JP4227356B2 - 構築用長尺ブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後左右に並べられ或いは上下に積み重ねられることにより、所望の構築物を構築するための長尺ブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、河川等の護岸を構築する場合、従来は護岸構築用のブロックが用いられており、それを他の構造物に流用することは行われておらず、また不可能に近い。そのためコンクリートブロックの種類が大変多くなり、夫々のブロックを製造する型枠の種類も多種多様なものが必要となる。従来のコンクリートブロック製造のためには、鋼板を使用した大重量かつ大型の金型を多数必要とするなどの理由により、従来のブロックは製造のための型枠投資がかかり過ぎるという問題があり、また在庫管理等の間接経費が嵩み、経済的なブロックができにくい、という事情もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の点に着目してなされたものであって、その課題は、多種多様な構築物の構築に適した構築用長尺ブロックを提供することである。また本発明の他の課題は、構造上、梁と柱の組み合わせによる応力分散効果を奏し得る構築用長尺ブロックを提供することである。また本発明の他の課題は、内部に土砂類を充填する場合に、残土や再利用骨材を適用可能であることにより、環境を悪化させないようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する、構築用長尺ブロックとして、本発明の長尺ブロックの本体は、所定の幅で少なくとも一方向へ延び、かつ梁から成る部材を四辺形状に結合した梁枠状構造を有する平板部と、平板部の並行する側において、平板部から直交方向下方に向けて延び、かつ四辺形状を有する平板部の四隅に相当する箇所に位置している柱状構造を有する一対の側板部と、平板部と側板部とで囲まれる内部空間とを有しており、内部空間に面する本体には、側板部に配置される側板要素を嵌め合わせるための嵌合手段が備わっており、嵌合手段は、柱状構造を有する側板部に形状されている凹溝であり、そこに側板要素の両側辺を嵌め合わせるようになっている。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係る構築用長尺ブロックは、前後左右に並べたり、上下に積み重ねたりして、所望の構築物を構築するためのものである。構築物はあらゆるものが対象となり、またそのための長尺ブロックの使用法も、並列その他あらゆる方向への敷設、積重、積上或いは架設等様々な方法を含む。
【0006】
長尺ブロックの本体は、所定の幅で、少なくとも一方向へ延びている平板部を有する。長尺ブロックという意味は、少なくとも一方向へ延びている様をもって言うので、図1ないし図6のような態様を指すものであるが、例えば90度異なる方向へ延びている平板部を有する場合には、図9に示すL字型や、図10に示すT字型、或いは図11に示す符号の「+」型などが含まれる。
【0007】
このような平板部は、平板とは言うものの、梁から成る部材を四辺形状に結合した梁枠状構造を有することができる。平板部は、また四辺形状を単位とする、梁枠状構造を複数個連結したものから成っていても良い(図7及び図1〜6、図9〜11参照)。その連結の仕方により、図1等の長物や図9〜11の形状が備わるものと考えて良い。
【0008】
また長尺ブロックの本体は、平板部の並行する側面において、平板部から直交方向に延びている一対の側板部を有する。この側板部は、四辺形状を有する平板部の四隅に相当する箇所から延びている、柱状構造を有するものとすることができる。側板部は、柱状構造を有する場合、長尺ブロックの本体の並行する両側に一定間隔で並ぶことになる。また本体両側が閉塞板で閉じている態様を取ることができるが、その場合にも柱状構造を有する側板部を両側内側に一定間隔で設けることができる(図3、図4参照)。
【0009】
