JP4221486B2 - ブラスト法及びブラスト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉じん爆発を回避して、投射時間の短縮及び投射材の高効率利用が可能になるブラスト法及びそれを行うブラスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
投射材を高速で被加工物に投射して、研削、平滑化、防錆金属皮膜形成、マ−キング、美術的造形及び清掃等を行うブラスト処理は、実施が工業的に行われている処理法であって、ブラスト装置に関する成書も刊行されている(例えば、H.J.プラスタ−/原著、広瀬正吉・前田理一/監訳「ブラストマシン」(理工学社、1993年)等)。ブラスト処理(ブラスティングとも称される)は、多くは回分方式であって、連続方式は金属パイプの内面平滑化等の一部の分野で行われている。
【0003】
回分方式のブラスト装置は、一般的には、投射装置から投射の投射材(多くは粒子状物)により被加工物がブラスト処理されるブラスト室と、ブラスト室の使用済の投射材を回収し新たな投射材を補給するための装置群と、ブラスト室から発生したダストを捕集して投射材を分離回収するための装置群とがダクト等の配管に連通した構造であって、装置全体のシステムは、ブラスト処理の目的が相違する場合であってもほぼ同様である。
【0004】
ブラスト処理には、フリント、合金、鋳鋼、鋳鉄、白銑グリッド、酸化アルミニウム、鋳鋼ショット、鋳鉄ショット等の金属粒子、鉱物粒子及びその他の投射材が工業的に用いられている。ブラスト処理の対象となる被加工物は、金属材(金属製品)が代表的で、ガラス材、天然石材及びプラスチック材(例えば、ブラスト処理によるプラスチック成形品のバリ取り等)等の各種材料の被加工物も工業的に用いられる。
【0005】
ブラスト処理では、投射材が被加工物と衝撃的に接触して分離する現象によって投射材の微粉化及びダストの発生がブラスト室で生じて、衝撃による火花及び摩擦で生じる静電気による火花等の粉じん爆発の着火源が生成することがある。発生した微粉及びダストは、サイクロンに吸引されて粒子と空気の分離が行われ、分離されないダストが集塵機に送られて、分離された粒子が貯蔵装置を経由して投射装置に戻される。
【0006】
ブラスト装置では、集塵装置及びダクト等の配管系統においても、粉じん爆発の要件(すなわち、可燃物、酸素及び着火源)が存在して、粉じん爆発が生じることがある。粉じん爆発は、粉じんが空気中の酸素と反応して燃焼反応帯を形成して、その反応帯が粉じん雲中を伝播して圧力が発生する現象である(榎本兵治/編著、日本粉体工業技術協会監修「粉じん爆発・危険性評価と防止対策」(オ−ム社、平成3年)、p139等参照)。
【0007】
しかし、ブラスト装置での粉じん爆発等に対する対策については、装置本体の通風量を維持する、ダクト及びフアンを粉じん障害防止規則に則した構造にする及び集塵装置を高圧に耐える防爆型にする等によって粉じん爆発による装置破損の防止等が提案されているにすぎなかった(H.J.プラスタ−/原著、広瀬正吉・前田理一/監訳「ブラストマシン」(理工学社、1993年)、p227等参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
粉じん爆発は、産業界の粉体を扱う様々な分野の装置で事故災害として発生しているので、発生のメカニズム及び予防手段(特に、装置の防爆手段)等について種々の検討が行われている。しかし、粉じん爆発の基本的なメカニズムの多くが未解明であって、ブラスト装置での粉じん爆発についても下記(i)〜(iv)に代表される種々の問題点があった。
(i)粉じん爆発での燃焼反応の形式については、気相反応(粉じんから発生の可燃性気体と酸素との反応)及び固体表面反応(酸素が粉じん表面に吸着して反応する)に分けて議論されている。しかし、ブラスト処理での粉じん爆発に対する予防法と燃焼反応の形式との具体的関係が不明であるとの問題点があった。
(ii)金属粉じんによる燃焼反応の形式が粉じんの金属とその酸化物の揮発性の大小によって判別できるとする説がある。例えば、アルミニウム及びマグネシウム等の酸化物は沸点が高く、その純金属の揮発性が酸化物のそれよりも大きいので気相反応となり、鉄及びチタン等の酸化物の沸点は金属のそれよりも低いので固体表面反応になる旨の説である(榎本兵治/編著、日本粉体工業技術協会監修「粉じん爆発・危険性評価と防止対策」(オ−ム社、平成3年)、p9等参照)。
