JP4220271B2 - Laser-engravable seamless printing original plate and molding method thereof - Google Patents

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Description

【0001】
【本発明の属する技術分野】
本発明はレーザー彫刻によるフレキソ印刷版用レリーフ画像作成、エンボス加工等の表面加工用パターンの形成、タイル等の印刷用レリーフ画像形成、電子回路形成における導体、半導体、絶縁体のパターン印刷に適したレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版およびその成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
段ボール、紙器、紙袋、軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化粧板などの建装材、ラベル印刷などに用いられるフレキソ印刷は各種の印刷方式の中でその比重を高めている。これに用いる印刷版の製作には、通常、感光性樹脂が用いられることが多く、液状の樹脂、又はシート状に成形された固体樹脂板を用い、フォトマスクを感光性樹脂上に置き、マスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、非架橋部分を現像液で洗い落とすという方法が用いられてきた。近年、感光性樹脂表面にブラックレーヤーという薄い光吸収層を設け、これにレーザー光を照射し感光性樹脂板上に直接マスク画像を形成後、そのマスクを通して光を照射し架橋反応を起こさせた後、光の非照射部分の非架橋部分を現像液で洗い落とす、いわゆるフレキソCTPという技術が開発され、印刷版製作の効率改善効果から、採用が進みつつある。しかしながら、この技術も現像工程が残るなど、効率改善効果も限られたものであり、レーザーを使って直接印刷原版上にレリーフ画像を形成し、しかも現像不要である技術の開発が求められている。
【0003】
また、印刷版、あるいは印刷版の下に配置し印刷品質の向上を図る目的で使用されるクッション板を印刷機の版胴上に固定する煩雑な作業が必要となることから、作業の簡略化を目的として円筒状シームレス(継ぎ目のない)印刷版の開発が進められている。例えば、スリーブコア層、クッション層、剛性層および継ぎ目のない印刷レリーフ層がこの順番で配置されたシームレススリーブ印刷版構成体が、特開2003−025749号公報に記載がある。しかしながら、この特許では継ぎ目のない印刷レリーフ層の作製方法が、常温で固体状の印刷原版を円筒状支持体上に貼り付け、継ぎ目を溶着し、その後研摩工程を経て表面に凹凸のない円筒状の構成体を形成する方法であり、作製工程が単純ではない。また、この円筒状構成体はレーザー彫刻用の印刷版構成体ではなく、印刷用のパターンを形成する場合には従来の印刷版の作製方法で必要な露光、現像工程を経ることが必要である。
【0004】
レーザーを使って直接印刷原版上にレリーフ画像を形成し、しかも現像不要である技術として直接レーザーで印刷原版を彫刻する方法が挙げられる。この方法で凸版印刷版やスタンプを作成することは既に行なわれており、それに用いられる材料として種々のものが知られている。
例えば、特公昭47−5121号公報(米国特許3549733号明細書)ではポリオキシメチレンまたはポリクロラールを用いることが開示されている。また特表平10−512823号公報(ドイツ国特許A19625749号)にはシリコーンポリマーもしくはシリコーンフッ素ポリマーを用いることが記載されており、その実施例ではアモルファスシリカ等の充填剤を配合している。しかし、これらの公報に記載の発明では感光性樹脂は用いられておらず、また、アモルファスシリカ添加の効果についても機械的強化と高価なエラストマー量を減らす目的としている。アモルファスシリカについては特定形状について記載もない。
【0005】
特開2001−121833号公報(欧州特許公開1080883号公報)には、シリコーンゴムを用い、その中にレーザー光線の吸収体としてカーボンブラックを混合する記載があるが、感光性樹脂を用いたものではない。
特開2002−3665号公報では、エチレンを主成分とするエラストマー材料が使用されており、樹脂の補強硬化を目的としてシリカを混合してもよいことが記載されている。実施例において多孔質シリカが用いられているが、混合されている量が極めて多量であり、従来のゴムの補強を目的とした技術を出るものではない。更に感光性樹脂を用いているものではなく、熱により硬化させているため、硬化速度が遅く、そのため成膜精度が劣る。
【0006】
ドイツ国特許A19918363号公報は再生原料をベースにした重合物を用いることが特徴の発明が記載されている。熱硬化性樹脂の他、感光性樹脂の記載があり、実施例では、熱硬化性樹脂にカーボンブラックを混合して用いている。カーボンブラックは少量の混合でも光線透過性が極めて低くなり、感光性樹脂にカーボンブラックを1wt%を越えて含有させた系では内部まで十分硬化させることができないため、レーザー彫刻印刷版としては不向きとなる。特に液状感光性樹脂を用いた場合、硬化性の低下は顕著である。更に、この特許において、無機多孔質体の記述も全くなく、液状カスの除去に関しても記載がない。
【0007】
他方、日本国特許2846954号、2846955号(米国特許第5798202号、第5804353号)にはSBS、SIS、SEBS等の熱可塑性エラストマーを機械的、光化学的、熱化学的に強化した材料を用いることが開示されている。熱可塑性エラストマーを用いる場合、赤外線領域の発振波長を有するレーザーを用いて彫刻を実施すると、熱によりレーザービーム径の寸法を大きく逸脱した部分の樹脂までが溶融するため、高解像度の彫刻パターンを形成することができない。そのため、熱可塑性エラストマー層に充填剤を添加することにより機械的に強化を図ることが必須とされている。前記特許では、熱可塑性エラストマー層の機械的強化とレーザー光の吸収性向上を目的として、特に機械的強化効果の極めて高いカーボンブラックが混合されている。しかしながら、カーボンブラックが混合されているために、光を用いて光化学的強化を試みる場合、光線透過性を犠牲にすることになる。したがって、これらの材料をレーザー彫刻すると除去が難しいカス(液状の粘稠物を含む)が大量に発生し、その処理に多大な時間を要するばかりでなく、レリーフに融解によるエッジ部の盛り上がりが発生したり、カスがエッジ部に融着したり、更に、網点の形状が崩れるなどの難点を生じる。
【0008】
また、特にレーザー彫刻の際に樹脂の分解生成物であると推定される液状のカスが多量に発生すると、レーザー装置の光学系を汚すばかりでなく、レンズ、ミラー等の光学部品の表面に付着した液状樹脂が焼きつきを発生させ、装置上のトラブルの大きな要因となる。
レーザー彫刻に用いることのできる円筒状印刷原版は、一般にゴム系材料から作製されたものが使用されている。また、感光性を有する材料を用いて円筒状印刷原版を形成する方法が、前記特許第2846954号公報、第2846955号公報にも記載があるが、その形成方法は常温で固体状の印刷原版を円筒状支持体上に貼り付け、継ぎ目の部分を溶着する方法の記載はあるが、継ぎ目部に発生する表面の凹凸を除去する方法についての記載はなく、レーザー光を用いて凹凸を切削除去する方法についても一切記載されていない。
【0009】
また、ゴム材料を用いた円筒状印刷原版の作製においては、ゴムの加硫による架橋工程、その安定化工程に多大な時間を要するという重大な問題を抱えていた。
このように、これまで種々のレーザー彫刻用の材料が提案されている。しかし、レーザー彫刻するための版を版厚精度、寸法精度よく提供でき、かつ、レーザー彫刻がし易く、カスの発生の問題を解決した材料は知られていなかった。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−56447号公報
【特許文献2】
特開2001−121833号公報
【特許文献3】
特許第2846954号公報
【特許文献4】
特許第2846955号公報
【特許文献5】
特開2003−025749号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、面精度、膜厚精度の高い印刷原版を製造することを目的とする。特に、直接レーザー彫刻してレリーフ画像を制作する際のカスの発生を抑制し、そのカスを容易に除去できるばかりでなく、彫刻の形状が優れ、印刷面のタックが小さい印刷版を製作しうるレーザー彫刻可能な円筒状シームレス印刷原版を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、円筒状シームレス印刷原版を形成する工程でレーザー光を印刷原版表面に照射し、存在する凹凸を除去することに着目し、面精度、膜厚精度の高い印刷原版を形成することが可能となった。さらに、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(a)、数平均分子量1000未満の重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、無機多孔質体(c)を含有してなる液状感光性樹脂組成物を用いることにより上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、好ましくはレーザー光照射により分解し易い樹脂を用いること、分解し易い樹脂を用いることにより、多量に発生する粘稠性の液状カスを無機多孔質体(c)で吸収除去すること、円筒状シームレス印刷原版を形成する工程でレーザー光を印刷原版表面に照射し、存在する凹凸を除去し、面精度、膜厚精度の高い印刷原版を形成することが、本発明の好ましい態様の設計思想である。また、無機多孔質体(c)として無機系微粒子を用いるのは、レーザー光照射により溶融あるいは変形せずに、多孔質性を保持させるためである。
また、レーザー光照射により樹脂を除去し印刷版を形成する場合、彫刻カスが多量に発生する凸版印刷版形成で特に効果がある。
【0014】
本発明は、下記の通りである。
1. レーザー彫刻可能なフレキソ印刷用シームレス印刷原版の成形方法において、(i)円筒状支持体上に継ぎ目のない感光性樹脂組成物層を形成する工程、(ii)形成された感光性樹脂組成物層全面に光を照射し硬化させる工程、(iii)得られた感光性樹脂硬化物層表面にレーザー光を照射・走査し、該硬化物層表面を切削することにより前記硬化物層表面の凹凸を除去する工程を含むことを特徴とするレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。
【0015】
2. 感光性樹脂組成物層が、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(a)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、および無機多孔質体(c)を含有した感光性樹脂組成物からなることを特徴とする.に記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。
【0016】
3. 無機多孔質体(c)の平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、比表面積が10m/g以上1500m/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする2.に記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。
4. 無機多孔質体(c)が、数平均粒子径が0.1μm以上100μm以下であって、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5〜1の範囲の球状粒子であることを特徴とする2.または3.に記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。
【0017】
5. 有機化合物(b)の全体量の20wt%以上が脂環族、芳香族の少なくとも1種類以上の誘導体であることを特徴とする.から4.のいずれかに記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。
6. 感光性樹脂硬化物層表面の凹凸を除去する工程で用いられるレーザーが、200nm以上15μm以下の波長領域に発振波長を有すること、レーザー光を照射中にシームレス印刷原版を円筒の中心軸の周りに回転させること、更にレーザー光の照射・走査方向が前記シームレス印刷原版に接する面内方向であることを特徴とする1.から5.のいずれかに記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、さらに詳細に、本発明の好ましい実施態様を中心に、説明する。
本発明の印刷原版は、レーザー光を用いて彫刻可能なシームレス(継ぎ目のない)円筒状の印刷原版である。レーザー光が照射された部分が除去され凹部が形成される。
本発明では、感光性樹脂組成物を光架橋硬化させて円筒状に加工し、彫刻用レーザー光の波長領域に光吸収を有する印刷原版を作製する。本発明では、レーザー彫刻前の版を印刷原版、レーザー彫刻後の版を印刷版と用語を定義し区別して説明する。
【0020】
本発明において感光性樹脂組成物の光架橋硬化に用いる光として、感光性樹脂組成物の取り扱いの観点から、300から450nmの波長領域の光が好ましい。光源の具体例としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等が挙げられる。硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
