JP4224826B2 - ガス燃料エンジンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、付臭剤を含んだガス燃料を使用可能なガス燃料エンジンシステムに関し、特に付臭剤に含まれる硫黄成分の処理が考慮されたものに関する。
近年、自動車用内燃機関の燃料としてCNG(Compressed Natural Gas;圧縮天然ガス)、LPG(Liquid Petrol Gas;液体石油ガス)等のガス燃料を利用するために、各種のガス燃料エンジンが提案されている。
このようなガス燃料エンジンに用いられるガス燃料には、ガス漏れ対策として付臭剤が添加される場合が多い。しかしながら、排ガス浄化触媒を備えたエンジンに、付臭剤を含有するガス燃料が供給されると、付臭剤に含まれた硫黄成分に起因する硫黄被毒により、排ガス浄化触媒の劣化が促進されるという問題点がある。
NOx吸収触媒の硫黄被毒量を推定するための技術として、特許文献1は、固体電解質を用いたSOx(硫黄酸化物)センサをエンジンの排気系に設け、検出した硫黄濃度に基づく積算により硫黄被毒量を算出する装置を開示している。この特許文献1では、算出された被毒量に応じて、触媒が所定温度を超えたときに空燃比をリッチ化することで、NOx吸収触媒から硫黄成分を除去している。
特開平2000−45753号公報
しかしながら、特許文献1の装置ではSOxセンサを排気系に設けているため、測定が排気熱の影響を受け易く、測定精度の向上に限界がある。
そこで本発明の目的は、触媒装置に供給される硫黄成分の量をより正確に推定できるような手段を提供することにある。
第1の本発明は、排気側に排ガス浄化用触媒を備えたガス燃料エンジンへの燃料供給経路中に設けられた硫黄成分検出手段と、前記硫黄成分検出手段の検出値に基づいて前記排ガス浄化用触媒におけるSOx堆積量を推定する堆積量推定手段と、前記推定されたSOx堆積量が所定の閾値を超えたときに、前記排ガス浄化用触媒に対するSOx被毒回復制御を実施する被毒回復制御手段と、前記燃料供給経路中であって前記硫黄成分検出手段よりも上流側に設けられガス燃料から付臭剤を吸着する吸着手段と、前記硫黄成分検出手段の検出値に基づいて前記吸着手段の劣化状態を出力する劣化状態出力手段と、を備えたことを特徴とするガス燃料エンジンシステムである。
第1の本発明では、硫黄成分検出手段をガス燃料エンジンへの燃料供給経路中に設けたので、測定が排気熱の影響を受けず、したがって触媒装置に供給される硫黄成分の量をより正確に推定することができる。なお、本発明にいうガス燃料エンジンシステムとは、ガス燃料のみを駆動源として用いるもののほか、ガソリンなど他の駆動源をガス燃料と併用するものを含む。また、燃料供給経路中に設けられた吸着手段によって、ガス燃料から付臭剤を吸着・除去できるうえ、吸着手段を硫黄成分検出手段よりも上流側に設けたので、硫黄成分検出手段の検出値を利用して、吸着手段の劣化状態をも検出することができる。また、劣化状態出力手段によって吸着手段の劣化状態が出力されるので、この出力によってユーザが吸着手段の劣化状態を知ることができる。
第2の本発明は、請求項1に記載のガス燃料エンジンシステムであって、前記硫黄成分検出手段は臭いセンサであることを特徴とするガス燃料エンジンシステムである。
第2の本発明では、硫黄成分検出手段として臭いセンサを用いたので、測定を特に高精度に行うことができる。
の本発明は、請求項1または2に記載のガス燃料エンジンシステムであって、前記吸着手段が複数並列に設けられ、且つこれら各吸着手段のそれぞれにガス燃料を選択的に供給するための切替手段が前記燃料供給経路中に設けられていることを特徴とするガス燃料エンジンシステムである。
の本発明では、燃料供給経路中に設けられた切替手段によって、複数並列に設けられた吸着手段のそれぞれにガス燃料を選択的に供給できるので、劣化した吸着手段を順次未使用の吸着手段に切り替えることで、ガス燃料中の硫黄成分を継続的に除去することができる。
の本発明は、請求項1または2に記載のガス燃料エンジンシステムであって、前記吸着手段を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御して前記吸着手段から前記付臭剤を脱離させる脱離制御手段と、を備えたことを特徴とするガス燃料エンジンシステムである。
の本発明では、吸着手段を加熱する加熱手段を脱離制御手段が制御して、吸着手段から付臭剤を脱離させるので、吸着手段の再生によってその使用期間を延ばすことができる。
の本発明における加熱手段は、第の本発明のように電熱ヒータとしたり、あるいは第の本発明のように、排気熱利用ヒータとするのが好適である。
の本発明は、請求項ないしのいずれかに記載のガス燃料エンジンシステムであって、前記ガス燃料エンジンの運転状態を示す所定のパラメータに基づいて、前記排ガス浄化用触媒のSOx被毒が生じない運転状態であるかを判別する判別手段を更に備え、前記脱離制御手段は、前記SOx被毒が生じない運転状態である場合に前記加熱手段を制御して前記吸着手段から前記付臭剤を脱離させることを特徴とするガス燃料エンジンシステムである。
