JP4223843B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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JP4223843B2
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定男 井置
三治 有沢
誠次郎 富田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶式の画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来三次元画像表示装置は、光源の前面左右に偏光方向が直交する右眼用偏光フィルタ部と左眼用偏光フィルタ部とを配置し、この各フィルタ部を通過した各光をフレネルレンズで平行光として液晶表示素子に照射し、この液晶表示素子の両面の偏光フィルタのそれぞれを、1水平ライン毎に互いに直交する直線偏光フィルタライン部を交互に配置し、且つ、光源側と観察側の対向する直線偏光フィルタライン部を直交する偏光方向とし、液晶表示素子の液晶パネルには2枚の偏光フィルタの透光ラインに合わせて1水平ライン毎に右眼用と左眼用の映像情報を交互に表示する構成であった。また、光源側の偏光フィルタを1水平ライン毎に互いに直交する直線偏光フィルタライン部を交互に配置し、観察側の偏光フィルタを光源側の偏光フィルタの一方の直線偏光フィルタライン部を有する直線偏光フィルタとし、液晶表示素子の液晶パネルには光源側の偏光フィルタの透光ラインに合わせて1水平ライン毎に右眼用と左眼用の映像情報を交互に表示する構成であった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−63199号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の画像表示装置においては、光源の光量が十分ではなかった。そのため、光量を増やすことが望まれるが、光量の大きなものを使用した場合、発熱量が大きくなってしまう。
【0005】
したがって、この熱対策として、表示装置のケース外から外気を導入して、ケース内を換気して冷却することが考えられるものの、この場合空気の入れ換えによってケース内で空気の流れができ、また入れ換わる空気もきれいな空気ばかりではないので、長時間経過することでケース内の光学系部材(フレネルレンズ等)にゴミやたばこのヤニが付着してしまい、これらの汚れによって画面が暗くなってしまう恐れがあった。また、これらの汚れに起因してクロストーク(例えば、左眼用の画像と右眼用の画像とが混在してしまう等)の発生の恐れもあり、意図した画像を表示できない恐れもあった。
【0006】
この発明は、このような問題点を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、光源と、光源からの光を左眼用の光と右眼用の光とに屈折させて液晶表示パネルに対して照射する光学系部材とを、ケースに備える画像表示装置において、前記ケースは、前記光源が配設される領域と前記光学系部材が配設される領域とを区画する区画部材により光源配設空間と光学系部材配設空間とを形成し、ケース外部からの空気を前記光源配設空間に吸気するために形成される吸気口と、前記光源配設空間の空気をケース外部へと排気するために形成される排気口と、前記光源配設空間の空気を電気的駆動源の作動により入れ換えるファンと、から構成される換気手段を備え、前記換気手段により前記光源配設空間のみの空気が流動し換気され、前記区画部材で区画形成された前記光学系部材配設空間の空気は流動しないようにした。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記光源を、光源ユニットとして、中空空間を形成した収納ホルダに収納し、前記光源ユニットに、中空空間の空気の入れ換えを行うための導入口と排出口とを形成し、前記区画部材は、光を透過するクリア部材で形成し、前記光源ユニットは、前記区画部材により区画される前記光源配設空間に配設し、前記換気手段は、前記光源配設空間の前記ケースの壁部に前記吸気口および前記排気口を設けて前記光源ユニット内を換気するものとした。
【0009】
第3の発明は、第1の発明において、前記光源を、光源ユニットとして、中空空間を形成した収納ホルダに収納すると共に、該光源の前面に光を特定の偏光にするための偏光フィルタを配設し、前記光源ユニットに、中空空間の空気の入れ換えを行うための導入口と排出口とを形成し、前記区画部材は、前記光源ユニットの周壁に沿うように形成して、前記偏光フィルタを前記光学系部材配設空間に位置させるように構成し、前記換気手段は、前記区画部材により区画される前記光源配設空間の前記ケースの壁部に前記吸気口および前記排気口を設けて前記光源ユニット内を換気するものとした。
【0010】
第4の発明は、第3の発明において、前記区画部材は、前記光源ユニットの周壁に沿う大きさ及び形状の開口部が形成され、該開口部に前記光源ユニットを嵌装して取り付けると前記偏光フィルタが前記光学系部材配設空間に位置することを特徴とする。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、前記光源を基板の表面に取り付けて、前記光源ユニットの中空空間を前記基板を介して基板表面側の前側空間と基板裏面側の後側空間とに区画し、前記導入口と前記排出口とを前記後側空間に開口し、前記換気手段は、前記光源ユニット内の前記後側空間を換気するものとした。
【0011】
の発明は、第2〜第の発明において、前記光源ユニットの収納ホルダを熱伝導性樹脂により形成した。
【0012】
の発明は、第1〜第の発明において、前記光源を取り付ける基板を金属部材により形成した。
【0013】
の発明は、光源と、光源からの光を左眼用の光と右眼用の光とに屈折させて液晶表示パネルに対して照射する光学系部材とを、ケースに備える画像表示装置において、前記光学系部材を前記ケースに内装する一方、前記光源を、光源ユニットとして、中空空間を形成した収納ホルダに収納して、前記光源ユニットを前記ケースに外装し、前記光源ユニットに空気を吸気するために形成される吸気口と、前記光源ユニットの空気を外部へと排気するために形成される排気口と、前記光源ユニットの空気を電気的駆動源の作動により入れ換えるファンと、から構成される換気手段を備えた。
【0014】
