JP4223612B2 - 速硬性アスファルト乳剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、混合後3時間以内、好ましくは1時間半以内に硬化する性質をもつが、施工用のポンプをつまらせることのない骨材やセメントと混合して道路舗装などに用いる新規なアスファルト乳剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
アスファルト乳剤は、そのままで、またはこれに骨材、フィラー、その他の成分を添加し、道路や鉄道あるいは駐車場などの舗装材料として使用されている。このさい水分が蒸発し、もしくはエマルジョン中の微粒子表面の電荷が減少することにより、アスファルト微粒子が凝集・沈澱し、エマルジョンが破壊され、連続したアスファルト層が形成される。この連続したアスファルト層の形成までに掛かる時間は、舗装作業の能率、あるいは必要とする道路閉鎖時間を大きく左右する。
【0003】
またアスファルト乳剤を使用する際、それをタンクから施工場所まで輸送するに当り、一般にポンプを用いるが、ポンプ内での摺動または乱流により乳剤の微粒子が会合、凝集し、ポンプ詰まりを起こし、施工性の低下を招いていた。また、アスファルト乳剤を輸送するパイプおよびノズルでも、乱流により乳剤の微粒子が会合、凝集し、パイプやノズルの詰まりを起こし、施工性の低下を招いていた。
【0004】
このような施工時のアスファルト乳剤の輸送に伴う会合、凝集を防止するため、従来は、▲1▼アスファルト乳剤の固形分を下げる、▲2▼ポンプ周辺でのアスファルト乳剤の温度を上げる、▲3▼界面活性剤の種類を変更する等の方策が採られているが、有効な対策とならないばかりか、施工性の悪化を招いている。例えば固形分を下げると、乳剤中の水分が増加することにより、舗設後のアスファルト材料中から水分が抜けにくくなり、また乳剤温度の上昇もしくは、界面活性剤の変更は、乳剤の反応性(分解特性)を変化させ、施工性の悪化、硬化時間の延長を招く。とくに活性剤の種類を変更した場合は、反応性が根本的に変化し、乳剤の使用方法、骨材の選定、施工法を含めた変更が必要になる。
【0005】
従来、アスファルト乳剤は工場で骨材と配合していたため、工場から施工現場までトラック輸送する必要があり、そのため従来のアスファルト乳剤は、混合時はもとより混合後6時間ぐらいは乳剤が硬化しないという性能が要求されていた。その代表型技術は特公昭58−56583号公報に開示されている。
【0006】
前記公報には、炭素数8〜22の脂肪族ジアミン(イ)、水溶性高分子化合物(ロ)、一塩基酸(ハ)、及び水溶性無機塩(ニ)を(イ):(ロ):(ハ):(ニ)=1:0.2〜1.5:0.05〜1.5:0.3〜6の重量割合で含有し、かつ水溶性無機塩(ニ)の含有量が1.2〜8重量%である水溶液(A)80〜25重量%と、炭素数8〜22の脂肪酸(ホ)を含有するアスファルト(B)20〜75重量%、との乳化混合物であり、含有される脂肪族ジアミン(イ)と脂肪酸(ホ)の重量比(イ):(ホ)が1:0.2〜4であるアスファルト乳剤が記載されているが、この構成の1つの効果は、混合時はもとより混合後6時間ぐらいは乳剤が分解しない(前記公報第2欄7〜8行参照)という点である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、アスファルト乳剤の配合が施工現場で実施できるような状態が整ってきたので、本発明者らは、ポンプ内での摺動や乱流に対しては安定性が高くかつ硬化達成時間の短いアスファルト乳剤の提供が重要であることに気がついた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、3時間以内に硬化する性質をもつが、施工用のポンプをつまらせることのない新規なアスファルト乳剤を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アスファルト乳剤の諸物性および分解後のアスファルトの物性を損なうことなく、機械安定性を増すため、アスファルト乳剤に関する研究を進めた結果、アスファルト乳剤に水溶性高分子を添加すると、水溶性高分子が水中油滴型アスファルト乳剤中で三次元編み目構造を形成し、その編み目の内部にアスファルト粒子を捕捉することにより、アスファルト乳剤輸送の際のポンプおよびパイプ内での摺動または乱流による乳剤のアスファルト粒子の会合、凝集を防ぎ、機械安定性に優れたアスファルト乳剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
本発明は、アスファルト40〜80重量部、水60〜20重量部、界面活性剤0.01〜10重量部、水溶性高分子0.3〜5重量部を含有する組成物であって、前記界面活性剤が酸価57〜60、アミン価110〜130であることを特徴とする速硬性アスファルト乳剤に関する。
【0011】
本発明のアスファルト乳剤は、3時間以内に硬化する性質をもつが、少なくとも3分は安定な分散状態を保つことができるので、現場施工上は何ら問題がない。
