JP4224586B2 - マクロファージ活性化剤並びにその製造方法及びスクリーニング方法 - Google Patents

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Description

本発明はマクロファージ活性化剤並びにその製造方法及びスクリーニング方法に関する。
マクロファージは体内の老廃物の処理や、微生物、ウイルスなどの病原体や腫瘍細胞に対する防御機能を担っている。また、T細胞への抗原の提示とインターロイキン1の産生を介し、細胞性免疫のエフェクターとしての機能も有している。したがって、感染症や癌などの治療にはマクロファージを活性化させることが重要である。
マクロファージを活性化する因子としてはインターフェロンが挙げられ、インターフェロンの臨床応用も試みられている。また、ある種の多糖類が免疫賦活活性を有することが知られており、これらの一部は抗ウイルス剤や抗ガン剤として開発されている(特許文献1又は2)。しかしながら、抗体を用いてマクロファージを活性化する試みはほとんどなされてこなかった。
シグナルレギュレートリープロテインβ(Signal Regulatory Proteinβ:SIRP β)はヒトでその遺伝子がクローニングされており、予想されるアミノ酸配列から、3つのIg様ドメインを有する細胞外領域と短い細胞内領域を有する膜貫通型タンパク質であると推定されていた(非特許文献1)。このヒトSIRP β遺伝子はSignal Regulatory Proteinα(SIRP α;別名SHPS-1)との相同性に基づいてクローニングされたものであるが、SIRP αの細胞内領域がチロシンリン酸化部位であってSHP-1などのタンパク質のSH2ドメインが結合するYXX(L/V/I)モチーフを有するのに対し、SIRPβの細胞内領域はそのようなモチーフを含まず長さが非常に短いため、SIRPβの生理的役割は不明であった。
SIRP αの細胞外領域を認識する抗体がマクロファージの貪食の抑制に用いられていた(特許文献3)。一方、SIRP βの細胞外領域を認識する抗体も作製され、研究用に使用されていたが(非特許文献2参照)、SIRP βの生理的機能が不明であったため、SIRP βの細胞外領域を認識する抗体がマクロファージ活性化に使用されることはなかった。
特開平05−097695号公報 特公平06−099314号公報 特表2002−543153号公報 Nature, 1997, vol. 386, p181-186 Blood, 2001, Vol. 97, No. 9, p. 2741-2749
本発明は、新規なマクロファージ活性化剤を提供することを課題とする。本発明はまた、マクロファージ活性化剤のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、SIRP βの細胞外領域を認識する抗体がマクロファージ活性化作用を有することを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)シグナルレギュレートリープロテインβ(SIRP β)の細胞外領域を認識する抗
体を含むマクロファージ活性化剤。
(2) 前記抗体がモノクローナル抗体である、(1)のマクロファージ活性化剤。
(3) SIRP βの細胞外領域を認識する抗体を取得する工程、および該抗体を薬学的に許容されうる担体と配合する工程を含む、マクロファージ活性化剤の製造方法。
(4) SIRP βの細胞外領域に結合する物質を取得する工程、および該物質をマクロファージ細胞に添加して該物質のマクロファージ活性化能を測定する工程を含む、マクロファージ活性化剤のスクリーニング方法。
本発明のマクロファージ活性化剤を使用することにより、マクロファージを効率的に活性化することができる。マクロファージの活性化により、細胞性免疫を誘導することもできるため、本発明のマクロファージ活性化剤は抗ウイルス剤、抗菌剤、抗癌剤などとして有効に使用することができる。
以下に本方法を詳しく説明する。
本発明のマクロファージ活性化剤は、シグナルレギュレートリープロテインβ(Signal
Regulatory Protein β:SIRP β)の細胞外領域を認識する抗体を含むマクロファージ活性化剤である。SIRP βとしては、哺乳動物のSIRP βが好ましく、マウスまたはヒトのSIRP βがより好ましく、ヒトのSIRP βが特に好ましい。ヒトのSIRP βとしては配列番号4のアミノ酸配列を有するタンパク質が好ましく、マウスのSIRP βとしては配列番号2のアミノ酸配列を有するタンパク質が好ましい。細胞外領域は、ヒトのSIRP βの細胞外領域として配列番号4の1〜369番目のアミノ酸配列を有する領域が、マウスのSIRP
