JP4227583B2 - 溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材 - Google Patents

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Description

本発明は、建築用の構造部材、オフィスデスク等の家具の金属製フレーム部材、OA機器等の筐体を構成する金属製フレーム部材として使用する溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材に関する。
建築用の断面矩形の構造部材、オフィスデスク等の家具の断面矩形のフレーム部材、OA機器等の筐体を構成する断面矩形のフレーム部材(本発明における柱状部材)として要求されるのは、強度、軽量化は勿論であるが、これらの部材に対して、他部材を直交する方向に接合する際、接合ボルトの頭部が部材表面から突出しないことや、接合される他部材を支えるために、他部材が接合される辺の、少なくとも両隅とほぼ中央部に他部材を受ける平坦部が必要になる。さらに、接合される部材は、フレーム部材の4辺外周に接合され、または、4辺のうち開放された1辺から矩形断面の内部に他部材を挿入することによって接合される可能性があるため、前記のフレーム部材は前記他部材を接合するに適した平坦部が必要となる。
この種の従来例として示す特開2002−266467号公報(既存技術1)には、図12に示されるような薄板鋼板をロール成形して凹凸を形成し、電縫溶接やカシメにより4辺に凹凸を形成した閉断面柱状部材23としたものが開示されている。また、同様な断面形状の閉断面柱状部材をアルミの押し出し成形により形成することが実施されている。
前記以外の従来例として、特開2001−152607号の図7(既存技術2)、特開平11−350659の図1(既存技術3)、特開2002−167896の図9(既存技術4)、特開2001−287816号の図3(既存技術5)等がある。
既存技術2のように形鋼を組み合わせて使用する場合は、まず、ドリルねじ頭部は、部材断面を包絡する矩形断面から突出することになり、他部材と干渉する不具合が生じる。
既存技術3、4の場合は、コ字形断面に関するもので、薄板でコの字形を構成する場合には、できるだけ局部座屈強度を向上させることはできるものの、凹凸を設けた上でコの字形に成形するのは非常に大がかりな設備が必要になる。
既存技術5の場合は、枠体の開口部に他の部材を挟み込んで接合するものであるが、この場合は、他部材との接合位置が主部材の重心位置から離れるため、他部材から主部材に伝達する力による偏心曲げが発生し、局所的に大きな応力が生じることになり、構造的に好ましくない。
特開2002−266467号公報 特開2001−152607号公報 特開平11−350659号公報 特開2002−167896号公報 特開2001−287816号公報
既存技術1に開示されたものは、ロール成形に極めて大がかりな設備を必要とし、そのため製品のコストが上昇するという問題を有するものであった。また、アルミの押し出し成形によるものも、コスト的に高価であるという問題を有するものであった。さらに、従来例のものは閉断面柱状部材であるために、4辺を構成する材料が必要であり材料コストが嵩むと共に、矩形断面の内部に他部材を挿入する接合態様で他部材を接合することはできなかった。
既存技術2〜5に開示されたものは、(1)ドリルねじの頭部が他部材と干渉する、(2)大がかりな設備が必要で製造コストが掛ると共に、断面の全体形状や部分形状の改良が困難である、(3)主材に偏心曲げが発生し、局所的に大きな応力が生じるなどの不具合ある。
本発明は、柱状部材を矩形の3辺に配設する3つの溝形金属部材の組合わせで構成し、4辺のうち3辺は連続した辺であるが、他の1辺には対向して配設する溝形金属部材のフランジを向かい合わせて位置させるように設けたことで、従来技術の持つ課題を解消したもので、構成が簡易でかつ軽量であるにも拘わらず、強度が大きく製造コストが安価であると共に、他部材を各種態様で容易に接合できる柱状部材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は以下のように構成する。
第1発明に係る溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材は、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成され、ウエブ4とフランジ5を有する第1溝形金属部材2を、前記フランジ5が互いに内側を向くように2個対向配置し、前記と同じ加工手段により形成されウエブ7に内側方向に突出した複数の内側リブ9を有する第2溝形金属部材3を、前記内側リブ9が互いに内側を向き、前記第1溝形金属部材2の対向する向きと直交する向きに1個配置し、第1溝形金属部材2のフランジ5と第2溝形金属部材3の2つの内側リブ9とをドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10により接合して構成し、対向する第1溝形金属部材2における第2溝形金属部材3を接合しない側のフランジを他の接合用面材の接合平坦面としたことを特徴とする(図1〜図11)。