また、長尺ブロックの本体は、平板部と側板部とで囲まれる内部空間を有している。つまり、長尺ブロックの本体は、中空構造体であり、その外形を決める要素となっているのが平板部と側板部とである、ということができる。内部空間は様々な用途に使われる。或いは、中空構造の本体を有する長尺ブロックであるが故に、あらゆる用途に使用できる可能性が拡大したということができる。内部空間は、或る用途では残土等を充填する場所となり、ある用途では水路となり、或る用途では水路の桝となり、或る用途では植物の生育が可能な土壌となり、また或る場合には河川の床ともなるなど、用途は特定されない。
【0010】
さらに、長尺ブロックの本体の側板部には、側板部間内に配置される側板要素を嵌め合わせるための嵌合手段が備わっている。この嵌合手段は、柱状構造ないしは脚状構造を有する側板部に形成されるもので、例えば凹溝は嵌合手段に望ましい形態であり、凹溝に、側板要素の両側辺を嵌め合わせることが可能になる。
【0011】
側板要素には、長尺ブロックの本体の側面を閉じるための前記の閉塞板と同様の板状要素や、外面に植木鉢の機能を備えたポット状要素、本体内部空間を仕切るように設ける仕切り要素、本体内に配置して本体の強度向上に寄与する中梁要素などがある。こうした側板要素は、長尺ブロックの本体の一部となってその構造強度を向上するための補強部材を兼ねている。
【0012】
【実施例】
以下実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。図1、図2は、本発明に係る構築用長尺ブロック10の実施例1に関するもので、本体は、梁から成る部材を四辺形状に結合した梁枠状構造を最小単位とし、複数の空所にて識別される梁枠状構造部分を複数個連結した構造を持つ平板部11を有している。最小単位の梁枠状構造部分は、構築用長尺ブロック10と併用される図7の最小ブロック40の平板部41と同形となる。
【0013】
また長尺ブロックの本体は、平板部11から直交方向下方に延びている左右一対の側板部13、14を有している。側板部13、14は四辺形状の平板部11の四隅に相当する箇所から下方へ延びている四脚状のもので、図7に示した最小ブロック40の側板部43、44と同形となる。実施例1の長尺ブロックにおいて、両側の側板部13、13或いは14、14の間は空所15となっている。
【0014】
上記平板部11と側板部13…14…とで囲まれる部分は下方に開いた内部空間16であり、内部空間16は本体の一方向に延び、かつ全体を貫通している。全体を長手方向に貫通している内部空間16であるが、側板部13…14…の本体長手方向に向いた側には夫々嵌合手段17として凹溝が形成されている。この嵌合手段17は側板要素を両側辺で嵌め合わせるために用いられる。
【0015】
嵌合手段17と同様の凹溝は、最小単位の平板部11の四隅に相当する箇所の内で、左右の側板部13、14の本体幅方向に向いた側にも形成されている。この凹溝も幅方向の嵌合手段18と呼ぶ。最小単位の平板部の隣接する箇所において、幅方向の嵌合手段18は2箇所ずつ平行に設けられることになる(図1(d)、図2(b)参照)。
【0016】
さらに各空所12の内周には、凹状の係合溝19が縦方向(長手方向)、横方向(幅方向)に所定の間隔及び位置関係で設けられている。係合溝19は、本体内部空間16を仕切るように設けられる仕切り板類の取り付けのために設けられている。
【0017】
図3、図4は本発明の実施例2に係る構築用長尺ブロック20を示しており、実施例1の長尺ブロック10が、平板部11から直交方向下方に延びている左右一対の側板部13、14を有しているものであるのに対して、実施例2の長尺ブロック20は平板部21から直交方向上方に延びている左右一対の側板部23、24の列を有しているものである点において相違している。平板部21が複数の空所22で識別される梁状構造部分を複数個連結した構造を有する点も実施例1のものと共通しているが、実施例1のものが全体として橋状構造の長尺ブロックといえるのに対して、実施例2のものは左右両側が閉塞板25によって閉じており全体として溝状構造の長尺ブロックといえる。
【0018】
平板部21と側板部23、24、閉塞板25で囲まれる上方に開いた部分は内部空間26であり、本体の一方向に延びかつ全体を貫通している。本体の左右両側が閉塞板25で閉じているにも拘ず、その内側に一定間隔で設けられている左右対をなす側板部23、24には夫々幅方向の嵌合手段28として凹溝が形成されている(図3(a)、図4(a))。但し長手方向の嵌合手段は不要である。さらに空所22の内周には凹状の係合溝29が実施例1のものと同じように形成されている。