βの細胞外領域として配列番号2の1〜362番目のアミノ酸配列を有する領域が挙げられる。本発明のマクロファージ活性化剤に含まれる抗体は、これらのSIRP βの細胞外領域を認識する抗体であるが、マクロファージを活性化できる抗体である限り、エピトープが上記細胞外領域のどの部分にあってもよい。
このような抗体は、例えば、以下のようにして作製することができる。すなわち、まずSIRPβの細胞外領域タンパク質を大腸菌や哺乳動物細胞などを用いて生産する。具体的には、SIRPβの塩基配列に基いて設計したオリゴヌクレオチドを用いたPCRによりSIRPβの細胞外領域をコードするDNAを増幅する。マウスSIRPβの細胞外領域をコードするDNAとしては、例えば、配列番号1の23−1108番目の塩基配列を有するDNAが、ヒトSIRPβの細胞外領域をコードするDNAとしては、配列番号3の41−1147番目の塩基配列を有するDNAが挙げられる。これらのDNAを適当なプラスミドに挿入して得られたプラスミドを宿主細胞に導入して、該細胞内にSIRPβの細胞外領域タンパク質を発現させる。この細胞からSIRPβの細胞外領域タンパク質を単離、精製することによってSIRPβの細胞外領域タンパク質を得ることができる。大腸菌でタンパク質を発現させるためのプラスミドとしては、pETベクター(Novagen社)やpGEXベクター(Amersham Pharmacia社)などが、哺乳動物細胞でタンパク質を発現させるためのプラスミドとしては、pcDNAベクター(Invitrogen社)などが挙げられる。また、発現させる細胞外領域タンパク質は、精製のための配列などを含む融合タンパク質であってもよい。
本発明の医薬組成物に包含させる抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体がより好ましい。モノクローナル抗体は、例えば、上記のようにして得られたSIRPβの細胞外領域タンパク質でマウスなどの非ヒト哺乳動物を免疫し、該哺乳動物から単離したリンパ球をマウスミエローマ細胞と融合させてハイブリドーマを作製し、得られたハイブリドーマが産生する抗体の中から、SIRPβの細胞外領域を認識し、かつ、マクロファージを活性化できる抗体を選択することによって得ることができる。なお、免疫
に使用するためのSIRPβの細胞外領域タンパク質は、細胞外領域の一部であってもよい。抗体がSIRPβの細胞外領域を認識するかどうかは、ウエスタンブロットやELISAなどによって確認することができる。また、マクロファージを活性化できるかどうかは、該抗体で処理したマクロファージの、細胞の形態やオプソニン化赤血球に対する貪食作用などを観察又は測定し、その結果を非処理マクロファージと比較することによって調べることができる。
本発明において使用するモノクローナル抗体は、SIRPβの細胞外領域を認識し、かつ、マクロファージを活性化できるものであれば特に制限されないが、例えば、実施例に示すmAb80、mAb84などが挙げられる。
なお、本発明において、モノクローナル抗体とは、モノクローナル抗体、モノクローナル抗体のフラグメント、F(ab’)2化抗体、F(ab’)化抗体、短鎖抗体(scFv)、ダイアボディ(Diabodies)およびミニボディ(Minibodies)を含むものとする。本発明の医薬組成物がヒトに使用するものである場合は、マウスミエローマ細胞によって得られた抗体を、キメラ化又はヒト化することが好ましい。具体的には、遺伝子組み換えによって抗体の定常領域をヒト由来のものとするキメラ抗体作成技術や、超可変領域以外をヒト由来とするヒト化抗体作成技術などを用いて、モノクローナル抗体をキメラ化又はヒト化することが好ましい。
本発明の医薬組成物は、SIRP βの細胞外領域を認識する抗体を薬学的に許容されうる担体と配合することによって製造することができる。「薬学的に許容され得る担体」としては、希釈剤、安定剤、保存剤、緩衝剤等が挙げられる。抗体については、標的組織における抗体濃度を高めてマクロファージを効率よく活性化するために、抗体分子どうしを凝集させたものを医薬組成物に配合することが好ましい。凝集させる方法としては、例えば、2次抗体を用いて架橋する方法、biotin-avidinを用いて架橋する方法などが挙げられる。具体的には、前者としてはFc領域に対する2次抗体を用いて架橋する方法、後者としては、SIRPβ抗体をビオチンで修飾し、avidinで架橋する方法が挙げられる。