第2発明は、第1発明において、第1溝形金属部材2のウエブ4には、外側方向または内側方向に突出した1つまたは複数の外側リブ6を有することを特徴とする(図1)。
第3発明は、第1発明において、対向する第1溝形金属部材2における第2溝形金属部材3を接合しない側のフランジ5に、接合用面材12に形成した2つの外側リブ14を当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10により接合して構成したことを特徴とする(図1b)。
第4発明は、第1発明において、対向する第1溝形金属部材2における第2溝形金属部材3を接合しない側のフランジ5に、鋼板等の平板、構造用合板等の面材、断熱サンドイッチパネルなど金属と他素材との合成材料からなる面材15、16、17を当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10により接合して構成したことを特徴とする(図2a、b、c)。
第5発明は、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成され、ウエブ4とフランジ5を有する第1溝形金属部材2を、前記フランジ5が内側を向くように1個配置し、前記と同じ加工手段により形成され、ウエブ7に内側方向に突出した複数の内側リブ9を有する第2溝形金属部材3を、前記内側リブ9が互いに内側を向き、前記第1溝形金属部材2の対向する向きと直交する向きに2個配置し、前記第1溝形金属部材2のフランジ5と第2溝形金属部材3の1つの内側リブ9とをドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10により接合して構成し、第1溝形金属部材2と対向する第2溝形金属部材3により矩形の3辺が囲まれ他の1辺が開放されていて、その内側を接合用枠材20の嵌合凹部19としたことを特徴とする(図5)。
第6発明は、第5発明において、第1溝形金属部材2のウエブ4には外側リブ6が形成されていることを特徴とする(図5)。
第7発明は、第5または第6発明において、前記嵌合凹部19に木材、角パイプ、溝形鋼等の接合用枠材20の端部を嵌合して挟み込み、第1溝形金属部材2の両フランジ5と第2溝形金属部材2の1つの内側リブ9との当接部及び、他の1つの内側リブ9を貫通して接合ネジを打設して構成することを特徴とする(図5b)。
第8発明は、第1〜第7発明において 溝形金属部材2、3のフランジ先端にリップ13を形成したことを特徴とする(図1〜図6)。
本発明によると、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成された2種類でかつ3部材からなる溝形金属部材を組み合わせてなるもので、1つの溝形金属部材を挟んで他の2つの溝形金属部材を対向配置し、その接合部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合して構成される柱状部材としたことにより、製造コストが安価で、強度の大きい柱状部材を提供することができる。さらに、第1及び第2溝形金属部材の接合が各辺の窪み部でドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段より接合される構成により、接合部が表面に露出することのない柱状部材を提供することができる。さらに、各溝形金属部材にリップを形成する構成により、剛性の高い柱状部材を提供することができる。
また本発明によると前記効果のほか、対向する第1溝形金属部材における第2溝形金属部材を接合しない側のフランジを他部材接合用の平坦面とし、この平坦面に接合用面材を円滑に接合できかつ、3部材からなる柱状部材と接合用面材とによって4辺が一体化された閉鎖矩形断面の強固な柱状部材を構成できる。
さらに本発明によると前記効果のほか、第1溝形金属部材と対向する第2溝形金属部材とで矩形の3辺が囲まれ他の1辺が開放された凹部に接合用枠材を嵌合することで、この凹部を介して接合用面材を挟み込み円滑に接合でき、かつ3部材からなる柱状部材は、接合用面材が一体化されて強固な柱状部材を構成できる。
本発明の実施形態を図を参照して説明する。
(実施例1)
