JP4223777B2 - 空気送り装置 - Google Patents

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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C23/00Devices for measuring, signalling, controlling, or distributing tyre pressure or temperature, specially adapted for mounting on vehicles; Arrangement of tyre inflating devices on vehicles, e.g. of pumps or of tanks; Tyre cooling arrangements
    • B60C23/10Arrangement of tyre-inflating pumps mounted on vehicles
    • B60C23/12Arrangement of tyre-inflating pumps mounted on vehicles operated by a running wheel
    • B60C23/137Arrangement of tyre-inflating pumps mounted on vehicles operated by a running wheel comprising cam driven pistons

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、空気タイヤに空気を補給する空気タイヤ補給用、又は、ブレーキ装置に空気を吹き付けてブレーキ装置の過熱を防止するブレーキ過熱防止用、或いはサドルにクッション性を持たせるシートクッション用として使用できる空気送り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自転車や自動車の車輪には、空気を保持させた空気タイヤが設けられている。このような空気タイヤは、所定の空気圧になるように空気を入れておいても、時間の経過に伴って徐々に空気が抜け、空気圧が下がる。そこで、従来から、走行に際して圧縮空気を生成させ、その生成した圧縮空気を空気タイヤに自動的に補給できるようにした空気自動補給用の装置が提案されている。
【0003】
この装置は、例えば自転車の車輪に設けられた車軸に固定されたカムと、自転車の車輪に設けたハブに取り付けるとともに、空気タイヤに接続させたシリンダーと、カムに追従してシリンダー内を摺動可能なピストンとを備えたものがある。そして、走行に際して車輪が回転すると、ピストンがカムに追従してシリンダー内を摺動し、その摺動に際してシリンダー内の空気を圧縮させ、圧縮した空気を空気タイヤに入れるようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第182436号
【0005】
しかしながら、このような装置による空気タイヤへの空気の補給は、装置を取り付けた車輪の空気タイヤにだけしか、行うことができない。そのため、例えば自転車の前後の各車輪の空気タイヤに空気を補給するためには、前後の各車輪に上記の空気自動補給用の装置を、夫々設けなければならない。その結果、コスト高になってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、以上の実情に鑑みてなされたもので、空気を、空気タイヤに補給したり、ブレーキ装置に吹き付け、或いはシートにクッション性を持たせる等、種々の目的に応じて供給でき、低コストで製作可能な空気送り装置の提供を第1の目的とする。
【0007】
本願発明は、以上の実情に鑑みてなされたもので、空気タイヤに空気を自動的に補給でき、低コストで製作可能なタイヤ空気補給用の空気送り装置の提供を第2の目的とする。
【0008】
本願発明は、ブレーキ装置に空気を吹き付けてブレーキ装置の過熱を防止でき、低コストで製作可能なブレーキ過熱防止用の空気送り装置の提供を第3の目的とする。
【0009】
本願発明は、シートにクッション性を持たせることができ、低コストで製作可能なシートクッション用の空気送り装置の提供を第4の目的とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
本願第1発明は、車輪を支持した車体本体に装着される空気貯留可能な空気貯留部と、空気貯留部に空気を導入するための導入口と、空気貯留部の空気を空気貯留部の外に送り出するための送出口とを備えたものである。
【0011】
本願第2発明は、本願第1発明に係る車輪が、車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、上記車体本体は、車軸に対する空気タイヤの回転を制動するためのブレーキ装置を備え、上記送出口は、空気貯留部の空気をブレーキ装置に吹き付けることができるように配設可能なブレーキ装置吹き付け用送出口を備えたものである。
【0012】
本願第3発明は、本願第2発明に係るブレーキ装置が、空気タイヤと共に回転する被制動部材と、被制動部材に当接可能に可動して被制動部材の回転を制動する制動部材とを備え、上記空気送り装置は、制動部材の動きに連動してブレーキ装置吹き付け用送出口からの空気の送り出し量を調整する送り出し量調整手段を備えたものである。
【0013】
本願第4発明は、本願第1から第3発明の何れかに係る車体本体が、人が座るシートを有する着座部を備え、この着座部は、空気を保持した空気保持部を備え、空気保持部は、シートにかかる荷重を受けてシートに弾力性を持たせ得るように配設され、上記送出口は、空気貯留部の空気を空気保持部に送出できるように、空気保持部に接続可能なシートクッション用送出口を備えたものである。
【0014】
本願第5発明は、本願第4発明に係る着座部が、シートを上下移動可能に支持したシート支持部を備え、空気保持部は、シート支持部に設けられ、シート支持部は、空気保持部の空気を押圧可能な空気押圧部を備え、空気押圧部は、シートに下方向の荷重がかかるに際して、空気保持部の空気を押圧し、この押圧によって、空気保持部の空気が圧縮されるとともに、シートが下方向に移動可能とされることにより、シートに弾力性を持たせるようにしたものである。
【0015】
本願第6発明は、本願第1から第5発明の何れかに係る車輪が、車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、上記空気送り装置の送出口は、空気タイヤに設けられた空気収納部に空気を送り込むことができるように、空気タイヤの空気収納部に接続可能なタイヤ空気補給用送出口を備え、空気貯留部は、空気貯留部の空気をタイヤ空気補給用送出口に送出するための送出用通気路を備え、送出用通気路は、車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2送出用通気路と、第2送出用通気路から車体本体側に延ばされた第1送出用通気路と、第2送出用通気路からタイヤ空気補給用送出口に延ばされた第3送出用通気路とを備えたものである。
【0016】
本願第7発明は、本願第1から第6発明の何れかに係る車輪が、車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、上記空気送り装置は、圧縮空気生成可能な圧縮空気生成部を備え、圧縮空気生成部は、車輪の車軸に対する空気タイヤの回転に際して空気を圧縮して圧縮空気を生成し、空気貯留部は、導入口から空気貯留部に空気を導入するための導入用通気路が備えられ、この導入用通気路は、車輪の車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2導入用通気路と、第2導入用通気路から車体本体側に延ばされた第1導入用通気路と、第2導入用通気路から導入口に延ばされた第3導入用通気路とを備え、導入口は、圧縮空気生成部に接続されることにより、圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を導入口から導入用通気路を介して空気貯留部に導入可能とされたものである。
【0017】
本願第8明は、本願第1から第8明の何れかに係る車体本体が複数の車輪を支持し、各車輪は、車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、上記空気送り装置の圧縮空気生成部は、第1の車輪に設けられ、上記送出口は、空気タイヤに設けられた空気収納部に空気を送り込むことができるように、空気タイヤの空気収納部に接続可能なタイヤ空気補給用送出口を備え、タイヤ空気補給用送出口は、第2の車輪の空気タイヤの空気収納部に接続可能な第2タイヤ空気補給用送出口を備え、空気貯留部は、空気貯留部の空気をタイヤ空気補給用送出口に送出するための送出用通気路を備え、送出用通気路は、第2の車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2送出用通気路と、第2送出用通気路から車体本体側に延ばされた第1送出用通気路と、第2送出用通気路から第2タイヤ空気補給用送出口に延ばされた第3送出用通気路とを備えたものである。
【0018】
本願第9発明は、本願第8に係るタイヤ空気補給用送出口が、第1の車輪の空気タイヤの空気収納部に接続可能な第1タイヤ空気補給用送出口を備えたものである。
【0019】
本願第10発明は、本願第7発明から第9発明の何れかに係る圧縮空気生成部が、空気の圧縮比を調整し得る圧縮比調整手段を備えたものである。
【0020】
本願第11発明は、本願第10発明に係る圧縮空気生成部が、外部から空気を取り入れ可能な圧縮室と、圧縮室内の空気を圧縮操作する圧縮操作体とを備え、圧縮操作体は、圧縮室を摺動する摺動部と、車輪の車軸に固定されたカムに当接するカム当接部とを備え、カム当接部は、車軸に対する空気タイヤの回転に際して、空気タイヤと共にカムに追従しつつカムに対して回転することにより、摺動部が、圧縮室を拡大状態にする下死点位置から圧縮室を縮小状態にする上死点位置までの範囲を圧縮室の軸方向に摺動し、上記圧縮室は、車輪に設けられたハブに、ハブの外周側から移動操作可能に取付けられることにより、圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を変えることができるようにされ、上記圧縮比調整手段は、圧縮室の移動操作によって圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を変えることにより、圧縮室の拡大状態の容積と縮小状態の容積との比を調整するものである。
【0021】
