JP4228969B2 - ハイブリッド車のモード遷移制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の駆動系に適用され、走行モードとして、少なくとも無段変速モードとローギヤ固定モードを有するハイブリッド車のモード遷移制御装置に関する。
従来、共線図上に4つの入出力要素が配列される4要素2自由度の遊星歯車機構を構成し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結したハイブリッド駆動装置が知られていて、このハイブリッド駆動装置では、走行モードとして、エンジンと2つのモータジェネレータを用いて走行する「無段変速モード」と、ローブレーキを締結し、エンジンと2つのモータジェネレータ、あるいは、2つのモータジェネレータのみを用いて走行する「ローギヤ固定モード」と、を有する(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−32808号公報
しかしながら、上記従来のハイブリッド駆動装置にあっては、各走行モードを割り振り設定した走行モードマップを用いて走行モードの選択が行われ、選択される走行モードが選択されている現在の走行モードと異なる場合にのみモード遷移制御を行うものであるため、無段変速モードが選択されている減速時、停車前に再度アクセルペダルを踏み込んで再加速する場合、再加速後にモード遷移車速を超えて無段変速モードからローギヤ固定モードへのモード遷移が行われる。この結果、再加速時のモード遷移となり、モード遷移に伴う駆動力の変動により再加速がスムーズに行われないし、また、高い駆動力要求があった場合には、ローギヤ固定モードへのモード遷移が遅れることで、再加速性が劣るという問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、無段変速モードを選択しての車両減速後に再加速を行う走行時、スムーズで良好な再加速性を得ることができるハイブリッド車のモード遷移制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
走行モードとして、少なくともハイ側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するハイ側無段変速モードと、ロー側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するロー側無段変速モードと、ロー側固定変速比の要求時に選択され前記差動装置の回転要素を変速機ケースに固定することでロー側の固定変速比により走行するローギヤ固定モードと、を有し、
前記ハイ側無段変速モードあるいはロー側無段変速モードを選択しての車両減速時、車速が車両加速時にローギヤ固定モードから無段変速モードへモード遷移する車速よりも高い設定車速以下であり、かつ、両モータジェネレータの回転数が設定回転数以下になると、強制的に無段変速モードからローギヤ固定モードへモード遷移する再加速対応モード遷移制御手段を設けた。
よって、本発明のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、再加速対応モード遷移制御手段において、ハイ側無段変速モードあるいはロー側無段変速モードを選択しての車両減速時、車速が車両加速時にローギヤ固定モードから無段変速モードへモード遷移する車速よりも高い設定車速以下であり、かつ、両モータジェネレータの回転数が設定回転数以下になると、強制的に無段変速モードからローギヤ固定モードへのモード遷移が実行される。すなわち、車両減速時にハイ側無段変速モードあるいはロー側無段変速モードからローギヤ固定モードへモード遷移が行われることになり、その後、ドライバが再加速を意図してアクセルペダルを踏み込む時点では、既にローギヤ固定モードへのモード遷移が終了し、再加速に備えている。この結果、モード遷移時に懸念される駆動力の抜けもしくは飛び出しが再加速時に発生しないため、無段変速モードを選択しての車両減速後に再加速を行う走行時、スムーズな再加速性が確保される。また、再加速に備えて駆動力が出せるローギヤ固定モードへのモード遷移を終えているため、アクセル踏み込み操作による高い駆動力要求に対してもアクセル操作に応答する良好な再加速性を得ることができる。
以下、本発明のハイブリッド車のモード遷移制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車の駆動系構成を説明する。
図1は実施例1のモード遷移制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2と、出力軸OUT(出力部材)と、駆動力合成変速機TMと、を有する。
前記駆動力合成変速機TMは、第1遊星歯車PG1(差動装置)と、第2遊星歯車PG2(差動装置)と、第3遊星歯車PG3(差動装置)と、エンジンクラッチECと、ローブレーキLB(第1摩擦締結要素)と、ハイクラッチHC(第2摩擦締結要素)と、ハイローブレーキHLB(第3摩擦締結要素)と、を有する。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度などが制御される。
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、永久磁石を埋設したロータと、ステータコイルが巻き付けられたステータと、を有する同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流をそれぞれのステータコイルに印加することにより独立に制御される。
