JP4224861B2 - 布化粧紙 - Google Patents

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本発明は、織編布帛の裏面に裏打紙を貼り合わせて構成され、プリーツブラインドやロールブラインドのブラインド基布として使用され、又、天井、壁面、建材、扉、襖、屏風、間仕切り(パーティション)、包装用化粧箱、書籍表紙、書籍カバー等の基材の表面を装飾するために、それらの基材に貼り合わせて使用される布化粧紙に関するものである。
経糸14と緯糸15が交絡して構成される織物では、経糸と緯糸が交叉する接結点16における厚みが、その接結点16から接結点16まで経糸14や緯糸15が続く部分の厚みよりも厚くなる。このため、その厚みの変化に応じた凹凸が織物の表裏に生じ、経糸と緯糸が交叉する接結点16の部分は、その凹凸の凸部となり、接結点16と接結点16の間の経糸と緯糸が交叉しない部分は、その凹凸の凹部となる。従って、織物を裏打紙に重ね合わせると、織物裏面の接結点16に該当する凸部では裏打紙に密着し、経糸14や緯糸15の接結点16から接結点16まで続く織物裏面の凹部では、経糸14や緯糸15と裏打紙11の間に少なからず隙間17が出来る。その隙間17は、裏打紙に塗布された貼合用水系接着剤21の湿潤塗膜に織物を重ね合わせると、貼合用水系接着剤21が織物裏面の凹部に押し込まれて塞がれるものの(図2・E)、その含有する水分が蒸発して貼合用水系接着剤21が乾燥すると、その水分の蒸発量と、その乾燥過程において経糸14や緯糸15の繊維間隙間に入り込んだ貼合用水系接着剤21の滲込量に応じた大きさの隙間17が凹部となって織物裏面に再び現れる(図2・F)。
その結果、織物と裏打紙は、織物裏面の凹部の隙間17においては剥離状態になり、接結点16に該当する織物裏面の凸部においては点接着状態になる。このため、織物と裏打紙の間に剥離応力が作用する場合、その剥離応力は織物裏面の凸部に集中するので、織物と裏打紙とは剥離し易い状態におかれる。特に、木綿繊維やジュート繊維、レーヨン等の吸湿膨潤性を有するセルロース系繊維に成る織物では、貼合用水系接着剤の乾燥過程でセルロース系繊維が、吸湿膨潤して繊度を増し、その繊度の増加分だけ収縮し、織物と裏打紙の間に生じる伸縮差によって剥離し易くなる。
織物と裏打紙の間の剥離強度を強める一法として、経糸や緯糸のホツレ(解れ)止めを兼ねて織物裏面に予め機械発泡樹脂液を塗布し、その発泡樹脂の塗膜によって裏打紙に塗布された貼合用水系接着剤の織物内部への浸透を抑える方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。織物と裏打紙の間の剥離強度を強める他の方法としては、貼合用水系接着剤に熱分解型の発泡剤を配合し、貼合用水系接着剤を乾燥過程で嵩高に発泡させ、水分の蒸発に伴って生じる接結点近傍の隙間17を、発泡した貼合用水系接着剤の気泡によって埋め尽くす方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。又、織物と裏打紙との剥離強度を強める他の方法として、経糸に使用するスフ糸の総繊度を細く45〜70(綿)番手以下にし、貼合用水系接着剤の乾燥過程で吸湿膨潤してスフ糸に生じる収縮応力を抑える方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
織物裏面に予め機械発泡樹脂液を塗布する方法(特許文献1)では、織物が硬く樹脂ライクになるので、触感風合いの柔らかい布化粧紙を得ることは出来ない。
貼合用水系接着剤に熱分解型発泡剤を配合する方法(特許文献2)では、織物と裏打紙の間の隙間17が貼合用水系接着剤に埋め尽くされたとは言えず、又、それらの間の剥離強度が高まるとは認められず、却って、天井、壁面、建材、扉、襖、屏風、間仕切り(パーテイション)、包装用化粧箱、書籍表紙、書籍カバー等の基材(以下、単に”基材”と言う。)との貼合使用時の問題が危惧される。
何故なら、織物と裏打紙の間の隙間17が貼合用水系接着剤に埋め尽くされたとしても、それは気泡によって埋め尽くされたかの如く見えると言うに過ぎない。つまり、気泡の内部は中空なので、織物と裏打紙の間にあった隙間17が気泡セル壁によって細かく分割(仕切)されたと言うだけのことであり、織物と裏打紙の間の隙間17が貼合用水系接着剤に埋め尽くされたことにはならない。寧ろ、気泡セル壁は貼合用水系接着剤の破れ易い極薄皮膜であるから、却って、織物と裏打紙とに剥離し易くなる。従って、この方法では、貼合用水系接着剤が嵩高に発泡して極薄皮膜の気泡セル壁を形成するので柔らかい布化粧紙が得られるとしても、織物と裏打紙の間の剥離強度が強められることにはならない。
織物に45〜70番手の細い経糸を使用する方法(特許文献3)では、経糸が貼合用水系接着剤の塗膜に沈み込んで被覆される恰好になるので、織物特有の触感風合いが損なわれてしまう。
