JP4221234B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵室および野菜室を有する冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、野菜の鮮度低下の要因としては、(1)野菜自体に含まれる酸化酵素、(2)微生物の繁殖、(3)物理的衝撃等を挙げることができる。(1)に関して促進要因とされるのが、(a)野菜の呼吸作用、(b)水分の蒸散作用、(c)野菜の代謝作用である。したがって、(a)、(b)、(c)の要因を抑制して野菜の鮮度を保持するためには、低温度、高湿度の雰囲気において野菜を保存することが必要である。
【0003】
従来、冷蔵庫の野菜室において野菜類を冷蔵する場合、強制対流伝熱を利用していたため、蒸発器から流入する低湿度の冷気によって野菜類が乾燥するという問題があった。この問題の解決手段、すなわち、湿度を高く保ったまま冷蔵庫の野菜室を冷却する手段として、自然対流伝熱あるいは輻射伝熱が利用されている。例えば、特開2002−147915号公報(以下、従来技術1という)に開示されている技術がある。従来技術1には、野菜室上部に冷却板を配置し、この冷却板の下部に水受板を配置して後方に傾斜させ、冷却板に結露した水分を水受板に受け、野菜室の背面の排水機構から庫外に排出させることにより野菜室内に結露水が落下せず、高湿度でありながら水腐れを防止できる保存性の高い野菜室を提供できることが開示されている。
【0004】
また、筆者らは、特開平10−96599号公報(以下、従来技術2という)および特開平10−281690号公報(以下、従来技術3という)において開示しているように、微小な凝縮水滴が飛散するフィンを有し、凝縮水滴、着霜等による通風抵抗の増加を抑制した耐久性の高い室外熱交換器を開発してきた。ここで用いたのは、微小な凝縮水滴が飛散するほど高度な撥水処理技術である。この従来技術2および3においては、フィン表面に発生する凝縮水を速やかに除去して排出することが目的である。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−147915号公報
【特許文献2】
特開平10−96599号公報
【特許文献3】
特開平10−281690号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術1によれば、野菜室の密閉度が高まるため、保湿効果が向上するが、冷却板に結露した水を庫外に排出するため、野菜室内の水分量は緩やかに減少する。このため、野菜室内の野菜類の徐々に乾燥する。
【0007】
本発明の第一の課題は、野菜室の冷却板に発生する凝縮水を回収して庫外への排出を極力抑えた構成を提供するものである。
【0008】
従来技術2および3の撥水処理技術を冷蔵庫の野菜室の上部冷却板に適用した場合、使用時に野菜が上部冷却板に接触して撥水面を損傷・汚染し、所望の機能を果たさなくなってしまうという問題があった。
【0009】
本発明の第二の課題は、冷却板の汚染を防止するための野菜室の構成を提供することである。
【0010】
また、従来技術3の撥水処理技術は、エッチング処理において塩酸水溶液を使用するため、量産において、作業者の安全確保、廃液処理あるいは処理施設の腐食対策等に関してコストがかかるという問題があった。
【0011】
本発明の第三の課題は、量産に適した表面処理工程を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第一乃至第三の課題は、蒸発器との熱交換で生じる冷気を送風するファンと、該ファンで送風された冷気が流入する冷風流路を天井裏に有する野菜室と、該冷風流路に流入する冷風により露点以下に冷却される冷却板とを有し、前記野菜室は前記冷却板を介して冷却される冷蔵庫において、前記冷却板はアルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の板材であって、該板材はアルカリ脱脂され、イオン交換水により洗浄され、0.05重量%以上0.2重量%以下の濃度の炭酸ナトリウム水溶液に浸漬されるエッチング・水和酸化同時処理がされ、イオン交換水により洗浄されて乾燥され、パーフルオロアルキルシランが化学蒸着処理されることで撥水処理され、前記冷却板の下面に発生する5マイクロメートルから100マイクロメートルの直径の微細な凝縮水滴が前記野菜室内に霧状に上方から降り注ぐことにより解決することができる。これにより、冷却板に発生する凝縮水を庫外に排出することなく、非常に微細な凝縮水滴として回収して野菜に還流させることが出来る。
【0013】
上記第二の課題は、冷却板に野菜等が接触しないようにするため、通気穴を具備した接触防止部材を設けることにより解決することができる。これにより、冷却板の汚染を防止することができる。