前記駆動力合成変速機TMの第1遊星歯車PG1と第2遊星歯車PG2と第3遊星歯車PG3とは、何れもシングルピニオン型遊星歯車である。前記第1遊星歯車PG1は、第1サンギヤS1と、第1ピニオンP1を支持する第1ピニオンキャリアPC1と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、によって構成されている。前記第2遊星歯車PG2は、第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2を支持する第2ピニオンキャリアPC2と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2と、によって構成されている。前記第3遊星歯車PG3は、第3サンギヤS3と、第3ピニオンP3を支持する第3ピニオンキャリアPC3と、第3ピニオンP3に噛み合う第3リングギヤR3と、によって構成されている。
前記第1サンギヤS1と前記第2サンギヤS2とは第1回転メンバM1により直結され、前記第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とは第2回転メンバM2により直結され、前記第2ピニオンキャリアPC2と前記第3リングギヤR3とは第3回転メンバM3により直結される。したがって、3組の遊星歯車PG1,PG2,PG3は、第1回転メンバM1と第2回転メンバM2と第3回転メンバM3と第1ピニオンキャリアPC1と第2リングギヤR2と第3ピニオンキャリアPC3との6つの回転要素を有する。
前記差動装置の6つの回転要素に対する動力源E,MG1,MG2と出力軸OUTと各係合要素EC,LB,HC,HLBの連結関係について説明する。
前記第1回転メンバM1(S1,S2)には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。
前記第2回転メンバM2(R1,R3)には、入出力要素の何れにも連結されていない。
前記第3回転メンバM3(PC2,R3)には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。
前記第1ピニオンキャリアPC1には、ハイクラッチHCを介して第2モータジェネレータMG2が連結されている。また、ローブレーキLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第2リングギヤR2には、第1モータジェネレータMG1が連結されている。また、ハイローブレーキHLBを介して変速機ケースTCに連結されている。
前記第3ピニオンキャリアPC3には、出力軸OUTが連結されている。なお、出力軸OUTからは、図外のプロペラシャフトやディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
上記連結関係により、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(R2)、エンジンE(PC2,R3)、出力軸OUT(PC3)、第2モータジェネレータMG2(S1,S2)の順に配列され、遊星歯車列の動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデル(第1遊星歯車PG1のレバー(1)、第2遊星歯車PG2のレバー(2)、第3遊星歯車PG3のレバー(3))を導入することができる。ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転要素の回転数(回転速度)をとり、横軸にリングギヤ、キャリア、サンギヤ等の各回転要素をとり、各回転要素の間隔をサンギヤとリングギヤの歯数比に基づく共線図レバー比(α、β、δ)になるように配置したものである。
前記エンジンクラッチECは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図2の共線図上において、エンジンEとの回転速度軸と一致する位置に配置され、締結によりエンジンEの回転とトルクを、エンジン入力回転要素である第3回転メンバM3(PC2,R3)に入力する。
前記ローブレーキLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図2の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸より外側位置に配置され、図2に示すように、締結によりロー側変速比を分担するローギヤ固定モードとロー側無段変速モードを実現する。
前記ハイクラッチHCは、油圧により締結される多板摩擦クラッチであり、図2の共線図上において、第2モータジェネレータMG2の回転速度軸と一致する位置に配置され、締結によりハイ側変速比を分担する2速固定変速モードとハイ側無段変速モードとハイギヤ固定モードを実現する。
前記ハイローブレーキHLBは、油圧により締結される多板摩擦ブレーキであり、図2の共線図上において、第1モータジェネレータMG1の回転速度軸と一致する位置に配置され、ローブレーキLBと共に締結することにより変速比をアンダードライブ側のローギヤ固定モードとし、ハイクラッチHCと共に締結することにより変速比をオーバードライブ側のハイギヤ固定モードとする。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第3リングギヤ回転数センサ12と、を有して構成されている。