【0021】
本発明の特徴の一つは、円筒状シームレス印刷原版を形成するために用いる感光性樹脂組成物中に無機多孔質体(c)が存在することである。二つ目は、円筒状シームレス印刷原版を形成する工程において、レーザー光を表面に照射することにより、表面に存在する凹凸を切削除去することにより面精度、版厚精度の高い印刷原版を作製できることである。
本発明で用いる感光性樹脂組成物は、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(a)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、および無機多孔質体(c)を含有することが好ましい。
【0022】
樹脂(a)の種類としては、エラストマー性樹脂であっても非エラストマー性樹脂であっても構わないし、20℃において固体状樹脂であてっても液状樹脂であっても構わない。また、熱可塑性樹脂を用いる場合、樹脂(a)全重量の30wt%以上、好ましくは50wt%以上、更に好ましくは70wt%以上含有していることが望ましい。熱可塑性樹脂の含有率が30wt%以上であれば、レーザー光線照射により樹脂が充分に流動化するため、後述する無機多孔質体に吸収される。ただし、軟化温度が350℃を越えて大きい樹脂を用いる場合、シート状あるいは円筒状に成形する温度も当然高くなるため、他の有機物が熱で変性、分解することが懸念されるため、軟化温度が350℃を越えて高い樹脂に関しては、溶剤可溶性樹脂を溶剤に溶かした状態で塗布し使用しても構わない。
【0023】
本発明の技術的特徴は、レーザー光線の照射により液状化したカスを、無機多孔質体を用いて吸収除去することにあるため、液状化し易い樹脂や分解し易い樹脂が好ましい。分解し易い樹脂としては、分子鎖中に分解し易いモノマー単位としてスチレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、アクリルエステル類、メタクリルエステル類、エステル化合物類、エーテル化合物類、ニトロ化合物類、カーボネート化合物類、オキシエチレン化合物類、脂肪族環状化合物類等が含まれていることが好ましい。特にポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート類、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ニトロセルロース、ポリオキシエチレン、ポリノルボルネン、ポリシクロヘキサジエン水添物、あるいは分岐構造の多いデンドリマー等の樹脂は、分解し易いものの代表例である。また、分子鎖中に酸素原子を多数含有する樹脂が分解性のに観点から好ましい。樹脂の分解し易さを測る指標として、空気下において熱重量分析法を用いて測定した重量減少率がある。本発明で用いる樹脂(a)の重量減少率は、500℃において50wt%以上であることが好ましい。50wt%以上であれば、レーザー光線の照射により樹脂を充分に分解させることができる。
【0024】
本発明で用いる熱可塑性エラストマーとして特に限定するものではないが、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコーン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。熱可塑性エラストマーは加熱することにより流動化するため、本発明で用いる無機多孔質体(c)と混合することが可能となる。熱可塑性エラストマーとは、加熱することにより流動し通常の熱可塑性プラスチック同様成形加工ができ、常温ではゴム弾性を示す材料である。分子構造としては、ポリエーテルあるいはゴム分子のようなソフトセグメントと、常温付近では加硫ゴムと同じく塑性変形を防止するハードセグメントからなり、ハードセグメントとしては凍結相、結晶相、水素結合、イオン架橋など種々のタイプが存在する。
【0025】
印刷版の用途により、熱可塑性エラストマーの種類を選択できる。例えば、耐溶剤性が要求される分野では、ウレタン系、エステル系、アミド系、フッ素系熱可塑性エラストマーが好ましく、耐熱性が要求される分野では、ウレタン系、オレフィン系、エステル系、フッ素系熱可塑性エラストマーが好ましい。また、熱可塑性エラストマーの種類により、硬度を大きく変えることができる。通常の印刷版での用途では、ショアA硬度が20〜75度の領域、紙、フィルム、建築材料の表面凹凸パターンを形成するエンボス加工の用途では、比較的硬い材料が必要であり、ショアD硬度で、30〜80度の領域である。
【0026】
本発明で用いる熱可塑性樹脂において非エラストマー性のものとして、特に限定するものではないが、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0027】
本発明で用いる熱可塑性樹脂の軟化温度は、50℃以上500℃以下、より好ましくは80℃以上350℃以下、更に好ましい範囲は100℃以上250℃以下である。軟化温度が50℃以上であれば常温で固体として取り扱うことができ、シート状あるいは円筒状に加工したものを変形させずに取り扱うことができる。また軟化温度が500℃以下である場合、シート状あるいは円筒状に加工する際に極めて高い温度に加熱する必要がなく、混合する他の化合物を変質、分解させずに済む。本発明の軟化温度の測定は、動的粘弾性測定装置を用い、室温から温度を上昇していった場合、粘性率が大きく変化する(粘性率曲線の傾きが変化する)最初の温度で定義する。
【0028】
また、本発明で用いる樹脂(a)として溶剤可溶性樹脂であっても構わない。具体的には、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ノボラック樹脂、アルキッド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0029】
本発明で用いる樹脂(a)は、通常反応性の高い重合性不飽和基を持たないものが多いが、分子鎖の末端あるいは側鎖に反応性の高い重合性不飽和基を有していても構わない。反応性の高い重合性不飽和基を有する樹脂(a)を用いた場合、極めて機械的強度の高い印刷原版を作製することができる。特にポリウレタン系、ポリエステル系熱可塑性エラストマーでは、比較的簡単に分子内に反応性の高い重合性不飽和基を導入することが可能である。ここで言う分子内とは高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接、重合性不飽和基が付いている場合なども含まれる。例えば直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いても良いが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
【0030】
特に、シート状あるいは円筒状樹脂版への加工の容易性の観点から、樹脂(a)として20℃において液状のポリマーを使用することが望ましい。レリーフ画像作成用原版をシート状、もしくは円筒状に成形する際、良好な厚み精度や寸法精度を得ることができる本発明で用いる感光性樹脂組成物は、好ましくは、20℃における粘度が10Pa・s以上10kPa・s以下である。さらに好ましくは、50Pa・s以上5kPa・s以下である。粘度が10Pa・s以上であれば、無機多孔質体のカス吸収性能は良好である。この理由は明確ではないが、無機多孔質体粒子中の細孔あるいは空隙に低粘度の感光性樹脂組成物が侵入し、細孔あるいは空隙を埋めてしまうためではないかと推定している。また、10Pa.s以上であれば、作製される印刷原版の機械的強度が十分であり、円筒状印刷原版に成形する際であっても形状を保持し易く、加工し易い。粘度が10kPa・s以下であれば、常温でも変形し易く、加工が容易である。シート状あるいは円筒状の印刷原版に成形し易く、プロセスも簡便である。
【0031】
20℃において液状の樹脂(a)として、数平均分子量が1000以上10万以下で、その分子量に重合性不飽和基を1分子あたり平均で0.7以上有し、20℃でプラストマーである樹脂を用いることが好ましい。ここで、重合性不飽和基とは、後述する本発明で用いる有機化合物(b)の有する重合性不飽和基と同種のものを用いることができる。樹脂(a)が、1分子あたり平均で0.7以上であれば、本発明で用いる感光性樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度に優れ、レーザー彫刻時にレリーフ形状が崩れ難くなる。さらにその耐久性も良好で、繰り返しの使用にも耐えらるのものとなり好ましい。印刷原版の機械強度を考慮すると、樹脂(a)の重合性不飽和基は1分子あたり0.7以上が好ましく、1を越える量が更に好ましい。ここで言う分子内とは高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端や高分子主鎖中や側鎖中に直接、重合性不飽和基が付いている場合なども含まれる。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して作成する原版が強度を保ち、この原版から作成したレリーフ画像は強く、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。より好ましくは2000以上、さらに好ましくは5000以上である。また、樹脂(a)の数平均分子量の上限は、10万以下が好ましい。10万以下であれば、感光性樹脂組成物の粘度が過度に上昇することもなく、シート状、あるいは円筒状のレーザー彫刻印刷原版を作製する際に加熱押し出し等の複雑な加工方法は必要ない。
【0032】
具体的な液状樹脂(a)の例としては、樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン類、ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン等のポリハロオレフィン類、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエーテル等のC−C連鎖高分子の他、ポリフェニレンエーテル等のポリエーテル類、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ナイロン、ポリウレア、ポリイミド等の主鎖にヘテロ原子を有する高分子等からなる群より選ばれる1種若しくは2種以上のものをもちいることができる。複数の高分子を用いる場合の形態としては共重合体、ブレンドどちらでもよい。
【0033】
特にフレキソ印刷版用途のように柔軟なレリーフ画像が必要な場合には、20℃において液状の樹脂(a)として、一部、ガラス転移温度が20℃以下のプラストマー、さらに好ましくはガラス転移温度0℃以下のプラストマーを用いることが好ましい。このようなプラストマーとして、例えばポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポイソプレン等の炭化水素類、アジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類、脂肪族ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン類、(メタ)アクリル酸及び/またはその誘導体の重合体及びこれらの混合物やコポリマー類があげられる。その含有量は、樹脂(a)全体に対して30wt%以上含有することが好ましい。
【0034】
20℃において液状の樹脂(a)を製造する方法としては、例えば直接、重合性の不飽和基をその分子末端に導入したものを用いても良いが、別法として、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、エステル基などの反応性基を複数有する数千程度の分子量の上記成分の反応性基と結合しうる基を複数有する結合剤(例えば水酸基やアミノ基の場合のポリイソシアネートなど)を反応させ、分子量の調節、及び末端の結合性基への変換を行った後、この末端結合性基と反応する基と重合性不飽和基を有する有機化合物と反応させて末端に重合性不飽和基を導入する方法などの方法が好適にあげられる。
また、本発明で用いる樹脂(a)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、側鎖を有するグラフト重合体であっても構わないし、また、複数のポリマーを混合した混合物であっても構わない。
【0035】
有機化合物(b)は、ラジカル、または付加重合反応に関与する不飽和結合を有した化合物であり、樹脂(a)との希釈のし易さを考慮すると数平均分子量は1000未満が好ましい。ラジカル重合反応に関与する不飽和結合を有する官能基としては、ビニル基、アセチレン基、アクリル基、メタクリル基、アリル基などが好ましい例である。また、付加重合反応に関与する不飽和結合を有する官能基としては、シンナモイル基、チオール基、アジド基、開環付加反応するエポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキサン基、環状イミノエーテル基等を挙げることができる。
【0036】
有機化合物(b)の具体例としては、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリルアルコール、アリルイソシアネート等のアリル化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。前記化合物の誘導体の例としては、シクロアルキル−、ビシクロアルキル−、シクロアルケン−、ビシクロアルケン−などの脂環族、ベンジル−、フェニル−、フェノキシ−、フルオレン−などの芳香族、アルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、アルキレングリコール−、ポリオキシアルキレングリコール−、(アルキル/アリルオキシ)ポリアルキレングリコール−やトリメチロールプロパン等の多価アルコールのエステルなどがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
