JP4229310B2 - 置換ベンジルピペリジン誘導体およびこれを含有する殺虫剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、殺虫剤、殺ダニ剤または殺線虫剤として有用な新規な置換ベンジルピペリジン誘導体およびこの誘導体を活性成分として含有することを特徴とする殺虫剤、殺ダニ剤または殺線虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の一般式(I)で表わされる置換ベンジルピペリジン誘導体に類似の化合物としては次のものが公知である。
【0003】
(1)米国特許第5569664号明細書には、下記の一般式(A)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化2】
(式中、nは1〜3の整数を示し、R1、R2は置換されてもよいフェニル基を示し、R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基などを示す。)
しかしながら、米国特許第5569664号明細書には、一般式(A)におけるR3がジアルコキシアルコキシ基である化合物は記載されていない。
【0004】
(2)米国特許第5639763号明細書には、下記の一般式(B)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化3】
(式中、nは1〜3の整数を示し、R1、R2は置換されてもよいフェニル基を示し、WおよびXは一緒になって−OCH2CH2O−、−CH2C(CH3)2O−などを示す。)
しかしながら、米国特許第5639763号明細書には、一般式(B)におけるXがジアルコキシアルコキシ基である化合物は記載されていない。
【0005】
(3)特表平9−505080号公報には、下記の一般式(C)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化4】
(式中、nは1〜3の整数を示し、R1、R2はハロアルキル基またはハロアルコキシ基によって置換されたフェニル基を示し、R3は水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、シクロアルキルアルコキシ基などを示す。)
しかしながら、特表平9−505080号公報には、一般式(C)におけるR3がジアルコキシアルコキシ基である化合物は記載されていない。
【0006】
(4)米国特許第6017931号明細書には、下記の一般式(D)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化5】
(式中、nは1〜3の整数を示し、R1、R2は置換されてもよいフェニル基を示し、R3はアルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシアルキル基、シクロアルキルアルコキシ基などを示す。)
しかしながら、米国特許第6017931号明細書には、一般式(D)におけるR3がジアルコキシアルコキシ基である化合物は記載されていない。
【0007】
(5)特表平11−509524号公報には、下記の一般式(E)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化6】
(式中、nは1〜3の整数を示し、R1、R2はハロアルキル基またはハロアルコキシ基によって置換されたフェニル基またはピリジル基を示し、R3は任意に置換されてもよい5員または6員の複素環などを示す。)
【0008】
(6)国際特許公開WO99/14193号公報には、下記の一般式(F)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化7】
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基などを示し、R1は水素原子、アルキル基、ハロアルキル基などを示し、Xは酸素原子、NR2を示し、nは0または1を示し、Zはハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基などを示す。)
【0009】
(7)特開平12−178272号公報には、下記の一般式(G)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化8】
(式中、R1はハロゲン原子、C1−4ハロアルキル基、C1−4ハロアルコキシ基などを示し、R2は水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基などを示し、R3はハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基などを示し、Zは酸素原子、基−S(O)p−(pは0〜2)などを示し、mは0〜2の整数を示し、nは0または1を示す。)
【0010】
(8)特開昭62−169763号公報には、下記の一般式(H)で示される化合物が心血管拡張などの活性、抗ヒスタミン活性および胃液などの分泌抑制活性作用を有すると記載されている。
【化9】
(式中、pは0, 1, 2を示し、zは0または1を示し、Aは水素原子、
【化10】
を示し、mは0〜6を示し、Qは=CH−、−CH2−、−CH(OH)−を示し、dおよびnは0または1を示し、Ar,DおよびRは
【化11】
ピリジン、チオフェンなどを示し、X,YおよびZは水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、
【化12】
などを示し、Bは酸素原子、硫黄原子
【化13】
を示し、R1は水素原子、低級アルキル基、フェニル基およびフェニル低級アルキル基を示し、R2は低級アルキル基、フェニル基およびフェニル低級アルキル基を示す。)しかしながら、特開昭62−169763号公報には、殺虫活性についての記載はなく、また前記のR1がジアルコキシアルキル基である化合物は記載されていない。
【0011】
(9)英国特許公開第2319524号公報には、下記の一般式(K)で示される化合物が殺虫活性を有すると記載されている。
【化14】
(式中、Aは−CH2CH2−などを示し、Ar1, Ar2は置換されてもよいフェニル基などを示し、Rは置換されてもよいアラルキル基などを示す。)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来公知の上記ピペリジン化合物に比較して優れた殺虫活性を有するピペリジン誘導体を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、薬剤抵抗性害虫に対し優れた防除効果を示す置換ベンジルピペリジン誘導体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために新規な置換ベンジルピペリジン誘導体を多数合成し、そしてそれらの殺虫活性を検討した。その結果、下記の一般式(I)で示される新規な置換ベンジルピペリジン誘導体が低薬量で優れた殺虫活性を有することを見出した。また、従来のピペリジン化合物に比較して低薬量で格段に優れた速効的な殺虫活性を有することを見出した。これらの知見に基づいて本発明は完成されるに至った。
【0015】
すなわち、本発明は、下記一般式(I)
【化15】
〔式中、2個のXは同じでも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、低級ハロアルキル基、低級ハロアルコキシ基、低級ハロアルキルチオ基、低級アルキルスルホニルオキシ基または−OCY2O−を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、R1およびR2は同じでも異なってもよく、低級アルキル基を示し、R3は水素原子、低級アルキル基,低級シクロアルキル基, 低級ハロアルキル基、低級ハロシクロアルキル基または低級アルコキシアルキル基を示し、nは1から3の整数を示す〕で表わされる置換ベンジルピペリジン誘導体、そのN−オキシド体またはその塩を提供する。
【0016】
さらに、本発明は、下記一般式(I)
【化16】
〔式中、2個のXは同じでも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、低級ハロアルキル基、低級ハロアルコキシ基、低級ハロアルキルチオ基、低級アルキルスルホニルオキシ基または−OCY2O−を示し、Yは水素原子またはハロゲン原子を示し、R1およびR2は同じでも異なってもよく、低級アルキル基を示し、R3は水素原子、低級アルキル基,低級シクロアルキル基, 低級ハロアルキル基、低級ハロシクロアルキル基、低級アルコキシアルキル基を示し、nは1から3の整数を示す〕で表わされる置換ベンジルピペリジン誘導体、そのN−オキシド体またはその塩を有効成分として含有する殺虫剤、殺ダニ剤または殺線虫剤を提供する。
【0017】
前記の一般式(I)において、X、Y、R1、R2およびR3で示される各基は、具体的には以下のものを挙げることができる。
【0018】
「低級アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、2−メチル−1−エチルプロピル基、2,2−ジメチルブチル基などのような、炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができ、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基である。
【0019】
「低級シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−メチルシクロプロピル基、2−メチルシクロペンチル基または2−メチルシクロヘキシル基などのような、炭素数1〜6個の分岐鎖を持ってもよい炭素数3〜7個のシクロアルキル基を挙げることができ、好ましくは、シクロプロピル基である。
【0020】
「ハロゲン原子」としてはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素の各原子を挙げることができる。
【0021】
「低級ハロアルキル基」としては、例えば、トリフルオロメチル基、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、1−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、3−ヨードプロピル基、1−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基、1−クロロブチル基などのような、前記の低級アルキル基にハロゲン原子であるフッ素、塩素、臭素またはヨウ素が結合した低級アルキル基を挙げることができ、好ましくは、トリフルオロメチル基である。
【0022】
「低級ハロシクロアルキル基」としては、例えば、1−ブロモシクロプロピル基、1−クロロシクロプロピル基、2−クロロシクロプロピル基、2,2−ジブロモシクロプロピル基、2,2−ジクロロシクロプロピル基、2,2−ジフルオロシクロプロピル基、1,2,2−トリクロロシクロプロピル基、3−クロロシクロブチル基、3−フルオロシクロブチル基、3,3−ジクロロシクロブチル基、3,3−ジフルオロシクロブチル基、1−フルオロシクロペンチル基、3−クロロシクロヘキシル基、4−クロロシクロヘキシル基、1−フルオロシクロヘキシル基などのような、炭素数3〜7個のシクロアルキル基を挙げることができ、好ましくは、2,2−ジクロロシクロプロピル基、2,2−ジフルオロシクロプロピル基である。
【0023】
「低級ハロアルコキシ基」としては、例えば、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ヨードメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1−フルオロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2−クロロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1−フルオロプロポキシ基、3−フルオロプロポキシ基、2−クロロプロポキシ基、3−クロロプロポキシ基、1−フルオロブトキシ基、4−フルオロブトキシ基、1−クロロブトキシ基などのような炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐状のハロアルコキシ基を挙げることができ、好ましくは、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基である。