の発明は、光源と、光源からの光を左眼用の光と右眼用の光とに屈折させて液晶表示パネルに対して照射する光学系部材とを、ケースに備える画像表示装置において、前記ケースは、前記光源が配設される光源配設ケースと前記光学系部材が配設される光学系部材配設ケースとに分割構造に形成し、ケース外部からの空気を前記光源配設ケースに吸気するために形成される吸気口と、前記光源配設ケースの空気をケース外部へと排気するために形成される排気口と、前記光源配設ケースの空気を電気的駆動源の作動により入れ換えるファンと、から構成される換気手段を備えた。
【0015】
【発明の効果】
第1の発明では、ケースに、光源が配設される領域と光学系部材が配設される領域とを区画する区画部材により光源配設空間と光学系部材配設空間とを形成し、ケース外部からの空気を光源配設空間に吸気するために形成される吸気口と、光源配設空間の空気をケース外部へと排気するために形成される排気口と、光源配設空間の空気を電気的駆動源の作動により入れ換えるファンと、から構成される換気手段を備え、換気手段により光源配設空間のみの空気が流動し換気され、区画部材で区画形成された光学系部材配設空間の空気は流動しないようにしたので、光源の冷却をできると共に、換気用空気中の浮遊ゴミやたばこの煙に含まれるヤニ等が光学系部材に付着して光学系部材が汚れるのを防止することができ、適正な画像を提供できる。
【0016】
第2の発明では、区画部材は、光を透過するクリア部材で形成し、光源ユニットは、区画部材により区画される光源配設空間に配設し、換気手段は、光源配設空間のケースの壁部に吸気口および排気口を設けて光源ユニット内を換気するものとしたので、光源を効果的に冷却できると共に、光源ユニットの壁部からの放熱を低減して光源からの熱が光学系部材側に伝わるのを抑制でき、光路空間に画像に影響を及ぼしかねないいわゆる空気の揺らぎを生じることを防止できる。
【0017】
第3の発明では、区画部材は、光源ユニットの周壁に沿うように形成して、光源の前面の偏光フィルタを光学系部材配設空間に位置させるように構成し、換気手段は、区画部材により区画される光源配設空間のケースの壁部に吸気口および排気口を設けて光源ユニット内を換気するものとしたので、光源の前面の偏光フィルタが汚れることがなく、その汚れによって画像に影響を及ぼすのを回避できる。
【0018】
第4の発明では、偏光フィルタが汚れることを防止でき、明るい画面を維持でき、クロストークを回避でき、区画部材をクリア(透明な)材質で形成せずにすむ。
第5の発明では、偏光フィルタの内面側ならびに発光部位が汚れることを防止でき、汚れによる光量減少を的確に防止できる。
【0019】
の発明では、光源の放熱性、冷却性を向上できる。
【0020】
の発明では、光源の放熱性を向上でき、光源を十分に効率よく冷却することができる。
【0021】
の発明では、光学系部材をケースに内装する一方、光源を、光源ユニットとして、中空空間を形成した収納ホルダに収納して、光源ユニットをケースに外装するので、光源の冷却を一層行いやすくなる。また、光源の交換性に優れる。
【0022】
の発明では、ケースを、光源が配設される光源配設ケースと光学系部材が配設される光学系部材配設ケースとに分割構造に形成するので、光源の交換性に優れる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0024】
図1〜図4は、画像表示装置の正面図とそのA−A線断面図と分解斜視図と後側構成部の斜視図である。
【0025】
画像表示装置220は、前面ユニット221(前側構成部)と後部ユニット222(後側構成部)等から構成される。
【0026】
前面ユニット221は、取付ベース(前面ケース部)223にカバー枠224、レンズ保持枠を介してディフューザ(拡散板)226、液晶表示パネルユニット227、フレネルレンズ228(光学系部材)が組み付けられる。
【0027】
液晶表示パネルユニット227は、図5のように第1、第2偏光板230,231と液晶表示パネル232と微細位相差板233とから構成される。
【0028】
液晶表示パネル232は、所定の大きさの2枚のガラス基材の間に所定の角度(例えば、90度)ねじれて配向された液晶等(図示しない)が配置されており、例えば、TFT型の液晶表示パネルに構成されている。
【0029】
第1、第2偏光板230,231は、それぞれ一定の偏光の光のみを透過し、互いの偏光軸を直交する向きに、第1偏光板230は液晶表示パネル232の前面に、第2偏光板231は液晶表示パネル232の裏面に貼り付けられる。
【0030】
微細位相差板233は、光透過性の基材(例えば、ガラス基材)234に、微細な幅の1/2波長板235が設けられた領域236aと、1/2波長板235が設けられていない1/2波長板235の幅と同一の微細な幅の領域236bとが繰り返して設けられている。この領域236a、236bは、液晶表示パネル232の表示単位と略同一のピッチとして、表示単位毎(すなわち、表示単位の水平ライン毎)に交互に設けられている。
【0031】
この微細位相差板233は、基材の裏面(領域236a、236bの凹凸のない平面側)を通して領域236a、236bを液晶表示パネル232の表示ラインに合わせ、液晶表示パネル232の裏面の第2偏光板231の周辺部位に接着剤を介して接着される。
【0032】
ディフューザ226は、液晶表示パネルユニット227を透過した光を上下方向に拡散する拡散手段として機能するもので、液晶表示パネルユニット227の前面に配設される。
【0033】
フレネルレンズ228は、一側面に同心円上の凹凸を有するレンズ面を有した平板状の凸レンズで、液晶表示パネルユニット227の後面に配設される。
【0034】
後部ユニット222は、後部ケース237に光源ユニット238、ミラー(反射部材)240(光学系部材)が組み付けられる。
【0035】
後部ケース237は、前面ユニット221のフレネルレンズ228の後方側に上部空間210が、その下方に下部空間211が形成され、上部空間210と下部空間211とは区画壁(区画部材)212により画成される。区画壁212は、光を透過するクリア部材により形成される。区画壁212は、別部材として後部ケース237にはめ込んだり、固着したり、また、後部ケース237と一体成形するようにしても良い。
【0036】
光源ユニット238は、後述するように、所定形状のホルダ242に光源243が配置され、後部ケース237の区画壁212で画成された下部空間211の後部壁244に、後傾して、液晶表示パネルユニット227に対して光源243が左右方向に配列されるように、取り付けられる。
【0037】
ミラー240は、光源ユニット238の光源243の光をフレネルレンズ228に照射(反射)するように、後部ケース237の区画壁212で画成された上部空間210の所定角度前傾した上側後部壁に取り付けられる。
【0038】