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10、11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2からは、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報が統合コントローラ6に対して出力される。
前記インバータ3は、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2との各ステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により独立した3相交流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
前記油圧制御装置5は、統合コントローラ6からの油圧指令を受け、エンジンクラッチECと、ローブレーキLBと、ハイクラッチHCと、ハイローブレーキHLBと、の締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。この締結油圧制御及び解放油圧制御には、滑り締結制御や滑り解放制御による半クラッチ制御も含む。
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、第3リングギヤ回転数センサ12からのエンジン入力回転速度ωin等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14、15により接続されている。
次に、ハイブリッド車の走行モードについて説明する。
走行モードとしては、ローギヤ固定モード(以下、「Lowモード」という。)と、ロー側無段変速モード(以下、「Low-iVTモード」という。)と、2速固定モード(以下、「2ndモード」という。)と、ハイ側無段変速モード(以下、「High-iVTモード」という。)と、ハイギヤ固定モード(以下、「Highモード」という。)と、の5つの走行モードを有する。
前記5つの走行モードについては、エンジンEを用いないで両モータジェネレータMG1,MG2のみで走行する電気自動車モード(以下、「EVモード」という。)と、エンジンEと両モータジェネレータMG1,MG2を用いて走行するハイブリッド車モード(以下、「HEVモード」という。)とに分けられる。
よって、図2及び図3に示すように、「EVモード」と「HEVモード」とを合わせると「10の走行モード」が実現されることになる。ここで、図2(a)にEVモード関連の「EV-Lowモード」の共線図、図2(b)に「EV-Low-iVTモード」の共線図、図2(c)に「EV-2ndモード」の共線図、図2(d)に「EV-High-iVTモード」の共線図、図2(e)に「EV-Highモード」の共線図をそれぞれ示す。また、図3(a)にHEVモード関連の「HEV-Lowモード」の共線図、図3(b)に「HEV-Low-iVTモード」の共線図、図3(c)に「HEV-2ndモード」の共線図、図3(d)に「HEV-High-iVTモード」の共線図、図3(e)に「HEV-Highモード」の共線図をそれぞれ示す。
前記「Lowモード」は、図2(a)及び図3(a)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを締結することで得られるローギヤ固定モードである。
前記「Low-iVTモード」は、図2(b)及び図3(b)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを解放し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られるロー側無段変速モードである。
前記「2ndモード」は、図2(c)及び図3(c)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られる2速固定モードである。
前記「High-iVTモード」は、図2(d)及び図3(d)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを解放することで得られるハイ側無段変速モードである。
前記「Highモード」は、図2(e)及び図3(e)の共線図に示すように、ローブレーキLBを解放し、ハイクラッチHCを締結し、ハイローブレーキHLBを締結することで得られるハイギヤ固定モードである。
そして、前記「10の走行モード」のモード遷移制御は、統合コントローラ6により行われる。すなわち、統合コントローラ6には、要求駆動力Fdrv(アクセル開度APにより求められる。)と車速VSPとバッテリS.O.Cによる三次元空間に、図4に示すような前記10の走行モードを割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両走行時等においては、要求駆動力Fdrvと車速VSPとバッテリS.O.Cの各検出値により走行モードマップが検索され、要求駆動力Fdrvと車速VSPにより決まる車両動作点やバッテリ充電量に応じた最適な走行モードが選択される。なお、図4は三次元走行モードマップをバッテリS.O.Cが充分な容量域のある値で切り取ることにより、要求駆動力Fdrvと車速VSPとの二次元によりあらわした走行モードマップの一例である。