【0024】
「低級ハロアルキルチオ基」としては、例えば、フルオロメチルチオ基、クロロメチルチオ基、ブロモメチルチオ基、ヨードメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基、1−フルオロエチルチオ基、2−フルオロエチルチオ基、2−クロロエチルチオ基、2,2,2−トリフルオロエチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、1−フルオロプロピルチオ基、3−フルオロプロピルチオ基、2−クロロプロピルチオ基、3−クロロプロピルチオ基、1−フルオロブチルチオ基、4−フルオロブチルチオ基、1−クロロブチルチオ基などのような炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐状のハロアルキルチオ基を挙げることができ、好ましくは、トリフルオロメチルチオ基、ジフルオロメチルチオ基である。
【0025】
「低級アルキルスルホニルオキシ基」としては、例えば、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n−プロピルスルホニルオキシ基、イソプロピルスルホニルオキシ基、n−ブチルスルホニルオキシ基、イソブチルスルホニルオキシ基、sec−ブチルスルホニルオキシ基、tert−ブチルスルホニルオキシ基などのような、アルキル部分が炭素数1〜4個の直鎖状又は分岐状のアルキルスルホニルオキシ基を挙げることができ、好ましくは、メチルスルホニルオキシ基である。
【0026】
「低級アルコキシアルキル基」としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、n−ペンチルオキシメチル基、イソペンチルオキシメチル基、n−ヘキシルオキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、イソブトキシエチル基、sec−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、n−プロポキシプロピル基、イソプロポキシプロピル基、n−ブトキシプロピル基などのような、アルコキシ部分が炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐状のアルコキシアルキル基を挙げることができ、好ましくは、メトキシメチル基、エトキシメチル基である。
【0027】
次に、本発明による一般式(I)に含まれる化合物の具体例として、以下の表1〜表2に示された化合物を挙げることができる。ただし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明による一般式(I)の置換ベンジルピペリジン誘導体の製造法について詳しく説明する。
【0031】
本発明による一般式(I)の置換ベンジルピペリジン誘導体は、例えば、下記の反応工程(A)の方法で製造できる。
【化17】
(式中、R1、R2、R3、Xおよびnは前記と同じ意味を示し、Zはハロゲン原子を示す。)
【0032】
すなわち、反応工程(A)において、式(II)で示されるベンジルハライドと式(III)で示されるピペリジン化合物またはその塩とを、必要に応じて溶媒および塩基の存在下で反応させることにより、本発明の一般式(I)で示される置換ベンジルピペリジン誘導体を製造することができる。
【0033】
本反応において、式(III)で示されるピペリジン化合物またはその塩と式(II)で示されるベンジルハライドとの使用割合は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常は等モル比またはベンジルハライドを1〜2倍程度過剰な量とすればよい。
【0034】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
【0035】
本反応において、必ずしも塩基を必要としないが、塩基の存在下に実施してもよい。用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。上記の塩基の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0036】
なお、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0037】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0038】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0039】
反応工程(A)で得られた式(I)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(I)の化合物は、必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0040】
反応工程(A)において、原料として用いられる式(III)で示されるピペリジン化合物またはその塩は、公知の化合物であり、例えば、米国特許第5569664号明細書、特表平11−509524号公報などに記載の方法に従って容易に合成できる。さらに、その具体的製造例を後記の参考製造例8および9に示した。
【0041】
反応工程(A)において、式(II)で示されるベンジルハライドは、例えば、後記の反応工程(D)の方法により製造できる。
【0042】
本発明による一般式(I)の置換ベンジルピペリジン誘導体は、また、例えば、下記の反応工程(B)の方法によっても製造できる。
【0043】
反応工程(B)
【化18】
(式中、R1、R2、R3、Xおよびnは前記と同じ意味を示し、R4は低級アルキル基を示し、Z1はハロゲン原子を示す。)
【0044】
すなわち、反応工程(B)において、式(IV)で示されるエステル化合物と式(V)で示されるハロベンゼン化合物とを、金属マグネシウム存在下、必要に応じて溶媒および触媒の存在下で、反応させることにより本発明の一般式(I)で示される置換ベンジルピペリジン誘導体を製造することができる。
【0045】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエンまたはキシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランである。
【0046】
本反応において、必ずしも触媒を必要としないが、触媒の存在下に実施してもよい。用いられる触媒としては、例えば、ブロモメタン、ブロモエタン、ブロモプロパン、1,2−ジブロモエタンまたは1,3−ジブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類、ヨウ素などのハロゲン化合物などを使用することができる。好ましくは、ブロモエタンまたはヨウ素である。本反応において、触媒の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(V)で示されるハロベンゼン化合物に対し通常化学量論量の0.0001倍量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量の0.001〜1倍程度の過剰な量とすればよい。
【0047】
本反応において、式(V)で示されるハロベンゼン化合物および金属マグネシウムの使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、式(IV)で示されるエステル化合物に対し通常化学量論量の2倍量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量の2〜5倍程度の過剰な量とすればよい。
【0048】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0049】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0050】
反応工程(B)で得られた式(I)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水または塩化アンモニウム水溶液などを加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(I)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0051】
反応工程(B)で用いられる式(IV)で示されるエステル化合物は、例えば、後記の反応工程(E)の方法により製造できる。
【0052】
反応工程(B)で用いられる式(V)で示されるハロベンゼン化合物は、有機化学の分野ではよく知られた化合物であり、例えば、シグマアルドリッチジャパン株式会社より試薬として入手できる。
【0053】
本発明による一般式(Ia)の置換ベンジルピペリジン誘導体N−オキシド体および一般式(Ib)の置換ベンジルピペリジン誘導体塩は、例えば、下記の反応工程(C)の方法で製造できる。
【0054】
反応工程(C)
【化19】
(式中、R1、R2、R3、Xおよびnは前記と同じ意味を示し、H−Aは付加体を示す。)
【0055】
すなわち、反応工程(C)において、式(I)で示される置換ベンジルピペリジン誘導体と酸化剤とを溶媒および必要に応じて触媒の存在下で反応させることにより、本発明の一般式(Ia)で示される置換ベンジルピペリジン誘導体N−オキシド体を製造することができる。
【0056】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、クロロホルムまたは塩化メチレンである。
【0057】
本反応において用いられる酸化剤としては、例えば、m−クロロ過安息香酸、過酸化水素、過よう素酸ナトリウム、次亜塩素酸tert−ブチルまたは次亜塩素酸ナトリウムなどが使用でき、好ましくは、m−クロロ過安息香酸である。
【0058】
上記の酸化剤の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜3倍程度過剰な量とすればよい。
【0059】
必要に応じて使用できる触媒としては、例えば、タングステン酸ナトリウムまたはモリブデン酸アンモニウムなどである。
【0060】
触媒の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量の0.0001倍量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量の0.01〜1倍量程度とすればよい。
【0061】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、−10℃〜100℃である。
【0062】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常10分〜24時間で反応が完結する。
【0063】
反応工程(C)で得られた一般式(Ia)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた一般式(Ia)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0064】
また、反応工程(C)において、式(I)で示される置換ベンジルピペリジン誘導体とH−Aで示される付加体とを必要に応じて溶媒存在下で反応させることにより、本発明の式(Ib)で示される置換ベンジルピペリジン誘導体塩を製造することができる。
【0065】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、ジエチルエーテル、ヘキサン、トルエン、アセトン、テトラヒドロフランまたはエタノールなどである。
【0066】
H−Aで示される化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸類、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、フマール酸、マレイン酸、フタル酸、サリチル酸、D−グルクロン酸などの有機酸類、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸類、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどのアルコール類および水などを使用することができる。好ましくは、塩酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタノール、水、などである。