【0037】
また、開環付加反応するエポキシ基を有する化合物としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、分子中のエチレン結合に過酸を反応させて得られるエポキシ化合物などを挙げることができる。具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0038】
本発明において、これら重合性の不飽和結合を有する有機化合物(b)はその目的に応じて1種若しくは2種以上のものを選択できる。例えば印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステル等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物(b)として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
本発明で用いる感光性樹脂組成物より得られる印刷原版の機械強度を高めるためには、有機化合物(b)としては脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましく、この場合、有機化合物(b)の全体量の20wt%以上であることが好ましく、更に好ましくは50wt%以上である。また、前記芳香族の誘導体として、窒素、硫黄等の元素を有する芳香族化合物であっても構わない。
印刷版の反撥弾性を高めるため例えば特開平7−239548号に記載されているようなメタクリルモノマーを使用するとか、公知の印刷用感光性樹脂の技術知見等を利用して選択することができる。
【0039】
無機多孔質体(c)とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子である。レーザー彫刻において多量に発生する粘稠性の液状カスを吸収除去するための添加剤であり、版面のタック防止効果も有する。レーザー照射されても溶融しないことの他、特に材質として限定されるものではないが、紫外線あるいは可視光線を用いて光硬化させる場合、黒色の微粒子を添加すると感光性樹脂組成物内部への光線透過性が著しく低下し、硬化物の物性低下をもたらすため、カーボンブラック、活性炭、グラファイト等の黒色微粒子は、本発明で用いる無機多孔質体(c)としては適当でない。
【0040】
無機多孔質体(c)の細孔容積は、好ましくは0.1ml/g以上10ml/g以下、より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。細孔容積が0.1mlm/g以上の場合、粘稠性液状カスの吸収量は十分であり、また10ml/g以下の場合、粒子の機械的強度を確保することができる。本発明において細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。本発明の細孔容積は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
【0041】
無機多孔質体(c)の平均細孔径は、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収量に極めて大きく影響を及ぼす。平均細孔径の好ましい範囲は、1nm以上1000nm以下、より好ましくは2nm以上200nm以下、更に好ましくは2nm以上50nm以下である。平均細孔径が1nm以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの吸収性が確保でき、1000nm以下である場合、粒子の比表面積も大きく液状カスの吸収量を十分に確保できる。平均細孔径が1nm未満の場合、液状カスの吸収量が少ない理由については明確になっていないが、液状カスが粘稠性であるため、ミクロ孔に入り難いのではないかと推定している。本発明では平均細孔径は、窒素吸着法を用いて測定した値である。平均細孔径が2〜50nmのものは特にメソ孔と呼ばれ、メソ孔を有する多孔質粒子が液状カスを吸収する能力が極めて高い。本発明においての細孔径分布は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
【0042】
本発明では、好ましくはレーザー照射により切断され易いように比較的分子量の低い樹脂を採用し、その場合分子の切断時に多量に低分子のモノマー、オリゴマー類が発生するため、この粘稠性の液状カスの除去を無機多孔質体を用いて行うという、これまでの技術思想に全くない新しい概念を導入していることに特徴がある。粘稠性液状カスの除去を効果的に行なうために、無機多孔質体の数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量、給油量等の物性が重要な要素となることを見出した。 無機多孔質体(c)は数平均粒径が0.1〜100μmであることが好ましい。この数平均粒径の範囲より小さいものを用いた場合、本発明の樹脂組成物より得られる原版をレーザーで彫刻する際に粉塵が舞いやすく、樹脂(a)及び有機化合物(b)との混合を行う際に粘度の上昇、気泡の巻き込み、粉塵の発生等を生じやすい。他方、上記数平均粒径の範囲より大きなものを用いた場合、レーザー彫刻した際レリーフ画像に欠損が生じやすく、印刷物の精細さを損ないやすい傾向がある。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.5〜20μmであり、更に好ましい範囲は3〜10μmである。本発明で用いる無機多孔質体の平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
【0043】
多孔質体の特性を評価する上で、多孔度という新たな概念を導入する。多孔度とは、平均粒子径D(単位:μm)と粒子を構成する物質の密度d(単位:g/cm)から算出される単位重量あたりの表面積Sに対する、比表面積Pの比、すなわちP/Sで定義する。粒子1個あたりの表面積は、πD×10- 12(単位:m)であり、粒子1個の重量は(πDd/6)×10−12(単位:g)であるので、単位重量あたりの表面積Sは、S=6/(Dd)(単位:m/g)となる。比表面積Pは、窒素分子を表面に吸着させ測定した値を用いる。
【0044】
無機多孔質体(c)の多孔度は、好ましくは20以上、より好ましくは50以上、更に好ましくは100以上である。多孔度が20以上であれば、液状カスの吸着除去に効果がある。粒子径が小さくなればなるほど比表面積Pは大きくなるため、比表面積単独では多孔質体の特性を示す指標として不適当である。そのため、粒子径を考慮し、無次元化した指標として多孔度を取り入れた。例えば、ゴム等の補強材として広く用いられているカーボンブラックは、比表面積は150m/gから20m/gと非常に大きいが、平均粒子径は極めて小さく、通常10nmから100nmの大きさであるので、密度をグラファイトの2.25g/cmとして、多孔度を算出すると、0.8から1.0の範囲の値となり、粒子内部に多孔構造のない無孔質体であると推定される。カーボンブラックはグラファイト構造を有することは一般的に知られているので、前記密度にグラファイトの値を用いた。一方、本発明で用いている多孔質シリカの多孔度は、500を優に越えた高い値となる。
【0045】
本発明で用いる無機多孔質体は、さらに良好な吸着性を得るためには、特定の比表面積、吸油量を持つことが好ましい。
無機多孔質体(c)の比表面積の範囲は、好ましくは10m/g以上1500m/g以下である。より好ましい範囲は、100m/g以上800m/g以下である。比表面積が10m/g以上であれば、レーザー彫刻時の液状カスの除去が十分となり、また、1500m/g以下であれば、感光性樹脂組成物の粘度上昇を抑え、また、チキソトロピー性を抑えることができる。本発明において比表面積は、−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。
【0046】
液状カス吸着量を評価する指標として、吸油量がある。これは、無機多孔質体100gが吸収する油の量で定義する。本発明で用いる無機多孔質体の吸油量の好ましい範囲は、10ml/100g以上2000ml/100g以下、より好ましくは50ml/100g以上1000ml/100g以下である。吸油量が10ml/100g以上であれば、レーザー彫刻時に発生する液状カスの除去に効果があり、また2000ml/100g以下であれば、無機多孔質体の機械的強度を十分に確保できる。吸油量の測定は、JIS−K5101にて行った。
【0047】
本発明で用いる無機多孔質体(c)は、特に赤外線波長領域のレーザー光照射により変形あるいは溶融せずに多孔質性を保持することが必要である。950℃において2時間処理した場合の灼熱減量は、好ましくは15wt%以下、より好ましくは10wt%以下である。
無機多孔質体の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、あるいは表面に突起のある粒子などを使用することができる。その中でも、印刷版の耐摩耗性の観点から、球状粒子が特に好ましい。また、粒子の内部が空洞になっている粒子、シリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体など使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、メソポーラスモレキュラーシーブ、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。
【0048】
また、層状粘土化合物などのように、層間に数nm〜100nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本発明においては層間に存在する空隙すなわち面間隔を細孔径と定義する。また、層間に存在する空間の総量を細孔容積と定義する。これらの値は、窒素の吸着等温線から求めることができる。
更にこれらの細孔あるいは空隙にレーザー光の波長の光を吸収する顔料、染料等の有機色素を取り込ませることもできる。
【0049】
球状粒子を規定する指標として、真球度を定義する。本発明で用いる真球度とは、粒子を投影した場合に投影図形内に完全に入る円の最大値Dの、投影図形が完全に入る円の最小値Dの比(D/D)で定義する。真球の場合、真球度は1.0となる。本発明で用いる好ましい球状粒子の真球度は、0.5以上1.0以下、より好ましくは0.7以上1.0以下が望ましい。0.5以上であれば、印刷版としての耐磨耗性が良好である。真球度1.0は、真球度の上限値である。球状粒子として、70%以上、より好ましくは90%以上の粒子が、真球度0.5以上であることが望ましい。真球度を測定する方法としては、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真を基に測定する方法を用いることができる。その際、少なくとも100個以上の粒子がモニター画面に入る倍率において写真撮影を行うことが好ましい。また、写真を基に前記DおよびDを測定するが、写真をスキャナー等のデジタル化する装置を用いて処理し、その後画像解析ソフトウエアーを用いてデータ処理することが好ましい。
【0050】
また、従来技術において用いられているカーボンブラックは一般的にグラファイト構造を有するとされ、層状構造を示す。層間の面間隔は0.34nmと極めて狭く、粘稠性液状カスを吸収し難い。更に、カーボンブラックは、黒色であるため紫外線から赤外線に至るまで広い波長範囲にわたり強い光吸収特性を有する。したがって、感光性樹脂組成物に添加し、紫外線等の光を用いて硬化させる系においては、添加量を極めて少量に制限する必要があり、本発明の粘稠性液状カスの吸着・吸収用途での使用には不向きである。
【0051】
また、無機多孔質体の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化あるいは疎水性化した粒子を用いることもできる。
本発明において、これらの無機多孔質体(c)は1種類もしくは2種類以上のものを選択でき、無機多孔質体(c)を添加することによりレーザー彫刻時の液状カスの発生抑制、及びレリーフ印刷版のタック防止等の改良が有効に行われる。
【0052】
本発明で用いる感光性樹脂組成物における樹脂(a)、有機化合物(b)、及び無機多孔質体(c)の割合は、通常、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、無機多孔質体(c)は1〜100重量部が好ましく、2〜50重量部の範囲がより好ましい。更に好ましい範囲は、2〜20重量部である。
有機化合物(b)の割合が、上記の範囲より小さい場合、得られる印刷版などの硬度と引張強伸度のバランスがとりにくいなどの不都合を生じやすく、上記の範囲より大きい場合には架橋硬化の際の収縮が大きくなり、厚み精度が悪化する傾向がある。
【0053】
また、無機多孔質体(c)の量が上記の範囲より小さい場合、樹脂(a)及び有機化合物(b)の種類によっては、版面のタック防止効果、及びレーザー彫刻した際に、彫刻液状カスの発生を抑制するなどの効果が十分発揮されない場合があり、上記の範囲より大きい場合には、印刷版が脆くなる、透明性が損なわれる場合があり、また、特にフレキソ版として利用する際には、硬度が高くなりすぎてしまう場合がある。光、特に紫外線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させレーザー彫刻印刷原版を作製する場合、光線透過性が硬化反応に影響する。したがって、用いる無機多孔質体の屈折率が感光性樹脂組成物の屈折率に近いものを用いることが有効である。
