JP4221170B2 - 非経口投与用の安定な組成物及びそれらの使用 - Google Patents
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Description
蠕虫病は、多くの動物に見られる一般的な病気であって、世界中至る所で重大な経済的損失の原因となっている。最も頻繁に遭遇する腸内寄生虫の中に、線虫類と言われる蠕虫のグループがある。この線虫類は、腸管、心臓、肺、血管及び動物のその他の体組織中に見出され、そして感染した動物に関しては貧血、体重の喪失及び栄養不良の主要な原因になる。線虫類は、それらが存在する臓器の壁部及び組織に対して重大な損傷を加え、そして未処置のままで放置した場合には、感染した動物を死亡させることになるであろう。
【0002】
反芻動物の感染媒介体になると最も一般的に認められている線虫類としては、皺胃に通常見出される捻転胃虫(Haemonchus)及びオステルターグ胃虫(Ostertagia);腸管に通常見出されるクーペリア線虫(Cooperia)、毛様線虫(Trichostrongylus)及びネマトディルス線虫(Nematodirus)、並びに肺に見出されるジクチオカウルス線虫(Dictyocaulus)が挙げられる。非反芻動物では、重要な線虫類として、腸内の回虫科の線虫(Toxocara)及び鉤虫属の線虫(Ancylostoma)並びに犬の心臓内の犬糸状虫(Dirofilaria);豚の腸内の回虫属の線虫(Ascaris);家禽の腸内の鶏回虫科の線虫 (Ascaridia)及び盲腸虫科の線虫(Heterakis);並びにウマ内の大円虫及び小円虫が挙げられる。それ故に、上述の線虫類の寄生を防止するため、もしくは動物内のこれらの感染媒介体の増殖を減少させるか又は抑制するための動物の治療が重要な目標である。
【0003】
LL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ及び23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物及びアベルメクチン(avermectin)化合物等の巨大分子は、温血動物に非経口投与すると、腸内寄生虫、線虫、コナダニ科のダニ並びに外部寄生性及び内部寄生性節足動物に起因する感染及び寄生の防止並びに治療に有効である。非経口組成物は、動物に対して投与するのに先立って殺菌する。ガンマ線放射は、細菌による汚染を除去するのに有効な殺菌方法である。しかしながら、ある種の巨大分子、例えばLL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ及び23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物並びにアベルメクチン(avermectin)化合物は、放射線にさらされると劣化して、それらの生物学的活性の大部分を失う。ガンマ線放射に対するこの破壊的且つ分解的な反応は、ある種の巨大分子含有組成物を殺菌する手段としてのガンマ線放射の使用を妨げる。
【0004】
例えばオーストラリア特許番号651229及び欧州特許番号525307によれば、照射中の劣化から巨大分子を保護するために、温血動物に対して非経口投与するための、前述の巨大分子を含有する製剤に酸化防止剤を用いることが考え出された。
【0005】
温血動物の血流中に望ましい有効な薬剤濃度を維持するようにある一定の期間中、活性巨大分子を徐々に放出する、温血動物に対する非経口投与用の製剤を得ることが望ましい。オーストラリア特許651229及び欧州特許525307は、比較的硬質な脂肪及び/又はろう、並びに、油、中程度の軟らかさの脂肪及び/又は脂肪酸誘導体(この誘導体は前記硬質な脂肪/ろう中に溶解すると共に、この硬質な脂肪/ろうの物理的変換を促進する)の両方を含む製剤を教示している。
【0006】
本発明は、非経口投与用に照射殺菌し得る、安定なマイクロスフェア組成物に関する。本組成物は、重量基準で、約40℃以上の融点を有する脂肪、ろう又はそれらの混合物約50重量%〜99重量%、LL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物又はアベルメクチン(avermectin)化合物約1%〜50%、及び酸化防止剤約0〜10%から本質になる。
【0007】
驚くべきことに、本発明のマイクロスフェア組成物は、生物学的活性の劣化を伴うことなしに、ガンマ線放射で殺菌できることが判明した。また意外にも、本マイクロスフェア組成物は、水に不溶な複合マクロライド類の有効な、持続する放出作用を達成することができる。
【0008】