【0067】
上記のH−Aの使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜3倍程度過剰な量とすればよい。また、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0068】
本反応において反応温度は、−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、−10℃〜100℃である。
【0069】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常10分〜24時間で反応が完結する。
【0070】
反応工程(C)で得られた一般式(Ib)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、析出結晶をろ過操作により結晶を単離するかまたは反応溶媒を留去することにより得られる。得られた一般式(Ib)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0071】
反応工程(A)で使用される式(II)で示されるベンジルハライドは、例えば、下記の反応工程(D)の方法で製造できる。
【0072】
反応工程(D)
【化20】
(式中、R1=R2、R3およびnは前記と同じ意味を示し、Z、Z2はハロゲン原子を示す。)
【0073】
すなわち、反応工程(D)において、式(VI)で示されるエーテル化合物とオルトギ酸エステル化合物またはアルコール化合物を必要に応じて酸触媒および溶媒の存在下で反応させることにより、式(VII)で示されるジアルコキシ化合物を製造することができる。
【0074】
また、式(VIII)で示されるハロゲン化合物とp−クレゾールを必要に応じて塩基、触媒および溶媒の存在下で、反応させることにより式(VII)で示されるジアルコキシ化合物を製造することができる。
【0075】
次いで、式(VII)で示されるジアルコキシ化合物とハロゲン化剤を必要に応じて触媒および溶媒の存在下で、反応させることにより式(II)で示されるベンジルハライド化合物を製造することができる。
【0076】
式(VI)で示される化合物から式(VII)で示される化合物を製造する反応工程において、用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、またはジメチルスルホキシドなどを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、トルエン、キシレン、メタノール、エタノールまたはジクロロメタンなどである。
【0077】
式(VI)で示される化合物から式(VII)で示される化合物を製造する反応工程において、用いられるオルトギ酸エステル化合物としては、例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルトギ酸プロピルまたはオルトギ酸ブチルなどである。
【0078】
オルトギ酸エステル化合物の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0079】
式(VI)で示される化合物から式(VII)で示される化合物を製造する反応工程において、用いられるアルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノールまたはtert−ブタノールなどであり、好ましくはメタノールまたはエタノールなどである。
【0080】
アルコール化合物の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。また、アルコール化合物を大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0081】
式(VI)で示される化合物から式(VII)で示される化合物を製造する反応工程において、用いられる酸触媒としてはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはメタンスルホン酸などのスルホン酸類、塩酸または硫酸などの無機酸類などであり、好ましくはp−トルエンスルホン酸または塩酸などである。
【0082】
本反応において、用いられる酸触媒の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量の0.0001〜10倍量とすればよく、好ましくは化学量論量の0.001〜2倍量程度とすればよい。
【0083】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0084】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0085】
このようにして得られた式(VII)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(VII)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0086】
式(VI)で示される化合物は、公知化合物であり、公知の方法により製造することができる。例えば、ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサイエテイ シー(Journal of the Chemical Society C )第11号 第1311頁〜第1316頁(1968年)、ジャーナル オブ ジアメリカン ケミカル ソサイエテイ(Journal of the American Chemical Society )第70巻 第226頁(1948年)、ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサイエテイ パーキン トランザクションズ 1(Journal of the Chemical Society Perkin Transactions 1)、第20号 第2328頁〜第2332頁(1977年)、特開昭60−123431号公報に記載の方法に従って容易に製造できる。
【0087】
式(VIII)で示される化合物から式(VII)で示される化合物を製造する反応工程において、式(VIII)で示される化合物とp−クレゾールとの使用割合は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常は等モル比とすればよい。
【0088】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
【0089】
本反応において、必ずしも塩基を必要としないが、塩基の存在下に実施してもよい。用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。上記の塩基の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0090】
なお、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0091】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0092】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0093】
得られた式(VII)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(VII)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0094】
本反応で用いられる、式(VIII)で示される化合物は公知化合物であり、公知の方法により製造することができる。例えば、テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)、第40号、第4055頁〜第4058頁(1972年)、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry)、第44巻、第3号、第364頁〜第368頁(1979年)、オーガニック プレパレーションズ アンド プロセデュアーズ インターナショナル(Organic Preparations and Procedures International)、第7巻、第1号、第23頁〜第26頁(1975年)に記載の方法にしたがって容易に製造できる。また、例えばシグマアルドリッチジャパン株式会社により試薬として入手できる。p−クレゾールは、有機化学の分野ではよく知られた化合物であり、例えば、東京化成工業株式会社より試薬として入手できる。
【0095】
式(II)で示されるベンジルハライド化合物を製造する反応工程において、用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、またはジメチルスルホキシドなどを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、四塩化炭素である。
【0096】
本反応に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、N−クロロコハク酸イミドまたはN−ブロモコハク酸イミドなどのイミド類、塩素または臭素などのハロゲン化合物などである。
【0097】
上記のハロゲン化剤の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜3倍程度過剰な量とすればよい。
【0098】
本反応に用いられる触媒としては、例えば、ハロゲン化剤としてイミド類を使用した場合、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)などのニトリル類または過酸化ベンゾイルなどの過酸化物などが使用できる。
【0099】
触媒の使用量としては、化学量論量の0.0001倍量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量の0.01〜1倍量程度とすればよい。
【0100】
ハロゲン化剤としてハロゲン化合物を使用した場合、光照射下で反応させることができる。
【0101】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0102】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0103】
このようにして得られた式(II)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液に四塩化炭素またはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(II)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0104】
式(II)で示されるベンジルハライドは、反応工程(D)に示したように製造できるが、さらに、その具体的製造例を後記の参考製造例10および11に示した。
【0105】
反応工程(B)で使用される式(IV)で示されるエステル化合物は、例えば、下記の反応工程(E)の方法で製造できる。
【0106】
反応工程(E)
【化21】
(式中、R1、R2、R3およびnは前記と同じ意味を示し、R4は低級アルキル基を示し、Z、Z3、Z4およびZ5はハロゲン原子を示す。)
【0107】
すなわち、反応工程(E)において、式(IX)で示されるハロゲン化合物から4段階の反応工程により式(IV)で示されるエステル化合物を製造することができる。また、反応工程(E)において、式(XIV)で示される化合物から5段階の反応工程により式(IV)で示されるエステル化合物を製造することができる。また、反応工程(E)において、式(II)で示される化合物と式(XII)で示される化合物との反応により式(IV)で示されるエステル化合物を製造することができる。
【0108】
式(IX)で示されるハロゲン化合物とp−ヒドロキシベンジルアルコールを必要に応じて塩基、触媒および溶媒の存在下で反応させることにより式(X)で示されるベンジルアルコール化合物を製造することができる。
【0109】
