JP4223710B2 - アミンオキシドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、第二級および第三級の脂肪族アミンから高品質アミンオキシドを製造するための方法に関する。より詳しくは、本発明は、ヘアコンディショナーおよびシャンプー、練り歯磨き、洗濯用洗剤粉末、織物柔軟剤、化粧石鹸バーおよび化粧品、界面活性剤の製造において、並びに合成中間体および優れたスピントラッピング試薬等の他の応用において有用な、第二級および第三級脂肪族アミンからアミンオキシドを製造するための改良された方法に関する。
【0002】
N−オキシド類は、ヘテロ環の化学において、並びに生物医学的な領域において、重要な地位を保持している。第三級アミンオキシドは、織物の処理、およびヘアコンディショナーおよびシャンプー、練り歯磨き、洗濯用洗剤粉末、織物柔軟剤、化粧石鹸バーおよび化粧品の製造において、並びに他の応用において広く使用されている。それらは、オレフィンの金属により触媒されたヒドロキシル化およびエポキシ化反応における化学量論的な酸化剤としても使用された。他方、ナイトロン(nitrones)と呼ばれる、第二級アミンに由来するオキシドは、非常に価値ある合成中間体で、且つ優れたスピントラッピング試薬である。特に、ナイトロンは優れた1,3−双極子であって、生物学的に活性な種々の窒素含有化合物(例えばアルカロイドおよびラクタム)の合成のために利用されて来た。
【0003】
従来より、第三級アミンオキシドは、水、低級アルコール、アセトンまたは酢酸等の溶媒中で、水性過酸化水素等の強い酸化剤により、それぞれの第三級アミンを酸化することによって製造される。アミンオキシドを得るために、希釈、または好ましくは濃縮(30〜90重量%(質量%))過酸化水素溶液が、第三級アミンを含む水溶液に、化学量論的またはより多い量で添加される(米国特許第3,215,741号)。この方法に伴う欠点は、反応の完結よりかなり前に濃厚なペーストに似たゲルが形成され、それが更なる反応を遅延させることである。収率は、アミンオキシドの30〜40重量%(質量%)に過ぎない。生成物の質および収率を向上させるために、触媒および/キレート剤取込み等の他のいくつかの方法が開発されて来た。
【0004】
第二級アミンの場合、古典的な方法は、N−モノ置換されたヒドロキシルアミンのカルボニル化合物との縮合、またはN,N−ジ置換ヒドロキシルアミンの直接の酸化を含む。その後、均一的な条件下でナイトロンを製造するために、RC(μ−O)、NaWO−H、SeO、TPAP−NMOおよびUHP−M(M=Mo、W)、MTO−H等のいくつかの酸化系を用いる第二級アミンの直接酸化が開発されて来た。上記の全ての場合における欠点は、均一触媒/試薬を反応混合物から回収することた困難なことである。
【0005】
収率を改良するために、キレート化剤として、重金属で汚染されている場合があるジエテレン(ethelene)トリアミン ペンタ/テトラ酢酸を用いる第三級アミンの酸化が推奨されている米国特許第3,283,007号を参照することができる。使用される過酸化水素溶液は、少なくとも30〜75重量%(質量%)の濃度を有する。この方法の欠点は、40〜100℃の範囲にある高い反応温度、より長い反応期間、およびアミンオキシドのより低い収率である。
【0006】
キレート化剤、テトラアセチレンジアミン、その塩、ポリホスフェート、スタネート、ヒドロキシカルボン酸塩またはポリカルボン酸の塩の存在下で、0.01〜2重量%(質量%)の二酸化炭素を用いる30〜70重量%(質量%)の水性過酸化水素による第三級アミンの酸化を行うことによって、第三級アミンオキシドの高収率が達成される米国特許第3,424,780号を参照することができる。この反応は、40〜80℃の範囲の温度で行われる。この方法の欠点は、高い反応温度、より長い反応期間、および、反応の速度を上げるために二酸化炭素雰囲気が用いられた際には、形成されるアミンオキシドは激しく着色されること、およびこの方法は取り扱い施設を必要とするガス注入を必要とすることである。他の欠点は、30重量%(質量%)を越える過酸化水素の存在が、環境に優しくないことである。
【0007】
第三級アミンが高収率で反応され、ニトロソアミンの低い含有量を有する対応するアミンオキシドを与え、その第三級アミンの酸化が触媒としてのジアルキルカルボン酸エステル(もし適当ならば、助触媒としてのアスコルビン酸)の存在下で、45〜70重量%(質量%)の過酸化水素を用いて行われる他の米国特許第4,889,954号を参照することができる。上記の方法における欠点は、ゲル形成を避けるために頻繁な水の添加が必要なこと、高い反応温度、より長い反応期間、および反応混合物からの触媒の分離が困難なことである。
【0008】
オクタシアノモリブデートまたは鉄塩が触媒として用いられ、高い圧力および温度で第三級アミンの酸化のための分子状酸素が用いられる他の米国特許第4,565,891号を参照することができる。この方法の主な欠点は、90〜130℃の非常に高い温度が必要であること、および転化の11〜52%を報告しているアミンオキシドの非常に低い収率である。
【0009】
アセテートの存在下で二酸化炭素を用いて、過酸化水素と第三級アミンを反応させ、および冷却して生成物を沈殿させることによって、固体のアミンオキシドが製造できる米国特許第5,130,488号を参照することができる。この方法は、以前に公知のアミンオキシドを製造する方法より優れている。しかしながら、その使用は、時々溶媒の開裂、沈殿のために用いられる容器の壁のプレーティング、残存する過酸化物による生成物の汚染、および/又は生成物の変色をもたらす可能性がある。
【0010】
2−スルホニロキシキサジリジン(xaziridines)(デーヴィス試薬)を用いる第二級および第三級アミンの酸化が報告されているWalter W. Zajacらによる刊行物J.Org. Chem.;53、5856、1988を参照することができる。上記の方法の欠点は、その試薬が化学量論的な量で使用されることである。
【0011】
第二級アミン酸化のための触媒としてタングステン酸ナトリウムが用いられるシュンイチ ムラハシらによる刊行物、J. Org. Chem.;55、1736、1990を参照することができる。その欠点は、均一的な条件からの触媒の回収が困難なことである。
【0012】
第二級アミンの酸化における触媒としてメチルトリオキソレニウムが使用されるMurraayらによる他の刊行物J. Org.Chem.;61、8099、1996を参照することができる。その欠点は、触媒の回収における困難性である。
【0013】