前面ユニット221は、後部ユニット222の後部ケース237に上部空間210の開口面に組み付けられ、前面ユニット221の下部には、後部ケース237の下部空間211の開口面に光源カバー262が取り付けられる。
【0039】
すなわち、光源ユニット238の配設部(配設領域)に対して、後部ケース237に設けた区画壁212によって、フレネルレンズ228、ミラー240等の配設部(配設領域)が画成される。これにより、ケース内は、光源が配設される領域と光学系部材が配設される領域とを区画部材により区画されて、光源配設空間と光学系部材配設空間とを形成する。
【0040】
図6〜図8は、光源ユニット238の斜視図(後述する換気用のダクト、ファンを含む)と分解斜視図と中央断面図である。
【0041】
光源ユニット238は、光源243とプリズム245と偏光フィルタ246とホルダ242とから構成される。
【0042】
光源243は、線状発光源を構成するように、長形の金属製の基板247に、発光素子(LED:白色発光ダイオード等)248が基板247の長手方向に沿ってその幅方向の一側に複数配設される。
【0043】
基板247は、中央部250に対して両側の周辺部251が所定角度前面方向に斜行するように折り曲げ形成され、中央部250の発光素子248を配設してない側の端部中央に所定の切り欠き部252が形成される。
【0044】
プリズム245は、発光素子248の光の拡散を防ぎ指向性を持たせて所定角度の拡がりで出射させるように、発光素子248側の底面面積が小さく偏光フィルタ側の頂面(出光面)面積が大きい略台形形状に形成されると共に、中央部250、周辺部251の発光素子248に対応して、中央部、周辺部のプリズム245毎に中央プリズム体253a、周辺プリズム体253bとして一体形成される。各プリズム体253a、253bの出光面部の両縁部にはそれぞれ取付用の突起部254が形成される。
【0045】
偏光フィルタ246は、複数の発光素子248のうち、右側の発光素子248aの光を左眼用の偏光の光に、左側の発光素子248bの光を右眼用の偏光の光にするもので、右側の偏光フィルタ246aと左側の偏光フィルタ246bとが設けられ、曲形状の光透過性の基材255に、互いの偏光軸を直交する向きに、貼り付けられる。
【0046】
ホルダ242は、熱伝導性樹脂(樹脂に金属粉を混ぜたもの)からなり、収納部256を形成する分割構造の収納ケース257a(側部カバー部材)、257b(収納ベース部材)とカバー枠258とにより構成される。
【0047】
収納ケース257aは、中央部に対して両側の周辺部を所定角度ホルダ前面方向に斜行するように形成され、内壁に底辺に沿って底辺から所定高さに基板247を支持する受け台260が、内壁の上部にプリズム体253a、253bを係止する係止受部261が形成される。
【0048】
収納ケース257aの中央部の外面には前面ユニット221の下部に取り付けられる光源カバー262の掛止穴と嵌合する嵌合突起263が形成され、両側の周辺部にはケース端部中央に所定の空気導入口264が開設される。収納ケース257aの周縁部には収納ケース257bとの取付ネジ用の穴265が形成される。
【0049】
収納ケース257bは、後壁部266と底壁267とが中央部に対して両側の周辺部を所定角度ホルダ前面方向に斜行するように形成されると共に、後壁部266内に基板247の幅に対応して凹部268が形成される。底壁267の両側の周辺部にはケース端部に所定の空気導入口270が開設され、後壁部266の凹部268に底壁267に沿って底壁267から所定高さに基板247を支持する受け溝271が、後壁部266の内壁の上部にプリズム体253a、253bを係止する係止受部261が形成される。
【0050】
後壁部266の両側の周辺部の外面にはホルダ242を後部ケース237の後部壁244に取り付けるための取付用ボス272が形成され、中央部には後壁部266の凹部268の中央に基板247の切り欠き部252に対応して所定の空気排出口273が開設される。この空気排出口273は、排出口端部が後部ケース237の後部壁244に形成された接続口(排気口)274に挿着されるように形成される。底壁267および両端壁275には収納ケース257aとの取付用のネジ穴276が形成される。
【0051】
カバー枠258は、収納ケース257a、257bの開口面に偏光フィルタ246を装着するもので、曲形状に形成されると共に、枠内周部には偏光フィルタ246の抑え277が、枠周囲下部には収納ケース257a、257bの外面に突設した係合受部278に係止する係合爪280が形成される。
【0052】
図7の各部品を組み付ける手順は、まず基板247の発光素子248を配設してない側を収納ケース257bの凹部268の受け溝271に差し込み、収納ケース257aを収納ケース257bに、基板247を収納ケース257aの受け台260に支持して取り付ける。次に、基板247の中央部250の発光素子248に中央プリズム体253aのプリズム245を、周辺部251の発光素子248に周辺プリズム体253bのプリズム245を合わせて、各プリズム体253a、253bを収納ケース257a、257bの係止受部261に係止して装着する。次に、カバー枠258を、カバー枠258に偏光フィルタ246を装着して、収納ケース257a、257bの開口面に、係合爪280を係合受部278に係止して取り付ける。
【0053】
これにより、光源ユニット238が構成され、この状態において、図8のように光源ユニット238内(ホルダ242内)に光源243に沿う空間路281が形成される。
【0054】
この空間路281は、基板247によって基板247表面側(発光素子248側)の前側空間282と基板247裏面側の後側空間283とに画成される。前側空間282は、各プリズム245の側部周辺領域に形成されるプリズム側部空間282aと、基板247の表面に沿って形成される前側空気通過空間282bとから構成される。空間路281の両端部、つまり前側空間282の両端部は収納ケース257aのケース端部中央に開設された空気導入口264に開通され、後側空間283の両端部は収納ケース257bの底壁267のケース端部に開設された空気導入口270に開通される。空間路281の中央部位、つまり前側空間282の中央部、後側空間283の中央部は、基板247の発光素子248を配設してない側の端部中央に形成された切り欠き部252を介して合流して、収納ケース257bの凹部268の中央に開設された空気排出口273に開通される。
【0055】
図2、図3のように光源ユニット238は、後部ユニット222の後部ケース237の区画壁212で画成された下部空間211の後部壁244の所定位置に、後傾して、取付用ボス272を後部壁244の取付座に合わせてネジによって取り付けられる。光源ユニット238の空気排出口273は、後部壁244の中央下部に形成された接続口(排気口)274に挿着される。