【0012】
混合用アスファルト乳剤(骨材と乳剤を混合し混合物を作り、路面に敷き均し舗装体を得る際に使用するアスファルト乳剤)に水溶性高分子化合物を併用する方法は、特公昭58−56583号公報にも示されているが、この技術は乳剤と骨材をパグミル内で混合する際に、乳剤の分解を防ぐためのもので本発明におけるようにアスファルト乳剤輸送中のポンプ内での分解を防ぐ働きとは根本的に異なっている。
【0013】
また前記特公昭58−56583号公報に示される乳剤は、混合後6時間くらいは乳剤が分解しない性能を有する材料なので、施工時の混合後少なくとも3時間以内に分解が完了することを目的とする本発明とは根本的に異なっている。
【0014】
本発明に用いる界面活性剤としては、通常カチオン系界面活性剤が用いられる。カチオン系界面活性剤としては、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミン、第4級アンモニウム塩などや、脂肪酸とアミンから成るアマイドが使用できるが、その性状が、酸価57〜60、アミン価110〜130、40℃での比重0.950〜0.965である界面活性剤が望ましい。
【0015】
酸価が57より低い場合には、反応性が高すぎ、骨材との混合時間が十分確保できず、施工が困難となり、酸価が60を上廻る場合には、反応性が低すぎ、施工後の乳剤の分解に時間がかかり、3時間以内の交通開放が困難となる。また、アミン価が130より高い場合には、乳化液の粘度が高くなり、乳化が困難となり、アミン価が110を下廻る場合には、全体のバランスが好ましくないものとなる。この性状をもつ界面活性剤としては、とくに、(a)融点が−20℃以下、沸点が270℃以上、酸価380〜420、アミン価800〜1200、屈折率1.475〜1.495であるポリアルキレンポリアミン類と、(b)酸価150〜170、50℃での粘度550〜650cps、50℃での比重0.975〜0.990である蒸留トール油との反応生成物であるアマイドを挙げることができる。
またアスファルト乳剤中の界面活性剤の含有量は0.01〜10重量部であることが望ましい。
【0016】
前記水溶性高分子として、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アルギン酸プロピレングリコールおよびそれらの誘導体が挙げられるが、特にポリビニルアルコールが望ましい。
【0017】
前記アスファルトは、アスファルト乳剤として使用できるアスファルトであればとくに制限はないが、乳化性がよく、用途の条件に適用するものを選択使用することが好ましい。通常はJIS K 2207に規定されているストレートアスファルトもしくは日本改質アスファルト協会の定める改質アスファルトI型若しくはII型相当の物理性状、強度を備えるアスファルトを用いる。またアスファルトとして、特開平1−268748号公報に示されるような、主に、石油樹脂と芳香族系潤滑油抽出物からなる着色可能なバインダーも使用することができる。
【0018】
本発明においては、乳剤中に、塩基中和のための酸として必要に応じてリン酸のような三塩基酸を0.2〜5.0重量部、好ましくは0.5〜2.0重量部(注;乳剤中に0.5〜2.0重量部含まれているので乳化液中には、1.4〜5.7重量部となる。)配合することができる。この成分の添加により水中の金属イオンの影響を抑制することができるので、どのような水でも安心して使用できる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限定されるものではない。
【0020】
実施例1〜5
40℃の温水87重量部に、表3に示す酸価、アミン価を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、170℃に加熱した表1記載の性状をもつベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。
この乳剤と骨材、水、セメントとを表2の割合で混合し、乳剤混合物の反応性を評価した。
【0021】
この反応性は、乳剤混合物の混合度合いから「混合時間」と「硬化時間」を求め評価した。ここで「混合時間」は、20℃、湿度60%の恒温恒湿槽内で乳剤混合物の混合開始直後からの混合作業(攪拌作業)が可能な時間であり、「硬化時間」は「混合時間」を経過し流動性を失った乳剤混合物から、乳剤中の水が分離・出現する時間で、乳剤混合物にティシュー・ペーパーをのせ清水(乳剤の混ざっていない透明な水)が観測される時間とした。
ここで恒温恒湿槽内における硬化時間が10分以内であれば、実施工の際に乳剤混合物の分解が3時間以内に完了し、交通解放が可能になることが確認されている。
【0022】
比較例1〜5
実施例1で用いた界面活性剤のかわりに、表4に示す酸価、アミン価を有する界面活性剤を使用する以外は、実施例1〜5と同様にしてアスファルト乳剤を調製した。
この乳剤と骨材、水、セメントとを表2の割合で混合し、実施例1〜5と同様にした乳剤混合物の反応性を評価した。