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「HEVモード」との間においてモード遷移を行う場合には、図5に示すように、エンジンEの始動・停止と、エンジンクラッチECの締結・解放に加え、後述するローブレーキLBとハイクラッチHCとハイローブレーキHLBの締結・解放制御が実行される。
また、「EVモード」の5つのモード間でのモード遷移や「HEVモード」の5つのモード間でのモード遷移を行う場合には、図5に示すON/OFF作動表にしたがって行われる。例えば、「Lowモード」は、ローブレーキLB締結・ハイクラッチHC解放・ハイローブレーキHLB締結により得られる。「Low-iVTモード」は、ローブレーキLB締結・ハイクラッチHC解放・ハイローブレーキHLB解放により得られる。「2ndモード」は、ローブレーキLB締結・ハイクラッチHC締結・ハイローブレーキHLB解放により得られる。「High-iVTモード」は、ローブレーキLB解放・ハイクラッチHC締結・ハイローブレーキHLB解放により得られる。「Highモード」は、ローブレーキLB解放・ハイクラッチHC締結・ハイローブレーキHLB締結により得られる。
これらのモード遷移制御のうち、例えば、エンジンEの始動・停止とクラッチやブレーキの締結・解放が同時に必要な場合や複数のクラッチやブレーキの締結・解放が必要な場合等においては、決められた手順にしたがったシーケンス制御により行われる。
次に、作用を説明する。
[再加速対応モード遷移制御処理]
図6は実施例1の統合コントローラ6において実行される再加速対応モード遷移制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(再加速対応モード遷移制御手段)。
ステップS1では、走行路面が下り坂であるか否かを判断し、YESの場合はステップS2へ移行し、NOの場合はステップS3へ移行する。ここで、下り坂判断は、例えば、車両に取り付けられた傾斜センサなどからのセンサ信号により、下り坂傾斜角が下り坂判断しきい値以上である場合に走行路面が下り坂であると判断する。
ステップS2では、ステップS1での下り坂であるとの判断に基づき、通常のモード遷移制御が実行され、リターンへ移行する。ここで、通常のモード遷移制御とは、10の走行モードのうち最適な走行モードを、走行モードマップ上で車両の運転点(要求駆動力Fdrvと車速VSPにより決まる点)とバッテリS.O.Cにより選択し、現在選択されている走行モードとは異なる走行モードの領域へ車両の運転点が入ったとき、2つの走行モード間でモード遷移制御を行うことをいう。
ステップS3では、ステップS1での下り坂ではないとの判断に基づき、運転者によるブレーキ操作時か否かを判断し、YESの場合はステップS4へ移行し、NOの場合はステップS2へ移行する。つまり、車両減速の判断を、運転者によるブレーキ操作の有無により判断するようにしている。
ステップS4では、ステップS3での運転者によるブレーキ操作時であるとの判断に基づき、変速(モード遷移)が許可される車両状態か否かが判断され、YESの場合はステップS5へ移行し、NOの場合はステップS2へ移行する。ここで、変速が許可されない車両状態とは、例えば、走行中で既にモード遷移が実行されている場合や車両が既に停止状態にある場合をいい、これ以外の場合を変速が許可される車両状態とする。
ステップS5では、ステップS4での変速(モード遷移)が許可される車両状態であるとの判断に基づき、車速が設定車速(例えば、5km/h程度)以下で、且つ、第1モータジェネレータ回転数N1と第2モータジェネレータ回転数N2とが設定回転数(例えば、500rpm程度)以下であるか否かが判断され、YESの場合はステップS6へ移行し、NOの場合はステップS2へ移行する。
ステップS6では、ステップS5において車速条件とモータジェネレータ回転数条件とが成立しているとの判断に基づき、現在選択されている走行モードが「EV-High-iVTモード」、または、「HEV-High-iVTモード」か否かが判断され、YESの場合はステップS7へ移行し、NOの場合はステップS11へ移行する。
ステップS7では、ステップS6において「EV-High-iVTモード」、または、「HEV-High-iVTモード」であるとの判断に基づき、ローブレーキLBを締結し、ステップS8へ移行する。
ステップS8では、ステップS6において「EV-High-iVTモード」、または、「HEV-High-iVTモード」であるとの判断に基づき、ハイクラッチHCを解放し、ステップS9へ移行する。
ステップS9では、ステップS6において「EV-High-iVTモード」、または、「HEV-High-iVTモード」であるとの判断に基づき、ハイローブレーキHLBを締結し、ステップS10へ移行する。
ステップS10では、ステップS7でのローブレーキLB締結、ステップS8でのハイクラッチHC解放、ステップS9でのハイローブレーキHLB締結により、「EV-High-iVTモード」または「HEV-High-iVTモード」から、「EV-Lowモード」または「HEV-Lowモード」へのモード遷移を実行し、リターンへ移行する。
ステップS11では、ステップS6での「EV-High-iVTモード」、または、「HEV-High-iVTモード」ではないとの判断に基づき、現在選択されている走行モードが「EV-Low-iVTモード」、または、「HEV-Low-iVTモード」か否かが判断され、YESの場合はステップS12へ移行し、NOの場合はステップS2へ移行する。