本反応において、式(IX)で示される化合物とp−ヒドロキシベンジルアルコールとの使用割合は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常は等モル比とすればよい。
【0110】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
【0111】
本反応において、必ずしも塩基を必要としないが、塩基の存在下に実施してもよい。用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。上記の塩基の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0112】
なお、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0113】
本発明に用いられる触媒としては、ヨウ化カリウムなどのようなアルカリ金属ヨウ素化物を使用することができる。
【0114】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0115】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0116】
得られた式(X)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(X)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0117】
本反応で用いられる、式(IX)で示される化合物およびp−ヒドロキシベンジルアルコールは、有機化学の分野ではよく知られた化合物であり、例えば、東京化成工業株式会社より試薬として入手できる。
【0118】
式(X)で示されるベンジルアルコール化合物とハロゲン化剤を必要に応じて触媒および溶媒の存在下で反応させることにより式(XI)で示されるベンジルハライド化合物を製造することができる。
【0119】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、トルエン、キシレン、クロロホルムまたはN,N−ジメチルホルムアミドである。
【0120】
本反応に用いられるハロゲン化剤としては、塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ塩化リン、ホスゲン、ダイホスゲン、トリホスゲン、シュウ酸クロライドなどを使用することができる。好ましくは、塩化チオニルである。
【0121】
本反応に用いられるハロゲン化剤の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜3倍程度過剰な量とすればよい。
【0122】
塩化チオニルまたはオキシ塩化リンなどを用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0123】
本反応に用いられる触媒としては、例えば、ピリジンなどの有機第三級アミン類などが使用できる。
【0124】
本反応において必ずしも触媒は必要とはないが、触媒の存在下に実施してもよい。その触媒の使用量としては、化学量論量の0.0001倍量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量の0.01〜1倍量程度とすればよい。
【0125】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0126】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0127】
得られた式(XI)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(XI)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0128】
式(XI)で示される化合物と式(XII)で示される化合物から、式(XIII)で示される化合物を製造する反応工程において、式(XI)で示される化合物と式(XII)で示される化合物との使用割合は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常は等モル比とすればよい。
【0129】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
【0130】
本反応において、必ずしも塩基を必要としないが、塩基の存在下に実施してもよい。用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。上記の塩基の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0131】
なお、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0132】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0133】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0134】
得られた式(XIII)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(XIII)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。本反応で用いられる、式(XII)で示される化合物は、有機化学の分野ではよく知られた化合物であり、例えば、東京化成工業株式会社より試薬として入手できる。
【0135】
式(XIII)で示される化合物とオルトギ酸エステル化合物またはアルコール化合物を必要に応じて酸触媒および溶媒の存在下で、反応させることにより式(IV)で示されるジアルコキシ化合物を製造することができる。
【0136】
式(XIII)で示される化合物から式(IV)で示される化合物を製造する反応工程において、用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、またはジメチルスルホキシドなどを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、トルエン、キシレン、メタノール、エタノールまたはジクロロメタンなどである。
【0137】
本反応において用いられるオルトギ酸エステル化合物としては、例えば、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルトギ酸プロピルまたはオルトギ酸ブチルなどである。オルトギ酸エステル化合物の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0138】
本反応において用いられるアルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノールまたはtert−ブタノールなどであり、好ましくはメタノールまたはエタノールなどである。
【0139】
アルコール化合物の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。また、アルコール化合物を大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0140】
本反応において用いられる酸触媒としてはp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはメタンスルホン酸などのスルホン酸類、塩酸または硫酸などの無機酸類などであり、好ましくはp−トルエンスルホン酸または塩酸などである。
【0141】
本反応において、用いられる酸触媒の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量の0.0001倍量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量の0.001〜2倍量程度とすればよい。
【0142】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0143】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0144】
このようにして得られた式(IV)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチル、ジエチルエーテルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(IV)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0145】
式(XIV)で示される化合物とハロゲン化剤を必要に応じて触媒および溶媒の存在下で、反応させることにより式(XV)で示される化合物を製造することができる。本反応において用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、またはジメチルスルホキシドなどを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、四塩化炭素である。
【0146】
本反応に用いられるハロゲン化剤としては、例えば、N−クロロコハク酸イミドまたはN−ブロモコハク酸イミドなどのイミド類、塩素または臭素などのハロゲン化合物などである。
【0147】
上記のハロゲン化剤の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは、通常化学量論量またはそれよりも1〜3倍程度過剰な量とすればよい。
【0148】
本反応に用いられる触媒としては、例えば、ハロゲン化剤としてイミド類を使用した場合、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)などのニトリル類または過酸化ベンゾイルなどの過酸化物などが使用できる。
【0149】
触媒の使用量としては、化学量論量の0.0001倍量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量の0.01〜1倍量程度とすればよい。
【0150】
ハロゲン化剤として塩素または臭素などのハロゲン化合物を使用した場合、光照射下で反応させることができる。
【0151】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0152】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0153】
このようにして得られた式(XV)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液に四塩化炭素またはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(XV)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0154】
本反応において用いられる式(XIV)で示される化合物は公知化合物であり、公知の方法により製造することができる。例えば、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(Journal of Organic Chemistry )第53巻 第17号 第3936頁〜第3943頁(1988年)、シンセシス(Synthesis)第244頁(1976年)、ジャーナル オブザ ケミカル ソサイエテイ パーキン トランザクションズ 1(Journal of the Chemical Society Perkin Transactions 1、第11号 第1043頁〜第1045頁(1975年)、シンセティック コミュニケーションズ (Synthetic Communications) 第5巻 第1号 第65頁〜第78頁、ケミカルアンド ファーマシューティカル ブレテン(Chemical and Pharmaceutical Bulletin) 第20巻 第1号 第15頁〜第20頁(1972年)に記載の方法にしたがって容易に製造できる。
【0155】
式(XV)で示される化合物と式(XII)で示される化合物から、式(XVI)で示される化合物を製造することができる。式(XV)で示される化合物と式(XII)で示される化合物との使用割合は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常は等モル比とすればよい。
