JP4230526B2 - オゾン放出体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鮮度の保持が必要とされる生鮮食品等の食品や、菌及びウィルスによる汚染の防止が必要とされる医療用具等の器具等を長時間にわたり殺菌・消毒することができるオゾン放出体に関するものであって、さらに、その製造方法に関するものである。
一般的に、野菜などの農産品は収穫時のような自然の状態のまま流通させると新鮮さを保持し易いと共に安全である。しかし最近では野菜等を適当な大きさにカットしたカット野菜の形で流通させることも多く、この場合野菜の切り口から雑菌が侵入して腐敗が進行し易いという問題があった。そのため、このような流通形態においては、野菜の切り口等を次亜塩素酸ナトリウム水溶液等の薬品添加物で洗浄殺菌することが必須であったが、このような薬品添加物による殺菌処理を行うことによって、野菜に薬品が残留して人体へ悪影響を及ぼすことが懸念されるなどの危険性をはらんでいた。
そこで近年、魚介類や食肉類、野菜類、果物類等の生鮮食品における洗浄・殺菌処理において、薬品添加物の代わりにオゾンガスを使用することが検討され始めている。オゾンは、強力な殺菌力を発揮して作用後は酸素となり無害化する理想的な殺菌剤であるため、従来食品工場での洗浄殺菌や室内殺菌に利用されていた。
ここで、オゾンは自己分解と拡散が活発なため大気中で保持することが困難であるため、従来オゾンガスを長時間利用するためにはオゾンガスを必要とする場所でオゾン発生装置を稼動させて得る方法しかなかった。しかしこのような方法では食品の輸送時等に殺菌・消毒を行なう場合、オゾン発生装置ごと持ち運び、殺菌・消毒しようとする食品等が収容された容器内にオゾンガスを連続して注入送気する必要があり、殆ど実用的ではなかった。そのため、生鮮食品の表面にオゾンの氷被覆膜を形成して、生鮮食品の鮮度を保持する鮮度保持方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2003‐169645号公報
しかしながら、上記特許文献1のような鮮度保持方法は、オゾンガスを水に溶解させたオゾン水を凍結させて氷被覆膜を形成しているため対象物が水濡れ可能なものに限定されてしまう。また、生鮮食品に直接使用できるオゾンガスの濃度は数ppmであり、この濃度数ppm程度のオゾンガスは、気体として数十分、水に溶解させた状態で10〜20分しか残存しないため、短持間の殺菌作用しか期待できず、高い作用効果を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、オゾンガスを長時間持続して発散することができると共にオゾンガスによる洗浄・殺菌作用を長時間効果的に持続することができ、さらに持ち運びを容易に行うことができるオゾン放出体、及びその製造方法を提供する。
(1)請求項1記載の本発明は、オゾンガス不透過性のフイルム材により形成したフイルム容器にオゾンガスを大気圧と同じ圧力で封入して形成したオゾン放出体であって、前記フィルム材は、オゾンガスの分子を透過可能である孔径5〜20μmの透過孔を1cm 2 当たり10〜50個の範囲で設け、しかも、前記フィルム容器は複数のセルに分けて、前記フィルム容器内のオゾンガスを分割して収納可能としたことを特徴とするオゾン放出体とした。
)請求項記載の本発明は、請求項記載のオゾン放出体において、前記セルの容積は1〜50ccの範囲にあることを特徴とする。
)請求項記載の本発明は、請求項1及び2のいずれか1項に記載のオゾン放出体において、前記フィルム材の厚さは10〜100μmであることを特徴とする。
)請求項記載の本発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載のオゾン放出体において、オゾンガスの濃度は1000〜10000ppmの範囲であることを特徴とする。
)請求項記載の本発明は、請求項記載のオゾン放出体において、前記各セルはオゾンガス不透過性のプラスチック素材からなる片面凸状部を有し、該セルの裏面側にオゾン透過素材を有して構成されることを特徴とする。
(6)請求項6記載の本発明は、請求項1記載のオゾン放出体において、前記セルはミシン目を有して分離可能となっていることを特徴とする。
(7)請求項7記載の本発明は、オゾンガスを発生させるオゾン発生工程と、
フィルム材に孔径5〜20μmの透過孔を1cm2当たり10〜50個の範囲で形成する透過孔形成工程と、
前記透過孔形成工程にて形成した透過孔フィルム材を容器状に成形すると共に、適当な位置でシールすることで所望の個数のセルを形成する容器成形工程と、
前記オゾン発生工程により発生させたオゾンガスを前記容器成形工程にて形成した前記セル内部へ大気圧の圧力と等しい圧力で封入するオゾン封入工程と、を有することを特徴とするオゾン放出体の製造方法とした。
本発明によれば、封入段階で濃度の高いオゾンガスを封入することができ、オゾンガスを長時間持続して発散することができると共にオゾンガスによる洗浄・殺菌作用を長時間効果的に持続することができるオゾン放出体を提供することができる。さらに、このオゾン放出体を持ち運びが容易な構成とすることができて、輸送時等において被殺菌・消毒物と共に梱包して緩衝材として利用することが可能である。