本発明の主な目的は、より安価で、非腐食性で、リサイクル可能な触媒である、遷移金属酸化物のアニオンと交換された層状(layered)複水酸化物を用いる、環境に優しく簡単な第二級および第三級アミンのN−酸化のための方法であって、室温で過酸化水素の単により低いパーセンテージを利用して生成物の高収率を与える方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、洗剤、シャンプー、織物柔軟剤および生物医学的な領域で広く用いられる、第三級アミンオキシドおよび第二級アミンオキシド(ナイトロン)を製造するための改良された方法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、非腐食性で、低コストの不均一触媒、すなわちタングステート、モリブデート、バナデートおよびそれらのポリアニオンと交換された層状複水酸化物を使用することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、水を単独で、または添加剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩と組み合わせて用いて、第三級アミンオキシドおよびニトロンを製造するための環境に優しいプロセスを提供することである。
【0017】
したがって、本発明は、水、ドデシルベンゼンスルホン酸塩添加剤を含有する水、または水と混和可能な有機溶媒から選ばれた溶媒中で、10〜25℃の範囲内の温度で連続的な撹拌下に1〜6時間の期間、リサイクル可能な不均一触媒、遷移金属酸化物のアニオンと、タングステート、モリブデート、バナデート、およびそれらのポリアニオン(すなわち、ポリオキソメタレート)と交換された層化された複水酸化物の存在下で、酸化剤としての過酸化水素と第三級または第二級アミンとを反応させ;および単純濾過により生成物を分離し;次いで公知の方法によって溶媒を蒸発させることを含む、非常に高品質のアミンオキシドの改良された製造方法を提供する。
【0018】
本発明の一態様において、用いられる不均一な触媒は、タングステート、モリブデート、バナデート、およびそれらのポリアニオン、すなわち式II:[MII (1−x)III (OH)][An−x/2・zHOを有するLDHから誘導された式I:[MII (1−x)III (OH)][Mn−x/2・zH
(式中、MはW、Mo、Vからなる群から選ばれる遷移金属酸化物であり、An−はナイトレート、クロライドから選ばれる格子間アニオンであり、およびMIIはMg2+、Mn2+、Fe2+、V2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Pd2+またはCa2+からなる群から選ばれる二価カチオンであり、MIIIはAl3+、Cr+、V3+、Mn3+、Fe3+、Co3+、Ni3+、Rh3+、Ru3+、Ga3+またはLa3+からなる群から選ばれる三価のイオンである)を有するポリオキソメタレートからなる群から選ばれる遷移金属酸化物と交換された層状複水酸化物である。
【0019】
本発明の他の態様において、用いられる第三級アミンは、一般式RNR
(式中、R、RおよびRは同一または異なることができ、C〜C24炭素を有するアラルキル、アルキル、およびアルケニルから選ばれる直鎖または分枝鎖基である)
を有し、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン;およびイミダゾリン、ピリジジン、N−置換ピペラジン、N−置換ピペラジン、またはN−置換モルホリン(例えばN−メチルモルホリン)から選ばれる環状アミンから選ばれる。
【0020】
本発明の他の態様において、系で用いられる第二級アミンは、一般式RNH
(式中、RおよびRは同一または異なることができ、C〜C24炭素を有するアラルキル、アルキル、およびアルケニルから選ばれる直鎖または分枝鎖基である)
を有し、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−フェニルベンジルアミン;およびピペリジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから選ばれる環式アミンから選ばれる。
【0021】
本発明の他の態様において、水性過酸化水素は、0〜120分の範囲の期間で、制御された方法でゆっくり添加される。
【0022】
本発明の他の態様において、系に導入される触媒は、タングステート、モリブデート、バナデートおよびポリオキソメタレートとしてのそれらのポリアニオンから選ばれる6〜12重量%(質量%)の遷移金属酸化物アニオンである。
【0023】
本発明の更に他の態様において、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびイソブチルアルコールからなる群から選ばれる水と混和可能な有機溶媒が用いられる。
【0024】
本発明の更に他の態様において、用いられる過酸化水素の量は、アミンのモルにつき、2〜6モルの範囲にある。
【0025】
本発明の触媒は、混和可能な有機溶媒、水、または添加剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を含有する水中で、第二級および第三級アミンの酸化を触媒するリサイクル可能な不均一触媒、すなわちタングステート、モリブデート、バナデートおよびそれらのポリアニオン、すなわちポリオキソメタレートと交換された層状複水酸化物を含む。触媒の低いコスト、数回の再利用可能性、および短い期間における10〜25℃、室温より低くまたは室温でアミンを酸化するその能力等の利点により、本発明は、アミンオキシド製造へのクリーンで効率的な産業的ルートに有望な候補となる。
【0026】
平行して出願中の出願第09/721,585号は、水と混和可能な有機溶媒中で、10〜25℃の範囲内の温度で連続的な撹拌下に1〜6時間、リサイクル可能な不均一な触媒、遷移金属酸化物のアニオンと、タングステート、モリブデート、バナデート、およびそれらのポリアニオン、すなわちポリオキソメタレートと交換された層状複水酸化物の存在下で、酸化剤としての過酸化水素と、第三級または第二級アミンとを反応させ;および単純濾過により生成物を分離し;次いで公知の方法によって溶媒を蒸発させることによる高品質アミンオキシドの製造方法を開示している。
【0027】
本発明の新規性は、第二級および第三級アミンのN−酸化に対する初めての不均一触媒の使用に存する。層状複水酸化物中にインターカレートされた遷移金属酸化物のアニオンは、アミンのアミンオキシドへの酸化を効果的に触媒する。触媒は単純な濾過によって除去され、このように得られた固体触媒は、新しい触媒の任意の添加なしで、数回の間リサイクルされる。いくつかのサイクル、緩和な反応条件、より短い反応時間のための一貫した(consistent)活性は、その方法を経済的で、商業的に実現可能なものとする。
【0028】
本発明によれば、有機溶媒中、10〜25℃の範囲内の温度で連続的な撹拌下に1〜6時間、リサイクル可能な不均一触媒たる、遷移金属酸化物のアニオンと、またはタングステート、モリブデート、バナデート、およびそれらのポリアニオン(すなわち、ポリオキソメタレート)と交換された層状複水酸化物の存在下で、酸化剤としての過酸化水素と第三級または第二級アミンを反応させることにより、非常に高品質のアミンオキシドが製造される。この生成物は、単純濾過により分離され、溶媒は公知の方法により蒸発される。
