JP4221926B2 - 超分子構造を有するインドール系化合物を用いた二次電池並びにキャパシタ - Google Patents

超分子構造を有するインドール系化合物を用いた二次電池並びにキャパシタ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な超分子構造を有するインドール系化合物用いた二次電池並びにキャパシタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの導電性高分子を用いた電子デバイスとして、導電性フィルム、二次電池、キャパシタ、エレクトロクロミックデバイスが挙げられ、また他に帯電防止剤としての用途がある。これらの用途では、π共役系が直鎖状に伸びた導電性高分子が用いられており、電子伝導性以外に、形状柔軟性、無公害性、高安全性、自己担持性といった特徴がある。
【0003】
特開昭63−102162、特開平6−302316号公報、特開平8−269197号公報、特開平8−50893号公報、特開平10−261418号公報、特開平11−126609号公報等には、導電性高分子を正極または負極材料として用いることが提案されている。これらは、π共役系が直鎖状に伸びた分子に関するものである。
【0004】
また、特開平5−148320号公報には、ポリインドールを導電性フィルムおよびエレクトロクロミックデバイスとして使用することが提案されているが、超分子構造を有する記載はされてはおらず、また二次電池、キャパシタに関する記載もされていない。
【0005】
さらに、特開2001−35494号公報、特開2001−118577号公報には、本出願人により、ポリインドール系化合物が二次電池およびキャパシタの電極活物質材料として有用であることが提案されている。
【0006】
上記導電性高分子に関して、π共役系が直鎖状に拡張した分子構造では酸化還元反応によるイオンのドープ/脱ドープによる構造変化が大きいため、結晶状態の変化による電子伝導性、充放電特性等の劣化が欠点であった。
また、二次電池、特にリチウムイオン二次電池における特性向上を付与する添加剤が数多く報告されている。
【0007】
例えば、特願平8−213517号公報、特願平10−270961号公報では、ビフェニル化合物またはその誘導体が過充電時の保護として有効であることが報告されている。しかしながら、電池のエネルギー密度に直接的に寄与しない化合物の添加は、重量エネルギー密度の低下につながるため好ましいものではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
二次電池およびキャパシタといったエネルギー貯蔵デバイスを構成する材料としてインドールのトリマー体の層構造を有する超分子として用い、高エネルギー密度、高出力密度および高い安全性を実現する二次電池もしくはキャパシタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のインドール系化合物は超分子構造を取る。
【0010】
本発明の二次電池は、下記示される超分子構造を有するインドール系化合物を含んだ二次電池であって、層構造が形成された超分子化合物を1〜95重量%の範囲で含む電極構成物質または電解質構成物質と、非プロトン性溶媒から構成される電解液と、を有することを特徴とする。
【0011】
【化3】
Figure 0004221926
【0012】
本発明の二次電池は、電解液はインドール系化合物を含み、二次電池はリチウムイオンニ次電池であることを特徴とする。
【0013】
本発明のキャパシタは、示される超分子構造を有するインドール系化合物を含んだキャパシタであって、層構造が形成された前記超分子化合物を1〜95重量%の範囲で含む電極構成物質または電解質構成物質と、非プロトン性溶媒から構成される電解液と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明では、インドールトリマーが層構造をなしている超分子化合物を使用する。好ましくは分子量234以上のインドール系化合物の超分子を使用する。これにより、分子内における均一な電子伝導が実現し、かつ構造変化をほとんど起こさない電極活物質を提供することができる。
【0016】
ここで言う超分子とは「レーン 超分子化学 化学同人(1997)」で述べられているように、共有結合で結ばれるような強い結合で形成される分子ではなく、水素結合、配位結合、静電的相互作用またはファンデアワールス力といった分子間のゆるやかな比較的弱い結合相互作用によって結びついた分子の集合体を指す。
【0017】
前記式(2)で示される化合物およびその誘導体の添加量としては、1重量%から95重量%含むことにより、二次電池またはキャパシタ中での導電付与剤乃至電極活物質としての機能が有効に発現する。