本願第12発明は、本願第11発明に係る空気送り装置が、ハブに対して圧縮室を複数の個所で係脱可能に係止する係止手段が備えられ、この係止手段によって、圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を複数の個所で位置決めしながら変え得るようにしたものである。
【0022】
本願第1発明においては、車輪を支持した車体本体に装着される空気貯留可能な空気貯留部と、空気貯留部に空気を導入するための導入口と、空気貯留部の空気を空気貯留部の外に送り出するための送出口とを備えているため、導入口から空気貯留部に導入した空気を、送出口から適宜送出させることができる。これにより、例えば空気タイヤの空気補給用に使用できる。又、ブレーキ装置に空気を吹き付けてブレーキ装置の過熱防止用として使用できる。或いは、サドルにクッション性を持たせるのに使用することもできる。
【0023】
本願第2発明においては、空気貯留部の空気をブレーキ装置吹き付け用送出口からブレーキ装置に吹き付けることができる。これにより、例えば被制動部材と制動部材との摩擦により自転車の車輪の回転を制動するブレーキ装置のように、被制動部材と制動部材との摩擦による摩擦熱よって過熱し、被制動部材と制動部材との摩擦による車輪の回転の制動に支障をきたす恐れがある場合でも、空気の吹き付けにより冷却でき、過熱を防止できる。
【0024】
本願第3発明においては、制動部材の動きに連動してブレーキ装置吹き付け用送出口からの空気の送り出し量を調整する空気送り出し量調整手段を備えたものとする。こうすることにより、例えば制動部材と被制動部材とが当接しないブレーキ不使用時に、ブレーキ装置吹き付け用送出口からの空気の送り出し量を止め又は少量にしておき、一方、制動部材と被制動部材とが当接するブレーキ使用時に、ブレーキ装置吹き付け用送出口からの空気の送り出し量を多くしておくことができる。これにより、空気貯留部の空気を効率的に使用できる。
【0025】
本願第4、第5発明においては、空気保持部によって、着座部に弾力性を持たせることができ、シートに座った人に乗り心地の良いものにできる。又、空気貯留部の空気を空気保持部に送出するため、空気保持部の空気が経時により抜けた場合でも、自動的に補給可能にでき、使用便利なものにできる。
【0026】
又、例えば自転車においては、シートとしてのサドルに弾力性を持たせるために従来からコイルバネをサドルに付設されている場合が多い。しかし、このようなコイルバネをサドルに付設しておくと、コイルバネに形成された隙間に手の指を挟んで怪我をする恐れがある。そこで、この本願第4発明、第5発明のように、コイルバネに代え、空気保持部を形成するとともに、その空気保持部に空気貯留部の空気を送出するようにしておけば、そのような怪我を防止でき、安全性を確保できる。
【0027】
本願第6発明においては、タイヤ空気補給用送出口に接続した第3送出用通気路に、空気を、車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2送出用通気路を介しておくる。例えば車体本体に取り付けた空気貯留部と空気タイヤの空気収納部とにパイプを接続すると、パイプが邪魔になって空気タイヤが回転できない。従って、走行中は、空気貯留部と空気タイヤの空気収納部とをパイプによって接続できず、走行中に空気貯留部の空気を、空気タイヤの空気収納部に送ることができない。しかし、本願第6発明においては、上述のようにタイヤ空気補給用送出口に接続した第3送出用通気路に、空気貯留部の空気を、車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2送出用通気路を介して第3送出用通気路に送るため、空気タイヤの回転と共に第3送出用通気路を回転させることができる。これにより、走行中も、車体本体側から空気タイヤの空気収納部に接続しておくことができ、走行中に空気貯留部の空気を空気タイヤの空気収納部に送ることができる。
【0028】
本願第7発明においては、車輪の車軸に対する空気タイヤの回転に際して空気を圧縮して圧縮空気を生成する圧縮空気生成部を備え、この圧縮空気生成部に導入口を接続するため、走行に際して、順次圧縮空気生成部で生成される圧縮空気を空気貯留部に導入できる。又、その際、導入口から空気貯留部に、車輪の車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2導入用通気路を介して第3送出用通気路に導入するため、空気タイヤの回転と共に第3送出用通気路を回転させることができる。これにより、圧縮空気生成部で生成される圧縮空気を、走行に際して空気貯留部に円滑に導入できる。
【0029】
本願第8発明においては、圧縮空気生成部を、複数の車輪の内の第1の車輪の車軸に対する空気タイヤの回転に際して空気を圧縮して圧縮空気を生成可能に、第1の車輪に設け、第2タイヤ空気補給用送出口は、第2の車輪の空気タイヤの空気収納部に接続されたものとする。こうすることにより、圧縮空気生成部を取り付けた車輪と異なる車輪の空気タイヤに、圧縮空気生成部で生成した空気を送出できる。
【0030】
本願第9発明においては、圧縮空気生成部で生成した空気を、第2タイヤ空気補給用送出口から第2の車輪の空気タイヤの空気収納部に送出するととともに、第1タイヤ空気補給用送出口から第1の車輪の空気タイヤの空気収納部に送出できる。これにより、一つの圧縮空気生成部で複数の空気タイヤの空気収納部に空気貯留部の空気を送出でき、低コストなものにできる。
【0031】
本願第10発明においては、圧縮空気生成部によって空気タイヤの種類等に応じて適した空気圧の圧縮空気を生成し、その生成した圧縮空気を空気タイヤに送り込むことができる。例えば一般的な自転車、レース用の自転車、或いはマウンテンバイク用の自転車等の種類に応じ、或いは自転車に乗る人の体重に応じ、或いは自転車の前輪、後輪に応じて適した空気圧に調整し、更には、各種の二輪車、各種の自動車の空気タイヤの種類に応じ、適した空気圧に調整して空気タイヤに送り込むことができる。
【0032】
本願第11発明においては、例えば空気送り装置を車輪に組み付けた後、分解等しなくても、組み付けた状態でハブの外周側から圧縮室を移動操作できる。そして、この圧縮室の移動操作によって圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を変えることができ、圧縮室の拡大状態の容積と縮小状態の容積との比を調整できる。従って、圧縮比の調整を操作容易なものにできる。
【0033】
本願第12発明においては、ハブと圧縮室とを複数の個所で係脱可能に係止する係止手段が備えられ、この係止手段によって、圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を複数の個所で位置決めしながら変えることができる。こうすることにより、圧縮比を容易に微調整でき、しかも正確に調整できる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を基にして本願発明の一実施の形態を具体的に説明する。
【0035】
図1は、本願発明の第1実施形態の空気送り装置を備えた自転車の側面図、図2は、その自転車の前車輪のハブ部の一部を断面にした要部拡大説明図、図6は、その自転車の後車輪のハブ部の一部を断面にした要部拡大説明図である。
【0036】
第1実施形態の空気送り装置は、自転車のタイヤ空気補給用のものとして実施されている。第1実施形態の自転車のタイヤ空気補給用の空気送り装置を装備した自転車100は、図1に示すように一般的に使用されているもので、第1の車輪としての後車輪103及び第2の車輪としての前車輪102と、これらの車輪102、103を支持した車体本体101とを備えている。
【0037】
各車輪102、103は、図2、図6に示すように車軸104と、車軸104に回転自在に支持されたハブ105と、図1に示すようにハブ105に取り付けられた複数のスポーク106・・・106と、スポーク106・・・106に支持されたリム107と、リム107に取り付けられた空気タイヤ108とを備えている。
【0038】
空気タイヤ108は、図5に示すように、内側に空気収納部としての空気保持チューブ108bを備えている。又、空気保持チューブ108bは、空気を出し入れるための空気出し入れ口108iを備えている。空気出し入れ口108iには、空気保持チューブ108bから外への空気の逆流を防止するためのバルブ108cが備えられている。このバルブ108cは、筒状体から構成され、図示下端側に空気入れ口108dが設けられ、図示上端側にバルブ孔108eが設けられている。又、このバルブ孔108eは、バルブ108cの外周に被せられた合成ゴム製の筒状の弁体108fによって塞がれ、逆流が防止されるようになっている。
【0039】
そして、このバルブ108cは、上記空気出し入れ口108iを形成した筒状のバルブ取付け用口金108g内に入れられ、バルブ取付け用口金108gに螺合されたバルブ止めナット108hに抜け止めされている。そして、空気入れ口108dから、バルブ孔108eを塞いでいる弁体108fの弾性力に抗して空気入れポンプ等によって空気が送り入れられると、空気が弁体108fを押しのけて空気保持チューブ108b内に入るようになっている。又、空気保持チューブ103b内に空気が入った後は、弁体108fの弾性力によってバルブ孔108eを塞ぐ。これにより、空気保持チューブ108b内の空気がバルブ孔108eから外に出るようなことが防止されるようになっている。
【0040】
このように構成された前後の各車輪102、103は、図2及び図6に示すように車軸104の左右両側が車体本体101にナット109、109を介して固定される。これにより、各車輪102、103のハブ105、リム107、空気タイヤ108等が自転車の車体本体101に回転可能とされている。
【0041】
タイヤ空気補給用の空気送り装置は、図1に示すように圧縮空気を保持可能な空気貯留部2と、空気貯留部2に空気を導入するための導入口51(図7、図8に図示)と、空気貯留部2の空気を空気タイヤに送出する送出口52、53と、圧縮空気を生成して空気貯留部2に導入する圧縮空気生成部3(図7、図8に図示)とを備えている。
【0042】
送出口52、53は、後車輪103の空気タイヤ108の空気収納部108bに接続された第1タイヤ空気補給用送出口53と、前車輪102の空気タイヤ108の空気収納部108bに接続された第2タイヤ空気補給用送出口52とを備えている。
【0043】
空気貯留部2は、貯留槽41と、貯留槽41から第2タイヤ空気補給用送出口52に延ばされた送出用通気路42と、貯留槽41から導入口51に延ばされた導入用通気路43と、導入用通気路43から第1タイヤ空気補給用送出口53に延ばされた第1タイヤ空気補給送出用通気路382とを備えている。
【0044】