【0029】
用いられる不均一な触媒は、タングステート、モリブデート、バナデート、およびそれらのポリアニオン、すなわち式II:[MII (1−x)III (OH)][An−x/2・zHOを有するLDHから誘導された式I:[MII (1−x)III (OH)][Mn−x/2・zH
(式中、MはW、Mo、Vからなる群から選ばれる遷移金属酸化物であり、An−はナイトレート、クロライドから選ばれる格子間アニオンであり、およびMIIはMg2+、Mn2+、Fe2+、V2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Pd2+またはCa2+からなる群から選ばれる二価カチオンであり、MIIIはAl3+、Cr+、V3+、Mn3+、Fe3+、Co3+、Ni3+、Rh3+、Ru3+、Ga3+またはLa3+からなる群から選ばれる三価のイオンである)を有するポリオキソメタレートからなる群から選ばれる遷移金属酸化物と交換された層状複水酸化物である。用いられる第三級アミンは、一般式RNR
(式中、R、RおよびRは同一または異なることができ、C〜C24炭素を有するアラルキル、アルキル、およびアルケニルから選ばれる直鎖または分枝鎖基である)を有し、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン;およびイミダゾリン、ピリジジン、N−置換ピペラジン、N−置換ピペラジン、またはN−置換モルホリン(例えばN−メチルモルホリン)から選ばれる環状アミンから選ばれる。
【0030】
用いられる第二級アミンは、一般式RNH
(式中、RおよびRは同一または異なることができ、C〜C24炭素を有するアラルキル、アルキル、およびアルケニルから選ばれる直鎖または分枝鎖基である)
を有し、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−フェニルベンジルアミン;およびピペリジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから選ばれる環式アミンから選ばれる。
【0031】
水性過酸化水素は、0〜l20分の範囲の期間で、制御された方法でゆっくり添加される。系に導入される触媒は、一般に、タングステート、モリブデート、バナデートおよびポリオキソメタレートとしてのそれらのポリアニオンから選ばれる6〜12重量%(質量%)の遷移金属酸化物のアニオンである。水と混和可能な有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびイソブチルアルコールからなる群から選ばれる。用いられる過酸化水素の量は、アミンのモルにつき2〜6モルの範囲である。
【0032】
アミンのアミンオキシドへの酸化における触媒サイクルは、タングステートの過酸化水素との相互作用に基づくペルオキソタングステート、HOOWO /HOOWO の容易な形成を含む。これらのペルオキシ種は、NaWOにより触媒された過酸化水素による第二級アミンの酸化に対してムラハシらによって記述されたような第二級/第三級アミンの酸化のための活性種として作用するであろう。第二級アミンは、ペルオキソタングステート種による求核反応を受けて、ヒドロキシルアミンを与える。ヒドロキシルアミンの更なる酸化、これに続く脱水は、ナイトロンを与える。第三級アミンの場合には、第三級アミンオキシドを形成するための単一の段階で、ペルオキソタングステート種から第三級アミンへの酸素移動が起こる。このように形成されたHOWO−/HOWO−種は、Hの他の分子により容易に酸化されて、ペルオキソタングステートHOOWO /HOOWO を与え、このように触媒サイクルを完結させる。
【0033】
以下の例は、本発明の例証として挙げられ、したがって、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。
【0034】
例1
種々の触媒の製造
1.Mg−Alハイドロタルサイト(hydrotalcite)(LDH)クロライドの製造:
Mg−Al−Clハイドロタルサイト(3:1)を、以下のように製造する:約200mlの脱炭酸および脱イオン水を、1リットルの四首丸底フラスコに取り、窒素流れの下で磁気撹拌機により25℃で攪拌した。AlCl・9HO(12.07g)、MgCl・6HO(30.49g)(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ(Sigma Aldrich)社、スイスから入手)の脱炭酸された溶液の混合物(Al3+=0.05モル/l)、(Mg2+≒0.15モル/l)および水酸化ナトリウム(16g、0.2モル/l)の水溶液を、ビューレットから滴状で連続的に添加し、反応の間、反応混合物のpHを10.00〜10.2に維持した。得られた沈殿物を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、70℃で15時間乾燥させた。
【0035】
a)Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)タングステート(触媒A)の製造:
12%の程度のアニオン交換に到達するために、1gのMg−Al−Clハイドロタルサイトを、100mlのl.87mM(0.616g)のタングステン酸ナトリウム水溶液(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)中で293Kで24時間攪拌した。その固体触媒を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、凍結乾燥して乾固(dryness)した。
【0036】
b)Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)モリブデート(触媒B)の製造:
12%の程度のアニオン交換に到達するために、1gのMg−Al−Clハイドロタルサイトを、100mlのl.87mM(0.452g)のモリブデン酸ナトリウム水溶液(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)中で293Kで24時間攪拌した。その固体触媒を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、凍結乾燥して乾固した。
【0037】
c)Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)バナデート(触媒C)の製造:
12%の程度のアニオン交換に到達するために、1gのMg−Al−Clハイドロタルサイトを、100mlのl.87mM(0.456g)のバナジン酸ナトリウム水溶液(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)中で293Kで24時間攪拌した。その固体触媒を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、凍結乾燥して乾固した。
