JP4228840B2 - コールドトラップおよび真空排気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コールドトラップ、および、このコールドトラップとターボ分子ポンプとを併用した真空排気装置に関する。
真空チャンバ内を排気する真空排気装置の一例としてターボ分子ポンプがある。このターボ分子ポンプは、排出しようとする気体分子の分子量(分子の大きさ)により排気性能が異なる。特に分子量が小さい水蒸気の排気が困難であり、例えば、ターボ分子ポンプにより真空チャンバ内の気体を排気し、10−6Pa〜10−12Pa程度まで排気した場合、真空チャンバ内における残留ガスは、その大部分が水蒸気である。このような水蒸気が真空チャンバ内に残留すると、真空度および真空環境に悪影響を及ぼす。
そこでターボ分子ポンプの上流(一般には真空チャンバとターボ分子ポンプとの間)にコールドトラップが設けられる。
このコールドトラップは、極低温に冷却された面(以下、コールドパネルという)と接するようにガスを通過させ、このような通過するガスに含まれる水蒸気を冷却して氷に凍結して捕集する装置であり、真空チャンバ内に水蒸気の少ない真空環境を得ることができる。
コールドトラップの水蒸気除去により、ターボ分子ポンプに水蒸気をあらかじめ取り除いたガスを流入させて、真空チャンバの排気速度を向上させることができる。また、コールドトラップは冷却温度を適宜設定することにより、他のガス(例えば、Br,NH,Cl,CO等)も凍結捕集することができる。
なお、本来は固体(氷)から気体(水蒸気)への変化、および、気体(水蒸気)から固体(氷)への変化をともに昇華というが、混乱を招きやすいことに鑑み、本明細書中では特に気体(水蒸気)から固体(氷)への変化を凍結といい、固体(氷)から気体(水蒸気)への変化を昇華と呼んで区別する。
さて、このようなコールドトラップには各種の従来技術がある。他の従来技術として、例えば、特許文献1(コールドトラップおよび真空排気装置)に記載された発明が知られている。
特許文献1には、GM方式(ギフォード・マクマホン方式)のヘリウム冷凍機を利用するコールドトラップについて記載されている。
特開平11−294330号公報 (段落番号0032〜0049,図1〜図3)
しかしながら、上記従来技術のコールドトラップには以下のような課題がある。
ほぼ常温であるケーシングおよび真空チャンバが、低温のコールドパネルの周りを覆うという機械的構造のため、ケーシングおよび真空チャンバの内壁面から放射される熱がコールドパネルへ侵入するという問題があった。
このようなケーシングおよび真空チャンバから放射される熱の影響を排除するため、現状では、コールドパネルへの熱侵入量を考慮して冷凍能力を決定している。
ガスを吸着するために冷凍出力が熱侵入分より一桁小さい冷凍能力であることを考慮すると、例えば、6インチクラスのコールドトラップの場合では、約3Wの熱がコールドトラップへ侵入する。小型の冷凍機の70K冷凍における消費電力は冷凍能力1Wあたり約40Wであるため、熱侵入分の消費電力は約120Wと大きい。
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、コールドパネルへの熱侵入を抑止することで熱侵入分の消費電力を小さくし、ランニングコストを低減するようなコールドトラップ、および、このような利点を持つコールドトラップにターボ分子ポンプを併用した真空排気装置を提供することにある。
本発明の請求項1に係るコールドトラップは、
ケーシングと、
ケーシング内空間に設置されるシールド部と、
シールド部内空間に設置されるコールドパネルと、
圧縮機、および、冷却端を含む膨張機を有し、少なくともケーシングの内部でこの冷却端がコールドパネルに熱的に接続されて配置される冷凍機と、
を備え、
前記シールド部、両円錐台形状であって、シールド部の開口部をケーシングの開口部と対向するように形成することを特徴とする。
この構成によれば、ケーシングとコールドパネルとの間に熱的に絶縁したシールド部が介在するため、シールド部はケーシングの温度とコールドパネルの温度とのほぼ中間の温度となる。放射による侵入熱量は、対向する面の温度の4乗の差に比例するので、ケーシングの内周壁面からコールドパネル表面への放射による侵入熱量を小さくすることができる。
そして、ケーシングの内周壁面からの放射熱は、シールド部の開口部と通過してコールドパネルへ到達するため、開口部の開口面積は狭いほうが望ましい。また、ガスの流れ方向に対してシールド面が斜め方向に面すると、排気速度の低下を極力抑止することが可能である。
そこで、両円錐台形状(そろばんの玉の形状であって中空状の形状)として両円錐台形の狭い面に開口部を設けることで開口面積を小さくするとともにガスが流れやすいようにした。さらに、シールド部の開口部をケーシングの開口部と対向する(好ましくはシールド部の開口部の開口面と、ケーシングの開口部の開口面とは略平行とする。)ようにしてケーシングとコールドパネルが直接向き合う面を極力減らした。
また、本発明の請求項2に係るコールドトラップは、
請求項1記載のコールドトラップにおいて、
前記シールド部円錐台形の底面と斜辺のなす角は30°以上90°未満であることを特徴とする。
開口面積を狭くするにつれて斜面の角度が小さくなって(斜辺が円錐台形の底面つまり水平に近づいて)排気速度が低下し、また、開口面積が広くなるにつれて斜面の角度が大きくなって(斜辺が円錐台形の底面に対して垂直となって)排気速度の低下はないが侵入熱量が大きくなるため、角度を考慮する必要があるが上記角度の範囲内であれば排気速度を所定範囲内に維持できることを知見した。
また、本発明の請求項に係るコールドトラップは、
請求項1または請求項に記載のコールドトラップにおいて、
前記シールド部は、複数層にわたり形成されることを特徴とする。