【0056】
光源ユニット238の取付位置は、それぞれ発光素子248がフレネルレンズ228の中心部からその焦点距離にほぼ等しい距離に来るように、かつそれぞれ光軸中心がフレネルレンズ228のほぼ中心部を通るように定められる(ミラー240を系路にする)。
【0057】
後部ユニット222の後部ケース237の裏面には換気用のダクト284が配置され、ダクト284の先端部が光源ユニット238の空気排出口273に接続する接続口(排気口)274に挿着されると共に、ダクト284の後端の排気口285に電動式のファン286が介装される。
【0058】
後部ケース237の下部空間211の開口面に取り付けられる光源カバー262には、吸気口288が開設される。
【0059】
すなわち、後部ユニット222の後部ケース237の区画壁212で画成された下部空間211によって、空気流動領域部が構成される。
【0060】
後部ユニット222の後部ケース237の裏面上部には、駆動用の基板が配設される基板ホルダ290が取り付けられる。
【0061】
このように構成したので、ファン286の駆動により、画像表示装置220の外部の空気が、画像表示装置220の光源カバー262の吸気口288を介して、画像表示装置220の後部ユニット222の後部ケース237の下部空間211に流入され、光源ユニット238の両端部位の空気導入口264、270から光源ユニット238内の空間路281に吸引される。
【0062】
空気導入口264から空間路281の前側空間282に吸引された空気は、基板247の両端部位から、各プリズム245の側部周辺領域のプリズム側部空間282aと基板247の表面に沿う前側空気通過空間282bとを流れ、また各プリズム245間には間隙が空いているため、プリズム側部空間282aの空気は各プリズム245間を通り、また各発光素子248の間には間隙が空いているため、各発光素子248の間に空気の流れができ、各間を通った空気は、基板247の中央部位の切り欠き部252を介して光源ユニット238の空気排出口273に吸出される。
【0063】
空気導入口270から空間路281の後側空間283に吸引された空気は、基板247の両端部位から、基板247の裏面に沿って流れ、基板247の中央部位の切り欠き部252を介して光源ユニット238の空気排出口273に吸出される。
【0064】
そして、空気排出口273に吸出された空気は、ダクト284を通り、ファン286を介装した排気口285から画像表示装置220の外部に排出される。
【0065】
したがって、基板247の両端部位から空気が基板247の両面を流れると共に、各発光素子248に対してくまなく空気が流通するため、光源243を効率良く冷却することができる。
【0066】
また、発光素子248の間も空気が流通するため、光源243を効率良く冷却できる。
【0067】
各プリズム245間を空気が流れるため、各プリズム245を冷却できる。
【0068】
基板247を金属部材により形成すると共に、発光素子248に対して幅の大きい基板247を用いるため、放熱性が高く、この基板247に設けられている光源243を効率良く十分に冷却することができる。
【0069】
また、光源ユニット238のホルダ242を熱伝導性樹脂より形成したため、放熱性、冷却性を一層向上できる。
【0070】
この一方、光源ユニット238が配設される後部ユニット222の後部ケース237の下部空間211に対して、区画壁212によって、フレネルレンズ228、ミラー240等の光学系部材の配設部(前面ユニット221内、後部ユニット222の後部ケース237の上部空間210)を画成するので、吸気口288から下部空間211に流入した空気が上部空間210および前面ユニット221内に侵入することがなく、その流入空気中の浮遊ゴミやたばこの煙に含まれるヤニ等がフレネルレンズ228やミラー240等に付着することを防止することができる。
【0071】
このため、長期間使用している間に、そのゴミやたばこのヤニ等の汚れによってフレネルレンズ228の透過率が低下したり、ミラー240の反射が悪くなって、画面が暗くなるようなことがなく、明るい画像を提供することができる。また、これらの汚れによって、左眼用の光の方向あるいは右眼用の光の方向がずれたり、これらの光度が変わったりして、左眼用の画像と右眼用の画像とが混在してしまうといったクロストークの発生を回避することができる。特に、遊技店(喫煙者の多い)の遊技機の表示装置に用いる場合に効果が大きい。
【0072】
また、区画壁212によって下部空間211を画成すると共に、光源243をホルダ242に収納して光源ユニット238として、そのユニット238内を換気、冷却するので、光源243を十分に冷却できると共に、光源ユニット238の壁部(ホルダ242)からの放熱を軽減でき、そのため光源243からの熱がフレネルレンズ228、ミラー240等の配設部(前面ユニット221内、後部ユニット222の後部ケース237の上部空間210)側に伝わるのを十分に抑制できる。
【0073】
すなわち、熱によるフレネルレンズ228、ミラー240等への影響を防止できると共に、その光路空間にいわゆる空気の揺らぎを生じることを防止できる。
【0074】
したがって、光源の光量を十分大きくすることができ、画像を適正に表示することができ、三次元画像表示装置220に好適な光源を実現できる。
【0075】
図9は画像表示装置220の画像表示の説明図である。
【0076】
光源243の左右の発光素子248a、248bの前面には、偏光フィルタ246が取り付けられている(プリズムは省略してある)。偏光フィルタ246は右側の発光素子248aの前面領域(右側領域)246aと左側の発光素子248bの前面領域(左側領域)246bとで透過する光の偏光が異なる(例えば、右側領域246aと左側領域246bとで透過する光の偏光を90度ずらす)ように設定されている。
【0077】
左右の発光素子248a、248bから放射された光は、偏光フィルタ246によって一定の偏光の光のみが透過される。すなわち、左右の発光素子248a、248bから放射された光のうち、偏光フィルタ246の右側領域246aを通過した光(右側の発光素子248aの光)と、左側領域246bを通過した光(左側の発光素子248bの光)とが異なる偏光の光としてフレネルレンズ228に照射される。後述するように、偏光フィルタ246の右側領域246aを通過した光は観察者の左目に到達し、左側領域246bを通過した光は観察者の右目に到達するようになっている。
【0078】