【0009】
そのために、金属投射材を用いるブラスト処理では、気相反応及び固体表面反応の燃焼反応が生じることになって、ブラスト処理の粉じん爆発に対する具体的予防法の解明が著しく困難になるとの問題点があった。
(iii)粉じん爆発は、雰囲気の酸素濃度に関係し、酸素濃度が増加すると発生の確率が高くなり、酸素濃度が減少すると発生の確率が減少して爆発限界酸素濃度以下では発生しなくなること及び炭素、水素及び酸素を主要構成要素とする有機物粉じんによる粉じん爆発の多くが爆発限界酸素濃度13〜16%であること等は公知である(榎本兵治/編著、日本粉体工業技術協会監修「粉じん爆発・危険性評価と防止対策」(オ−ム社、平成3年)、p6等参照)。
【0010】
しかし、実験装置による爆発限界酸素濃度とブラスト処理の実装置内での動的現象下で生ずる粉じん爆発との対応関係が、未解明であるとの問題点があった。そこで、ブラスト処理に関する粉じん爆発の検討が、実装置を用いる多くの実験により詳細に検討されて本発明が見いだされた。
本発明は、粉じん爆発を回避して、ブラスト処理を安全に行うことができるブラスト法を提供すること、を目的とする。
【0011】
本発明は、投射材の利用効率の高いブラスト処理を安全に行うことができるブラスト法を提供すること、をも目的とする。
本発明は、既存のブラスト装置を使用する場合であっても、容易に投射材の利用効率の高いブラスト処理を安全に行うことができるブラスト法を提供すること、を目的とする。
【0012】
また、別の本発明は、本発明によるブラスト法を容易かつ効率的に行うことができるブラスト装置を提供すること、を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1に記載の発明)によるブラスト法は、金属投射材を被加工物に投射するブラスト処理を不活性ガス導入の空気雰囲気下で行うに際して、
ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の流路での最高酸素濃度と該金属投射材の爆発限界酸素濃度を予め検出して、ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の最高酸素濃度が金属投射材の爆発限界酸素濃度以下にする量の不活性ガスが気流の流路に導入されてブラスト処理が行われること、を特徴とするを行うこと、を特徴とする。
別の本発明(請求項3に記載の発明)によるブラスト装置は、ブラスト処理により発生する粉じんを含有する気流を分離装置及び集塵装置で処理する機構を有するブラスト装置において、
ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の流路での最高酸素濃度と該金属投射材の爆発限界酸素濃度を予め検出して、ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の最高酸素濃度が該金属投射材の爆発限界酸素濃度以下にする量の不活性ガスが気流の流路に導入される手段が設けられていること、を特徴とする。
【0014】
【発明の具体的説明】
本発明のブラスト法及びブラスト装置を見いだす基礎となった事実を図1〜図6に基づいて説明する。なお、図1〜図6は、本発明において行われた多くの実験の一部である。図2〜図6において同一符号を付したものは同一若しくは同等のものを示している。
【0015】
図1は、亜鉛合金投射材の微粉末(250メッシュパス品)の試料に関して酸素濃度の異なる空気/窒素ガスの混合系で行った爆発性試験の測定結果を縦軸に粉じん濃度(kg/m3)、横軸を酸素濃度度(vol%)としてプロットした線図である(測定の詳細は実施例1を参照)。曲線の右側領域が非爆発域で左側領域が爆発域である。試料の爆発限界酸素濃度は、16.5vol%と15.7vol%との中間の数値、すなわち、16.1vol%である。
【0016】
