JP4222915B2 - 歌唱音声評価装置、カラオケ採点装置及びこれらのプログラム - Google Patents
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好ましくは、前記周期が一定である度合いによってビブラートの評価を行うビブラート評価手段をさらに備えるとよい。
また、好ましくは、前記歌唱ピッチデータが示すピッチの振幅の変化を検出し、当該振幅の変化に応じて、前記周期のばらつきが所定値未満であっても、前記歌唱音声にビブラートがかかっていないと判断する振幅変化判断手段をさらに備えるとよい。
また、好ましくは、前記ピッチの振幅の変化が一定でない場合には、前記ビブラート評価手段により行われるビブラートの評価を下げるビブラート評価調整手段をさらに備えるとよい。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<実施形態の構成>
図1は本発明の実施形態に係るカラオケ装置本体1の構成を示すブロック図であり、以下に各部を説明する。
CPU11は、RAM13をワークエリアとして利用し、ROM12に格納されている各種プログラムを実行することで装置各部を制御する。通信I/F(インタフェース)15は、楽曲データの配信元であるホストコンピュータ6より楽曲データを受信し、CPU11の制御のもとHDD(Hard Disk Drive)14へと転送する。また、DMA(Direct Memory Access)によるHDD14へのデータ転送も可能である。楽曲データは、伴奏の内容を示す演奏データと、曲の歌詞を示す歌詞データを有しており、また、楽曲を特定する曲番号データや楽曲のジャンルを示すデータも含んでいる(詳細は後述)。
利用者が楽曲指定操作を行うと、曲番号データを基にして、指定された楽曲データがHDD14から読み出され、RAM13内のMIDI(Musical Instrument Digital Interface:登録商標)記憶領域A1(図4参照)に転送される。CPU11は、MIDI記憶領域A1内の楽曲データを順次読み出して処理することで楽曲の演奏が進行する。
表示制御部17は映像データや歌詞などをモニタ2に表示させるための制御を行う。なお、映像データは、図示せぬ映像データ記憶部(DVD再生装置など)に記憶されており、曲のジャンルに応じた映像が読み出されるようになっている。歌詞は楽曲データ中の歌詞データを用いて表示され、楽曲の進行に応じて色変え(いわゆるワイプ)処理が行われる。
音源装置18は、CPU11から楽曲の進行に応じて順次読み出される楽曲データ(詳しくは、その中の演奏データ)に対応する楽音信号を生成し、効果用DSP19へ出力する。
効果用DSP19は、音源装置18で生成された楽音信号に対してリバーブやエコー等の効果を付与する。効果を付与された楽音信号は効果用DSP19によってD/A変換された後、アンプ21で増幅されカラオケ演奏音としてスピーカ3,3から放音される。アンプ21では歌唱音声信号S1の増幅も行うため、ここで、マイク4より入力された歌唱音声とカラオケ演奏音が混合される。
本実施形態における楽曲データは、ヘッダと複数のトラックとを有しており、ヘッダ部分には、図2に示すように楽曲を特定する曲番号データ、楽曲の曲名を示す曲名データ、ジャンルを示すジャンルデータ、および楽曲の演奏時間を示す演奏時間データなどが含まれている。一方、ヘッダに続く複数のトラックには、利用者が歌唱すべき旋律の内容を表すガイドメロディデータが記述されたガイドメロディトラック、カラオケ演奏音の内容を表す演奏データが記述された演奏トラック、歌詞の内容を表す歌詞データが記述された歌詞トラックがある。以上の楽曲データは、本実施形態の場合、MIDIフォーマットに従って記述されている。
図3は行と列のマトリックスになっているので、まず、列について説明する。
第1列のデルタタイムは、イベントとイベントとの時間間隔を示しており、テンポクロックの数で表される。デルタタイムが「0」の場合は、直前のイベントと同時に実行される。第2列には演奏データの各イベントが持つメッセージの内容が記述されている。このメッセージには、発音イベントを示すノートオンメッセージ(NoteOn)や消音イベントを示すノートオフメッセージ(NoteOff)の他、コントロールチェンジメッセージ等が含まれる。
第4列には、ノートナンバ(NoteNum)あるいはコントロールナンバ(CtrlNum)が記述されるが、どちらが記述されるかはメッセージの内容により異なる。例えばノートオンメッセージまたはノートオフメッセージであれば、ここには音階を表すノートナンバが記述され、またコントロールチェンジメッセージであればその種類を示すコントロールナンバが記述されている。