ステップS12では、ステップS11において「EV-Low-iVTモード」、または、「HEV-Low-iVTモード」であるとの判断に基づき、ハイローブレーキHLBを締結し、ステップS13へ移行する。
ステップS13では、ステップS12でのハイローブレーキHLB締結により、「EV-Low-iVTモード」または「HEV-Low-iVTモード」から、「EV-Lowモード」または「HEV-Lowモード」へのモード遷移を実行し、リターンへ移行する。
[通常モード遷移制御による再加速時の課題]
共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを連結し、前記出力部材の外側要素と第2モータジェネレータの連結要素をクラッチ1で締結した「無段変速モード(High)」と、前記クラッチ1を解放し、別の要素をブレーキ2で固定した「無段変速モード(Low)」と、両モータジェネレータのどちらか一方の要素、または、別の要素のいずれかをブレーキ1で固定する「ローギヤ固定モード」を備えた駆動装置において、高速走行から減速後に再加速を行う場合を考える。
まず、図7は「ローギヤ固定モード」と「無段変速モード(Low)」と「無段変速モード(High)」における入出力4要素のトルクの関係を表した共線図である。
「ローギヤ固定モード」においては、第2モータジェネレータMG2が正トルクを出すことで、エンジンINをアシストすることになり、第1モータジェネレータMG1が負のトルクを出すことでエンジン出力の一部を発電に回すことができる。
「無段変速モード(Low)」においては、基本的に第1モータジェネレータMG1が正トルク、第2モータジェネレータMG2が負トルクを出すことでエンジン出力が出力軸OUTに伝達される。
「無段変速モード(High)」においては、基本的に第1モータジェネレータMG1が負トルク、第2モータジェネレータMG2が正トルクを出すことでエンジン出力が出力軸OUTに伝達される。
よって、高速走行時は、エンジンINの入力をその両外側の2要素に連結された第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2で支えることにより駆動力が出力される(図7の「無段変速モード(High)」)。減速中には、ブレーキ2を締結し、クラッチ1を解放することによりモード遷移する(図7の「無段変速モード(Low)」)。さらに、再加速中には、ブレーキ1を締結することによりモード遷移する(図7の「ローギヤ固定モード」)。
したがって、図7の共線図において、第2リングギヤR2側を解放した「無段変速モード(Low)」から「ローギヤ固定モード」へとモード遷移する場合、第1モータジェネレータMG1は正トルクを出しながら回転数をゼロにする必要があるため、第1モータジェネレータMG1の回転数低下からブレーキ1の締結までに時間を要し、再加速が滑らかに行われないという課題がある。
[再加速対応モード遷移制御作用]
これに対し、実施例1では、高速走行からの減速時に、車速が設定車速以下で、かつ、両モータジェネレータMG1,MG2の回転数が設定回転数以下の場合、強制的にローブレーキLB,ハイクラッチHC,ハイローブレーキHLBを締結・解放することにより、「無段変速モード(High)」あるいは「無段変速モード(Low)」から「ローギヤ固定モード」へモード遷移することで、上記課題を解決した。
すなわち、高速走行からの減速時に、車速が設定車速以下で、かつ、両モータジェネレータMG1,MG2の回転数が設定回転数以下の場合であって、現在の走行モードが「EV-High-iVTモード」あるいは「HEV-High-iVTモード」である場合、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS10へと進む流れとなり、「EV-High-iVTモード」あるいは「HEV-High-iVTモード」で解放されているローブレーキLBを締結し、「EV-High-iVTモード」あるいは「HEV-High-iVTモード」で締結されているハイクラッチHCを解放し、「EV-High-iVTモード」あるいは「HEV-High-iVTモード」で解放されているハイローブレーキHLBを締結することで、強制的に「無段変速モード(High)」から「ローギヤ固定モード」へモード遷移される。
また、高速走行からの減速時に、車速が設定車速以下で、かつ、両モータジェネレータMG1,MG2の回転数が設定回転数以下の場合であって、現在の走行モードが「EV-Low-iVTモード」あるいは「HEV-Low-iVTモード」である場合、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS11→ステップS12→ステップS13へと進む流れとなり、「EV-Low-iVTモード」あるいは「HEV-Low-iVTモード」で解放されているハイローブレーキHLBを締結することで、強制的に「無段変速モード(Low)」から「ローギヤ固定モード」へモード遷移される。
ここで、図8に示すタイムチャートを用いて、高速走行から減速して再加速する場合のモード遷移タイミングと加速度特性とを従来制御(=走行マップを用いた通常のモード遷移制御)と本発明制御とで比較する。