の本発明では、判別手段がガス燃料エンジンの運転状態を示す所定のパラメータに基づいて、排ガス浄化用触媒のSOx被毒(硫黄被毒)が生じない運転状態であるかを判別する。そして脱離制御手段は、SOx被毒が生じない運転状態である場合に加熱手段を制御して吸着手段から付臭剤を脱離させる。したがって第の本発明では、排ガス浄化用触媒のSOx被毒を生じさせずに吸着手段を再生することができる。
本発明の実施形態につき、以下に図面に従って説明する。なお、以下に示される実施形態やその変形はあくまで例示にすぎず、これらにより本発明が限定されるわけではない。
図1は、この発明の第1実施形態に係るガス燃料エンジンシステム1の概略構成を示す全体概要図である。本実施形態におけるCNGエンジン10は、CNG燃料をインジェクタ17によって、燃焼室10a内に噴射する筒内直噴式の内燃機関であって、車両に搭載される。
燃焼室10aは、シリンダボアと不図示のシリンダヘッド、およびシリンダボア内に往復動自在に配設されたピストンによって構成されている。なおピストンの上面の吸気側部分には、いわゆる成層燃焼を成立させるために凹状のキャビティが形成されている。この燃焼室10aのほぼ中央には、点火プラグが配設されている。また、燃焼室10aに臨む吸気ポート(図示せず)には吸気弁が配設され、排気ポートには排気弁が配設されている。インジェクタ17は燃焼室10a内に直接噴射可能に配設されている。
CNGエンジン10は、基本的には通常の筒内直噴式のガソリンエンジンと同様の構成となっているが、CNG燃料を供給できるようにするために、燃料供給系統の構成がガソリンエンジンの場合と異なっている。
CNG燃料タンク12は、CNG燃料を高圧(例えば、最大20MPa程度)の加圧状態で貯蔵するためのボンベである。デリバリパイプ13は、高圧レギュレータ15を経由して供給されるCNG燃料を各インジェクタ17に分配するためのものである。
CNG燃料タンク12とデリバリパイプ13とは、燃料供給パイプ14によって接続されている。燃料供給パイプ14の中途に設けられた高圧レギュレータ15によって、CNG燃料の圧力が所定のレギュレータ圧Pa(例えば、0.5MPa程度)まで減圧される。
燃料供給パイプ14の中途であって、高圧レギュレータ15の下流側には、本発明における硫黄成分検出手段である臭いセンサ16が設けられている。臭いセンサ16としては従来公知の各種のものを使用でき、例えばAl(アルミナ)基板上にSnO(酸化錫)などの酸化物半導体層が形成され加熱用の電熱式ヒータを備えた半導体式臭いセンサを用いることができる。この種の半導体式臭いセンサでは、酸化物半導体層に吸着された酸素が臭気物質の分子と結合する際の電気抵抗の増加によって、臭気強度を検出することができる。本実施形態では硫黄成分検出手段として臭いセンサ16を利用することにより、微少量の付臭剤であっても高感度に検出することができる。
燃焼室10aの排気側には、排気マニホルド25を介して、三元触媒26およびNOx吸蔵還元型触媒(NOx Storage Reduction catalyst;以下NSR触媒という)27が接続されている。NSR触媒27の下流側は、不図示の消音器などを介して大気に開放している。三元触媒26およびNSR触媒27は、ハニカム状に形成されたセラミックからなる担体に触媒粉末が担持されたものである。三元触媒26に担持される触媒としては、例えば、Pt/Pd/Rh系触媒、Pt/Pd系触媒、Pt/Rh系触媒、Pd/Rh系触媒等が挙げられる。NSR触媒27に担持される触媒としては、例えばLi/Pt系触媒等が挙げられる。
電子制御ユニット(ECU)30は、双方向バスによって互いに結合されているCPU、RAM、ROM、バックアップRAMおよび入出力インターフェイスを備えた周知のワンチップマイクロプロセッサとして構成されている。ECU30の入力側には、上述した臭気センサ16のほか、CNGエンジン10の冷却水経路に設けられた水温センサ31、CNGエンジン10のクランク軸の近傍に設けられたクランク角センサ32、CNGエンジン10の吸気通路の上流に設けられた吸入空気量を検出するエアフローメータ33、吸入空気温度を検出する吸気温センサ34、不図示のスロットル弁の開度を検出するスロットルセンサ35等の各種センサが接続されている。ECU30の出力側には、インジェクタ17、高圧レギュレータ15などの各種アクチュエータが接続されている。ECU30は、ROMに格納されたプログラムおよび各種のマップや基準値に従って、各種センサからの信号を入力し、その入力信号に基づいて演算処理を実行し、その演算結果に基づき各種アクチュエータ用の制御信号を出力することにより、以下に述べる堆積量推定・被毒回復処理のほか、本発明とは別途に行われる燃料噴射制御や点火時期制御等を実行する。
以上のとおり構成された第1実施形態における堆積量推定・被毒回復処理について、以下に説明する。図2に示される堆積量推定・被毒回復処理は、CNGエンジン10の運転中にクランク角に合わせた所定タイミングΔtごとに繰り返し実行される。