本発明の医薬組成物の剤型は特に制限されないが、注射剤が好ましい。注射剤は、抗体を希釈剤などに溶解し、必要に応じて安定剤、保存剤、緩衝剤等を添加することによって製造することができる。投与の形態としては、静脈内注射、皮下注射、皮内注射、筋肉内注射、腹腔内注射などが挙げられるが、好ましくは静脈内注射である。
本発明の医薬組成物の投与量は、患者の年齢、性別、体重及び症状、投与方法、あるいは該医薬組成物 に含有される抗体の割合などにより異なるが、1回の投与において1kg体重あたり、1μg〜100mgが好ましく、1kg体重あたり、50μg〜50mgがより好ましい。投与回数は特に制限されず、1日あたり1回〜数回投与することができる。
本発明の医薬組成物はマクロファージ活性化作用を有する。したがって、マクロファージを活性化することによって治療又は予防しうる疾患の治療薬又は予防薬として使用することができる。このような疾患としては、感染症や癌、具体的には、慢性骨髄性白血病、有毛細胞白血病、B型肝炎、C型肝炎、自己免疫性肝炎、腎細胞癌などが挙げられる。
本発明はまた、SIRP βの細胞外領域に結合する物質を取得する工程、および該物質をマクロファージ細胞に添加して該物質のマクロファージ活性化能を測定する工程を含む、マクロファージ活性化剤のスクリーニング方法を提供する。SIRP βの細胞外領域に結合する物質としては、低分子化合物、糖類、ペプチド、タンパク質(抗体を含む)などが挙げられる。SIRP βの細胞外領域に結合する物質は、例えば、SIRP βの細胞外領域を用いた免疫沈降法や、これをコードするDNAを用いた2ハイブリッド法などによって取得することができる。
このようにして得られた物質をマクロファージ細胞に添加して、該物質のマクロファージ活性化能を測定し、マクロファージ活性化能を有する物質を選択することにより、マクロファージ活性化剤をスクリーニングすることができる。マクロファージ細胞としては、腹腔マクロファージやRAW264.7細胞などが挙げられる。マクロファージ活性化能は、例えば、マクロファージの形態の観察や貪食効果の測定などによって調べることができる。活性化されたマクロファージは、図4に示すような糸状突起(filopodia)や膜状仮足(lamellipodia)を有する長く伸びた形態を示すため、このような形態を示す細胞の数を計算することによってマクロファージ活性化能を調べることができる。また、マクロファージに、実施例に示すようなオプソニン化された赤血球などを加え、該マクロファージによって貪食される赤血球の数を計算することによってマクロファージ活性化能を調べることもできる。さらに、SIRP βの細胞外領域を介したマクロファージ活性化経路においては、図7に示すように、Syk、SLP-76、MAPキナーゼなどが活性化(リン酸化)されるため、これらの酵素のリン酸化をウエスタンブロットなどで調べることによってマクロファージ活性化能を調べることもできる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1.マウスSIRPβcDNAのクローニング
λZapII胸腺cDNAライブラリー(Stratagene社)を鋳型に、配列番号5及び6の塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーに用いたPCRによって、C57BL/6マウスのSIRPβをコードするcDNAを増幅した。PCR産物をpGEM-Tベクター(Invitrogen社)にサブクローニングし、ABI PRISM310 Genetic Analyzer (Applied Biosystems社)を用いて塩基配列の確認を行った。その結果、配列番号1に示す塩基配列であった。
2.SIRPβ-Fc融合タンパク質の作製
pEFneoFc76ベクター(EMBO J., 2003, vol. 22, p2634-2644)をEcoRIとNcoIで消化して抗体のFc領域をコードするDNAフラグメントを切り出した。このフラグメントをpTracer-CMV(Invitrogen社)に挿入してpTracer-Fcを得た。