【0019】
図5、図6は本発明の実施例3に係る構築用長尺ブロック30に関する例示であり、これは実施例1の長尺ブロック10と同構造のもので、幅方向の寸法が倍になっている。それに伴って幅方向の中心線に沿って第3の側板部38が長手方向に列設されている。平板部31が複数の、但し幅方向に倍寸の、空所32で識別される梁状構造部分を複数個連結した構造を有し、平板部31から直交方向下方へ延びている左右一対の脚状の側板部33、34の列を有し、かつそれらの間が空所35となっている点、実施例1と同様である。しかし中央に第3の側板部38の列を設けているので、内部空間36はその両側に2列存在することになる(図5(d))。
【0020】
また左右の側板部33…、34…の本体長手方向に向いた側に嵌合手段37として凹溝が夫々形成されており、空所32の内周には凹状の係合溝39が実施例1と同様に所定の間隔及び位置関係で設けられている。なお実施例3では、実施例1における幅方向の嵌合手段を図示していないが、実施例1と同様に設けても何等支障はない。実施例1、2、3は最少限度の例示であって、これらに準じて様々な変更や変形を加えた長尺ブロックが形成され、併用される。
【0021】
図7、図8は本発明の長尺ブロック10、20、30…と共に併用する異形ブロック群の中の1例であり、かつ最小のブロック40を示している。この最小ブロック40は、他の長尺ブロック10、20、30…の整数分の1の大きさ(長さ)を有する。或いは他の長尺ブロック10、20、30…は最小ブロック40を単位として複数個連結したような構成を有するものと言い換えることも可能である。
【0022】
最小ブロック40は、平板部41として梁枠状構造を有し、従ってそれらによって囲まれる空所42を有している。平板部41の四隅からは、直交方向下方へ四脚状に左右一対の側板部43、44が延びている。それらの間は空所45であり、また4個の側板部43、44、43、44及び平板部41で囲まれる部分は下方に開いた内部空間46である。梁枠状構造の平板部と4本の脚状の側板部43、44、43、44とから成る本体はほぼ立方体を為している。
【0023】
さらに側板部43、43及び44、44の間には夫々嵌合手段47、48として凹溝が形成されており、これらは実施例1、2及び3における嵌合手段17、37、幅方向の嵌合手段18、28と同じ構造とする。また各空所42の内周には、凹状の係合溝49が縦方向、横方向に所定の間隔及び位置関係で設けられている。よって、図1ないし図6迄に示した各実施例1、2、3における詳細な構造は図8(a)、(b)、(c)を参照して把握することができるので、各実施例の符号を図8に合せ記載する。
【0024】
図9、図10、図11には長尺ブロックの変形例が示してある。図9は、前記した最小ブロック40を3個かぎの手に配置したものに相当する形状を有するL字型のブロック51を示しており、図10は同様にT字交差状に配置したT字型ブロック52を、また図11は同様に直交配置した+型ブロック53を示している。各変形ブロック51、52、53はいずれも、平板部11の四隅から下方へ向かって伸びる側板部13…、14…を有する実施例1(従って図7、図8の実施例4)と同じ構造を有しているので、要所に符号を付し、説明に代える。同様に、実施例2の構造を持ったものについても、また実施例3の構造を持ったものについても、夫々図9、図10、図11に示すような各種の変形ブロックを用意し、使用することができる。
【0025】
各嵌合手段17…18…を用いて、長尺ブロック等10…に嵌め合わせられる側板要素の例が図12、図13、図14に示されている。各図では最小ブロック40に対するものとして図示されているが、全ブロックに共通する。従って実施例4の符号にとらわれるべきではない。図12において、54は補強部材、55はポットパネルと称する側板要素の例で同要素55は外側に膨らんだ植木鉢部56を有し、両側の嵌合縁部57で嵌合手段47の凹溝に嵌め合わせられる。同様の嵌合縁部57を両側に有する様々な意匠パネル等の側板要素58も、施工場所に適した壁面を作り出すために使用される。これらのパネル類は側板部13〜44の補強材となり、荷重に伴う側板部13〜44の変形を抑制する。側板要素55…を周囲4面に嵌め合わせるなどの方法によって、長尺ブロック類の内部は立方体的空間となり、積み上げた場所では柱状となる。