本発明は、金属投射材を使用する場合に特に有効であって、例えば、フリント、合金、鋳鋼、鋳鉄、白銑グリッド、酸化アルミニウム、鋳鋼ショット、鋳鉄ショット等の金属粒子が使用される。金属投射材は、ブラスト処理に使用可能であれば、その大きさ及び形状は任意である。合金投射材は、例えば、鉄亜鉛合金粒子及び鋼ショットの鉄亜鉛合金被覆粒子等の使用が代表的である。
【0017】
本発明は、被加工物の材質及び形状等について特に制約されないが、投射材と金属材の被加工物との衝撃的接触により粉塵が発生する場合の事故回避に有効である。不活性ガスは、窒素ガスが代表的ではあるが、それ以外の不活性ガスを使用すること及び窒素ガスとそれ以外の不活性ガスとの併用も可能である。
図2〜図6は、窒素ガスを実装置のブラスト装置に導入してブラスト処理した場合の装置内の異なる箇所での酸素濃度(すなわち、窒素ガス混在の空気中の窒素ガス濃度に反比例する)を経時的に測定した線図である。ブラスト装置は、図7及び図8に示す装置と同様の装置であって、実験は、窒素ガスは図7の投射装置の近くに導入して行われた。図2〜図6において、符号aで示す線は図7のサイクロンから集塵装置に至る管路(ダクト)での空気中の酸素量の経時変化を示し、符号bで示す線は図7の分級装置での空気中の酸素量の経時変化を示し、符号cで示す線は図7のサイクロン入口での空気中の酸素量の経時変化を示し、符号dで示す線は図7のブラスト室での空気中の酸素量の経時変化を示している。各場所の酸素濃度の測定には、理研計器(株)製の酸素濃度計(指示計部OX−631A、検知部GD−F8D)を使用した。
【0018】
図2〜図6によれば、不活性ガスをブラスト室近辺から導入しても、ブラスト室集塵を含む気流がブラスト室から集塵装置に流動するにしたがって不活性ガス濃度が減少して、換気フアン等の近辺及び集塵装置では空気の酸素含有量が高くなっていく(すなわち、不活性ガス量が減少していく)ことが明らかになつた。そして、工業的規模のブラスト装置においては、不活性ガスをブラスト室近辺に導入すると、同様若しくは近似の現象が集塵系統の気流に生ずることが明らかになつた。
【0019】
そこで、本発明にあっては、金属粉じんが流れる気流での酸素濃度が最も高くなる場所(例えば、集塵装置近辺及び集塵装置)での酸素濃度が爆発限界酸素濃度以下になるようにしてブラスト処理を行っている。
本発明の「金属粉じんを含有する気流」は、粉じん爆発の可能性がある金属粉じんを含む空気の流れである。粉じん爆発の可能性がある金属粉じんというのはは、爆発下限濃度以上であって爆発上限濃度以下の濃度の金属粉じんである。
【0020】
なお、粉じんが発生する場所において、粉じん濃度が爆発上限濃度以上になることは稀であって、工業的操作において粉じんの爆発上限濃度が議論されることはない(榎本兵治/編著、日本粉体工業技術協会監修「粉じん爆発・危険性評価と防止対策」(オ−ム社、平成3年)、p19等参照)。
本発明の「気流」は、ブラスト処理に際して発生する金属粉じんを処理するためにブラスト装置内で生ずる空気の流れである。気流は、ブラスト室から集塵装置に至る全ての装置内で生じている。
【0021】
本発明の実装置による不活性ガス導入の実験では、最初にブラスト装置内に不活性ガスを導入し、酸素濃度が最も高い場所の酸素濃度が爆発下限濃度以下になったことを確認した後、不活性ガスの導入を継続しながら運転を開始した。運転と同時に、装置内の空気/不活性ガスの混合気流が急速に流動して、各装置内及び配管内の酸素濃度が一時的に上昇するが、その後は変動が少ない安定な状態に維持される(図2〜図6参照)。
【0022】
また、測定により得られる爆発限界酸素濃度よりもある程度低い酸素濃度にした方が、工業的ブラスト装置では、粉じん爆発の回避(すなわち、安全性)がより確実になることが本発明で見いだされている。
そして、金属粉じんが流れる気流での最高酸素濃度が爆発限界酸素濃度よりも約10%vol以上低い酸素濃度、好ましくは約30%vol以上低い酸素濃度、であると、粉じん爆発の回避がより確実になることが本発明で見いだされた(実施例3を参照)。
【0023】
次に、本発明のブラスト装置及びブラスト法の具体例を図7〜図9に基づいて説明する。
図7は本発明のブラスト法及びブラスト装置を具体的に説明したフロ−チャ−トである。