本発明は、また、LL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物又はアベルメクチン(avermectin)化合物を、長期にわたって温血動物に導入維持する方法、並びに、腸内寄生虫、線虫、コナダニ科のダニ並びに内部寄生性及び外部寄生性節足動物による温血動物での感染及び寄生の防止又は治療方法も提供する。
【0009】
本発明の一つの重要な局面は、約40℃以上、また好ましくは約50℃以上の融点を有する脂肪、ろうもしくはそれらの混合物中に溶解したLL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物又はアベルメクチン(avermectin)化合物を含む安定な緩放出性マイクロスフェア組成物である。これらのマイクロスフェア組成物は、有意な劣化を伴うことなしにガンマ線放射により殺菌することができよう。本発明のマイクロスフェア組成物は、調剤上及び薬理学上許容し得る液体基剤中に分散しているために非経口投与に適している。
【0010】
本発明の好ましい、安定なマイクロスフェア組成物は、重量を基準にして、脂肪、ろう又はそれらの混合物約75重量%〜95重量%、LL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物又はアベルメクチン(avermectin)化合物から成る群から選択された活性成分約5%〜25%及び酸化防止剤約0.01〜1%を含む。
【0011】
LL−F28249α−λと呼ばれる化合物は、寄託受け入れ番号15773のもとでNRRLに寄託された、微生物ストレプトミセス・シアネオグリセウス(Streptomyces cyaneogriseus)亜種ノンシアノイエヌス(noncyanoyenus)の発酵ブロスから(集合体として)単離される。LL−F28249αの製造方法は、米国特許第5,106,994号及びその継続出願である米国特許第5,169,956号(引用することによりこれらの特許を本文中に組み入れる。)に開示されている。
【0012】
LL−F28249α−λ化合物は、下記構造式で表される:
【0013】
【化1】
【0014】
後段の表1は、この式の各化合物に関する記号A、B、C及びR1-6 の意味を明らかにする。
【0015】
【表1】
【0016】
本発明において有用な、LL−F28249α−λの23−オキソ及び23−イミノ誘導体は、米国特許第4,916,154号に開示されている。この特許を引用して本文中に組み入れる。本発明用に好ましい化合物として下記の化合物が挙げられる:
【0017】
【化2】
【0018】
及び
【0019】
【化3】
【0020】
モキシデクチン[moxidectin(23−(O−メチルオキシム)−LL−F28249α)]
本発明の組成物に適するろう及び脂肪は、通常40℃以上、好ましくは50℃以上の融点を示す。
【0021】
本文中に用いる用語“ろう”は、HawleyのThe CondensedChemical Dictionary第7版に示されているように、室温で固体であるけれども、グリセリド類を全く含まないことを除いて組成が脂肪及び油に概ね類似する、低融点有機物の混合物又は低融点の高分子量化合物と定義される。いくらかは炭化水素類であり;その他は脂肪酸類とアルコール類からなるエステル類である。これらの化合物としては、飽和又は不飽和の長鎖C10〜C24の脂肪酸類、アルコール類、エステル類、塩類、エーテル類又はそれらの混合物が挙げられる。それらは脂質の中に分類される。ろうは熱可塑性であるが、ろうは高重合体ではないので、それらはプラスチックの一族とは考えられない。これらのろうの共通の特性としては、撥水性;滑らかな手触り;無毒性;不快な臭気及び色が全くないことが挙げられる。それらは可燃性であって、優れた絶縁特性を示す。それらはたいていの有機溶媒に可溶であるが水には不溶である。主要な種類は次の通りである:
本文中に用いられている用語“脂肪”は、HawleyのThe Condensed Chemical Dictionary第7版に示されているように、ステアリン酸及びパルミチン酸等の高級脂肪酸のグリセリルエステルとして定義される。このようなエステル類及びそれらの混合物は室温で固体であって、結晶性構造を示す。ラード及び獣脂が実例である。用語“脂肪”は通常トリグリセリドを特定的に指稱するのに対して、“脂質”は他のものも含んでいる。
【0022】
脂肪は、好ましくは、長鎖C12−C22の脂肪酸のトリグリセリルエステル類、例えばステアリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、アラキン酸エステル及びベヘン酸エステル、並びにそれらの混合物で構成されており、50℃以上の融点を持つものが最も好ましい。本発明を実施する際には、グリセリルトリステアリン酸エステルが最も好ましい脂肪である。さらに、ステアリン酸マグネシウム及びその同効物等の脂肪酸の親油性塩類も適切である。