第5列にはMIDIメッセージの具体的な値(データ)が記述されている。例えばノートオンメッセージまたはノートオフメッセージであれば、ここには音の強さを表すベロシティの値が記述され、またコントロールチェンジメッセージであればコントロールナンバに応じたパラメータの値が記述されている。
図3に示す例では、デルタタイム480の長さを4分音符の長さとしている。この場合、第1行、第2行のイベント処理によりC4音が4分音符の長さにわって発音され、第3行、第4行のイベント処理によりG4音が4分音符の長さにわたって発音される。そして、第6行、第7行の処理によりF4音が2分音符の長さにわたって発音される。
次に、上記構成からなるカラオケ装置の動作を説明する。
利用者が操作部16のテンキーやリモコン端末5を用いて楽曲指定操作を行うと、指定された楽曲の楽曲データがHDD14からRAM13のMIDI記憶領域A1へ転送される。CPU11はこの楽曲データのイベントを順次読み出すことによりカラオケ伴奏や歌詞表示処理を実行する。具体的には、楽音データの演奏トラックに記述されたイベントデータを音源装置18に出力すると共に、歌詞トラックの歌詞データを表示制御部17に出力する。この結果、カラオケ伴奏音がスピーカ3,3から出力される一方、表示制御部17が生成した歌詞がモニタ2に表示される。
1.ガイドメロディピッチデータGPと歌唱ピッチデータSPとの差を検出し、ピッチ差分値データPDとしてRAM13の差分値記憶領域A3に蓄積記憶する。
2.ガイドメロディ音量データGVと歌唱音量データSVが表す音量との差を音量差分値データVDとして差分値記憶領域A3に蓄積記憶する。
3.ガイドメロディの発音タイミング(または消音タイミング)と歌唱音量データSVの立ち上がり(または立ち下がり)のタイミングの時間差をリズム差分値データRDとして差分値記憶領域A3に蓄積記憶する。以上の処理は音符毎に行う。
以上のようにして、ビブラート期間でなければ、利用者の歌唱に対して、ピッチ、音量、リズムに関する差分値データが逐次蓄積され、ビブラート期間であれば、歌唱ピッチデータSPの値が30ms毎に記録され、ピッチ変化の様子が保存される。
まず、CPU11は、RAM13の差分値記憶領域A3に蓄積されているピッチ差分値データPD、音量差分値データVD、及びリズム差分値データRDを読み出して各々集計し、この集計結果に応じた減点ポイントを算出する(ステップSc1)。この場合、利用者の歌唱が、ガイドメロディからずれるほど減点ポイントが大きくなるように算出される。すなわち、各差分値データPD,BD,RDの集計値が大きい値になるほど減点ポイントが大きくなる。
そして、CPU11は、この減点ポイントを満点(100点)から減算する(ステップSc2)。また、CPU11は、RAM13のビブラートデータ記憶領域A4から各ビブラート期間に対応する歌唱ピッチデータSPを抽出し(ステップSc3)、抽出した歌唱ピッチデータSPの変化が略正弦波形状と一致するか判断する(ステップSc4)。
ここで、判断処理について説明する。
図8(a)は、あるビブラート期間に抽出された歌唱ピッチデータSPの変遷をプロットしたグラフである。CPU11は、歌唱ピッチデータSPの振幅の中央をゼロ点として、ゼロクロス点の間隔から周期を求める。求められた周期が一定であれば、良好なビブラートがかかっていると判定する。周期がどれほど一定であるかによって、ビブラートの評価を行い、周期のばらつきが一定以上ある場合はビブラートがかけられていないと判断する。図8(a)の場合は、歌唱ピッチデータSPはおよそ240ms(8サンプリング:30ms×8)を一つの周期として遷移しており、良好なビブラートの一例である。
図8(b)は、別のビブラート期間に抽出された歌唱ピッチデータSPの遷移をプロットしたグラフである。このグラフによると、歌唱ピッチデータSPはその周期がばらついており、正弦波形状に遷移していない。従って、歌唱ピッチデータがこのグラフに示すような軌跡をたどって変動しているときは、CPU11はビブラートがかかっていないと判断する。
また、図8(c)は、更に別のビブラート期間に抽出された歌唱ピッチデータSPの遷移をプロットしたグラフである。このグラフによると、歌唱ピッチデータSPの周期はほぼ一定であるが、振幅が周期により異なっている。本実施形態においては、歌唱ピッチデータSPの周期が一定である場合にビブラートがかかっていると評価するが、さらに歌唱ピッチデータSPの振幅の変化も検出し、これが一定でない場合にはビブラートの質が劣ると判定し、ボーナスポイントの評価を下げるようにしてもよい。また、振幅の変化が著しい場合は、仮に周期が一定であっても、ビブラードがかかっていないと判定するようにしてもよい。
また、ビブラート期間の歌唱音声については、ガイドメロディとの比較による評価を行なわないので、ビブラートをかけて歌唱したことが、音程ずれや音量ずれとして評価されるということもなく歌唱技術に合った評価を行うことができる。
本発明の他の実施形態を以下に示す。