【0026】
図13において、60は横梁を示しており、両端の嵌合端部59によりブロック側の嵌合手段57に嵌め合わされる。また、図14においては61は四辺形状の天端梁を示しており、最小ブロック40の四辺形を単位とするものであって、4個の側板部13、13、14、14と嵌め合わせられる嵌合端部63を4箇所の角部に有している。天端梁61は中央空所62を有しており、この空所62は前記各実施例1〜4におけるブロックの空所12…と同形(実施例3の幅のみは倍寸)となっており、その内周には凹状の係合溝69が縦方向、横方向に所定の間隔及び位置関係で設けられている。各梁60、61は本体にかかる応力を負担する。
【0027】
本発明に係る構築用長尺ブロック10…は、後述するように前後左右に並べられるほか、上下にも積み重ねられる。そこで、積み重ねたときに上位のものがずれて落下しないように、上下ブロックを結合させてずれを防止する結合部材65が用意されており、またこれを嵌め合わせる結合相手66が、ブロック本体の最小単位の4個の側板部13…14…の上面及び下面に形成されている。図15参照。
【0028】
図16以下は、本発明に係る各種長尺ブロック10…を使用して構築し得る構築物の例示である。図16ないし図18は擁壁の例示であり、図16(a)の例では、四辺形を単位とする梁枠状構造を持つ実施例4の最小ブロック40を2個連結した長尺ブロック71を用いて積み上げた多段積み擁壁が示されている。長尺ブロック71はパネル72で囲って容器状とし、また幅方向の嵌合手段には仕切りを嵌め付け、内部空間を正2分し、地盤側に砂利、コンクリート等の中込材73を充填する一方、壁表面側には土壌となる中込材74を充填し、そこに植物75を植えるようになっている。
【0029】
図16(b)の例では、上記2連の長尺ブロック71を基盤76上に傾斜させて積み上げ、途中の段の長尺ブロック71を最小単位分だけ外へずらせて擁壁から突き出る状態としたものである。各ブロックパネルで囲って容器状とし、最前列の長尺ブロックには最小単位の2分の1となる位置に仕切りパネル77を設け、後方の内部空間には砂利、コンクリート等の中込材73を充填し、前方の内部空間には土壌となる中込材74を充填している。擁壁の表面となるブロックの側面は、図12に示したようなパネルを取り付け、或いはなにも取り付けることなく、植物75を育成することができる。
【0030】
図17(a)は、下部に前記2連の長尺ブロック71を数段直積みし、その上に、実施例2に示した長尺ブロック20を紙面に垂直の方向に積み重ねた直積み擁壁の例を示す。この例でも各ブロックはパネルで囲って容器状とし、最前列のブロックの内部空間も仕切りパネル77によって仕切り、後方の内部空間に砂利、コンクリート等の中込材73を充填し、前方の内部空間には土壌となる中込材74を充填したものである。
【0031】
図17(b)は実施例2のタイプの長尺ブロックを横に使用し、またその2分の1の長さを持つ長尺ブロック20′を縦の向きにして使用し、井桁を組むように積み上げた井桁積み擁壁に関する実施例を示す。擁壁表面となる面には表面パネル58を嵌め合わせて閉じ、全内部空間に中込材78として砕石を充填している。この例のように縦横に長尺ブロック20、20′を積み上げることにより、盛土としては軽量化され、かつ長尺ブロック20、20′等が構造体となるので構造が強化されることになる。
【0032】
図18は、長さの異なる数種の長尺ブロック71、20′…を使用したものであり、下部では短い長尺ブロック71を配置することにより盛土量を多く用い、上部になるほど長い長尺ブロック79、20′を用いている。勿論各ブロックは側板部13…14…に側板要素58を嵌め合わせて容器状にするとともに、内部空間には何も充填せず、それによって上部が軽量の直積み軽量盛土擁壁を構築している。最前列の内部空間を仕切りパネル77で仕切り、土壌を中込材74として充填することにより植物75の育生が可能になる。
【0033】
