ばね
７６ 中空ペグ
７７ 絶縁物
７８ 接触ピン
７９ 荷重逃し機構
７９´ 荷重逃し機構
８０ 荷重逃し機構用モータ
８１ 薄板状要素
８２ 被計量荷重受け部
８３ アーム
８４ 容器
８５ フレーム
８６ 被計量荷重受け部の格子のバー
８８ リフトプラットフォームのバー
８９ リフトプラットフォーム
８９´ リフトプラットフォーム
９０ 内側のドラフトシールド
９１ 前壁
９２ 側壁
９３ 側壁
９４ 上部カバーパネル
９５ 後部区画
９８ 被計量荷重受け部のプラットフォーム
９９ 計量用容器
１０２ 挿入モジュール
１０２´ 挿入モジュール
１０３ センサのハウジング
１０４ レーザー
１０５ フォトダイオード
１０６ 測定用容器
１０７ 磁気攪拌器
１０８ 磁石
１０９ 物質
１１０ ホルダー

Claims (20)

1. 被計量荷重受け部２が収容された計量区画３と、計量セル１５が収容された秤のハウジング４とを備え、上記ハウジング４のほぼ垂直な壁の一つが計量区画３の後壁１３を形成しており、上記ハウジング４のほぼ水平な壁の一つが計量区画３の床８を形成しており、上記被計量荷重受け部２が計量セル１５のカンチレバーアーム３０に取り付けられている秤１において、上記計量区画３の後壁１３の内壁面に、少なくとも一つの棚３７および／または少なくとも一つの装置ホルダー６７を高さ調整可能に取り付けるための固定ホルダー装置２１を取り付けたことを特徴とする秤１。
2. 上記ホルダー装置２１が上記後壁１３と平行に延びる二本の平行な縦溝６８を有する請求項１記載の秤。
3. 上記後壁１３が、横方向に面する側面を有する突出する柱状部２３を備え、上記縦溝６８が上記側面に配置されている請求項２記載の秤。
4. 上記ホルダー装置２１が同一形状の複数の接続部６９を備え、上記接続部に対応する相手部分７１を有する棚３７または装置ホルダー６７を嵌め合い式に取り付けうるようにした請求項１記載の秤。
5. 上記棚３７と上記装置ホルダー６７の一方に他のホルダー装置を接続できるようにした請求項１記載の秤。
6. 上記ホルダー装置２１が、電流またはデータ信号の少なくとも一方を送るために接触レール７２を備えた請求項１記載の秤。
7. 上記ホルダー装置２１が、実験室用器具２４、液体か固体の供給装置４４、イオナイザー、傾斜角調整可能なディスプレイパネル２５のうち少なくとも一つを高さ調整可能に取り付けうるようになっている請求項１記載の秤。
8. 上記ホルダー装置２１が、上方にスライドさせて開放する側壁９２、９３を備えた内部ドラフトシールド９０を取り付けられるようになっている請求項１記載の秤。
9. 上記ホルダー装置２１が、計量容器９９の側壁に付けられたコード１９を読み取るために床８から調整可能な高さにコード読取装置１８を取り付けられるようになっている請求項１記載の秤。
10. 上記ホルダー装置２１が、高さ調整のためのモータ式駆動装置を備えた請求項１記載の秤。
11. 上記後壁１３が開口部１２を有し、上記カンチレバーアーム３０が上記開口部１２を通って延びる接続部１１を有し、上記被計量荷重受け部２が上記接続部１１に着脱自在に取り付けられている請求項３記載の秤。
12. 上記開口部１２が上記溝６８とほぼ一直線上に並ぶように配置された請求項１１記載の秤。
13. 上記被計量荷重受け部２が平坦な格子１６から成る請求項１１記載の秤。
14. 上記被計量荷重受け部２が、少なくとも一つの実験室用容器のホルダーを備えている請求項１１記載の秤。
15. 上記被計量荷重受け部２と上記床８の間に、欠落なく広がる面を有するこぼれた物を受けるプレート１７を備えた請求項１１記載の秤。
16. 上記計量区画３の上記床８に挿入モジュール１０２を配置できるようにし、上記挿入モジュール１０２が計量容器９９の下側に付けられたコード１９を読み取る読取装置１８を備えている請求項１１記載の秤。
17. 上記計量区画３の上記床８に挿入モジュール１０２´を配置できるようにし、上記挿入モジュール１０２´が被計量試料の濁度を測定する装置１０４、１０５を備えている請求項１１記載の秤。
18. 計量容器１０６内の物質を攪拌するための攪拌装置１０７、１０８を上記計量区画３の上記床８に配置できるようにした請求項１１記載の秤。
19. 上記秤のハウジング４の上記計量区画３内に荷重逃し機構７９、７９´を取り付け可能にした請求項１記載の秤。
20. 上記荷重逃し機構７９、７９´を駆動するためのモータ８０を備えた請求項１９記載の秤。

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