ECU30ではまず、上述した各種センサの検出値が読み込まれる(S10)。次にECU30では、NSR触媒27への硫黄供給量が算出される(S20)。この硫黄供給量は、ガス燃料中の付臭剤に含まれる硫黄成分がNSR触媒27に供給される量を示すものである。硫黄供給量は、臭いセンサ16の出力に基づいて所定のテーブルの参照により算出される硫黄濃度、別途の処理により算出される燃料噴射量、およびクランク角センサ32の出力に基づいて算出されるエンジン回転数を乗算し、これに所定の係数を乗算することによって算出される。なお、燃料噴射量は、エアフローメータ33の出力から得られる吸入空気量、クランク角センサ32の出力から得られるエンジン回転数、吸気温センサ34の出力から得られる吸気温度、スロットルセンサ35の出力から得られるスロットル開度、および水温センサ31の出力から得られるエンジン冷却水温に基づいて算出される。
次に、NSR触媒27からの硫黄排出量が算出される(S30)。この硫黄排出量は、CNGエンジン10の運転条件に応じて、NSR触媒27から排出される硫黄成分の量を示すものであり、後述する被毒回復制御によるものを含む。硫黄排出量は、水温センサ31によって検出されるエンジン水温、クランク角センサ32によって検出されるエンジン回転数NE、およびこのエンジン回転数NEとエアフローメータ33からの吸入空気量Qとに基づいて算出される機関負荷(Q/NE)に基づいて、所定のマップによって推定(算出)される。
次に、ステップS20で算出された硫黄供給量の加算、およびステップS30で算出された硫黄排出量の減算により、NSR触媒27における硫黄堆積量Aの値が更新される(S40)。なお、この硫黄堆積量Aの値は、ECU30のバックアップRAMにおける所定の記憶領域に記録され、次回以降の処理サイクルにおいて、この記憶された値への硫黄供給量(S20)の加算または硫黄排出量(S30)の減算によって、逐次更新されることになる。
次に、更新された現在の硫黄堆積量Aの値が、回復制御開始閾値At1以上かが判断される(S50)。この回復制御開始閾値At1は、NSR触媒27における硫黄堆積量がこれを下回る場合には硫黄被毒による触媒性能への影響が実用上無視できるような値に、予め実験的に定めるものとする。
そしてステップS50で肯定の場合、つまり現在の硫黄堆積量Aの値が回復制御開始閾値At1以上である場合には、被毒回復制御が実行される(S60)。この被毒回復制御は、燃料噴射量の一時的増大による空燃比のリッチ化をその内容とする。燃料噴射量の一時的増大は、別途に行われる燃料噴射制御における目標燃料噴射量に対する所定の足し込み値の加算、または所定の増大係数の乗算によって行われる。
また、ステップS50で否定の場合、つまり現在の硫黄堆積量Aの値が回復制御開始閾値At1未満である場合には、次に、硫黄堆積量Aが所定の回復制御終了閾値At2以下かが判断される(S70)。この回復制御終了閾値At2は、硫黄堆積量Aが上述した回復制御開始閾値At1の近傍で上下し続ける事態を避けるために、回復制御開始閾値At1よりも十分に小さい値に、予め実験的に定めるものとする。
以上の処理の結果、ステップS60の被毒回復制御は、硫黄堆積量Aが回復制御開始閾値At1を上回ってから、回復制御終了閾値At2以下になるまでの間、繰り返し実行され(S60)、NSR触媒27内に堆積した硫黄成分が、被毒回復制御によって除去されることになる。また、硫黄堆積量Aが回復制御終了閾値At2を下回った場合には、以後硫黄堆積量Aが再び回復制御開始閾値At1以上になるまでの間、被毒回復制御は行われない。
ここで、本実施形態では、硫黄成分検出手段である臭いセンサ16をCNGエンジン10への燃料供給経路中に設けたので、測定が排気熱の影響を受けず、したがって触媒装置であるNSR触媒27に供給される硫黄成分の量をより正確に推定することができる。
また本実施形態では、SOxセンサに比べて感度の高い臭いセンサ16を硫黄成分検出手段として用いたので、測定を特に高精度に行うことができる。
なお、本実施形態では硫黄堆積量Aが回復制御開始閾値At1を上回ったことを条件に被毒回復制御を行うこととしたが、更に、NSR触媒27の温度が所定の閾値を上回っていることを、被毒回復制御を開始するための追加的な条件としてもよい。また、NSR触媒27に電熱ヒータなどの加熱手段を付加し、NSR触媒27の温度が所定値を下回っている場合に、このヒータによりNSR触媒27を加熱すると共に、NSR触媒27の温度が所定値に達したことを条件として、被毒回復制御を開始してもよい。
次に、第2実施形態について説明する。図3に示される第2実施形態に係るガス燃料エンジンシステム101は、燃料供給経路である燃料供給パイプ14中であって硫黄成分検出手段である臭いセンサ16よりも上流側に、吸着手段としての硫黄化合物吸着カートリッジ(以下吸着カートリッジという)50を設け、ガス燃料から付臭剤を吸着すると共に、臭いセンサ16の検出値に基づいて吸着カートリッジ50の劣化状態を判定し出力するものである。
吸着カートリッジ50は、粉状体、球状体、ハニカム形状等、適宜の形状の脱臭剤を詰めた容器の両端にガス管が接続されることによって形成されるものであり、粉状体のようにガスの通過に伴って拡散するおそれのあるものの場合には、その両側にフィルターを設けることで拡散の防止を図るのが好適である。例えばハニカム構造のMn−Fe系触媒とAu−Fe系触媒とを重ね合わせた脱臭剤を使用すれば、この中をガス燃料が通過することにより、ガス燃料中のS(イオウ系)の臭気はMn−Fe系触媒によって脱臭され、N(アミン系)の臭気はAu−Fe系触媒によって脱臭される。なお、脱臭剤としては多孔質としたものが特に効果的である。