何故なら、基材との貼合使用時には布化粧紙の裏面(裏打紙側)に施工用水系接着剤が塗布されるが、布化粧紙は、その塗布後直ちに基材に貼り合わされるのではなく、その塗布面同士を合わせて折り畳み、暫く放置養生して貼合用水系接着剤を裏打紙に馴染ませ、湿潤して裏打紙の伸長応力が均等で安定になってから基材に貼り合わされるのであるが、その放置養生している間に施工用水系接着剤の水分が織物を透過して蒸発してしまえば、折り畳んで放置養生していた布化粧紙を広げることは出来なくなる。従って、布化粧紙には、その放置養生期間中に施工用水系接着剤の水分が織物を透過して蒸発してしまわない程度の遮水性が要求される。そこで、貼合用水系接着剤の塗膜は、その施工用水系接着剤の水分の蒸発を抑える遮水層を兼ねて裏打紙に塗布され、貼合用水系接着剤には2g/25℃×水100g以下の対水溶解度と、この塗膜の透湿度が2000g/km2 ・25℃×24時間以下になる程度の遮水性が要求され、その裏打紙への塗布量は概して160g/m2 に設定される(例えば、特許文献4参照)。
そのように、貼合用水系接着剤の塗布量を160g/m2 とするとき、通常の総繊度が200dtex以上のマルチフィラメント糸や紡績糸を使用した織物の場合は格別問題がないとしても、総繊度が200dtex以下、例えば、45〜70番手の細手の経糸や緯糸を使用した織物、特に、経糸間の距離(p)が経糸の見掛け太さ(e)よりも大きいポーラスな織物、或いは、緯糸間の距離(q)が緯糸の太さ(d)よりも大きいポーラスな織物では、経糸14や緯糸15が貼合用水系接着剤の塗膜の中に沈み込んだ恰好になり、織物特有の触感風合いが損なわれてしまう。
特公昭59−9673号公報(特開昭53−103066) 実公平1−23806号公報(実開昭58−48423) 特許第2825476号公報(特開平10−273846) 特許第254020号公報(特開平3−19999)
ポーラスな織物では、裏打紙に貼合用水系接着剤を薄く塗布して仮接着し、その上から炭酸カルシウムや珪藻土、クレー等の充填剤を多量配合した塗料を塗布して裏打紙と強固に接着し、土壁や聚楽壁のように仕上げた布壁紙が知られているが、そのような布壁紙では、在来の布化粧紙にペンキを塗ったようなもので織物としての触感風合いは完全に失われ、その塗膜の表面に経糸や緯糸による凹凸が生じるとしても、最早、布化粧紙とは認め難いものとなる。
そこで本発明は、経糸と緯糸に囲まれた布目から裏面を透視出来る程度に粗いポーラスな織物を用いる場合でも、経糸や緯糸が裏打紙に塗布した貼合用水系接着剤の塗膜に埋没しておらず、経糸や緯糸の接結点と接結点の間の凹部が隙間となって残り、経糸や緯糸が裏打紙に塗布した貼合用水系接着剤の塗布面から浮き上って見え、貼合用水系接着剤の塗膜と経糸や緯糸の側縁との接着際がシャープで、而も、基材に貼り合わせるために裏面に塗布した施工用水系接着剤の水分が表面に移行しない遮水性を有し、織物と裏打紙との剥離強度の高い布化粧紙を得ることが出来るようにすることを目的とする。
本発明に係る布化粧紙は、(イ) 裏打紙11と下塗剤塗膜12と接着剤塗膜13と織編布帛の順に積層された積層構造を成し、
(ロ) 紙テープを加撚した実撚紙糸が織編布帛に使用されており、
(ハ) 織編布帛が接着剤塗膜13に点接着しており、
(ニ) 織編布帛と接着剤塗膜との接着点22と接着点22の間に、織編布帛と接着剤塗膜に挟まれた隙間17が介在しており、
(ホ) 紙糸の横断面の中心を通って裏打紙11に平行な平面と紙糸の横断面の輪郭線18との交点として示される紙糸の側縁19が接着剤塗膜13から離れており、
(ヘ) 紙糸と裏打紙11との接着際10が、紙糸の側縁19から紙糸の横断面の内部側に向けて窪んでいることを第1の特徴とする。
本発明において「織編布帛」とは、織物と編物(経編布,緯編布)の総称である。
織物では経糸14と緯糸15との何れか少なくとも一方に、好ましくは経糸14に、更に好ましくは経糸14と緯糸15との双方に紙糸を使用する。編物では、ニットループ28とシンカーループ29を形成する主編糸26と、ニットループ28とシンカーループ29を形成しない副編糸27との何れか少なくとも一方に、好ましくは主編糸26に、更に好ましくは主編糸26と副編糸27の双方に紙糸を使用する。実撚紙糸は、一本の糸条に成る単糸でも、複数本の糸条から成る合撚糸でもよい。
紙糸にはマルチフィラメント糸や紡績糸のように貼合用水系接着剤が入り込む繊維間の隙間がないので、マルチフィラメント糸や紡績糸に代えて紙糸を使用した織物では、経糸14や緯糸15の接結点から接結点まで続く凹部に入り込んだ貼合用水系接着剤21(図2・分図C)は、そのまま乾燥後も残り、経糸14や緯糸15と裏打紙11の間に目視し得る程度の格別な隙間17は発生せず、織物と裏打紙とに剥離し難く、施工用水系接着剤の水分が放置養生期間中に蒸発しない程度の遮水性のある布化粧紙が得られる(図2・分図D)。