貯留槽41は、この実施形態では、筒状のケーシング40の内部に形成されている。このケーシング40は、自転車の車体本体101の一部を構成した立てパイプ101aに取り付けられている。
【0045】
送出用通気路42は、貯留槽41の空気を、貯留槽41から第2タイヤ空気補給用送出口52に送り出するためのものである。この送出用通気路42は、車軸104の軸方向に沿って車軸104に形成された第2送出用通気路42b(図2に示す)と、第2送出用通気路42bと貯留槽41との間に形成された第1送出用通気路42aと、第2送出用通気路42bと第2タイヤ空気補給用送出口52との間に形成された第3送出用通気路42cとを備えている。
【0046】
第2送出用通気路42bは、この実施形態では、図2に示すように前車輪102の車軸104の軸方向に明けられた軸孔43aを備えている。
【0047】
軸孔43aは、車軸104の左端から軸方向に沿って左右中央よりやや右側にかけて明けられている。これにより、軸孔43aが、車軸104に取り付けた筒状のハブ105の外側から筒内にまで延ばされるようになっている。また、このようにしてハブ105の筒内にまで延ばされた軸孔43aの奥部は、軸孔43aから車軸104の外周に貫通するように明けられた貫通孔43b、43bによって外部と連通している。
【0048】
第1送出用通気路42aは、パイプ部材44aの内部に形成されている。このパイプ部材44aは、図1に示すようにケーシング40から車体本体101に沿わされるようにして前車輪102の車軸104にまで延ばされ、図2に示すように車軸104の左端に接続されている。これにより、第1送出用通気路42aと第2送出用通気路42bとが連通されている。
【0049】
第3送出用通気路42cは、第1送出用通気路42aと同様なパイプ部材44bの内部に形成されている。このパイプ部材44bは、図2に示すように車軸104からハブ105に設けられたパイプ挿通孔105aに通され、図1に示すように空気タイヤ108まで延ばされている。
【0050】
このパイプ部材44bと車軸104との接続は、回転接続部材45を介して行われている。この回転接続部材45は、図4に示すように、合成ゴム製の二つのリング45a、45aと、リング状の回転子45bとを備えている。
【0051】
二つのリング45a、45aは、車軸104における貫通孔43bの左右両側の外周に固定されている。
【0052】
回転子45bの外周側には、パイプ部材44bを着脱自在に接続するパイプ接続具45cが備えられている。又、このパイプ接続具45cは、筒状のものから構成され、内周側に接続孔45dが備えられている。
【0053】
回転子45bの内周側には、図3に示すように全周に渡って形成された空気溜り部45eが備えられている。又、この空気溜り部45eは、パイプ接続具45cのパイプ接続孔45dと空気溜り部45eとに連通するように穿設された穿設孔45fを介して連通されている。そして、これらの空気溜り部45eとパイプ接続孔45dと穿設孔45fとは、第3送出用通気路42cと第2送出用通気路42bとを通気可能に接続する通気路接続用孔45iを構成する。
【0054】
また、空気溜り部45eの左右両側には、リング45a、45aを回転可能に受容するリング受容部45g、45gが備えられている。そして、これらのリング受容部45g、45gにリング45a、45aを回転可能に受容することにより、回転子45bは、空気溜り部45eと第2送出用通気路42bの軸孔43aとが連通した状態で、車軸104に対して回転可能とされている。
【0055】
そして、このように構成された回転子45bのパイプ接続具45cに、パイプ部材44bが取り付けられることにより、パイプ部材44bと車軸104とが回転可能に接続されている。又、この接続によって、パイプ部材44bの内部に形成された第3送出用通気路42cと前車輪102の車軸104に形成された第2送出用通気路42bとが連通される。
【0056】
以上のように、第3送出用通気路42cと第2送出用通気路42bとは、回転接続部材45を介して通気可能に接続されている。回転接続部材45は、第3送出用通気路42cと第2送出用通気路42bとを通気可能に接続する通気路接続用孔45iを備えている。そして、回転接続部材45は、通気路接続用孔45iを介して第3送出用通気路42cと第2送出用通気路42bとを接続した状態で、車軸104に回転可能に取り付けられている。これにより、第3送出用通気路42cは、車軸104に対して回転可能とされ、空気タイヤ108の回転に際し、第2送出用通気路42bと接続状態を維持しながら第2送出用通気路42bに対して回転できるようにされている。
【0057】
又、この第3送出用通気路42cを形成したパイプ部材44bの上先端は、図5に示すように第2タイヤ空気補給用送出口52を構成している。この第2タイヤ空気補給用送出口52を構成したパイプ部材44bの上先端は、空気タイヤ接続部46を介して空気保持チューブ108bに接続されている。より詳しくは、空気タイヤ接続部46は、パッキン46aと、空気保持チューブ108bのバルブ止めナット108hに係止されるナット係止片46bとを備えている。そして、パッキン46aがバルブ108の端面に当接された状態で、ナット係止片46bがバルブ止めナット108hに係止されている。
【0058】
次に、導入用通気路43について説明する。この導入用通気路43は、図1、図6に示すように、車軸104の軸方向に沿って車軸104に形成された第2導入用通気路47bと、第2導入用通気路47bと貯留槽41とを接続した第1導入用通気路47aと、第2導入用通気路47bと導入口51とを接続した第3送出用通気路47cとを備えている。
【0059】
第2導入用通気路47bは、この実施形態では、図6に示すように後車輪103の車軸104の軸方向に明けられた軸孔43aを備えている。軸孔43aは、上述の第2送出用通気路42bを構成した前車輪102の軸孔43aと同構成を採っており、軸孔43aの奥部は、貫通孔43b、43bによって外部と連通されている。
【0060】
第1導入用通気路47aは、上述の第1送出用通気路42aを形成したものと同様なパイプ部材44cの内部に形成されている。この第1導入用通気路47aを構成したパイプ部材44cは、図1に示すようにケーシング40から車体本体101に沿わされるようにして後車輪103の車軸104にまで延ばされ、図6に示すように車軸104の左端に接続されている。これにより、パイプ部材44c内の第1導入用通気路47aは、第2導入用通気路47bと連通されている。
【0061】
第3導入用通気路47cは、図7に示すように、車軸104から圧縮空気生成部3まで延ばされたパイプ部材44dの内部に形成されたパイプ通気路47dと、後述する圧縮空気生成部3内に形成された空気生成部通気路351とから構成されている。
【0062】
このパイプ部材44dと車軸104との接続は、上述の第3送出用通気路42cを形成したパイプ部材44bと車軸104との接続と同様に、回転接続部材45を介して行われている。この回転接続部材45は、上述の図2、図4に示すものと同構成を採っている。
【0063】
導入口51、第1タイヤ空気補給用送出口53及び第1タイヤ空気補給送出用通気路382については、後述する。
【0064】
次に、圧縮空気生成部3について説明する。圧縮空気生成部3は、図7、図8に示すように、空気を圧縮する圧縮部310を備えている。
【0065】
圧縮部310は、空気を圧縮する圧縮室320と、圧縮室320の空気を圧縮操作する圧縮操作手段330とを備えている。
【0066】
圧縮室320は、断面円形状の筒状ケーシング321の内部に形成されている。又、この筒状ケーシング321の内部における圧縮室320の上方側には、区画壁360を挟んで空気生成部通気路351が区画形成されている。この空気生成部通気路351は、パイプ通気路47dと連通しており、上述のようにこの空気生成部通気路351とパイプ通気路47dとで第3導入用通気路47cを構成している。
【0067】
又、区画壁360には、導入口51が穿設されており、この導入口51によって、圧縮室320と空気生成部通気路351とが通気可能に連通されている。
【0068】
この導入口51には、逆流防止弁362が備えられている。この逆流防止弁362は、空気が空気生成部通気路351から圧縮室320に逆流しないように防止する逆流防止手段としてのもので、この実施形態では、空気生成部通気路351側に配設されたボールバルブ362から構成されている。ボールバルブ362は、ボール363と、ボール363を圧縮室320側に付勢する付勢部材としてのボール付勢用コイルバネ364とを備えている。そして、このボール付勢用コイルバネ364の付勢力によって、ボール363が空気生成部通気路351側から導入口51を塞いでいる。
【0069】
又、圧縮室320には、図示しないが、外部から圧縮室320内に空気を入れるための吸入孔が備えられている。又、圧縮室320における図8の下方側には、ロッド案内口320aが備えられている。
【0070】
この筒状ケーシング321の上部の外周には、筒状のケーシング操作部材322が取付けられている。
【0071】
このケーシング操作部材322は、筒状ケーシング321に対して回転不能とされ、ケーシング操作部材322の回転操作に伴なって、筒状ケーシング321が共に回転するようになっている。
【0072】
又、このようにして筒状ケーシング321の上部の外周に配設されたケーシング操作部材322は、筒状ケーシング321の上方側に設けられた固定用ナット材324によって上方側から押さえ付けられるようにして固定されている。これにより、ケーシング操作部材322が、筒状ケーシング321に対して上下移動不能とされている。
【0073】
筒状ケーシング321の下部の外周側に、筒状のケーシング支持部材323を備えており、このケーシング支持部材323に支持されている。
【0074】
ケーシング支持部材323の下部には、図7に示すようにハブ取付部323a、323aを備え、ボルト323b、323bを介してハブ105の外周に固定されている。
【0075】
又、ケーシング支持部材323の内周壁には、筒状ケーシング321を支持するための雌ネジ部323cが備えられている。そして、この雌ネジ部323cに、筒状ケーシング321の下部の外周に設けられた雄ネジ部321aが螺合されている。これにより、筒状ケーシング321は、ネジ部321a、323cを介してハブ105に対して回転自在とされている。
【0076】
又、筒状ケーシング321が、ケーシング支持部材323に対して回転することにより、筒状ケーシング321は、車軸101の軸方向と略直交する方向に移動して車軸101に対して接近・退行する。尚、この圧縮室320を形成した筒状ケーシング321の車軸101に対する移動は、後述する圧縮操作手段330のピストンロッド340に対して移動し、圧縮空気生成部3における空気の圧縮比調整手段として機能する。
【0077】
