JP4220668B2 - 端子台 - Google Patents

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光一 小田切
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場施設のシーケンスコントローラなど制御用の配線機器に用いられる端子台に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の制御用の配線機器などに取付けた端子台に電線を接続する場合に、端子台が機器の内部に設けられていると、電線を端子台に接続する作業が容易でなく、このため、配線機器に固定された基盤に電線接続した端子台本体を結合するようにして電線の接続作業性を向上した分離形の端子台が知られている。
【0003】
この従来の分離形の端子台は、端子ねじを螺合するねじ孔を形成した端子片に基盤の固定端子に接続されるコンタクト片部を設けた構造が採られていた。
【0004】
また、従来の分離形の端子台は、基盤に設けた固定端子に接続されるコンタクト片を端子片とは別個に端子台本体に設けた構造も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来の分離形端子台は、ねじ孔を形成する端子片は強度を必要とするために肉厚を必要とし、この肉厚の端子片にコンタクト片部を形成するために設計上の制約が多く、また、端子片と別個のコンタクト片を設けた構造では部品数が多くなり、小型化の障害となり、いずれも高価となる問題があった。
【0006】
また、配線時に端子ねじを浮かせた状態に保持できる構造が求められているが、従来の分離形の端子台では端子ねじを浮かせた状態に保持できる構造となっていなかった。
【0007】
本発明は上記点に鑑みなされたもので、端子ねじを浮かせた状態に保持でき、電線の接続を容易にでき、配線作業性がよく、部品点数が少なく安価に得られる分離形の端子台を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の端子台は、端子台本体と、この端子台本体を上下方向に移動可能に嵌合する基盤と、前記端子台本体に設けられねじ孔を形成した端子片と、この端子片のねじ孔に螺合される端子ねじと、この端子ねじを回動可能に支持する座金と、前記基盤に設けられた固定端子片とを具備し、前記座金には前記端子台本体に上下方向に移動可能に設けられ上部位置に保持されるとともに下部位置で前記固定端子片に接続されるコンタクト片部を形成したものである。
【0009】
そして、端子台本体を基盤から分離し、この基盤から分離した端子台本体に電線を接続でき、また、電線の接続時には端子ねじを端子片から浮かせた状態に保持して電線接続が容易にでき、端子台本体を基盤に結合した状態で端子台本体の端子片が座金のコンタクト片部を介して基盤の固定端子片に導通接続でき、電線の接続作業性を向上できる。
【0010】
また、基盤の固定端子片に接続されるコンタクト片部はねじ孔を形成した端子片とは別個の座金に形成するとともにこのコンタクト片部にて端子ねじを保持した座金を端子片から浮かせた状態に保持でき、部品点数を少なく安価に得られる。
【0011】
請求項2記載の発明の端子台は、請求項1記載の端子台において、座金に形成したコンタクト片部は、端子台本体に形成した係合溝に弾力的に圧接しながら上下方向に摺動する摺動部と、基盤に設けた固定端子片に挟着接触する接触片部とを形成したものである。
【0012】
そして、座金と一体に形成したコンタクト片部は、摺動部が端子台本体に形成した係合溝に弾力的に圧接しながら端子台本体の上部位置で保持され、端子ねじを保持した座金が端子片から浮き上がった状態で保持でき、電線接続が容易となり、また、座金のコンタクト片部は株位置で基盤に設けた固定端子片に挟着接触され、端子台本体の端子片と基盤の固定端子片とが座金を介して確実に導通接続された状態に保持できる。
【0013】
請求項3記載の発明の端子台は、請求項1または2記載の端子台において、座金の端子ねじ挿通孔の内周縁には、端子ねじの締め付けにより変形して内径が縮径され端子ねじの座金保持部に係合される略円錐台形状の係合縁を形成したものである。
【0014】
そして、座金の端子ねじ挿通孔に挿通した状態で端子片のねじ孔に端子ねじを螺合して締め付けると、係合縁が変形して内径が縮径されて端子ねじの座金保持部に係合され、端子ねじは容易に座金に保持される。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に本発明の端子台の一実施の形態を図面に基いて説明する。