図1(a)は、本発明の実施例1の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材の断面図である。柱状部材1は、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成される2つの第1溝形金属部材2と、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成される1つの第2溝形金属部材3の2種類、3部材の溝形金属部材を組立形成される。第1及び第2溝形金属部材2、3は、鋼、鉄と他の金属との合金、アルミ、アルミ合金等の金属部材をロール成形又はプレス加工により形成される。必要に応じて第1溝形金属部材2及び第2溝形金属部材3を、プラスチック、繊維補強プラスチック、樹脂等の非金属材料で形成してもよい。
第1溝形金属部材2は、そのウエブ4、フランジ5、及びウエブ4に形成した外側方向に突出した外側リブ6を有する。なお、フランジ5先端にリップを形成する場合もある。第2溝形金属部材3は、ウエブ7、フランジ8、フランジ8先端に形成したリップ13、及びウエブ7に形成した内側方向に突出した2個の内側リブ9を有する。2つの第1溝形金属部材2を、その外側リブ6が外方向を向くように対向配置し、1つの第2溝形金属部材3を、その2個の内側リブ9が内方向を向くように、かつ第1溝形金属部材2の対向する方向と直交する向きに配置する。2つの第1溝形金属部材2の一端側のフランジ5と第2溝形金属部材3の内側リブ9とをドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10(図にはドリルねじ10aを示す)により接合して柱状部材1を形成する。2つの第1溝形金属部材2の他端側のフランジ5は、他部材である面材の接合用の平坦部11とされ、対向フランジ間に開口部が形成されている。
このように2つの第1溝形金属部材2と、1つの第2溝形金属部材3の2種類、3部材で構成される柱状部材1は、軽量であり強度が大きい。また、柱状部材1の側面に平坦部を有する窪みが形成されるので、他部材を柱状部材1の側面に接合するためのボルト等の頭部やナットを、柱状部材1を包絡する矩形断面から突出させることなく、前記窪みに配置することができ、強固な接合が可能となる。さらに、2つの第1溝形金属部材2の接合用の平坦部11に面材を円滑に接合でき、このように面材を接合することで3部材からなる柱状部材1と接合用面材とによって4辺が一体化された閉鎖矩形断面の強固な柱状部材を構成できる。
(実施例2)
図1(b)と図3は、前記の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材1を用いた実施例2の断面図と側面図である。実施例2において、柱状部材1の2つの第1溝形金属部材2における第2溝形金属部材3を配設しない側の接合用の平坦部11(すなわちフランジ5の外面)に鋼板からなる面材12に形成した2つの外側リブ14を当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10(図にはドリルねじ10aを示す)によりに接合した例を示す。この実施例2によると、外側リブ14が外面かみて凹部となり、この凹部にドリルねじ10aが位置して外側に出張らないと共に、面材12を接合することで3部材からなる柱状部材1とこの面材12とによって4辺が一体化された閉鎖矩形断面の強固な柱状部材を構成できる。
(実施例3)
図2(a)と図4は、溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材1を用いた実施例3の断面図と側面図である。実施例3では、フラットな鋼板からなる面材15を柱状部材1の接合用の平坦部11(すなわちフランジ5の外面)に当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10(図にはドリルねじ10aを示す)によりに接合した例を示す。その他の構成と作用効果は、実施例2と同じである。
(実施例4)
図2(b)は、溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材1を用いた実施例4の断面図である。実施例4では、構造用合板等からなる面材16を柱状部材1の接合用の平坦部11(すなわちフランジ5の外面)に当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10(図にはドリルねじ10aを示す)によりに接合した例を示す。その他の構成と作用効果は、実施例2、3と同じである。
(実施例5)
図2(c)は、溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材1を用いた実施例5の断面図である。実施例5では、断熱サンドイッチパネル等の金属と他素材との合成材料からなる面材17を柱状部材1の接合用の平坦部11(すなわちフランジ5の外面)に当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10(図にはドリルねじ10aを示す)によりに接合した例を示す。その他の構成と作用効果は、実施例2、3、4と同じである。