上記で増幅したC57BL/6マウスのSIRPβ全長cDNA(配列番号1)を鋳型に、配列番号7及び8の塩基配列を有するプライマーを用いたPCRによってマウスSIRPβの細胞外領域(配列番号2の1−362番目のアミノ酸からなる領域)をコードするDNAを増幅した。得られたPCR産物をBamHI及びXbaIで消化し、上記pTracer-Fcに挿入した。これによってマウスSIRPβの細胞外領域とFcの融合タンパク質を発現するためのベクターpTracer-CMV-SIRPβ-Fcを得た。
pTracer-CMV-SIRPβ-FcをCHO-Ras細胞(H-Rasの活性型を安定発現する細胞)にトランスフェクションし、EMBO J., vol. 22, p2634-2644に記載の方法に従ってゼオシンでセレクションした。ゼオシン耐性を獲得したいくつかのセルラインの培養上清を、わさびペルオキシダーゼが結合した、ヒトIgGのFcフラグメントに対するヤギポリクローナル抗体(Jackson Immuno Research社)を用いたイムノブロットによって分析することにより、SIRPβ-Fc融合タンパク質を発現する細胞を同定した。SIRPβ-Fc発現細胞の培養上清から、プロテインA−Sepharose 4EF(Amersham Pharmacia Biotech社)を用いたカラムクロマトグラフィーによってSIRPβ-Fc融合タンパク質を精製した。
3.抗SIRPβ細胞外領域抗体の作製
SIRPβ-Fc融合タンパク質を2匹のWistarラットの後ろ足のうらに1週間おきに注入した。その後、リンパ節からリンパ球を単離し、J Biol Chem. 1996, vol. 271, p27652-27658に記載の方法によりP3U1ミエローマ細胞と融合させた。ハイブリドーマクローンの中か
ら、ELISA法により、SIRPβ-Fcに反応し、SHPS-1-Fcに反応しないモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマクローンを選択した。なお、SHPS-1-Fcは、SHPS-1(Blood, 2001, Vol. 97, No. 9, p. 2741-2749参照)とFcの融合タンパク質である。得られた7種類のSIRPβ-Fc抗体産生ハイブリドーマの中から、クローン80及び84を以下の実験に用いた。クローン80及び84の無血清培養上清から、プロテインA−Sepharose 4FF(Amersham Pharmacia Biotech社)を用いたカラムクロマトグラフィーによってモノクローナル抗体を精製した。これらをそれぞれ、mAb80、mAb84と名づけた。Rat Mono AB ID/SP kit(Zymed社)を用いてこれらのアイソタイプを決定したところ、mAb80はIgG2a、mAb84はIgGκであることがわかった。以下、mAb80、mAb84を単に抗SIRPβ抗体と呼ぶことがある。
抗SIRPβポリクローナル抗体は以下のようにして作製した。まず、上記SIRPβ-Fc融合タンパク質をウサギに注入して免疫した。得られた抗血清からSIRPβ-Fc融合タンパク質結合セファロースを用いてウサギポリクローナル抗体を精製した。さらに、ヒトIgG(Jackson Immuno Research社)を結合したセファロースを用いてFcに反応する抗体を除くことにより、抗SIRPβ細胞外領域ポリクローナル抗体を得た。
4.抗SIRPβ抗体によるマクロファージの活性化
チオグリコール酸で顕在化したマウスプライマリー腹腔マクロファージ(PEM)は、J Biol Chem, 2002, 277, 39833-39839に記載の方法に従って単離、培養した。具体的には、C57BL/6マウスに3mlの3%チオグリコール酸培地(ニッスイ社)を腹腔内注入した3日後、腹腔を0.2%BSAを含む氷冷PBSでフラッシュした。滲出細胞を4℃、400xg、5分間で遠心分離して単離し、氷冷RPMI−1640で洗浄し、10%ウシ胎児血清を含むRPMI−1640で再懸濁した。37℃で24時間インキュベーションした後、好中球、B細胞及びT細胞を含む非付着細胞を洗浄して除いた。得られたチオグリコール酸で顕在化したマウス腹腔マクロファージ(PEM)を24ウェル培養プレートに分注し、3〜4日培養した。貪食アッセイの直前に、プレートを氷上に置き、mAb80、mAb84、またはこれらに対応するアイソタイプのコントロールIgGを20μg/mlの濃度で加えた。氷上で15分間、インキュベートした後、細胞を氷冷したPBSで2回洗浄し、2次抗体の存在下(図1A、2nd Abs(+)、図1C及びD)または非存在下(図1A、2nd Abs(−))、グルタルアルデヒドで固定化したIgGオプソニン化ヒツジ赤血球(Ig-sRBC;Inter-Cell Technologies社)(5×10/ウェル)を含む無血清RPMI-1640を加えた。なお、2次抗体としては、ラットIgGに対するヤギポリクローナル抗体(20μg/ml;Jackson Immuno Research社)を用いた。図1C及びDでは、非オプソニン化ヒツジ赤血球、C3biオプソニン化ヒツジ赤血球を用いた実験も行った。