【0016】
端子台本体1は、絶縁性材料で成形され、複数の端子台部2を有し、この端子台部2は上方に開放した端子片配設部3と下方に開口した基盤嵌合部4とが上下に仕切り形成され、この端子片配設部3の底部には端子ねじ挿通孔5が形成され、図4に示すように、この端子片配設部3の一端側の両側に前記基盤体嵌合部4に連通する上下方向の係合溝6が形成されている。この係合溝6の上部は幅寸法が狭いコンタクト片部保持部7に形成され、このコンタクト片部保持部7の下部に連続してこのコンタクト片部保持部7より拡幅したコンタクト片部摺動部8が形成され、さらに、このコンタクト片部摺動部8の下部に連続してこのコンタクト片部摺動部8より拡幅されたコンタクト片部遊動部9が前記基盤嵌合部4に位置して形成されている。
【0017】
また、前記端子台本体1の基盤嵌合部4に嵌合する基盤10は絶縁性材料で成形され、上面に開口した箱状に形成され、この基盤10には前記端子台本体1の係合溝6の位置に臨ませて固定端子片11が突設され、この固定端子片11の配線盤などに接続固定される下端接続部12は基盤10の底部から下方に突出されている。
【0018】
また、前記端子台本体1の各端子台部2の端子片配設部3に設けられた端子片15は中央部にねじ孔16が形成され、両側部には下方に折り曲げられた固定片部17が設けられており、この固定片部17の両側縁には前記端子片配設部3の内面に食い込み係止する係止爪部18が形成され、この端子片配設部3に上方から組み込んだ端子片15は固定片部17の係止爪部18が端子片配設部3の内面に係止されて固定される。
【0019】
さらに、前記端子片15のねじ孔16に螺合される端子ねじ20は頭部21とねじ部22との間に径小軸部23が形成され、この径小軸部23には抜け止め座金保持部24が拡径状に形成されている。
【0020】
次に、前記端子ねじ20を回動可能に支持する座金25は端子ねじ挿通孔26の内周縁はこの端子ねじ20の締め付けにより変形して内径が縮径され端子ねじ20の座金保持部24に係合される略円錐台形状の係合縁27が形成されている。この座金25の一側には下方に向けて折り曲げたコンタクト片部28が一体に形成されている。
【0021】
このコンタクト片部28は前記端子台本体1の係合溝6に上下方向に移動可能に係合される。このコンタクト片部28は上下方向に下側に向って開口した切り欠き凹部29によって両側脚片部30が形成され、この両側脚片部30は切り欠き凹部29によって互いに接近する方向への押圧力に対して拡がる方向への反発弾性力が作用するようになっている。
【0022】
このコンタクト片部28の両側脚片部30には下端部の外側縁に突出し前記端子台本体1の係合溝6に形成したコンタクト片部保持部7に弾力的に圧接されて座金25を上部位置に保持する摺動部31が形成されている。そして、このコンタクト片部28の摺動部31は、前記コンタクト片部保持部7の下部に連続したコンタクト片部摺動部8を摺動するとともにこのコンタクト片部摺動部8の下部に連続し前記基盤嵌合部4に位置するコンタクト片部遊動部9にて係合溝6との係合が解かれるようになっている。
【0023】
さらに、前記コンタクト片部28の両側脚片部30の互いに対向する内側縁には、前記基盤10の係合溝6の位置に臨ませて突設した固定端子片11を挟着接触する接触片部32がそれぞれ突弧状に突設され、この接触片部32がコンタクト片部28の下部位置で前記基盤10の固定端子片11に挟着接触して接続されるようになっている。
【0024】
次に、この実施の形態の作用を説明する。
【0025】
端子台本体1を基盤10から分離し、端子台本体1の端子片15と座金25との間に電線を接続した端子などを配置して端子ねじ20の締め付けで電線を接続できる。また、この電線を接続するときには、コンタクト片部28の両側脚片部30に形成した摺動部31が端子台本体1の係合溝6に形成したコンタクト片部保持部7に弾力的に圧接され、座金25を上部位置に保持するため、座金25に保持された端子ねじ20が端子片15から浮かせた状態に保持されているので、電線接続が容易にできる。そして、端子ねじ20の締め付け螺合で座金25のコンタクト片部28は係合溝6のコンタクト片部摺動部8を摺動して下降し、コンタクト片部遊動部9にて係合が解かれている。
【0026】