【0156】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
【0157】
本反応において、必ずしも塩基を必要としないが、塩基の存在下に実施してもよい。用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。上記の塩基の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0158】
なお、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0159】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0160】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0161】
得られた式(XVI)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(XVI)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0162】
式(XVI)で示される化合物と酸から、式(XVII)で示される化合物を製造することができる。
【0163】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、メチルアルコール、エチルアルコール酢酸または水である。
【0164】
本反応において、必ずしも酸を必要としないが、酸の存在下に実施してもよい。用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸またはシュウ酸などの有機酸などである。上記の酸の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0165】
なお、塩酸、酢酸などの酸を用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0166】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0167】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0168】
得られた式(XVII)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(XVII)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0169】
式(XVII)で示される化合物と式(IX)で示される化合物を必要に応じて塩基、触媒および溶媒の存在下で反応させることにより式(XIII)で示される化合物を製造することができる。
【0170】
本反応において、式(XVII)で示される化合物と式(IX)で示される化合物の使用割合は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常は等モル比とすればよい。
【0171】
本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メチルアルコール、エチルアルコールまたはtert−ブチルアルコールなどの脂肪族アルコール類、アセトニトリルまたはプロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸エチルまたはプロピオン酸エチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル類、アセトンまたはメチルエチルケトンなどのケトン類、塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルムまたは四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンまたはシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンまたは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどのアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリジン、酢酸または水などを使用することができ、またはこれらの混合溶媒も使用できる。好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフランまたはアセトニトリルである。
【0172】
本反応において、必ずしも塩基を必要としないが、塩基の存在下に実施してもよい。用いられる塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンまたは1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンなどの有機第三級アミン類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドまたはカリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類を挙げることができるが、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。上記の塩基の使用量は特に制限されず、広い範囲から適宜選択できるが、通常化学量論量またはそれよりも過剰とすればよく、好ましくは化学量論量またはそれよりも1〜5倍程度過剰な量とすればよい。
【0173】
なお、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を用いる場合は、これらを大過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0174】
本発明に用いられる触媒としては、ヨウ化カリウムなどのようなアルカリ金属ヨウ素化物を使用することができる。
【0175】
本反応において、反応温度は−30℃〜反応系における還流温度で行われ、好ましくは、0℃〜100℃である。
【0176】
反応時間は、反応温度や反応基質により異なるが、通常30分〜24時間で反応が完結する。
【0177】
得られた式(XIII)の化合物は、反応溶液中から通常の後処理により採取される。例えば、反応溶液にトルエン、酢酸エチルまたはクロロホルムなどの抽出溶媒と水を加えて水洗後、溶媒を留去することにより得られる。得られた式(XIII)の化合物は必要ならばカラムクロマトグラフィーや再結晶などの操作によって精製することができる。
【0178】
式(II)で示される化合物と式(XII)で示される化合物から、式(IV)で示されるエステル化合物を製造する反応工程において、上記の式(XI)で示される化合物と式(XII)で示される化合物から、式(XIII)で示される化合物を製造する反応工程と同様の方法により製造することができる。
【0179】
式(IV)で示される化合物は、反応工程(E)に示したように製造できるがその具体的製造例を後記の参考製造例1から参考製造例7に示した。
【0180】
次に本発明による一般式(I)の置換ベンジルピペリジン誘導体の一般的な製剤化の方法について詳しく説明する。
【0181】
本発明化合物を殺虫剤の有効成分として使用するに際しては、本発明化合物それ自体で用いてもよいが、農薬補助剤として製剤化に一般的に用いられる担体、界面活性剤およびその他補助剤を配合して、乳剤、懸濁剤、粉剤、粒剤、錠剤、水和剤、水溶剤、液剤、フロアブル剤、顆粒水和剤、エアゾール剤、ペースト剤、油剤、乳濁剤などの種々の形態に製剤することができる。これらの配合割合は通常、有効成分0.1〜90重量部で農薬補助剤10〜99.9重量部である。
【0182】
製剤化に際して使用できる担体としては、農園芸用薬剤に常用されるものであれば、固体担体または液体担体のいずれでも使用でき、特定のものに限定されるものではない。このような例としては、例えば固体担体としては、例えば澱粉、活性炭、大豆粉、小麦粉、木粉、魚粉、粉乳などの動植物性粉末、タルク、カオリン、ベントナイト、ゼオライト、珪藻土、ホワイトカーボン、クレー、アルミナ、炭酸カルシウム、塩化カリウム、硫安などの鉱物性粉末が挙げられる。
【0183】
液体担体としては、例えば水;イソプロピルアルコール、エチレングリコールなどのアルコール類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルなどのエーテル類;ケロシン、軽油などの脂肪族炭化水素類;キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、メチルナフタリン、ソルベントナフサなどの芳香族炭化水素類;N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;脂肪酸のグリセリンエステルなどのエステル類;大豆油、ナタネ油などの植物油が挙げられる。これらの担体は、2種以上を併用することができる。
【0184】
また、製剤化に際して使用できる界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などがあり、具体的には次のものが使用できる。
【0185】
非イオン性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどが挙げられる。
【0186】
陰イオン性界面活性剤の例としては、例えば、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェートなどが挙げられる。
【0187】
陽イオン性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルアミン塩などが挙げられる。
【0188】
両性界面活性剤の例としては、例えば、第4級アンモニウム塩アルキルベタイン、アミンオキサイドなどが挙げられる。
【0189】
なお、製剤化に際して使用できる界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、これら2種以上を併用することもできる。
【0190】
その他の補助剤として、粘結剤、増粘剤、固着剤、防腐防かび剤、溶剤、農薬活性成分の安定化剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤、消泡剤、物性向上剤、着色剤などをおのおの必要に応じて添加してもよいが、ここに例示した補助剤に限定されるものではない。
【0191】
粘結剤、増粘剤、固着剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば次のようなものが挙げられる。澱粉、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、グアーガム、ローカストビーンガム、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、エチレン・プロピレンブロックポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンなど。
【0192】
上記方法により得られる本発明の殺虫剤の製剤は、次のように使用される。
【0193】
すなわち、そのまま使用するか、または水などの希釈剤で所定濃度に希釈して使用することができる。本発明化合物を含有する種々の製剤、またはその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法、即ち、散布(例えば噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粉、散粒、水面施用、箱施用など)、土壌施用(例えば混入、潅注など)、表面施用(例えば塗布、粉衣、被覆など)、浸漬、毒餌などにより行うことができる。
【0194】
本発明の殺虫剤の施用量は特に限定されず、有効成分濃度、製剤の形態対象害虫や作物の種類、害虫による被害の程度、施用場所、施用方法、施用時期、混用併用する薬剤や肥料などの使用量、種類などの種々の条件に応じて広い範囲から適宜選択できるが、通常100m2当り0.001〜100g程度、好ましくは0.01〜50g程度で使用される。
【0195】