【0023】
実施例6〜14
40℃の温水87重量部に酸価57.5、アミン価116を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、180℃に加熱した。表1記載の性状をもつベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。このアスファルト乳剤に表5に示す各改良材を表6に示す0.3〜5.0重量部添加し、改良アスファルト乳剤を調製した。
これらの改良アスファルト乳剤の機械的安定性を、JIS K 6387の参考試験項目“機械的安定度”により、また粘度をJIS K 2208“エングラー度試験”により評価した。それらの結果も表6に示す。
【0024】
比較例6〜8
実施例6〜14で用いた界面活性剤と同一の、酸価57.5、アミン価116を有する界面活性剤を用いて実施例6〜14と同様に乳化液を調製した。ついで、180℃に加熱した表1記載の性状をもつベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを実施例6〜14と同様に処理してアスファルト乳剤を調製した。このアスファルト乳剤に表5に示す改良材Aを表9に示す重量部添加して改良アスファルト乳剤とした。
これらアスファルト乳剤のエングラー度、機械的安定性を表9に示す。
【0025】
実施例15〜19
40℃の温水87重量部に表10に示す酸価、アミン価を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、170℃に加熱した表1記載の性状をもつベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。
このアスファルト乳剤に表5に示す改良材A0.5重量部を添加して、改良アスファルト乳剤を調製した。
この乳剤と骨材、水、セメントとを表2の割合で混合し、実施例1〜5と同様にして乳剤混合物の反応性を評価した。
また、これらのアスファルト乳剤の機械的安定性を、実施例6〜14と同様に評価した。それらの結果を表10に示す。
【0026】
比較例9〜13
40℃の温水87重量部に表11に示す酸価、アミン価を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、170℃に加熱した表1記載の性状をもつベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。
このアスファルト乳剤に表5に示す改良材A0.5重量部を添加して、改良アスファルト乳剤を調製した。
この乳剤と骨材、水、セメントとを表2の割合で混合し、実施例1〜5と同様にして乳剤混合物の反応性を評価した。
また、これらのアスファルト乳剤の機械的安定性を、実施例6〜14と同様に評価した。それらの結果を表11に示す。
【0027】
実施例20〜28
40℃の温水87重量部に、酸価57.5、アミン価116を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、180℃に加熱した表1記載の性状をもつ重交通間のベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。このアスファルト乳剤に表5に示す各水溶性高分子改良材を、表7に示すように0.3〜5.0重量部添加し、アスファルト乳剤を調製した。
得られたアスファルト乳剤のエングラー度と機械的安定性を表7に示す。
【0028】
比較例14〜15
40℃の温水87重量部に、酸価57.5、アミン価116を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、180℃に加熱した表1記載の性状をもつ重交通間のベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。このアスファルト乳剤に表5に示す各水溶性高分子改良材を、表9に示す使用量で添加し、アスファルト乳剤を調製した。
得られたアスファルト乳剤のエングラー度と機械的安定性を表9に示す。
【0029】
実施例29〜30
40℃の温水87重量部に、酸価57.5、アミン価116を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、180℃に加熱した表1記載の性状をもつ明色用ベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。このアスファルト乳剤に表5に示す各改良材AまたはE各0.5重量部を添加して、改良アスファルト乳剤を調製した。
得られた改良アスファルト乳剤のエングラー度、機械的安定性を表8に示す。
【0030】
比較例16〜17
40℃の温水87重量部に、酸価57.5、アミン価116を有する界面活性剤9重量部、85重量%リン酸4重量部とを添加溶解して乳化液を調製した。ついで、180℃に加熱した表1記載の性状をもつベースアスファルト65重量部と35℃に加熱した前記乳化液35重量部とを同時にコロイドミルに通し、アスファルト乳剤を調製した。このアスファルト乳剤に表5に示す改良材A0.05重量部を添加しまたは添加しないで、改良アスファルト乳剤を調製した。