第2実施形態におけるECU130は、所定の警告出力、例えば運転席の表示装置131における文字メッセージの表示を行うディスプレイコンピュータ132に対する警告信号の出力を実行できるように構成されている。なお、第2実施形態の残余の機械的構成は上記第1実施形態と同様であるため、同一符号を付してその詳細の説明は省略する。
第2実施形態における処理について説明する。図4において、まず、臭いセンサ16の検出値が読み込まれる(S110)。次に、読み込まれた臭いセンサ16の検出値が、ECU130において所定の閾値と比較される(S120)。この閾値としては、吸着カートリッジ50の吸着量が飽和した時点で臭いセンサ16が出力すると考えられる検出値であって、その値より小さい(0に近い)領域では硫黄被毒による触媒性能への影響が実用上無視できるような値を使用し、このような閾値は実験により定めることができる。ステップS120で臭いセンサ16の検出値が閾値以下である場合には、肯定判断の結果、処理がリターンされる。
そして、ステップS120で臭いセンサ16の検出値が閾値を上回っている場合には、
堆積量推定・被毒回復処理が実行される(S130)。この堆積量推定・被毒回復処理は、上述した第1実施形態における図2のフロー図に示された一連の処理と同様のものであり、NSR触媒27における硫黄供給量および硫黄排出量を考慮した現在の硫黄堆積量の算出と、算出された硫黄堆積量に応じた被毒回復制御とを含むものである。なお、硫黄堆積量Aの値は、ECU130のバックアップRAMにおける所定の記憶領域に記録され、次に堆積量推定・被毒回復処理が実行される場合には、この記憶された値への加算または減算によって逐次更新されることになる。
次に、ECU130によって警告出力が行われる(S140)。この警告出力は、上述したディスプレイコンピュータ132に対する警告信号の出力によって行われる。この警告信号の出力に応じて、ディスプレイコンピュータ132によって車室内の表示装置131が制御され、運転者に対する文字メッセージの表示、とくに吸着カートリッジ50の劣化または臭いセンサ16の異常の旨の表示が行われる。
以上のとおり、第2実施形態では、燃料供給経路である燃料供給パイプ14中に設けられた吸着カートリッジ50(吸着手段)によって、ガス燃料から付臭剤を吸着・除去できるうえ、吸着カートリッジ50を臭いセンサ16(硫黄成分検出手段)よりも上流側に設けたので、臭いセンサ16の検出値を利用して、吸着カートリッジ50の劣化状態をも検出することができる。また、ECU130の処理によって吸着カートリッジ50の劣化状態を示す情報が出力されるので、この出力によってユーザが吸着カートリッジ50の劣化状態を知ることができる。
なお、第2実施形態では吸着カートリッジ50が劣化した旨を表示装置131による文字メッセージの表示によって出力することとしたが、劣化状態の出力は文字メッセージの表示のほか、音声メッセージの再生、警告灯の点灯、あるいは整備作業者のダイアグノーシス操作によって読み出し可能な異常ログファイルへの追記などの他の出力手段によって行うこととしてもよい。
次に、第3実施形態について説明する。図5に示される第3実施形態に係るガス燃料エンジンシステム201は、上記第2実施形態と同様の吸着カートリッジ50を、燃料供給パイプ14中に複数並列に設け、さらに各吸着カートリッジ50の上流側に上流バルブ51を、また下流側に逆止弁52を設けたものである。上流バルブ51はモータ駆動式開閉弁である。第3実施形態におけるECU230は、上記第2実施形態における各種の制御に加えて、各上流バルブ51を個別に開閉制御できるように構成されている。なお、第3実施形態における残余の構成は上記第2実施形態と同様であるため、その詳細の説明は省略する。
第3実施形態における処理について説明する。図6において、まず、臭いセンサ16の検出値が読み込まれる(S210)。次に、読み込まれた臭いセンサ16の検出値が、ECU230において所定の閾値と比較される(S220)。この閾値としては、吸着カートリッジ50の吸着量が飽和した時点で臭いセンサ16が出力すると考えられる検出値(第2実施形態のステップS120において用いられるもの)を使用する。ステップS220で臭いセンサ16の検出値が閾値以下である場合には、肯定判断の結果、処理がリターンされる。
そして、ステップS220で臭いセンサ16の検出値が閾値を上回っている場合は、吸着カートリッジ50から漏出した硫黄分がNSR触媒27に影響を与えうる状態であるため、堆積量推定・被毒回復処理が実行される(S230)。この堆積量推定・被毒回復処理は、上述した第1実施形態における図2のフロー図に示された一連の処理と同様のものである。なお、ステップS230の処理の終了後における硫黄堆積量の値は、ECU230のバックアップRAMにおける所定の記憶領域に記録され、次に堆積量推定・被毒回復処理が実行される場合には、この記憶された値への加算または減算によって逐次更新されることになる。
