JP4220605B2 - 超音波画像診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、超音波画像を用いて計測を行う超音波画像診断装置に係り、特にレポート/ワークシート画面により計測を起動可能にする超音波画像診断装置に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波画像診断装置では、被検体内の診断部位との間での超音波ビームのスキャンで得られた超音波画像を用いて診断部位内の関心部位等の面積、長さ、角度等の一般的な計測のほか、予め定式化された手法を用いた計測等を行い、これらの計測値を診断に必要なデータとして提供するものが知られている。
【0003】
このような超音波画像を用いた計測の手順を説明すると、一般的な計測の場合では、1)関心部位を描出、2)面積、長さ等の計測手法をスイッチにより指定、3)計測用のマーカを画面表示、4)ポインティングデバイスによりマーカを移動、5)計測実行(SETボタンの操作)、6)計測値の名称入力(例えば、tumorの面積)の順となる。これに対し、定式化された手法の場合では、1)関心部位を描出、2)定式化された手法をスイッチで指定、3)計測実行(計測値の名称はすでに決定済み)の順となる。いずれの場合も、計測後にその結果を診断用のレポート/ワークシートの書式で出力可能となっている。
【0004】
ここで、ワークシートとは、作業(検査)内容の指示、測定値の記入を記入した作業表のことであり、主に技師によって使用されるものである。また、レポートとは、公式な検査記録のことであり、医師が検査結果を確認するために使用され、通常はカルテに入れて保存されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した一般的な計測の場合では計測値の名称をそのつど入力しなければならず、また定式化された手法の場合では手順が定まっているため、描出する画像により手順を変更しなければならず、いずれの操作も面倒であるといった問題がある。
【0006】
この発明は、このような従来の問題を考慮してなされたもので、一般的な計測の場合においても計測値を入力する手間を低減し、定式化された手法の場合でも計測に関する手順の変更を容易に行うことが可能な超音波画像診断装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するため、計測後に作成されていたレポート/ワークシートを操作性向上のためのユーザーインターフェイスとして積極的に活用し、具体的にはレポート/ワークシートの計測項目等の書式を定義する手段と、レポート/ワークシートの種類を選択する手段と、レポート/ワークシート中の計測項目を選択して計測を実行させる手段とを備えた装置構成の着想を得た。
【0008】
この発明に係る超音波画像診断装置は、このような着想に基づいて完成されたものである。
【0009】
すなわち、請求項1記載の発明は、被検体内を超音波ビームでスキャンすることにより超音波画像を求め、この超音波画像に基づいて診断部位の計測値を求め、その結果を出力書式に従って出力する超音波画像診断装置において、前記出力書式を複数種類登録可能に構成され、この出力書式を定義するデータとして前記計測項目を設定可能に構成されたデータ登録手段と、このデータ登録手段に登録されている出力書式の少なくとも1つを指定する第1の指定手段と、この第1の指定手段により指定された出力書式を前記超音波画像と同時に同一画面に表示する表示手段と、この表示手段により前記出力書式に従って表示されたデータの中から計測項目を指定する第2の指定手段と、この第2の指定手段により計測項目が指定された時に当該計測項目に関連付けられた計測手法による計測を実行する実行手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記データ登録手段は、前記計測項目を複数登録可能に構成され、少なくとも設定項目の名称、計測手法を前記計測項目と関連付けて登録するものであることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記実行手段により実行された計測で得られた計測値を前記出力書式中の予め設定された表示位置に表示させる手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記計測値を表示させる手段は、前記計測値を予め設定された基準値の範囲内にあるか否かを識別可能に表示させる手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記第1の指定手段は、前記出力書式の種類を前記診断部位に応じて自動的に選択して指定する手