本発明に係るオゾン放出体の一実施形態を示した説明図である。 本発明に係るオゾン放出体の一実施形態を示した説明図である。 本発明に係るオゾン放出体の一実施形態を示した説明図である。 本発明に係るオゾン放出体の一実施形態を示した説明図である。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造工程を示したフローチャートである。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造装置の全体を示した説明図である。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造装置の容器製造装置の一部を示した平面説明図である。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造装置の容器製造装置の一部を示した側面説明図である。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造装置の容器製造装置の一部を示した正面説明図である。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造装置の容器製造装置の一部を拡大して示した平面説明図である。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造装置の容器製造装置の一部を拡大して示した正面説明図である。 本実施の形態に係るオゾン放出体の製造装置の穿孔器を示す説明図である。 図12に示す穿孔器が備えるポーラスローラーの表面部分Xを拡大した説明図である。 一実施例に係るオゾン放出体を用いた試験の実施形態を示した説明図である。 一実施例に係るオゾン放出体を用いた試験の実施形態を示した説明図である。 一実施例に係るオゾン放出体を用いた試験の測定結果を示した図である。 一実施例に係るオゾン放出体の実施形態を示した説明図である。
符号の説明
1 オゾン放出体
5、15、25、35 セル
16 ミシン目
31 オゾン検出器
32 ガラス瓶
36 ミシン目
40 オゾナイザー
41 容器製造装置
42 オゾン導管
43 オゾン封入ノズル
44 コンプレッサー
45 窒素分離装置
46 無声放電式オゾン発生装置
47 空気導管
48 空気冷却装置
49 排気管
50 透過孔フィルム材
51、53、54 ガイドローラー
55、56 シールローラー
57 ローラー
63 ポーラスローラー
64 押圧ローラー
65 ネジ
70 穿孔器
73 バネ
100 オゾン放出体の製造装置
S1 オゾン発生工程
S2 容器成形工程
S3 オゾン封入工程
A〜I オゾン放出体
本発明に係るオゾン放出体は、オゾンガス不透過性のフィルム材に微細な針穴状の透過孔を多数穿設してなる透過孔フィルム材を、少なくとも1個以上のセルを有する容器状に成形すると共に、この容器のセル中に高濃度のオゾンガスを封入・密封してなるものである。そして、このセル中に収容したオゾンガスを、フィルム材に形成している微細な透過孔から適量透過させ、オゾンガスを長時間持続して発散させるようにしたオゾン放出体である。
ここで、高濃度オゾンは、分解して酸素へ変化するまでに時間を要するため、フィルム容器中にオゾンとして長時間持続して存在することができ、結果的に微細な透過孔から長時間継続してオゾンを放出することができる。また、高濃度で乾燥状態にあるオゾンガスは分解しにくい性質を有することが分かっており、そのためオゾンガスをこのように乾燥状態としてフィルム材中に封入することで、オゾンガスが高濃度である状態をさらに長時間持続させることができて。このオゾンガスを透過孔からさらに長時間持続して放出させることができる。
殺菌・消毒に適する濃度のオゾンガスを長時間持続させてフィルム容器外へ透過させるために、本オゾン放出体に封入するオゾンガスの濃度を概ね1000ppm〜10000ppmとする。このような高濃度のオゾンガスは体内へ直接吸引すると危険であるが、このオゾンガスをフィルム容器中に封入すると共にこのフィルム容器の透過孔から微量なオゾンガスを透過させることで、放出されるオゾンガスを可及的に低濃度となるようにして安全性を確保している。また万一破袋した場合においても1度にフィルム容器全体からオゾンが出ないように、フィルム容器に少なくとも1個以上、好ましくは1〜20個のセルを形成し、この複数個のセルにオゾンガスを分割して封入するようにしている。そしてこのセル1個あたりの収容量を50cc以下とし、放出体の全体量は多くとも1000cc以下となるようにして安全性を確保している。