【0054】
本発明で用いる感光性樹脂組成物を光もしくは電子線の照射により架橋して印刷版などとしての物性を発現させるが、その際に重合開始剤を添加することができる。重合開始剤は一般に使用されているものから選択でき、例えば高分子学会編「高分子データ・ハンドブック−基礎編」1986年培風館発行、に例示されているラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合の開始剤等が使用できる。また、光重合開始剤を用いて光重合により架橋を行なうことは、本発明で用いる感光性樹脂組成物の貯蔵安定性を保ちながら、生産性良く印刷原版を生産出来る方法として有用であり、その際に用いる開始剤も公知のものが使用できるが、例えばベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2、2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノンなどのアセトフェノン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシル酸メチル、ベンゾフェノン、ベンジル、ジアセチル、ジフェニルスルフィド、エオシン、チオニン、アントラキノン類等の光ラジカル重合開始剤のほか、光を吸収して酸を発生する芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩等の光カチオン重合開始剤あるいは光を吸収して塩基を発生する重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤の添加量は樹脂(a)と有機化合物(b)の合計量の0.01〜10wt%範囲が好ましい。
【0055】
その他、本発明で用いる感光性樹脂組成物には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
本実施形態のレーザー彫刻可能な円筒状シームレス印刷原版の成形方法は、(i)円筒状支持体上に継ぎ目のない感光性樹脂組成物層を形成する工程、(ii)形成された感光性樹脂組成物層全面に光を照射し硬化させる工程、(iii)得られた感光性樹脂硬化物層表面にレーザービームを照射・走査し、該硬化物層表面を切削することにより前記硬化物層表面の凹凸を除去する工程を含むことを特徴とする。
【0056】
本発明で用いる感光性樹脂組成物を円筒状に成形する方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行なうことも可能である。また、必要に応じて圧延処理をほどこしても良い。更に、シート状に成形した感光性樹脂組成物を円筒状支持体上に巻きつけ、継ぎ目部分を溶着することにより円筒状シームレス印刷原版を形成することも可能である。また、感光性樹脂組成物を円筒状支持体上に塗布した後、光を照射し該感光性樹脂組成物を硬化・固化させる装置内に、レーザー彫刻用のレーザー光源を組み込んだスリーブ成形・彫刻装置を用いて、円筒状シームレス印刷原版表面の凹凸を除去する工程と印刷用のパターンを形成する工程を連続して実施することもできる。このような装置を用いた場合、円筒状シームレス印刷原版を形成した後、直ちにレーザー彫刻し印刷版を形成することができ、成形加工に数週間の期間を必要としていた従来のゴムスリーブでは到底考えられない短時間加工が実現可能となる。
【0057】
前記円筒状支持体の役割は、印刷原版の寸法安定性を確保することであり、剛直性支持体であっても可燒性支持体であっても構わない。寸法安定性の高いものを選択することが好ましい。線熱膨張係数を用いて評価すると、好ましい材料の上限値は100ppm/℃以下、更に好ましくは70ppm/℃以下である。材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、あるいはニッケル、ステンレス等の金属などを挙げることができる。また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。
【0058】
また、円筒状支持体の線熱膨張係数を小さくする方法として、充填剤を添加する方法、全芳香族ポリアミド等のメッシュ状クロス、ガラスクロスなどに樹脂を含浸あるいは被覆する方法などを挙げることができる。充填剤としては、通常用いられる有機系微粒子、金属酸化物あるいは金属等の無機系微粒子、有機・無機複合微粒子などを用いることができる。また、多孔質微粒子、内部に空洞を有する微粒子、マイクロカプセル粒子、低分子化合物が内部にインターカレーションする層状化合物粒子を用いることもできる。特に、アルミナ、シリカ、酸化チタン、ゼオライト等の金属酸化物微粒子、ポリスチレン・ポリブタジエン共重合体からなるラテックス微粒子、高結晶性セルロース、生物が生成した高結晶性セルロースナノファイバー等の天然物系の有機系微粒子、繊維等が有用である。特に繊維強化プラスチック(FRP)は、円筒状支持体の材料として有用である。
【0059】
本発明で用いる円筒状支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、感光性樹脂組成物層あるいは接着剤層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、微粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線あるいは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸・強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などである。
【0060】
成形された感光性樹脂組成物は、光もしくは電子線の照射により架橋せしめ、印刷原版を形成する。また、成型しながら光もしくは電子線の照射により架橋させることもできる。その中でも光を使って架橋させる方法は、装置が簡便で厚み精度が高くできるなどの利点を有し好適である。硬化に用いられる光源としては高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ等が挙げられ、その他公知の方法で硬化を行うことができる。また、複数の種類の光源の光を照射しても構わない。
【0061】
レーザー彫刻に用いる原版の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、印刷版として用いる場合には、一般的に0.1〜7mmの範囲である。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。
本発明の円筒状シームレス印刷原版を形成する工程で、レーザーを用いて表面の凹凸を切削除去することが大きな特徴である。円筒状支持体の上に感光性樹脂硬化物層を形成する工程において生じる微細な凹凸を、レーザーを用いて除去し、面精度、版厚精度の高い印刷原版を作製することが本発明の重要な設計思想である。
【0062】
レーザー切削に用いるレーザーは、感光性樹脂硬化物が光吸収できる波長に発振波長を有するレーザーであれば特に限定するものではないが、200nmから15μmの波長領域に発振波長を有するレーザーであることが好ましい。発振波長が200nm未満の真空紫外線領域のレーザーを用いた場合、空気中の酸素の光吸収により光強度が大幅に低下すること、オゾンが発生すること等が問題となり、窒素等の不活性ガス中あるいは真空中でのレーザー光照射が必要となるため、装置の構造が極めて煩雑になる。レーザーの出力の観点から、赤外線領域に発振波長を有する炭酸ガスレーザー、近赤外線領域に発振波長を有する、YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザー等が特に好ましい。200nmから15μmの波長領域に発振波長を有するレーザーを用いることにより、切削対象の感光性樹脂硬化物層を効率良く加工することが可能となる。
【0063】
感光性樹脂硬化物層表面の凹凸を切削除去する工程では、レーザー光を照射中にシームレス印刷原版を円筒の中心軸の周りに回転させること、更にレーザー光の照射・走査方向が前記シームレス印刷原版に接する面内方向であることが好ましい。レーザー光を照射中に該円筒状物を回転させることは、均一な表面を形成する上で重要である。レーザー光の照射面が円筒状物に接する面であり、除々にレーザー光を走査することが好ましい。円筒状物の回転速度とレーザーの走査速度は、面精度が高くかつ版厚精度の高い印刷原版を形成する上で重要なパラメータとなる。
【0064】
レーザー光の走査方法としては、レーザー本体からの光を導くオプティカルファイバー等の光導波部品の先端を冶具に固定し、また、加工すべき円筒状物の中心軸と平行に位置精度高く設置されたレールを設置し、該レール上を前記冶具を動かす方法、加工すべき円筒状物の中心軸に平行でかつ円筒状物に接する面内の1箇所に固定されたミラーあるいはオプティカルファイバー等の光導波部品先端を所定の角度範囲で動かし、該面内方向に走査する方法を挙げることができる。
【0065】
本発明により製造される印刷原版には、レーザー彫刻される層の下部にエラストマーからなるクッション層を形成することもできる。一般的にレーザー彫刻される層の厚さは、0.1〜数mmであるため、それ以外の下部層は組成の異なる材料であっても構わない。
クッション層としては、ショアA硬度が20から70度のエラストマー層であることが好ましい。ショアA硬度が20度以上の場合、適度に変形するため、印刷品質を確保することができる。また、70度以下であれば、クッション層としての役割を果たすことができる。より好ましいショアA硬度の範囲は、30〜60度である。
【0066】
前記クッション層は、特に限定せず、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマー等ゴム弾性を有するものであれば何でも構わない。ナノメーターレベルの微細孔を有する多孔質エラストマー層であってもよい。特にシート状あるいは円筒状印刷版への加工性の観点から、光で硬化する液状感光性樹脂組成物を用い、硬化後にエラストマー化する材料を用いることが簡便であり好ましい。
【0067】
クッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
【0068】
光硬化型エラストマーとしては、前記熱可塑性エラストマーに光重合性モノマー、可塑剤および光重合開始剤等を混合したもの、プラストマー樹脂に光重合性モノマー、光重合開始剤等を混合した液状組成物などを挙げることができる。本発明では、微細パターンの形成機能が重要な要素である感光性樹脂組成物の設計思想とは異なり、光を用いて微細なパターンの形成を行う必要がなく、全面露光により硬化させることにより、ある程度の機械的強度を確保できれば良いため、材料の選定において自由度が極めて高い。
【0069】
また、硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素等の非硫黄架橋型ゴムを用いることもできる。
更に、テレケリック液状ゴムを反応する硬化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものを使用することもできる。
また、本発明により製造される印刷原版を用いたレーザー彫刻印刷版の表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うこともできる。改質層としては、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等の表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、あるいは多孔質無機粒子を含有するポリマーフィルムを挙げることができる。
【0070】
広く用いられているシランカップリング剤は、基材の表面水酸基との反応性の高い官能基を分子内に有する化合物であり、そのような官能基とは、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジエトキシシリル基、ジメトキシシリル基、ジモノクロロシリル基、モノエトキシシリル基、モノメトキシシリル基、モノクロロシリル基を挙げることができる。また、これらの官能基は分子内に少なくとも1つ以上存在し、基材の表面水酸基と反応することにより基材表面に固定化される。更にシランカップリング剤を構成する化合物は、分子内に反応性官能基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、パーフルオロアルキル基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも1個の官能基を有するもの、あるいは長鎖アルキル基を有するものを用いることができる。
【0071】
また、チタンカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(オクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルスルフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等の化合物を挙げることができる。
【0072】
表面に固定化したカップリング剤分子が特に重合性反応基を有する場合、表面への固定化後、光、熱、あるいは電子線を照射し架橋させることにより、より強固な被膜とすることもできる
記のカップリング剤に、必要に応じ、水−アルコール、或いは酢酸水−アルコール混合液で希釈して、調整する。処理液中のカップリング剤の濃度は、0.05〜10.0重量%が好ましい。
【0073】