図7のブラスト装置(ブラスト法)は、投射装置70が配設されたブラスト処理を行うブラスト室71と、ブラスト室71の投射済み金属投射材を循環させて新たなを金属投射材を補給する系統(以下において、金属投射材の循環補給系統ということがある)の装置群と、ブラスト室71から発生する金属粉じんを集塵する系統(以下において、集塵系統ということがある)の装置群とを備えている。
【0024】
ブラスト室71は、その内部構造については任意であって、例えば、図8のブラスト室80では、ロ−ラ81、82、83で動く無限ベルト84上で転動する被加工物85に対して投射装置86から金属投射材が投射される構造になっている。
投射装置70、86は、工業的には、空気流によりを吹き付ける空気式ブラスト方式及び遠心力によりを吹き付ける遠心式ブラスト方式によるものが代表的である。
【0025】
不活性ガスは、粉じん発生場所若しくはその近辺に導入するのが適していて、着火源の位置等も考慮して不活性ガスの導入箇所を決めるのが適している。不活性ガスは、例えば、投射装置70、86、ブラスト室71、80及びそれらの近辺に導入されるのが適している。不活性ガスは、ブラスト装置の構造によっては、複数の箇所から導入されることもある。
【0026】
不活性ガスは、ブラスト装置内を流れる気流の酸素濃度が金属投射材の爆発限界酸素濃度よりも低い酸素濃度に維持されるように制御されて導入される。不活性ガスの制御手段については特に制約がない。不活性ガスは、例えば、ブラスト装置内を流れる気流の最高酸素濃度及び金属投射材の爆発限界酸素濃度を予め測定して、それらの測定値を指標として不活性ガスが制御導入される。また、例えば、不活性ガスは、ブラスト装置内を流れる気流の最高酸素濃度を検出して、その検出した最高酸素濃度と金属投射材の爆発限界酸素濃度とから最適な不活性ガス量に制御してブラスト装置に導入される。不活性ガスは、一般的には、量又は/及び濃度が制御されるが、ブラスト装置内の酸素濃度の変動に対応した制御が行われることもある。
【0027】
ブラスト室71、80で発生する粉じんは、集塵系統のブロワ−等により吸引されてサイクロン72に吸引される。サイクロン72に吸引された粉じんは、粒子と空気の分離が行われて、分離されないダストが集塵装置に送られて、分離された粒子が貯蔵装置(ホッパ−が代表的である)73に戻されて投射装置70、86に供給される。
【0028】
集塵装置76は、粉じんの捕集に適していれば任意の構造であり得る。集塵装置76は、布袋式集塵装置、湿式集塵装置及びサイクロン式集塵装置が代表的であって、一般的なブラスト装置では、操作の容易性からサイクロン式集塵装置(特に、複数のサイクロン式集塵装置)が使用されている。
一方、ブラスト室71、80に投射された投射材は、被加工物との衝突により一部が破壊されて微粉化して、ブラスト室71、80からスクリュ−コンベア等により搬送されてエレベ−タ等により分級装置74に移送される。分級装置74では、搬送された投射材が風力分級されて、一部が鉄分離装置75により鉄核として系外に排出されて、微粉がサイクロンに送られてその他の投射材が再び貯蔵装置73に戻される。
【0029】
新しい金属投射材は、金属投射材の循環補給系統のいずれかの箇所で補給されるのが一般的であるが、貯蔵装置73等で補給するようにしてもよい。
図9に示すブラスト装置は、防錆合金粉末を投射して金属材表面に防錆皮膜を形成するための装置であって、本発明によるブラスト装置の一代表例である。
図9のブラスト装置は、防錆皮膜形成の装置としては公知のものである(H.J.プラスタ−/原著、広瀬正吉・前田理一/監訳「ブラストマシン」(理工学社、1993年)、p274等参照)。
【0030】
図9のブラスト装置においては、ブラスト処理がブラスト室90に配設の投射装置91、91から防錆合金粉末を投射して行われる構造になっている。不活性ガスは、投射装置91、91あるいはその周辺、又はブラスト室90に導入される。
ブラスト室90に投射された防錆合金粉末は、ブラスト室90内を落下して、下部スクリュ−92によりバケットエレベ−タ93に移送され、エレベ−タ93により上部に配設の分級装置に搬送されて風力分級されて、一部が磁力分離装置95により磁力分級されて鉄核として系外に排出される。微粉はサイクロン94に入り、その他の防錆合金粉末が再びホッパ−96に戻される。新しい防錆合金粉末は、補給タンク97に供給されてエレベ−タ93で移送される。
【0031】