フィルム容器を形成するフィルム材として、オゾンガスに侵され難い材料であるテフロン(登録商標)を使用することもできるが、オゾン放出体としてオゾンガスを発散することが望まれる作用期間は長くても2日程度であるので、このような高価な素材を使用しなくとも一般的に安くて入手しやすいポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステル、などのプラスチックフィルムを使用するとフィルム材を安価に構成することができて好ましい。フィルム材の厚さも強度を考慮して概ね20〜100ミクロン、より好ましくは30〜60ミクロンであることが望ましい。また、フィルム材は、前記のプラスチックフィルムを積層して2層以上の複層フィルム材となし、或いはプラスチックフィルムに金属をラミネートしたり、金属成分を蒸着したりして複層フィルム材となして、フィルム材の十分な強度を確保することとしている。
このフィルム材に孔径で5〜50ミクロンの透過孔、より好ましくは15〜30ミクロンの透過孔を1cmあたり1〜100個、より好ましくは10〜50個程度で均一に分布させて穿設すると期待すべきオゾンの透過量が得られて望ましい。このようなフィルム容器にオゾンガスを大気圧と略同等の圧力で封入・密封してオゾン放出体を形成することで、適量かつ適濃度のオゾンガスを透過孔から長時間継続して発散することができるオゾン放出体となすことができ、生鮮食料品や青果物などの輸送時等に使用することでこれらの被殺菌物を効果的に殺菌・消毒しながら輸送、保存することができるし、さらにこれらの被殺菌物と共に梱包して輸送するようにすれば、本オゾン放出体を同時に緩衝材として利用することが可能である。
以下、本実施形態に係るオゾン放出体についてさらに詳細に説明する。
濃度が1000ppm〜10000ppmである高濃度オゾンを透過孔フィルム材で形成した袋に封入してオゾン放出体とし、殺菌を必要とする生鮮食料品や青果類等と共に密閉容器内に収納する。オゾン放出体の透過孔から連続して適量のオゾンガスが発散されるため密閉容器内は殺菌状態が長時間保たれることとなる。このとき容器内のオゾンは外部の空気と置換されて混合されるためオゾンガスの放出に伴って容器がつぶれるということはなく、よって袋内に圧力をかけておく必要はない。
またオゾン放出体を大容量のフィルム容器で構成した場合、万一破袋した場合にオゾンガスを大量に放出することとなりこれを体内に大量吸引したら危険であるため、一つのフィルム容器容量を多くとも1000cc以下とし、またフィルム容器が破損しても収容しているオゾンガスの全量が放出されることを防止して一部のオゾンガスの放出で済むように、フィルム容器に複数の仕切りを設けて複数の小室すなわちセルを形成することとしている。
図1〜図4はそれぞれ本オゾン放出体の一実施形態を示す斜視図であって、図1に示すオゾン放出体1aは、フィルム容器に複数個のセル、ここでは4個のセル5を形成するようにして、フィルム容器内に収容するオゾンガスを分割して収容できるようにしている。
このセルの容積は1個あたり1ccから50cc程度と容量を小さくして、一部のセルが破損しても多量のオゾンガスが放出されることを防止して、放出されたオゾンガスもすぐに大気に拡散して分解させることができるように考慮する。また、図2に示すオゾン放出体1bは、各セル15の間にミシン目16を形成し、このミシン目16によりセル15の個数単位で切り外し可能としたフィルム容器を採用している。このような形状のオゾン放出体1を輸送物の隙間に適宜充填しておけば、殺菌効果を保持する緩衝材として効果的に利用できる。
その他にも図3に示すように、薬のPTP包装のような形状のフィルム容器によるオゾン放出体1cを構成することもできる。このようなオゾン放出体1cは、薬のタブレットのように、カプセル状のセル25を複数個設け、このセル25の間に図示しないミシン目を設けてこのミシン目から各々のセルを切り取り可能とした構成とすることができる。このような構成であれば片面凸状のセルはオゾンガスの透過しないプラスチック素材とし、裏面側にオゾン透過素材を使用する形とすれば、全部のセル中にあるオゾンが一度に放出してしまう危険性はさらに減り、少量の使用に際しては好ましい形体である。
さらに、図4に示すように、被殺菌物と共に梱包箱に収容しやすいようにシート状に構成したオゾン放出体1dとすることもできる。このような形であると例えば野菜、果実類を輸送する際の容器内でのクッション材となりさらに有効に使用できる。このシート状のフィルム容器において、各セル35の連結部分にミシン目36を形成すれば、このオゾン放出体1dをミシン目36において適時必要量カットして使用することができる。
また、図示していないが、図1に示すようなオゾン放出体1aをさらにパック内に密封して、オゾンの保存性を高めたオゾン放出体として構成することもできる。このような構成とすれば、携帯に便利であって、携帯先でパック開封すれば直ちにオゾンを放出させることができる手軽に利用可能な携帯性の高いオゾン放出体とすることができる。
オゾンガスを封入したフィルム容器内の圧力は大気圧以上の高圧にする必要は無いが、オゾン放出体から急速にオゾンガスを放出させることが必要であれば、若干の加圧封入をするかフィルム容器内にドライアイス等を入れて内圧により強制的に透過放出させることができる。封入するオゾンガスの濃度は1000〜5000ppm程であるとオゾンガス製造の容易さからして妥当であるが被殺菌物の種類によってはもっと高濃度のオゾンガス、すなわち5000〜10000ppm程のオゾンガスを封入するようにしてもよいし、もっと低濃度のオゾンガスを封入するようにしてもよく、殺菌対象物や密封容器の容量等に応じて最適な濃度のオゾンガスを封入するようにする。