フレネルレンズ228は凸レンズであり、フレネルレンズ228では左右の発光素子248a、248bから拡散するように放射された光の光路を略平行に屈折して微細位相差板233を透過して、液晶表示パネル232に照射する。
【0079】
このとき、微細位相差板233から照射される光は、上下方向に広がることがないように出射され、液晶表示パネル232に照射される。すなわち、微細位相差板233の特定の領域を透過した光が、液晶表示パネル232の特定の表示単位の部分を透過するようになっている。
【0080】
また、液晶表示パネル232に照射される光のうち、偏光フィルタ246の右側領域246aを通過した光と左側領域246bを通過した光とは、異なる角度でフレネルレンズ228に入射し、フレネルレンズ228で屈折して左右異なる経路で液晶表示パネル232から放射される。
【0081】
液晶表示パネル232に入射した光は、液晶に電圧が加わっていない状態では、入射光の偏光が90度ずらして出射される。一方、液晶に電圧が加わっている状態では、液晶のねじれが解けるので、入射光はそのままの偏光で出射される。
【0082】
液晶表示パネル232の光源243側には、微細位相差板233及び偏光板231(第2偏光板)が配置されており、観察者側には、偏光板230(第1偏光板)が配置されている。
【0083】
微細位相差板233は、設けられた1/2波長板235によって透過する光の位相を変える領域236aと、1/2波長板235が設けられていないために透過する光の位相を変えない領域236bとが微細な間隔で繰り返して設けられている。
【0084】
1/2波長板235は、その光学軸を偏光フィルタ246の右側領域246aを透過する光の偏光軸と45度傾けて配置して、右側領域246aを透過した光の偏光軸を90度回転させて出射する。すなわち、右側領域246aを透過した光の偏光を90度回転させて、左側領域246bを透過する光の偏光と等しくする。すなわち、1/2波長板235が設けられていない領域236bは左側領域246bを通過した、偏光板231と同一の偏光を有する光を透過し、1/2波長板235が設けられた領域236aは右側領域246aを通過した、偏光板231と偏光軸が直交した光を、偏光板231の偏光軸と等しくなるように回転させて出射する。
【0085】
この微細位相差板233の偏光特性の繰り返しは、液晶表示パネル232の表示単位と略同一のピッチとして、表示単位毎(すなわち、表示単位の水平ライン毎)に透過する光の偏光が異なるようにする。よって、液晶表示パネル232の表示単位の水平ライン(走査線)毎に対応する微細位相差板の偏光特性が異なるようになって、水平ライン毎に出射する光の方向が異なる。
【0086】
このように、微細位相差板233の偏光特性の繰り返し毎に異なる光を液晶表示パネル232の表示素子(水平ライン)に照射する必要があるため、微細位相差板233を透過して液晶表示パネル232に照射される光は、上下方向の拡散を抑制したものである必要がある。
【0087】
すなわち、微細位相差板233の光の位相を変化させる領域236aは、偏光フィルタ246の右側領域246aを透過した光を、左側領域246bを透過した光の偏光と等しくして透過する。また、微細位相差板233の光の位相を変化させない領域236bは、偏光フィルタ246の左側領域246bを透過した光をそのまま透過する。そして微細位相差板233を出射した光は、左側領域246bを透過した光と同じ偏光を有して、液晶表示パネル232の光源側に設けられた偏光板231に入射する。
【0088】
偏光板231は第2偏光板として機能し、微細位相差板233を透過した光と同一の偏光の光を透過する偏光特性を有する。すなわち、偏光フィルタ246の左側領域246bを透過した光は第2偏光板231を透過し、偏光フィルタ246の右側領域246aを透過した光は偏光軸を90度回転させられて第2偏光板231を透過する。また、偏光板230は第1偏光板として機能し、偏光板231と90度異なる偏光の光を透過する偏光特性を有する。
【0089】
このような微細位相差板233、偏光板231、液晶表示パネル232及び偏光板230を組み合わせて画像表示装置を構成する。このとき、液晶に電圧が加わった状態では、微細位相差板233を透過した光は偏光板230を透過する。一方、液晶に電圧が加わっていない状態では、微細位相差板233を透過した光は偏光が90度ねじれて液晶表示パネル232から出射されるので、偏光板230を透過しない。
【0090】
ディフューザ226は、第1偏光板230の前面側(観察者側)に取り付けられており、液晶表示パネルを透過した光を上下方向に拡散する。
【0091】
図10は、画像表示装置220の駆動回路600を示すブロック図である。
【0092】
画像表示装置を駆動するための主制御回路601には、CPU611、プログラムなどを予め格納したROM612、CPU611の動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM613が設けられている。これらのCPU611、ROM612及びRAM613はバス618によって接続されている。このバス618はCPU611がデータの読み書きをするために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
【0093】
また、外部との入出力を司る通信インターフェース615、入力インターフェース616及び出力インターフェース617が、バス618に接続されている。通信インターフェース615は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部である。入力インターフェース616、出力インターフェース617は、画像表示装置に表示する画像データを入出力する。
【0094】
また、バス618には、表示制御回路602のグラフィック・ディスプレイ・プロセッサ(GDP)651が接続されている。GDP651は、CPU611によって生成された画像データを演算し、RAM653に設けられたフレームバッファに書き込んで、画像表示装置に対して出力する信号(RGB、V BLANK、V_SYNC、H_SYNC)を生成する。GDP651には、ROM652及びRAM653が接続されており、RAM653には、GDP651が動作するためのワークエリア及び表示データを記憶するフレームバッファが設けられている。また、ROM652には、GDP651が動作するために必要なプログラム及びデータが記憶されている。
【0095】
また、GDP651には、GDP651にクロック信号を供給する発振器658が接続されている。発振器658が生成するクロック信号は、GDP651の動作周期を規定し、GDP651から出力される同期信号(例えば、V_SYNC、VBLAMNK)の周期を生成する。
【0096】