筒状ケーシング321の回転は、回転量規制手段によって、規制されている。この回転量規制手段は、図9(A)に示すように、ケーシング支持部材323の外周に、周方向に所定間隔だけ隔てるようにして設けられた二つの突片323f、323fと、ケーシング操作部材322の内周に設けられた当接片322fとから構成されている。ケーシング操作部材322の当接片322fは、突片323f、323f間に配設されている。
【0078】
そして、ケーシング操作部材322は、当接片322fが一方の突片323fに当接した位置から、他方の突片323fに当接する位置までの範囲を、ケーシング支持部材323に対して回転する。この実施形態では、ケーシング操作部材322は、ケーシング支持部材323に対して略120度、回転するように設定されている。
【0079】
また、この実施形態では、上記筒状ケーシング321とケーシング支持部材323とを複数箇所で係脱可能に係止する係止手段を備えている。この係止手段は、図9(A)に示すように、ケーシング支持部材323の外周に設けられた係止部材323dと、ケーシング操作部材322の内周壁に設けられた係止部材受容部322a・・・322aとから構成されている。
【0080】
係止部材323dは、弾性を有する板バネから構成され、突起323eを備えている。そして、この係止部材323dは、ケーシング支持部材323に設けられた上記二つの突片323f、323fの間に周方向移動不能に配設されている。又、この状態で、突起323eが外周側に突出されている。
【0081】
係止部材受容部322a・・・322aは、ケーシング操作部材322の周方向に沿って等間隔に形成された複数のものから構成されている。各係止部材受容部322aは、突起323eを受容して係止し得る形状に、内周壁に窪まされるようにして形成されている。
【0082】
又、筒状ケーシング321は、図8に示すように筒状ケーシング用付勢部材としてのコイルバネ370によって、ケーシング支持部材323に対して車軸104に接近する方向に付勢されている。このコイルバネ370は、筒状ケーシング321の外周壁とケーシング支持部材323の内周壁との間に形成されたバネ収納部371に収納され、ケーシング支持部材323に対して筒状ケーシング321を常時、図の下方側の車軸104に付勢している。
【0083】
このコイルバネ370の付勢力によって、筒状ケーシング321の雄ネジ部321aとケーシング支持部材323の雌ネジ部323cとのネジ嵌合に際して形成される両者間のクリアランスの分だけ、常時筒状ケーシング321がケーシング支持部材323に対して下方側の車軸104に接近する方向に移動した状態にされている。これにより、筒状ケーシング321の回転量に対する軸方向の移動量の誤差を少なくできる。
【0084】
このようにしてハブ105に取り付けられた筒状ケーシング321の上部には、図7、図8に示すように接続用パイプ部材380が接続管381を介して取付けられている。これにより、接続用パイプ部材380の内部が筒状ケーシング321の空気生成部通気路351に、接続管381を介して連通されている。この連通により、接続用パイプ部材380の内部は、上記第3導入用通気路47cから分岐されたものとされている。
【0085】
この接続用パイプ部材380の上先端は、第1タイヤ空気補給用送出口53を形成しており、後車輪103の空気タイヤ108の空気収納部108bに接続されている。又、接続用パイプ部材380の内部及び接続管381の内部は、第1タイヤ空気補給送出用通気路382を構成しており、圧縮室320で生成された圧縮空気を第1タイヤ空気補給用送出口53に送り出す。尚、この接続用パイプ部材380の空気タイヤ108への接続は、上述した第3送出用通気路42cを形成したパイプ部材44bと前車輪102の空気タイヤ108との接続と同様にして行われている(図5参照)。
【0086】
また、この実施形態では、第1タイヤ空気補給送出用通気路382には、内部の空気圧を調整する空気圧調整手段390が備えられている。この実施形態の空気圧調整手段390は、図7に示すように接続管381に設けられた圧調整弁390から構成されている。この圧調整弁390は、接続管381の周壁に穿設された空気逃がし用孔381aを開閉する弁体391と、弁体391を付勢する付勢部材としてのコイルスプリング392とを備えている。
【0087】
そして、第1タイヤ空気補給送出用通気路382の空気圧により弁体391にかかる力が、弁体391を付勢するコイルスプリング392の付勢力以上になると、弁体391が第1タイヤ空気補給送出用通気路382内の空気によってコイルスプリング392の付勢力に抗して押圧される。これにより、空気逃がし用孔381aが開放され、第1タイヤ空気補給送出用通気路382内の空気が外にでる。
【0088】
一方、第1タイヤ空気補給送出用通気路382の空気圧が、弁体391を付勢するコイルスプリング392の付勢力以下になると、弁体391がコイルスプリング392の付勢力により空気逃がし用孔381aを閉鎖する。
【0089】
次に、圧縮空気生成部3の圧縮室320の空気を圧縮操作する圧縮操作手段330について説明する。圧縮操作手段330は、図8に示すように車軸104の径方向に伸ばされた棒状のピストンロッド340と、カム350とを備えている。
【0090】
ピストンロッド340は、圧縮室320を摺動する摺動部341と、カム350に当接するカム当接部342とを備えている。又、カム当接部342は、ローラー軸343と、ローラー軸343に回転自在に支持されカム350に設けられた後述のカム面351aに当接して転がり走行するローラー344とを備えている。
【0091】
カム350は、カム本体351と、ローラー軸343を支持する軸支持部材352とを備えている。カム本体351は、外周が円形状のものから構成され、外周に、ローラー344と当接するカム面351aが形成されている。又、カム本体351は、軸挿通孔351bを備えている。そして、この軸挿通孔351bに車軸104が挿通されて両側から固定用ナット353、353によって車軸104に固定されている。
【0092】
この軸挿通孔351bの軸心O2は、カム面351aの軸心O1から所定距離だけ隔てている。従って、カム面351aは、軸挿通孔351bの軸心O2から最も距離の小さい径小部A1と、軸心O2から最も距離の大きい径大部A2とを有するものとなっている。
【0093】
軸支持部材352は、円盤状のものから構成され、ローラー軸343を嵌挿する軸嵌挿孔352aを備えている。そして、この軸支持部材352は、カム本体351におけるカム面351aの側方側に、カム本体351に回転自在に支持されているとともに、軸嵌挿孔352aに、上記ローラー軸343が出し入れ可能に嵌挿されている。
【0094】
以上のように構成された第1実施形態の空気送り装置は、例えば自転車を走行させることにより、前後の両車輪102、103の空気タイヤ108、108を車軸104、104に対して回転させる。その回転に伴って、ハブ105、105が回転する。又、このハブ105、105の回転に際し、第3送出用通気路42cを形成したパイプ部材44bは、ハブ105、105と共に回転し、第1送出用通気路42aを形成したパイプ部材44a及び第2送出用通気路42bを形成した車軸104に対して回転するが、パイプ部材44bが回転接続部材45を介して回転するため、第3送出用通気路42cと、第1送出用通気路42a及び第2送出用通気路42bとを連通させた状態を維持させながら円滑に回転させることができる。同様に、第3導入用通気路47cを回転接続部材45を介して、第1導入用通気路47a及び第2導入用通気路47bと連通した状態を維持させながら円滑に回転させることができる。
【0095】
ハブ105が回転すると、ピストンロッド340のローラー344が、カム350のカム面351aを走行する。その走行に際し、ピストンロッド340のローラー軸343がカム350の軸支持部材352に嵌挿されて支持されているため、ピストンロッド340のローラー344は、常時カム面351aに当接して走行する。
【0096】
そして、その走行に際し、ピストンロッド340の摺動部341は、ローラー344がカム面351aの径小部A1にきたときの圧縮室320に対する摺動部341の位置B1(以下、下死点位置)から、ローラー344がカム面351aの径大部A2にきたときの圧縮室320に対する摺動部341の位置B2(以下、上死点位置)までの範囲を、圧縮室320の内壁面に沿って軸方向に往復動する。そして、摺動部341が、下死点位置B1から上死点位置B2に摺動する際に、空気を所定の圧縮比に圧縮する。
【0097】
圧縮室320で空気が圧縮されると、逆流防止弁362のボール363は、その圧縮された空気(以下、圧縮空気という)の空気圧によって圧縮室320側から押圧されて導入口51を開ける。これにより、圧縮室320内で圧縮された空気が、導入口51から第3送出用通気路47cの空気生成部通気路351に入り込む。
【0098】
空気生成部通気路351に入った圧縮空気は、第3送出用通気路47cのパイプ通気路47d、第2導入用通気路47b、第1導入用通気路47aを経て貯留槽41に入る。又、貯留槽41に入った圧縮空気は、第1送出用通気路42a、第2送出用通気路42b、第3送出用通気路42cを経て第2タイヤ空気補給用送出口52まで流れる。
【0099】
そして、第2タイヤ空気補給用送出口52まで流れた圧縮空気は、図5に示すように前車輪102の空気保持チューブ108bのバルブ108c内に入り、バルブ孔108eを塞いでいる弁体108fをバルブ108cの内側から押圧する。そして、空気送り装置の空気貯留部2の空気圧によって内側から弁体108fにかかる押圧力が、弁体108fの弾性力と空気保持チューブ108b内の空気圧によって弁体108fにかかる押圧力との合計よりも大きい場合は、バルブ孔108eを塞いでいる弁体108fを内側から押しのけ、空気貯留部2の圧縮空気が送出口53から空気保持チューブ108b内に流れ込む。
【0100】
そして、空気貯留部2の空気圧によって弁体108fにかかる押圧力と、弁体108fの弾性力と空気保持チューブ108b内の空気圧によって弁体108fにかかる押圧力との合計が同じになると、空気保持チューブ108b内への空気の流入は止まる。
【0101】
その後、経時により、空気保持チューブ108bの空気圧が低くなり、弁体108fの弾性力と空気保持チューブ108b内の空気圧により弁体108fにかかる押圧力との合計が、空気貯留部2の空気圧によって弁体108fにかかる押圧力よりも小さくなると、再度、バルブ孔108eを塞いでいる弁体108fを空気貯留部2の空気圧によって内側から押しのけ、空気貯留部2の圧縮空気が空気保持チューブ108b内に流れ込む。これにより、常時、前車輪102の空気保持チューブ103bの空気圧は、一定に保持される。
【0102】