【0018】
また、上記インドール化合物は、リチウム金属電極を基準電極として3.5Vから4.2V付近に、2つの酸化還元反応に対応する電位を有している。これは他の導電性高分子と比較して高い値であり、二次電池、キャパシタにおいて高いエネルギー密度の実現が期待できる。
【0019】
また、4V級の正極材料を使用するリチウムイオン二次電池においても、上記インドール化合物(たとえば分子量234以上)およびの誘導体の添加によって、4.2Vを越えた付近の電圧から過酸化による分解が生じる。このとき、分解化合物が正極表面に皮膜を形成することによって電池の異常発熱を防ぐことができる。過充電時以外では、正極の容量に寄与することができ、添加によってエネルギー密度が減少することはないことは大きな利点である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態で使用されるインドール系化合物からなる超分子化合物は、下記式(A)、(1)または(2)で表されるインドール系化合物からなる超分子化合物である。これらは単独で使用されてもよく、また、組み合わせて用いられても良い。
【0021】
【化5】
Figure 0004221926
【0022】
式(A)中、nは、1以上の繰り返し単位を表し、Ra〜Rdは同一でも異なっていてもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基、カルボキシル基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基、または、置換基を有していてもよくベンゼン環と縮合環を形成してもよい複素環基であり、nが2以上のインドールの末端の基は、前記Ra〜Rdのいずれかの基を有する。
【0023】
このような超分子化合物の中で特に、下記一般式(1)で表される超分子のインドール系化合物が好ましい。
【化6】
Figure 0004221926
式中、R1〜R12は同一でも異なっていてもよく、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基、カルボキシル基、アルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アリール基、または、置換基を有していてもよくベンゼン環と縮合環を形成してもよい複素環基である。
【0024】
このような超分子構造は、たとえばX線回折により確認される。たとえば、インドールトリマー(化学式(A)において、n=3である化学式(1)で示される化合物)超分子では、層構造を表す明確なピークが観察され、高い結晶性を示すことが確認された。得られた超分子構造のインドールトリマーの層間距離は、9.25Å(0.925nm)であった。このピークの強度は、前記式(A)で示されるnが大きくなるにしたがい小さくなる傾向があり、ポリインドール超分子では、明瞭なピークは観測されないが、ブロードなピークを観測することができた。
【0025】
特にトリマー体の中でも、以下のインドールトリマーを本実施形態では使用した。
【0026】
【化7】
Figure 0004221926
【0027】
このインドールトリマー体からなる超分子のモデルを図1に示す。ここで言う超分子とは、前記したように、共有結合といった強い結合で形成される分子ではなく、水素結合や配位結合、ファンデアワールス力などの比較的弱い力で結びついた分子の集合体を指す。
【0028】
図1に示す化合物(たとえば式(2)の化合物)の作製方法としては、インドールモノマーを酸化することによる化学重合法、電解重合法がある。(たとえば前記同様の置換基R1〜R4 、R5〜R8 またはR9〜R12を有するインドールモノマーの中から選択される1つまたは2種以上を、たとえばさらに酸化剤を用いた酸化反応(酸化還元反応)により)得られた生成物をジメチルホルムアミド(DMF)などの適当な溶媒で分離することにより、目的の超分子体を得ることができる。前記R1 〜R12は、式(1)に示すものと同様のものであり、たとえばその中のアルキル基としては、(たとえば炭素数1〜100の)直鎖または分岐アルキル基が挙げられ、これらは、側鎖に前記R1〜R12に示す置換基を有していてもよい。また、前記式(A)の化合物も、上記同様の反応を用いて作成することができる。この場合に、Ra〜Rdは、上記R1〜R12のいずれか1つの基と同一であり、この原料であるインドールモノマーのベンゼン環のRa〜Rd以外の残りには、Ra〜Rdのいずれかの基を有している。したがって、これらが上記したようにして反応して重合化してオリゴマー体あるいはポリマー体を形成した後には、そのオリゴマ−体またはポリマー体の末端のベンゼン環には、Ra〜Rdのいずれかの基を有している。