GDP651から出力されるRGB信号は、γ補正回路659に入力されている。このγ補正回路659は、画像表示装置の信号電圧に対する照度の非線形特性を補正して、画像表示装置の表示照度を調整して、画像表示装置に対して出力するRGB信号を生成する。
【0097】
合成変換装置670は、右目用フレームバッファ、左目用フレームバッファ及び立体視用フレームバッファが設けられており、GDP651から送られてきた右目用画像を右目用フレームバッファに書き込み、左目用画像を左目用フレームバッファに書き込む。そして、右目用画像と左目用画像とを合成して立体視用画像を生成して立体視用フレームバッファに書き込んで、立体視用画像データをRGB信号として画像表示装置に出力する。
【0098】
この右目用画像と左目用画像との合成による立体視用画像の生成は、微細位相差板233の1/2波長板235の間隔毎に、右目用画像と左目用画像と組み合わせる。具体的には、本実施の形態の画像表示装置の微細位相差板233の1/2波長板235は液晶表示パネル232の表示単位の間隔で配置されているので、液晶表示パネル232の表示単位の横方向ライン(走査線)毎に右目用画像と左目用画像とが交互に表示されるように立体視用画像を表示する。
【0099】
L信号出力中にGDP651から送信されてきた左目用画像データを左目用フレームバッファに書き込み、R信号出力中にGDP651から送信されてきた右目用画像データを右目用フレームバッファに書き込む。そして、左目用フレームバッファに書き込まれた左目用画像データと、右目用フレームバッファに書き込まれた右目用画像データとを走査線一本毎読み出して、立体視用フレームバッファに書き込む。
【0100】
画像表示装置内には液晶ドライバ(LCD DRV)681、バックライトドライバ(BL DRV)682が設けられている。液晶ドライバ(LCD DRV)681は、合成変換装置670から送られてきたV BLANK信号、V_SYNC信号、H_SYNC信号及びRGB信号に基づいて、液晶表示パネルの電極に順次電圧をかけて、液晶表示パネルに立体視用の合成画像を表示する。
【0101】
バックライトドライバ682は、GDP651から出力されたDTY_CTR信号に基づいてバックライト(光源243)に加わる電圧のデューティー比を変化させて、液晶表示パネル232の明るさを変化させる。
【0102】
図11、図12は、画像表示装置220の光学系を示す側面図、平面図である。ただし、図11中、光源243は中央部のみを示し、点線で表した光源243は見かけ上の位置である。また、図12においては、ミラー240を省略して、光源243を見かけ上の位置に、光源243(左右の発光素子248a、248b)を概略的に表してある。
【0103】
図11、図12に示すように、光源243の各発光素子248a、248bから放射された光は偏光フィルタ246を透過して放射状に広がっている。
【0104】
右側の発光素子248aから放射され偏光フィルタ246の右側領域246aを透過した光(一点鎖線で光路の中心を示す)は、フレネルレンズ228に到達し、フレネルレンズ228で光の進行方向を変えられて、微細位相差板233、液晶表示パネル232を透過して左眼ゾーンに至る。
【0105】
光源243の中央部位(中心から右側)に右側の発光素子248aを連続して配置してあるため、左眼ゾーンに至る光の照度は高くなる。すなわち、中心側の発光素子248aからの光はAL領域に至るが、これに隣接する発光素子248aからの光はそのAL領域に大きく重なり合った領域に出射され、このように順に隣接する発光素子248aからの光は順に重なり合った領域に出射される。したがって、左眼ゾーンに十分な光が照射されるのである。
【0106】
左側の発光素子248bから放射され偏光フィルタ246の左側領域246bを透過した光(一点鎖線で光路の中心を示す)は、フレネルレンズ228に到達し、フレネルレンズ228で光の進行方向を変えられて、微細位相差板233、液晶表示パネル232を透過して右眼ゾーンに至る。
【0107】
光源243の中央部位(中心から左側)に左側の発光素子248bを連続して配置してあるため、右眼ゾーンに至る光の照度は高くなる。すなわち、中心側の発光素子248bからの光はAR領域に至るが、これに隣接する発光素子248bからの光はそのAR領域に大きく重なり合った領域に出射され、このように順に隣接する発光素子248bからの光は順に重なり合った領域に出射される。したがって、右眼ゾーンに十分な光が照射されるのである。
【0108】
液晶表示パネル232の走査線ピッチと、微細位相差板233の偏光特性の繰り返しピッチとを等しくして、液晶表示パネル232の走査線ピッチ毎に異なる方向から到来した光を照射し、異なる方向に光を出射する。
【0109】
右側の発光素子248aから放射され、偏光フィルタ246の右側領域246aを透過した光は、フレネルレンズ228を透過して、微細位相差板233に到達し、偏光を90度回転させて出射する(右側領域246aを透過した光を透過する)微細位相差板233の領域236aを透過し、さらに、液晶表示パネル232を透過して、左眼ゾーンに至る。すなわち、液晶表示パネル232の領域236aに対応する位置の表示素子によって表示された左目画像が左目に到達する。
【0110】
なお、この微細位相差板233の領域236aと交互に並んで配置されている領域236bは光の偏光を変化させないので、偏光フィルタ246の右側領域246aからの光は液晶表示パネル232の偏光板231つまり液晶表示パネル232の領域236bに対応する位置の表示素子(右目用画像を表示)を透過することはない。
【0111】
左側の発光素子248bから放射され、偏光フィルタ246の左側領域246bを透過した光は、フレネルレンズ228を透過して、微細位相差板233に到達し、偏光フィルタ246の左側領域246bの同一偏光の光を透過する微細位相差板233の領域236bを透過して、液晶表示パネル232を透過して、右眼ゾーンに至る。すなわち、液晶表示パネル232の領域236bに対応する位置の表示素子によって表示された右目画像が右目に到達する。
【0112】
なお、この微細位相差板233の領域236bと交互に並んで配置されている領域236aは光の偏光を変化させるので、偏光フィルタ246の左側領域246bからの光は液晶表示パネル232の偏光板231つまり液晶表示パネル232の領域236aに対応する位置の表示素子(左目用画像を表示)を透過することはない。
【0113】