また、電線を端子片15に接続した状態で端子台本体1をその基盤嵌合部4に基盤10を嵌合することにより端子台本体1は基盤10に結合され、端子台本体1を基盤10に結合した状態で端子台本体1の基盤嵌合部4に位置する座金25のコンタクト片部28に形成した接触片部32が固定端子片11を挟着して接触し、端子片15に接続した電線は座金25のコンタクト片部28を介して基盤10の固定端子片11に導通接続でき、電線の接続作業性を向上できる。
【0027】
さらに、座金25の端子ねじ挿通孔26に挿通した状態で端子片15のねじ孔16に端子ねじ20を螺合して締め付けると、係合縁27が変形して内径が縮径されて端子ねじ20の座金保持部24に係合され、端子ねじ20は容易に座金25に保持される。
【0028】
前記図示の実施の形態では、端子台本体1に二つの端子台部2を形成した二連型について説明したが、端子台部2を複数形成した多連型とすることもできる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、基盤から分離した端子台本体に電線を接続でき、また、電線の接続時には端子ねじを端子片から浮かせた状態に保持して電線接続が容易にでき、端子台本体を基盤に結合した状態で端子台本体の端子片が座金のコンタクト片部を介して基盤の固定端子片に導通接続でき、電線の接続作業性を向上できる。
【0030】
また、基盤の固定端子片に接続されるコンタクト片部はねじ孔を形成した端子片とは別個の座金に形成するとともにこのコンタクト片部にて端子ねじを保持した座金を端子片から浮かせた状態に保持でき、部品点数を少なく安価に得られる。
【0031】
請求項2記載の発明によれば、座金と一体に形成したコンタクト片部は、摺動部が端子台本体に形成した係合溝に弾力的に圧接しながら端子台本体の上部位置で保持され、端子ねじを保持した座金が端子片から浮き上がった状態で保持でき、電線接続が容易となり、また、座金のコンタクト片部は株位置で基盤に設けた固定端子片に挟着接触され、端子台本体の端子片と基盤の固定端子片とが座金を介して確実に導通接続された状態に保持できる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、座金の端子ねじ挿通孔に挿通した状態で端子片のねじ孔に端子ねじを螺合して締め付けると、係合縁が変形して内径が縮径されて端子ねじの座金保持部に係合され、端子ねじは容易に座金に保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す端子台の縦断面図である。
【図2】同上端子台の端子台本体を基盤から分離した状態を示す縦断面図である。
【図3】同上端子台の平面図である。
【図4】同上端子台の係合溝部の縦断面図である。
【図5】同上端子台の座金の縦断面図である。
【符号の説明】
1 端子台本体
10 基盤
11 固定端子片
15 端子片
16 ねじ孔
20 端子ねじ
24 座金保持部
25 座金
27 係合縁
28 コンタクト片部
31 摺動部
32 接触片部

Claims (3)

  1. 端子台本体と、この端子台本体を上下方向に移動可能に接合する基盤と、前記端子台本体に設けられねじ孔を形成した端子片と、この端子片のねじ孔に螺合される端子ねじと、この端子ねじを回動可能に支持する座金と、前記基盤に設けられた固定端子片とを具備し、
    前記座金には前記端子台本体に上下方向に移動可能に設けられ上部位置に保持されるとともに下部位置で前記固定端子片に接続されるコンタクト片部を形成した
    ことを特徴とする端子台。
  2. 座金に形成したコンタクト片部は、端子台本体に形成した係合溝に弾力的に圧接しながら上下方向に摺動する摺動部と、基盤に設けた固定端子片に挟着接触する接触片部とを形成したことを特徴とする請求項1記載の端子台。
  3. 座金の端子ねじ挿通孔の内周縁には、端子ねじの締め付けにより変形して内径が縮径され端子ねじの座金保持部に係合される略円錐台形状の係合縁を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の端子台。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105659437A (zh) * 2013-10-24 2016-06-08 Idec株式会社 端子装置

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