カップリング剤処理法について説明する。前記のカップリング剤を含む処理液を、印刷原版、あるいはレーザー彫刻後の印刷版表面に塗布して用いられる。カップリング剤処理液を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適応することが出来る。また、被覆処理温度、被覆処理時間についても特に限定はないが、5〜60℃であることが好ましく、処理時間は0.1〜60秒であることが好ましい。更に樹脂版表面上の処理液層の乾燥を加熱下に行うことが好ましく、加熱温度としては50〜150℃が好ましい。
【0074】
カップリング剤で印刷版表面を処理する前に、キセノンエキシマランプ等の波長が200nm以下の真空紫外線領域の光を照射する方法、あるいはプラズマ等の高エネルギー雰囲気に曝すことにより、印刷版表面に水酸基を発生させ高密度にカップリング剤を固定化することもできる。
また、無機多孔質体粒子を含有する層が印刷版表面に露出している場合、プラズマ等の高エネルギー雰囲気下で処理し、表面の有機物層を若干エッチング除去することにより印刷版表面に微小な凹凸を形成させることができる。この処理により印刷版表面のタックを低減させること、および表面に露出した無機多孔質体粒子がインクを吸収しやすくすることによりインク濡れ性が向上する効果も期待できる。
【0075】
レーザー彫刻においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成する。レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行なうためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー等の赤外線あるいは近赤外線領域に発振波長を有するレーザーが好ましいものの一つである。また、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3あるいは第4高調波へ波長変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザー等は、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。フェムト秒レーザーなど極めて高い尖頭出力を有するレーザーを用いることもできる。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でも良い。一般には樹脂は炭酸ガスレーザーの10μm近傍に吸収を持つため、特にレーザー光の吸収を助けるような成分の添加は必須ではない。YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザーは1μm近辺に発振波長を有するが、この波長領域に光吸収を有する有機物はあまり無い。その場合、これの吸収を助ける成分である、染料、顔料の添加が好ましい。このような染料の例としては、ポリ(置換)フタロシアニン化合物および金属含有フタロシアニン化合物、;シアニン化合物;スクアリリウム染料;カルコゲノピリロアリリデン染料;クロロニウム染料;金属チオレート染料;ビス(カルコゲノピリロ)ポリメチン染料;オキシインドリジン染料;ビス(アミノアリール)ポリメチン染料;メロシアニン染料;及びキノイド染料などが挙げられる。顔料の例としてはカーボンブラック、グラファイト亜クロム酸銅、酸化クロム、コバルトクロームアルミネート、酸化鉄等の暗色の無機顔料や鉄、アルミニウム、銅、亜鉛のような金属粉およびこれら金属にSi、Mg、P、Co、Ni、Y等をドープしたもの等が挙げられる。これら染料、顔料は単独で使用しても良いし、複数を組み合わせて使用しても良いし、複層構造にするなどのあらゆる形態で組み合わせても良い。ただし、紫外線あるいは可視光線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させる場合、印刷原版内部まで硬化させるためには、用いる光線領域に吸収のある色素、顔料の添加量は低く抑えることが好ましい。添加する光重合開始剤の種類によって硬化特性は大きく影響されるが、感光性樹脂組成物全量の1wt%以下、好ましくは0.2wt%以下であることが添加量として望ましい。
【0076】
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去しても良い。
本発明の原版は印刷版用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、各種成型品の原型・母型など各種の用途に応用し利用できる。
【0077】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
実施例及び比較例中、レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(BAASEL社製、商標「TYP STAMPLAS SN 09」)を用いて行い、彫刻のパターンは、網点、500μm幅の凸線による線画、及び、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。彫刻深さを大きく設定すると、微細な網点部パターンのトップ部分の面積が確保できず、形状も崩れて不鮮明となるため、彫刻深さは0.55mmとした。
【0078】
レーザー彫刻後、エタノールもしくはアセトンを含浸させた不織布(旭化成株式会社製、商標「BEMCOT M−3」)を用いてレリーフ印刷版上のカスを拭き取った。レーザー彫刻前の印刷原版、レーザー彫刻直後の印刷版、及び拭き取り後のレリーフ印刷版各々重量を測定し、式(1)により、彫刻時のカス残存率を求めた。
(彫刻直後の版の重量−拭き取り後の版の重量)÷(彫刻前の原版重量−拭き取り後の版の重量)×100(1)
【0079】
また、拭き取り後のレリーフ印刷版面のタック測定は株式会社東洋精機製作所製タックテスターを用いて行なった。 タック測定は、20℃において、試料片の平滑な部分に半径50mm、幅13mmのアルミニウム輪の幅13mmの部分を接触させ、該アルミニウム輪に0.5kgの荷重を加え4秒間放置した後、毎分30mmの一定速度で前記アルミニウム輪を引き上げ、アルミニウム輪が試料片から離れる際の抵抗力をプッシュプルゲージで読み取る。この値が大きいもの程、ベトツキ度が大きく、接着力が高い。
【0080】
更に、彫刻した部位のうち、80lpiで面積率約10%の網点部の形状を電子顕微鏡にて観察した。
微粒子の比表面積、細孔分布測定は、米国カンタクローム社製、オートソープ3MP(商標)を用い、液体窒素温度雰囲気下、窒素ガスを吸着させて測定した。
【0081】
【製造例1】
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
【0082】
【製造例2】
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート7.42gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量約10000の樹脂(イ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
【0083】
【実施例1〜5】
前記の製造例で得られた樹脂(ア)および(イ)を用い、表1に示すように重合性モノマー、無機多孔質体として富士シリシア化学株式会社製、多孔質性微粉末シリカである、商標「サイロスフェアC−1504」(以下略してC−1504、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5wt%、吸油量290ml/100g)、商標「サイリシア450」(以下略してC−450、数平均粒子径8.0μm、比表面積300m/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量200ml/100g)、商標「サイリシア470」(以下略してC−470、数平均粒子径14.1μm、比表面積300m/g、平均細孔径17nm、細孔容積1.25ml/g、灼熱減量5.0wt%、吸油量180ml/100g)、光重合開始剤、その他添加剤を加えて感光性樹脂組成物を作成した。
【0084】
得られた感光性樹脂組成物を、円筒状支持体であるガラス繊維強化プラスチック上に厚さ2.8mmで塗布し、円筒状支持体を回転させながら、余分な樹脂をドクターブレードでかきとり、感光性樹脂組成物層を成形した。この工程で、感光性樹脂組成物層表面からドクターブレードが離れる部分に、若干樹脂の盛り上がりが発生した。
感光性樹脂組成物層を積層した円筒状支持体を、中心軸の周りに回転させながら、窒素雰囲気下で発光中心波長が370nmである紫外線ランプの光を2000mJ/cm照射することにより、該感光性樹脂組成物層を光硬化させた。表面には、若干の線状盛り上がり部があり、感光性樹脂硬化物層の厚みのむらも若干みられた。
【0085】
直径1mmのファイバーの先端を固定した治具を、円筒状支持体の中心軸と平行に、20μm以内の精度で正確に配置されたレール上に固定し、該ファイバーの先端から出力100Wの炭酸ガスレーザーの光を、感光性樹脂硬化物層に照射し、表面に存在する凹凸を切削除去した。このとき、円筒状支持体は、中心軸の周りに100rpmの速度で回転させ、レーザービームを、円筒状支持体上に形成された感光性樹脂硬化物層の接線方向に照射し、前記レール上を、ファイバーを固定した治具を5mm/分の速度で動かすことにより、該感光性樹脂硬化物層表面をゆっくりと切削した。その結果、いずれの実施例においても感光性樹脂硬化物層の厚さを20μm以内にすることができた。実施例2に関しては、得られたレーザー彫刻印刷原版の表面には多量の液状カスが付着しており、アセトンを染み込ませた不織布で拭き取るのに時間を要した。その他の実施例については、表面にカスは付着していたが、アセトンを染み込ませた不織布にて簡単に拭き取ることができた。
【0086】
用いた多孔質性微紛末シリカの多孔度は、密度を2g/cmとして算出すると、サイロスフェアC−1504が780、サイシリア450が800、サイリシア470が1410である。添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。サイリシア450およびサイリシア470は多孔質シリカではあるが球状シリカではなかった。
【0087】
これらをBAASEL社製の炭酸ガスレーザー彫刻機をもちいて、パターンの彫刻を行なった。その評価結果を表2に示す。
表2の彫刻後のカス拭き取り回数とは、彫刻後発生する粘稠性の液状カスを除去するのに必要な拭き取り処理の回数であり、この回数が多いと液状カスの量が多いことを意味する
施例1〜で用いている二重結合含有有機化合物の内、脂環族および芳香族の誘導体は、BZMA、CHMAおよびPEMAである。
また、印刷原版の耐摩耗性を評価したところ、球状シリカであるサイロスフェアC−1504を用いたものの方が、磨耗量が少なく、サイシリア450を用いたものよりも優れていた。
【0088】
【実施例
無機多孔質体の代わりに無孔質体としてソジュウムカルシウムアルミノシリケート(水澤化学社製、商標「シルトンJC50」)を用いる以外は、実施例1と同じ方法により印刷原版を作製した。用いた無孔質体は平均粒子径5.0μm、細孔容積0.02ml/g、比表面積6.7m/g、吸油量45ml/100gであった。多孔度は、密度を2g/cmとして、11であった。
実施例1と同様に、炭酸ガスレーザーを用いて切削することにより、感光性樹脂硬化物層の厚み精度20μm以内のレーザー彫刻印刷原版を得た。しかしながら、得られたレーザー彫刻印刷原版の表面には液状カスが付着しており、アセトンを染み込ませた不織布で拭き取るのに時間を要した。
【0089】
炭酸ガスレーザーで彫刻後、粘稠性液状カスが多量に発生し、カス拭き取り回数は10回を越えて必要であった。
網点部の形状は、円錐状で良好であった。また、拭き取り後のレリーフ上のタックは250N/mであった。
【0090】
【比較例1】
実施例1と同様にして、硬化した感光性樹脂硬化物層を得た。炭酸ガスレーザーによる表面の切削は行なわなかった。感光性樹脂硬化物層の厚み精度は、50μm程度であった。
【0091】
【表1】

Figure 0004220271
【0092】
【表2】
Figure 0004220271
【0093】
【発明の効果】
本発明によれば、面精度、膜厚精度の高い印刷原版を製造することができる。さらには、特定の樹脂組成物とすることで、直接レーザー彫刻してレリーフ画像を制作する際のカスの発生を抑制し、そのカスを容易に除去できるばかりででなく、彫刻の形状が優れ、印刷面のタックが小さい印刷版を製作しうるレーザー彫刻可能な円筒状シームレス印刷原版を提供することができる。[0001]
[Technical field to which the present invention pertains]
The present invention is suitable for forming relief images for flexographic printing plates by laser engraving, forming patterns for surface processing such as embossing, printing relief images for printing tiles, etc., and pattern printing of conductors, semiconductors, and insulators in electronic circuit formation. The present invention relates to a laser-engravable seamless printing original plate and a forming method thereof.