又、第3送出用通気路47cの空気生成部通気路351に入り込んだ圧縮空気は、第1タイヤ空気補給送出用通気路382から第1タイヤ空気補給用送出口53に流れる。そして、後車輪103の空気保持チューブ108bのバルブ108c内に入り、上述した前車輪102の空気保持チューブ108bへの流入と同様に、後車輪103の空気保持チューブ108bに流れ込む。これにより、常時、後車輪103の空気保持チューブ103bの空気圧は、一定に保持される。
【0103】
尚、空気貯留部2の空気圧は、弁体108fの弾性力を考慮して空気保持チューブ103bの空気圧が空気タイヤに適した設定タイヤ圧になるまで空気貯留部2の空気が流れ込み空気タイヤの空気圧がその設定タイヤ圧になると流れ込みが止まるような設定空気圧値に、圧縮空気生成部3の圧縮比調整手段によって調整され、設定空気圧値以上に高くならいようにされている。
【0104】
又、仮に空気貯留部2の空気圧が上記設定値よりも高くなるように圧縮比調整手段によって設定された場合は、空気貯留部2の空気圧が設定空気圧値を超えると、圧調整弁390により塞がれていた空気逃がし用孔381aが開放され、空気貯留部2の空気を空気逃がし用孔381aから廃棄する。これにより、空気貯留部2の空気圧は、設定空気圧値に保持される。
【0105】
次に、圧縮空気生成部3において、空気の圧縮比を調整する場合について、図9(A)〜図10(B)に基づいて説明する。
【0106】
まず、この実施形態における圧縮比について説明する。ピストンロッド340の摺動部341が下死点位置B1にきたとき(図10(A)中の破線で示す位置)、圧縮室320は、最も容積が大きくなった拡大状態になる。又、ピストンロッド340の摺動部341が上死点位置B2(図10(A)の状態)にきたとき、圧縮室320は、拡大状態の容積から、摺動部341が下死点位置B1から上死点位置B2まで移動した移動量に相当する行程容積V2の分だけ小さくなって、最も容積の小さくなった縮小状態になる。そして、空気の圧縮比は、行程容積V2と縮小状態の容積V3とを合わした拡大状態の容積V1を、縮小状態の容積V3で除した値となる。
【0107】
そして、例えば圧縮比を小さくする場合は、図9(A)、図10(A)に示す状態から、ケーシング操作部材322を反時計方向に回転操作する。これにより、筒状ケーシング321の雄ネジ部321aがケーシング支持部材323の雌ネジ部323cに沿って回転し、図9(A)に示すように係止部材323dの突起323eが係止部材受容部322aの壁面に押圧されて弾性変形する。
【0108】
そして、この弾性変形によって、突起323eが係止部材受容部322aから出て、その係止部材受容部322aに隣接した次の係止部材受容部322aに入り込む。更に、ケーシング操作部材322を回転操作すると、突起323eは、更に次の係止部材受容部322aに入り込む。これにより、ケーシング操作部材322を、ケーシング支持部材323に対して、隣接する二つの係止部材受容部322a、322aにおけるケーシング操作部材322の回転中心O4からの中心角Pの分ずつ、ケーシング操作部材322を回転させて位置決めできる。この実施形態では、8度ずつ、回転させて位置決めできるように設定されている。従って、ケーシング支持部材323に対するケーシング操作部材322及び筒状ケーシング321の回転を、微調整できるとともに、正確に調整できる。
【0109】
そして、例えば図9(B)に示すように、ケーシング操作部材322の当接片322fが突片323fに当接するまで回転操作すると、圧縮室320を有する筒状ケーシング321が、その分、ケーシング支持部材323に対して回転し、その回転に伴なって、車軸104と退行する方向に移動する。
【0110】
その際、ピストンロッド340は、ローラー軸343がカム350の軸支持部材352に支持されているために移動せず、筒状ケーシング321だけが移動する。その結果、図10(B)に示すように、圧縮室320は、摺動部341が上死点位置B2にきた縮小状態での容積V31が筒状ケーシング321の移動した分に相当するだけ、図10(A)に示す移動前の縮小状態での容積V3より拡大する。
【0111】
そして、この状態から、摺動部341は、下死点位置B1まで移動し、その行程容積V2の分だけ大きくなって、拡大状態になる。従って、圧縮比は、縮小状態での容積V31に行程容積V2を合わした拡大容積V11を、縮小状態の容積V31で除した値になる。その際、行程容積V2は、同じであるため、この場合の圧縮比は、図10(A)に示す移動前の圧縮比より小さくなる。
【0112】
一方、圧縮比を大きくする場合は、図9(A)に示す状態から、上記とは反対にケーシング操作部材322を時計方向に回転操作する。これにより、圧縮比を大きくできる。
【0113】
尚、この第1実施形態では、後車輪103に圧縮空気生成部3を設け、空気貯留部2の第2タイヤ空気補給用送出口52を前車輪102の空気タイヤ108に接続し、第1タイヤ空気補給用送出口53を後車輪103の空気タイヤ108に接続するようにしているが、この形態のものに限らず、例えば前車輪102に圧縮空気生成部3を設け、空気貯留部2の第2タイヤ空気補給用送出口52を後車輪103の空気タイヤ108に、第1タイヤ空気補給用送出口53を前車輪102の空気タイヤ108に接続するようにしても良い。
【0114】
又、第1実施形態では、圧縮空気生成部3に圧縮比調整手段を備え、空気貯留部2に空気圧調整手段390を備えたものにしているが、何れか一方、又は、両方を設けないものにしても良い。ただし、両方を設けない場合は、空気貯留部2に一定圧の圧縮空気を送り込み、或いは、空気貯留部2での空気圧を一定に調整するのが困難となり、空気タイヤ108の空気圧を一定圧にし難くなる。
【0115】
又、圧縮比調整手段を設けずに空気圧調整手段390を設けた場合、圧縮室320で圧縮比の大きい圧縮空気を生成して空気貯留部2で空気圧を一定に調整することになる。しかし、圧縮室320で圧縮空気を生成する場合、圧縮比を大きくすればそれに比例してピストンロッド340からカム351にかかる力も大きくなる。その結果、車輪の回転抵抗が大きくなってしまう。一方、圧縮比調整手段を設けるようにすれば、必要最小限の空気圧にして空気貯留部2に送ることができ、車輪の回転抵抗を最小限に抑えることができができる。従って、この点で、圧縮比調整手段を設けておくのが好ましい。
【0116】
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。
【0117】
第2実施形態の空気送り装置は、自転車のブレーキ過熱防止兼用タイヤ空気補給用のものとして実施されている。
【0118】
第2実施形態における空気送り装置は、第1タイヤ空気補給用送出口53と、第2タイヤ空気補給用送出口52とブレーキ冷却用送出口420(図13に示す)との三つの送出口を備えている。
【0119】
又、空気貯留部2は、図11に示すようにケーシング411内に形成された貯留槽410と、送出用通気路42と、導入用通気路43と、第1タイヤ空気補給送出用通気路382と、貯留槽410の空気をブレーキ装置冷却用送出口420に送出するブレーキ冷却用通気路421を備えている。
【0120】
この第2実施形態におけるケーシング411は、車体本体101の一部を構成したシートステー101bに取り付けられている。
【0121】
又、この第2実施形態における貯留槽410と送出用通気路42とは、通気路用逆流防止弁490を介して接続されている。この通気路用逆流防止弁490は、送出用通気路42から貯留槽410への空気の逆流を防止するためのものである。
【0122】
この通気路用逆流防止弁490は、図12に示すように貯留槽410と送出用通気路42とを連通した通気路用連通口491を送出用通気路42側から開閉する弁体としてのボール493と、ボール493を付勢する付勢部材としてのコイルスプリング492とを備えている。従って、この第2実施形態では、貯留槽410と送出用通気路42とは、通気路用逆流防止弁490を介して区画されている。
【0123】
このようにして通気路用逆流防止弁490を介して貯留槽410と区画されるようにして接続された送出用通気路42は、先の第1実施形態のものと同様に、前車輪102の空気タイヤ108に延ばされている。
【0124】
又、この第2実施形態では、図13に示すように第1タイヤ空気補給送出用通気路382と筒状ケーシング321の空気生成部通気路351(図7参照)との間にも、生成装置用通気路逆流防止弁301が設けられている。この生成装置用通気路逆流防止弁301は、通気路用逆流防止弁490と同構成を採り、通気路用逆流防止弁490のボール493と同一のボール302及び通気路用逆流防止弁490のコイルスプリング492と同一のコイルスプリング303を備えている。
【0125】
そして、ボール302が、第1タイヤ空気補給送出用通気路382と空気生成部通気路351との間に、両者を連通するように設けられた生成装置用連通口304を、コイルスプリング303の付勢力によって塞ぐことができるようにされている。又、この生成装置用連通口304は、通気路用連通口491と同じ径に設定されている。
【0126】
更に、この第2実施形態では、先の第1実施形態における空気生成部通気路351に設けられていたと同様な空気圧調整手段としての圧調整弁480が、図12に示すように貯留槽410に設けられている。この圧調整弁480は、先の第1実施形態のものと同様に、貯留槽410を形成したケーシング411の壁面に穿設された空気逃がし用孔483を開閉する弁体481と、弁体481を付勢する付勢部材としてのコイルスプリング482とを備えている。
【0127】
この圧調整弁480は、空気保持チューブ103bの空気圧が設定タイヤ圧になり送出用通気路42の空気圧が設定タイヤ圧よりも高い設定空気圧なって貯留槽410の空気圧がその設定空気圧よりも高い一定値になると弁体481が開くように設定されている。
【0128】
又、この空気逃がし用孔483には、ブレーキ冷却用通気路421の前端側が接続されている。より詳しくは、図12に示すようにブレーキ冷却用通気路421は、パイプ部材421aの内部に形成されている。そして、このパイプ部材421aの前端側が、弁体481及びコイルスプリング482を収納した筒状の弁収納部材484に取り付けられている。これにより、空気逃がし用孔483とブレーキ冷却用通気路421とが通気可能に接続されている。
【0129】
このパイプ部材421aの後端は、ブレーキ装置冷却用送出口420を形成している。そして、このパイプ部材421aの後端側は、図11、図13及び図14に示すように後車輪103に設けられたブレーキ装置120に延ばされている。
【0130】
ここで、このブレーキ装置120について簡単に説明する。この実施形態で用いるブレーキ装置120は、内拡ブレーキ120から構成されている。この内拡ブレーキ120は、図13、図14に示すように被制動部材としてのドラム121と、制動部材としてのブレーキシュー122と、これらを覆うカバー123とを備えたものである。