【0038】
2.Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)ナイトレートの製造:
硝酸マグネシウム六水和物(30.8g、0.l2モル)、および硝酸アルミニウム非水和物(15.0g、0.04モル)を、100mlの脱イオンおよび脱炭酸した水に溶解した。2MのNaOHを添加することにより、溶液のpHを10に調整した。得られた懸濁液を、室温で2時間攪拌した。沈殿物ハイドロタルサイトを濾過によって集め、N雰囲気下、80℃で一晩中乾燥した。
【0039】
a)Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)タングステート(触媒D)の製造:
12%の程度のアニオン交換に到達するために、1gのMg−Al−NOハイドロタルサイトを、100mlのl.87mM(0.616g)のタングステン酸ナトリウム溶液(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)中で293Kで24時間攪拌した。その固体触媒を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、凍結乾燥して乾固した。
【0040】
3.Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)カーボネートの製造:
Mg−Al−COハイドロタルサイト(3:1)を、以下のように製造した:Mg(NO・6HO(0.2808モル)、およびAlCl・9HO(0.093モル)(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)を含む水溶液(0.280 l)を、1.0リットルの丸底フラスコ内で、激しく攪拌しつつ、NaOH(0.6562モル)およびNaCO(0.3368モル)を含む第2の溶液(0.280 l)にゆっくり添加した。添加は、3時近くを要した。次いで、そのスラリーを338Kで16時間加熱した。形成された沈殿物を濾過して除き、濾液のpHが7になるまで、熱い蒸留水で洗浄した。その沈殿物を、オーブン中、353Kで15時間乾燥させた。
【0041】
a)Mg−Alハイドロタルサイト(LDH)タングステート(触媒E)の製造:
12%の程度のアニオン交換に到達するために、1gの焼成(空気の流れ中、723Kで6時間)したMg−Al−COハイドロタルサイトを、100mlのl.87mM(0.616g)のタングステン酸ナトリウム溶液(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)中で293Kで24時間攪拌した。その固体触媒を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、凍結乾燥して乾固した。
【0042】
4.Ni−Alハイドロタルサイト(LDH)クロライドの製造:
Ni−Alハイドロタルサイト クロライド(3:1)を、以下のように製造した:約200mlの脱炭酸および脱イオン水を、1リットルの四首丸底フラスコに取り、窒素流れの下で磁気撹拌機により25℃で攪拌した。AlCl・9HO(12.07g)、NiCl・6HO(35.65g)(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)の脱炭酸された溶液の混合物(Al3+=0.05モル/l)、(Ni2+=0.15モル/l)、および水酸化ナトリウム(16g、0.2モル/l)の水溶液を、ビューレットから滴状で連続的に添加し、反応の間、反応混合物のpHを10.00〜10.2に維持した。得られた沈殿物を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、70℃で15時間乾燥させた。
【0043】
a)Ni−Alハイドロタルサイト(LDH)タングステート(触媒F)の製造:
12%の程度のアニオン交換に到達するために、1gのNi−Alハイドロタルサイト クロライドを、100mlのl.87mM(0.616g)のタングステン酸ナトリウム水溶液(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)中で室温で24時間攪拌した。その固体触媒を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、凍結乾燥して乾固した。
【0044】
5.Ni−Alハイドロタルサイト(LDH)ナイトレートの製造:
硝酸ニッケル六水和物(34.8g、0.l2モル)、および硝酸アルミニウム非水和物(15.0g、0.04モル)を、100mlの脱イオンおよび脱炭酸した水に溶解した。2MのNaOHを添加することにより、溶液のpHを10に調整した。得られた懸濁液を、室温で2時間攪拌した。沈殿物ハイドロタルサイトを濾過によって集め、N雰囲気下、80℃で一晩中乾燥した。
【0045】
a)Ni−Alハイドロタルサイト(LDH)タングステート(触媒G)の製造:
12%の程度のアニオン交換に到達するために、1gのNi−Al−NOハイドロタルサイトを、100mlのl.87mM(0.616g)のタングステン酸ナトリウム溶液(M/s. Fluka、シグマオールドリッチ社、スイスから入手)中で293Kで24時間攪拌した。その固体触媒を濾過し、脱イオンおよび脱炭酸した水で洗浄し、凍結乾燥して乾固した。
【0046】
6.(BuN)PO[WO(Oの製造:
lmlの水中の、H[PW1240]の6ミリモル(または1.65g)のタングステンの水溶液に、過酸化水素(30%w/w)のl00ミリモル(l0ml)を加えた。30分後、テトラブチルアンモニウムクロライド(1.6ミリモル)の水溶液をゆっくり加えた。結果として生じる白沈殿を濾過し、数回水で洗浄し、次いで空気乾燥した。
【0047】
a)LDH−{[POWO(O)]}(触媒H)の製造:
上記の合成された複合体(0.46ミリモル)を、3mlの水中の1.0gのMg−Al−Cl LDH上で交換し、これに、1mlの過酸化水素(30%、w/w)を滴状で加え、室温で16時間撹拌を続けた。最終的に、触媒を濾過して、水および水−アセトン(1:1)、アセトンで洗浄し、減圧で乾燥した。
【0048】
例2
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された、水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