ここで、オゾン放出体の作用時間としては、輸送時間をカバーできる程度の作用時間があればいいため、フィルム材は必ずしもオゾンガスに長期耐性を有するものでなくとも良い。従ってテフロン(登録商標)等のオゾン耐性の高い材料を用いることもできるが、より安価なポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニールなどのプラスチックフィルムを使用することで安価でより適当なフィルム材を構成することができる。これらのプラスチックフィルムを2層以上に積層して、またはこれらのプラスチックフィルムに5〜10ミクロン厚さの金属をラミネートして、またはこれらのプラスチックフィルムに金属成分を蒸着する等して、フィルム材を複層に形成するようにしてフィルム材の十分な強度を確保するようにしている。またフィルム材の総厚さは10〜100ミクロンであることが好ましく、さらに25〜60ミクロン程とするとフィルム材の製造が容易であってより好ましい。
フィルム材に形成する透過孔は、孔径で5〜50ミクロンの透過孔、より好ましくは15〜30ミクロンの透過孔とし、極めて微小な透過孔としながらオゾン分子を透過可能な孔径としている。なお、オゾン分子自体は極めて微小で、オゾンの原子間距離は12.78nm(ナノメートル)、分子量48で大きさは20nm程度とされている。
またフィルム材に穿設される透過孔の孔数については、フィルム材1cmあたり1〜100個、より好ましくは1〜50個程度であることが好ましい。穿設された孔密度が高過ぎるとフィルム自体の引っ張り強度が弱くなり好ましくないし、孔密度が低すぎるとオゾンガスを適当に透過することができないため、上記範囲で透過孔が穿設されたフィルム材を使用することが望ましい。
元来、金属箔やプラスチックフィルムの素材は殆ど気体を透過しないため、オゾンガスを透過させるためには、微細な孔を形成するような穿孔加工が必要となる。このような微細孔加工技術としては鉱物結晶を利用した物理的な穿孔方法や化学的穿孔加工等、種々の手段が採用可能である。なお、フィルム材を構成するための材質は、微細孔加工ができてかつ短時間にオゾンに侵されない等の条件を満たせば上記のものに限定されることはない。
図5に上記オゾン放出体の製造方法の大きな流れを示すフローチャートを示しており、図示するように、本実施形態におけるオゾン放出体は、オゾン発生工程S1→容器成形工程S2→オゾン封入工程S3の工程を経て製造される。
すなわち、オゾンガスを発生させるオゾン発生工程S1と、穿孔加工された透過孔フィルム材を容器状に成形すると共に少なくとも1個以上のセルを形成する容器成形工程S2と、オゾン発生工程S1にて発生させたオゾンガスを容器成形工程にて成形したフィルム容器中に封入するオゾン封入工程S3と、を有している。
なお、後述するが、容器成形工程S2において、フィルム材に微細な透過孔を穿設する穿孔工程を経た後、容器成形工程を実施するようにする事もできる。
ここで、図6は、上記各製造工程を実施してオゾン放出体を製造するオゾン放出体製造装置100の全体図を示している。
図6に示すように、オゾン放出体製造装置100は、オゾン発生器であるオゾナイザー40と、フィルム材を容器状に成形する成形器である容器製造装置41と、を備えており、これらオゾナイザー40と容器製造装置41とをオゾン導管42で接続している。このオゾン導管42は、オゾナイザー40にて発生させたオゾンガスを容器製造装置41にて製造したフィルム容器中に封入するためのオゾン封入ノズル43を備えており、封入器として機能する。
オゾナイザー40は、コンプレッサー44と窒素分離装置45と無声放電式オゾン発生装置46とを備えており、またこのオゾナイザー40には、空気導管47を介して空気冷却装置48を接続している。この空気冷却装置48は、オゾンを高濃度で発生させるために原料の空気Oを冷却するものである。
すなわち、空気冷却装置48及びオゾナイザー40にてオゾン発生工程S1を実施し、容器製造装置41にて容器成形工程S2を実施し、さらにオゾン導管42にてオゾン封入工程S3を実施するのである。
オゾン発生工程S1において、空気冷却装置48にて冷却された空気は、空気導管47を介してコンプレッサー44へ送入され、コンプレッサー44にて圧縮処理された後、窒素分離装置45へ送入される。窒素分離装置45において、送入された空気から窒素を分離し、窒素を分離させた略純酸素を無声放電式オゾン発生装置46へ送入する。この際分離した窒素Nは排気管49から排出される。そして無声放電式オゾン発生装置46は送入された純酸素からオゾンガスを発生させて、このオゾンガスを、オゾン導管42を介して容器製造装置41へ送入するのである。
なお、オゾンを高い濃度で発生させるためには原料の空気を冷却した方が良く、空気冷却装置48はこのように高濃度のオゾンガスを生成するために設置する装置である。従って高濃度のオゾンガスを必要としない場合は必ずしも設置する必要はない。