この構成によれば、ケーシングとコールドパネルとの間に熱的に絶縁した複数のシールドを配置してなるシールド部が介在するため、複数のシールドが、ケーシングの温度とコールドパネルの温度とのそれぞれ中間の温度となる。放射による侵入熱量は、対向する面の温度の4乗の差に比例するので、ケーシングの内周壁面からコールドパネル表面への熱侵入を抑止する効果を高めることが可能となる。
また、本発明の請求項に係るコールドトラップは、
請求項1〜請求項の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
前記シールド部は、熱伝導率が大きい銅または銅合金とすることを特徴とする。
この構成によれば、それぞれのシールド部の温度の均一性を高めることができる。放射による侵入熱量は、対向する面の温度の4乗の差に比例するので、ケーシングの内周壁面からコールドパネル表面への熱侵入を抑止する効果を高めることが可能となる。
また、本発明の請求項に係るコールドトラップは、
請求項1〜請求項の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
前記シールド部の外表面を放射率の小さな光沢面とすることを特徴とする。
シールド部の外表面を熱放射率の小さな光沢面としてケーシングから侵入する熱量、また、コールドパネルへ放射する熱量を低減できる。
また、本発明の請求項に係るコールドトラップは、
請求項1〜請求項の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
前記コールドパネルは、低温域における熱伝導率が大きい純チタンを材料とすることを特徴とする。
この構成によれば、熱伝導率が大きいコールドパネルは、温度の変化に素早く追従してコールドパネル全体の表面温度分布を、通常用いられるステンレス材に比較して、均一にすることができるため、氷を捕集するコールドパネルの有効表面積を大きくすることができる。
また、本発明の請求項に係るコールドトラップは、
請求項1〜請求項の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
前記コールドパネルは、低温域における熱伝導率が大きい銅または銅合金を材料とすることを特徴とする。
この構成によれば、純チタン同様にコールドパネル全体の表面温度分布を通常用いられるステンレス材に比べて均一にすることができるため、コールドパネルの有効表面積を大きくすることができる。
また、本発明の請求項に係るコールドトラップは、
請求項に記載のコールドトラップにおいて、
前記コールドパネルは、その表面に耐食性を向上させる保護層を形成したことを特徴とする。
銅または銅合金にガスが接触しないような保護層を形成することで銅または銅合金の表面の腐食を防止することができる。
また、本発明の請求項に係るコールドトラップは、
請求項1〜請求項の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
前記コールドパネルの水分子を凍結捕集するトラップ面の表面積を大きくすることを特徴とする。
この構成によれば、コールドパネルのトラップ面として、例えば、なし地状の面、突起体による凹凸面を採用することでガスを吸着できる表面積を大きくすることができる。
また、本発明の請求項10に係るコールドトラップは、
請求項1〜請求項の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
前記膨張機は、パルスチューブ膨張機であることを特徴とする。
この構成によれば、パルスチューブ冷凍機の膨張機(以下、単にパルスチューブ膨張機という)には、GM式の冷凍機のように非金属の摺動材などの可動部がなく、全て金属製とすることができるため、再生処理時の加熱温度を、可動部のあるGM冷凍機に比べて大幅に高く設定することができるとともにヒートショックに対する信頼性も向上させることができる。換言すれば冷凍機がパルスチューブ冷凍機であるということでもある。
また、本発明の請求項11に係るコールドトラップは、
請求項1〜請求項10の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
前記コールドパネルを加熱する加熱手段と、
前記コールドパネルの温度を計測する温度計測手段と、
加熱手段、冷凍機および温度計測手段が接続される温度制御手段と、
を備え、
この温度制御手段は、温度計測手段が計測したコールドパネルの温度に基づき、コールドパネルの温度を所定温度とするように冷凍機または加熱手段を制御することを特徴とする。
この構成によれば、コールドパネルの表面温度(トラップ面)を吸着・再生に最適な任意の温度とするため、冷凍機または加熱手段を温度制御することで実現できる。
また、本発明の請求項12に係るコールドトラップは、
請求項11記載のコールドトラップにおいて、
前記加熱手段は、コールドパネルに内蔵されることを特徴とする。
この構成によれば、コールドパネルを均一に素早く加熱できるとともにヒータ等の構成部材からのアウトガスを真空チャンバ内に放出することがない。
また、本発明の請求項13に係る真空排気装置は、
水分子を凍結捕集した残りのガスを流出させる請求項1〜請求項12の何れか一項に記載のコールドトラップと、
コールドトラップから流出したガスを排気するターボ分子ポンプと、
を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ガス吸着時は冷凍機の入力及び出力をコールドパネルの負荷に応じて変化させることができ、再生時は冷凍機を停止して加熱手段で高温まで均一に加熱することができるので、ターボ分子ポンプと併用して稼働率が高く、ランニングコストの低い真空排気装置を提供することができる。