次に、全ての吸着カートリッジ50が使用済みかが判断される(S240)。ここでは第1順位の吸着カートリッジ50のみが使用済みであり、他の吸着カートリッジ50は未使用の状態であるため、否定判断される。次に、次順位の吸着カートリッジ50に対応する上流バルブ51が開かれ(S250)、また使用中の吸着カートリッジ50に対応する上流バルブ51が閉じられる(S260)。これらステップS250およびS260の処理によって、吸着手段としての吸着カートリッジ50へのガス燃料の供給先が、使用中の吸着カートリッジ50から次順位の吸着カートリッジ50へと切替えられる。
これらステップS210ないしS260の処理は、全ての吸着カートリッジ50が使用済みになるまでの間繰り返し実行される。そして、全ての吸着カートリッジ50が使用済み(劣化した状態)になると、ステップS240において否定判断され、警告出力が行われる(S270)。この警告出力は、ディスプレイコンピュータ132に対する警告信号の出力によって行われる。この警告信号の出力に応じて、ディスプレイコンピュータ132によって車室内の表示装置131が制御され、運転者に対する文字メッセージの表示が行われる。
以上のとおり、第3実施形態では、燃料供給経路中に設けられた切替手段としての上流バルブ51によって、複数並列に設けられた吸着カートリッジ50のそれぞれにガス燃料を選択的に供給できるので、劣化した吸着カートリッジ50を順次未使用の吸着カートリッジ50に切替えることで、ガス燃料中の硫黄成分を継続的に除去することができる。
なお、第3実施形態では4個の吸着カートリッジ50を使用したが、並列に接続される吸着カートリッジ(吸着手段)の個数は任意の複数とすることができる。また、第3実施形態では予め準備された個数の吸着カートリッジ50が全て使用済みとなった時点で警告出力がなされることとしたが、警告出力のタイミングは、例えば未使用の吸着カートリッジが1個になった時点とするなど、任意のタイミングを選択することができる。
次に、第4実施形態について説明する。図7に示される第4実施形態に係るガス燃料エンジンシステム301は、燃料供給パイプ14中に上記第2実施形態と同様の吸着カートリッジ50を設けたシステムにおいて、さらに、吸着カートリッジ50を加熱する電熱ヒータ(加熱手段)55、および電熱ヒータ55に給電するためのヒータ電源回路56を備えたものである。
電熱ヒータ55としては、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)を主成分とした半導体セラミックからなるPTCサーミスタ(Positive Temperature Coefficient Thermistor)を含んでなる急速加熱可能なPTCヒータを用いるのが好適である。電熱ヒータ55には、これに給電するためのヒータ電源回路56が接続されている。ヒータ電源回路56は、不図示のバッテリ(直流電源)からの直流電圧を昇圧して任意の電圧値およびタイミングで電熱ヒータ55に給電するものであり、DC/DCコンバータ等を含んで構成されている。
第4実施形態におけるECU330は、上記第2実施形態における各種の制御に加え、吸着カートリッジ50から付臭剤を脱離させるために電熱ヒータ55を制御できるように構成されている。なお、第4実施形態における残余の構成は上記第2実施形態と同様であるため、その詳細の説明は省略する。
第4実施形態における処理について説明する。図8において、まず、臭いセンサ16の検出値が読み込まれる(S310)。次に、読み込まれた臭いセンサ16の検出値が、ECU230において所定の閾値と比較される(S320)。この閾値としては、吸着カートリッジ50の吸着量が飽和した時点で臭いセンサ16が出力すると考えられる検出値(第2実施形態のステップS120において用いられるもの)を使用する。ステップS320で臭いセンサ16の検出値が閾値以下である場合には、肯定判断の結果、処理がリターンされる。
ステップS320で臭いセンサ16の検出値が閾値を上回っている場合は、吸着カートリッジ50が劣化状態(吸着量が飽和した状態)であるため、ステップS330以下の制御に移行する。まず、電熱ヒータ55による後述の加熱が所定回数以上連続して行われたかが判断される(S330)。ここで肯定判断される場合は、所定回数以上連続した加熱が行われたにもかかわらず吸着カートリッジ50からの硫黄成分の漏出が検出される、つまり吸着カートリッジ50が劣化しているか或いは臭いセンサ16が故障している状態であるため、警告出力が行われる(S380)。この警告出力は、ディスプレイコンピュータ132に対する警告信号の出力によって行われ、この警告信号の出力に応じて表示装置131における文字メッセージの表示が行われる。
次に、堆積量推定・被毒回復処理が実行される(S340)。この堆積量推定・被毒回復処理は、上述した第1実施形態における図2のフロー図に示された一連の処理と同様のものである。
次に、電熱ヒータ55がオンされる(S350)。ここでの電熱ヒータ55の通電は、所定時間が経過するまでの間(S360)連続して行われ、その経過を条件に電熱ヒータ55がオフされる(S370)。