[0002]
[Prior art]
Flexographic printing used for packaging materials such as cardboard, paper containers, paper bags, flexible packaging films, wallpaper materials, decorative materials such as decorative boards, and label printing has increased its specific gravity among various printing methods. For the production of the printing plate used for this, a photosensitive resin is usually used, and a liquid resin or a solid resin plate formed into a sheet shape is used, a photomask is placed on the photosensitive resin, and the mask is used. A method of irradiating light through the substrate to cause a crosslinking reaction and then washing off the non-crosslinked portion with a developer has been used. In recent years, a thin light-absorbing layer called a black layer has been provided on the surface of a photosensitive resin, and this is irradiated with laser light to form a mask image directly on the photosensitive resin plate, and then light is irradiated through the mask to cause a crosslinking reaction. Later, a technique called so-called flexo CTP was developed in which the non-crosslinked portion of the light non-irradiated portion was washed away with a developing solution, and its adoption has been promoted due to the effect of improving the efficiency of printing plate production. However, this technique also has a limited efficiency improvement effect such as the development process remaining, and development of a technique that directly forms a relief image on a printing original plate using a laser and does not require development is required. .
[0003]
In addition, the work is simplified because a complicated work is required to fix the printing plate or a cushion plate that is placed under the printing plate and used for the purpose of improving the printing quality on the printing plate cylinder. Development of a cylindrical seamless (seamless) printing plate is underway for this purpose. For example, Japanese Unexamined Patent Application Publication No. 2003-025749 discloses a seamless sleeve printing plate structure in which a sleeve core layer, a cushion layer, a rigid layer, and a seamless printing relief layer are arranged in this order. However, in this patent, the method for producing a seamless printing relief layer is that a solid printing original is stuck on a cylindrical support at room temperature, the seam is welded, and then a cylindrical shape with no irregularities on the surface through a polishing process. The manufacturing process is not simple. Further, this cylindrical structure is not a printing plate structure for laser engraving, and when a pattern for printing is formed, it is necessary to go through exposure and development steps necessary for a conventional printing plate preparation method. .
[0004]
As a technique for forming a relief image directly on a printing original plate using a laser and not requiring development, there is a method of engraving the printing original plate directly with a laser. Producing letterpress printing plates and stamps by this method has already been carried out, and various materials are known for use therewith.
For example, Japanese Examined Patent Publication No. 47-5121 (US Pat. No. 3,549,733) discloses the use of polyoxymethylene or polychloral. Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-512823 (German Patent No. A19625749) describes the use of a silicone polymer or a silicone fluoropolymer. In this example, a filler such as amorphous silica is blended. However, in the inventions described in these publications, no photosensitive resin is used, and the effects of adding amorphous silica are also aimed at reducing mechanical strength and the amount of expensive elastomer. There is no description of the specific shape of amorphous silica.
[0005]
Japanese Patent Laid-Open No. 2001-121833 (European Patent Publication No. 10808083) describes that silicone rubber is used and carbon black is mixed therein as a laser beam absorber, but a photosensitive resin is not used. .
JP-A-2002-3665 describes that an elastomer material mainly composed of ethylene is used, and silica may be mixed for the purpose of reinforcing and curing the resin. In the examples, porous silica is used, but the amount mixed is extremely large and does not leave the conventional technique for reinforcing rubber. Furthermore, since the photosensitive resin is not used but is cured by heat, the curing speed is slow, and therefore the film forming accuracy is inferior.
[0006]
German Patent A 199183363 describes an invention characterized by using a polymer based on a recycled raw material. In addition to the thermosetting resin, there is a description of a photosensitive resin. In the examples, carbon black is mixed with the thermosetting resin. Carbon black has extremely low light transmittance even when mixed in a small amount, and in a system in which carbon black is contained in a photosensitive resin in excess of 1 wt%, it cannot be sufficiently cured to the inside, so it is not suitable as a laser engraving printing plate. Become. In particular, when a liquid photosensitive resin is used, the decrease in curability is significant. Furthermore, in this patent, there is no description of the inorganic porous material, and there is no description regarding the removal of liquid residue.
[0007]
On the other hand, Japanese Patent Nos. 2846954 and 2846955 (US Pat. Nos. 5,798,202 and 5,804,353) should be made of mechanically, photochemically and thermochemically reinforced materials such as SBS, SIS, SEBS and other thermoplastic elastomers. Is disclosed. When using a thermoplastic elastomer, engraving with a laser having an oscillation wavelength in the infrared region melts even the resin that has greatly deviated from the laser beam diameter due to heat, thus forming a high-resolution engraving pattern. Can not do it. Therefore, it is essential to reinforce mechanically by adding a filler to the thermoplastic elastomer layer. In the patent, carbon black having a particularly high mechanical reinforcing effect is mixed for the purpose of mechanical reinforcement of the thermoplastic elastomer layer and improvement of laser light absorption. However, since carbon black is mixed, light transmission is sacrificed when photochemical enhancement is attempted using light. Therefore, when these materials are laser engraved, a large amount of debris (including liquid viscous material) is generated that is difficult to remove. Not only does it take a lot of time to process, but the relief also raises the edge due to melting. Or the like, the residue is fused to the edge portion, and the halftone dot shape is broken.
[0008]
In particular, when a large amount of liquid debris, presumed to be a decomposition product of resin, is generated during laser engraving, it not only contaminates the optical system of the laser device but also adheres to the surface of optical components such as lenses and mirrors. The liquid resin thus burned out causes a trouble on the apparatus.
In general, a cylindrical printing original plate that can be used for laser engraving is made of a rubber-based material. Moreover, although the method of forming a cylindrical printing original plate using the material which has photosensitivity is also described in the said patent 2846954 gazette and 2846955 gazette, the formation method is a solid printing original plate at normal temperature. Although there is a description of a method of sticking on a cylindrical support and welding the seam portion, there is no description of a method of removing the surface unevenness generated at the seam portion, and the unevenness is cut and removed using laser light. There is no mention of any method.
[0009]
Moreover, in the production of a cylindrical printing original plate using a rubber material, there has been a serious problem that a long time is required for a crosslinking step by rubber vulcanization and a stabilization step thereof.
Thus, various materials for laser engraving have been proposed so far. However, there is no known material that can provide a plate for laser engraving with high plate thickness accuracy and dimensional accuracy, is easy to perform laser engraving, and has solved the problem of residue generation.
[0010]
[Patent Document 1]
JP 2000-56447 A
[Patent Document 2]
JP 2001-121833 A
[Patent Document 3]
Japanese Patent No. 2846954
[Patent Document 4]
Japanese Patent No. 2846955
[Patent Document 5]
JP 2003-025749 A
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to produce a printing original plate having high surface accuracy and high film thickness accuracy. In particular, it is possible to produce a printing plate that not only suppresses the generation of residue when producing a relief image by direct laser engraving and can easily remove the residue, but also has an excellent engraving shape and small tack on the printing surface. It is an object of the present invention to provide a cylindrical seamless printing original plate capable of laser engraving.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have intensively studied. As a result, the surface of the printing original plate is irradiated with laser light in the step of forming the cylindrical seamless printing original plate, and the existing unevenness is removed. It became possible to form a printing original plate with high accuracy and high film thickness accuracy. Furthermore, a liquid photosensitive composition comprising a resin (a) having a number average molecular weight of 1,000 or more and 200,000 or less, an organic compound (b) having a polymerizable unsaturated group having a number average molecular weight of less than 1,000, and an inorganic porous material (c). The present inventors have found that the above problems can be solved by using a resin composition, and have completed the present invention.
[0013]
That is, preferably by using a resin that is easily decomposed by laser light irradiation, or by using a resin that is easily decomposed, the viscous liquid residue generated in a large amount is absorbed and removed by the inorganic porous body (c). The design concept of a preferred embodiment of the present invention is to irradiate the surface of the printing original plate with a laser beam in the process of forming a seamless printing original plate, remove the unevenness that exists, and form a printing original plate with high surface accuracy and film thickness accuracy. It is. Moreover, the reason why inorganic fine particles are used as the inorganic porous body (c) is to maintain the porous property without being melted or deformed by laser light irradiation.
Further, when a printing plate is formed by removing the resin by laser light irradiation, it is particularly effective in forming a relief printing plate in which a large amount of engraving residue is generated.
[0014]
The present invention is as follows.
1. In a method for forming a seamless printing original plate for flexographic printing capable of laser engraving, (i) a step of forming a seamless photosensitive resin composition layer on a cylindrical support, (ii) a formed photosensitive resin composition layer (Iii) irradiating and scanning the surface of the obtained photosensitive resin cured product layer with laser light and cutting the surface of the cured product layer to cut the surface of the cured product layer. A method for forming a laser-engravable seamless printing original plate, which comprises a step of removing.