以上のような本発明によれば、コールドパネルへの熱侵入を抑止することで熱侵入分の消費電力を小さくし、ランニングコストを低減するようなコールドトラップ、および、このような利点を持つコールドトラップにターボ分子ポンプを併用した真空排気装置を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態について説明する。
まず、請求項1〜請求項10の発明に係る第1形態について説明する。図1は本形態のコールドトラップ100の構成図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はA−A線断面図である。図2はコールドトラップ100の断面斜視図である。図3はシールド部による熱遮断原理の説明図である。
本形態のコールドトラップ100は、図1に示すように、ケーシング11、コールドパネル12、シールド部13、パルスチューブ冷凍機14、支持部15を備えている。
ケーシング11は、胴部11a、フランジ11bを備えている。
コールドパネル12は、上側パネル12a、下側パネル12b、上側支持部12c、下側支持部12dを備えている。
シールド部13は、外周下側シールド13a、外周上側シールド13b、内周下側シールド13c、内周上側シールド13dを備えている。
パルスチューブ冷凍機14は、冷却端14a、本体14bを備えている。
支持部15は、上側支持部15a、下側支持部15bを備えている。
ケーシング11について、胴部11aは円筒状であって、フランジ11bはこの胴部11aの上下の開口部の周縁に連接して形成されている。このケーシング11の胴部11aの中にケーシング内空間が形成されている。また、ケーシング11の胴部11aの内周壁面を放射率の小さな鏡面(光沢面)とし、ケーシング11からシールド部13へ放射する熱量を低減できる。
パルスチューブ冷凍機14は、本発明の冷凍機の具体例であり、冷却端14a、膨張機14b、圧縮機14cを備えている。パルスチューブ冷凍機14は、ヘリウムガスを冷媒としたクローズドタイプの冷凍機であり、膨張機14bおよび圧縮機14cのスターリングサイクルにより、膨張機の一部である冷却端14aが冷却されるように構成されている。通常のスターリング型冷凍機では膨張機がピストンとシリンダとにより機械的に構成されるが、パルスチューブ冷凍機14では機械的な可動部がなく、パルスチューブ(図示せず)内のガス(ガスピストン)がその役割を担っている。
パルスチューブ冷凍機14は、ケーシング11の胴部11aの外側面に膨張機14bが取り付けられ、また、ケーシング11の胴部11aの内部に冷却端14aが配置されるように取り付けられる。
また、コールドパネル12について、上側パネル12aは上方向に先細るように略円錐台形状に形成され、図1(a),(b),図2で示すように、一カ所(図1(a),(b)では右側)に切れ込みが入っており、切れ込み端部の二カ所に上側支持部12cが連接して形成されている。また、内部は中空であって上下側で開口部が形成されている。
同様に下側パネル12bは下方向に先細るように略円錐台形状に形成され、図1(a),(b),図2で示すように、一カ所(図1(a),(b)では右側)に切れ込みが入っており、切れ込み端部の二カ所に下側支持部12dが連接して形成されている。また、内部は中空であって上下側で開口部が形成されている。これにより、コールドパネル12は概略両円錐台形状となる。
これら上側支持部12cおよび下側支持部12dは、パルスチューブ冷凍機14の冷却端14aに機械的に固定されている。この接触箇所は面接触として、熱伝導率を大きく(熱抵抗を小さくする)ように配慮されている。
また、このコールドパネル12の上側パネル12a、下側パネル12b、上側支持部12c、下側支持部12dは、70K(−203℃)程度の極低温域における熱伝導率が大きい銅または銅合金を材料としている。これら構成により、冷却端14aが低温になったとき、冷却端14aの熱が直ちにコールドパネル12に熱伝導されて短時間でコールドパネル12全体が冷却端14aと同じ温度となる。この場合、コールドパネル12全体の表面温度分布が均一な状態となり、通常用いられる熱伝導率が小さいステンレス材のように不均一な温度分布とならないため、コールドパネル12の有効表面積を大きくすることができ、コールドパネル12の全面で水分子を捕集できる。
このようにコールドパネル12は、パルスチューブ冷凍機14の冷却端14aに熱的に接続されており、上側支持部12cを介して上側パネル12aが、また、下側支持部12dを介して下側パネル12bが、パルスチューブ冷凍機14により冷却される。
さらにコールドパネル12は、その表面に耐食性を向上させる保護層(具体的にはニッケルメッキ層)を形成し、ガスが銅・銅合金と接触しないようにしている。これにより、腐食(つまり酸化)しやすい銅または銅合金に対して、耐食性を向上させてガス(特に水蒸気)により緑青等が生じないように配慮している。銅または銅合金の熱伝導性とニッケルの耐腐食性により、コールドトラップ100特有の用途(水分子の凍結捕集)に適したものとしている。
なお、70K(−203℃)程度の極低温域の熱伝導性と耐腐食性とが共に良好である純チタンを材料としてコールドパネル12を形成しても同様の効果を得ることができるが、コスト等を勘案すると上記の銅・銅合金にニッケルメッキ処理を施したコールドパネル12とすることが望ましい。
また、コールドパネル12の水分子を凍結捕集するトラップ面の表面積を大きくしている。例えば、コールドパネルのトラップ面として、例えば、例えばブラスト加工やピーニング加工によりなし地状の面を採用することでガスを吸着できる表面積を大きくすることができる。なお、表面積を拡大できれば良く突起体を多数形成した凹凸面としてもよい。