しかし、紙糸にはマルチフィラメント糸や紡績糸のように貼合用水系接着剤が入り込む余地、即ち、繊維間の隙間がないが故に、紙糸の側縁(19)に付着した貼合用水系接着剤は皮膜となって残り、裏打紙との接着際(10)が貼合用水系接着剤21に埋め尽くされ、紙糸が貼合用水系接着剤の塗膜に沈み込んでいるかの如き観を呈する。
尤も、紙糸の側縁(19)が貼合用水系接着剤21の塗膜から大きく離れ、紙糸が裏打紙11から大きく隆起し、裏打紙との接着際(10)がシャープで立体感に優れた布化粧紙を得ようとすれば、貼合用水系接着剤21の塗膜を薄くすればよいのであるが、それでは、施工用水系接着剤の水分が放置養生中に蒸発しない程度の遮水性のある布化粧紙は得られない。
従来技術では、基材に貼り合わせるために裏面に塗布される施工用水系接着剤の水分の表面への移行を防ぐための遮水層を、織編布帛に貼り合わせるために裏打紙11に塗布した貼合用水系接着剤21の塗膜によって形成している(図2・分図C〜F)。
しかし、その貼合用水系接着剤21の湿潤状態にある塗膜に織編布帛を重ね合わせるときは、布帛裏面の接結点や編目として出来る凸部(16)が貼合用水系接着剤21の塗膜に食い込むため、その貼合用水系接着剤21の塗膜が一定の厚みにならず、織編布帛の接結点や編目の食い込んだ部分には、貼合用水系接着剤21の塗膜(遮水層)に透水孔(ピンホール)が出来る。
そこで、従来技術では、塗膜(遮水層)を厚くするために貼合用水系接着剤21の塗布量を多くし、貼合用水系接着剤21が布帛内部に浸透して織編布帛と一体になった厚い遮水層が形成されるようにしている。しかし、貼合用水系接着剤21の塗布厚みを厚くすると、織編布帛の糸条(14,15,26,27)が貼合用水系接着剤21の塗膜の中に沈み込む恰好になり、織編布帛の糸条と裏打紙の接着面の幅(f,g)が、糸条の見掛けの太さ(d)よりも太くなる(図2・分図D,F)。
この点、本発明では、裏打紙11に塗布した下塗剤12によって織編布帛を貼り合わせるのではなく、その下塗剤12の乾燥塗膜の上に塗布されて湿潤状態にある接着剤13の塗膜の上に織編布帛を重ね合わせるので、布帛裏面の接結点や編目の凸部(16)が食い込んで下塗剤塗膜12に透水孔(ピンホール)をつくるようなことはない。それ故、下塗剤塗膜12の厚みは、織編布帛を重ね合わせて乾燥する過程において、その上に塗布する接着剤13が裏打紙11に滲み込まない程度に薄くすればよく、下塗剤12を厚く塗布する必要はない。一方、接着剤13は、下塗剤12の乾燥塗膜の上に塗布されるので、その接着剤13の水分が裏打紙11に吸収されることなく、織編布帛を重ね合わせるまで湿潤状態を保つので、その接着剤塗膜13を薄くしても織編布帛を裏打紙11に接着することが出来る。
紙テープを加撚した実撚紙糸は、一種のモノフィラメント糸であり、多繊糸条である紡績糸やマルチフィラメント糸に比して極めて嵩が低く剛直なので、織物の接結点16や編物のニットループ28やシンカーループ30において紙糸の形成する凸部は、押し潰され難い。このため、接着剤塗膜13を薄くすると、その紙糸が曲折した凸部が接着剤塗膜13に点接着し、その接着点22と接着点22の間に、織編布帛と接着剤塗膜に挟まれた隙間17が発生する。そして、紙糸は、繊維糸条に比して吸湿して接着剤に馴染み易く、接着剤塗膜13が極く薄くても強固に接着するので、接着剤13の塗布厚みは、その湿潤塗膜に紙糸が軽く触れる程度であっても織編布帛と裏打紙を接着する上では十分である。
接着剤塗膜13を極く薄くすると、紙糸の横断面の中心を通って裏打紙11に平行な平面と紙糸の横断面の輪郭線18との交点として示される紙糸の側縁19が接着剤塗膜13から離れ、紙糸の長さ方向に続く紙糸と裏打紙11との接着点の幅(h)が紙糸の見掛けの太さ(d、e、E)よりも狭くなる。その結果、接着剤塗膜13の積層面に投影される糸条の投影輪郭23の面積Sに対する織編布帛と接着剤塗膜との接着点22の面積Tの占める糸条接着面積比率ρが90%以下となる布化粧紙が得られる。
従って、本発明に係る布化粧紙の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、接着剤塗膜13の積層面に投影される織編布帛を構成している糸条の投影輪郭23の内部面積Sに対して織編布帛と接着剤塗膜との接着点22の面積Tの占める糸条接着面積比率ρ(=100×T/S,単位;%)が90%以下である点にある。
本発明に係る布化粧紙の第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、織編布帛が、裏側を透視可能な透視隙間20が縦横寸法1cmの単位面積1cm2 につき4個以上の割合で分布するメッシュ布帛であり、その透視隙間20の直交する2方向における内部寸法(p,g)が、その透視隙間20を縁取る糸条の見掛けの太さ(d,e,E)の2倍以上であり、且つ、0.5〜4.0mmである点にある。