一方、図1BではマウスマクロファージのセルラインであるRAW264.7を用いた。RAW264.7は10%ウシ胎児血清を含むRPMI−1640を用いて培養した。培養は37℃、5%COの加湿条件下で行った。PEMと同様にして、mAb80、mAb84、またはコントロールIgGを20μg/mlの濃度で加えた。次いで、2次抗体の存在下(図1B、2nd Abs(+))または非存在下(図1B、2nd Abs(−))、グルタルアルデヒドで安定化したIgGオプソニン化ヒツジ赤血球を含む無血清RPMI-1640を加えた。
なお、IgGまたはC3biでオプソニン化した赤血球はJ Exp. Med., 2001, vol. 193, p855-862に記載の方法に従って調製した。
上記で非オプソニン化、IgG−オプソニン化、又はC3bi−オプソニン化赤血球(RBC)を加えたマクロファージについて、以下、同様の手順で試験した。氷上で15分間インキュベーションした後、培養プレートを37℃の水浴上に移して貪食を開始させた。それぞれの時間反応させた後、再び氷上に置いて反応を停止させた。氷冷PBSで3回洗浄した後、PEMを4%パラホルムアルデヒド/PBSで固定した。次に、貪食された赤血球を位相差顕微鏡で検出し、ランダムな視野を写真に収めた。マウス赤血球の貪食アッセイには、付着した赤血球を除くため、固定化前に、PEMを溶血バッファー(154mM NH4Cl (pH7.3), 10mM KHC
O3, 0.1mM EDTA)で常温で5分間インキュベートした。貪食インデックスを決定するために、ランダムに選択した視野の100以上の細胞を検討し、貪食された赤血球を有する細胞のパーセンテージを算出した。
結果を図1に示す。図1Aより、抗SIRPβ抗体であるmAb80、mAb84を加えて2次抗体でクロスリンク(架橋)したPEMでは、コントロールのラットIgGを加えて2次抗体でクロスリンクしたPEMに比べて、マクロファージによる貪食が約2倍に増加した。2次抗体非添加ではほとんど効果が見られなかったことから、抗SIRPβ抗体によるマクロファージの活性化には、2次抗体でクロスリンクするなどして抗体濃度を高めることが必要であることがわかった。図1Bより、mAb80、mAb84は培養マクロファージ細胞株に対しても活性化できることがわかった。図1Cより、mAb80、mAb84によって活性化されたPEMは非オプソニン化赤血球を貪食することもできるが、オプソニン化赤血球のほうがより多く貪食することができることがわかった。図1Dより、mAb80、mAb84によって活性化されたPEMは、捕体C3biによってオプソニン化された赤血球を貪食することもできることがわかった。
5.MAPK及びMEKへの効果
抗SIRPβ抗体がマクロファージを活性化するメカニズムを探るために以下の実験を行った。
抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理したPEMを37℃で10分間インキュベートした。ポジティブコントロールとしては、M-CSF(10ng/ml)を加えて37℃で5分間インキュベートした。ネガティブコントロールとしては非処理のPEMを用いた。次に、各細胞を溶解し、抗MAPK抗体(αMAPK)、抗活性型(リン酸化)MAPK抗体(αpMAPK)、抗MEK抗体(αMEK)、抗活性型MEK抗体(αpMEK)を用いたイムノブロット解析を行った(図2A)。mAb80、mAb84によってMAPK及びMEKのリン酸化が亢進しており、抗SIRPβ抗体添加によりMAPK及びMEKが活性化することがわかった。