実施例1〜5によると、2種類、3部材という少ない溝形金属部材で剛性の高い柱状部材1を実現できると共に、該柱状部材1への面材12、15、16、17の円滑な接合構造を実現でき、それにより柱状部材1の強度も一層向上する。
図5(a)は、本発明の実施例6として示す溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材18の断面図である。柱状部材18は、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成される1つの第1溝形金属部材2と、ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成される2つの第2溝形金属部材3の2種類、3部材の溝形金属部材を組立構成される。第1及び第2溝形金属部材2、3は、鋼、鉄と他の金属との合金、アルミ、アルミ合金等の金属部材をロール成形又はプレス加工により形成される。必要に応じて第1溝形金属部材2及び第2溝形金属部材3を、プラスチック、繊維補強プラスチック、樹脂等の非金属材料で形成してもよい。
第1溝形金属部材2は、そのウエブ4、フランジ5、及びウエブ4に形成した外側方向に突出した外側リブ6を有する。第2溝形金属部材3は、ウエブ7、フランジ8、フランジ8先端に形成したリップ13、及びウエブ7に形成した内側方向に突出した2個の内側リブ9を有する。1つの第1溝形金属部材2を、その外側リブ6が外方向を向くように配置し、2つの第2溝形金属部材3を、その2個の内側リブ9が内方向を向くように、かつ第1溝形金属部材2と直交する向きにおいて対向するように配置する。1つの第1溝形金属部材2の両端側のフランジ5と2つの第2溝形金属部材3の内側リブ9とをドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段10(図にはドリルねじ10aを示す)により接合して柱状部材18を構成する。このように構成される柱状部材18は、1つの第1溝形金属部材2と、対向する2つの第2溝形金属部材3とで矩形の3辺が囲まれ他の1辺が開放された嵌合凹部19を有し、この嵌合凹部19に接合用の枠材の端部を嵌合することができる。
(実施例7)
図5(b)と図7は、本発明の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材18を用いた実施例7の断面図と側面図である。実施例7において、柱状部材18の1つの第1溝形金属部材2と、対向する2つの第2溝形金属部材3とで矩形の3辺が囲まれ他の1辺が開放された嵌合凹部19に木材からなる枠材20の端部の嵌合して挟持させている。枠材20を柱状部材18に固定する手段として、枠材20の端部では、第1溝形金属部材2のフランジ5と第2溝形金属部材3の内側リブ9と接合するドリルねじ10aを枠材20の側面に打設しており、他の部位では、第2溝形金属部材3の内側リブ9を貫通し、かつスペーサ24を介してドリルねじ10aを枠材20の側面に打設している。この実施例7によると、柱状部材18の嵌合凹部19を利用して該柱状部材18に枠材20を容易、確実に固定できると共に、枠材20を接合することでこの枠材20と、3部材からなる柱状部材18とによって強固な柱状部材を構成できる。
(実施例8)
図6(a)は、溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材18を用いた実施例8の断面図である。実施例8では、角パイプからなる枠材21を柱状部材18の嵌合凹部19に嵌合して挟持し、ドリルねじ10aにより柱状部材18に固定した例を示す。その他の構成と作用効果は、実施例7と同じである。
(実施例9)
図6(b)は、溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材18を用いた実施例9の断面図である。実施例9では、溝形鋼からなる枠材22を柱状部材18の嵌合凹部19に嵌合して挟持し、ドリルねじ10aにより該柱状部材18に固定した例を示す。その他の構成と作用効果は、実施例7、8と同じである。
実施例6〜9によると、2種類、3部材という少ない溝形金属部材で剛性の高い柱状部材18を実現できると共に、柱状部材18に形成される嵌合凹部19を利用して、該柱状部材18への枠材20、21、22の円滑な接合構造を実現でき、それにより柱状部材18の強度も一層向上する効果がある。
図1(a)と図5(a)に示す2種類、3部材の溝形金属部材を組み立てて構成される柱状部材1、18は、その基本構成を変えない範囲で種々の変形形態が可能である。例えば、面材12、15〜17や枠材20〜22の接合に干渉しない範囲で、第1溝形金属部材2および第2溝形金属部材3には、フランジやリブなどを延長付加してもよく、このように構成することで柱状部材1、18のねじれ抵抗を一層高めると共に、剛性を向上させることができる。また、図1(a)の柱状部材1にあっては、対向する第1溝形金属部材2において、第2溝形金属部材3を接合しない側のフランジ5を対向側に延長して一体化した形態で構成してもよい。