この空気冷却装置48にて、原料となる空気は5℃程度まで冷却することが望ましい。また、オゾンを効率よく発生させるために、原料空気は、コンプレッサー44にて0.3Mpa〜0.5Mpa程度に圧縮することが好ましい。
ここで、本オゾン放出体の製造装置100は、容器製造装置41及びオゾン封入器において、生成したオゾンガスを迅速にフィルム容器中へ封入することができてオゾンガスの漏洩を効果的に防止することができる構成を採用している。すなわち、容器製造装置41においては、原料とする透過孔フィルム材50をロール状に設置し、この透過孔フィルム材50から平面シート状にフィルムを引き出して、これを引き出した方向へ二つ折りにすると共に開放されている3辺をシールする構成とし、オゾン封入器は、この3辺のうち1辺をシールする前にオゾンを封入する構成としている。この封入時にオゾンが漏洩してしまう危険性が高いが、本実施形態に係るオゾン放出体の製造装置は、オゾン封入器におけるオゾン封入ノズル43において、この封入時にオゾンが大気中に漏洩することを効果的に防止することができる構成を採用しているのである。以下にこの詳細を記す。
オゾナイザー40からオゾン導管42にて送出されたオゾンは容器製造装置41へ送られる。ここで、図7〜図9は、容器製造装置41において透過孔フィルム材50を容器状に成形するとともにこのフィルム容器中にオゾンを封入する工程を示す説明図であって、図7は容器製造装置41の一部平面図、図8は同容器製造装置41の一部側面図、図9は同容器製造装置41の一部正面図をそれぞれ示している。図7〜図9に示すように、容器製造装置41において、微細孔加工されてロール状に備えられた透過孔フィルム材50は、ガイドローラー51を経て弧状ローラー52に送られると共にこの弧状ローラー52から約90度曲げられ、さらにガイドローラー53、54に沿うように送られることで進行方向に直角に2つに折られ、袋形状の基をなす形状に形成される。シールローラー55は、透過孔フィルム材50を縦方向にシールする縦シールローラー、またシールローラー56は、同フィルム材50を横方向においてシールする横シールローラー、ローラー57は、同フィルム材にミシン目を入れ、さらにこのフィルム材50を適当な位置でカットするローラーとして、それぞれ機能する。またシールローラー55、56は、フィルム材50を適当な位置でシールすることで所望の個数のセルを形成する機能を有する。
透過孔フィルム材50は、ガイドローラー53,54にて折られた部分を中心として対向する2面が少しずつ近接する方向へ寄せられ、シールローラー55、56にて縦方向及び横方向にシールされるが、このシール処理が終了する前にオゾンガスを注入しなければならない。オゾンが液体である場合上から注入すれば重力によってこぼれることはないが、この場合ガス体であるため、オゾン封入ノズル43を断面円形状のものとした場合、このオゾン封入ノズル43を対向する2面のフィルム材内に挿入したときオゾン封入ノズル43の両端に間隙が生じることが避けられず、この間隙からオゾンが漏れ出る危険性が高い。オゾンが漏れてしまった場合、オゾンの強い酸化力によって電子回路などを腐食させて製造装置を故障させてしまうおそれがあるため、オゾン漏洩は可及的に低減させなければならない。
本実施形態においては、オゾン導管42の端部に設けられオゾンをフィルム容器中に封入するためのオゾン封入ノズル43の先端部を、端部を鋭角に尖らせた平坦な形状に構成して、オゾン封入ノズル43を容器口に挿入したときに生じる間隙を可及的に少なくすることでオゾン封入時にオゾンが漏洩することを可及的に低減して、電子回路等が腐食・故障することを防止している。
オゾン放出体製造装置100においてオゾンが漏れやすい部分であるオゾン封入器のオゾン封入ノズル43部分、すなわち図8における囲い線部59の拡大説明図を図5に示しており、図10はその平面図、図11は同正面図である。図10、11に示すように、オゾン封入ノズル43は、オゾン導管42先端部に取り付けられ、オゾン導管42から送られてくるオゾンガスをフィルム内まで導くための特殊な形をしたノズルである。このオゾン封入ノズル43の先端部分の形状は、2つに折られながら進む透過孔フィルム材50の内面に沿うような形状、すなわちその端部を断面視で両端が鋭角に尖った平坦な形状として、透過孔フィルム材50内部にオゾン封入ノズル43を挿入することにより形成される間隙を可及的に小さくしてオゾンの漏れを可及的に低減している。このノズル先端の形状は、フィルム材内面に沿うような形状であれば良く、他にも断面長楕円形状や円弧を略対称に対向させたアーモンド形状等として構成することができる。
また図11に示すように、このオゾン封入ノズル43の両側に沿って透過孔フィルム材50は連続的に送られるが単に透過孔フィルム材50がオゾン封入ノズル43の両側を沿うだけでなく、オゾン封入ノズル43及び透過孔フィルム材50の外側にロール形状か円弧状のガイド板60を併設すると透過孔フィルム材50は、ガイド板60とオゾン封入ノズル43とに挟まれることでオゾン封入ノズル43に密着してオゾン封入ノズル43との間に生じる隙間が低減されるのでオゾン漏洩を最小とすることができる。さらにオゾン封入ノズル43とガイド板60はオゾンに侵されず、滑り性の良いテフロン(登録商標)材質などが好ましい。