まず、従来制御の場合、目標車速が減速から加速に移行する再加速要求時点t1より遅れたt2の時点まで「無段変速モード(High)」が維持され、t2の時点で走行モードマップ上で隣接する「無段変速モード(High)」から「無段変速モード(Low)」へとモード遷移し、さらに、t3の時点で「無段変速モード(Low)」から「ローギヤ固定モード」へモード遷移することになる。つまり、再加速の際には、「無段変速モード(Low)」からのスタートとなり、駆動力要求が大きい場合には、上記のように第1モータジェネレータMG1の回転数低下とハイローブレーキHLBの締結のために応答遅れがある「ローギヤ固定モード」へのモード遷移が必要となり、図8に示すように、加速度特性に段差が生じて滑らかな再加速ができない。
一方、本発明制御の場合、目標車速が減速から加速に移行する再加速要求時点t1より先行するt0の時点で「無段変速モード(High)」から「ローギヤ固定モード」へモード遷移することになる。つまり、再加速の際のモード遷移が無く、再加速要求時点t1からの後の再加速に備え、「ローギヤ固定モード」へモード遷移を既に終えているため、図8に示すように、再加速要求時点t1の直後から滑らかに立ち上がる加速度特性を得ることができる。さらに、駆動力要求が大きくても、エンジンEの出力トルクを第2モータジェネレータMG2の正トルクでアシストすることで大きな駆動力を出せる「ローギヤ固定モード」により要求に応えることができる。なお、図8のハッチングで示す領域が従来制御に対する本発明制御の加速度増大代となる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車のモード遷移制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンEからの入力を、他方に駆動系統への出力軸OUTをそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを連結した駆動力合成変速機TMを備えたハイブリッド車において、走行モードとして、少なくとも無段変速比により走行する「無段変速モード」と、前記差動装置の回転要素を変速機ケースに固定することでロー側の固定変速比により走行する「ローギヤ固定モード」と、を有し、前記「無段変速モード」を選択しての車両減速時、車速が設定車速以下になると、強制的に「無段変速モード」から「ローギヤ固定モード」へモード遷移する再加速対応モード遷移制御手段を設けたため、「無段変速モード」を選択しての車両減速後に再加速を行う走行時、スムーズで良好な再加速性を得ることができる。
(2) 前記走行モードとして、ハイ側無段変速比の要求時に選択される「ハイ側無段変速モード」と、ロー側無段変速比の要求時に選択される「ロー側無段変速モード」と、ロー側固定変速比の要求時に選択される「ローギヤ固定モード」と、を有し、前記再加速対応モード遷移制御手段は、「ハイ側無段変速モード」あるいは「ロー側無段変速モード」を選択しての車両減速時、車速が設定車速以下になると、強制的に「ローギヤ固定モード」にモード遷移するため、「ハイ側無段変速モード」を選択しての車両減速時には、「ロー側無段変速モード」を経過することなく直接「ローギヤ固定モード」にモード遷移することで、「ハイ側無段変速モード」と「ロー側無段変速モード」とのうち、何れのモードが車両減速時に選択されていたとしても、車両減速時後に再加速時にスムーズで良好な再加速性を得ることができる。
(3) 前記再加速対応モード遷移制御手段は、「ハイ側無段変速モード」あるいは「ロー側無段変速モード」を選択しての車両減速時、車速が設定車速以下であり、かつ、両モータジェネレータMG1,MG2の回転数が設定回転数以下になると、強制的に「ローギヤ固定モード」にモード遷移するため、「ローギヤ固定モード」へのモード遷移においてハイローブレーキHLBを締結するために必要である第1モータジェネレータMG1の回転数低下が速やかに行われ、「ローギヤ固定モード」への強制的なモード遷移を短時間にて応答良く行うことができる。
(4) 前記再加速対応モード遷移制御手段は、下り坂を検出した場合、車両減速時において強制的に「ローギヤ固定モード」へ遷移する再加速対応モード遷移制御を禁止するため、運転者の意図に合致した違和感のない運転性を確保することができる。
すなわち、下り坂での減速走行の場合、その後、ブレーキ操作を解除するだけでアクセル操作を行うことなく再加速に移行することができる。このため、強制的に「ローギヤ固定モード」へ遷移しても、すぐに「無段変速モード」等へ戻す必要があり、不要なモード遷移を防止する意味でも「無段変速モード」を維持していた方が、駆動力変動が懸念されるモード遷移の頻度を少なくすることができる。
(5) 前記再加速対応モード遷移制御手段は、運転者のブレーキ操作による車両減速を検出した場合にのみ、車両減速時において強制的にローギヤ固定モードへ遷移する再加速対応モード遷移制御を実行するため、運転者の意図に合致した違和感のない運転性を確保することができる。
すなわち、例えば、アクセル足離しによる車両減速時、強制的な「ローギヤ固定モード」へのモード遷移が実行されると、運転者にとっては予期せぬモード遷移であり、違和感を持つ。これに対し、運転者が自らブレーキ操作しているときに強制的な「ローギヤ固定モード」へのモード遷移が実行されても、ブレーキ操作に対応したモード遷移として違和感無く許容できる。