織物では、経糸密度と緯糸密度によって透視隙間20の内部寸法(p,g)を0.5〜4.0mmに設定することが出来る。緯編布(丸編・横編)では、ニードルゲージとコースゲージによって透視隙間20の内部寸法(p,g)を0.5〜4.0mmに設定することが出来る。経編メッシュ布帛は、主編糸がウェール方向に一直線状に編成して隣り合う左右の鎖編目列を副編糸で連結して編成するとよい。
本発明に係る布化粧紙の第4の特徴は、上記第1と第2と第3の何れかの特徴に加えて、(ル) 織編布帛が織物であり、経糸と緯糸の少なくとも一方が、見掛け太さ(e、E)の異なる糸条(14a、14b)によって構成されており、その太い太糸条(14a)が2〜25mmの間隔で配置され、その隣り合う太糸条(14a)と太糸条(14a)の間に細い細糸条(14b)が配置されており、その細糸条(14b)が接着剤塗膜13に接着することなく接着剤塗膜13から浮き上がっており、その隣り合う太糸条(14a)と太糸条(14a)の間に、織物と接着剤塗膜13の積層面に挟まれた空気層25が形成されている点にある。
経糸14と緯糸15の少なくとも何れか一方に見掛けの太さ(e、E)の異なる紙糸(14a,14b)を使用し、太紙糸(14a)の配置間隔を2〜25mmとし、その隣り合う太紙糸(14a)と太紙糸(14a)の間に細紙糸(14b)を配置した織物を使用した布化粧紙では、その織物全体の厚み(i)は、太紙糸(14a)の見掛けの太さ(E)と、その太紙糸(14a)に交叉する紙糸(15)の見掛けの太さ(d)との和(i=E+d)となるが、隣り合う太紙糸(14a)と太紙糸(14a)の間では、織物の厚みは、細紙糸(14b)の見掛けの太さ(e)と、その細紙糸(14b)に交叉する紙糸(15)の見掛けの太さ(d)との和(e+d)となる。
そして、紙糸は、裏打紙11との貼合工程で塗布される接着剤塗膜13の含有する水分の影響を受けて弛緩するとしても、障子貼りの際の障子紙がそうであるように、接着剤塗膜13の乾燥後には乾燥して緊張状態になり、織物の隣り合う太紙糸(14a)と太紙糸(14a)の間の部分の断面の中立面は織物全体の断面の中立面Cに揃い、その結果、織物の隣り合う太紙糸(14a)と太紙糸(14a)の間の部分に、織物全体の厚み(i)との差(E+d−e−d=E−e)に応じた厚み(j=0.5E−0.5e)の空気層25が接着剤塗膜13の積層面と織物の間に発生する(図3・分図A)。
本発明に係る布化粧紙の第5の特徴は、上記第1と第2と第3の何れかの特徴に加えて、織編布帛が編物である点にある。
本発明に係るプリーツブラインドは、吊桿42から吊り降ろされるブラインド基布41に真っ直ぐ平行に続く多数の折目50を一定の間隔で付け、その隣り合う折目50aと折目50bにおいて逆向きに折り畳んで折襞51を形成し、隣り合う折目50aと折目50bの間にガイド孔45を穿設し、隣り合う折目50aと折目50bの間を縫合するように各ガイド孔45に昇降コード43を挿通し、昇降コード43から続く操作コード44によってブラインド基布41を昇降操作する構造を成し、そのブラインド基布(41)が、上記第1と第2と第3と第4と第5の何れかの特徴を具備する布化粧紙によって構成されていることを特徴とする。
本発明に係るロールブラインドは、巻上ロール49に上縁が把持されて吊り降ろされるブラインド基布41を、その上縁を把持する巻上ロール49を回転操作して昇降操作する構造を成し、そのブラインド基布(41)が、上記第1と第2と第3と第4と第5の何れかの特徴を具備する布化粧紙によって構成されていることを特徴とする。
本発明によると、織編布帛が布目や編目から裏側を透視出来る程度にポーラスでも、その糸条が接着剤塗膜13に埋没しておらず、布帛裏面の接結点と接結点の間や編目と編目の間の凹部が隙間17となって残り、接着剤塗膜13の積層面に糸条の影が映り、糸条が接着剤塗膜13の積層面から浮き上って見え、接着剤塗膜13と糸条の側縁19の間の接着際10がシャープで、而も、基材に貼り合わせるために裏面に塗布される施工用水系接着剤の水分が表面に移行しない程度の遮水性を有し、織編布帛と裏打紙の間の剥離強度の高い布化粧紙が得られる。
即ち、織編布帛と接着剤塗膜との接着点22の糸条接着面積比率ρが90%以下の布化粧紙では、極細の紙糸を用いても、接着剤塗膜13に沈み込んで埋没するようなことはなく、布帛裏面の接結点と接結点の間や編目と編目の間の凹部が隙間17となって残り、紙糸が裏打紙に塗布した接着剤塗膜13の積層面から浮き上って見え、紙糸の接着際10がシャープになり、接着剤13によって織編布帛の触感風合いが損なわれることはない。