続いてシールド部13について説明する。シールド部13において、この外周下側シールド13a・内周下側シールド13cは下方向に先細るように略円錐台形状に形成され、図1(a),(b),図2で示すように、一カ所(図1(a),(b)では右側)に切れ込みが入っており、内部は中空であって上下で開口部が形成されている。この外周下側シールド13a・内周下側シールド13cの複数箇所(例えば図1(a)の上側支持部15aと同様に3カ所)で、支持部15の下側支持部15bに点接触で固定されている。この下側支持部15bはケーシング11の胴部11aに機械的に固定されており、下側支持部15bは熱伝導率の小さい材料で形成されている。これにより、胴部11aから下側指示部15bを介して外周下側シールド13a・内周下側シールド13cへは熱が伝わりにくくしている。
また、同様に外周上側シールド13b・内周上側シールド13dは上方向に先細るように略円錐台形状に形成され、図1(a),(b),図2で示すように、一カ所(図1(a),(b)では右側)に切れ込みが入っており、内部は中空であって上下側で開口部が形成されている。この外周上側シールド13b・内周上側シールド13dの複数箇所(例えば図1(a)のように3カ所)で、支持部15の上側支持部15aに点接触で固定されている。この上側支持部15aはケーシング11の胴部11aに機械的に固定されており、上側支持部15aは熱伝導率の小さい材料で形成されている。これにより、胴部11aから上側指示部15aを介して外周上側シールド13b・内周上側シールド13dへは熱が伝わりにくくしている。
このようなシールド部13は概略両円錐台形状となり、シールド部12の内部にシールド部内空間が形成されている。このシールド部内空間にコールドパネル12が配置されている。
このように、シールド部13がコールドパネル12を覆って、ケーシング11からコールドパネル12を遮蔽することによりコールドパネル12の冷凍効率を向上させることができる。
例えば、図3(a)のようにケーシング11とコールドパネル12との間にシールド部がない場合、外部温度に近いケーシング11(例えば300K)の熱がコールドパネル12へ熱放射されることとなるが、図3(b)のように1枚のシールドによるシールド部13があることにより、シールド部13はケーシング11からの常温域の放射熱と、コールドパネル12からの低温域の放射熱とを受け、シールド部13はケーシング11の温度(例えば300K)とコールドパネル12(例えば100K)の温度との中間の温度(200K)となり、シールド部13からコールドパネル11への放射熱はこの中間温度(200K)の熱となる。つまりケーシング11の胴部11aの内周壁面からコールドパネル12表面への放射熱は両側の熱の総和の約1/2とすることができ、熱侵入を抑止することが可能となる。
また、図3(c)に示すように、ケーシング11とコールドパネル12との間に2枚のシールドによるシールド部13が介在するならば、ケーシング11の胴部11aの内周壁面からコールドパネル12表面への放射熱は、nをシールド枚数とすると約1/(n+1)とすることができ、熱侵入を抑止することが可能となる。
このようにシールド部13は複数層のシールドにより形成することが好ましい。
また、ケーシング11の胴部11aの内周壁面からの放射熱は、シールド部13の開口部通過してコールドパネル12へ到達するため、開口部の開口面積は狭いほうが望ましい。
円錐台形の狭い面に開口部を設けることで開口面積を小さくすることができる。また、ガスの流れ方向に対してシールド面が斜め方向に面するため、排気速度の低下を極力抑止することが可能である。
これら外周下側シールド13a・内周下側シールド13c・外周上側シールド13b・内周上側シールド13dの円錐台形の底面と斜辺のなす角θ(図1(b)では内周上側シールド13dの角度θのみ図示し他は省略する。)では30°〜90°である。
排気速度の低下が所定範囲内で開口面積を狭くしていったとき上記角度が条件を満たすことを知見した。
また、外周下側シールド13a・内周下側シールド13c・外周上側シールド13b・内周上側シールド13dの開口部は円形であり、これらシールド部13の各開口部をケーシング11の開口部と対向するように形成する。
例えば、開口面が胴部11aの内周壁面に対向すると考えると胴部11aから開口面を経て熱放射がコールドパネル12に到達することから考えて、逆に上記のような構成とすれば、ケーシング11からコールドパネル12の視野が狭くなる、つまりケーシング11とコールドパネル12との間に最も多くシールド部13が介在できて遮蔽能力を高めており、ケーシング11の胴部11aの内周壁面からの放射熱がコールドパネル12へ到達しないようにする。
また、コールドパネル12の開口部はこれらシールド部13の各開口部よりも中側に位置するようになされている。
例えば、コールドパネル12がシールド部13の開口部から突き出るような場合、胴部11aから熱放射がコールドパネル12に到達することから考えて、逆に上記のような構成とすれば、ケーシング11からコールドパネル12の視野が狭くなる、つまりケーシング11とコールドパネル12との間に最も多くシールド部13が介在できて遮蔽能力を高めており、ケーシング11の胴部11aの内周壁面からの放射熱がコールドパネル12へ到達しないようにする。
また、シールド部13は、熱伝導率が大きい銅または銅合金を材料としている。この構成によれば、放射による侵入熱量は、対向する面の温度の4乗の差に比例するので、それぞれのシールド部の温度の均一性を高めることができる。
さらにシールド部13は、その表面に耐食性を向上させる保護層(具体的にはニッケルメッキ層)を形成し、ガスが銅・銅合金と接触しないようにし、耐食性を向上させてガス(特に水蒸気)により緑青等が生じないように配慮しても良い。
また、シールド部13の外表面を放射率の小さな鏡面(光沢面)としている。シールド部13の外表面を放射率の小さな光沢面としてケーシング11から侵入する熱量、および、コールドパネル12へ放射する熱量を低減できる。