四首のフラスコに、0.22ml(2ミリモル)のN−メチルモルホリン、200mgの触媒A、および50mlの水を入れた。その混合物に、連続的な撹拌下25℃で、6.6ml(6ミリモル)の30重量%(質量%)の過酸化水素水溶液を2〜3回に分けて0.5時間で滴下により加えた。反応を、更に0.5時間続けた。反応(TLCによって追跡した)の完結の後、触媒を濾過して除き、メタノールで洗浄した。濾液に少量の二酸化マンガンを加えて、未反応の過酸化水素を分解した。処理した反応混合物を濾過して固体のMnOを除去し、減圧下で濃縮して生成物を得た。このように得られた生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアミンオキシドを得た。96%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。この生成物は、Fluka、オールドリッチ、ランカスターおよびメルク社から商業的に入手可能である。
【0049】
例3
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された、水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化:(リサイクル−I)
新しい触媒の更なる添加なしで、例2で使用した触媒Aを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。96%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0050】
例4
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化:(リサイクル−II)
新しい触媒の更なる添加なしで、例3で使用した触媒Aを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。95%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0051】
例5
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化:(リサイクル−III)
新しい触媒の更なる添加なしで、例4で使用した触媒Aを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。94%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0052】
例6
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化:(リサイクル−IV)
新しい触媒の更なる添加なしで、例5で使用した触媒Aを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。94%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0053】
例7
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化:(リサイクル−V)
新しい触媒の更なる添加なしで、反応6で使用した触媒Aを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。95%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0054】
例8
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたモリブデートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
触媒Bを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3.5時間であった。90%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0055】
例9
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたバナデートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
触媒Cを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3.5時間であった。40%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0056】
例10
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
触媒Dを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。95%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0057】
例11
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
触媒Eを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。96%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0058】
例12
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
触媒Fを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、1.5時間であった。95%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0059】
例13
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
触媒Gを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、1.5時間であった。95%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0060】
例14
LDH−{[PO WO(O )] }によって触媒されたN−メチルモルホリンの酸化
触媒Hを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3.5時間であった。40%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0061】
例15
Na WO によって触媒されたN−メチルモルホリンの酸化
NaWOを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3.5時間であった。75%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0062】
例16
NaVO によって触媒されたN−メチルモルホリンの酸化