ガイド板60は、バネ73によって適宜両側から押圧可能な構成として、さらにオゾン封入ノズル43と透過孔フィルム材50との密着性を高めてオゾン漏洩を防止している。またオゾン封入ノズル43上部に備えられたロールヒーター69により、2つに折られた透過孔フィルム材50の開放された端部が連続してシールされる。このようにオゾンガスを注入され密封されたフィルム容器はオゾンが充満して膨らんだ状態でシールローラー71に送られ、三方をシールされてオゾン放出体1が完成され、緩衝材として効果的に利用可能なオゾン放出体1を得ることができる。
なお、オゾン放出体の製造装置100において、フィルム材に微細な透過孔を穿孔するための穿孔器70を備えることとしても良い。図12は、この穿孔器70を示す説明図であって、図12に示すように、穿孔器70は、原料材であるフィルム材50はロール状に設置して、このロールから引き出したフィルム材50を、テンションローラー66を通過させた後ポーラスローラー63へ送る。図13は、図12のポーラスローラー63の表面部分Xを拡大した説明図であって、図13に示すように、ポーラスローラー63は、その表面にミクロンレベルの微小な針状結晶68を備えており、フィルム材50は、このポーラスローラー63に送られたとき、上方に備えられた押圧ローラー64によってポーラスローラー63へ押圧されることでその表面に微細な透過孔を穿設される。そしてこのように透過孔が穿設された後、テンションローラー62を経て透過孔フィルム材61としてロール状に巻き取られるようにした構成である。押圧ローラー64は、ネジ65によって進退調節され、その進退度合いにより押圧力を調整できるようにしている。
また、図4に示すようなシート状のオゾン放出体1d、及びさらに大きなサイズ、容量のオゾン放出体を製造する場合、シールローラー55,56等を並設して、複数列のセルを形成可能としたオゾン放出体製造装置100’とすることも考えられる。この場合、図7〜11に示す各ローラー51〜57を所望のシート幅に適合するような広幅に設置して、さらに適当な数のセルを形成するために縦シール及び横シールローラー55、56を適当個数設け、またさらにオゾン導管42を複数個設けることで対応することができる。
なお、オゾン放出体を構成するフィルム容器の形状は、オゾンが封入可能であって被殺菌物と共に梱包可能である形状であれば良く、例えば袋状、箱状、帯状、球形状、又これらを連結したような形状等に形成することができ、いずれかに限定されることはない。
また、上述したオゾン放出体の製造装置に関して、上記実施形態に限られることなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
以下、オゾン放出体の製造方法、及びこの製造装置により得られたオゾン放出体の一例である実施例について以下に説明する。
ポリプロピレン40ミクロンにポリエステル12ミクロンを積層してなるフィルム材に略15ミクロンの透過孔が約30個/cmの分布密度で穿孔加工された透過孔フィルム材を、オゾン放出体製造装置の容器製造装置にて容器状に成形し、この成形したフィルム容器中に、オゾン発生器にて発生させた濃度約7000ppmのオゾンガスを50cc、オゾン封入器により封入・密封してオゾン放出体を形成する。なお、本実施例では図14、図15に示すように1個のセルを有するオゾン放出体Aを形成している。
ここで、殺菌・消毒に用いるための実用的なオゾンの濃度はおよそ0.5ppm以上であれば十分であることが分かっている。また試験の結果5〜15ミクロン程度の孔であると透過孔から適量にオゾンが放出され、この放出を長時間効果的に持続可能であることを、オゾン放出体Aを用いた以下の実験によって確認した。
図14、15は、オゾン放出体Aを密閉容器内に配置して、経過時間と容器内のオゾン濃度との関係を測定する試験の実施形態を示した説明図である。この試験は、 図14、15に示すように、オゾン放出体Aを、容積比が約10倍である容積500ccのガラス瓶32内に配置し、経過時間とガラス瓶32内のオゾン濃度をオゾンガス検出器31にて測定して、時間の経過に伴うオゾン濃度の推移を試験したものである。
オゾンガス検出器31にて一定時間経過後のガラス瓶32内のオゾン濃度を測定した結果を図16に示している。図16では横軸が経過時間、縦軸がオゾン濃度を示している。図16中のA線は上記のオゾン放出体Aを試験体としてオゾン濃度推移を示したものであり、2時間後に43ppm、30時間後に4ppmを測定した。
同様に、B線ではオゾン放出体Aと同一素材、同一形状のフィルム容器で、透過孔の大きさが約10ミクロン、分布孔密度は同様の約30個/cmであるフィルム容器中に、濃度約7000ppmのオゾンガスを50cc封入してなるオゾン放出体Bを試験体として試験したものである。図16に示すように、試験開始1時間後にはオゾン放出体Aよりも高いオゾン濃度を測定したが、全体的にオゾン放出体Aよりも低い濃度で推移し、オゾン濃度は25時間検知された。