なお、本形態では各種の変形が可能である。これら形態について、図を参照しつつ説明する。図4は、他のコールドトラップ100の断面斜視図である。
このコールドトラップ100は、三層のシールドからなるシールド部を有するものであり、図4に示すように、シールド部13は、外周下側シールド13e、外周上側シールド13f、中間下側シールド13g、中間上側シールド13h、内周下側シールド13i、内周上側シールド13jを備えている。
このように三層とすることで、ケーシング11からコールドパネル12へ到達する放射熱をさらに少なくすることができ、コールドパネル12の冷凍効率を高めることが可能となる。
また、図5は、参考例としてのコールドトラップ100の断面斜視図である。
このコールドトラップ100は、円筒状のコールドパネル12および円筒状の複数層のシールドからなるシールド部を有するものであり、図5に示すように、コールドパネル12は、上側パネル12e、下側パネル12f、上側支持部12g、下側支持部12hを備え、また、シールド部13は、外周下側シールド13k、外周上側シールド13l、内周下側シールド13m、内周上側シールド13nを備えている。
このように円錐台形ではなく、筒状とすることで、開口部は大きくなるものの、製造が容易になるという利点がある。このようにシールドを円筒状とするか円錐台形状とするかは性能・製造コストを勘案して選択されるものであるが、このような形態でもケーシング11からコールドパネル12へ到達する放射熱を少なくすることができ、コールドパネル12の冷凍効率を高めることができる。
また、図6は、他のコールドトラップ100の断面斜視図である。
このコールドトラップ100は、複数枚の板を角錐台形状に配置したコールドパネル、および、複数枚の板を角錐台形状に配置して一個のシールドを形成し、さらにこのようなシールドを複数層とするシールド部を有するものであり、図6に示すように、コールドパネル12は、上側パネル12i、下側パネル12j、上側支持部12k、下側支持部12lを備え、また、シールド部13は、外周下側シールド13o、外周上側シールド13p、内周下側シールド13q、内周上側シールド13rを備えている。
このように複数の板により角錐台形とすることで、隙間から熱放射が侵入するが、一枚の板を円錐台形状とするよりは製造が容易になるという利点がある。このようなシールドは性能・製造コストを勘案して選択されるものであるが、このような形態でもケーシング11からコールドパネル12へ到達する放射熱を少なくすることができ、コールドパネル12の冷凍効率を高めることができる。
これらのようにシールド部は各種形態が可能であるが、ケーシング11とコールドパネル12との間で熱放射を遮断するような各種構成を採用することができる。
続いて、請求項11,請求項12の発明に係る第2形態について説明する。図7は本形態のコールドトラップ100の構成図、図8は温度制御系のブロック図である。
本形態のコールドトラップ100は、ケーシング11と、コールドパネル12と、シールド部13と、パルスチューブ冷凍機14と、支持部15と、ヒータ16と、温度センサ17と、端子部18と、コントローラ19と、電源20と、を備えている。
なお、ケーシング11、コールドパネル12、シールド部13、パルスチューブ冷凍機14、支持部15は第1形態と同じ構成であるため、同じ符号を付するとともに重複する説明を省略し、相違点について説明する。
コールドトラップ100は、冷却されたコールドパネル12に気体分子を凍結吸着させて、コールドパネル100全面が氷で覆われるまで溜めるという溜め込み方式であり、一定の運転時間ごとにコールドパネル12から氷を除去する再生を行う必要がある。
コールドパネル12の再生には、外部ヒータによる加熱方法や、または、コールドパネル12近傍に配管を配置しておき、ガスなどの冷媒を加熱して流すことにより、コールドパネル12の温度を上昇させる。
ヒータ16は、本発明の加熱手段の一具体例であり、例えばコールドパネル12の上側パネル12aおよび下側パネル12bの内部にサンドイッチ状に密封内蔵され、円錐台形状となった面状ヒータであり、電流線や絶縁部がコールドパネル12の上側パネル12aおよび下側パネル12bから露出しないように構成する。
なお、ヒータ13は、コールドパネル12の上側パネル12aおよび下側パネル12bにほぼ均一に設置できればシーズヒータのような線状ヒータでも良い。また、コールドパネル12の上側パネル12aおよび下側パネル12bを鋳物として製造する場合には、鋳込みヒータとしても良く、各種ヒータの採用が可能である。
温度センサ17は、本発明の温度計測手段の一具体例であり、図7で詳述していないが、シーズタイプのものをコールドパネル12の上側パネル12aや下側パネル12bに取り付け、コールドパネル12の主要部の温度を計測できるようにする。
端子18は、ヒータ16に接続された電流線および温度センサ17に接続された信号線をケーシング11から引き出すために設けられる。この端子18は真空下で使用できるものであり、例えばハーメチック等が用いられる。
コントローラ19は、本発明の温度制御手段の一具体例であり、ケーシング11から外部に引き出された制御線、電流線および信号線と接続されている。コントローラ19は、電流線を介して接続されるヒータ16、制御線を介して接続されるパルスチューブ冷凍機14、さらに信号線を介して接続される温度センサ17に対して後述するような情報の読み出し、各種の制御を行う。
電源20は、コントローラ19を介してヒータ16やパルスチューブ冷凍機14へ電源を供給する。このコールドトラップ10の温度制御系は図8で示すようになる。なお、圧力センサ21については後述する。
この構成によれば、コールドパネルの表面温度(トラップ面)を吸着・再生に最適な任意の温度とするため、冷凍機または加熱手段を温度制御することで実現することができる