本発明では、下塗剤12と接着剤13を別々に裏打紙に塗布するので、織編布帛との貼合工程が従来技術の2倍(2工程)になるが、そのことによって布化粧紙の生産効率が低下したりコストアップになることはない。何故なら、本発明では、下塗剤塗膜12は薄くてもピンホールのない遮水層を形成し、接着剤塗膜13を薄くしても織編布帛を裏打紙11に接着することが出来るので、それらの塗膜12・23を薄くしてコストダウンを図ることが出来る。又、下塗剤12は、織編布帛を裏打紙11に接着する接着剤として使用されるのではないので、下塗剤12には高い接着強度は要求されず、下塗剤12には従来の貼合用水系接着剤21に比して多くの顔料や水酸化アルミニウム等の充填剤を配合することが出来、その充填剤の配合量に応じて下塗剤12のコストダウンを図ることが出来る。更に又、下塗剤塗膜12は、織編布帛に被覆されない露出状態で乾燥されるので、その乾燥速度が早く、接着剤塗膜13は、従来に比して薄くなるので、その乾燥速度も早く、下塗剤12と接着剤13を別々に塗布しても、その2工程を連続してスピードアップし、コストダウンを図ることが出来る。
更に、紙糸は、粉末状の極く短いパルプ繊維片や珪藻土等を素材とする裏打紙11と同質なので、織編布帛と裏打紙との貼合工程や、壁面等の基材への布化粧紙の接着施工時に使用する水系接着剤によって湿潤し伸縮するとしても、裏打紙との間に伸縮差が生じることはなく、裏打紙に追随して吸湿し伸縮する。このため、接着剤塗膜13が極薄でも、裏打紙との貼合工程や布化粧紙の接着施工時において、織編布帛と裏打紙が層間剥離することはなく、接着剤13の使用量が少なくて済み、その乾燥工程をスピードアップすることが出来、布化粧紙の生産効率を高め、そのコストダウンを図ることが出来る。
そして、実撚紙糸では、加撚によって嵩が縮まり、緻密で押し潰され難い円形断面になるので、接着剤塗膜13の水分が瞬時に紙糸に吸収されることはなく、薄くても湿潤状態にある接着剤塗膜13に徐々に馴染んで強固に接着する。そして、接着剤塗膜13の積層面に投影される紙糸の投影輪郭23の面積Sに占める織編布帛と接着剤塗膜との接着点22の糸条接着面積比率ρ(=100×T/S)が90%以下であり、紙糸の側縁19が接着剤塗膜13から離れ、紙糸が裏打紙11から畝状に隆起し、紙糸の裏打紙との接着際10が窪んでシャープになり、織編布帛が立体感を帯びる。そして、紙糸は、接着剤塗膜13に埋没することなく裏打紙11の表面に隆起し、外気に触れ易い状態におかれるので、外気の湿度に応じて吸湿・乾燥する。このため、本発明によると、調湿機能を有し、結露し難く、プリーツブラインドやロールブラインドのブラインド基布、天井、壁面、建材、扉、襖、屏風、間仕切り(パーテイション)等の内装材に最適の布化粧紙が得られる。
裏側を透視可能な透視隙間20が縦横寸法1cmの単位面積1cm2 につき4個以上の割合で分布しており、その透視隙間20の直交する2方向における内部寸法(p,g)が糸条の見掛けの太さ(d,e,E)の2倍以上で0.5〜4.0mmであるメッシュ布帛を使用した布化粧紙では、その透視隙間20から紙糸の接着剤塗膜13との接着際10や紙糸と接着剤塗膜13の間の隙間17が露見される。そして、接着際10や隙間17は、図4に図示するように、或る視点Xでは手前側の糸条の裏側に隠れて目に映らず、又、視点Xが同じでも、或る視線Wでは目に映っても、別の視線Vでは手前側の糸条の裏側に隠れて目に映らないと言う具合に、視線V・Wと織編布帛との角度によって見え隠れするので、本案布化粧紙は、外観変化に富む立体的美観を呈する。
見掛けの太さ(e、E)の異なる紙糸(14a,14b)になる織物を使用した布化粧紙では、内部に空気層25が形成されていて保温・断熱性と可撓性に富み、感触が柔らかく、その構成する紙糸が吸湿性に富み、その紙糸の全体が接着剤塗膜13から浮き上がって外気に触れるので調湿機能に富み、而も、空気層25が吸音層にもなるので吸音機能を兼ね備え、プリーツブラインドやロールブラインドのブラインド基布、天井、壁面、建材、扉、襖、屏風、間仕切り(パーテイション)等の内装材として極めて好都合な布化粧紙が得られる。その空気層25の形成されている部分では、織物が接着剤塗膜13の積層面から浮き上がっているので、糸条の投影輪郭23に占める織物と接着剤塗膜との接着点22の糸条接着面積比率ρを50%以下に設定し易く、紙糸の裏打紙との接着際10が鮮やかに看取され、布化粧紙の外観が一層変化に富むものとなる。
経編布では、ニードルループ28は片面に現れ、シンカーループ29は主編糸26が表裏に曲折して形成されるので、ニードルループ28からシンカーループ29に続く主編糸の連結部が凸部となって接着剤塗膜13に点接着する(図5)。緯編布では、ニードルループとシンカーループが表裏し、その一方が接着剤塗膜13に触れることになるので、接着剤塗膜13に点接着し易い。編物(経編布と緯編布)では、その厚み(表裏)方向に編糸が曲折してニードルループとシンカーループを形成しているので接着剤塗膜13に点接着し易く、織物の場合のように見掛けの太さ(e、E)の異なる数種類の紙糸(14a,14b)を使用しなくても、糸条の投影輪郭23に占める編物(経編布と緯編布)と接着剤塗膜との接着点22の糸条接着面積比率ρを50%以下に設定し易く、この点では、織物よりも編物を織編布帛として使用する方が有利である。