同じくC線では、オゾン放出体Aと同一素材、同一形状のフィルム容器で径約6ミクロンの透過孔が加工され、分布孔密度は約80個/cm2であるフィルム容器中に、濃度約7000ppmのオゾンガスを50cc封入してなるオゾン放出体Cを試験体に試験した。このオゾン放出体Cではオゾンは透過しにくく、オゾン濃度は6時間検知されたが最高濃度は10ppmであった。
またD線も同様に、オゾン放出体Aと同一素材のフィルム材により同一形状に形成したフィルム容器からなるオゾン放出体Dにおいて試験を行った測定結果を示している。このオゾン放出体Dは、微細孔加工により、孔径約3ミクロンの透過孔が分布孔密度は50個/cm2にて穿設され、この袋に約7000ppmのオゾンガスを50cc封入してオゾン放出体Dとなしたものである。測定結果は、1時間後に7ppmを示したがその後濃度が低下して4時間後にゼロとなった。この孔径では孔数を増加しても良好な放出は得られなかった。
透過孔は、各オゾン放出体A〜Dの表面の全面または一部に穿孔されているが、この透過孔が大きくなれば放出されるオゾンガスの量は多く、その放出速度も速くしかも設置容器内におけるオゾンガスの保持時間を持続させることができ、非常に効果的に作用することが分かった。これに対して、透過孔が小さければ透過量、透過速度も減少し、さらに設置容器内におけるオゾンガスの保持時間も短縮されることが分かる。即ち、孔の大小と分布密度を調節することでオゾンガスの放出速度、保持時間等を調整することができる。なお、オゾンの性質上低温で保存すればより長時間保存することができる。
ここで、オゾン濃度が5000ppm程度であるオゾンガスをフィルム容器中に封入して形成したオゾン放出体を5℃にて保管した場合、オゾンガスが分解されて濃度1ppmとなるまで24時間以上を要した。このように5000〜10000ppmの高濃度のオゾンをフィルム容器中に封入してオゾン放出体となし、このオゾン放出体を、その容量の約10倍の容量の容器に入れると、この容器中のオゾン濃度を50〜1ppmに長時間保持できることが確認された。ただし食品の種類により食品の酸化等が発生する悪影響を考慮すれば、オゾンの濃度は1ppm〜100ppm程度が好ましいと考えられる。
また、図17は、発泡スチロール容器7にオゾン放出体A、氷8、魚10を入れて行ったオゾン放出体Aによる殺菌・脱臭試験の実施形態を示しており、図17に示すように、試験体であるオゾン放出体Aと発泡スチロール容器7との容積比は約10倍にし、オゾン放出体Aは発泡スチロール容器7壁面に固定して、このオゾン放出体Aを配置した発泡スチロール容器7内の魚10と、同様の条件でオゾン放出体Aを配置しなかった発泡スチロール容器内の魚とを、48時間後の鮮度状態について比較した結果、魚の表面に繁殖する菌の数は、オゾン放出体Aを配置していた条件の魚10において、3.4x10個から4.2x10 と約1/8に低下し、魚特有の臭いも減少した。
オゾン放出体の容積の10倍の容積を有する容器内で適当なオゾン濃度を保つには、透過孔の孔径は5〜20ミクロン、分布密度は10〜50個/cmの範囲で適宜調整すれば良い事が分かった。さらに、気相オゾンは湿度と温度が高いほど酸化力が強くなり殺菌効果が強くなることが分かっている。但し、温度・湿度が高いほど効果が高いというわけではなく上限はあり、200℃においては瞬時に分解する。
また、ここで、オゾン放出体にて殺菌を行う被殺菌物として、加湿が可能な野菜を用い、経過時間に伴う存在菌数を測定する殺菌試験を行った。この試験結果を表1に示している。
殺菌試験対象物はカットしたキャベツ、ナスで、オゾン放出体E〜Gはそれぞれ穿孔加工なしのもの、孔径約8ミクロンのもの、孔径約15ミクロンのものを用意し、それぞれ孔分布密度が約30個/cmの透過孔フィルム材にて形成したフィルム容器中に7000ppmのオゾンを封入したものを用いた。キャベツには表面に少し水をスプレーしたものを用い、5℃の保存条件にて菌数測定試験を行った。結果は試験開始24時間後で菌数が3桁減少し、極めて好結果が確認された。ナスの場合でも表1に示すとおり顕著に菌は減少し、特に孔径が約15ミクロンであるオゾン放出体Gにおいて非常に高い効果が見られており、このようなオゾン放出体が野菜類の殺菌において非常に効果的であることを示している。
Figure 0004230526
また、次に、フィルム材の原料を異ならせて形成したオゾン放出体を用い、そのオゾン透過度を測定する試験を行った。この試験の測定対象として、ポリプロピレンとナイロンを積層して形成したフィルム材に、微細孔加工にて孔径約15ミクロンの透過孔を分布孔密度30個/cmで穿孔してなるフィルム容器中に、約5000ppmの高濃度オゾンを50cc封入して形成されたオゾン放出体Hを用いた。
このオゾン放出体Hを、その10倍の容積である500ccの密閉容器内に入れて容器内のオゾン濃度推移を測定した。なお測定方法は、図14、15に示すものと同様の形態にて行った。
この測定の結果、密封容器内のオゾン濃度は2時間後に10ppmを示し、6時間後にはゼロとなった。結果としてナイロン素材では透過孔の穿孔後に温度や湿度の影響を受けてしまい、ナイロンが膨潤して透過孔の径を縮小させることとなってオゾン透過量が著しく減少させてしまうことが分かった。このように、フィルムの材質によっては微細孔加工を施してもオゾン透過度が変化し予測数値とならない物もあることが分かった。