【0131】
ドラム121は、円筒部121aを備え、この円筒部121aの内周側にライニング当接部121bを備えている。そして、このドラム121は、図13に示すようにハブ105の左部に設けられたドラム取り付け用ネジ105aに取り付けられることによりハブ105に固定されている。これにより、ライニング当接部121bが、ハブ105の回転に伴なって共に回転するようになっている。
【0132】
カバー123は、円板部123aと、円板部123aの外周先端に形成された筒部123bとを備えている。筒部123bには、ブレーキ冷却用通気路421を接続するパイプ接続口123cが、筒部123bの外周から内周側に貫通するように穿設されている。そして、このカバー123は、車軸104に通され、カバー固定用ナット123cを介して車軸104に固定されている。又、この固定により、カバー123の筒部123bがドラム121を外周側から覆う。
【0133】
ブレーキシュー122は、円弧状の一対のシュー片122a、122aを備えている。これらの各シュー片122a、122aは、外周側に合成ゴム製のライニング122b、122bを備えている。そして、これらのシュー片122a、122aは、図14に示すようにドラム121の内周側に、各シュー片122a、122aの基端部同士を通した固定ボルト122cを介してカバー123に回転自在に支持されている。従って、各シュー片122a、122aは、基端部を回転の軸にして先端側が回転するようになっている。又、これらのシュー片122a、122aの先端部間には、シュー片122a、122aを回転操作するシュー操作用カム124が配設されている。
【0134】
シュー操作用カム124は、径小部124aと、径小部124aより径の大きい径大部124bとを備えている。そして、シュー操作用カム124は、シュー操作用カム124を可動操作するためのアーム部材125が接続され、カバー123に、アーム部材125と共に回転し得るように取り付けられている。
【0135】
又、アーム部材125は、図11に示すブレーキワイヤ133を介してブレーキレバー132と接続されている。そして、ブレーキレバー132の操作によって、図15に示すようにアーム部材125が可動し、それに伴ない、シュー操作用カム124が回転する。
【0136】
その回転に際し、シュー操作用カム124の径大部124bが各シュー片122a、122aの先端部を押しのける。これにより、各シュー片122a、122aのライニング122b、122bがドラム121のライニング当接部121bに押し当たり、ドラム121の回転を制動できるようになっている。
【0137】
一方、ブレーキレバー132の操作を止めると、シュー片122a、122a同士を接続したコイルバネ126の付勢力によってシュー片122a、122aは、元の状態に戻り、ライニング122b、122bがドラム121のライニング当接部121bから離れる。
【0138】
そして、このように構成された内拡ブレーキ120におけるカバー123のパイプ接続口123cに、パイプ部材421aの後端が取り付けられている。これにより、パイプ接続口123cとブレーキ装置冷却用送出口420とが接続されている。上記以外の他の構成は、第1実施形態のものと同じである。
【0139】
以上のように構成された第2実施形態の自転車のブレーキ過熱防止兼用タイヤ空気補給用の空気送り装置の作用について説明する。
【0140】
圧縮室320で圧縮された圧縮空気は、導入口51から空気生成部通気路351に入り込む(図8参照)。空気生成部通気路351に入った圧縮空気は、第3送出用通気路47cのパイプ通気路47d、第1導入用通気路47a、第2導入用通気路47b、第1導入用通気路47aを経て貯留槽410に入る。
【0141】
又、貯留槽410に入った圧縮空気は、空気逃がし用孔483を閉じた圧調整弁480の弁体481及び通気路用連通口491を開じた通気路用逆流防止弁490のボール493を押圧する。そして、まず、貯留槽410の圧縮空気は、通気路用逆流防止弁490のボール493を押しのけて通気路用連通口491から送出用通気路42を経て第2タイヤ空気補給用送出口52まで流れる。
【0142】
送出用通気路42に入った圧縮空気は、前車輪102の空気保持チューブ108bのバルブ108c内に入り、バルブ孔108eを塞いでいる弁体108fを押圧し、空気保持チューブ108b内に流れ込む。そして、空気保持チューブ108bの弁体108fの弾性力と空気保持チューブ108b内の空気圧によって弁体108fにかかる押圧力との合計が、送出用通気路42の圧縮空気が弁体108fを押圧する押圧力とが同じになると、空気保持チューブ108b内への空気の流入は止まる。
【0143】
又、貯留槽410の通気路用連通口491が開くと略同時に、図13に示す生成装置用連通口304も開き、空気生成部通気路351から生成装置用連通口304を通って第1タイヤ空気補給送出用通気路382に入る。
【0144】
そして、第1タイヤ空気補給送出用通気路382に入った圧縮空気は、上述の前車輪103の場合と同様にして、空気保持チューブ108bに流入し、空気保持チューブ108bの空気圧が設定タイヤ圧になると、流入は止まる。
【0145】
空気保持チューブ108b内への空気の流入が止まった状態で、送出用通気路42及び第1タイヤ空気補給送出用通気路382は、空気保持チューブ108bの空気圧よりも高い一定の設定空気圧になる。又、貯留槽410も、送出用通気路42内の空気圧よりも高い一定の空気圧になり、平衡状態になる。
【0146】
そして、この平衡状態から、更に貯留槽410に圧縮空気が入ってきて、貯留槽410の空気圧が平衡状態の空気圧よりも高くなると、空気逃がし用孔483が開き、貯留槽410の空気が空気逃がし用孔483からブレーキ冷却用通気路421に入る。これにより、送出用通気路42、第1タイヤ空気補給送出用通気路382、空気保持チューブ108b、及び貯留槽410の空気圧は維持される。
【0147】
一方、ブレーキ冷却用通気路421に入った空気は、ブレーキ冷却用通気路421を通ってブレーキ装置冷却用送出口420からブレーキ装置120のパイプ接続口123cに入り、パイプ接続口123cからドラム121に向かって吹き付けられる。これにより、走行に際し、常時ドラム121に空気を吹き付けることができ、ドラム121とライニング122b、122bとの摩擦による熱の発生を抑えることができる。又、例えば夏場における直射日光等によりブレーキ装置120が過熱した場合でも、走行すれば冷却でき、ブレーキ装置120の過熱により支障をきたすようなことを防止できる。
【0148】
次に、本願発明の第3実施形態について説明する。
【0149】
第3実施形態の空気送り装置は、自転車のシートクッション及びブレーキ過熱防止兼用タイヤ空気補給用のものとして実施されている。この第3実施形態の空気送り装置における空気貯留部2は、図16に示すように第2タイヤ空気補給用送出口52、第1タイヤ空気補給用送出口53、ブレーキ装置冷却用送出口420に加え、更に、シートクッション用送出口520が設けられ、合計四つの送出口を備えている。
【0150】
又、空気貯留部2は、貯留槽410から空気をシートクッション用送出口520に送出するシートクッション用通気路521を備えている。
【0151】
シートクッション用通気路521は、パイプ部材521aの内部に形成されている。このパイプ部材521aの下端側は、送出用通気路42を形成したパイプ部材44aに接続されている。従って、この実施形態のシートクッション用通気路521は、送出用通気路42から分岐されるようになっている。
【0152】
一方、パイプ部材521aの上先端は、シートクッション用送出口520を形成している。そして、シートクッション用送出口520は、自転車の車体本体101に設けられた後述の空気保持部151の空気入口152に接続されている。
【0153】
この第3実施形態に用いられる自転車の車体本体101は、次のように構成されている。車体本体101は、図17に示すように、着座部としてのサドル部140を備えている。
【0154】
このサドル部140は、人が座るためのシートとしてのサドル141と、サドル141を支持したシート支持部142とを備えている。又、シート支持部142は、サドル141を支持したシート支持片143と、シート支持片143を上下移動可能に取り付けたシート取付部150とを備えている。
【0155】
シート取付部150は、内部に空気を保持した空気保持部151が備えられている。
【0156】
この空気保持部151には、空気を入れるための空気入口152が設けられている。この空気入口152に、パイプ部材521aが接続されることにより、シートクッション用送出口520と空気保持部151とが通気可能に接続されている。
【0157】
シート取付部150の下部側は、立てパイプ101a内に嵌挿されて固定されている。尚、このシート取付部150は、立てパイプ101aと別体のものから構成されるものに限らず、例えば立てパイプ101aの一部に構成しても良い。
【0158】
シート支持片143の上部側は、サドル141に固定されている。シート支持片143の下部側には、空気保持部151の空気を下方側に押圧する空気押圧部144を備えている。この空気押圧部144は、シート取付部150の空気保持部151の内周壁に沿って上下方向に摺動可能に、空気保持部151の内部に配設されている。
【0159】
このように構成されたサドル141に人が座る等して、サドル部140の空気押圧部144に下方向の力がかかると、空気押圧部144が空気保持部151内の空気を上方側から下方側に押圧し圧縮しながらサドル141と共に下方に側に摺動する。
【0160】
又、空気押圧部144にかかった力が軽減されると、圧縮された空気保持部151内の圧縮空気の空気圧によってサドル141が上方に戻る。これにより、サドル141に弾力性を持てせることができ、サドル141にかかる衝撃力を吸収でき、乗り心地の良好なものにできる。
【0161】
尚、この実施形態では、図17に示すように、空気保持部151には、空気押圧部144を上方側に付勢する押圧部用付勢部材としてのコイルバネ153が設けられており、空気保持部151を下方に摺動した空気押圧部144を、圧縮空気の空気圧によって上方に戻す際に補助できるようになっている。
【0162】
一方、空気保持部151は、空気送り装置と通気可能に連通されているため、常時、空気送り装置の貯留槽410と同じ空気圧に保持される。又、空気保持部151の空気圧が空気送り装置の貯留槽410の空気圧よりも低くなると、走行に伴ない圧縮空気生成部3により順次生成される圧縮空気を順次入れることができるため、空気保持部151を僅かの空気も逃げないように精密に製作しなくも良く、低コストで製作できる。第3実施形態におけるその他の構成は、先の第2実施形態と同構成を採っている。