図8〜図11は、実施例10〜17を示すものである。
(実施例10、11)
図8(a)は、溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材25を用いた実施例10の断面図、図8(b)は、同じく実施例11の柱状部材25の断面図である。図8(a)の実施例10では、図1(a)に示す実施例1の柱状部材1における2種類3部材のうち、第1溝形金属部材2の形状が、該実施例1と相異している。ずなわち、図8(a)の実施例10では、第1溝形金属部材2のウエブ4に形成した外側リブ6の高さが図1(a)の実施例1に比較して低く設けられており、両側フランジ5の長さは図1(a)より長く設けられている。第2溝形金属部材3の形状は、図1(a)に示す実施例1と同じである。実施例11の柱状部材25も、図1(a)に示す実施例1と同様に第1と第2溝形金属部材2、3のフランジ5と内側リブ9を接触させ、その接触面にドリルねじ10aなどの接合手段10を用いて両部材を固着してい第2溝形金属部材3の配設位置と反対の側に開口部26を有した柱状部材が構成されている。
図8(b)の実施例11は、第1溝形金属部材2のウエブ4がフラットであり、図8(a)に示す外側リブ6を有しない形状としている。その他の構成は、図8(a)に示す柱状部材25と同じである。
図8(a)(b)の柱状部材25においても、対向する2つの第1溝形金属部材2と1つの第2溝形金属部材3を接合する接合手段10は、前の各実施例と同じであり、第2溝形金属部材3の凹部に位置しているので部材断面を包絡する矩形断面から出っ張らず、かつ、4辺に形成される平坦部11により他部材である面材を円滑に接合できる。
(実施例12、13)
図9(a)は、実施例12の柱状部材25の断面図、図9(b)は、同じく実施例13の柱状部材25の断面図である。 図9(a)の実施例12では、第1溝形金属部材2のウエブ4に外側の凸の緩やかな湾曲を形成している点が、図8(b)に示す(実施例11と相異し、他の構成は実施例11と同じである。このように第1溝形金属部材2のウエブ4にを湾曲させておくと、他の接合面材の接合面に湾曲凹部が形成されている場合などの接続に便利である。図9(b)の実施例13では、第1溝形金属部材2のウエブ4に内側に向けた外側リブ6が形成されている。その他の構成は、図8(a)に示す実施例10の柱状部材25と同じである。
(実施例14、15)
図10(a)は、実施例14の柱状部材25の断面図、図10(b)は、同じく実施例15の柱状部材25の断面図であり、第1溝形金属部材2の形状が、図1(a)に示す(実施例1の)第1溝形金属部材2の形状と相異している。図10(a)の実施例14の柱状部材25では、第1溝形鋼矢板2が外側フランジ6とウエブ4と、一端側の前記ウエブ4にフランジ5を有し、このフランジ5に第2溝形金属部材3の内側リブ9を当接し接合手段10で接合していると共に、第1溝形鋼矢板2の他端側のウエブ4に外側フランジ5aを外向きに設けられている。その他の構成は実施例1と同じである。実施例14の柱状部材25によると、ウエブ4の先端につづく外側フランジ5aが外向きに設けられているので柱状部材25の1辺には大きな開口部26を有した嵌合凹部19を形成でき、図5(a)(b)に示した実施例と同様に、この嵌合凹部19を介して柱状部材25内に枠材2の端部を挿入し、図5(b)と同じ接合手段により柱状部材25と枠材20を強固、確実に接合できる。
図10(b)の実施例15の柱状部材25では、実施例14における外側フランジ5aと反対側にフランジ5を設けその先端にフランジ5と直角に延長リブ27が設けられていて、平行に設けられた2つの延長リブ27の間隔にT字型の枠材28を挟みドリルねじ10a等の接合手段10で接合することで、T字型の枠材28を強固、確実にこの柱状部材25に接合できる。その他の構成は、図10(a)の実施例14と同じである。
(実施例16、17)
図11(a)は、実施例16に係る柱状部材25を示す断面図、図11(b)は、同じく実施例17の柱状部材25の断面図である。図11(a)の実施例16では、ウエブ7と内側リブ9を有する第2溝形金属部材3のウエブ7aが翼状に両側に伸びていてその先端にリブ29とリップ13が形成されている。第1溝形金属部材2の構造および第1と第2の溝形金属部材2、3の接合手段10は、図1(a)に示す実施例1と同じである。実施例16の柱状部材25によると、両翼状のウエブ7aを有する第2溝形金属部材3が装飾的機能を奏し、かつ第1溝形金属部材2が隠され目立たないと共に、強度も向上する。
図11(b)の実施例17では、第2溝形金属部材3が、図1(a)に示す実施例1と異なる。すなわち、実施例17の第2溝形金属部材3は、内側リブ9が外方に突出しておりウエブ7につづいて、外側フランジ8aとリップ13が設けられていいて、ウエブ7を第1溝形金属部材2の一端側のフランジ5に当てがって、接合手段10で接合することにより第1と第2溝形金属部材2、3を接合した柱状部材25を構成している。