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記データ登録手段は、前記出力書式に関するデータとして計算項目に相当するデータを前記種類、計測項目、及び計測手法に相当する各データに互いに関連付けて登録する手段を備え、前記計算項目に応じた計算を指示する計算指示手段と、この指示手段により指示された計算を実行する計算実行手段と、前記計測又は計測値が更新される毎に又は前記計算が指示されたときに前記計算項目を再計算する再計算手段と、前記計算項目を前記出力書式中の予め設定された表示位置に表示させる手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記計算項目表示手段は、前記計算項目の計算で得られた計算値を予め設定された基準値の範囲内にあるか否かを識別可能に表示させる手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記計測値表示手段により出力書式上に表示された計測値を選択して編集する手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る超音波画像診断装置の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。
【0020】
図1に示す超音波画像診断装置は、超音波探触子1と、この探触子1を駆動させることにより超音波ビームを被検体内の診断部位に向けて送信させると共に、その超音波ビームの診断部位からのエコー信号を探触子1を介して受信する送受信回路2と、この送受信回路2を介してエコー信号に基づく超音波画像(Bモード断層像、ドプラ画像等)を作成し保持する画像メモリ回路3と、この画像メモリ回路3を介して超音波画像を表示するCRTやLCD(液晶ディスプレイ)等の表示回路4と、これらの各回路2〜4の動作を制御する制御回路5と、上記の超音波画像を用いて診断に必要な計測を行う計測システム6とを備えている。
【0021】
このうち、計測システム6は、レポート、ワークシート等の出力書式に関するデータとして少なくとも種類、計測項目、及び計測手法(Method)に関するデータを登録・保存する手段を成すメモリ7と、このメモリ7に登録・保存されたデータに基づいて計測を実行し且つそのデータ及び計測結果を表示回路4に表示させるアルゴリズムを実行する手段を成すCPU8と、このCPU8に制御回路5を介してレポート/ワークシートの種類及びその計測項目等のデータを表示回路4の画面上で指定する手段を成すポインティングデバイス(トラックボール、マウス等)及びキーボード等の入力デバイス9とを備えている。
【0022】
ここで、CPU8の計測実行及び表示に関する処理を中心にして、この実施の形態の全体の動作を図2〜図4に基づいて説明する。
【0023】
まず、計測前の段階では、CPU8により図2に示すレポート/ワークシートの書式を定義するアルゴリズムに基づく処理が実行される。すなわち、CPU8は、まずステップS1にてメモリ7に保持されたデータからレポート/ワークシート定義用のデータを呼び出して表示回路4の画面上に表示させる。この定義画面の表示例を図3に示す。この例では、定義・登録すべき項目として、「1.レポート/ワークシートNO」、「2.レポート/ワークシート名」、「3.計測項目」、「4.タイトル(TITLE)定義」等の各欄がある。
【0024】
このうち、「計測項目」の内容としては、名称、配置座標、計測方法(METHOD)、項目番号等があり、入力デバイス9を操作することによりそれらの登録内容をメモリ7に記憶することができる。計測項目としては、例えば、距離測定、面積測定、心拍計測、血圧測定、血流速度測定、ICA(Internal Carotid Artery)/CCA(Common Carotid Artery) Ratio(ICAとCCAの血流流速比)があり、メモリ7はこれらのような複数種類の測定項目を登録可能に構成されている。
【0025】
次いで、このようなレポート/ワークシート定義画面上でオペレータが入力デバイス9を操作して必要な欄にデータを入力・登録することにより、CPU8はステップS2にてレポート/ワークシートの種類に相当するデータを、ステップS3にて計測項目/計測手法に相当するデータをそれぞれ設定し、ステップS4及びステップS5にて全ての登録が完了したか否かを判断し、この判断結果が「YES」になるまでステップS3の処理を繰り返す。
【0026】
上記のCPU8の処理により、オペレータの入力デバイス9の操作で入力されたレポート/ワークシートの書式を定義するデータとして種類、計測項目/計測手法等のデータが計測システム6内で実行可能に定義・登録され、メモリ7に保存される。
【0027】