【0163】
尚、この第3実施形態では、空気押圧部144で空気保持部151を押圧して空気保持部151の空気を圧縮するようにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更し得る。例えばサドル141の一部に空気保持部151を設け、サドル141に人が座ると、その荷重を空気保持部151が受けるようにしてサドル141自体に弾力性を持たせるようにしても良い。
【0164】
又、空気押圧部144を設ける場合において、上記実施形態のように、シート取付部150に空気保持部151を設け、サドル部140に空気押圧部144を設ける形態のものに限らず、シート支持片143に空気保持部151を設け、シート取付部150に空気押圧部144を設けることもでき、適宜変更できる。
【0165】
また、空気保持部151に、空気保持部151から送出用通気路42への空気の逆流を防止するための逆流防止弁を付設するようにしても良く、適宜変更できる。
【0166】
次に、本願発明の第4実施形態について説明する。
【0167】
第4実施形態の空気送り装置は、第1実施形態と同様に自転車のタイヤ空気補給用のものとして実施されているが、この第4実施形態の空気送り装置は、空気貯留部2と、導入口51と、第2タイヤ空気補給用送出口52とを備えたものとされ、先の第1実施形態から第3実施形態のように圧縮空気生成部3は設けられていない。
【0168】
この第4実施形態の空気貯留部2は、図18に示すように貯留槽601と、貯留槽601から第2タイヤ空気補給用送出口52に延ばされた送出用通気路42と、貯留槽601から導入口602への空気の逆流を防止する導入口用逆流防止手段603と、貯留槽601の空気圧を調整する空気圧調整手段としての圧調整弁480と、送出用通気路42から貯留槽601への空気の逆流を防止する通気路用逆流防止手段としての通気路用逆流防止弁490とを備えている。
【0169】
又、この第4実施形態の導入口602は、貯留槽601を形成したケーシング611の上壁面に設けられている。
【0170】
導入口用逆流防止手段603は、導入口602を開閉するボール621と、ボール621を付勢する付勢手段としてのコイルスプリング622とを備えている。ボール621は、コイルスプリング622の付勢力によって導入口602を貯留槽601の内側から塞いでいる。そして、コイルスプリング622の付勢力に抗して導入口602側からボール621を押圧することにより、導入口602が開放される。
【0171】
圧調整弁480及び通気路用逆流防止弁490は、先の第2実施形態のものと同構成を採っている。
【0172】
以上のように構成された第4実施形態の空気送り装置は、エアポンプ等により、導入口602から空気を貯留槽601に入れる。貯留槽601に入った空気は、先の第2実施形態で説明した同様に、空気逃がし用孔483を閉じた圧調整弁480の弁体481及び通気路用連通口491を開じた通気路用逆流防止弁490のボール493を押圧する。そして、貯留槽601の空気は、まず、通気路用逆流防止弁490のボール493を押しのけて通気路用連通口491から送出用通気路42を経て第2タイヤ空気補給用送出口52まで流れる。
【0173】
送出用通気路42に入った空気は、前車輪102の空気保持チューブ108b内に入り、空気保持チューブ108bの空気圧が空気タイヤに適した一定値になると、送出用通気路42から空気保持チューブ108bへの流入は止まるとともに、貯留槽601から送出用通気路42への流入は止まる。
【0174】
又、貯留槽601は、この状態における空気圧よりも高くなると、空気逃がし用孔483が開き、貯留槽601の空気が空気逃がし用孔483から貯留槽601の外に出る。従って、導入口51から貯留槽601に、空気逃がし用孔483から空気が出るまで入れれば良く、操作容易なものにできる。
【0175】
その後、経時により、空気保持チューブ108bの空気圧が低くなり、弁体108fの弾性力と空気保持チューブ108b内の空気圧により弁体108fにかかる押圧力との合計が、空気貯留部2の空気圧によって弁体108fにかかる押圧力よりも小さくなると、再度、バルブ孔108eを塞いでいる弁体108fを送出用通気路42の空気の空気圧によって内側から押しのけ、送出用通気路42の空気が空気保持チューブ108b内に流れ込む。
【0176】
又、送出用通気路42の空気が空気保持チューブ108b内に流れ込むと、貯留槽601の空気が、通気路用逆流防止弁490のボール493を押しのけて通気路用連通口491から送出用通気路42に入る。そして、送出用通気路42、空気保持チューブ108b、貯留槽601の各空気圧が平衡状態になるまで行われる。これにより、自然と空気保持チューブ108bに空気を補給できる。
【0177】
尚、この第4実施形態では、空気保持チューブ108bの空気圧が空気タイヤに適する設定タイヤ圧になった状態における貯留槽601の空気圧が圧調整弁480によって貯留槽601の最高空気圧になるようにし、その状態から順次空気保持チューブ108bに空気を補給することにより、空気保持チューブ108bの空気圧を、当初の設定タイヤ圧に近づけるようにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0178】
例えば通気路用逆流防止弁490に代えて通気路空気流入調整手段を設け、この通気路空気流入調整手段によって、送出用通気路42の空気圧が、空気保持チューブ108bの設定タイヤ圧になった状態における送出用通気路42の当初の空気圧よりも低くなると、自動的に貯留槽601から送出用通気路42に、その当初の空気圧になるまで空気を送出できるようにしても良い。
【0179】
次に、本願発明の第5実施形態について説明する。
【0180】
第5実施形態の空気送り装置は、第2実施形態と同様に、自転車のブレーキ過熱防止用として実施されている。
【0181】
又、第5実施形態の空気送り装置は、図19に示すように、空気貯留部2と、導入口602と、ブレーキ装置冷却用送出口420(図20、図21に図示)とが備えられている。
【0182】
空気貯留部2は、貯留槽701と、貯留槽701とブレーキ装置冷却用送出口420とを接続したブレーキ冷却用通気路421とを備えている。
【0183】
貯留槽701は、導入口用逆流防止手段603を介して導入口602と接続されている。これらの導入口用逆流防止手段603及び導入口602は、先の第4実施形態のものと同構成を採っている。
【0184】
ブレーキ冷却用通気路421には、図20に示すようにブレーキ装置冷却用送出口420に送る空気の送り出し量を調整する送り出し量調整手段430が備えられている。この実施形態における送り出し量調整手段430は、ブレーキ冷却用通気路421を開閉する開閉弁431を備えたものから構成されている。
【0185】
この開閉弁431は、図22(A)(B)に示すようにブレーキ冷却用通気路421内に、ブレーキ冷却用通気路421を開閉し得るように移動可能に配設された弁体432と、弁体432と内拡ブレーキ120のアーム部材125とを連結した連結部材433とを備えている。
【0186】
この第5実施形態の空気送り装置は、図20に示す状態からブレーキレバー132の操作によりブレーキワイヤ133が引っ張り操作されると、図21に示すようにアーム部材125が可動する。このアーム部材125の可動により、各シュー片122a、122aのライニング122b、122bがドラム121のライニング当接部121bに押し当たってドラム121の回転を制動する。
【0187】
又、アーム部材125の可動により、連結部材433が引っ張り操作される。これに伴ない、図21、図22(B)に示すように、弁体432が可動操作されてブレーキ冷却用通気路421を開く。これにより、ブレーキ装置冷却用送出口420に空気が流れ、空気を、ブレーキ装置冷却用送出口420から内拡ブレーキ120におけるカバー123のパイプ接続口123cを通してドラム121に吹き付け、ドラム121とライニング122b、122bとの摩擦により生じた摩擦熱を冷却できる.。
【0188】
一方、ブレーキレバー132の操作を止め、アーム部材125が図20に示す元の状態に戻ると、連結部材433が押し上げられる。これに伴ない、図22(A)に示すように、弁体432が可動操作されてブレーキ冷却用通気路421を閉じる。これにより、ブレーキ装置冷却用送出口420への空気の流れが止まる。従って、内拡ブレーキ120が作動していない間は、ブレーキ装置冷却用送出口420から空気が出ることがなく、貯留槽701の空気を効率的に使用できる。
【0189】
尚、この第5実施形態では、送り出し量調整手段としての開閉弁431は、内拡ブレーキ120が作動していない間、ブレーキ冷却用通気路421を閉じて空気を全くブレーキ装置冷却用送出口420から出ないようにしているが、この形態のものに限らず、例えば内拡ブレーキ120が作動していない間は、ブレーキ冷却用通気路421を、隙間が出きる程度に閉じてブレーキ装置冷却用送出口420からの空気の出る量を少なくしておき、内拡ブレーキ120が作動した場合に、ブレーキ冷却用通気路421を、より大きく開けてブレーキ装置冷却用送出口420からの空気の出る量を多くするようにしても良い。
【0190】
又、送り出し量調整手段は、ブレーキシュー122の動きに連動する形態のものであれば良い。例えば連結部材433を直接ブレーキシュー122に接続させるようにしても良い。
【0191】
尚、本願発明は、上記第1実施形態から第5実施形態で示した構成要素を適宜組み合わせて使用できる。例えば空気貯留部2に、第1タイヤ空気補給用送出口53、第2タイヤ空気補給用送出口52、ブレーキ装置冷却用送出口420、シートクッション用送出口520の内から選択される一又二以上のものを備えたものにしても良く、適宜変更し得る。
【0192】
又、上記第1実施形態から第3実施形態において、第1タイヤ空気補給用送出口53を設けずに第2タイヤ空気補給用送出口52を備えたものにした場合に、第2タイヤ空気補給用送出口52は、圧縮空気生成部3を設けた車輪と異なる車輪、又は、同じ車輪に設けることもできる。圧縮空気生成部3を設けた車輪と同じ車輪に設ける場合は、例えばその車輪の車軸の左又は右部に第2導入用通気路47bを構成する軸孔43aを形成し、車軸における第2導入用通気路47bと反対側の右又は左部に第2送出用通気路42bを構成する軸孔43aを形成することにより行うことができる。
【0193】
また、上記実施形態では、各送出口を、第1タイヤ空気補給用、第2タイヤ空気補給用、ブレーキ装置冷却用、シートクッション用の専用としているが、送出口を取外し可能にしておき、一つの送出口を複数の用途に使用するようにしても良い。例えば第1タイヤ空気補給用送出口53を、空気タイヤ108から外し、ブレーキ装置に空気を吹き付け可能に配設してブレーキ装置冷却用送出口として使用するようにしても良い。