【0023】
本発明を実施する際に適切な酸化防止剤としては、本発明の巨大分子を安定化するのに適しているとして当業者に知られている任意の酸化防止剤が挙げられる。一つの好ましい酸化防止剤はBHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)である。
【0024】
本発明のマイクロスフェア組成物は、ガンマ線放射を用いて殺菌することができると共に、生物学的活性の有意な損失を伴うことなしに貯蔵寿命を維持することができよう。
【0025】
本発明の安定なマイクロスフェアは、非経口投与用の緩放出性組成物を得るために、調剤上及び薬理学上許容し得る水溶液中に分散させる。
【0026】
界面活性剤、塩類、緩衝液又はそれらの混合物等の付形剤は、本発明の基剤中に含まれていてもよい。本発明用に適切な前記付形剤の量は、重量基準で約0.1%から20%までである。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体が基剤の約1〜5重量%を構成し、無機塩、例えばNaClが基剤の約0.1〜2重量%を構成する。
【0027】
適切な基剤中の本発明組成物を動物に注射することにより、LL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ及び23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物及びアベルメクチン(avermectin)化合物の血中濃度を長期間達成維持することができよう。意外なことに、持続する放出作用を得るためのマイクロスフェア製剤から水に不溶性のマクロライド抗性物質が効果的に産出され得る。
【0028】
活性化合物の持続した血中濃度は、腸内寄生虫、線虫、コナダニ科のダニ並びに内部寄生性及び外部寄生性節足動物による感染及び寄生に対抗して温血動物の保護又は治療に結び付けて考えられる。血中濃度を持続していることは、本活性成分のゆるやかな放出を表している。本発明は、動物の血流中のLL−F28249α−λ化合物、LL−F28249α−λ化合物の23−オキソ及び23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)化合物及びアベルメクチン(avermectin)化合物の濃度を導入維持するための本組成物の使用を包含する。
【0029】
非経口投与した場合、本発明の組成物は、腸内寄生虫、線虫、コナダニ科のダニ並びに内部寄生性及び外部寄生性節足動物(ウシバエの幼虫のような節足動物の内部寄生及び疥癬のような外部寄生が挙げられる。)による感染及び寄生に対抗して、イヌ、ネコ、牛、羊、馬、豚、ヤギ、家禽等の温血動物を保護又は治療するのに非常に有効である。
【0030】
本発明のマイクロスフェアは、活性成分、及び場合によっては酸化防止剤を融解した脂肪、ろう又はそれらの混合物中に溶解させ、次に当業者に知られている、溶液を霧化する各種の方法のいずれかで生じた熱い溶液からなるマイクロスフェアを形成して製造することができよう。代案として、活性成分並びに脂肪、ろう及びそれらの混合物からなる溶液を冷却して、次に粉砕、すりつぶし等の手順で加工し得る固体を生じさせてもよい。マイクロスフェア、好ましくは脂肪のマイクロスフェアは直径が1000ミクロンまであってもよく、非経口投与用には、約25ミクロンから300ミクロンの重量平均粒径が好ましい。好ましいことに、本マイクロスフェアはおおよそ90〜180ミクロンの範囲の直径を有している。
【0031】
本発明のさらなる理解を容易にするために、主としてより明確な細部を具体的に説明する目的で次の実施例を示す。本発明が、請求の範囲に限定されることを除いては、実施例によって限定されると考えてはならない。
【0032】
実施例1:10%モキシデクチン(Moxidectin)マイクロスフェアの製造
グリセリルトリステアリン酸エステル(GTS)888.9gを容器中で融解させ、撹拌しておおよそ100〜110℃にする。融解したGTSに、モキシデクチン粉末111.1g(90%の純度で、0.3〜0.4%のBHTを含む。)を加え、粉末が溶解するまで100〜145℃で撹拌する。この熱い溶液は透明でわずかに黄ばんでいる。二流体式ノズル又は回転式霧化器を有すると共に、約90〜110℃まで予熱されて、噴霧室に組み立てられた霧化装置にこの溶液を移す。溶液を噴霧状に微粒化し、直径が約90〜180ミクロンのマイクロスフェアをふるいを用いて回収する。このマイクロスフェアをコンテナに詰め、次に不活性ガスを用いてコンテナから不純物を除き、密閉し、ガンマ線を照射して殺菌を達成する。
【0033】
実施例2:10%モキシデクチン(Moxidectin)マイクロスフェアの製造