以上の処理の結果、吸着カートリッジ50の吸蔵量が上限値に近づくと、電熱ヒータ55によって吸着カートリッジ50が加熱され、吸着カートリッジ50に吸蔵された硫黄成分が脱離されることになる。
以上のとおり、第4実施形態では、吸着カートリッジ50(吸着手段)を加熱する電熱ヒータ55(加熱手段)をECU330が制御して、吸着カートリッジ50から付臭剤を脱離させるので、吸着カートリッジ50の再生によってその使用期間を延ばすことができる。
なお、吸着カートリッジ50を加熱するための加熱手段としては、吸着カートリッジ50から硫黄成分を脱離させることができるものであれば、Ni−Cr線を利用したものなど他の種類の電熱式ヒータを利用してもよく、さらに、冷却水や排気などのエンジンの排熱を利用したヒータを任意に使用できる。
次に、第5実施形態について説明する。図9に示される第5実施形態に係るガス燃料エンジンシステム401は、吸着カートリッジ50を設けたシステムにおいて、吸着カートリッジ50を加熱するための加熱手段として、排気熱利用ヒータ155を用いたものである。
排気熱利用ヒータ155は、吸着カートリッジ50を囲む概ね二重円筒状の中空体であり、その一部に、排気管におけるNSR触媒27の下流側から分岐する排気導入通路156が接続され、また他の一部に排出管158が接続されている。排気導入通路156における排気熱利用ヒータ155の近傍には排気導入制御バルブ157が設けられており、また排出管158にはリリーフバルブ159が設けられている。排気導入制御バルブ157はモータ駆動式開閉弁である。第5実施形態におけるECU430は、上記第2実施形態における各種の制御に加えて、排気導入制御バルブ157を開閉制御できるように構成されている。なお、第5実施形態における残余の構成は上記第2実施形態と同様であるため、その詳細の説明は省略する。
第5実施形態における処理について説明する。図10において、ステップS410,S420およびS440ならびにS480の処理は、上記第4実施形態におけるステップS310,S320およびS340ならびにS380の処理と同様である。
ステップS430では、排気熱利用ヒータ155による後述の加熱が所定回数以上連続して行われたかが判断される。ここで肯定判断される場合は、所定回数以上連続した加熱が行われたにもかかわらず吸着カートリッジ50からの硫黄成分の漏出が検出される、つまり吸着カートリッジ50が劣化しているか或いは臭いセンサ16が故障している状態であるため、警告出力が行われる(S480)。
ステップS440において堆積量推定・被毒回復処理が実行されると、次に、排気導入制御バルブ157が開かれる(S450)。ここでは排気導入制御バルブ157が所定時間が経過するまでの間(S460)連続して開かれ、その経過を条件に排気導入制御バルブ157が閉じられる(S470)。
以上の処理の結果、吸着カートリッジ50の吸蔵量が上限値に近づくと、排気導入制御バルブ157の開動作によって、排気導入通路156を経由して排気熱利用ヒータ155に排ガスが導入され、吸着カートリッジ50が加熱される。この加熱によって、吸着カートリッジ50に吸蔵された硫黄成分が脱離される。なお排気熱利用ヒータ155内の排ガスは、リリーフバルブ159を経由して排出管158から外部に排出されるが、この排ガスはNSR触媒27を経由したものであるため環境への影響は些少である。
次に、第6実施形態について説明する。一般に排ガス浄化用触媒における付臭剤の成分に起因するSOx被毒(硫黄被毒)は、触媒が高温の条件下、および空燃比がリッチ側である条件下では生じにくい。そこで第6実施形態は、上記第4実施形態(図7)と同様の機械的構成において、NSR触媒27が成り行きで(すなわち、被毒回復制御を行わずに)SOx被毒が生じない運転状態にあるかを判別し、SOx被毒が生じない運転状態である場合に、電熱ヒータ55(加熱手段)を制御して吸着カートリッジ50から付臭剤を脱離させるものである。
第6実施形態では、図11に示されるように、エンジン回転数および負荷に対して被毒不発生領域および被毒発生領域が定義された被毒回復マップ500を予め作成し、テーブル形式のデータとしてECUに記憶させておく。この被毒回復マップ500では、概ね回転数が大かつ負荷が大の領域が、被毒不発生領域とされている。なお、第6実施形態における残余の構成は上記第4実施形態と同様であるため、その詳細の説明は省略する。
第6実施形態における処理について説明する。図12において、ステップS510ないしS540の処理、およびS550ないしS580の処理は、それぞれ上記第4実施形態におけるステップS310ないしS340、およびS350ないしS380の処理と同様である。
ステップS540において堆積量推定・被毒回復処理が実行されると、次に、現在のエンジンの運転状態を示すパラメータであるエンジン回転数および負荷の値がECUに読み込まれると共に、これらの値による被毒回復マップ500の参照によって、現在の運転状態が被毒不発生領域内であるかが判断される(S545)。このステップS545で否定された場合には、現在の運転条件ではNSR触媒27のSOx被毒が発生しうるとして、処理がリターンされる。