【0194】
また、上記実施形態では、空気貯留部2を、ケーシングの内部に形成した貯留槽と、ホース部材等の内部に形成した通気路から構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更し得る。例えば空気貯留部2を、ホース部材の内部に形成し、空気貯留部2を通気路のみから構成するものであっても良い。
【0195】
又、上記実施形態では、本願発明を自転車に使用しているが、自転車に限らず、種々のものに適応できる。例えば一輪車、オートバイ、リヤカー等の二輪車、種々の三輪車、四輪車、或いは、エレベターの箱体に取り付けられて壁面を走行可能に設けられるエレベター用の車輪の空気タイヤ等に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1実施形態の空気送り装置を有する自転車の側面図である。
【図2】その自転車の前車輪の一部を、車軸と平行な方向に沿って断面にした要部拡大説明図である。
【図3】その自転車の前車輪の一部を、車軸と直交する方向に沿って断面にした要部拡大説明図である。
【図4】回転接続部材の断面説明図である。
【図5】空気タイヤとタイヤ空気補給用送出口との接続部の要部拡大断面図である。
【図6】その自転車の後車輪の一部を、車軸と平行な方向に沿って断面にした要部拡大説明図である。
【図7】その自転車の後車輪の一部を、車軸と直交する方向に沿って断面にした縦断面した要部拡大説明図である。
【図8】圧縮空気生成部の断面図である。
【図9】図9(A)は、図8のIX−IX線に沿う拡大断面図、図9(B)は、図9(A)の状態からケーシング操作部材を回転操作して筒状ケーシングを回転させた状態の拡大断面図。
【図10】図10(A)は、圧縮部の拡大縦断面説明図、図10(B)は、図10(A)の状態から圧縮比調整手段によって圧縮比を調整した後の圧縮部の拡大縦断面説明図である。
【図11】本願発明の第2実施形態の空気送り装置を有する自転車の側面図である。
【図12】第2実施形態の貯留槽の要部拡大断面図である。
【図13】第2実施形態の空気送り装置を有する自転車のハブの一部を横断面にした要部拡大断面説明図である。
【図14】ブレーキ装置の一部を断面にした拡大側面図である。
【図15】図14の状態からドラムにライニングを当接させた状態の一部を断面にした拡大側面図である。
【図16】本願発明の第3実施形態の空気送り装置を有する自転車の側面図である。
【図17】第3実施形態の空気送り装置を有する自転車のサドル部の一部の拡大断面図である。
【図18】本願発明の第4実施形態の空気送り装置の貯留槽の拡大断面図である。
【図19】本願発明の第5実施形態の空気送り装置の貯留槽の拡大断面図である。
【図20】第5実施形態の空気送り装置のブレーキ冷却用送出口及び送り出し量調整手段の拡大説明図である。
【図21】図20に示す状態からドラムにライニングを当接させた状態における送り出し量調整手段の拡大説明図である。
【図22】図22(A)は、送り出し量調整手段の拡大断面図、図22(B)は、図22(A)の状態から弁体が作動してブレーキ冷却用通気路を閉じた状態の拡大断面図である。
【符号の説明】
2・・・・・・・・・・・・・空気貯留部
3・・・・・・・・・・・・・圧縮空気生成部
41、410、601、701・・貯留槽
42・・・・・・・・・・・・送出用通気路
42b・・・・・・・・・・・第2送出用通気路
43・・・・・・・・・・・・導入用通気路
45・・・・・・・・・・・・回転接続部材
47b・・・・・・・・・・・第2導入用通気路
51、602・・・・・・・・導入口
52・・・・・・・・・・・・第2タイヤ空気補給用送出口
53・・・・・・・・・・・・第1タイヤ空気補給用送出口
102・・・・・・・・・・・・・前者輪
103・・・・・・・・・・・・・後者輪
104・・・・・・・・・・・・・車軸
105・・・・・・・・・・・・・ハブ
420・・・・・・・・・・・・ブレーキ冷却用送出口
520・・・・・・・・・・・・シートクッション用送出口

Claims (9)

  1. 車輪を支持した車体本体に装着される空気貯留可能な空気貯留部と、空気貯留部に空気を導入するための導入口と、空気貯留部の空気を空気貯留部の外に送出するための送出口とを備え、
    上記車輪は、上記車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、
    上記空気送り装置は、圧縮空気生成可能な圧縮空気生成部を備え、
    圧縮空気生成部は、車輪の車軸に対する空気タイヤの回転に際して空気を圧縮して圧縮空気を生成し、
    空気貯留部は、上記導入口から空気貯留部に空気を導入するための導入用通気路が備えられ、
    この導入用通気路は、車輪の車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2導入用通気路と、第2導入用通気路から車体本体側に延ばされた第1導入用通気路と、第2導入用通気路から上記導入口に延ばされた第3導入用通気路とを備え、
    上記導入口は、圧縮空気生成部に接続されることにより、圧縮空気生成部で生成した圧縮空気を上記導入口から導入用通気路を介して空気貯留部に導入可能とされ、
    上記圧縮空気生成部は、空気の圧縮比を調整し得る圧縮比調整手段を備え、
    上記圧縮空気生成部は、外部から空気を取り入れ可能な圧縮室と、圧縮室内の空気を圧縮操作する圧縮操作体とを備え、
    圧縮操作体は、圧縮室を摺動する摺動部と、車輪の車軸に固定されたカムに当接するカム当接部とを備え、
    カム当接部は、車軸に対する空気タイヤの回転に際して、空気タイヤと共にカムに追従しつつカムに対して回転することにより、摺動部が、圧縮室を拡大状態にする下死点位置から圧縮室を縮小状態にする上死点位置までの範囲を圧縮室の軸方向に摺動し、
    上記圧縮室は、車輪に設けられたハブに、ハブの外周側から移動操作可能に取付けられることにより、圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を変えることができるようにされ、
    上記圧縮比調整手段は、圧縮室の移動操作によって圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を変えることにより、圧縮室の拡大状態の容積と縮小状態の容積との比を調整するものであることを特徴とする空気送り装置。
  2. 上記車輪は、上記車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、
    上記車体本体は、車軸に対する空気タイヤの回転を制動するためのブレーキ装置を備え、
    上記送出口は、空気貯留部の空気をブレーキ装置に吹き付けることができるように配設可能なブレーキ装置吹き付け用送出口を備えたものであることを特徴とする請求項記載の空気送り装置。
  3. 上記ブレーキ装置は、空気タイヤと共に回転する被制動部材と、被制動部材に当接可能に可動して被制動部材の回転を制動する制動部材とを備え、
    上記空気送り装置は、制動部材の動きに連動してブレーキ装置吹き付け用送出口からの空気の送り出し量を調整する送り出し量調整手段を備えたものであることを特徴とする請求項記載の空気送り装置。
  4. 上記車体本体は、人が座るシートを有する着座部を備え、
    この着座部は、空気を保持した空気保持部を備え、
    空気保持部は、シートにかかる荷重を受けてシートに弾力性を持たせ得るように配設され、
    上記送出口は、空気貯留部の空気を空気保持部に送出できるように、空気保持部に接続可能なシートクッション用送出口を備えたものであることを特徴とする請求項からの何れかに記載の空気送り装置。
  5. 上記着座部は、シートを上下移動可能に支持したシート支持部を備え、
    空気保持部は、シート支持部に設けられ、
    シート支持部は、空気保持部の空気を押圧可能な空気押圧部を備え、
    空気押圧部は、シートに下方向の荷重がかかるに際して、空気保持部の空気を押圧し、この押圧によって、空気保持部の空気が圧縮されるとともに、シートが下方向に移動可能とされることにより、シートに弾力性を持たせるようにしたものであることを特徴とする請求項記載の空気送り装置。
  6. 上記車輪は、上記車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、
    上記空気送り装置の送出口は、空気タイヤに設けられた空気収納部に空気を送り込むことができるように、空気タイヤの空気収納部に接続可能なタイヤ空気補給用送出口を備え、
    空気貯留部は、空気貯留部の空気をタイヤ空気補給用送出口に送出するための送出用通気路を備え、
    送出用通気路は、車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2送出用通気路と、第2送出用通気路から車体本体側に延ばされた第1送出用通気路と、第2送出用通気路からタイヤ空気補給用送出口に延ばされた第3送出用通気路とを備えたものであることを特徴とする請求項からの何れかに記載の空気送り装置。
  7. 上記車体本体は、複数の車輪を支持し、
    各車輪は、上記車体本体に支持された車軸と、車軸に回転可能に支持された空気収納可能な空気タイヤとを備え、
    上記空気送り装置の圧縮空気生成部は、第1の車輪に設けられ、
    上記送出口は、空気タイヤに設けられた空気収納部に空気を送り込むことができるように、空気タイヤの空気収納部に接続可能なタイヤ空気補給用送出口を備え、
    タイヤ空気補給用送出口は、第2の車輪の空気タイヤの空気収納部に接続可能な第2タイヤ空気補給用送出口を備え、
    空気貯留部は、空気貯留部の空気をタイヤ空気補給用送出口に送出するための送出用通気路を備え、
    送出用通気路は、第2の車軸の軸方向に沿って車軸に明けられた第2送出用通気路と、第2送出用通気路から車体本体側に延ばされた第1送出用通気路と、第2送出用通気路から第2タイヤ空気補給用送出口に延ばされた第3送出用通気路とを備えたものであることを特徴とする請求項からの何れかに記載の空気送り装置。
  8. 上記タイヤ空気補給用送出口は、第1の車輪の空気タイヤの空気収納部に接続可能な第1タイヤ空気補給用送出口を備えたものであることを特徴とする請求項記載の空気送り装置。
  9. 上記空気送り装置は、ハブに対して圧縮室を複数の個所で係脱可能に係止する係止手段が備えられ、この係止手段によって、圧縮室に対する圧縮操作体の摺動部の下死点位置及び上死点位置を複数の個所で位置決めしながら変え得るようにしたことを特徴とする請求項からの何れかに記載の空気送り装置。
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