図19は地表下の排水効果を望む場所に設置して、暗渠のような側溝として、或いは透水空間の確保の目的で使用する例を示しており、長尺ブロック81は、透水性基材82の上に設置し、平板部上にも透水性基材82を敷き、さらにその上に透水性枠板より成る表面板83を重ねて敷いた構造を有する。側板部13、14は側板要素58によって閉塞して暗渠構造とし、表面板83は砕石、砕木、芝等によって覆うことが望ましい。透水性の表面板83は多孔プラスチック等ポーラスな構造を持つものが良く、表面板83に到った水は速やかに本ブロックを透過して地下に浸透する。
【0034】
さらに、降水を一旦貯溜し、そから河川へ流すというような排水システムにおいて、植物の栽培を行う装置の構築の例を図20により説明する。本発明に係る長尺ブロックは下が開いた実施例1のタイプ85と、上が開いた実施例2のタイプ86とを端部を突き合わせて積み重ねるとともに周囲を側板要素87で閉じ、内部空間に培地材を充填し、ミズゴケ等を生育可能な環境を作っている。そこに雨水集水装置から集められた水はポンプ88により供給され、余水は、本発明に係る長尺ブロックを積み重ねて構築した貯溜タンク89に戻される。
【0035】
当該装置と他装置等との水路の連結箇所等に設けられる桝にも図20(b)に示すように本発明に係る長尺ブロック群の内の1種が使われる。この場合、実施例4の最小ブロック40を側板部の端部を突き合わせ、かつパネル87′により周囲を閉じるとともに水路90、90′の接続部の役割を持たせている。
【0036】
図21は、河川の根固め工に本発明に係る長尺ブロックを使用する例を示している。根固め工のうち、河床に埋設される構造体の構築に、最小ブロック2個分より成る前記の長尺ブロック71を用い、それらを平面形で正方形となるように結合し、さらにそれを千鳥状に連結した状態が、図21(a)に示したものである。長尺ブロック71の連結には側板部端部の結合相手を利用する連結具91が用いられる。その結合相手を間伐材等から成る木工92の結合にも用い、全体として木工沈床が構成されている。
【0037】
図22は、道路の中央分離帯又は、車道と歩道との分離設備として利用される本発明の長尺ブロックの例示である。図22の場合、下段から上段へ、最小ブロック数個分の長さの長尺ブロック93、93′及び横向きにした実施例2のタイプの長尺ブロック86を積み重ねて頂稜の幅の狭い横断面を持つ構築物を構築しているものである。構築物は側板要素55、58により周囲を閉じ、各ブロック86、93…の内部空間には植物75を生育させるために土壌となる中込材74が充填されており、植生ブロックとしての機能を十分発揮することができる。なお、路隅には、図20(b)に示した桝と同様の構造を持つ桝で連結された排水設備94も併設される。
【0038】
図23は、法面覆土工の構築に本発明に係る長尺ブロックを使用した場合の例示である。本発明に係る実施例1のタイプの長尺ブロック95は整地法面上にそれと平行に横に並列に敷設されており、各ブロック95は連結具91等によって互いに結合される。内部空間には整地に伴って発生した現地発生土をポーラスな間隙材96と共に充填することができるので、残土抑制に寄与する。木工表面は覆土されるが、覆土材97の滑り止め98として図21に示したような間伐材等から成る木工を適当な配置で施すことができる。
【0039】
なお、各ブロック10…の係合溝19…には、補強部材を取り付けることができることは既に一部説明している。その補強部材として図12ではパネル状のものを例示しているが、それに限られるわけではなく、例えば図24に示すような梁状ないしは筋交のような支柱状のものも使用することができ、特に図24では4角錐形の補強部材99を適用した例が示されている。図25はパネル状の補強部材54の適用例を具体的に示しており、構築物の隅角部では補強部材54′も交差状のものを設けることができる。
【0040】
このように本発明に係る構築用長尺ブロックは、各種工法に適用可能であり、例示した擁壁、雨水処理装置、河川構造の改修、法面、中央分離帯の構築等に幅広く対応することができる。その際、長尺ブロックは各種サイズ、様々な構造、形態を持つものを自由に組み合わせ、側板部間を閉じたり開いたままとしたり、或いは各種の側板要素を組み合わせて、容器としての機能や水路としての機能とを持たせるという用途が可能であり、内部空間を充填してしまえば重量ブロックと同等のものともなるので用途は著しく広汎である。なお、長尺ブロックの構成材料としてはコンクリートのほか、その他の無機材料、プラスチック及びその他の有機材料を使用可能である。