そして、ステップS545で肯定された場合、すなわち触媒のSOx被毒が生じない運転状態であると判別された場合には、電熱ヒータ55がオンされ(S550)、所定時間の経過を条件に(S560)、電熱ヒータ55がオフされる(S570)。
以上の処理の結果、吸着カートリッジ50における硫黄成分の吸蔵量が満量に近づき、かつ現在の運転状態が被毒不発生領域内である場合に、吸着カートリッジ50が加熱され、吸着カートリッジ50に吸蔵された硫黄成分が脱離されることになる。
以上のとおり、第6実施形態では、エンジンの運転状態を示す所定のパラメータに基づいて、排ガス浄化用触媒のSOx被毒が生じない運転状態である場合に、吸着カートリッジ50の加熱によって付臭剤を脱離させる。したがって本実施形態では、排ガス浄化用触媒のSOx被毒を生じさせずに吸着手段を再生することができる。
なお、第6実施形態では吸着カートリッジ50を加熱する加熱手段として電熱ヒータ55を用いたが、この電熱ヒータ55に代えて上記第5実施形態における排気熱利用ヒータ155などの他の加熱手段を用いてもよい。
また、第6実施形態では、エンジンの運転状態を示す所定のパラメータとしてエンジン回転数および負荷を用いたが、本発明におけるエンジンの運転状態を示す所定のパラメータは排ガス浄化用触媒の被毒の発生如何に影響しうる他の各種のパラメータ、例えばエンジン水温、空燃比、あるいはNSR触媒27の内部またはその近傍に触媒温度センサを設けて直接検出した触媒温度などを任意に採用することができる。
また、第6実施形態では、吸着カートリッジ50の現在の吸蔵量が満量に近くなった場合に、吸着カートリッジ50を一定時間加熱して脱離を行うこととしたが、このような構成に代えて、吸着カートリッジ50における硫黄成分の吸蔵量に応じて、加熱の実行時間をゼロ(加熱を全く行わない)から最大値の間で連続的または離散的に変化させることとしてもよい。このような場合には、吸着カートリッジ50に対し上流側の燃料供給パイプ14に、臭いセンサ16と同様の第二の臭いセンサを設置し、この第二の臭いセンサの検出値の積算によって吸着カートリッジ50における硫黄成分の現在の吸蔵量を推定すると共に、推定された吸蔵量が所定の閾値を上回ったことを加熱実行の条件としたり、あるいは推定された吸蔵量に応じた長さの時間だけ加熱を実行するのが好適である。
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態は、CNGとガソリンとを共通の燃焼室に供給可能なバイフュエルエンジンに関するものである。気体燃料と液体燃料とを共通の燃焼室に供給可能なバイフュエルエンジンは、近年種々のものが提案されている。このようなバイフュエルエンジンでは、一般的には、通常運転時は機関に気体燃料を供給すると共に液体燃料の供給を停止し、残存気体燃料量が下限閾値よりも少なくなったときに、機関に液体燃料を供給すると共に気体燃料の供給を停止することが想定されている。しかし、上記第1ないし第6実施形態の機械的構成にガソリン供給系の構成部分を付加することを考えた場合、CNGによる運転からガソリンによる運転に切替えたときに、その時点での累積のNSR触媒27における硫黄堆積量Aや、被毒回復制御の過去の実行時期・時間及び回数などの履歴に係る数値がクリアされてしまうのでは、以後の被毒回復制御が適切に行われなくなるおそれがある。そこで第7実施形態は、バイフュエルエンジンにおいて気体燃料による運転と液体燃料による運転との間で切り替えが行われた場合にも、上記のような履歴に係る数値が保持されるようにしたものである。
第7実施形態に係るバイフュエルエンジンシステムは、上記第1ないし第6実施形態と同様の機械的構成において、更に、吸気マニホールド内の吸気通路に噴射可能にガソリン噴射弁を設置し、このガソリン噴射弁と、液体燃料容器としてのガソリンタンクとの間に、ガソリンを加圧するための燃料ポンプを設けたものである。これらガソリン噴射弁および燃料ポンプは、それぞれECUからの出力信号に基づいて制御される。
第7実施形態における処理について説明する。図13において、まず、ECUにおいて各種センサの検出値が読み込まれる(S610)。次にECUでは、所定のガソリン選択条件が成立中かが判断される(S611)。ここでのガソリン選択条件は、例えば残存気体燃料量が下限閾値よりも少なくなったことである。そして、該条件が成立中でない場合にはCNG運転制御が(S612)、また成立中の場合にはガソリン運転制御が(S614)、それぞれ行われる。これらCNG運転制御およびガソリン運転制御は、エンジン回転数・負荷・アクセルペダル操作量などに基づく燃料噴射量の制御などの通常の走行制御である。
次に、CNG運転制御が行われる場合には、臭いセンサ16の検出値から、CNG燃料中の硫黄濃度が算出される(S613)。また、ガソリン運転制御が行われる場合には、ガソリン用のデフォルト値が硫黄濃度として採用される(S615)。そして、このようにして決定された硫黄濃度の値を用いて、NSR触媒27への硫黄供給量が算出される(S620)。ステップS630以降の処理は、上記第1実施形態(図2)におけるステップS30以降の処理と同様である。