図6は、本発明に係るプリーツブラインドを図示し、41は、折襞の付けられたブラインド基布であり、42は、ブラインド基布41の上縁を係止する吊桿であり、43は、ブラインド基布41を昇降する昇降コードであり、44は、ブラインド基布41を昇降操作する操作コードであり、47は、ブラインド基布41の下縁に取り付けられたウェイトバーである。ブラインド基布41には真っ直ぐ平行に続く多数の折目50が一定の間隔で付けられており、その隣り合う折目50aと折目50bの折り畳み方向は逆向きになっており、それら多数の折目50によって折襞51が構成されている。隣り合う折目50aと折目50bの間にはガイド孔45が穿設されており、昇降コード43は、隣り合う折目50aと折目50bの間を縫合するように各ガイド孔45を貫通している。昇降コード43の下端はウェイトバー47に連結されている。昇降コード43は、操作コード44へと続いており、操作コード44を引くと、昇降コード43を介してウェイトバー47に押し上げられるようにブラインド基布41が吊り上げられ、折目50に沿ってブラインド基布41が折り畳まれる。46は、操作コード44を係止して昇降コード43の昇降を止めるストッパーである。
図7は、本発明に係るロールブラインドを図示し、49は、ブラインド基布41の上縁を把持して巻き上げる巻上ロールであり、左右のブラケット48・48に抽支されている。巻上ロール49は、コイルバネとクラッチを内蔵している。コイルバネは、ブラインド基布41が巻き上げられる方向に巻上ロール49を付勢している。そのコイルバネに対抗してウェイトバー47を瞬時引き下げるとクラッチが外れてブラインド基布41が巻き降ろせるようになり、再度ウェイトバー47を瞬時引き下げるとクラッチが噛み合って巻上ロール49の回転が止まるようになっている。
糸条の投影輪郭23に占める織物と接着剤塗膜との接着点22の糸条接着面積比率ρが少なくなるつれて、紙糸の裏打紙との接着際10が鮮やかに看取され、布化粧紙が立体感を帯びる。従って、本発明を効果的に実施する上では、糸条接着面積比率ρを50%以下に、好ましくは10〜30%にする。そのためには、織編布帛に見掛けの太さが異なる数種類の紙糸を使用し、裏面に接着剤塗膜と紙糸との接着点22となる接結点や編目による凸部が細かく発生するように織編布帛の織編組織を設計する。特に、糸条接着面積比率ρを10〜30%前後にする場合は、その接着剤塗膜と紙糸との接着点22となる接結点や編目による凸部が、織編布帛の裏面の縦横寸法1cmの単位面積1cm2 につき4個以上、好ましくは10個以上発生するように、織編組織と共に織密度や編密度を設計する。そうすると、糸条接着面積比率ρが10〜30%前後となる場合でも、織編布帛が強固に接着して剥離し難い布化粧紙が得られる。
接着点22となる凸部が細かく発生するようにするには、紙糸の撚数を部分的に変え、紙糸を見掛けの太さが部分的に変化した杢糸にするとよい。紙糸には和紙を使用するとよい。特に、雲龍紙のように繊維が糸状に纏まって分布し、坪量がばらついている和紙を使用した紙糸では、太さや硬さが部分的に変化しており、接着点22となる凸部が細かく発生し易くなるので有利である。メッシュ布帛では、その透視隙間20の内部寸法(p,g)を、それを囲む周囲の糸条の見掛けの太さ(d,e,E)の5倍以上、好ましくは10〜20倍になるようにするとよい。
織編布帛には紙糸と共にトリアセテート繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維等の熱可塑性合成繊維糸条を使用することが出来る。即ち、熱可塑性合成繊維糸条は、紙糸に比して水系接着剤に馴染み難く、水系接着剤との接着強度も弱くなるが、その交叉する紙糸によって織編布帛と裏打紙との剥離強度が確保される。熱可塑性合成繊維糸条を紙糸と混用する場合には、紙糸数本おきに1本の割合で熱可塑性合成繊維糸条を配置し、使用する紙糸の本数を熱可塑性合成繊維糸条の本数よりも多くする。
織物では、経糸と緯糸の何れか一方に紙糸を使用する場合、紙糸は経糸に使用することが望ましい。裏打紙の吸湿・乾燥に伴って、裏打紙と熱可塑性合成繊維糸条との間に伸縮差が生じても、通常織編布帛の幅は90〜120cmであり、緯糸に熱可塑性合成繊維糸条を用いるときは、裏打紙の吸湿・乾燥に伴って生じる伸縮差(絶対量)は、経糸に熱可塑性合成繊維糸条を用いる場合に比して大きく顕現せず、裏打紙と織編布帛の間に層間剥離が生じ難いからである。
下塗剤12には、施工用水系接着剤の水分の移行を防ぐ程度の遮水性が要求されるので、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル塩化ビニル共重合体、塩化ビニル、ポリウレタン、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体等の非水溶性樹脂をパインダー成分とする有機溶剤溶液、特に水系接着剤13と相容性のある酢酸エチルやエチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等の揮発性親水性有機溶剤溶液を使用するとよい。接着剤13は、遮水層を形成するものではなく、格別遮水性は要求されないが、水溶性樹脂に比して非水溶性樹脂の接着強度が強いことからして、下塗剤12と同様に非水溶性樹脂を必須成分とする樹脂エマルジョンを使用することが望ましい。