図9のブラスト装置では、ブラスト室90から集塵装置に至る全ての装置内及び配管内の最高酸素濃度が、爆発限界酸素濃度よりも低い酸素濃度になるように不活性ガスの導入量等が制御される。本発明によるブラスト法及びブラスト装置は、金属以外の投射材(例えば、鉱物、プラスチック材及びファインセミックス等)を使用する場合であっても有効である。
【0032】
なお、本発明においては、本発明に合目的であって、本発明の効果を特に害さない限りにおいては、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範囲である。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、実施例は例示であって本発明を拘束するものではない。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〕
ブラスト処理に用いられる金属粉末の爆発限界酸素濃度を求める測定をした。測定は、(社)日本粉体工業技術協会規格ASP002(1991)に定められている測定装置を用いてその規格に定める方式に準じて行った。測定装置は、その規格に定める吹き上げ式粉塵爆発試験装置(ハ−トマン式装置)を使用した。
【0034】
爆発限界酸素濃度の測定には、他の容器中に所要酸素濃度の空気/窒素ガスの混合系を調整して、この混合系気体により爆発筒内の空気を置換し、この混合系気体を吹き上げガスとしても使用した。測定では、吹き上げガスの圧力を粉じん濃度に応じて適宜調整した。金属粉末は、亜鉛粉末及びその他のブラスト処理に用いられる金属粉末を使用した。測定用の金属粉末は、実装置での実際の投射による微粉化で生ずる微粉のうちで、250メッシュの篩を通過した微粉を用いた。図1はその測定結果を示している。
〔実施例2〕
亜鉛粉末その他のブラスト処理に用いられる金属粉末の粉じん爆発下限濃度をを求める測定をした。測定及び測定装置も実施例1の同じ方式に準じて行った。
【0035】
250メッシュパスの亜鉛粉末の粉じん爆発下限濃度は8,000g/m3であった。
〔実施例3〕
粉塵爆発可能な金属粉じん濃度の気流における最高酸素濃度が、集塵装置若しくはその近辺の気流の酸素濃度である場合において、操業が安全に行うことができる酸素濃度と爆発限界酸素濃度との関係を観測する実験を実装置を用いて行った。
【0036】
実験は、集塵装置若しくはその近辺の気流の最高酸素濃度が爆発限界酸素濃度よりもどの程度低い場合により安全な工業的ブラスト処理を継続して行えるかを測定した。最高酸素濃度が爆発限界酸素濃度よりも約10%vol以上低い酸素濃度の場合には、安全な工業的ブラスト処理の継続が容易であることが測定された。さらに、最高酸素濃度が爆発限界酸素濃度よりも約30%vol以上低い酸素濃度の場合には、安全な工業的ブラスト処理の継続が確実になることが測定された。特に、亜鉛粉末及び鉄亜鉛合金等を投射して防錆皮膜を形成するブラスト処理ではそれらの傾向があった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によるブラスト法によれば、下記(a)〜(f)に代表される種々の効果が得られる。
(a)粉じん爆発を回避して工業的ブラスト処理を安全に継続して行うことができる。
(b)粉塵濃度が粉塵爆発を生じさせる領域の濃度であっても、粉じん爆発を回避して工業的ブラスト処理を安全に継続して行うことができる。すなわち、本発明ブラスト法によれば、粉塵濃度が大きい場合であってもブラスト処理を工業的に行うことが可能になる。
(c)金属投射材と被加工物との衝撃的接触が著しく増大すようなブラスト処理を工業的に行うことができるので、金属投射材の利用効率が著しく向上する。すなわち、金属投射材のロス率が著しく減少する。
(d)ブラスト法の工業的実施が既存のブラスト装置の一部の改造により容易に実施可能になる。
(e)金属部品表面への防錆皮膜の形成等の工業的ブラスト処理が、粉じん爆発が生じることなく安全に継続して行うことができる。
(f)金属部品表面への防錆皮膜の形成等の工業的ブラスト処理においては、ブラスト室内の投射材の粉末濃度が大きいほど短時間で皮膜を形成することができる。
(g)本発明のブラスト法によれば、粉じん爆発が生じないのでブラスト室内の投射材の粉末濃度を皮膜形成に最適な濃度に調整できるため、投射時間が短縮されて生産性が大幅に向上して投射材の利用効率も著しく向上する。