続いて、上記のコールドトラップを搭載した真空排気装置について図を参照しつつ説明する。図9はコールドトラップおよびターボ分子ポンプからなる第3形態の真空排気装置の側面断面図、図10は第3形態の真空排気装置のブロック構成図、図11は真空排気装置の具体的な構成図である。
本形態の真空排気装置1000は、図9,図10で示すように、第1,第2形態のコールドトラップ100とターボ分子ポンプ200とを備えている。図9では具体的構成を、図10では単純化したブロック図として図示している。コールドトラップ100は先に説明したものであり、重複する説明を省略する。
ターボ分子ポンプ200は、周知技術であるが、多数の動翼と多数の固定翼を交互に配置し、動翼を数万rpmという極めて高速で回転させて、分子を移動させて排気するポンプである。クリーンな真空が得られる、という利点がある。
これらコールドトラップ100およびターボ分子ポンプ200により真空排気装置1000が構成される。このような真空排気装置1000では、冷凍効率が高いコールドトラップにより効率的に水分子を冷凍捕集するため、排気性能を高めることができる。
続いて、特に第2形態の温度制御機能付きのコールドトラップ100を用いて真空排気装置1000を稼働させるときのコールドトラップ100およびターボ分子ポンプ200の動作について説明する。なお、図11で示すような具体的な真空排気装置を想定し、真空チャンバ300、ゲートバルブ400、コールドトラップ100、ターボ分子ポンプ200が接続され、真空チャンバ300内を排気するものとして説明する。
上記構成の真空排気装置1000において、ターボ分子ポンプ200の排気とともにコールドトラップ100を動作させる。
真空チャンバ300内のガスが排気され始めると、真空チャンバ300内のガスの圧力が低下し始める。真空チャンバ300内のガスの圧力の低下とともに真空チャンバ300の水分は水蒸気へと気化する。これらの水蒸気を含むガスが、ゲートバルブ400を経てコールドトラップ100を通過する。
コールドトラップ100では、図7,図8で示すように、コントローラ19がパルスチューブ冷凍機14の運転を開始するとともに、温度センサ17が出力する温度計測信号をフィードバック入力することにより、コールドパネル12を所定温度に維持する。
例えば、コールドパネル12の所定温度の一例として水蒸気のみを凍結捕集する最適な温度である120K〜150K(−153℃〜−123℃)の範囲内の温度を選択して制御し、コールドパネル12に水蒸気を凍結捕集して吸着させるようにする。
これにより、真空チャンバ300内の水分が吸着され、水分以外の分子はターボ分子ポンプ200で高い圧縮比に圧縮されて排気される。
このようなコールドトラップ100について以下のような利点がある。
例えば、従来技術のGM式の冷凍機では、一旦稼働させたならば負荷に関係なく定格で連続運転していたが、本実施形態のコールドトラップ100では、パルスチューブ冷凍機14の運転を、コールドパネル100の吸着能力に応じた最適な温度となるような電力とするだけでよく、無駄な電力消費を回避できる。
また、コールドトラップ100は、冷却ではパルスチューブ冷凍機14を用いたり、加熱ではヒータ16を用いたり、または、パルスチューブ冷凍機14およびヒータ16を併用したりすることで、コールドパネル12に直接に冷却・加熱の両方が可能となり、60K〜573K(−213℃〜300℃)という広範囲の任意の温度に制御できる。
この構成によれば、コールドパネルの温度について、吸着時は、ガスの吸着特性に合わせた効果的な温度を選択して最適な選択吸着を可能とし、再生処理時には、水分の放出に効果的な温度を選択し、コールドパネル12のトラップ面の温度が最適となるように制御することができ、水蒸気だけでなく任意のガス(例えばBr,NH,Cl,CO等)を選択吸着することも可能である。
さて、このようなコールドトラップ100のコールドパネル12の全面が氷に覆われて吸着効率が落ち、排気速度が低下した場合は、以下の第1の方法(便宜上、急速再生法と呼ぶ。)および第2の方法(便宜上、緩速再生法と呼ぶ。)によりコールドパネル12から氷を取り除いて再生することができる。以下、第1,第2の方法について説明する。
第1の方法(急速再生法)について
本方法では、凝結した氷を急速に高温加熱して全て水蒸気とし、コールドトラップ100内から排気除去して、コールドパネル12を急速に再生するというものである。以下、図7,図8,図11を参照しつつ時系列的に説明する。
(1)図11で示すように、真空チャンバ300とコールドトラップ100との間に設けたゲートバルブ400を閉じる。
(2)図7,図8で示すように、コントローラ19がパルスチューブ冷凍機14の運転を停止するように制御する。
(3)コントローラ19がヒータ16を制御し、コールドパネル12を一気に300℃まで加熱する。コントローラ19は温度センサ17から出力される温度計測信号に基づいて、立ち上がり時間が最短となるように温度制御する。
(4)ケーシング11の胴部11aに設けた図示しない再生排気口から気化した水蒸気を排出する。なお、再生排気口の下流には図示しない真空ポンプが接続され、高速に排気する。
(5)コントローラ19がパルスチューブ冷凍機14の運転を再開するように制御する。
(6)図11で示すように、真空チャンバ300とコールドトラップ100との間に設けたゲートバルブ400を開き、ターボ分子ポンプ200による真空チャンバ400内の排気を継続する。
このような急速再生方法の採用は、従来技術では困難であった。従来のGM式冷凍機の膨張機は、樹脂材による耐摩耗性シールが存在するためヒートショックに弱く、上限温度が100℃以下に制限されている。最近では180℃程度で再生できるものも出現しているが、本質的に高温加熱はできない構成である。