下塗剤12の塗布量は、格別限定されない。接着剤13の塗布量(wet)は、100g/m2 以下に、好ましくは80g/m2 以下で、概して60g/m2 前後乃至70g/m2 前後にする。下塗剤12と接着剤13には、顔料、難燃剤、消臭剤、芳香剤等の機能性薬剤を配合することが出来る。撥水・防汚加工や図柄のプリントやエンボスは、布化粧紙の表面に適宜施される。
[糸条接着面積比率測定法]
接着剤塗膜13の積層面に投影される織編布帛を構成している糸条の投影輪郭23の内部面積Sに対して織編布帛と接着剤塗膜との接着点22の面積Tの占める糸条接着面積比率ρ(=100×T/S,単位;%)は、次の手順に従って測定される。
(手順1) 布化粧紙の織編布帛表面を拡大写真に取り、糸条の投影輪郭23の内部面積Sを読み取る。
(手順2) 糸条の投影輪郭23の内部面積Sを読み取った布化粧紙の織編布帛表面に油性インクを塗布して接着剤塗膜13と織編布帛の層間に滲み込ませ、接着剤塗膜13の全面を油性インクによって着色し、油性インクを乾燥させる。
(手順3) 接着剤塗膜13が軟化して粘性を帯びるまで、油性インクによって着色された布化粧紙を熱湯に浸漬し、熱湯の中で織編布帛を構成している糸条を、織編布帛の周縁から1本づつピンセットで摘んで剥離する。
(手順4) 糸条が剥離除去されて現れる接着剤塗膜13の表面を拡大写真に取り、糸条の剥離跡として現れる油性インクによる未着色部分(接着点22)の面積Tを読み取り、糸条接着面積比率ρ(=100×T/S,単位;%)の測定データを算出する。
(手順5) 測定データの数は10個以上とし、その測定データの平均値をもって糸条接着面積比率ρとする。
上記測定において、油性インクは熱湯に溶解しない耐水性塗膜を形成するものを用いる。接着剤塗膜13には下塗剤12と同様に非水溶性樹脂を必須成分とする接着剤が使用されており、又、油性インクによる耐水性塗膜によって接着剤塗膜13が被覆されているので、熱湯の中で接着剤塗膜13が糸条と一緒に剥離することはなく、糸条の剥離跡に油性インクとは色彩の異なる接着剤13が現れるので、接着点22の面積Tを読み取ることが出来る。
[実施例]
幅4mm・坪量12g/m2 の紙テープを加撚した撚数300T/m・繊度660dtex・見掛けの太さ430μmの太手の実撚紙糸(14a)と、幅2mm・坪量12g/m2 の紙テープを加撚した撚数500T/m・繊度330dtex・見掛けの太さ240μmの細手の実撚紙糸(14b)を経糸とし、太手の実撚紙糸(14a)の経糸密度2.5本/cmとし、隣り合う太手の実撚紙糸(14a)と太手の実撚紙糸(14a)の間に細手の実撚紙糸(14b)を等間隔に3本配置し、幅2mm・坪量12g/m2 の紙テープを加撚した撚数500T/m・繊度330dtex・見掛けの太さ240μmの細手の実撚紙糸を緯糸(15)とし、緯糸密度を10本/cmとし、平織組織の紙糸織物を織成した。
坪量70g/m2 の裏打紙(11)に、アクリル系樹脂をバインダー成分とし、顔料を配合したアルコール溶剤溶液を下塗剤(12)として塗布し、その乾燥塗布量2.55g/m2 の下塗剤乾燥塗膜(12)に、アクリル系樹脂エマルジョン(固形分45重量%)を接着剤(13)として76g/m2 (wet)塗布し、その接着剤の湿潤塗膜(13)の上に前記紙糸織物を重ね合わせ、加熱乾燥して布化粧紙を製造し、その表面に弗素系撥水剤を92g/m2 (wet)(固形分付着量18g/m2 )塗布して仕上げた。
接着剤の乾燥塗膜(13)の厚みは約30μmであり、紙糸織物は、太手の実撚紙糸(経糸14a)と緯糸(15)の接結点(16)でのみ接着剤塗膜の積層面(13)に点接着し、隣り合う太手(14a)の実撚紙糸と太手の実撚紙糸(14a)の間では細手の実撚紙糸(経糸14bと緯糸15)が接着剤塗膜の積層面(13)から浮き上がり、接着剤塗膜の積層面と紙糸織物の間に空気層(25)が形成されていた。
この布化粧紙を斜めから見ると、紙糸の裏打紙との接着際(10)が窪んで見え、紙糸の陰影がシャープで立体感のある美観が感得された。
接着剤塗膜の積層面(13)に投影される紙糸織物の紙糸(14a,14b,15)の投影輪郭(23)の面積(S)に対して紙糸織物と接着剤塗膜との接着点(22)の面積(T)の占める糸条接着面積比率ρは21%(測定データ数n=12,データ平均値ρ=21%,標準偏差σ=8%)であった。