(6) 前記駆動力合成変速機TMは、第1遊星歯車PG1,第2遊星歯車PG2,第3遊星歯車PG3で構成され、エンジンEと第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2と出力軸OUTとが連結された差動装置と、複数の走行モードを得るために設けられたローブレーキLB,ハイクラッチHC,ハイローブレーキHLBと、を有し、前記走行モードは、予め要求駆動力Fdrvと車速VSPとバッテリS.O.Cに応じて各走行モードを割り振り設定した走行モードマップと、検出された要求駆動力Fdrvと車速VSPとバッテリS.O.Cによる車両運転点とを用い、走行モードマップ上での車両運転点が所属する走行モード領域を検索することにより決定し、前記「ハイ側無段変速モード」は、ローブレーキLB解放,ハイクラッチHC締結,ハイローブレーキHLB解放により、ハイ側無段変速比を得る走行モードであり、前記「ロー側無段変速モード」は、ローブレーキLB締結,ハイクラッチHC解放,ハイローブレーキHLB解放により、ロー側無段変速比を得る走行モードであり、前記「ローギヤ固定モード」は、ローブレーキLB締結,ハイクラッチHC解放,ハイローブレーキHLB締結により、ロー側固定変速比を得る走行モードであるため、減速からの再加速時、通常のモード遷移制御を適用した場合に比べ、応答良く、かつ、滑らかに立ち上がる加速度特性により、高い駆動力要求に対応する優れた再加速性を達成することができる。
すなわち、減速からの再加速時、通常のモード遷移制御を適用した場合、「ハイ側無段変速モード」→「ロー側無段変速モード」→「ローギヤ固定モード」というモード遷移になると共に、「ロー側無段変速モード」→「ローギヤ固定モード」については第1モータジェネレータMG1の回転数の低下を待ってハイローブレーキHLBを固定する必要があり、時間がかかるため、再加速が段差的な加速度特性により滑らかに行われない。
以上、本発明のハイブリッド車のモード遷移制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、車両減速をブレーキ操作により判断する例を示したが、例えば、車速センサや前後Gセンサからの信号に基づいて車両減速度を検出して車両減速を判断しても良いし、また、アクセル足離し操作により車両減速を判断しても良いし、アクセル足離し操作とブレーキ操作とを組み合わせて車両減速を判断しても良い。
実施例1のハイブリッド車のモード遷移制御装置は、3つのシングルピニオン型遊星歯車により構成された差動装置を有する駆動力合成変速機の例を示したが、例えば、特開2003−32808号公報等に記載されているようにラビニョウ型遊星歯車により構成された差動装置を有する駆動力合成変速機にも適用することができるし、それ以外の差動装置であっても、少なくとも1つの無段変速モードとローギヤ固定モードを有する駆動力合成変速機を搭載したハイブリッド車には適用することができる。
実施例1のモード遷移制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系及び制御系を示す全体システム図である。 実施例1のハイブリッド車において電気自動車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。 実施例1のハイブリッド車においてハイブリッド車モードでの5つの走行モードをあらわす共線図である。 実施例1のハイブリッド車において走行モードの選択に用いられる走行モードマップの一例を示す図である。 実施例1のハイブリッド車において「10の走行モード」でのエンジン・エンジンクラッチ・モータジェネレータ・ローブレーキ・ハイクラッチ・ハイローブレーキの作動表である。 実施例1の統合コントローラにおいて実行される再加速対応モード遷移制御処理の流れを示すフローチャートである。 「ローギヤ固定モード」と「無段変速モード(Low)」と「無段変速モード(High)」における入出力4要素のトルクの関係を表す共線図である。 減速から再加速に移行する走行時における目標車速・本発明でのモード遷移・従来制御でのモード遷移・本発明での加速度特性・従来制御での加速度特性を示すタイムチャートである。
符号の説明
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
OUT 出力軸(出力部材)
PG1 第1遊星歯車
PG2 第2遊星歯車
PG3 第3遊星歯車
EC エンジンクラッチ
LB ローブレーキ
HC ハイクラッチ
HLB ハイローブレーキ
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第3リングギヤ回転数センサ

Claims (5)

  1. 共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
    走行モードとして、少なくともハイ側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するハイ側無段変速モードと、ロー側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するロー側無段変速モードと、ロー側固定変速比の要求時に選択され前記差動装置の回転要素を変速機ケースに固定することでロー側の固定変速比により走行するローギヤ固定モードと、を有し、
    前記ハイ側無段変速モードあるいはロー側無段変速モードを選択しての車両減速時、車速が車両加速時にローギヤ固定モードから無段変速モードへモード遷移する車速よりも高い設定車速以下であり、かつ、両モータジェネレータの回転数が設定回転数以下になると、強制的に無段変速モードからローギヤ固定モードへモード遷移する再加速対応モード遷移制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  2. 共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