なお、本発明に係るオゾン放出体のようにフィルム容器中から容器外へ気体を放出させる場合、通常は容器内気圧が大気圧以上でなければ放出されないと考えるが、以下の試験によれば、オゾンを大気圧と略同等の圧力でフィルム容器中に収納した場合、すなわち外部と圧力差が無い場合でも自然に気体が外部へ拡散混合することを確認した。試験方法として、図14、15に示すものと同様の試験を行った。すなわち、密閉されたガラス瓶32内へ、フィルム容器の総容積の30%程までオゾンを常圧封入してなるオゾン放出体Iを配置し、所定時間経過後、ガラス瓶32内の気体をオゾンガス検出器31で吸引してガラス瓶32内部におけるオゾン濃度を測定した。その結果オゾンガスが検知され、フィルム容器中が略常圧でもオゾンはフィルム容器外へ放出されることが認められた。またフィルム容器内のオゾンは外部の空気と置換して混合されるため、試験後にオゾン放出体のフィルム容器の容積減少は確認されなかった。ガラス瓶32内の酸素濃度は40%程度に上昇した。
本オゾン放出体を使用する際は、生鮮食品等殺菌・消毒する非殺菌物と一緒に配置するだけでよいが、特に密閉状態に近い容器内やスチロール箱内等で使用すると、さらに大気に拡散しにくく容器内にオゾンを充満させることができて、被殺菌物の鮮度を長時間維持することが可能となる。また本発明ではオゾン水やオゾン氷の様に2次的な媒体中に封入することなく、オゾンガスを直接容器に入れて密封するのでオゾン放出体の製造段階で高濃度なオゾンガスを封入することができ、さらに殺菌効果を向上させることができる利点がある。
なお、上記の実施形態、実施例において本オゾン放出体により殺菌する被殺菌物として食品を例示してきたが、食品に限られずその他殺菌を必要とするものに対して幅広く使用することができ、例えば医療器具の殺菌等にも効果的に用いることができる。
以上、本発明を実施形態及び実施例を通して説明したが、本発明によれば、殺菌・消毒効果を長時間持続させることができ、しかも携帯が容易であるオゾン放出体を提供することができる。また、これらのオゾン放出体を緩衝材として効果的に利用して、被殺菌物を衝撃から保護すると共に効果的に殺菌することを可能としている。
本発明に係るオゾン放出体は、生鮮食料品等の食品や医療器具等の殺菌を必要とするものを輸送する際にこれらの被殺菌物と共に容器に収容することで、効果的な殺菌作用を発揮する緩衝材として利用することができるし、またセル単位の小さなオゾン放出体を各々密封パックすれば、携帯先でパック開封すれば直ちに消毒可能である携帯性の高い効果的なオゾン放出体として利用することができる。
オゾンガス不透過性のフィルム材により容器状に形成した容器にオゾンガスを封入して形成したオゾン放出体であって、前記フィルム材には、オゾンガスの分子を透過可能である微細な透過孔を複数個設けたことを特徴とした。

Claims (7)

  1. オゾンガス不透過性のフイルム材により形成したフイルム容器にオゾンガスを大気圧と同じ圧力で封入して形成したオゾン放出体であって、
    前記フィルム材にはオゾンガスの分子を透過可能である孔径5〜20μmの透過孔を1cm2当たり10〜50個の範囲で設け、しかも、前記フィルム容器は複数のセルに分けて、前記フィルム容器内のオゾンガスを分割して収納可能としたことを特徴とするオゾン放出体。
  2. 請求項1記載のオゾン放出体において、前記各セルの容積は1〜50ccの範囲にあることを特徴とするオゾン放出体。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載のオゾン放出体において、前記フィルム材の厚みは、10〜100μmであることを特徴とするオゾン放出体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオゾン放出体において、オゾンガスの濃度は1000〜10000ppmの範囲であることを特徴とするオゾン放出体。
  5. 請求項1記載のオゾン放出体において、前記各セルはオゾンガス不透過性のプラスチック素材からなる片面凸状部を有し、該セルの裏面側にオゾン透過素材を有して構成されることを特徴とするオゾン放出体。
  6. 請求項1記載のオゾン放出体において、前記セルはミシン目を有して分離可能となっていることを特徴とするオゾン放出体。
  7. オゾンガスを発生させるオゾン発生工程と、
    フィルム材に孔径5〜20μmの透過孔を1cm2当たり10〜50個の範囲で形成する透過孔形成工程と、
    前記透過孔形成工程で形成した透過孔フィルム材を、容器状に成形すると共に、適当な位置でシールすることで所望の個数のセルを形成する容器成形工程と、
    前記オゾン発生工程で発生させたオゾンガスを、前記容器成形工程にて形成した前記セルの内部に大気圧の圧力と同じ圧力で封入するオゾン封入工程と、
    を有することを特徴とするオゾン放出体の製造方法。
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