[0015]
  2. Photosensitive resinCompositionThe layer contains a resin (a) having a number average molecular weight of 1,000 or more and 200,000 or less, an organic compound (b) having a number average molecular weight of less than 1,000 and having a polymerizable unsaturated group in the molecule, and an inorganic porous body (c). Photosensitive resin compositionKaraIt is characterized by1. A method for forming a laser-engravable seamless printing original plate described in 1.
[0016]
  3. The inorganic porous body (c) has an average pore diameter of 1 nm to 1000 nm, a pore volume of 0.1 ml / g to 10 ml / g, and a specific surface area of 10 m.2/ G or more 1500m2/ G or less, and the oil absorption is 10 ml / 100 g or more and 2000 ml / 100 g or less.2. A method for forming a laser-engravable seamless printing original plate described in 1.
  4). The inorganic porous material (c) is a spherical particle having a number average particle diameter of 0.1 μm or more and 100 μm or less, and at least 70% of particles having a sphericity of 0.5 to 1. Do2. Or 3. InA method for forming a laser-engravable seamless printing original plate as described.
[0017]
  5). 20 wt% or more of the total amount of the organic compound (b) is at least one alicyclic or aromatic derivative.2. To 4. The method for forming a laser-engravable seamless printing original plate according to any one of the above.
  6). The laser used in the process of removing the irregularities on the surface of the cured photosensitive resin layer has an oscillation wavelength in the wavelength region of 200 nm to 15 μm, and the seamless printing original plate is placed around the central axis of the cylinder during laser irradiation. Rotating, and further, the laser beam irradiation / scanning direction is an in-plane direction in contact with the seamless printing original plate. To 5. The method for forming a laser-engravable seamless printing original plate according to any one of the above.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, it demonstrates in detail focusing on the preferable embodiment of this invention.
The printing original plate of the present invention is a seamless (seamless) cylindrical printing original plate that can be engraved using laser light. The portion irradiated with the laser light is removed, and a recess is formed.
In the present invention, the photosensitive resin composition is photocrosslinked and cured and processed into a cylindrical shape, and a printing original plate having light absorption in the wavelength region of the engraving laser beam is produced. In the present invention, the plate before the laser engraving is defined as a printing original plate, and the plate after the laser engraving is defined as a printing plate.
[0020]
In the present invention, the light used for photocrosslinking curing of the photosensitive resin composition is preferably light having a wavelength region of 300 to 450 nm from the viewpoint of handling the photosensitive resin composition. Specific examples of the light source include a high pressure mercury lamp, an ultra high pressure mercury lamp, an ultraviolet fluorescent lamp, a carbon arc lamp, and a xenon lamp. Although the light source used for curing may be one type, the curability of the resin may be improved by curing using two or more types of light sources having different wavelengths, so two or more types of light sources may be used. There is no problem.
[0021]
One of the features of the present invention is that the inorganic porous material (c) is present in the photosensitive resin composition used for forming the cylindrical seamless printing original plate. Secondly, in the process of forming a cylindrical seamless printing original plate, the surface of the surface can be cut and removed by irradiating the surface with laser light, so that a printing original plate with high surface accuracy and plate thickness accuracy can be produced. It is.
The photosensitive resin composition used in the present invention includes a resin (a) having a number average molecular weight of 1,000 or more and 200,000 or less, an organic compound (b) having a number average molecular weight of less than 1,000 and having a polymerizable unsaturated group in the molecule, and an inorganic compound. It is preferable to contain a porous body (c).
[0022]
The type of the resin (a) may be an elastomeric resin or a non-elastomeric resin, and may be a solid resin or a liquid resin at 20 ° C. Moreover, when using a thermoplastic resin, it is desirable to contain 30 wt% or more of the total weight of the resin (a), preferably 50 wt% or more, more preferably 70 wt% or more. If the content of the thermoplastic resin is 30 wt% or more, the resin is sufficiently fluidized by laser beam irradiation and is absorbed by the inorganic porous body described later. However, when a resin having a softening temperature exceeding 350 ° C. is used, the temperature at which it is molded into a sheet or cylinder is naturally high, so there is a concern that other organic substances may be modified and decomposed by heat. For resins having a high temperature exceeding 350 ° C., a solvent-soluble resin may be applied and used in a state dissolved in a solvent.
[0023]
The technical feature of the present invention is to absorb and remove liquefied debris by irradiation with a laser beam using an inorganic porous material. Therefore, resins that are easily liquefied or easily decomposed are preferred. Examples of resins that are easily decomposed include styrene, α-methylstyrene, α-methoxystyrene, acrylic esters, methacrylic esters, ester compounds, ether compounds, nitro compounds, carbonates as monomer units that are easily decomposed in the molecular chain. It is preferable that compounds, oxyethylene compounds, aliphatic cyclic compounds, and the like are included. Especially polyethers such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, polytetraethylene glycol, aliphatic polycarbonates, polymethyl methacrylate, polystyrene, nitrocellulose, polyoxyethylene, polynorbornene, polycyclohexadiene hydrogenated, or branched structure Many resins such as dendrimers are representative examples of those that are easily decomposed. A resin containing a large number of oxygen atoms in the molecular chain is preferred from the viewpoint of decomposability. As an index for measuring the ease of decomposing the resin, there is a weight reduction rate measured using thermogravimetric analysis under air. The weight reduction rate of the resin (a) used in the present invention is preferably 50 wt% or more at 500 ° C. If it is 50 wt% or more, the resin can be sufficiently decomposed by irradiation with a laser beam.
[0024]
Although it does not specifically limit as a thermoplastic elastomer used by this invention, SBS (polystyrene-polybutadiene-polystyrene), SIS (polystyrene-polyisoprene-polystyrene), SEBS (polystyrene-polyethylene / polybutylene-) which are styrenic thermoplastic elastomers. Polystyrene), olefin-based thermoplastic elastomers, urethane-based thermoplastic elastomers, ester-based thermoplastic elastomers, amide-based thermoplastic elastomers, silicone-based thermoplastic elastomers, and the like. Since the thermoplastic elastomer is fluidized by heating, it can be mixed with the inorganic porous material (c) used in the present invention. A thermoplastic elastomer is a material that flows by heating and can be molded in the same manner as ordinary thermoplastics and exhibits rubber elasticity at room temperature. The molecular structure consists of soft segments such as polyether or rubber molecules, and hard segments that prevent plastic deformation at around room temperature, as with vulcanized rubber. The hard segments include frozen phase, crystalline phase, hydrogen bonding, and ionic crosslinking. There are various types.
[0025]
Depending on the application of the printing plate, the type of thermoplastic elastomer can be selected. For example, urethane, ester, amide, and fluorine thermoplastic elastomers are preferred in fields where solvent resistance is required, and urethane, olefin, ester, and fluorine heat are required in fields where heat resistance is required. A plastic elastomer is preferred. Moreover, hardness can be changed greatly with the kind of thermoplastic elastomer. For normal printing plate applications, a relatively hard material is required for embossing applications that form surface irregularities of paper, film, and building materials in areas where the Shore A hardness is 20 to 75 degrees, and Shore D The hardness is in the range of 30 to 80 degrees.
[0026]
  The present inventionUsed inThe thermoplastic resin is not particularly limited as non-elastomeric, but is not limited to polyester resin, unsaturated polyester resin, polyamide resin, polyamideimide resin, polyurethane resin, unsaturated polyurethane resin, polysulfone resin, polyethersulfone resin, Polyimide resin, polycarbonate resin, wholly aromatic polyester resin and the like can be mentioned.
[0027]
  The present inventionUsed inThe softening temperature of the thermoplastic resin is 50 ° C. or more and 500 ° C. or less, more preferably 80 ° C. or more and 350 ° C. or less, and further preferably 100 ° C. or more and 250 ° C. or less. If the softening temperature is 50 ° C. or higher, it can be handled as a solid at room temperature, and a sheet or cylinder processed can be handled without deformation. When the softening temperature is 500 ° C. or lower, it is not necessary to heat to a very high temperature when processing into a sheet or cylinder, and it is not necessary to alter or decompose other compounds to be mixed. The measurement of the softening temperature of the present invention is defined by the first temperature at which the viscosity changes greatly (the slope of the viscosity curve changes) when the temperature is increased from room temperature using a dynamic viscoelasticity measuring device. To do.
[0028]
  In addition, the present inventionUsed inThe resin (a) may be a solvent-soluble resin. Specific examples include polysulfone resins, polyimide resins, polyethersulfone resins, epoxy resins, bismaleimide resins, novolac resins, alkyd resins, polyolefin resins, and polyester resins.
[0029]
  The present inventionUsed inThe resin (a) usually has a high reactivity and does not have a polymerizable unsaturated group, but may have a highly reactive polymerizable unsaturated group at the end or side chain of the molecular chain. When the resin (a) having a highly reactive polymerizable unsaturated group is used, a printing original plate having extremely high mechanical strength can be produced. In particular, in polyurethane-based and polyester-based thermoplastic elastomers, it is possible to introduce a highly reactive polymerizable unsaturated group into the molecule relatively easily. The term “intramolecular” as used herein includes the case where a polymerizable unsaturated group is directly attached to the terminal of the polymer main chain, the terminal of the polymer side chain, the polymer main chain, or the side chain. For example, it is possible to directly use a polymerizable unsaturated group introduced at the molecular end. Alternatively, a hydroxyl group, amino group, epoxy group, carboxyl group, acid anhydride group, ketone group, hydrazine residue can be used. A binder having a plurality of groups capable of binding to a reactive group having a molecular weight of about several thousand having a plurality of reactive groups such as an isocyanate group, an isothiocyanate group, a cyclic carbonate group, and an ester group (for example, a hydroxyl group or an amino group) Polyisocyanate, etc.) in the case of (2), reacting with an organic compound having a polymerizable unsaturated group and a group that reacts with the terminal binding group after the molecular weight is adjusted and converted to the terminal binding group. And a method such as a method of introducing a polymerizable unsaturated group at the terminal.
[0030]
  In particular, from the viewpoint of ease of processing into a sheet or cylindrical resin plate, it is desirable to use a liquid polymer at 20 ° C. as the resin (a). The present invention can obtain good thickness accuracy and dimensional accuracy when forming a relief image forming original plate into a sheet or cylinderUsed inThe photosensitive resin composition preferably has a viscosity at 20 ° C. of 10 Pa · s to 10 kPa · s. More preferably, it is 50 Pa · s or more and 5 kPa · s or less. When the viscosity is 10 Pa · s or more, the residue absorption performance of the inorganic porous body is good. The reason for this is not clear, but it is presumed that the low-viscosity photosensitive resin composition penetrates into the pores or voids in the inorganic porous particles and fills the pores or voids. In addition, 10 Pa. If it is s or more, the mechanical strength of the produced printing original plate is sufficient, and even when it is formed into a cylindrical printing original plate, the shape can be easily maintained and processed. If the viscosity is 10 kPa · s or less, it is easily deformed even at room temperature and easy to process. It is easy to form into a sheet or cylindrical printing original, and the process is simple.