1.上述した実施形態においては、ビブラートをかけて歌唱すべき期間を楽曲データ中の コントロールチェンジ情報によって指示したが、ビブラート期間の指示の仕方はこれ に限らない。例えば、所定の長さ以上の音符(例えば、2分音符以上の長さの音符) はビブラート期間と認識するようにしてもよい。さらに、スラーやタイによってに繋 がれた結果が所定の長さ以上になる場合についてもビブラート期間と認識するように してもよい。このような認識は、MIDIフォーマットの楽曲データを再生する場合 に、演奏に先行してイベントを読み出して解析すれば容易に実現することができる。 さらに、楽曲データに小節の区切りを示すデータが挿入される場合は、小節の終了付 近を認識することができるから、小節の終了付近において所定の長さ以上の音符があ る場合に、当該音符についてはビブラート期間であると認識するようにしてもよい。 上述の場合は、音符の長さ自体がビブラート期間指示情報となる。
Claims (8)
- 歌唱音声のピッチを検出し歌唱ピッチデータとして出力する歌唱ピッチ情報検出手段と、
前記歌唱ピッチデータが示すピッチの変化の波形を、ピッチ軸と時間軸とによって形成される平面から求めるとともに、当該平面における波形の形状から周期を求め、当該周期のばらつきが所定値未満であるか否かを検出し、所定値未満であるときに、前記歌唱音声にビブラートがかかっていると判断する判断手段と
を備える歌唱音声評価装置。 - 前記周期が一定である度合いによってビブラートの評価を行うビブラート評価手段
をさらに備える請求項1記載の歌唱音声評価装置。 - 前記歌唱ピッチデータが示すピッチの振幅の変化を検出し、当該振幅の変化に応じて、前記周期のばらつきが所定値未満であっても、前記歌唱音声にビブラートがかかっていないと判断する判断調整手段
をさらに備える請求項1又は2記載の歌唱音声評価装置。 - 前記ピッチの振幅の変化が一定でない場合には、前記ビブラート評価手段により行われるビブラートの評価を下げるビブラート評価調整手段
をさらに備える請求項3記載の歌唱音声評価装置。 - 歌唱音声のピッチを検出し歌唱ピッチデータとして出力する歌唱ピッチ情報検出手段と、
前記歌唱ピッチデータが示すピッチの変化の波形を、ピッチ軸と時間軸とによって形成される平面から求めるとともに、当該平面における波形の形状から周期を求め、当該周期のばらつきが所定値未満であるか否かを検出し、所定値未満であるときに、前記歌唱音声にビブラートがかかっていると判断する判断手段と、
楽曲データに含まれた、歌唱の模範となる歌唱模範データを楽曲の進行に従って読み出し、読み出した歌唱模範データに応じて模範ピッチデータを出力する模範ピッチデータ出力手段と、
前記模範ピッチデータ出力手段が出力した模範ピッチデータと前記歌唱ピッチデータとを比較することにより前記歌唱音声の評価を示すスコアを算出する算出手段と、
前記判断手段がビブラートがかかっていると判断した際に前記スコアにポイント加算を施す加算手段と
を備えるカラオケ採点装置。 - 前記楽曲データはビブラートをかけて歌唱すべき期間を示すビブラート期間指示情報を含み、前記加算手段はビブラート期間指示情報がビブラートの期間を示しているときにポイント加算を行うことを特徴とする請求項5記載のカラオケ採点装置。
- コンピュータ装置を、
歌唱音声のピッチを検出し歌唱ピッチデータとして出力する歌唱ピッチ情報検出手段と、
前記歌唱ピッチデータが示すピッチの変化の波形を、ピッチ軸と時間軸とによって形成される平面から求めるとともに、当該平面における波形の形状から周期を求め、当該周期のばらつきが所定値未満であるか否かを検出し、所定値未満であるときに、前記歌唱音声にビブラートがかかっていると判断する判断手段と
して機能させるためのプログラム。 - コンピュータ装置を、
歌唱音声のピッチを検出し歌唱ピッチデータとして出力する歌唱ピッチ情報検出手段と、
前記歌唱ピッチデータが示すピッチの変化の波形を、ピッチ軸と時間軸とによって形成される平面から求めるとともに、当該平面における波形の形状から周期を求め、当該周期のばらつきが所定値未満であるか否かを検出し、所定値未満であるときに、前記歌唱音声にビブラートがかかっていると判断する判断手段と、
楽曲データに含まれた、歌唱の模範となる歌唱模範データを楽曲の進行に従って読み出し、読み出した歌唱模範データに応じて模範ピッチデータを出力する模範ピッチデータ出力手段と、
前記模範ピッチデータ出力手段が出力した模範ピッチデータと前記歌唱ピッチデータとを比較することにより前記歌唱音声の評価を示すスコアを算出する算出手段と、
前記判断手段がビブラートがかかっていると判断した際に前記スコアにポイント加算を施す加算手段と
して機能させるためのプログラム。
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