【0029】
なお上記したトリマー体は、ポリマー体であるポリインドールと比較して、π共役鎖の拡張がないので電子伝導性は落ちるように思われるが、実際にはπスタッキング構造を形成することにより電子伝導性は同等もしくはそれ以上の値を示す。
【0030】
また、図1に示す構造は一つ一つのユニットが小さく、かつイオンのドープ/脱ドープは超分子体のエッジ面で起きるため酸化還元に伴う構造変化がほとんどない。
【0031】
インドール化合物は、リチウム金属電極を基準電極として3.5Vから4.2V付近に2つの酸化還元反応に対応する電位を有している。これは他の導電性高分子と比較して高い値であり、二次電池、キャパシタにおいて高いエネルギー密度の実現が期待できる。
【0032】
水溶液、非水溶液いずれの場合においても、インドール超分子は電気化学的に活性であり、可逆な酸化還元応答を示す(たとえば図3〜図5参照。ただし、図毎に単位が異なる理由は、溶媒の違いなどであり、電気化学的挙動またはアクティビティーは同様である。たとえば後述する段落番号0039の項参照。)。
特に、4V級の正極材料を使用するリチウムイオン二次電池においても、インドールおよびその誘導体の添加によって4.3Vを越えた付近の電圧から過酸化による分解が生じる。このとき、分解化合物が正極表面に皮膜を形成することによって電池の異常発熱を防ぐことができる。過充電時以外では、正極の容量に寄与することができ、添加によってエネルギー密度が減少することがないことは大きな利点である。
【0033】
図2に本発明に係る電池もしくはキャパシタの一例について概略構造を示す。正極集電体11と、正極活物質(インドールトリマーからなる超分子、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る酸化物またはイオウ化合物、導電性高分子、安定化ラジカル化合物、活性炭、炭素繊維、黒鉛、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブのいずれか1つまたはこれらの2つ以上の混合物からなる)を含有する層12と、負極活物質(インドールトリマーからなる超分子、リチウムイオンを吸蔵、放出する炭素材料または酸化物および窒化物、リチウムと合金を形成する金属、リチウム金属自身、活性炭、炭素繊維、黒鉛、ダイヤモンド状炭素、カーボンナノチューブのいずれか1つ、もしくはこれらの2以上の混合物からなる)を含有する層13と、負極集電体14と、水溶液もしくは非水電解質溶液15、およびこれを含む多孔質セパレータもしくは不織布16から構成されている。
【0034】
前記図1で示される超分子構造のインドール化合物およびその誘導体の添加量として1重量%から95重量%含むことにより、二次電池またはキャパシタ中での導電付与剤乃至電極活物質としての機能が有効に発現する。特に、電極活物質として用いるときは50〜95重量%の範囲で、添加剤として用いる場合には、1〜10重量%の範囲で含まれることが好ましい。また、本発明では、図1に示すトリマー体に代えてあるいはそれに加えて、式(A)で表される超分子化合物であるダイマー、オリゴマ−体およびポリマー体を用いてもよい。
【0035】
超分子構造のインドールは、電池もしくはキャパシタ内に電極活物質として使用されてもよいし、電解質溶液中に加えても良い。
【0036】
電極として作製するには、カーボンブラック等の導電性物質、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)等の結着剤を溶剤と分散混練したものをアルミニュウムなどの集電体上に塗布したものを用いることができる。
電解質溶液に添加する場合には、直接溶解させることにより電池、キャパシタ内に存在させることができる。
【0037】
本発明に係るインドール超分子は、優れた電子伝導性、高い充放電効率、速い酸化還元応答を実現することによって、高エネルギー密度、高出力密度、高い安全性に優れた二次電池またはキャパシタを作製できる。
【0038】
本発明の二次電池もしくはキャパシタは、水溶液系の場合、大気中で、非水溶液系の場合は乾燥空気または不活性ガス雰囲気において、負極および正極を、セパレータを介して積層、あるいは積層したものを捲回した後に、缶に収容したり、合成樹脂と金属箔との積層体からなる可とう性フィルム等によって封口することによって電池、キャパシタを製造することができる。なお、セパレータとしては、不織布、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、フッ素樹脂等の多孔性フィルムが用いられる。