NaVOを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3.5時間であった。15%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0063】
例17
Na MoO によって触媒されたN−メチルモルホリンの酸化
NaMoOを用いることによって、N−メチルモルホリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3.5時間であった。48%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。
【0064】
例18
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化
四首のフラスコに、0.22ml(2ミリモル)のN−メチルモルホリン、200mgの触媒A、および50mlの水を入れた。これに、6mgのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を界面活性剤として加えた。界面活性剤として加えた。この混合物に、連続的な撹拌下25℃で、6.6ml(6ミリモル)の30重量%(質量%)の過酸化水素水溶液を2〜3回に分けて0.5時間で滴下により加えた。反応を、更に0.5時間続けた。反応(TLCによって追跡した)の完結の後、触媒を濾過して除き、メタノールで洗浄した。濾液に少量の二酸化マンガンを加えて、未反応の過酸化水素を分解した。処理した反応混合物を濾過して固体のMnOを除去し、減圧下で濃縮して生成物を得た。このように得られた生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するアミンオキシドを得た。96%収率のN−メチルモルホリン N−オキシドを得た。この生成物は、Fluka、オールドリッチ、ランカスターおよびメルク社から商業的に入手可能である。
【0065】
例19
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるトリエチルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、トリエチルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3時間であった。96%収率のトリエチルアミン N−オキシドを得た。
【0066】
例20
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるトリエチルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、トリエチルアミンの酸化反応を例18において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、1.5時間であった。96%収率のトリエチルアミン N−オキシドを得た。
【0067】
例21
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるトリブチルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、トリブチルアミンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3時間であった。94%収率のトリブチルアミン N−オキシドを得た。
【0068】
例22
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジブチル ベンジルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジブチル ベンジルアミンの酸化反応を、例2の場合と同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、1.5時間であった。96%収率のN,N−ジブチル ベンジルアミン N−オキシドを得た。
【0069】
例23
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジブチル ベンジルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジブチル ベンジルアミンの酸化反応を、例18の場合と同一の手順で行った。95%収率のN,N−ジブチル ベンジルアミン N−オキシドを得た。
【0070】
例24
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−ベンジル ピペリジンの酸化
触媒Aを用いることによって、N−ベンジル ピペリジンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3時間であった。97%収率のN−ベンジル ピペリジン N−オキシドを得た。
【0071】
例25
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN−ベンジル ピペリジンの酸化
触媒Aを用いることによって、N−ベンジル ピペリジンの酸化反応を例18において詳述したものと同一の手順で行った。97%収率のN−ベンジル ピペリジン N−オキシドを得た。
【0072】
例26
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジメチルデシルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジメチルデシルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、2.5時間であった。97%収率のN,N−ジメチルデシルアミン N−オキシドを得た。この生成物は、商品名Barlox l0S(規格:30重量パーセント(質量%)のデシルジメチル第三級アミンオキシド)の下でLonza社から商業的に入手可能である。
【0073】
例27
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジメチルオクチルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジメチルオクチルアミンの酸化反応を、例2の場合と同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、2.5時間であった。95%収率のN,N−ジメチルオクチルアミン N−オキシドを得た。
【0074】
例28
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジメチルオクチルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジメチルオクチルアミンの酸化反応を、例18の場合と同一の手順で行った。95%収率のN,N−ジメチルオクチルアミン N−オキシドを得た。