【0015】
上記表面処理工程は、従来技術3で示した表面処理工程に比べて工程の数が少ない点、塩酸を使用する場合に比べて、作業者の安全確保、廃液処理あるいは処理施設の腐食対策等に関してコストを抑えることができる点で量産に適している。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は本発明による一実施例を示す冷蔵庫の正面概略縦断面図である。また、図2は本発明における一実施例を示す冷蔵庫の側面概略縦断面図である。
【0018】
図1および図2において、冷蔵庫は、冷蔵室9、野菜室10、冷凍室11、圧縮機5、蒸発器6、断熱材8等からなっている。最近の家庭用冷蔵庫の形態として、上から冷蔵室9、野菜室10、冷凍室11の順に配置してあってそれぞれが別々の扉2、3および4で密閉されているものが主流である。野菜室10と冷凍室11とは断熱材12で仕切ってあり、異なる温度レベルに設定することができるようになっている。
【0019】
圧縮機5と凝縮器(図示せず)は庫外に設置してあり、庫内の蒸発器6とともに冷凍サイクルを形成している。本実施例においては、蒸発器6は一か所に設置してあり、蒸発器6との熱交換で生じる冷気は送風ファン7により冷蔵室9および冷凍室11に送られるようになっている。冷蔵室9に送られる冷気は、冷凍室11に送られる冷気に比べて少量であり、冷気の分配によりそれぞれの温度を調節するようになっている。
【0020】
冷蔵室9を通過した冷気は、冷蔵室9下部から野菜室10の天井裏の冷風流路15に流入して冷却板13を介して野菜室10内を冷却し、還流ダクト(図示せず)を通って蒸発器6と接触し、再び冷却されるようになっている。冷却板13はアルミニウムまたはアルミニウム合金の基板に後述の撥水処理を施したものである。冷却板13の下方には接触防止部材14が設置してあり、野菜類が冷却板13に接触するのを防止している。
【0021】
本実施例では、蒸発器6が冷蔵庫内の1か所に設置してあるが、蒸発器を複数個配置して、冷蔵庫9および野菜室10の冷却と冷凍室11の冷却とを別々の蒸発器で行うようにしてもよい。また、冷蔵室9、野菜室10および冷凍室11の位置関係は、図1、図2の構成に限るものではない。
【0022】
図3は本発明における一実施例を示す冷蔵庫野菜室の冷却板の拡大断面模式図である。
【0023】
本実施例において、冷却板13は高い熱伝導度を有するアルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の板材からなり、冷却板13の下面には後述の表面処理により、エッチング層31、水和酸化物被膜層32が形成してあり、水和酸化物被膜層32の表面にパーフルオロアルキルシラン(構造式CF(CF(CHSi(OCH)が化学吸着した単分子層(図示せず)が形成してある。エッチング層31はマイクロメートルオーダの凹凸であり、水和酸化物被膜層32はナノメートルオーダの凹凸である。
【0024】
このマイクロメートルオーダからナノメートルオーダに及ぶ凹凸面に、撥水性を示すパーフルオロアルキルシラン単分子層を形成した構造により、冷却板13の表面は非常に高い撥水性を有し、直径1ミリメートル程度の落下水滴に対して接触角170度以上を示す。また、微細な凝縮水滴34に対しても高い撥水性を有し、直径5マイクロメートルから100マイクロメートルに成長した凝縮水滴34が近傍の凝縮水滴と合体して飛散する現象も観察することができる。
【0025】
本図においては、冷却板13上面を通過する冷気33により冷却板13が冷却され、冷却板13下面に発生する凝縮水滴34が飛散して下方の野菜室10内の野菜類101に降り注ぐようになっている。
【0026】
本実施例では、野菜類等の被冷却物に面した冷却板13の下面にだけ撥水処理が施してあるが、冷却板13の両面に撥水処理を施してもよい。
【0027】
図4は図3に示す冷却板を作製するための表面処理工程の一例である。
【0028】
原材料としては、アルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の板材を用いる。この板材に、本図に示すように、アルカリ脱脂、エッチング・水和酸化同時処理および化学蒸着処理を施す。アルカリ脱脂とエッチング・水和酸化同時処理との間、エッチング・水和酸化同時処理と化学蒸着処理との間においてはそれぞれ、イオン交換水による洗浄を行う。これらは前の処理で付着した液を除去するためのものである。また、エッチング・水和酸化同時処理と化学蒸着処理との間においては、乾燥工程を設け、余剰水分の除去を図る。
【0029】