乳剤、水和剤、フロアブル剤などを水で希釈して用いる場合は、その施用濃度は0.1〜1000ppm程度、好ましくは1〜500ppm程度で使用されるが、これらに限定されるものではない。粒剤、粉剤などは希釈することなく製剤のままで施用される。
【0196】
なお、本発明の殺虫剤の製剤は単独でも十分有効であることはいうまでもないが、必要に応じて他の肥料、農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物生長調整剤、共力剤などと混用、併用することができる。
【0197】
本発明の殺虫剤は、例えば、下記の害虫の防除に適用できる。ただし、本発明の殺虫剤の適用はこれらの害虫に限定されるものではない。
【0198】
半翅目[Hemiptera]として、たとえばツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis)など。
【0199】
鱗翅目[Lepidoptera]として、たとえばキンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella)、コナガ(Plutella xylostella)、ワタミガ(Promalactis inonisema)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、チャハマキ(Homona magnanima)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ニカメイガ(Chilo supperessalis)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、イネツトムシ(Parnara guttata)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)、ヘリオチス(Heliothis spp.)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)など。
【0200】
鞘翅目[Coleoptera]として、たとえばドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、マメコガネ(Popillia japonica)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、ヒメマルカツオブシムシ(Anthrenus verbasci)、コクヌスト(Tenebroides mauritanicus)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、ジアブロチカ(Diabrotica spp.)など。
【0201】
膜翅目[Hymenoptera]として、たとえばカブラハバチ(Athalia rosae ruficornis)、ルリチュウレンジ(Arge similis)など。
【0202】
双翅目[Diptera]として、たとえばネッタイイエカ(Culex pipiens fatigans)、シマカ(Aedes spp.)、ダイズサヤタマバエ(Asphondylia spp.)、タネバエ(Delia platura)、イエバエ(Musca domestica viclna)、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、キンバエ(Lucilia spp.)など。
【0203】
隠翅目[Aphaniptera]として、たとえばヒトノミ(Pulex irritans)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)など。
【0204】
総翅目[Thysanoptera]として、たとえばチャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)など。
【0205】
シラミ目[Anoplura]として、たとえばコロモジラミ(Pediculs humanus corporis)、ケジラミ(Phthirius pubis)、アタマジラミ(P.humamus capitis)、イヌジラミ(Linognathus setosus、ブタジラミ(Haematopinus suis)、ワラビーハジラミ(Heterodoxus longitarsus)、など。
【0206】
チャタテムシ目[Psocoptera]として、たとえばコチャタテ(Trogium pulsatorium)、ヒラタチャタテ(Liposcelis bostrychophilus)など。
【0207】
直翅目[Orthoptera]として、たとえばケラ(Gryllotalpa spp.)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ヤマトゴキブリ(Periplaneta japonica)など。
【0208】
シロアリ目害虫として、たとえばヤマトシロアリ(Reticulitermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)など。
【0209】
ダニ目として、たとえばナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)など。
【0210】
植物寄生性線虫類として、たとえばサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus spp.)、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)など。
【0211】
その他有害動物、不快動物、衛生害虫、寄生虫として、たとえばスクミリンゴガイ(Pomacea canaliculata)、ナメクジ(Incilaria sp.)、アフリカマイマイ(Achatina fulica)などの腹足網類(Gastropoda)、ダンゴムシ(Armadillidium spp.)、ワラジムシ、ムカデなどの等脚目類(Isopoda)、Trichodectes spp.などのハジラミ類、Cimex spp.などのトコジラミ類、オウシマダニ(Boophilus microplus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、イエダニ(Ornithonyssus bacoti)、イヌヒナチマダニ(Haemaphysalis campanulata)、ニキビダニ(Demodex folliculorum)、などの動物寄生性ダニ類、ヒョウヒダニ類、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、アカツツガムシ(Trombicula akamushi)、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)などを挙げることができる。
【0212】
【実施例】
以下に、参考製造例1〜11、実施例1〜6を挙げて本発明による一般式(I)の化合物の製造例を説明する。
【0213】
参考製造例1
エチル N−(4−メトキシメトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレートの製造
【化22】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した2l(リットル)容量の4つ口フラスコ中に4−メトキシメトキシトルエン(XIV)107.6g(0.708mol)および四塩化炭素700mlを入れ、加熱した。70℃でN−ブロモコハク酸イミド126.0g(0.708mol)および2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)11.5g(70.8mmol)の混合物を3回に分けて加え、さらに、70℃で1時間加熱攪拌した。反応混合物を氷水で冷却し不溶物をろ過により分離し、反応中間体を含有するろ液を得た。別の攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した3lの4つ口フラスコ中にエチル ピペリジン−4−カルボキシレート111.2g(0.708mol)、トリエチルアミン107.3g(1.06mol)およびクロロホルム400mlを加えて、7℃で上記で得られたろ液を30分かけて滴下した。室温で2時間攪拌後、3N塩酸中に注ぎ酸性とし塩酸層を水酸化ナトリウムで処理した。水酸化ナトリウム層をトルエンで抽出後、飽和食塩水で洗いトルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去し、粗生成物152.5gを得た(収率72%)。
【0214】
参考製造例2
エチル N−(4−ヒドロキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレートの製造
【化23】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した2l容量の4つ口フラスコ中に参考製造例1で得たエチル N−(4−メトキシメトキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレート122.8g(0.4mol)およびエタノール200mlを加え、室温で、3N塩酸300mlを滴下した。反応混合物を50℃で30分攪拌した。反応混合物を3N水酸化ナトリウム中に注ぎ、析出した固体をろ過し、水で洗い次いでn−ヘキサンで洗い、白色結晶として標記の化合物66.3gを得た(収率63%)。融点141〜144℃。
【0215】
参考製造例3
エチル N−(4−アセトニルオキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレートの製造
【化24】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した2l容量の4つ口フラスコ中に参考製造例2で得たエチル N−(4−ヒドロキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレート52.6g(0.2mol)、アセトン550ml、炭酸カリウム33.1g(0.24mol)およびヨウ化カリウム3.3g(20mmol)を加え、窒素置換下、4℃でクロロアセトン27.8g(0.3mol)を滴下した。室温で10時間攪拌後、反応混合物を冷水中に注ぎ酢酸エチルで抽出した。飽和食塩水で洗い酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去し、粗生成物53.5gを得た(収率84%)。
【0216】
参考製造例4
エチル N−〔4−(2,2−ジメトキシ)プロピルオキシベンジル〕ピペリジン−4−カルボキシレートの製造
【化25】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した500ml容量の4つ口フラスコ中に参考製造例3で得たエチル N−(4−アセトニルオキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレート31.9g(0.1mol)、オルトギ酸メチル26.5g(0.25mol)、p−トルエンスルホン酸水和物21.9g(0.115mol)およびトルエン200mlを加え50℃で30分攪拌した。反応終了後、反応混合物を2N水酸化ナトリウム中に注ぎトルエンで抽出した。次いで、飽和食塩水で洗い、トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物36.5gを展開溶媒にトルエン−アセトン混液(溶媒容量比率トルエン:アセトン=20:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製し、油状物として標記の化合物30.3gを得た(収率83%)。
【0217】
参考製造例5
p−アセトニルオキシベンジルアルコールの製造
【化26】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml容量の4つ口フラスコ中にp−ヒドロキシベンジルアルコール8g(64.5mmol)、溶媒としてアセトン、炭酸カリウム10.7g(77.4mmol)、クロロアセトン7.8g(83.9mmol)および触媒量のヨウ化カリウムを加えた。反応混合物を2時間加熱還流後、不溶物をろ過し、ろ液を真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた組成生物を展開溶媒にトルエン−アセトン混液(溶媒容量比率トルエン:アセトン=4:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製し、表記化合物を油状物として8.25gを得た(収率71%)。