計測の段階では、診断部位に必要な計測に応じてレポート/ワークシートの種類を指定し、或いは診断部位に応じて自動で指定することにより、図4に示すように指定されたレポート/ワークシート画面(ウインドウ)がリアルタイム又はメモリ再生による超音波画像と同時に表示回路4上の同一の計測画面中に表示される。
【0028】
この計測画面中の超音波画像は、制御回路5によるスキャン条件等の制御の元で送受信回路2の駆動により超音波探触子1からの超音波ビームを被検体内の診断部位との間で送受信させることにより、その超音波エコーの受信信号に対する送受信回路2及び画像メモリ回路3での所定の信号・画像処理で得られるものである。また、計測画面中のレポート/ワークシート画面には、上述の一連の処理で定義されたワークシート名、タイトル、計測項目等の各欄(図3参照)の必要事項が所定位置に表示されている。
【0029】
このような計測画面の表示状態において、オペレータが入力デバイス9を操作してレポート/ワークシート画面上の項目を指定することにより、計測システム6内では、予め各項目に対応付けて設定された計測に関するアルゴリズムをCPU8が実行し、これにより、画面上で指定された項目に応じた計測処理が起動する。その結果、得られた計測値は、CPU8の処理によりレポート/ワークシート画面中の予め定義された表示位置に表示される。
【0030】
従って、この実施の形態によれば、計測項目が予めレポート/ワークシートの書式を定義するデータとして登録されているために一般的な計測の場合でも計測値の名称等を計測毎にわざわざ入力しなくても済み、使い勝手が良くなると共に、レポート/ワークシート等の書式を定義するデータを容易に設定・変更できるために定式化された手法の場合でも計測の手順の変更等を容易に行うことができ、これにより、従来と比べて操作性も各段に向上するようになる。
【0031】
上記の実施の形態では、メモリ7及び入力デバイス9がデータ登録手段及び第1及び第2の指定手段の要部、CPU8が画像表示手段及び実行手段の要部を構成しているが、本発明は必ずしもこの構成に限定されるものではない。
【0032】
なお、その他の実施例として、上述のレポート/ワークシート画面上の計測値に対して各種の修飾を行うことも可能である。例えば、各計測項目について基準値(上限値、下限値)を予め設定し、或いは必要に応じて年齢別、男女別、多段階に分けてそれぞれ同様の基準値を設定し、計測値がこの基準値を外れた場合、計測値にハイライト等の文字修飾、アトリビュート、異常マーク(図4参照)等を表示させてもよい。この場合には、オペレータが画面を見るだけで容易に視認できるため、計測値による診断効率も向上するものと期待される。
【0033】
また、レポート/ワークシート画面上の計算項目の値を表示させることも可能である。この場合、レポート/ワークシートに計算項目を定義し、例えば上述の「Method」の欄に演算式を定義し(計測項目、他の計算項目の参照を可とする)、計測値を新規に更新する度に又は演算を指示した時に計算項目を再計算して値を表示させてもよい。加えて、前述の基準値を設定することにより、アトリビュート、異常マーク等を表示させることも可能である。
【0034】
さらに、計測値のデータを必要に応じてキー入力等により編集することも可能である。この場合、レポート/ワークシート画面上の計測値の表示エリアをポインティングデバイスやカーソルの指定により指示し、そこでキー入力によりデータを編集させてもよい。この場合、前述の計算項目についてはキー入力を禁止することが望ましい。
【0035】
このようなデータ編集機能等を持たせた場合の計測画面の表示例を図4及び図5に示す。図5は血管の短軸長等を計測する場合、図6は左右ICA/ECAスキャンで得られた画像を用いて計測する場合をそれぞれ示す。
【0036】
特に図6に示す計測画面の例では、内頚動脈、外頚動脈、総頚動脈、および椎骨動脈のそれぞれの収縮期及びその拡張期における血流速度のほか、最高・最低血圧、左右の動脈におけるICA/CCAの流速比を計測できるように構成されており、これらに対応して血流速度計測用、血圧計測用、ICA/CCA Ratio用の各計測項目が設定されている。
【0037】
例えば、内頚動脈の収縮期に対応する部分の計測項目を入力デバイス9により選択すると、計測項目に設定された血流速度を求めるプログラムが起動する。この内頚動脈収縮期の血流速度を求めるプログラムに従って入力デバイス9から計測位置等の必要な操作をすることにより血流速度が算出され、この血流速度が先に選択された計測項目の相当箇所に表示される。この作業を各計測項目について行うことによりレポートを完成することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、レポート/ワークシート等の出力書式を定義するデータを容易に変更可能に登録し、この出力書式を超音波画像と同時に表示させると共に、その出力書式を用いて計測を実行する構成としたため、一般的な計測の場合においても計測値の名称を計測毎に入力する手間を低減でき、定式化された手法の場合でも計測手順の変更を容易に行うことができ、その結果、計測の操作性が大幅に向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る超音波画像診断装置の実施の形態を示す概略ブロック図。