本実施例では、アルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の板材を、アルカリ脱脂において液温338Kの脱脂液に10分間浸漬し、イオン交換水による洗浄後、エッチング・水和酸化同時処理において液温373Kの炭酸ナトリウム水溶液に20分間浸漬する。そして、イオン交換水による洗浄し、乾燥後、化学蒸着処理において容器内に当該板材を設置して密閉し、温度458Kに加熱する。そして、気化させたパーフルオロアルキルシランを当該容器内に導入し、当該板材の表面に化学吸着させる。パーフルオロアルキルシランは常温で液体のため、当該板材を当該容器内に設置する際に当該容器内に注入して密閉し、加熱することによって当該容器内で気化させて当該板材の表面に化学吸着させてもよい。
【0030】
以上の表面処理において許容される温度、濃度および処理時間の条件として、アルカリ脱脂における脱脂液温度が325Kから343K、脱脂時間5分から20分、エッチング・水和酸化同時処理における炭酸ナトリウム水溶液の温度が343K以上、炭酸ナトリウム濃度が0.03重量%以上、望ましくは、0.05重量%から0.2重量%の範囲内がよい。エッチング・水和酸化処理時間が3分以上、化学蒸着処理における処理温度が413Kから473K、蒸着処理時間が3分以上である。
【0031】
上記の表面処理工程において、板材の表面が清浄である場合、アルカリ脱脂は省略することができる。また、エッチング・水和酸化同時処理で用いる炭酸ナトリウム水溶液の代わりに、アンモニア、炭酸塩、炭酸水素塩、シュウ酸塩、トリエタノールアミン、尿素等の弱塩基性物質あるいは海水成分を溶解した水溶液を使用することもできる。ただし、量産における作業者の安全確保、廃液処理あるいは処理施設の腐食対策等を考慮すると、有毒なガスが発生せず、pHが約12と比較的高いためエッチングが進行しやすい炭酸ナトリウムが望ましい。
また、化学蒸着処理で用いるパーフルオロアルキルシランは、一般式CF(CF(CHSi(OCHCl3−pあるいはCF(CF(CHSi(OCHCHCl3−pで表される化合物であればよい。
【0032】
上記の表面処理工程に限らず、所期の撥水作用を得ることができる他の方法で冷却板を作製してもよい。
【0033】
図5および図6は、上記表面処理工程により作製した冷却板13の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真である。
【0034】
図5はマイクロメートルオーダの凹凸を撮影したものである。この写真から、表面に直径数マイクロメートルから数十マイクロメートルのくぼみが存在することがわかる。これがエッチングによる腐食孔である。
【0035】
また、図6はナノメートルオーダの凹凸を撮影したものである。白色の線分のように見えるのが、アルミニウム水和酸化物の結晶の稜線である。この結晶により、ナノメートルオーダの凹凸が形成されている。このアルミニウム水和酸化物の表面にパーフルオロアルキルシランの単分子層が形成してある。この単分子層は非常に薄いため、SEMを用いても観察することはできない。
【0036】
図7は、上記の表面処理工程を用いて冷却板13を量産する場合に使用する、アルミニウム板201の支持部材202の一例を示した斜視図である。また、図8は図7の支持部材202の正面図である。
【0037】
本実施例においては、アルミニウム板201の端部204を支持部材202に差し込む形で固定してある。また、図8に示すように、支持部材202には穴203を設けると、表面処理工程における処理液や撥水剤蒸気が対流しやすくなり、表面処理にムラが生じにくくなる。穴203は支持部材202背面だけでなく、底面にも設けると一層効果的である。
【0038】
また、支持部材202はステンレス鋼製、または金属表面にPTFEをコーティングしたものが望ましい。
【0039】
この支持部材202を用いると、上記表面処理工程の途中でアルミニウム板201を着脱する必要がなく、上記表面処理工程の所要時間を短くすることができる。これは上記表面処理工程だけでなく、塩酸水溶液を用いる従来技術3においても適用可能である。
【0040】
アルミニウム板201の端部204は、水滴回収手段または冷蔵庫に組み込む際に支持部材と接触する部分であるため、表面処理が不十分であっても性能に影響しない。すなわち、性能に影響しない部分を支持部材202に固定して表面処理を行う必要がある。
【0041】
このようにして作製した板材の表面は、BET法により測定した表面積がアルミニウム板201の見かけの面積に比べて約800倍となっていて、非常に高い撥水性を示す。
【0042】
また、従来技術2で示した表面処理工程に比べて工程の数が少ない点、塩酸を使用する場合に比べて、作業者の安全確保、廃液処理あるいは処理施設の腐食対策等に関してコストを抑えることができる点で量産に適している。
【0043】