【0041】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるから、多種多様な構築物の構築に適しており、長尺ブロックの敷設方向や積重構造を調整し、梁と柱の組み合わせによる応力分散効果を奏し得るものである、一方、内部空間に充填する材料として現場から生じた残土や再利用骨材を適用可能である環境の保全にも寄与する等顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明に係る構築用長尺ブロックの実施例1を示す平面図。
(b)同上の側面図。
(c)同じく端面図。
(d)同じく下面図。
【図2】(a)実施例1のブロックの上方から見た斜視図。
(b)実施例1のブロックの下方から見た斜視図。
【図3】(a)本発明の実施例2を示す平面図。
(b)同上の側面図。
(c)同じく下面図。
(d)同じく端面図。
(e)図2(a)のE−E線断面図。
【図4】(a)実施例2のブロックの上方から見た斜視図。
(b)実施例2のブロックの下方から見た斜視図。
【図5】(a)本発明の実施例3を示す平面図。
(b)同上の側面図。
(c)同じく下面図。
(d)同じく端面図。
【図6】(a)実施例3のブロックの上方から見た斜視図。
(b)実施例3のブロックの下方から見た斜視図。
【図7】(a)本発明の長尺ブロックと併用する最小ブロックの平面図。
(b)同上の側面図。
(c)同じく下面図。
【図8】(a)図7(a)のVIIIA−VIIIA線断面図。
(b)図7(a)のVIIIB−VIIIB線断面図。
(c)図8(b)の囲み部の拡大断面図。
【図9】本発明の変形例を示すL字型ブロックの斜視図。
【図10】同じくT字型ブロックの斜視図。
【図11】同じく十字型ブロックの斜視図。
【図12】本発明に係る長尺ブロックの構成要素である側板要素の例を示す斜視図。
【図13】同じく側板要素の他の例を示す斜視図。
【図14】さらに他の側板要素の例を示す斜視図。
【図15】ブロック同士の結合手段の例示のための斜視図。
【図16】(a)本発明ブロックの適用例を示す多段積み擁壁の説明図。
(b)同じくもたれ擁壁の説明図。
【図17】(a)同じく直積み擁壁の説明図。
(b)同じく井桁積み擁壁の説明図。
【図18】同じく直積み軽量盛土擁壁の説明図。
【図19】(a)同じく暗渠側溝の説明のための斜視図。
(b)同じく側面図。
(c)同じく横断面図。
【図20】(a)同じく雨水を利用した栽培システムの説明図。
(b)同じく桝の例を示す斜視図。
【図21】(a)同じく木工沈床の説明図。
(b)同じく縦断面図。
【図22】同じく中央分離帯の例を示す横断面図。
【図23】同じく法面覆土工の説明図。
【図24】補強部材の例を示す斜視図。
【図25】構築物における補強部材の態様を示す斜視図。
【符号の説明】
10、20、20′、30、40、51、52、53、71、79、81、85、86、93、93′、95 長尺ブロック
13、14、23、24、33、34、43、44 側板部
16、26、36、46 内部空間
17、37、47 嵌合手段
18、28、48 嵌合手段
19、29、39、49 係合溝
55、58、87 側板要素

Claims (2)

  1. 前後左右に並べられ、或いは上下に積み重ねられることにより、所望の構築物を構築するための長尺ブロックであって、長尺ブロック本体は、所定の幅で少なくとも一方向へ延び、かつ梁から成る部材を四辺形状に結合した梁枠状構造を有する平板部と、平板部の並行する両側において、平板部から直交方向下方に向けて延び、かつ四辺形状に結合した梁枠状構造の四隅に相当する個所に位置している柱状構造を有する一対の側板部と、平板部と側板部とで囲まれる内部空間とを有しており、内部空間に面する本体には、側板部に配置される側板要素を嵌め合わせるための嵌合手段が備わっており、嵌合手段は柱状構造を有する側板部の本体長手方向及び幅方向に向いた側に形成されている凹溝であり、そこに側板要素の両側辺を嵌め合わせるようになっていることを特徴とする構築用長尺ブロック。
  2. 平板部は四辺形を単位とする梁枠構造を複数個連結した構造を有する請求項1記載の構築用長尺ブロック。
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