一方、このような画像表示装置は、前述したように、フレネルレンズ228やミラー240等の汚れを防止してクロストークの発生を回避する必要があるほか、フレネルレンズ228、液晶表示パネル232での複屈折や散乱等、構造上生じるクロストークを抑える必要があるが、これに対し、左右方向にそれぞれ複数の右側発光素子248a、左側発光素子248bを配列したので、フレネルレンズ228、液晶表示パネル232での複屈折や散乱等に起因するクロストークを低減することができる。
【0114】
右側発光素子248a、左側発光素子248bをそれぞれ複数配列したことによって、前記のように左眼ゾーン、右眼ゾーンにそれぞれ十分な光が照射される。すなわち、左眼ゾーンには十分な光度の左目画像が到達し、右眼ゾーンには十分な光度の右目画像が到達する。そのため、フレネルレンズ228、液晶表示パネル232での複屈折や散乱によって右目用画像が左目に、また左目用画像が右目に入っても、左目に到達する左目画像との光度差、また右目に到達する右目画像との光度差が相対的に大きくなり、クロストークを十分に低減できるのである。
【0115】
したがって、右目画像と左目画像とによって、観察者は立体画像を認識しやすくなり、両眼視差に基づく3次元知覚により容易に立体視することができる。
【0116】
また、光源243の右周辺部位に配置された複数の右側発光素子248aからの光は左眼ゾーンの左側に広角(DL領域)に出射され、光源243の左周辺部位に配置された複数の左側発光素子248bからの光は右眼ゾーンの右側に広角(DR領域)に出射される。
【0117】
したがって、画像表示装置の視野角が増大する。そのため、本画像表示装置でテレビゲーム等を行う場合あるいは本画像表示装置を遊技機(パチンコ機等)の画像表示装置に用いた場合に、遊技者だけでなく、周囲の者、大勢の人が画像を見ることができる。
【0118】
なお、DL領域、DR領域では立体画像を見れないが、2次元画像として見ることができる。
【0119】
図13、図14は、別の実施の形態を示す。
【0120】
これは、後部ユニット222の後部ケース237の下部空間211とフレネルレンズ228、ミラー240等の光学系部材の配設部(前面ユニット221内、後部ユニット222の後部ケース237の上部空間210)とを画成する区画壁300の形状を、光源ユニット238のホルダ242の偏光フィルタ246を装着するカバー枠258の枠前面部301の曲形状と同一の曲形状に形成して、そのカバー枠258の枠前面部301を区画壁300に密着させて、光源ユニット238を後部ケース237の下部空間211の後部壁244に取り付けるようにしたものである。
【0121】
このようにすれば、偏光フィルタ246ならびに偏光フィルタ246を通った光を透過する区画壁300の部位が汚れることがなく、これらの汚れによって画面が暗くなったり、クロストークが発生するのを回避できる。
【0122】
図15、図16は、別の実施の形態を示す。
【0123】
これは、後部ユニット222の後部ケース237の下部空間211とフレネルレンズ228、ミラー240等の光学系部材の配設部(前面ユニット221内、後部ユニット222の後部ケース237の上部空間210)とを画成する区画壁320に開口部321を設け、光源ユニット238の偏光フィルタ246が後部ケース237の上部空間210側に位置するように、光源ユニット238を、その開口部321にホルダ242を嵌装して取り付けるようにしたものである。
【0124】
この場合、区画壁320は、ホルダ242の収納ケース257a、257bの周辺の斜行形状に合わせた形状に形成すると共に、開口部321は、ホルダ242の収納ケース257a、257bの周壁に沿う大きさ、形状に形成して、その収納ケース257a、257bの部位を開口部321に装着して、偏光フィルタ246、カバー枠258が、後部ケース237の上部空間210側に突出するように形成している。
【0125】
このようにすれば、偏光フィルタ246が汚れることを防止でき、明るい画面を維持でき、クロストークを回避できる一方、区画壁320をクリア部材で形成せずにすむ。
【0126】
図17は、別の実施の形態を示す。
【0127】
これは、光源ユニット238のホルダ242の収納ケース257bに、基板247表面側(発光素子248側)の前側空間282を画成する隔壁340を設け、その前側空間282に開口する空気導入口(264)は形成せず、ホルダ242(収納ケース257b)の底壁端部に基板247裏面側の後側空間283に開口する空気導入口270を形成すると共に、ホルダ242(収納ケース257b)の凹部中央の空気排出口273を基板247裏面側の後側空間283にのみ通じるようにしたものである。
【0128】
このようにすれば、偏光フィルタ246の内面側、プリズム245(プリズム体)の各部、発光素子248が汚れることを防止でき、光量減少を的確に防止できる。
【0129】
図18、図19は、別の実施の形態を示す。
【0130】
これは、後部ユニット222の後部ケース360を分割構造にして、その分割ケース部362に光源ユニット238を取り付ける一方、本体ケース部361における分割ケース部362の取付面をクリア部材からなる区画壁363にて形成する。フレネルレンズ228を取り付ける前面ユニット221の前面ケース部223の下部ならびに本体ケース部361に、分割ケース部362の取付部364(一部図示してない)形成して、取付部364を介して分割ケース部362を着脱自由に取り付けるようにする。分割ケース部362の前面に吸気口288を形成する。なお、区画壁363は、分割ケース部362側に設けるようにしても良いし、また、分割ケース部362および本体ケース部361の両方に設けるようにしても良い。
【0131】
図示しないが、この場合、分割ケース部362は、外気が内部を自由に流通するように枠体にて形成するようにして良い。また、光源ユニット238を枠状の取付具に取り付けると共に、本体ケース部361そのものを後部ケース360にして、その後部ケース360に枠状の取付具に取り付けた光源ユニット238を外装するようにして組み付けても良い。
【0132】
このような分割構造あるいは外装構造にすれば、光源243の冷却を一層行いやすくなる。また、光源243の交換性が良い。
【0133】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の画像表示装置の正面図である。
【図2】そのA−A線断面図である。
【図3】画像表示装置の分解斜視図である。
【図4】画像表示装置の後側構成部の斜視図である。
【図5】液晶表示パネルユニットの分解斜視図である。
【図6】光源ユニットの斜視図である。
【図7】光源ユニットの分解斜視図である。
【図8】光源ユニットの中央断面図である。
【図9】画像表示装置の画像表示の説明図である。
【図10】画像表示装置の駆動回路のブロック図である。
【図11】画像表示装置の光学系の側面図である。