【0038】
本発明によるブラスト装置によれば、下記(イ)〜(ニ)に代表される種々の効果が得られる。
)既存のブラスト装置の一部の改造により粉じん爆発が生じることなく工業的ブラスト処理を安全に継続して行うことができるブラスト装置になる。
)ブラスト装置をして粉塵爆発に耐える頑丈な構造にする必要がなくなる。
)金属投射材の利用効率が著しく向上するブラスト装置になる。
)投射時間を大幅に短縮できるブラスト装置になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属粉じん濃度と酸素濃度の関係を示す線図である。
【図2】窒素ガス導入によるブラスト装置での酸素濃度の経時変化を示す線図である。
【図3】窒素ガス導入によるブラスト装置での酸素濃度の経時変化を示す線図である。
【図4】窒素ガス導入によるブラスト装置での酸素濃度の経時変化を示す線図である。
【図5】窒素ガス導入によるブラスト装置での酸素濃度の経時変化を示す線図である。
【図6】窒素ガス導入によるブラスト装置での酸素濃度の経時変化を示す線図である。
【図7】本発明のブラスト法及びブラスト装置の具体例の工程図である。
【図8】ブラスト装置のブラスト室及びその近辺の説明図である。
【図9】防錆処理を行う代表例なブラスト装置の説明図である。
【符号の説明】
70 投射装置
71 ブラスト室
72 サイクロン
73 貯蔵装置
74 分級装置
75 磁力分離装置
80 ブラスト室
90 ブラスト室
91 投射装置
92 スクリュ−
93 エレベ−タ
94 サイクロン

Claims (4)

  1. 金属投射材を被加工物に投射するブラスト処理を不活性ガス導入の空気雰囲気下で行うに際して、
    ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の流路での最高酸素濃度と該金属投射材の爆発限界酸素濃度を予め検出して、ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の最高酸素濃度が金属投射材の爆発限界酸素濃度以下にする量の不活性ガスが気流の流路に導入されてブラスト処理が行われること、を特徴とするブラスト法。
  2. 防錆に有効な金属投射材を投射して被加工物に防錆皮膜を形成させるブラスト処理を不活性ガス導入の空気雰囲気下で行うに際して、
    ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の流路での最高酸素濃度と該金属投射材の爆発限界酸素濃度を予め検出して、ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の最高酸素濃度が金属投射材の爆発限界酸素濃度以下にする量の不活性ガスが気流の流路に導入されてブラスト処理が行われること、を特徴とするブラスト法。
  3. ブラスト処理により発生する粉じんを含有する気流を分離装置及び集塵装置で処理する機構を有するブラスト装置において、
    ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の流路での最高酸素濃度と該金属投射材の爆発限界酸素濃度を予め検出して、ブラスト装置内の該金属投射材の粉じん含有の気流の最高酸素濃度が該金属投射材の爆発限界酸素濃度以下にする量の不活性ガスが気流の流路に導入される手段が設けられていること、を特徴とするブラスト装置。
  4. 下記(1)〜(3)に定義される特徴の 1 つ若しくは複数を有する請求項1に記載のブラスト法。
    前記不活性ガスは、ブラスト装置内の金属投射材の粉じん含有の気流の最高酸素濃度が金属投射材の爆発限界酸素濃度よりも約10%vol以上低い酸素濃度にする量で導入されることを特徴とする。
    前記不活性ガスは、ブラスト装置内の粉じん発生場所若しくはその近辺に導入されることを特徴とする。
    前記不活性ガスは、装置内及び配管内の最高酸素濃度が、金属投射材の発限界酸素濃度よりも低い酸素濃度になるように不活性ガスの導入量が制御されることを特徴とする。
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