次に、MEK阻害剤(PD98059またはU0126)を用いて、抗SIRPβ抗体によるマクロファージ活性化機構へのMAPK-MEK経路の関与を調べた。まず、PEMを50μMのPD98059または2μMのU0126の存在下または非存在下で37℃、30分処理した後に、抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理した。次に、IgGでオプソニン化した赤血球を加えて37℃、5分間インキュベートした後、細胞を固定化して貪食インデックスを測定した(図2B、C上)。一方、阻害剤非存在下、または存在下で抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理したPEMを、抗MAPK抗体(αMAPK)、抗活性型(リン酸化)MAPK抗体(αpMAPK)を用いたイムノブロットによって解析した(図2B、C下)。その結果、MEK阻害剤の存在下では、mAb80、mAb84を添加してもMAPKの活性化が起こらず、抗SIRPβ抗体によるマクロファージの貪食作用の活性化も起こらなかった。このことから、抗SIRPβ抗体によるマクロファージの貪食作用の活性化にはMEK→MAPK経路が関与していることが示唆された。
6.ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)に対する効果
細胞骨格の再構築による細胞接着や細胞遊走には、MAPKによるミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の活性化が関与していることが知られている(J Cell Biol., 1997,vol. 137, p481-492)。このことから、SIRPβ抗体によるマクロファージ活性化経路においても、MAPKによるミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)の活性化が関与しているかどうかについて調べた。
まず、MLCKの阻害剤であるML-7(J Biol Chem., 1987, vol. 262, p7796-7801)の存在下(10μM)、非存在下でPEMを37℃で30分間インキュベートした。次に、抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理した後、IgGでオプソニン化した赤血球を加えて37℃、5分間インキュベートし、細胞を固定化して貪食インデックスを測定した(図3A)。また、MLCKによって活性化されるミオシンのATPase活性の阻害剤(BDM;50mM)を用いて同様の実験を行った(図3B)。これら阻害剤添加によりマクロファージの活性化が
見られなくなったことから、抗SIRPβ抗体によるマクロファージの貪食作用の活性化にMLCK→Myosin経路が関与していることが示唆された。
7.蛍光免疫染色
ラットIgG、mAb80又はmAb84で処理したPEMを4%パラホルムアルデヒド及び0.1%グルタルアルデヒドを含むPBS中、常温で20〜30分間、固定化した。次に、0.1%TritonX100及び5%ヤギ血清を含むPBS(ブロッキング液)で、常温、60分間処理し、膜透過性にした。ブロッキング液に希釈した一次抗体(活性型MAPK抗体)を加えて常温1時間または4℃一晩インキュベートした後、細胞をPBSで洗浄し、ブロッキング液に希釈したAlexa488結合二次抗体(Molecular Probe社)を加えて、常温で1時間インキュベートした。F-アクチンの可視化のためには、細胞を前記2次抗体とともに、Rhodamine結合ファロイジン(phalloidin;Molecular Probe社)を加えてインキュベートした。細胞をPBSで洗浄した後に、封入した。共焦点レーザー顕微鏡(LSM5 PASCAL Zeiss社)を用いて蛍光像を得た(図4)。その結果、mAb80又はmAb84の添加によりMAPKの核への移行が見られ、マクロファージは糸状突起(filopodia)や膜状仮足(lamellipodia)を有する長く伸びた形態を示した。このような形態変化は、PI3キナーゼの阻害剤であるwortmanin添加では見られたが、及びMEK阻害剤(PD98059)またはMLCK阻害剤(ML-7)添加では見られなかった。
8.DAP12及びSykに対する効果
SIRPβはDAP12と複合体を形成し、DAP12をリン酸化して、DAP12とチロシンキナーゼSykの結合を誘導することが報告されている(J Immunol., 2000, vol. 164, p9-12)。そこで、抗SIRPβ抗体によるマクロファージ活性化経路において、DAP12、Sykが関与しているかどうかについて調べた。