【図12】画像表示装置の光学系の平面図である。
【図13】本発明の別の実施の形態の画像表示装置の分解斜視図である。
【図14】後部ユニットの部分断面図である。
【図15】本発明の別の実施の形態の画像表示装置の分解斜視図である。
【図16】後部ユニットの部分断面図である。
【図17】本発明の別の実施の形態の後部ユニットの部分断面図である。
【図18】本発明の別の実施の形態の後部ユニットの部分分解断面図である。
【図19】後部ユニットの部分組付断面図である。
【符号の説明】
210 上部空間
211 下部空間
212 区画壁
220 画像表示装置
221 前面ユニット
222 後部ユニット
223 取付ベース(前面ケース部)
224 カバー枠
226 ディフューザ(拡散板)
227 液晶表示パネルユニット
228 フレネルレンズ
230 第1偏光板
231 第2偏光板
232 液晶表示パネル
233 微細位相差板
237 後部ケース
238 光源ユニット
240 ミラー(反射部材)
242 ホルダ
243 光源
245 プリズム
246 偏光フィルタ
247 基板
248 発光素子
252 切り欠き部
253a 中央プリズム体
253b 周辺プリズム体
257a、257b 収納ケース
258 カバー枠
262 光源カバー
264 空気導入口
268 凹部
270 空気導入口
273 空気排出口
274 接続口(排気口)
281 空間路
282 前側空間
283 後側空間
284 ダクト
285 排気口
286 ファン
288 吸気口
300 区画壁
320 区画壁
321 開口部
340 隔壁
360 後部ケース
361 本体ケース部
362 分割ケース部
363 区画壁
364 取付部
600 駆動回路

Claims (9)

  1. 光源と、光源からの光を左眼用の光と右眼用の光とに屈折させて液晶表示パネルに対して照射する光学系部材とを、ケースに備える画像表示装置において、
    前記ケースは、前記光源が配設される領域と前記光学系部材が配設される領域とを区画する区画部材により光源配設空間と光学系部材配設空間とを形成し、
    ケース外部からの空気を前記光源配設空間に吸気するために形成される吸気口と、前記光源配設空間の空気をケース外部へと排気するために形成される排気口と、前記光源配設空間の空気を電気的駆動源の作動により入れ換えるファンと、から構成される換気手段を備え、
    前記換気手段により前記光源配設空間のみの空気が流動し換気され、前記区画部材で区画形成された前記光学系部材配設空間の空気は流動しないようにしたことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記光源を、光源ユニットとして、中空空間を形成した収納ホルダに収納し、
    前記光源ユニットに、中空空間の空気の入れ換えを行うための導入口と排出口とを形成し、
    前記区画部材は、光を透過するクリア部材で形成し、
    前記光源ユニットは、前記区画部材により区画される前記光源配設空間に配設し、
    前記換気手段は、前記光源配設空間の前記ケースの壁部に前記吸気口および前記排気口を設けて前記光源ユニット内を換気するものとしたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記光源を、光源ユニットとして、中空空間を形成した収納ホルダに収納すると共に、該光源の前面に光を特定の偏光にするための偏光フィルタを配設し、
    前記光源ユニットに、中空空間の空気の入れ換えを行うための導入口と排出口とを形成し、
    前記区画部材は、前記光源ユニットの周壁に沿うように形成して、前記偏光フィルタを前記光学系部材配設空間に位置させるように構成し、
    前記換気手段は、前記区画部材により区画される前記光源配設空間の前記ケースの壁部に前記吸気口および前記排気口を設けて前記光源ユニット内を換気するものとしたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  4. 前記区画部材は、前記光源ユニットの周壁に沿う大きさ及び形状の開口部が形成され、
    該開口部に前記光源ユニットを嵌装して取り付けると前記偏光フィルタが前記光学系部材配設空間に位置することを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
  5. 前記光源を基板の表面に取り付けて、前記光源ユニットの中空空間を前記基板を介して基板表面側の前側空間と基板裏面側の後側空間とに区画し、
    前記導入口と前記排出口とを前記後側空間に開口し、
    前記換気手段は、前記光源ユニット内の前記後側空間を換気するものとしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像表示装置。
  6. 前記光源ユニットの収納ホルダを熱伝導性樹脂により形成したことを特徴とする請求項2〜のいずれか一つに記載の画像表示装置。
  7. 前記光源を取り付ける基板を金属部材により形成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の画像表示装置。
  8. 光源と、光源からの光を左眼用の光と右眼用の光とに屈折させて液晶表示パネルに対して照射する光学系部材とを、ケースに備える画像表示装置において、
    前記光学系部材を前記ケースに内装する一方、
    前記光源を、光源ユニットとして、中空空間を形成した収納ホルダに収納して、前記光源ユニットを前記ケースに外装し、
    前記光源ユニットに空気を吸気するために形成される吸気口と、前記光源ユニットの空気を外部へと排気するために形成される排気口と、前記光源ユニットの空気を電気的駆動源の作動により入れ換えるファンと、から構成される換気手段を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  9. 光源と、光源からの光を左眼用の光と右眼用の光とに屈折させて液晶表示パネルに対して照射する光学系部材とを、ケースに備える画像表示装置において、
    前記ケースは、前記光源が配設される光源配設ケースと前記光学系部材が配設される光学系部材配設ケースとに分割構造に形成し、
    ケース外部からの空気を前記光源配設ケースに吸気するために形成される吸気口と、前記光源配設ケースの空気をケース外部へと排気するために形成される排気口と、前記光源配設ケースの空気を電気的駆動源の作動により入れ換えるファンと、から構成される換気手段を備えたことを特徴とする画像表示装置。
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