得られた改良アスファルト乳剤のエングラー度、機械的安定性を表9に示す。
【0031】
【表1】
1):JIS K 2207準拠
2):舗装試験法便覧準拠
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
混合性;
可使時間が
×:2分未満
○:2〜4分
△:4分以上
硬化性;
硬化時間が
○:10分以内
×:10分以上
若しくは、混合性、硬化性を統合した“反応性”で評価した場合
反応性;
○:可使時間が2〜4分、かつ硬化時間が10分以内
×:それ以外の場合
【0035】
【表5】
改良材A : ケン化度87.9%、粘度23.4mPa・s(但し4%水溶液、20℃)、pH5.7(但し4%水溶液)であるポリビニルアルコール。〔信越化学(株)製のポリビニルアルコール、商品名PA−18GP〕
改良材B : ケン化度87.6%、粘度9.4mPa・s(但し4%水溶液、20℃)、pH5.7(但し4%水溶液)であるポリビニルアルコール。〔信越化学(株)製のポリビニルアルコール、商品名PA−10GP〕
改良材C : ケン化度84.5%、粘度24.0mPa・s(但し4%水溶液、20℃)、pH5.7(但し4%水溶液)であるポリビニルアルコール。〔信越化学(株)製のポリビニルアルコール、商品名LA−18K〕
改良材D : ケン化度87.6%、粘度44.0mPa・s(但し4%水溶液、20℃)、pH5.7(但し4%水溶液)であるポリビニルアルコール。〔信越化学(株)製のポリビニルアルコール、商品名PA−24GP〕
改良材E : 粘度3600mPa・s(但し2%水溶液、20℃)、であるメチルセルロース。〔信越化学(株)製のメチルセルロース、商品名メトロース hi4000−90SM〕
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
エングラー度;
○:55未満(ポンプでの輸送問題なし)
×:55以上(ポンプでの輸送が困難)
機械的安定性(マーロン安定度);
○:3重量%以下(ポンプでの輸送問題なし)
△:4重量%未満(ポンプでの輸送問題なし)
×:4重量%以上(ポンプでの輸送不可能)
【0040】
【表10】
【0041】
【表11】
【0042】
表3に示すとおり、本発明にかかる(酸価57〜60、アミン価110〜130の乳化剤を用いた)実施例1〜5の乳剤は、混合性、硬化性とも優れた性能を示し、実施工に使用した際に、施工時の乳剤と骨材の混合後少なくとも3時間以内に分解が完了し、素早い交通解放可能な性能を与えることができる。
【0043】
一方、比較例1〜5に示すとおり、酸価57〜60、アミン価110〜130の乳化剤を用いない場合には、施工時の乳剤と骨材の混合後、3時間以内に分解が完了せず、交通解放まで長時間を要するケース(比較例1〜3)や、施工時の混合時間が確保できない(比較例4、5)ケースが生じる。
【0044】
表6〜7に示すとおり、本発明にかかる実施例6〜14および実施例20〜30のアスファルト乳剤は、JIS K 2208“エングラー度試験”による粘度や機械的安定性が良好であり、施工機械中で乳剤の分解が防げることが分かる。
【0045】
一方、表9に示すとおり、比較例7の改良材の添加量(0.05%)では機械的安定性の向上が認められない。また比較例8のように改良材の添加量が5%を越えると、エングラー度が55を越え(粘度が高くなり)、施工機械のポンプによる輸送が困難になる。
【0046】
さらに表10に示すとおり、実施例15〜19のアスファルト乳剤は、反応性、機械的安定性共に抜群の性能を示し、この乳剤を実施工に用いれば、施工時のポンプ詰まり等のトラブルの発生が無く、施工後3時間以内の交通開放が可能となる。
また比較例9〜13のように本発明の要件を満たさない界面活性剤を用いたアスファルト乳剤に改良材を添加しても、乳剤と骨材の反応性は改善されないことが分かる。
【0047】
【発明の効果】
1.アスファルト舗装に関わる時間が大幅に短縮できる。(現行:5時間、本発明:長くて3時間)そのため交通規制による渋滞の緩和等のメリットも生じる。
2.本発明のアスファルト乳剤を使用することにより、施工機械内部での機械的衝撃による乳剤の分解を防ぐことが可能となり、施工性の大幅な向上が期待できる。
3.本発明のアスファルト乳剤を使用することにより、アスファルト舗装の常温化が可能であり、舗装に関わるエネルギー消費量の削減、二酸化炭素排出量の削減など、社会的メリットも大きい。
Claims (1)
- アスファルト40〜80重量部、水60〜20重量部、界面活性剤0.01〜10重量部、水溶性高分子0.3〜5重量部を含有する組成物であって、前記界面活性剤が酸価57〜60、アミン価110〜130であることを特徴とする速硬性アスファルト乳剤。
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