以上のとおり、本実施形態では、CNG燃料が選択される場合と、ガソリンが選択される場合とで共通の硫黄堆積量の値が用いられ、且つこの硫黄堆積量の値は各燃料の硫黄濃度に基づいて逐次更新されることになる。したがって本実施形態では、バイフュエルエンジンにおいて気体燃料による運転と液体燃料による運転との間で切り替えが行われた場合にも、運転履歴に係る数値が保持される結果として、以後の被毒回復制御を適切に継続することができる。
なお、第7実施形態ではガソリン燃料の硫黄濃度として固定値を用いたが、ガソリン燃料の硫黄濃度を何らかの手段で推定し、この推定に応じて硫黄堆積量を算出することとしてもよい。
上記各実施形態では、いわゆる成層燃焼を成立させるエンジンについて本発明を適用した例について説明したが、付臭剤に含まれる硫黄等の成分に起因する硫黄被毒は、理想空燃比でのいわゆるストイキ燃焼を成立させるエンジンでも生じる可能性があり、そのようなストイキ燃焼型のエンジン(例えば三元触媒を用いるもの)についても本発明を適用することができる。また、上記実施形態では筒内直噴式のエンジンについて本発明を適用した例について説明したが、本発明は筒内直噴式のエンジンに限らずポート噴射式やミキサ式のエンジンにも適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るガス燃料エンジンシステムの全体概要図である。 第1実施形態における堆積量推定・被毒回復処理を示すフロー図である。 第2実施形態に係るガス燃料エンジンシステムの全体概要図である。 第2実施形態における劣化状態検出処理を示すフロー図である。 第3実施形態に係るガス燃料エンジンシステムの全体概要図である。 第3実施形態における吸着カートリッジ切替処理を示すフロー図である。 第4実施形態に係るガス燃料エンジンシステムの全体概要図である。 第4実施形態における付臭剤脱離処理を示すフロー図である。 第5実施形態に係るガス燃料エンジンシステムの全体概要図である。 第5実施形態における付臭剤脱離処理を示すフロー図である。 第6実施形態における被毒回復マップの設定例を示すグラフである。 第6実施形態における付臭剤脱離処理を示すフロー図である。 第7実施形態における堆積量推定・被毒回復処理を示すフロー図である。
符号の説明
10 CNGエンジン
12 CNG燃料タンク
13 デリバリパイプ
16 臭いセンサ(硫黄成分検出手段)
17 インジェクタ
27 NSR触媒(排ガス浄化用触媒)
30,130,230,330,430 電子制御ユニット(ECU)
50 吸着カートリッジ(吸着手段)
51 上流バルブ
55 電熱ヒータ(加熱手段)
155 排気熱利用ヒータ(加熱手段)

Claims (7)

  1. 排気側に排ガス浄化用触媒を備えたガス燃料エンジンへの燃料供給経路中に設けられた硫黄成分検出手段と、
    前記硫黄成分検出手段の検出値に基づいて前記排ガス浄化用触媒におけるSOx堆積量を推定する堆積量推定手段と、
    前記推定されたSOx堆積量が所定の閾値を超えたときに、前記排ガス浄化用触媒に対するSOx被毒回復制御を実施する被毒回復制御手段と、
    前記燃料供給経路中であって前記硫黄成分検出手段よりも上流側に設けられガス燃料から付臭剤を吸着する吸着手段と、
    前記硫黄成分検出手段の検出値に基づいて前記吸着手段の劣化状態を出力する劣化状態出力手段と、
    を備えたことを特徴とするガス燃料エンジンシステム。
  2. 請求項1に記載のガス燃料エンジンシステムであって、
    前記硫黄成分検出手段は臭いセンサであることを特徴とするガス燃料エンジンシステム。
  3. 請求項1または2に記載のガス燃料エンジンシステムであって、
    前記吸着手段が複数並列に設けられ、且つこれら各吸着手段のそれぞれにガス燃料を選択的に供給するための切替手段が前記燃料供給経路中に設けられていることを特徴とするガス燃料エンジンシステム。
  4. 請求項1または2に記載のガス燃料エンジンシステムであって、
    前記吸着手段を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段を制御して前記吸着手段から前記付臭剤を脱離させる脱離制御手段と、
    を備えたことを特徴とするガス燃料エンジンシステム。
  5. 請求項4に記載のガス燃料エンジンシステムであって、
    前記加熱手段は電熱ヒータであることを特徴とするガス燃料エンジンシステム。
  6. 請求項4に記載のガス燃料エンジンシステムであって、
    前記加熱手段は排気熱利用ヒータであることを特徴とするガス燃料エンジンシステム。
  7. 請求項4ないし6のいずれかに記載のガス燃料エンジンシステムであって、
    前記ガス燃料エンジンの運転状態を示す所定のパラメータに基づいて、前記排ガス浄化用触媒のSOx被毒が生じない運転状態であるかを判別する判別手段を更に備え、
    前記脱離制御手段は、前記SOx被毒が生じない運転状態である場合に前記加熱手段を制御して前記吸着手段から前記付臭剤を脱離させることを特徴とするガス燃料エンジンシステム。
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