    走行モードとして、少なくともハイ側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するハイ側無段変速モードと、ロー側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するロー側無段変速モードと、ロー側固定変速比の要求時に選択され前記差動装置の回転要素を変速機ケースに固定することでロー側の固定変速比により走行するローギヤ固定モードと、を有し、
    前記ハイ側無段変速モードあるいはロー側無段変速モードを選択しての車両減速時、車速が車両加速時にローギヤ固定モードから無段変速モードへモード遷移する車速よりも高い設定車速以下になると、強制的に無段変速モードからローギヤ固定モードへモード遷移する再加速対応モード遷移制御手段を設け、
    前記駆動力合成変速機は、第1遊星歯車,第2遊星歯車,第3遊星歯車で構成され、エンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータと出力部材とが連結された差動装置と、複数の走行モードを得るために設けられた第1摩擦締結要素,第2摩擦締結要素,第3摩擦締結要素と、を有し、
    前記走行モードは、予め要求駆動力と車速とバッテリ容量に応じて各走行モードを割り振り設定した走行モードマップと、検出された要求駆動力と車速とバッテリ容量による車両運転点とを用い、走行モードマップ上での車両運転点が所属する走行モード領域を検索することにより決定し、
    前記ハイ側無段変速モードは、前記第1摩擦締結要素を解放し、前記第2摩擦締結要素を締結し、前記第3摩擦締結要素を解放することで、ハイ側無段変速比を得る走行モードであり、
    前記ロー側無段変速モードは、前記第1摩擦締結要素を締結し、前記第2摩擦締結要素を解放し、前記第3摩擦締結要素を解放することで、ロー側無段変速比を得る走行モードであり、
    前記ローギヤ固定モードは、前記第1摩擦締結要素を締結し、前記第2摩擦締結要素を解放し、前記第3摩擦締結要素を締結することで、ロー側固定変速比を得る走行モードであることを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  3. 共線図上に4つ以上の入出力要素が配列される差動装置を有し、前記入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した駆動力合成変速機を備えたハイブリッド車において、
    走行モードとして、少なくともハイ側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するハイ側無段変速モードと、ロー側無段変速比の要求時に選択され無段変速比により走行するロー側無段変速モードと、ロー側固定変速比の要求時に選択され前記差動装置の回転要素を変速機ケースに固定することでロー側の固定変速比により走行するローギヤ固定モードと、を有し、
    前記ハイ側無段変速モードあるいはロー側無段変速モードを選択しての車両減速時、車速が車両加速時にローギヤ固定モードから無段変速モードへモード遷移する車速よりも高い設定車速以下であり、かつ、両モータジェネレータの回転数が設定回転数以下になると、強制的に無段変速モードからローギヤ固定モードへモード遷移する再加速対応モード遷移制御手段を設け、
    前記駆動力合成変速機は、第1遊星歯車,第2遊星歯車,第3遊星歯車で構成され、エンジンと第1モータジェネレータと第2モータジェネレータと出力部材とが連結された差動装置と、複数の走行モードを得るために設けられた第1摩擦締結要素,第2摩擦締結要素,第3摩擦締結要素と、を有し、
    前記走行モードは、予め要求駆動力と車速とバッテリ容量に応じて各走行モードを割り振り設定した走行モードマップと、検出された要求駆動力と車速とバッテリ容量による車両運転点とを用い、走行モードマップ上での車両運転点が所属する走行モード領域を検索することにより決定し、
    前記ハイ側無段変速モードは、前記第1摩擦締結要素を解放し、前記第2摩擦締結要素を締結し、前記第3摩擦締結要素を解放することで、ハイ側無段変速比を得る走行モードであり、
    前記ロー側無段変速モードは、前記第1摩擦締結要素を締結し、前記第2摩擦締結要素を解放し、前記第3摩擦締結要素を解放することで、ロー側無段変速比を得る走行モードであり、
    前記ローギヤ固定モードは、前記第1摩擦締結要素を締結し、前記第2摩擦締結要素を解放し、前記第3摩擦締結要素を締結することで、ロー側固定変速比を得る走行モードであることを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
    前記再加速対応モード遷移制御手段は、下り坂を検出した場合、車両減速時において強制的にローギヤ固定モードへ遷移する再加速対応モード遷移制御を禁止することを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載されたハイブリッド車のモード遷移制御装置において、
    前記再加速対応モード遷移制御手段は、運転者のブレーキ操作による車両減速を検出した場合にのみ、車両減速時において強制的にローギヤ固定モードへ遷移する再加速対応モード遷移制御を実行することを特徴とするハイブリッド車のモード遷移制御装置。
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