グリセリルトリステアリン酸エステル(GTS)8.8gを容器中で融解させ、撹拌しておおよそ100〜110℃にする。モキシデクチン粉末1.0g(98.9%の純度)とBHT0.002gを融解したGTSに加え、粉末が溶解するまで100〜145℃で撹拌する。熱い溶液は透明でわずかに黄ばんでいる。実施例1の手順に従ってこの溶液を微粒化し、蓄積し、殺菌する。
【0034】
実施例3:モキシデクチン(Moxidectin)マイクロスフェアの基体の製造
下記の成分を含む基体は、以下に述べるようにして製造する:
注射液用の水おおよそ50%を容器に装入し、約70〜80℃まで加熱し、NaCl、メチルパラベン(methylparaben)及びプロピルパラベン(propylparaben)をそれぞれ加え、溶解するまで撹拌する。撹拌しながらHPMCを徐々に加えて分散させる。加熱をやめ、注射液用の冷水を加えて容積を10リットルにする。製剤を約5〜10℃に冷やし、HPMCの完全な溶解化を達成する。HClを加えてpHを4.5〜5.5に調節し、溶液を濾過して殺菌を達成する。基体溶液を無菌の容器に蓄える。
【0035】
実施例4:最終製剤の製造と使用
使用まぎわに、実施例3で製造した基体を実施例1で製造したマイクロスフェアに加え、容器を振とうして基体中にマイクロスフェアを分散させる。次に治療すべき犬の体重について指定された投与容量の範囲で製剤を注射器に吸入し、皮下に注射する。
【0036】
体重kg当たり最終製剤3.5mgの用量を犬に投与したときに、下記のデータを収集した。
【0037】
これらのデータは73日の放出半減期を示す。これらのデータを図1にグラフで示す。
【0038】
比較実施例
オーストラリア特許第651229号及び欧州特許第525307号に従って製造した製剤を、1.7mg/kg体重の用量で犬に非経口投与した。これらのマイクロスフェアは9:1のグリセリルトリステアリン酸エステル/ミグリオール(Miglyol)812(トリグリセリドオイル)中に10%のモキシデクチン(moxidectin)を含有していた。
結果を下記表に表すと共に図1に図解する。
【0039】
これらのデータは12日の放出半減期を示す。この比較実施例と実施例3のデータから、本発明の製剤が比較製剤よりも徐々に活性成分を放出することは明らかである。従って、本発明の製剤は血流中に比較的一定で長続きする、活性成分濃度を与える。
【0040】
最後に、本発明の特徴及び態様を示せば以下の通りである。
【0041】
1. LL−F28249α−λ、LL−F28249α−λの23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)及びアベルメクチン(avermectin)から成る群から選択された化合物約1重量%〜約50重量%;約40℃以上の融点を有する脂肪、ろう又はそれらの混合物約50重量%〜約99重量%、及び1種以上の酸化防止性化合物0〜10%から本質的に成るマイクロスフェア組成物。
【0042】
2. 前記脂肪、ろう又はそれらの混合物が脂肪酸エステルを含んで成る、前記1に記載のマイクロスフェア組成物。
【0043】
3. 前記脂肪酸エステルは、12個〜22個の炭素原子をそれぞれ含む脂肪酸のトリグリセリルエステルである、前記2に記載のマイクロスフェア組成物。
【0044】
4. 前記脂肪酸エステルがグリセリルトリステアリン酸エステルである、前記2に記載のマイクロスフェア組成物。
【0045】
5. 前記化合物がモキシデクチン(moxidectin)である、前記4に記載のマイクロスフェア組成物。
【0046】
6. 前記化合物がモキシデクチン(moxidectin)である、前記1に記載のマイクロスフェア組成物。
【0047】
7. 前記化合物は、モキシデクチン(moxidectin)であって、組成物の約1%〜約25%を構成しており、前記脂肪、ろう又はそれらの混合物がグリセリルトリステアリン酸エステルを含んで成る、前記1に記載のマイクロスフェア組成物。
【0048】
8. 前記7に記載のマイクロスフェア組成物及び調剤上許容し得る水性基剤を含む、温血動物に対する注射に適する製薬組成物。
【0049】
9. 前記水性基剤が、約1〜5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んで成る、前記8に記載の製薬組成物。
【0050】
10. a)LL−F28249α−λ、LL−F28249α−λの23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)及びアベルメクチン(avermectin)から選択された化合物約1〜25重量%;12個〜22個の炭素原子をそれぞれ有する脂肪酸から成り、約50℃以上の融点を有し、且つ、溶融状態のときに前記化合物を溶解し得るトリグリセリルエステル、及び1種以上の酸化防止性化合物0〜10%から本質的に成るマイクロスフェア;並びに