【図2】レポート/ワークシート定義に関する処理を示す概略フローチャート。
【図3】レポート/ワークシート定義画面の表示例を示す概念図。
【図4】計測画面の表示例を示す概念図。
【図5】血管の短軸長等を計測する場合の表示例を示す概念図。
【図6】左右ICA/ECAスキャンの画像を用いた場合の計測時の表示例を示す概要図。
【符号の説明】
1 超音波探触子
2 送受信回路
3 画像メモリ回路
4 表示回路
5 制御回路
6 計測システム
7 メモリ(レポート/ワークシート上の計測項目・計測手法等を保存する手段)
8 CPU(計測を実行及び計測を表示する手段)
9 入力デバイス(レポート/ワークシートを指定及び項目を指定する手段)

Claims (8)

  1. 被検体内を超音波ビームでスキャンすることにより超音波画像を求め、この超音波画像に基づいて診断部位の計測値を求め、その結果を出力書式に従って出力する超音波画像診断装置において、
    前記出力書式を複数種類登録可能に構成され、この出力書式を定義するデータとして前記計測項目を設定可能に構成されたデータ登録手段と、
    このデータ登録手段に登録されている出力書式の少なくとも1つを指定する第1の指定手段と、
    この第1の指定手段により指定された出力書式を前記超音波画像と同時に同一画面に表示する表示手段と、
    この表示手段により前記出力書式に従って表示されたデータの中から計測項目を指定する第2の指定手段と、
    この第2の指定手段により計測項目が指定された時に当該計測項目に関連付けられた計測手法による計測を実行する実行手段とを備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
  2. 請求項1記載の発明において、前記データ登録手段は、前記計測項目を複数登録可能に構成され、少なくとも設定項目の名称、計測手法を前記計測項目と関連付けて登録するものであることを特徴とする超音波画像診断装置。
  3. 請求項1又は2記載の発明において、前記実行手段により実行された計測で得られた計測値を前記出力書式中の予め設定された表示位置に表示させる手段をさらに備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
  4. 請求項3記載の発明において、前記計測値を表示させる手段は、前記計測値を予め設定された基準値の範囲内にあるか否かを識別可能に表示させる手段を備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
  5. 請求項1記載の発明において、前記第1の指定手段は、前記出力書式の種類を前記診断部位に応じて自動的に選択して指定する手段を備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
  6. 請求項1記載の発明において、前記データ登録手段は、前記出力書式に関するデータとして計算項目に相当するデータを前記種類、計測項目、及び計測手法に相当する各データに互いに関連付けて登録する手段を備え、
    前記計算項目に応じた計算を指示する計算指示手段と、この指示手段により指示された計算を実行する計算実行手段と、前記計測又は計測値が更新される毎に又は前記計算が指示されたときに前記計算項目を再計算する再計算手段と、前記計算項目を前記出力書式中の予め設定された表示位置に表示させる手段とをさらに備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
  7. 請求項6記載の発明において、前記計算項目表示手段は、前記計算項目の計算で得られた計算値を予め設定された基準値の範囲内にあるか否かを識別可能に表示させる手段をさらに備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
  8. 請求項3記載の発明において、前記計測値表示手段により出力書式上に表示された計測値を選択して編集する手段をさらに備えたことを特徴とする超音波画像診断装置。
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