【0075】
例29
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジメチル ベンジルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジメチル ベンジルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、1.5時間であった。95%収率のN,N−ジメチル ベンジルアミン アミンN−オキシドを得た。
【0076】
例30
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジメチル ベンジルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジメチル ベンジルアミンの酸化反応を例18において詳述したものと同一の手順で行った。96%収率のN,N−ジメチル ベンジルアミン アミンN−オキシドを得た。
【0077】
例31
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジメチル シクロヘキシルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3時間であった。96%収率のN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン N−オキシドを得た。
【0078】
例32
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるN,N−ジメチル シクロヘキシルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンの酸化反応を例18において詳述したものと同一の手順で行った。95%収率のN,N−ジメチルシクロヘキシルアミン N−オキシドを得た。
【0079】
例33
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるジブチルアミンの酸化
触媒Dを用いることによって、ジブチルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は3時間であった。96%収率のN−ブチリデン−ブチルアミン N−オキシドを得た。
【0080】
例34
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるジブチルアミンの酸化
触媒Eを用いることによって、ジブチルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は3時間であった。95%収率のN−ブチリデン−ブチルアミン N−オキシドを得た。
【0081】
例35
Ni/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるジブチルアミンの酸化
触媒Fを用いることによって、ジブチルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は3時間であった。96%収率のN−ブチリデン−ブチルアミン N−オキシドを得た。
【0082】
例36
Ni/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステートによって触媒された水性過酸化水素を用いるジブチルアミンの酸化
触媒Gを用いることによって、ジブチルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は3時間であった。95%収率のN−ブチリデン−ブチルアミン N−オキシドを得た。
【0083】
例37
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換された水性過酸化水素を用いるタングステートによって触媒されたジブチルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、ジブチルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は3時間であった。97%収率のN−ブチリデン−ブチルアミン N−オキシドを得た。
【0084】
例38
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換された水性過酸化水素を用いるタングステートによって触媒されたジベンジルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、ジベンジルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は5時間であった。60%収率のN−ベンジリデンベンジルアミン N−オキシドを得た。
【0085】
例39
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換された水性過酸化水素を用いるタングステートによって触媒されたN−ベンジル フェネチルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N−ベンジル フェネチルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、6時間であった。90%収率のN−(1−メチルベンジリデン)フェニルアミン N−オキシドを得た。
【0086】
例40
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換された水性過酸化水素を用いるタングステートによって触媒されたN−フェニル ベンジルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、N−フェニル ベンジルアミンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、4時間であった。93%収率のN−ベンジリデン フェニルアミン N−オキシドを得た。
【0087】
例41
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換された水性過酸化水素を用いるタングステートによって触媒されたピペリジンの酸化
触媒Aを用いることによって、ピペリジンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3時間であった。92%収率の2,3,4,5−テトラヒドロピリジン N−オキシドを得た。
【0088】
例42
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換された水性過酸化水素を用いるタングステートによって触媒された1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの酸化