本発明に係る織物を使用した布化粧紙の斜視図であり、一部を円で囲んで拡大して図示している。 本発明に係る布化粧紙と従来の布化粧紙の比較断面図であり、分図Aは接着剤の湿潤塗膜に織編布帛を重ね合わせた状態における本発明の布化粧紙の断面図を示し、分図Bは接着剤が乾燥して仕上がった状態における本発明の布化粧紙の断面図を示し、分図Cは接着剤の湿潤塗膜に織編布帛を重ね合わせた状態における従来の布化粧紙の断面図を示し、分図Dは接着剤が乾燥して仕上がった状態における従来の布化粧紙の断面図を示し、分図Eは接着剤の湿潤塗膜に織編布帛を重ね合わせた状態における従来の布化粧紙の断面図を示し、分図Fは接着剤が乾燥して仕上がった状態における従来の布化粧紙の断面図を示す。 本発明に係る布化粧紙の一部切截平面図であり、分図Aは布化粧紙の断面側面図であり、分図Bは布化粧紙の断面正面図である。 図3に図示する布化粧紙の矢印LとMとNで表示する部分での断面正面図である。 本発明に係る編物を使用した布化粧紙の斜視図である。 本発明に係るプリーツブラインドの斜視図である。 本発明に係るロールブラインドの斜視図である。
符号の説明
10:接着際
11:裏打紙
12:下塗剤
13:接着剤
14:経糸
15:緯糸
16:接結点
17:隙間
18:輪郭線
19:側縁
20:透視隙間
21:水系接着剤
22:接着点
23:投影輪郭
24:単位輪郭
25:空気層
26:主編糸
27:副編糸
38:ニードルループ
39:シンカーループ
40:連結部
41:ブラインド基布
42:吊桿
43:昇降コード
44:操作コード
45:ガイド孔
46:ストッパー
47:ウェイトバー
48:ブラケット
49:巻上ロール
50:折目
51:折襞
C :織編布帛の断面の中立面
d :糸条の見掛け太さ
e :糸条の見掛け太さ
E :糸条の見掛け太さ
f :糸条の裏打紙との接着面の幅
g :糸条の裏打紙との接着面の幅
h :糸条の裏打紙との接着面の幅
i :織編布帛の厚み
j :空気層の厚み
k :糸条の隆起した高さ
p :経糸間の距離
q :緯糸間の距離
S :投影輪郭の面積
T :接着点の面積
V :視線
W :視線
X :視点

Claims (7)

  1. (イ) 裏打紙(11)と下塗剤塗膜(12)と接着剤塗膜(13)と織編布帛の順に積層された積層構造を成し、
    (ロ) 紙テープを加撚した実撚紙糸が織編布帛に使用されており、
    (ハ) 織編布帛が接着剤塗膜(13)に点接着しており、
    (ニ) 織編布帛と接着剤塗膜との接着点(22)と接着点(22)の間に、織編布帛と接着剤塗膜に挟まれた隙間(17)が介在しており、
    (ホ) 紙糸の横断面の中心を通って裏打紙(11)に平行な平面と紙糸の横断面の輪郭線(18)との交点として示される紙糸の側縁(19)が接着剤塗膜(13)から離れており、
    (ヘ) 紙糸と裏打紙(11)との接着際(10)が、紙糸の側縁(19)から紙糸の横断面の内部側に向けて窪んでいることを特徴とする布化粧紙。
  2. (ト) 接着剤塗膜(13)の積層面に投影される織編布帛を構成している糸条の投影輪郭(23)の内部面積Sに対して織編布帛と接着剤塗膜との接着点(22)の面積Tの占める糸条接着面積比率ρ(=100×T/S,単位;%)が90%以下であることを特徴とする前掲請求項1に記載の布化粧紙。
  3. (チ) 織編布帛が、裏側を透視可能な透視隙間(20)が縦横寸法1cmの単位面積1cm2 につき4個以上の割合で分布するメッシュ布帛であり、
    (ヌ) その透視隙間(20)の直交する2方向における内部寸法(p,g)が、その透視隙間(20)を縁取る糸条の見掛けの太さ(d,e,E)の2倍以上であり、且つ、0.5〜4.0mmであることを特徴とする前掲請求項1と2の何れかに記載の布化粧紙。
  4. (ル) 織編布帛が織物であり、経糸と緯糸の少なくとも一方が、見掛けの太さ(e、E)の異なる糸条(14a、14b)によって構成されており、
    (オ) その太い太糸条(14a)が2〜25mmの間隔で配置され、その隣り合う太糸条(14a)と太糸条(14a)の間に細い細糸条(14b)が配置されており、
    (ワ) その細糸条(14b)が接着剤塗膜(13)に接着することなく接着剤塗膜(13)から浮き上がっており、その隣り合う太糸条(14a)と太糸条(14a)の間に、織物と接着剤塗膜(13)の積層面に挟まれた空気層(25)が形成されていることを特徴とする前掲請求項1と2と3の何れかに記載の布化粧紙。
  5. (カ) 織編布帛が編物であることを特徴とする前掲請求項1と2の何れかに記載の布化粧紙。
  6. ブラインド基布(41)が、前掲請求項1と2と3と4と5の何れかに記載の布化粧紙によって構成されていることを特徴とするプリーツブラインド。
  7. ブラインド基布(41)が、前掲請求項1と2と3と4と5の何れかに記載の布化粧紙によって構成されていることを特徴とするロールブラインド。
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