ここで示した冷却板の撥水作用に関する耐久性は非常に高いものであるが、不測の不具合あるいは劣化により所期の作用効果を得ることができなくなった場合に備えて、冷却板を着脱可能な構造にし、新品の冷却板と交換できるようにしておくことが望ましい。具体的な交換方法としては、図1で示す冷蔵室9の底板21を着脱可能にしておき、底板21をはずした後、冷却板13を交換するか、あるいは、接触防止部材14を着脱可能にしておき、接触防止部材14をはずした後、冷却板13を交換する。このほか、冷却板13を引き出しのように前後に移動可能として仕切板17の野菜室扉3側から庫外に引き出して交換することができるようにしてもよい。
【0044】
以上のように構成してある冷蔵庫について、以下、本発明の要点となる作用について説明する。
【0045】
冷却板13の上面は冷蔵室9下部から流入する冷風により冷却され、冷却板13下面に凝縮水滴が発生する。冷却板13の表面(下面)は上述の表面処理を施してあるため、上記凝縮水滴のほとんどが5マイクロメートルから100マイクロメートルの直径で落下する。この微細な凝縮水滴は野菜室10内に霧状になって上方から降り注ぐ。このため、野菜室10内部の水蒸気は冷却板13において回収されて野菜類に還流する。これにより、この冷却板13から野菜室10あるいは野菜類への熱伝達は、自然対流伝熱、輻射伝熱に加えて、冷却された凝縮水滴の野菜室10内への移動によって促進されることになる。また、冷却板13が従来の樹脂製でなく、アルミニウム製であることから、冷却板13の熱伝導度が高く、冷風から野菜室10への伝熱が促進される。
【0046】
また、冷却板13と野菜室10または野菜類との温度差は、定常運転時において、0Kから数K程度であり、野菜室10または野菜類の温度の方が高温度となっている。このため、冷却板13で発生する微細な凝縮水滴の総量は比較的少量であり、野菜室10または野菜類に移動した後、蒸発しやすくなっている。さらに、野菜室10に入れた直後の野菜類に付着し、または含有された水分は、野菜類から蒸発しても冷却板13において微細な凝縮水滴となって還流し、野菜室10内で広い範囲に分散される。このため、野菜室10または野菜類の特定部位に水滴が集中して微生物繁殖の温床となることが少なくなる。
【0047】
以上の作用から、野菜室10内には野菜類から発生する水蒸気が微細な凝縮水滴として回収されて還流するため、低温度で高湿度の状態を維持するとともに、微生物繁殖の温床となりやすい水滴の集中を防止し、野菜類の鮮度を保持することが可能となる。
【0048】
図9は本発明における一実施例である冷却板下方の接触防止部材の形状を示す部分図である。
【0049】
本実施例においては、接触防止部材14を格子状の形状とし、多数個の通気穴35を設けてある。接触防止部材14に飛散する微細な凝縮水滴が付着して滞留する場合があること、通気穴35の総面積をできるだけ大きくすることが望ましいことから、接触防止部材14はできるだけ細い線状部材で構成することが望ましい。また、水滴の付着を防止するため、接触防止部材14の表面に撥水処理を施してもよい。また、野菜室10に収納したネギ、ゴボウ等が通気穴35を貫通して冷却板13に接触することがないようにするため、通気穴35の1辺の長さは5ミリメートルから30ミリメートル程度とすることが望ましい。
【0050】
図10は図9に示す接触防止部材の変形例を示す部分断面斜視図である。本図において、接触防止部材14は図9と同様に格子状としてあるが、鉛直方向の高さを大きくして、野菜類が通気穴35を貫通しないようにしてある。
【0051】
以上の実施例では、接触防止部材14を格子状の形状としたが、この他にも、ハニカム状、三角形の集合体、あるいは複数種の多角形を用いた集合体等の形状でもよい。
【0052】
図11は本発明における他の実施例である冷却板および接触防止部材を示す部分断面図である。
【0053】
本実施例では、冷却板41の断面形状を波形とし、冷却板41下面の凸部41aの下方に接触防止部材42を配置するようにしてある。そして、冷却板41下面の凹部41bの下方には通気穴43を設けてある。この接触防止部材42は、冷却板41の下面で発生する凝縮水滴の一部を受ける受け皿としての機能を有している。この接触防止部材42は傾きを有していて、ここで受けた水を流下させて冷蔵庫の排水口(図示せず)から庫外に排出することができるようになっている。冷却板41の面積に対する通気穴43の総面積の割合を設計することにより、野菜室10内の水分が過剰となることを防止し、野菜室10内に適量の水分を保持することができる。
【0054】
以上に記載した撥水性を示す冷却板には、表面処理工程において表面にマイクロメートルオーダからナノメートルオーダに及ぶ多数の親水基を有する凹凸構造を形成する必要があるが、この構造は上記のアルミニウム水和酸化物によって形成されるものに限定されるものではなく、例えば、シリカを主成分とするガラス、親水基を有する有機物にも適用できる。