まず、mAb84またはラットIgG(コントロール)、及び2次抗体で処理したPEMの溶解物について抗SIRPβポリクローナル抗体を用いて免疫沈降を行い、沈降物について抗DAP12抗体を用いてイムノブロットを行った(図5A)。これにより、SIRPβとDAP12が相互作用していることが確認できた。
また、mAb84またはラットIgG、及び2次抗体で処理したPEMの溶解物について抗DAP12ポリクローナル抗体を用いて免疫沈降を行い、沈降物について抗リン酸化チロシン抗体を用いてイムノブロットを行った(図5B上)。同様に、mAb84またはラットIgG、及び2次抗体で処理したPEMの溶解物について抗Sykポリクローナル抗体を用いて免疫沈降を行い、沈降物について抗DAP12抗体を用いてイムノブロットを行った(図5B下)。これにより、mAb84添加によりDAP12のリン酸化の亢進、及びDAP12とSykの相互作用の亢進が見られた。
また、抗Sykポリクローナル抗体を用いて得た免疫沈降物について抗リン酸化チロシン抗体を用いてイムノブロットを行った(図5C)。これにより、mAb80、mAb84添加によりSykのリン酸化の亢進が見られた。
次に、Sykの阻害剤であるPiceatannolの、抗SIRPβ抗体によるマクロファージ活性化に対する影響を調べた。まず、PEMを10μMのPiceatannolの存在下または非存在下で37℃、30分処理した後に、抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理した。次に、IgGでオプソニン化した赤血球を加えて37℃、5分間インキュベートした後、細胞を固定化して貪食インデックスを測定した(図5D)。Piceatannol存在下ではmAb80、mAb84による貪食の活性化が見られなかった。
また、Piceatannol非存在、存在下で抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理したPEMを抗Syk抗体で免疫沈降することにより得られた沈降物を、抗リン酸化チロシン抗体(αPY)を用いたイムノブロットによって解析した(図5E)。さらに、Piceatannol非存在、存在下で抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理したPEMを、抗MAPK抗体(αMAPK)、抗活性型MAPK抗体(αpMAPK)を用いたイムノブロットによって解析した(図5F)。その結果、Piceatannol非存在下ではmAb80、mAb84によるSykおよびMAPKの活性化が確認されたが、Piceatannol存在下ではmAb80、mAb84によるSykおよび
MAPKの活性化が見られなかった。これらの結果から、抗SIRPβ抗体によるマクロファージの活性化には、SIRPβ→DAP12→Syk→MAPKという経路が予想された。
9.SykによるSLP-76活性化
SykはSLP-76をリン酸化することが知られている(Immunity, 1998, vol. 9, p607-616)。したがって、抗SIRPβ抗体によって活性化されたSykがアダプタータンパク質であるSLP-76をリン酸化するかどうかを調べるために以下の実験を行った。
Piceatannol非存在、存在下で抗SIRPβ抗体またはコントロールIgG、及び2次抗体で処理したPEMをSLP-76抗体で免疫沈降することにより得られた沈降物を、抗リン酸化チロシン抗体(αPY)を用いたイムノブロットによって解析した(図6A,B)。その結果、mAb80、mAb84によってSLP-76の活性化が見られたが、Piceatannol存在下ではSLP-76の活性化が見られなかった。
以上より、SIRPβによるマクロファージ貪食活性化は、図7のようなシグナル伝達経路が推定された。
すなわち、まず、リガンドによるSIRPβの細胞外ドメインへの刺激によってSIRPβに結合したDAP12がリン酸化されて、リン酸化部位にSykが結合する。SykがSLP-76をリン酸化し、さらにその下流のMEKが活性化され、MAPKを活性化する。活性化されたMAPKによりMLCKが活性化され、Myosinがリン酸化される。これにより細胞骨格が変化し、マクロファージの活性化が起こるというメカニズムが推定された。