【0218】
参考製造例6
p−アセトニルオキシベンジルクロライドの製造
【化27】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml容量の4つ口フラスコ中に参考製造例5で得たp−アセトニルオキシベンジルアルコール3.0g(16.7mmol)、溶媒としてクロロホルムおよびピリジン3滴を加え、室温で塩化チオニル2.4g(20mmol)を滴下した。室温で30分攪拌後、反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去することにより粗生成物3.0gを得た。(収率91%)
【0219】
参考製造例7
エチル N−(4−アセトニルオキシベンジル)ピペリジン−4−カルボキシレートの製造
【化28】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml容量の4つ口フラスコ中にエチル ピペリジン−4−カルボキシレート3.1g(20mmol)、トリエチルアミン2.4g(24mmol)およびテトラヒドロフラン20mlを加え、氷冷下参考製造例6で得たp−アセトニルオキシベンジルクロライド3.7g(20mmol)を加えた。室温で2時間攪拌後、反応混合物を氷水中に注ぎ酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去することにより粗生成物4.9gを得た(収率80%)。
【0220】
参考製造例8
4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンの製造
【化29】
a)N−トリメチルシリルイソニペコチン酸エチルエステルの製造
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した1リットル容量の4つ口フラスコ中に、イソニペコチン酸エチルエステル25.8g(0.164mol)、ジエチルエーテル360mlおよびトリエチルアミン17.4g(0.172mol)を入れ、反応系内を窒素ガスで置換し氷水で冷却した。10℃でトリメチルシリルクロライド18.9g(0.174mol)およびジエチルエーテル25mlの混合溶液を滴下した。室温で2時間攪拌した後、析出結晶をろ過し、ろ液を真空ポンプ減圧下に濃縮し、粗生成物34.2gを得た。粗生成物を減圧蒸留(沸点106〜109℃/4mmHg)することにより標記化合物31.5gを得た(収率84%)。
【0221】
b)4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンの製造
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した300ml容量の4つ口フラスコ中に、p−ブロモトリフルオロメトキシベンゼン0.5g(2.3mmol)、テトラヒドロフラン2.5ml、マグネシウム1.4g(57.6mmol)およびヨウ素0.01gを入れ、反応系内を窒素ガスで置換した。64℃で10分間攪拌後、テトラヒドロフラン50mlを加え、64℃でN−トリメチルシリルイソニペコチン酸エチルエステル5.3g(23mmol)、4−トリフルオロメトキシブロモベンゼン12.9g(53.4mmol)およびテトラヒドロフラン50mlの混合溶液を滴下した。2時間還流撹拌後、反応混合物を氷水で冷却し、塩化アンモニウム溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。飽和炭酸水素ナトリウムで洗い、次に、飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去することによって標記化合物10.0gを得た(収率100%)。
【0222】
参考製造例9
4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン塩
酸塩の製造
【化30】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml容量の4つ口フラスコ中に、参考製造例8で得た4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン2.9g(6.7mmol)、ジエチルエーテル10mlおよびn−ヘキサン10mlを入れ、室温で攪拌下、30分間塩酸ガスを導入した。得られた反応混合物の析出結晶をろ過することにより、標記化合物2.0gを得た(収率63%)。融点217〜221℃(分解)。1H−NMR(δ ppm/CD3C OC D3):1.6(2H,d,J=13.8Hz)、1.9〜2.2(2H,m)、3.0〜3.2(3H,m)、3.4〜3.6(2H,d,J=12.6Hz)、7.2〜7.8(8H,m)。
【0223】
参考製造例10
p−トリルオキシアセトアルデヒドジエチルアセタールの製造
【化31】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml容量の4つ口フラスコ中に、p−クレゾール5.4g(50mmol)、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール11.8g(60mmol)、炭酸カリウム9.0g(65mmol)、ヨウ化カリウム0.8g(5mmol)およびジメチルホルムアミド70mlを加え、100℃で10時間攪拌した。反応混合物を水中に注ぎトルエンで抽出し、トルエン層を1N水酸化ナトリウムで2回洗浄し、次いで飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物を展開溶媒にトルエン−n−ヘキサン混液(溶媒容量比率トルエン:n−ヘキサン=1:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製し、アセタール中間体を油状物として6.6gを得た(収率59%)。1H−NMR(δ ppm/CDCl3): 1.2(6H,t, J=7.1Hz)、2.3 (3H, s)、3.6〜3.8(4H,m)、4.0 (2H, d, J=5.2Hz)、4.8(1H, t, J=5.2Hz)、6.8〜7.3(4H,m)。
【0224】
参考製造例11
4−(2,2−ジエトキシエトキシ)ベンジルブロマイドの製造
【化32】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml容量の4つ口フラスコ中に参考製造例10で得たp−トリルオキシアセトアルデヒドジエチルアセタール1.8g(8mmol)および四塩化炭素15mlを加えた。70℃でN−ブロモコハク酸イミド1.6g(8.8mol)および2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.26g(1.6mmol)の混合物を3回に分けて加え、さらに、70℃で1時間加熱攪拌した。反応混合物を氷水中に注ぎクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物を展開溶媒にn−ヘキサンー酢酸エチル混液(溶媒容量比率n−ヘキサン:酢酸エチル=25:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製し、ベンジルブロマイド中間体を油状物として1.2gを得た(収率50%)。1H−NMR(δ ppm/CDCl3): 1.2(6H,t, J=7.1Hz)、3.6〜3.8(4H,m)、4.0 (2H, d,J=5.1Hz)、4.5(2H,s)、4.8(1H, t, J=5.2Hz)、6.8〜7.4(4H,m)。
【0225】
実施例1
N−[4−(2,2−ジメトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンの製造(化合物番号7)
【化33】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した500ml容量の4つ口フラスコ中、窒素置換下、マグネシウム2.5g(104mmol)、p−ブロモトリフルオロメトキシベンゼン26.0g(108mmol)、触媒量のヨウ素およびテトラヒドロフラン150mlによりグリニヤール試薬を調製した。65℃でエチル N−〔4−(2,2−ジメトキシ)プロピルオキシベンジル〕ピペリジン−4−カルボキシレート14.6g(40mmol)を滴下し、加熱還流下1時間攪拌した。反応混合物を冷塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和食塩水で洗い、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物25.0gを展開溶媒にクロロホルム−メタノール混液(溶媒容量比率クロロホルム:メタノール=50:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製し、油状物として標記の目的化合物14.2gを得た(収率55%)。 1H−NMR(δ ppm/CDCl3):1.5(3H+4H,s+m)、1.9〜2.1(2H,m)、2.3〜2.4(2H,m+br.s)、2.9(2H,d,J=11.3Hz)、3.3(6H, s)、3.4(2H,s)、3.9(2H,s)、6.8〜7.5(12H,m)。
【0226】
実施例2
N−[4−(2,2−ジメトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン N−オキシドの製造(化合物番号8)
【化34】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml容量の4つ口フラスコ中にN−[4−(2,2−ジメトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン2.7g(4.2mmol)およびクロロホルム15mlを加えた。5℃でm−クロロ過安息香酸1.0g(5.9mmol)を加えて、室温で2時間攪拌した。得られた反応混合物を1N水酸化ナトリウム溶液中に注ぎクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を飽和食塩水で洗い無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物をジイソプロピルエーテルで洗うことにより精製し、標記の目的化合物2.36gを白色結晶として得た(収率84%)。融点194〜196℃。 1H−NMR(δ ppm/CDCl3):1.3〜1.5 (2H,m)、1.5(3H,s)、2.4〜2.6(3H,m)、3.2〜3.4 (4H,m)、3.3 (6H, s)、3.9(2H,s)、4.5(2H,s)、6.9〜7.6(12H,m)。
【0227】
実施例3
N−[4−(2,2−ジエトキシエトキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンの製造(化合物番号23)
【化35】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml容量の4つ口フラスコ中に4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン塩酸塩1.9g(4mmol)、4−(2,2−ジエトキシ)エトキシベンジルブロマイド1.2g(4mmol)、トリエチルアミン1.2g(12mmol)およびテトラヒドロフラン15mlを加え、室温で3時間攪拌した。反応混合物に水と酢酸エチルを加え抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物を展開溶媒にトルエンーアセトン混液(溶媒容量比率トルエン:アセトン=5:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製することにより油状物として標記の化合物1.58gを得た(収率61%)。1H−NMR(δ ppm/CDCl3):1.3(6H,t,J=7.0Hz)、1.4〜1.6(4H,m)、1.9〜2.1(2H,m)、2.3〜2.4(1H,m)、2.9(2H,d,J=11.6Hz)、3.5(2H,s)、3.6〜3.8 ( 4H, m)、4.0(2H,d, J=5.1Hz)、4.8 (1H, t, J=5.1)、6.8〜7.5(12H,m)。