【0055】
以上の実施例においては、冷蔵庫の野菜室の冷却板について説明したが、一般に、冷却手段は冷風に限らず、冷水、ブライン、冷凍装置等でもよく、空気中の水分を凝縮させることにより水滴として回収する手段として利用することができる。このため、これらの要素の構成を水滴回収手段と呼ぶことができる。
【0056】
水滴回収手段の適用例としては、野菜類を冷却しながら展示する野菜用ショーケース、演劇の舞台の上方に設置して空気中の水蒸気から霧雨を発生させる人工霧雨発生装置、水蒸気を含む気体を冷却する際、冷却板における伝熱量を制御することにより所望の量の凝縮水滴を供給することができる微量水滴分散供給装置等がある。微量水滴分散供給装置は、マイクロ化学プラント等に適用可能である。
【0057】
また、冷却板で凝縮させる物質は水に限らず、アルコール類等の有機物質でもよい。この場合は液滴回収手段と呼ぶことができる。有機物質は、表面自由エネルギーが高いものほど液滴径が小さくなる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、冷蔵庫野菜室内で蒸発した水分を冷却板において回収して微細な凝縮水滴として野菜室内に還流させ、野菜室内の湿度を維持するとともに、野菜類の表面の一部に水が付着することによる野菜類の品質低下を防止し、野菜室内壁に水が付着して滞留することによる雑菌の繁殖を防止する冷蔵庫を提供することができる。
【0059】
また、本発明によれば、作業者の安全確保、廃液処理あるいは処理施設の腐食対策等に関してコストを抑えることができる、量産に適した表面処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例を示す冷蔵庫の正面概略縦断面図である。
【図2】本発明における一実施例を示す冷蔵庫の側面概略縦断面図である。
【図3】本発明における一実施例を示す冷蔵庫野菜室の冷却板の拡大断面模式図である。
【図4】図3に示す冷却板を作製するための表面処理工程の一例である。
【図5】本発明による表面処理工程により作製した冷却板表面のSEM写真である。
【図6】本発明による表面処理工程により作製した冷却板表面のSEM写真である。
【図7】本発明による表面処理工程を用いて冷却板13を量産する場合に使用する、アルミニウム板の支持部材の一例を示した斜視図である。
【図8】図7の支持部材の正面図である。
【図9】本発明における一実施例である接触防止部材の形状を示す部分図である。
【図10】図9に示す接触防止部材の変形例を示す部分断面斜視図である。
【図11】本発明における他の実施例である冷却板および接触防止部材を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…冷蔵庫筐体、2…冷蔵室扉、3…野菜室扉、4…冷凍室扉、5…圧縮機、6…蒸発器、7…送風ファン、8…断熱材、9…冷蔵室、10…野菜室、11…冷凍室、12…断熱材、13…冷却板、14…接触防止部材、15、16…冷風流路、17、18…仕切板、19…中仕切板、20…冷風吹出し口、31…エッチング層、32…水和酸化物被膜層、35…通気穴、41…冷却板、42…接触防止部材、43…通気穴、201…アルミニウム板、202…支持部材、203…穴、204…端部

Claims (3)

  1. 蒸発器との熱交換で生じる冷気を送風するファンと、該ファンで送風された冷気が流入する冷風流路を天井裏に有する野菜室と、該冷風流路に流入する冷風により露点以下に冷却される冷却板とを有し、前記野菜室は前記冷却板を介して冷却される冷蔵庫において、
    前記冷却板はアルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の板材であって、該板材はアルカリ脱脂され、イオン交換水により洗浄され、0.05重量%以上0.2重量%以下の濃度の炭酸ナトリウム水溶液に浸漬されるエッチング・水和酸化同時処理がされ、イオン交換水により洗浄されて乾燥され、パーフルオロアルキルシランが化学蒸着処理されることで撥水処理され、前記冷却板の下面に発生する5マイクロメートルから100マイクロメートルの直径の微細な凝縮水滴が前記野菜室内に霧状に上方から降り注ぐことを特徴とする冷蔵庫。
  2. 請求項1において、多数の通気穴を有し且つ前記冷却板への物体の接触を防止する接触防止部材を具備したことを特徴とする冷蔵庫。
  3. 請求項1において、前記冷却板は冷蔵庫から着脱可能であることを特徴とする冷蔵庫。
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