(b)調剤上許容し得る水性基剤
を含んで成る、温血動物に対して非経口投与するための組成物。
【0051】
11. 前記脂肪酸のトリグリセリルエステルがグリセリルトリステアリン酸エステルを含んで成る、前記10に記載の組成物。
【0052】
12. 腸内寄生虫、線虫、コナダニ科のダニ又は内部寄生性もしくは外部寄生性の節足動物による感染もしくは寄生に対抗して温血動物を保護もしくは治療する方法であって、前記10に記載の組成物を温血動物に非経口投与することを含んで成る前記方法。
【0053】
13. LL−F28249α−λ、LL−F28249α−λの23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)及びアベルメクチン(avermectin)から選択された化合物の血中濃度を温血動物に導入維持する方法であって、前記10に記載の組成物を前記動物に非経口投与することを含んで成る前記方法。
【0054】
14. 腸内寄生虫、線虫、コナダニ科のダニ又は内部寄生性もしくは外部寄生性の節足動物による感染もしくは寄生に対抗して温血動物を保護もしくは治療する方法であって、前記1に記載の組成物を哺乳動物に非経口投与することを含んで成る前記方法。
【0055】
15. 前記組成物が化合物モキシデクチン(moxidectin)を含んで成る、前記14に記載の方法。
【0056】
16. LL−F28249α−λ、LL−F28249α−λの23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)及びアベルメクチン(avermectin)から選択された化合物の血中濃度を温血動物に導入維持する方法であって、前記1に記載の組成物を前記動物に非経口投与することを含んで成る前記方法。
【0057】
17. 前記化合物がモキシデクチン(moxidectin)である、前記16に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製剤と本発明の範囲外の製剤の放出速度論を説明すると共にそれらを比較したグラフである。
Claims (11)
- LL−F28249α−λ、LL−F28249α−λの23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)及びアベルメクチン(avermectin)から成る群から選択された化合物1重量%〜50重量%;40℃以上の融点を有する脂肪、ろう又はそれらの混合物50重量%〜99重量%、及び10重量%までの1種以上の酸化防止性化合物から本質的に成るが、但し、油を含まないマイクロスフェア組成物。
- 前記脂肪、ろう又はそれらの混合物が脂肪酸エステルを含んで成る、請求項1に記載のマイクロスフェア組成物。
- 前記脂肪酸エステルが、12個〜22個の炭素原子をそれぞれ含む脂肪酸のトリグリセリルエステルである、請求項2に記載のマイクロスフェア組成物。
- 前記脂肪酸エステルがグリセリルトリステアリン酸エステルである、請求項2に記載のマイクロスフェア組成物。
- 前記化合物がモキシデクチン(moxidectin)である、請求項4に記載のマイクロスフェア組成物。
- 前記化合物がモキシデクチン(moxidectin)である、請求項1に記載のマイクロスフェア組成物。
- 前記化合物が、モキシデクチン(moxidectin)であって、組成物の1%〜25%を構成しており、前記脂肪、ろう又はそれらの混合物がグリセリルトリステアリン酸エステルを含んで成る、請求項1に記載のマイクロスフェア組成物。
- 請求項7に記載のマイクロスフェア組成物及び調剤上許容し得る水性基剤を含む、温血動物に対する注射に適する製薬組成物。
- 前記水性基剤が、1〜5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含んで成る、請求項8に記載の製薬組成物。
- a)LL−F28249α−λ、LL−F28249α−λの23−オキソ又は23−イミノ誘導体、ミルベマイシン(milbemycin)及びアベルメクチン(avermectin)から選択された化合物1〜25重量%;12個〜22個の炭素原子をそれぞれ有する脂肪酸から成り、50℃以上の融点を有し、且つ、溶融状態のときに前記化合物を溶解し得るトリグリセリルエステル、及び10重量%までの1種以上の酸化防止性化合物から本質的に成るが、但し、油を含まないマイクロスフェア;並びに
(b)調剤上許容し得る水性基剤
を含んで成る、温血動物に対して非経口投与するための組成物。 - 前記脂肪酸のトリグリセリルエステルがグリセリルトリステアリン酸エステルを含んで成る、請求項10に記載の組成物。
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