【0039】
本発明における電解液としては、水溶液系として、硫酸水溶液、硝酸水溶液、過塩素酸水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、非水溶液として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル(AN)、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステルなどの非プロトン性有機溶媒を一種又は二種以上を混合して使用し、これらの有機溶媒に溶解するリチウム塩を溶解させる。リチウム塩としては、リチウムイミド塩以外に、例えばLiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6、LiCF3SO3、LiC49CO3、LiC(CF3SO23、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸カルボン酸リチウム、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウム、LiBr、LiI、LiSCN、LiCl、イミド類などがあげられる。また、電解液に代えてポリマー電解質を用いてもよい。
【0040】
本発明に係る二次電池もしくはキャパシタの形状としては、特に制限はないが、例えば、円筒型、角型、コイン型などがあげられる。
【0041】
【実施例】
以下に具体的な実施例をあげて本研究を示すが、本発明は材料、構成等、ここに記載した内容に限定されるものではなく、超分子構造を有するインドール化合物を用いる限り、本発明に含まれる。
【0042】
【実施例1】
(合成および精製)
インドールと過塩素酸テトラエチルアンモニウム(TEAP)とをアセトニトリル(AN)中に溶解させて、それぞれ1molL-1(1M)および0.1molL-1とした溶液に、カーボンペーパー作用極、銀/塩化銀(Ag/AgCl )参照電極、白金巻き線対極を浸せきさせ、15時間、1.4V (対Ag/AgCl )の定電位電解重合を行うことにより、ポリインドールとインドールトリマーとが、カーボンペーパー上に生成した。
【0043】
これを、溶解度の違いを利用してDMFを用いて分離した。得られたインドールトリマーおよびポリマーの同定は、核磁気共鳴スペクトル(NMRスペクトル)およびX線回折により行った。
【0044】
(電極作製方法)
得られたインドールトリマーを、導電付与材であるアセチレンブラック25%と混合し、DMFに溶解させた。これをカーボンペーパー電極にキャストして電極を作製した。
【0045】
(物性)
電子伝導度を四端子法により測定したところ、インドールトリマーは4.2×10-2S/cm(ジーメンス/cm)であり、インドールポリマーは8.4×10-4S/cmとなった。トリマー体における値がポリマー体のそれを上回っているのは、超分子構造の効果により、電子伝導がよりスムーズに起きているためと考えられる。
【0046】
(電気化学特性)
作製した電極を用い前記電解重合と同じ電極構成でサイクリックボルタモグラムを得た。掃引速度は100mV/sec で行い、電解質溶液は4molL-1硫酸水溶液を用いた。初回のサイクルにおける結果を図3に示す。図4に示す比較例1と比較して、表1に示すように容量(Ah/kg )で約6倍、容量出現率で約3倍高いことが示された。容量の計算は放電反応に対応する還元反応における電流値を時間で積分することによって得た。また、3万5千サイクルというかなり長いサイクルにおいても高い容量維持率を示している。同様に非水溶液系における実施例2を示す図5においても、水溶液系と同様の結果が得られた。これらの結果は、二次電池またはキャパシタの電極活物質として超分子構造のインドールトリマーが優れた充放電効率と長期にわたるサイクル寿命、高電位での酸化還元反応を有していることを示している。具体的には、トリマーの高い結晶性、広いπ電子雲の広がり、酸化還元反応に伴う構造変化がないこと(特に超分子構造の高い構造安定性)による効果であると考えられる。
【0047】
【表1】
Figure 0004221926
【0048】
【比較例1】
上記手法により得られた電極を用いて、インドールをトリマーポリインドールに置き換えたこと以外は、実施例1と同様の手法により測定を行った。得られたサイクリックボルタモグラムを表1および図4に示す。
【0049】
【実施例2】
硫酸水溶液を、1molL-1のLiPF6溶液(エチレンカーボネート:ECとジエチルカーボネート:DECの混合溶媒(体積比:30/70)使用)に置き換えたこと以外は、実施例1と同様の手法で測定を行った。結果を表1および図5に示す。