一方、本実施形態では、特に、パルスチューブ冷凍機14のパルスチューブ膨張機は可動部がなく、全て金属で構成されている。これにより温度の上限が緩和され、短時間で300℃まで加熱することができる。これにより再生時間を大幅に短縮できる。
第2の方法(緩速再生法)について
本方法では、真空排気装置1000を通常運転している最中に、コールドパネル12に凍結した氷を少しづつ水蒸気に昇華し、コールドトラップ100内からターボ分子ポンプ200を経て少しづつ排気除去して、コールドパネル12を緩速(ゆっくり)に再生するというものである。
(1)図7,図8,図11で示すように、コントローラ19は、真空チャンバ300(またはコールドトラップ100のケーシング11)の内部に設けられた圧力センサ21(図8参照)から圧力計測信号を入力する。例えば圧力センサ21(図8参照)からの圧力計測信号に基づいてコントローラ19が10−8Paと判断したものとする。
(2)コントローラ19は、この圧力計測信号から算出した圧力に対応する水蒸気の飽和温度を図示しないメモリから読み出す。例えば10−8Pa に対応する飽和温度は約130Kである。
(3)コントローラ19は、コールドパネル12の温度が飽和温度より少し低い温度となるように制御する。この場合コントローラ19の制御は、温度センサ17から出力される温度計測信号をフィードバック入力し、目標温度に近づくようにヒータ16(またはパルスチューブ冷凍機14)の温度を制御する。ここに目標温度とは例えば飽和温度130Kを下回る約125Kであるものとする。コールドパネル12に直接接触する位置にある氷は飽和温度を上回ることはないが、コールドパネル12から離れた箇所にある氷は飽和温度を超える。
(4)飽和温度に到達した氷は、この低温度下では液化することなく、直ちに水蒸気へと昇華する。
(5)以下、コールドパネル12の温度を飽和温度130Kに近づけるように徐々に上昇させて、コールドパネル12を徐々に再生する。ここで温度上昇時間は予め実験等により最適な時間を図示しないメモリに登録するようにしても良い。
なお、温度上昇が急激すぎると、水蒸気分子の増大により真空チャンバ300内の真空度が低下するため、コントローラ19は、圧力センサ21から出力される圧力計測信号から得られる圧力値を監視し、圧力が急激に上昇しないようにヒータ16(またはパルスチューブ冷凍機14)の温度を上昇させていき、圧力値が上昇(真空度が低下)したならば、ヒータ16を停止させる(またはパルスチューブ冷凍機14による冷却温度を上昇させる)ような制御を行うようにしてもよい。
なお、本実施形態ではコールドトラップ100の下流に直接ターボ分子ポンプ200を直列に配置した構成であるが、他の形態を採用することもできる。図12,図13は他の真空排気装置のブロック構成図である。
例えば、図12で示すように、真空チャンバ300の上流にコールドトラップ100を、また、下流にターボ分子ポンプ200を接続してもよい。
また、図13で示すように真空チャンバ300にそれぞれ多数の真空排気装置1000を並列に取り付けても良い。真空チャンバ300の大きさによって接続数が決定される。
この本形態の温度制御機能付きの真空排気装置1000によれば、最適な電力でコールドパネル12の表面温度を吸着に最適な任意の温度に一定に保つことができる。このため、ヒータ16の加熱による余分な電力を必要としないのでランニングコストを大幅に低減することができる。
また、コールドパネル12の温度を最低60K(−213℃)から最高573K(+300℃)までに制御できるので、水蒸気以外にも、吸着しようとするガスの吸着特性に合わせた最適温度による選択吸着を可能とし、さらに再生時には、水分の放出を短時間で効果的にコントロールすることができる。
また、加熱手段であるヒータ16をコールドパネル12に内蔵したため、コールドパネル12を均一に素早く加熱できるとともにヒータ16の構成部材からのアウトガスを真空チャンバ300内に放出することがなく、信頼性の高いクリーンな環境を提供できる。
また、冷凍機として高効率でコンパクトなパルスチューブ冷凍機14を採用した。このパルスチューブ冷凍機14が内蔵するパルスチューブ膨張機には、樹脂など非金属の摺動材などの可動部がなく、全て金属製の部品で構成されており、再生処理時の加熱温度を可動部のあるGM冷凍機に比べて大幅に高く設定することができるとともにヒートショックに対する信頼性も向上させることができる。
また、コールドパネル12の表面材質を低温域における熱伝導率が小さい純チタン・保護層を設けた銅・銅合金としたため、コールドパネル12の表面温度分布を通常用いられるステンレス材に比べて均一にすることができ、コールドパネル12の有効表面積を大きくすることができ、吸着速度を大きくすることができる。
また、コールドパネル12の表面のうち、トラップ面をなし地の面とすることでガスを吸着できる表面積を大きくしたため、常温側から侵入する熱量を低減でき、効率のよいコールドトラップとすることができる。
また、水分子を凍結捕集した後の気体を流出させるコールドトラップ100と、気体分子を圧縮して排出するターボ分子ポンプ200と、を備えたため、ガス吸着時はコールドパネル12の負荷に応じて温度制御し、再生時はパルスチューブ冷凍機14を停止してヒータ16により均一に高温で加熱することができるので、ターボ分子ポンプ200と併用して稼働率が高く、ランニングコストの低い真空排気装置1000を提供することができる。
以上本発明のコールドトラップおよび真空排気装置について説明した。本発明によれば、ケーシングとコールドパネルとの間にシールド部を介在させたため、冷凍効率を向上させることが可能となる。さらに、このような冷凍効率を向上させた真空排気装置であるため、水分子を効率よく凍結捕集して排気速度を大きくすることが可能となる。