触媒Aを用いることによって、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの酸化反応を例2において詳述したものと同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、5時間であった。93%収率の3,4−ジヒドロイソキノリン N−オキシドを得た。
【0089】
例43
Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換された水性過酸化水素を用いるタングステートによって触媒されたジイソプロピルアミンの酸化
触媒Aを用いることによって、ジイソプロピルアミンの酸化反応を例2の場合と同一の手順で行った。反応の完結に要した時間は、3時間であった。92%収率のN−(1−メチルエチリデン)−1−メチルエチルアミン N−オキシドを得た。
【0090】
表1 Mg/Al(3:1)層状複水酸化物で交換されたタングステート(触媒A)によって触媒された水性過酸化水素を用いるN−メチルモルホリンの酸化における触媒の再利用可能性
【0091】
【表1】
Figure 0004223710
【0092】
a:例2で例示した反応条件
b:単離収率
表2 種々の金属イオン交換されたLDH触媒、およびそれらの均一な類似体を用いる水中におけるN−メチルモルホリンからN−メチルモルホリン N−オキシドへの触媒的N−酸化
【0093】
【表2】
Figure 0004223710
【0094】
a:例2で例示した反応条件
b:単離収率
表3 水中(手順I)またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩と組み合わせた水中(手順II)におけるLDH−WO 2−(触媒A)によって触媒された脂肪族第三級アミンのN−酸化
【0095】
【表3】
Figure 0004223710
【0096】
a:例2で例示した反応条件
b:例18で例示した反応条件
b:単離収率
表4 遷移金属酸化物のアニオンで交換された層状複水酸化物で触媒された水性過酸化水素を用いる第二級アミンの酸化
【0097】
【表4】
Figure 0004223710
【0098】
a:例2で例示した反応条件
b:単離収率
本発明の主な利点は、以下の通りである
1. 本発明の方法は、環境に優しく、且つ非常に簡単である。
【0099】
2. その触媒は安価で、非腐食性であり、数回リサイクル可能で、且つ本質的に不均一である。
【0100】
3. その反応は水(環境に優しい、温和な(benign)溶媒)中で行われる。
【0101】
4. 反応条件は非常に緩和であって、l0〜25℃の間の反応温度範囲である。
【0102】
5. 用いられる過酸化水素は30重量%(質量%)であり、それは更に環境に優しい。
【0103】
6. その方法は、経済的であって、且つ、短時間で完結して高い生産性を与える。
【0104】
7. その触媒および溶媒は回収/リサイクルされ、再利用されるため、この方法で形成される溶出物の量は最小化される。
【0105】
8. その方法は、反応の経過の間、ゲル形成を生ずることなく高品質の生成物を与える。

Claims (8)

  1. 水、添加剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を含有する水、および水と混和可能な有機溶媒からなる群から選ばれる溶媒中で、10〜25℃の範囲内の温度で連続的な撹拌下に1〜6時間、触媒としての、遷移金属酸化物のアニオンの1つと交換されたリサイクル可能な不均一な層状複水酸化物の存在下で、酸化剤としての過酸化水素と、第三級または第二級アミンとを反応させ;および単純濾過により生成物を分離し;次いで溶媒を蒸発させることを含む、高品質アミンオキシドの製造方法。
  2. 前記不均一な触媒が、タングステート、モリブデート、バナデート、および式II:[MII (1−x)III (OH)][An−x/2・zHOを有するLDHから誘導された式I:[MII (1−x)III (OH)][Mn−x/2・zH
    (式中、Mn−はW、Mo、Vからなる群から選ばれる遷移金属酸化物のアニオンであり、An−はナイトレート、クロライドから選ばれる格子間アニオンであり、およびMはMg2+、Mn2+、Fe2+、V2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Pd2+またはCa2+からなる群から選ばれる二価カチオンであり、MIIIはAl3+、Cr+、V3+、Mn3+、Fe3+、Co3+、Ni3+、Rh3+、Ru3+、Ga3+またはLa3+からなる群から選ばれる三価のイオンであり、xは0.2〜0.33の範囲の積分値を有するモル分率であり、およびzは水分子の数であって1〜4の範囲にある)を有するポリオキソメタレートとしてのそれらのポリアニオンからなる群から選ばれる遷移金属酸化物との層状複水酸化物である請求項1記載の方法。
  3. 一般式RNR
    (式中、R、RおよびRは同一または異なり、C〜C24炭素を有するアラルキル、アルキル、およびアルケニルから選ばれる直鎖または分枝鎖基である)を有する第三級アミンが、ジメチルデシルアミン、ジメチルドシルアミン、ジメチルベンジルアミン;イミダゾリン、ピリジジン、N−置換ピペラジンsm、またはN−メチルモルホリン等のN−置換モルホリンから選ばれる環状アミンから選ばれる請求項1記載の方法。
  4. 系で用いられる第二級アミンが、一般式RNH
    (式中、RおよびRは同一または異なることができ、C〜C24炭素を有するアラルキル、アルキル、およびアルケニルから選ばれる直鎖または分枝鎖基である)を有し、ジブチルアミン、ジベンジルアミン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−フェニルベンジルアミン;ピペリジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから選ばれる環式アミンから選ばれる請求項1記載の方法。
  5. 特定された期間の間、ゆっくり制御された方法で30重量%(質量%)の過酸化水素が添加される請求項1記載の方法。
  6. 系に導入される触媒が、タングステート、モリブデート、バナデートおよびポリオキソメタレートとしてのそれらのポリアニオンから選ばれる6〜12重量%(質量%)の遷移金属酸化物のアニオンである請求項1記載の方法。
  7. 反応のために用いられる水と混和可能な有機溶媒が、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールおよびイソブチルアルコールからなる群から選ばれる請求項1記載の方法。
  8. 用いられる過酸化水素の量が、第二級または第三級アミンのモルにつき、2〜6モルの範囲にある請求項1記載の方法。
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