図5における結果から、水溶液系と異なるプロトン(H+)が存在していない非プロトン性溶媒においても、インドール超分子が電気化学的に活性であることが示された。
得られた酸化還元応答は、対称性が良く、可逆(的)であることから、表1に示したような高い容量出現率と、長期にわたるサイクル寿命(繰り返し寿命)が、非水溶液系でも確認された。
【0050】
【実施例3】
実施例3として、超分子構造を有するインドールトリマーのリチウムイオン二次電池用の添加剤としての電解液の分解抑制効果を調べた。
(電池の作製)
本実施例3の電池の作製について、まず説明する。正極集電体11に20μmの厚みのアルミニュウム箔を使用し、正極12中の正極活物質にLiCoO2を使用し、負極13の活物質として黒鉛を使用し、負極集電体14の10μmの銅箔を使用した。電解質溶液15は、溶媒として前記実施例2で用いたECとDEC混合溶媒(体積比:30/70)を用い、この溶媒中にLiPF6を溶解させて濃度を1molL-1とした。添加剤として電解重合により作製したインドールトリマーを1重量%電解液中に加えた。そして、負極と正極とをポリエチレンからなるセパレーター16を介して積層し、コイン型二次電池を作製した。
【0051】
(充放電サイクル試験)
温度60℃において、充電レート0.1C(クーロン)、放電レート0.1C、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vとした。容量維持率(%)は300サイクル後の放電容量(mAh)を、10サイクル目の放電容量(mAh)で割った値に100を乗じてパーセントであらわした値である。
サイクル試験で得られた結果を下記表2に示す。インドールトリマーの一部の容量が寄与することにより高い充放電効率が得られた。また、高温におけるサイクルについても比較例2と比べて高い容量維持率を示している。これは、正極表面上に生成したインドールトリマー由来の皮膜が電池特性を損なわずに電解液の分解を抑制したためと考えられる。
【0052】
【表2】
Figure 0004221926
【0053】
【比較例2】
電解液中に、インドールトリマーを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして電池を作製し、実施例1と同様にサイクル特性を調べた。結果を表2に示す。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、超分子構造を有するインドールトリマーを用いることにより、高電圧、高エネルギー密度、高安全性、高リサイクル特性を実現できる二次電池またはキャパシタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインドールトリマー体からなる超分子のモデルを示す例図である。図1の(B)は、(A)の各分子を線の種類で区別できるように表現した例図である。
【図2】本発明に係る二次電池もしくはキャパシタの概略構成図である。
【図3】本発明に係るインドールトリマーのサイクリックボルタモグラムであり、横軸は電位[V]であり、縦軸は電流i(単位の大きさは図内に示すように、2A/g)である。
【図4】ポリインドールのサイクリックボルタモグラムであり、横軸は電位[V]であり、縦軸は電流i(単位の大きさは図内に示すように、一単位が1×10-13A/g)である。
【図5】本発明に係るインドールトリマーの非水溶液中におけるサイクリックボルタモグラムであり、横軸は電位[V]であり、縦軸は電流i[μA]である。
【符号の説明】
1 インドールトリマーのモデル
11 正極集電体
12 正極活物質を含有する層
13 負極活物質を含有する層
14 負極集電体
15 非水電解質溶液
16 多孔質セパレータ

Claims (3)

  1. 下記示される超分子構造を有するインドール系化合物を含んだ二次電池であって、層構造が形成された前記超分子化合物を1〜95重量%の範囲で含む電極構成物質または電解質構成物質と、非プロトン性溶媒から構成される電解液と、を有することを特徴とする二次電池。
    Figure 0004221926
  2. 前記電解液は前記インドール系化合物を含み、前記二次電池はリチウムイオンニ次電池であることを特徴とする請求項1記載の二次電池。
  3. 前記示される超分子構造を有するインドール系化合物を含んだキャパシタであって、層構造が形成された前記超分子化合物を1〜95重量%の範囲で含む電極構成物質または電解質構成物質と、非プロトン性溶媒から構成される電解液と、を有することを特徴とするキャパシタ。
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