なお、本実験に使用した試薬等は以下のとおりである。DAP12に対するポリクローナル抗体はJ Immnol, 2000, 165, 3790-3796に記載の方法で作製した。MAPK、活性型MAPKに対するポリクローナル抗体はPromega社より購入した。MEK、活性型MEKに対するポリクローナル抗体、及び抗リン酸化チロシンモノクローナル抗体(PY-100)は、Cell Signaling Technologies社より購入した。Sykに対するポリクローナル抗体(N-19)、SLP-76に対するポリクローナル抗体(H-300)はSanta Cruz社から購入した。コントロールのラットIgG(IgG2a、κ)はPharmingen社より購入した。PD98059およびML-7はCalbiochem社より、U0126はPromega社より、wortmanin、BDM(2,3-butanedione 2-monoxime)、piceatannolはSigma社より購入した。M-CSF(マクロファージコロニー刺激因子)はR&D Syetems社より購入した。
本発明のマクロファージ活性化剤は抗ウイルス剤や抗菌剤、抗腫瘍剤などとして使用することができる。
抗SIRPβ細胞外領域抗体のマクロファージの貪食作用に対する効果を示す図。(A)はマウス腹腔マクロファージ(PEM)、(B)はRAW264.7細胞の貪食作用に対する効果を示す。(C)はPEM のIgGでオプソニン化した赤血球または非オプソニン化赤血球への貪食作用を、(D)はPEM の捕体C3biでオプソニン化した赤血球への貪食作用を示す。 抗SIRPβ細胞外領域抗体によるマクロファージ活性化における、MAPK及びMEKの役割を示す図(写真)。(A)は抗SIRPβ細胞外領域抗体のMAPKまたはMEKに対する効果を示す。(B)はMEK阻害剤PD98059の効果を示す。(C)はMEK阻害剤U0126の効果を示す。 抗SIRPβ細胞外領域抗体によるマクロファージ活性化における、MLCK及びMyosinの役割を示す図。(A)はMLCK阻害剤ML-7の効果を示す。(B)はMyosinのATPase活性阻害剤BDMの効果を示す。 蛍光免疫染色の結果を示す図(写真)。(A)はコントロールラットIgGまたは抗SIRPβ細胞外領域抗体(mAb80、mAb84)を添加したPEMの形態およびMAPKの活性化を示す。(B)は抗SIRPβ細胞外領域抗体(mAb80)を添加したPEMの、各阻害剤存在、非存在時の形態およびMAPKの活性化を示す。Mergeは両方の画像を統合させた画像を示す。 抗SIRPβ細胞外領域抗体によるマクロファージ活性化における、DAP12及びSykの役割を示す図(写真)。(A)は抗DAP12抗体を用いたイムノブロットの結果を示す。(B)は抗DAP12抗体または抗リン酸化チロシン抗体を用いたイムノブロットの結果を示す。(C)は抗Syk抗体または抗リン酸化チロシン抗体を用いたイムノブロットの結果を示す。(D)はpiceatannol 存在、非存在下における、マクロファージ貪食の程度を示す図。(E)はpiceatannol 存在、非存在下における、抗Syk抗体または抗リン酸化チロシン抗体を用いたイムノブロットの結果を示す。(F)はpiceatannol 存在、非存在下における、抗MAPK抗体または抗リン酸化MAPK抗体を用いたイムノブロットの結果を示す。 抗SIRPβ細胞外領域抗体の、SLP-76に対する効果を示す図(写真)。(A)は抗SLP-76抗体または抗リン酸化チロシン抗体を用いたイムノブロットの結果を示す。(B)はpiceatannol 存在、非存在下における、抗SLP-76抗体または抗リン酸化チロシン抗体を用いたイムノブロットの結果を示す。 SIRPβによるマクロファージ活性化のメカニズムを示す図。

Claims (4)

  1. シグナルレギュレートリープロテインβ(SIRP β)の細胞外領域を認識する抗体を含むマクロファージ活性化剤。
  2. 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1に記載のマクロファージ活性化剤。
  3. SIRP βの細胞外領域を認識する抗体を取得する工程、および該抗体を薬学的に許容されうる担体と配合する工程を含む、マクロファージ活性化剤の製造方法。
  4. SIRP βの細胞外領域に結合する物質を取得する工程、および該物質をマクロファージ細胞に添加して該物質のマクロファージ活性化能を測定する工程を含む、マクロファージ活性化剤のスクリーニング方法。
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