第1形態のコールドトラップの構成図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はA−A線断面図である。 コールドトラップの断面斜視図である。 シールド部による熱遮断原理の説明図である。 他のコールドトラップの断面斜視図である。 参考例としてのコールドトラップの断面斜視図である。 他のコールドトラップの断面斜視図である。 第2形態のコールドトラップの構成図である。 温度制御系のブロック図である。 コールドトラップおよびターボ分子ポンプからなる第3形態の真空排気装置の側面断面図である。 第3形態の真空排気装置のブロック構成図である。 真空排気装置の具体的な構成図である。 他の真空排気装置のブロック構成図である。 他の真空排気装置のブロック構成図である。
符号の説明
100:コールドトラップ
11:ケーシング
11a:胴部
11b:フランジ
12:コールドパネル
12a:上側パネル
12b:下側パネル
12c:上側支持部
12d:下側支持部
12e:上側パネル
12f:下側パネル
12g:上側支持部
12h:下側支持部
12i:上側パネル
12j:下側パネル
12k:上側支持部
12l:下側支持部
13:シールド部
13a:外周下側シールド
13b:外周上側シールド
13c:内周下側シールド
13d:内周上側シールド
13e:外周下側シールド
13f:外周上側シールド
13g:中間下側シールド
13h:中間上側シールド
13i:内周下側シールド
13j:内周上側シールド
13k:外周下側シールド
13l:外周上側シールド
13m:内周下側シールド
13n:内周上側シールド
13o:外周下側シールド
13p:外周上側シールド
13q:内周下側シールド
13r:内周上側シールド
14:パルスチューブ冷凍機
14a:冷却端
14b:膨張機
14c:圧縮機
15:支持部
15a:上側支持部
15b:下側支持部
16:ヒータ
17:温度センサ
18:端子部
19:コントローラ
20:電源
21:圧力センサ
200:ターボ分子ポンプ
300:真空チャンバ
400:ゲートバルブ

Claims (13)

  1. ケーシングと、
    ケーシング内空間に設置されるシールド部と、
    シールド部内空間に設置されるコールドパネルと、
    圧縮機、および、冷却端を含む膨張機を有し、少なくともケーシングの内部でこの冷却端がコールドパネルに熱的に接続されて配置される冷凍機と、
    を備え、
    前記シールド部、両円錐台形状であって、シールド部の開口部をケーシングの開口部と対向するように形成することを特徴とするコールドトラップ。
  2. 請求項1に記載のコールドトラップにおいて、
    前記シールド部の円錐台形底面と斜辺のなす角は30°以上90°未満であることを特徴とするコールドトラップ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコールドトラップにおいて、
    前記シールド部は、複数層にわたり形成されることを特徴とするコールドトラップ。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
    前記シールド部は、熱伝導率が大きい銅または銅合金とすることを特徴とするコールドトラップ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
    前記シールド部の外表面を放射率の小さな光沢面とすることを特徴とするコールドトラップ。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
    前記コールドパネルは、低温域における熱伝導率が大きい純チタンを材料とすることを特徴とするコールドトラップ。
  7. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
    前記コールドパネルは、低温域における熱伝導率が大きい銅または銅合金を材料とする
    ことを特徴とするコールドトラップ。
  8. 請求項7に記載のコールドトラップにおいて、
    前記コールドパネルは、その表面に耐食性を向上させる保護層を形成したことを特徴とするコールドトラップ。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
    前記コールドパネルの水分子を凍結捕集するトラップ面の表面積を大きくすることを特徴とするコールドトラップ。
  10. 請求項1〜請求項9の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
    前記膨張機は、パルスチューブ膨張機であることを特徴とするコールドトラップ。
  11. 請求項1〜請求項10の何れか一項に記載のコールドトラップにおいて、
    前記コールドパネルを加熱する加熱手段と、
    前記コールドパネルの温度を計測する温度計測手段と、
    加熱手段、冷凍機および温度計測手段が接続される温度制御手段と、
    を備え、
    この温度制御手段は、温度計測手段が計測したコールドパネルの温度に基づき、コールドパネルの温度を所定温度とするように冷凍機または加熱手段を制御することを特徴とするコールドトラップ。
  12. 請求項11に記載のコールドトラップにおいて、
    前記加熱手段は、コールドパネルに内蔵されることを特徴とするコールドトラップ。
  13. 水分子を凍結捕集した残りのガスを流出させる請求項1〜請求項12の何れか一項に記載のコールドトラップと、
    コールドトラップから流出したガスを排気するターボ分子ポンプと、
    を備えることを特徴とする真空排気装置。
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