各実施例によると、ドリルねじの頭部は矩形断面の包絡内にとどまり、他部材と干渉することがない。また、前記の実施例によると、コの字形に形成した要素をドリルねじをはじめとする接合方法で組み立てるため大がかりな設備は必要でない。そのため、製造コストを抑えられるだけでなく、断面の全体形状や部分形状の改良が容易になる。さらに前記の実施例によると、本発明によると、接合位置を主材の重心位置により近いところでの接合がなされるため、それらの不具合が解消される。
さらに、第1溝形金属部材2と第2溝形金属部材3のそれぞれを赤、緑、黄、青など各々異なる着色の溝形金属部材を2色、3色組み合わせてカラフルで装飾性に富む柱状部材を構成することもできる。この場合、着色とは質感が異なる塗装の組み合わせも含む。ツートンカラーなどに装色することは一体押し出し成型品であるアルミ材や従来のスチールパイプでは困難であったが、本発明では、柱状部材1、18が3つの溝形金属部材を組み立てて構成することから、前記のツートンカラーなどの装色を施した柱状部材を容易に構成できる。
さらに、面材12、15〜17や枠材20〜22の接合に干渉しない範囲で、第2溝形金属部材3の内側リブ9によってアリ溝状凹部を形成し、このアリ溝状凹部に、木質合板あるいは石膏ボード等の面材や、机のフロントパネル、ガラス板、仕切り板などの所定の厚みを有するパネルの端部を嵌合して挟み込み配置でき、このように間隔をおいて立設された柱状部材同士を相互に接合でき、これにより柱状部材の座屈強度とねじれ抵抗性をより高いものにできる。
さらに、第1溝形金属部材2のフランジ5と、第2溝形金属部材3の内側リブ9との接触面や、第1溝形金属部材2のフランジ5と面材12、15〜17との接触面、さらに第2溝形金属部材3の内側リブ9と枠材20〜22との接触面などに、樹脂またはゴムその他各種の断熱材を挟み込み、接合手段10を用いて固着してもよい。このように断熱材を介在させることで対向する第1溝形金属部材2と、第2溝形金属部材3の相互の熱伝達を遮断できて柱状部材の断熱性が向上し、該柱状部材に接合する一方の部材から他方の部材に熱が伝達されるのを効率的に遮断できる。
さらに、図1(a)の柱状部材1の内部空間には、該柱状部材1の組立て前又は組立後に発砲樹脂などの断熱材を装着または充填して断熱性を向上させてもよい。組立前の装着に際しては、部材として分離している第1、第2溝形金属部材2、3の内側凹部に発砲樹脂材を装着して発砲させておく。その後、第1、第2溝形金属部材2、3を相互に組み立て、各発砲樹脂材が互いに押し合って密着収縮するようにして接合手段10を用いて第1、第2溝形金属部材2、3を接合一体化して発砲樹脂材充填の柱状部材1を構成することができる。
さらに、第1溝形金属部材2と第2溝形金属部材3の何れか1つ又は複数は、樹脂、アルミ、窯業系材料、セメント系材料、木材などの非スチール材からなる構成してもよい。このように構成すると、柱状部材1、18の断熱性能を向上できる。また、第1溝形金属部材2や第2溝形金属部材3にアリ溝状(台形)の凹部を形成した上、この溝形状と同一の金属、合板、樹脂あるいは窯業系の仕上げ材からなる装飾材を嵌合してもよく、これにより柱状部材の外観の美観が向上し製品価値が一層向上する。
なお、ある請求項に示される第1溝形金属部材2と、他の請求項に示される第2溝形金属部材3をそれぞれ組み合わせて形成した柱状部材は本願発明に含まれるものとする。
図(a)は、本発明の実施例1の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材の断面図、(b)は、実施例2を示し、図(a)の柱状部材に面材を接合した断面図である。 (a)、(b)、(c)は、本発明の実施例3、実施例4、実施例5を示し、図(a)の柱状部材に3種の面材を接合した断面図である。 図1(b)の側面図である。 図2(a)の側面図である。 図(a)は、本発明の実施例6の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材の断面図、(b)は実施例7を示し、図(a)の柱状部材に面材を接合した断面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施例8、実施例9を示し、図(a)の柱状部材に2種の面材を接合した断面図である。 図5(b)の側面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施例10、実施例11に係るの柱状部材の断面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施例12、実施例13に係るの柱状部材の断面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施例14、実施例15に係るの柱状部材の断面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施例16、実施例17に係るの柱状部材の断面図である。 従来技術を示す断面図である。