【0228】
実施例4
N−[4−(2−シクロプロピル−2,2−ジメトキシエトキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンの製造(化合物番号20)
【化36】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した30ml容量の4つ口フラスコ中にマグネシウム0.19g(8mmol)およびテトラヒドロフラン10mlを加え、4つ口フラスコ内を窒素ガスで置換した。p−ブロモトリフルオロメトキシベンゼン1.76g(7.1mmol)のテトラヒドロフラン2ml溶液の3分の1の溶液を滴下し、加熱させることにより反応を開始させた。50〜60℃を保ちながら、残りのp−ブロモトリフルオロメトキシベンゼンのテトラヒドロフラン溶液を滴下し、さらに同温で30分攪拌した。30℃で反応混合物にエチル N−[4−(2−シクロプロピル−2,2−ジメトキシエトキシ)ベンジル]−4−ピペリジンカルボキシレート1.3g(3.3mmol)のテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下し、3時間加熱還流した。反応終了後、塩化アンモニウム溶液中に注ぎトルエンで抽出した。トルエン層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物を展開溶媒にクロロホルム−メタノール混液(クロロホルム:メタノール=30:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製することにより油状物として標記の化合物0.5gを得た(収率23%)。
【0229】
実施例5
N−[4−(2,2−ジエトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンの製造(化合物番号25)
【化37】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した200ml容量の4つ口フラスコ中、窒素置換下、マグネシウム1.1g(44mmol)、p−ブロモトリフルオロメトキシベンゼン11.0g(45mmol)、触媒量のヨウ素およびテトラヒドロフラン50mlによりグリニヤール試薬を調製した。65℃でエチル N−〔4−(2,2−ジエトキシ)プロピルオキシベンジル〕ピペリジン−4−カルボキシレート5.1g(13mmol)を滴下し、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を冷塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和食塩水で洗い、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物を展開溶媒にクロロホルム−メタノール混液(溶媒容量比率クロロホルム:メタノール=50:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製し、油状物として標記の目的化合物5.1gを得た(収率59%)。 1H−NMR(δ ppm/CDCl3):1.2 (6H, t, J=7.1Hz)、1.5(3H+4H,s+m)、1.9〜2.1(2H,m)、2.3〜2.4(2H,m)、2.9(2H,d,J=11.5Hz)、3.5(2H,s)、3.5〜3.6 (4H, m)、3.9(2H,s)、6.8〜7.5(12H,m)。
【0230】
実施例6 N−[4−(2,2−ジメトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(3,4−ジフルオロメチレンジオキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジンの製造(化合物番号71)
【化38】
攪拌装置、還流冷却器および100℃まで測定できる温度計を装備した50ml容量の4つ口フラスコ中、窒素置換下、マグネシウム0.4g(15.5mmol)、5−ブロモ−2,2−ジフルオロベンゾジオキソール3.56g(15mmol)、触媒量のヨウ素およびテトラヒドロフラン10mlによりグリニヤール試薬を調製した。40℃でエチル N−〔4−(2,2−ジメトキシ)プロピルオキシベンジル〕ピペリジン−4−カルボキシレート1.8g(5mmol)を滴下し、加熱還流下2時間攪拌した。反応混合物を冷塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。次いで、飽和食塩水で洗い、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空ポンプ減圧下に溶媒を留去した。得られた粗生成物を展開溶媒にクロロホルム−メタノール混液(溶媒容量比率クロロホルム:メタノール=25:1)を用い、シリカゲル(メルク社製商品名:シリカゲル60H)クロマトグラフィーにより精製し、油状物として標記の目的化合物1.4gを得た(収率44%)。 1H−NMR(δ ppm/CDCl3):1.5(3H+4H,s+m)、1.9〜2.1(2H,m)、2.2〜2.4(2H,m)、2.9(2H,d,J=11.4Hz)、3.3 (6H, s)、3.5(2H,s)、3.9(2H, s)、6.8〜7.3(10H,m)。
【0231】
上記実施例1〜6で得られた化合物およびこれらの実施例と同様な方法で製造した本発明化合物を表3に示した。表3の化合物番号は表4、表5および表6においても参照される。
【0232】
各化合物の1H−NMRスペクトルデータの測定には、標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用い、溶媒としてCDCl3を用いた。
【0233】
【表3】
【0234】
製剤例
次に、本発明による一般式(I)の化合物の製剤例を示す。製剤例中の「部」は重量部を表わす。
【0235】
以下に示す製剤例の添加物および添加割合は、これら製剤例に限定されるものではなく、広範囲に変化させることが可能である。
【0236】
製剤例1 乳剤
本発明化合物(化合物番号7)10部を、ソルベッソ150 45部およびN−メチル−2−ピロリドン35部に溶解し、これにソルポール3005X(東邦化学(株)製)10部を加え、攪拌混合して10%乳剤を得た。
【0237】
製剤例2 水和剤
本発明化合物(化合物番号8)20部を、ラウリル硫酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム4部、ホワイトカーボン20部およびクレー54部を混合した中に加え、ジュースミキサーで攪拌混合して20%水和剤を得た。
【0238】
製剤例3 粒剤
本発明化合物(化合物番号20)5部に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2部、カルボキシメチルセルロース2部、ラウリル硫酸ナトリウム2部、ベントナイト10部およびクレー79部を加え十分攪拌混合した。適当量の水を加えさらに攪拌し、造粒機で造粒し通風乾燥して5%粒剤を得た。
【0239】
製剤例4 粉剤
本発明化合物(化合物番号23)1部を大豆油2部に溶解し、ホワイトカーボン5部、酸性リン酸イソプロピル(PAP)0.3部およびクレー91.7部を加え、ジュースミキサーで攪拌混合し、1%粉剤を得た。
【0240】
製剤例5 フロアブル剤
本発明化合物(化合物番号8)20部とポリオキシエチレンアルキルエーテル、ジアルキルスルホサクシネートナトリウムおよびプロキセルGXLをそれぞれ2部、1部および0.2部含む水20部を混合しダイノミルを用いて湿式粉砕後、プロピレングリコールおよびキサンタンガムをそれぞれ8部および0.32部含む水60部と混合し20%水中懸濁液を得た。
【0241】
試験例
次に、本発明化合物が、殺虫剤の有効成分として有用であることを試験例により示す。
【0242】
米国特許第5569664号明細書に記載されている下記の化合物を比較化合物としてハスモンヨトウ、コナガおよびチャハマキに対する殺虫比較試験を行った。
【化39】
【0243】
試験例1 ハスモンヨトウに対する速効性殺虫試験
本発明化合物の各々にアセトン、キシレンおよびソルポール700HD(東邦化学(株)製)溶液を加えた後、イオン交換水中に懸濁させ、薬液(1ppm)を調製した。キャベツ葉片(直径8cm)をこの薬液に浸漬した後に風乾した。ろ紙を敷いたプラスティックカップにその葉片を入れ、合成ピレスロイド剤、有機リン剤、カーバメート剤およびキチン合成阻害剤に抵抗性を示すハスモンヨトウの3齢幼虫10個体を放虫し、小穴を開けた蓋をして、25℃の恒温室内に静置した。処理3日後にハスモンヨトウの死虫率を調査した。その試験結果を表4に示した。
【0244】
【表4】
【0245】
試験例2 コナガに対する殺虫試験
本発明化合物の各々にアセトン、キシレンおよびソルポール700HD(東邦化学(株)製)溶液を加えた後、イオン交換水中に懸濁させ、薬液(10ppm)を調製した。キャベツ葉片(直径8cm)をこの薬液に浸漬した後に風乾した。ろ紙を敷いたプラスティックシャーレにその葉片を入れ、合成ピレスロイド剤、有機リン剤、カーバメート剤およびキチン合成阻害剤に抵抗性を示すコナガの3齢幼虫10個体を放虫し、蓋をして、25℃の恒温室内に静置した。処理6日後にコナガの死虫率を調査した。その試験結果を表5に示した。
【0246】
【表5】
【0247】
試験例3 チャハマキに対する殺虫試験
本発明化合物の各々にアセトン、キシレンおよびソルポール700HD(東邦化学(株)製)溶液を加えた後、イオン交換水中に懸濁させ、薬液(10ppm)を調製した。茶葉(5枚)をこの薬液に浸漬した後に風乾した。プラスティックシャーレにその葉を入れ、合成ピレスロイド剤、有機リン剤、カーバメート剤およびキチン合成阻害剤に抵抗性を示すチャハマキの3齢幼虫10個体を放虫し、蓋をして、25℃の恒温室内に静置した。処理6日後にチャハマキの死虫率を調査した。その試験結果を表6に示した。
【0248】
【表6】
【0249】
【発明の効果】
本発明の新規な置換ベンジルピペリジン誘導体は、上記試験例に示したように抵抗性害虫に対し、優れた殺虫活性を有し、さらに、従来のピペリジン化合物と比較し低薬量で格段に優れた速効的な殺虫活性が認められた。
Claims (8)
- 一般式(I)において、2個のXは同じでも異なってもよく、低級ハロアルキル基、低級ハロアルコキシ基または−OCY2O−を示し、Yはハロゲン原子を示し、R1およびR2は同じ低級アルキル基を示し、R3は水素原子、低級アルキル基、低級シクロアルキル基、低級アルコキシアルキル基を示し、nは1から3の整数を示す請求項1記載の置換ベンジルピペリジン誘導体、そのN−オキシド体またはその塩。
- N−[4−(2,2−ジメトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン、そのN−オキシド体またはその塩である請求項1記載の置換ベンジルピペリジン誘導体。
- N−[4−(2,2−ジエトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン、そのN−オキシド体またはその塩である請求項1記載の置換ベンジルピペリジン誘導体。
- N−[4−(2,2−ジエトキシエトキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン、そのN−オキシド体またはその塩である請求項1記載の置換ベンジルピペリジン誘導体。
- N−[4−(2−シクロプロピル−2,2−ジメトキシエトキシ)ベンジル]−4−[ビス(4−トリフルオロメトキシフェニル)ヒドロキシメチル]ピペリジン、そのN−オキシド体またはその塩である請求項1記載の置換ベンジルピペリジン誘導体。
- N−[4−(2,2−ジメトキシプロピルオキシ)ベンジル]−4−[ビス(3,4−ジフルオロメチレンジオキシフェニル)ヒドロキシメチル)ピペリジン、そのN−オキシド体またはその塩である請求項1記載の置換ベンジルピペリジン誘導体。
- 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の置換ベンジルピペリジン誘導体、そのN−オキシド体またはその塩を有効成分として含有する殺虫剤、殺ダニ剤または殺線虫剤。
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