符号の説明
1 柱状部材
2 第1溝形金属部材
3 第2溝形金属部材
4 ウエブ
5 フランジ
6 外側リブ
7 ウエブ
8 フランジ
9 内側リブ
10 接合手段
10a ドリルねじ
11 平坦部
12 面材
13 リップ
14 外側リブ
15 面材
16 面材
17 面材
18 柱状部材
19 嵌合凹部
20 枠材
21 枠材
22 枠材
23 閉断面柱状部材
24 スペーサ
25 柱状部材
26 開口部
27 延長リブ
28 T字型枠材
29 リブ

Claims (8)

  1. ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成され、ウエブとフランジを有する第1溝形金属部材を、前記フランジが互いに内側を向くように2個対向配置し、前記と同じ加工手段により形成されウエブに内側方向に突出した複数の内側リブを有する第2溝形金属部材を、前記内側リブが互いに内側を向き、前記第1溝形金属部材の対向する向きと直交する向きに1個配置し、前記第1溝形金属部材のフランジと第2溝形金属部材の2つの内側リブとをドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合して構成し、対向ずる第1溝形金属部材における第2溝形金属部材を接合しない側のフランジを他の接合用面材の接合平坦面としたことを特徴とする溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
  2. 請求項1記載の第1溝形金属部材のウエブには、外側方向または内側方向に突出した1つまたは複数の外側リブを有することを特徴とする溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
  3. 対向する第1溝形金属部材における第2溝形金属部材を接合しない側のフランジに、接合用面材に形成した2つの外側リブを当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合して構成したことを特徴とする請求項1に記載の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
  4. 対向する第1溝形金属部材における第2溝形金属部材を接合しない側のフランジに、鋼板等の平板、構造用合板等の面材、断熱サンドイッチパネルなど金属と他素材との合成材料からなる面材を当接し、その当接部をドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合して構成したことを特徴とする請求項1に記載の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
  5. ロール成形、プレス加工等の冷間加工や熱間加工により形成されウエブとフランジを有する第1溝形金属部材を、前記フランジが内側を向くように1個配置し、前記と同じ加工手段により形成され、ウエブに内側方向に突出した複数の内側リブを有する第2溝形金属部材を、前記内側リブが互いに内側を向き、前記第1溝形金属部材の対向する向きと直交する向きに2個配置し、前記第1溝形金属部材のフランジと第2溝形金属部材の1つの内側リブとをドリルねじ、ボルト、リベット、溶接、接着等の接合手段により接合して構成し、第1溝形金属部材と対向ずる第2溝形金属部材により矩形の3辺が囲まれ他の1辺が開放されていて、その内側を接合用枠材の嵌合凹部としたことを特徴とする溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
  6. 請求項5において、第1溝形金属部材のウエブには外側リブが形成されていることを特徴とする溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
  7. 請求項5または6において、前記嵌合凹部に木材、角パイプ、溝形鋼等の接合用枠材の端部を嵌合して挟み込み、第1溝形金属部材の両フランジと第2溝形金属部材の1つの内側リブとの当接部及び、他の1つの内側リブを貫通して接合ネジを打設して構成することを特徴とする溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
  8. 溝形金属部材のフランジ先端にリップを形成したことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の溝形金属部材を組立構成される柱状開断面部材。
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