[0031]
  Resin which is a plastomer at 20 ° C. as a liquid resin (a) at 20 ° C. having a number average molecular weight of 1,000 or more and 100,000 or less, having an average of 0.7 or more polymerizable unsaturated groups per molecule. Is preferably used. Here, the polymerizable unsaturated group refers to the present invention described later.Used inThe same kind as the polymerizable unsaturated group of the organic compound (b) can be used. If the resin (a) is 0.7 or more on average per molecule, the present inventionPhotosensitivity used inThe printing original plate obtained from the resin composition is excellent in mechanical strength, and the relief shape hardly collapses during laser engraving. Furthermore, its durability is good, and it can withstand repeated use, which is preferable. Considering the mechanical strength of the printing original plate, the polymerizable unsaturated group of the resin (a) is preferably 0.7 or more per molecule, and more preferably more than 1. The term “intramolecular” as used herein includes the case where a polymerizable unsaturated group is directly attached to the terminal of the polymer main chain, the terminal of the polymer side chain, the polymer main chain, or the side chain. If the number average molecular weight of the resin (a) is 1000 or more, the original plate prepared by crosslinking later maintains strength, and the relief image prepared from this original plate is strong. When used as a printing plate, it can withstand repeated use. It is done. More preferably, it is 2000 or more, More preferably, it is 5000 or more. Further, the upper limit of the number average molecular weight of the resin (a) is preferably 100,000 or less. If it is 100,000 or less, the viscosity of the photosensitive resin composition does not increase excessively, and a complicated processing method such as heat extrusion is not necessary when preparing a sheet-shaped or cylindrical laser engraving printing original plate. .
[0032]
Specific examples of the liquid resin (a) include resins such as polyolefins such as polyethylene and polypropylene, polydienes such as polybutadiene and polyisoprene, polyhaloolefins such as polyvinyl chloride and polyvinylidene chloride, polystyrene, and polyacrylonitrile. , Polyvinyl alcohol, polyvinyl acetate, polyvinyl acetal, polyacrylic acid, poly (meth) acrylic acid esters, poly (meth) acrylamide, polyethers such as polyphenylene ether as well as C-C chain polymers such as polyvinyl ether 1 type or 2 types or more selected from the group consisting of polymers having a hetero atom in the main chain such as polyethylene terephthalate, polycarbonate, polyacetal, polyurethane, nylon, polyurea, polyimide, etc. Rukoto can. When using a plurality of polymers, either a copolymer or a blend may be used.
[0033]
In particular, when a flexible relief image is required as in flexographic printing plate applications, a plastomer having a glass transition temperature of 20 ° C. or lower as a liquid resin (a) at 20 ° C., more preferably a glass transition temperature of 0 It is preferable to use a plastomer having a temperature of 0 ° C. or lower. Examples of such plastomer include hydrocarbons such as polyethylene, polybutadiene, hydrogenated polybutadiene, polyisoprene and hydrogenated poisoprene, polyesters such as adipate and polycaprolactone, and polyethers such as polyethylene glycol, polypropylene glycol and polytetramethylene glycol. , Silicones such as aliphatic polycarbonate and polydimethylsiloxane, polymers of (meth) acrylic acid and / or derivatives thereof, and mixtures and copolymers thereof. The content is preferably 30 wt% or more based on the entire resin (a).
[0034]
As a method for producing a liquid resin (a) at 20 ° C., for example, a method in which a polymerizable unsaturated group is directly introduced into the molecular end may be used. Alternatively, a hydroxyl group, an amino group, an epoxy can be used. Reactive groups of the above components having a molecular weight of about several thousand having a plurality of reactive groups such as groups, carboxyl groups, acid anhydride groups, ketone groups, hydrazine residues, isocyanate groups, isothiocyanate groups, cyclic carbonate groups, ester groups After reacting with a binder having a plurality of groups capable of binding to (for example, a polyisocyanate in the case of a hydroxyl group or an amino group), the molecular weight is adjusted and converted to a terminal binding group, then this terminal binding group A method such as a method in which a polymerizable unsaturated group is introduced at the terminal by reacting with an organic compound having a polymerizable unsaturated group and a group that reacts with the compound is preferred.
The resin (a) used in the present invention may be a random copolymer, a block copolymer, a graft polymer having a side chain, or may be a mixture in which a plurality of polymers are mixed. Absent.
[0035]
The organic compound (b) is a compound having a radical or an unsaturated bond involved in an addition polymerization reaction, and the number average molecular weight is preferably less than 1000 in consideration of easiness of dilution with the resin (a). Preferred examples of the functional group having an unsaturated bond involved in the radical polymerization reaction include a vinyl group, an acetylene group, an acrylic group, a methacryl group, and an allyl group. The functional group having an unsaturated bond involved in the addition polymerization reaction includes a cinnamoyl group, a thiol group, an azide group, an epoxy group that undergoes a ring-opening addition reaction, an oxetane group, a cyclic ester group, a dioxirane group, a spiro ortho carbonate group, Examples include a spiro ortho ester group, a bicyclo ortho ester group, a cyclosiloxane group, and a cyclic imino ether group.
[0036]
Specific examples of the organic compound (b) include olefins such as ethylene, propylene, styrene and divinylbenzene, acetylenes, (meth) acrylic acid and derivatives thereof, haloolefins, unsaturated nitriles such as acrylonitrile, (meth ) Acrylamide and derivatives thereof, allyl compounds such as allyl alcohol and allyl isocyanate, unsaturated dicarboxylic acids such as maleic anhydride, maleic acid and fumaric acid and derivatives thereof, vinyl acetates, N-vinylpyrrolidone, N-vinylcarbazole, etc. Among them, (meth) acrylic acid and its derivatives are preferable examples from the viewpoints of abundant types, price, decomposability upon laser light irradiation, and the like. Examples of the derivative of the compound include alicyclic such as cycloalkyl-, bicycloalkyl-, cycloalkene-, bicycloalkene-, aromatic such as benzyl-, phenyl-, phenoxy-, fluorene-, alkyl-, halogen Alkyl-, alkoxyalkyl-, hydroxyalkyl-, aminoalkyl-, tetrahydrofurfuryl-, allyl-, glycidyl-, alkylene glycol-, polyoxyalkylene glycol-, (alkyl / allyloxy) polyalkylene glycol- and trimethylolpropane And esters of polyhydric alcohols such as Moreover, you may be a heteroaromatic compound containing elements, such as nitrogen and sulfur.
[0037]
In addition, as a compound having an epoxy group that undergoes a ring-opening addition reaction, a compound obtained by reacting a polyol such as various diols or triols with epichlorohydrin, an epoxy compound obtained by reacting a peracid with an ethylene bond in the molecule, etc. Can be mentioned. Specifically, ethylene glycol diglycidyl ether, diethylene glycol diglycidyl ether, triethylene glycol diglycidyl ether, tetraethylene glycol diglycidyl ether, polyethylene glycol diglycidyl ether, propylene glycol diglycidyl ether, tripropylene glycol diglycidyl ether, polypropylene Glycol diglycidyl ether, neopentyl glycol diglycidyl ether, 1,6-hexanediol diglycidyl ether, glycerin diglycidyl ether, glycerin triglycidyl ether, trimethylolpropane triglycidyl ether, bisphenol A diglycidyl ether, hydrogenated bisphenol A Diglycidyl ether, bisphenol A Diglycidyl ether, polytetramethylene glycol diglycidyl ether, poly (propylene glycol adipate) diol diglycidyl ether, poly (ethylene glycol adipate) diol diglycidyl ether, poly (caprolactone) diol di of compounds with addition of lenoxide or propylene oxide A glycidyl ether etc. can be mentioned.
[0038]
  In the present invention, the organic compound (b) having a polymerizable unsaturated bond can be selected from one or more types depending on the purpose. For example, when used as a printing plate, at least one long-chain aliphatic, alicyclic or aromatic derivative is used as the organic compound (b) used to suppress swelling with respect to an organic solvent such as alcohol or ester which is a solvent for printing ink. It is preferable to have the above.
  The present inventionPhotosensitivity used inIn order to increase the mechanical strength of the printing original plate obtained from the resin composition, the organic compound (b) preferably has at least one alicyclic or aromatic derivative. In this case, the organic compound (b) The total amount is preferably 20 wt% or more, more preferably 50 wt% or more. The aromatic derivative may be an aromatic compound having an element such as nitrogen or sulfur.
  In order to increase the rebound resilience of the printing plate, for example, a methacrylic monomer as described in JP-A-7-239548 can be used, or it can be selected using the technical knowledge of known photosensitive resins for printing.
[0039]
  The inorganic porous material (c) is inorganic particles having fine pores or fine voids in the particles. It is an additive for absorbing and removing viscous liquid residue generated in a large amount in laser engraving, and also has an effect of preventing tackiness of the plate surface. In addition to being not melted even when irradiated with a laser, the material is not particularly limited. However, when photocuring is performed using ultraviolet rays or visible light, the addition of black fine particles allows light transmission into the photosensitive resin composition. The black particles such as carbon black, activated carbon, and graphite are used in the present invention.Used inIt is not suitable as the inorganic porous material (c).
[0040]
The pore volume of the inorganic porous material (c) is preferably from 0.1 ml / g to 10 ml / g, more preferably from 0.2 ml / g to 5 ml / g. When the pore volume is 0.1 mlm / g or more, the amount of viscous liquid residue absorbed is sufficient, and when it is 10 ml / g or less, the mechanical strength of the particles can be secured. In the present invention, a nitrogen adsorption method is used to measure the pore volume. The pore volume of the present invention is determined from an adsorption isotherm of nitrogen at −196 ° C.
[0041]
The average pore diameter of the inorganic porous body (c) has a very large influence on the amount of liquid residue absorbed during laser engraving. A preferable range of the average pore diameter is 1 nm to 1000 nm, more preferably 2 nm to 200 nm, and still more preferably 2 nm to 50 nm. If the average pore diameter is 1 nm or more, the absorbability of liquid debris generated during laser engraving can be ensured, and if it is 1000 nm or less, the specific surface area of the particles is large and the amount of liquid debris absorbed can be sufficiently ensured. When the average pore diameter is less than 1 nm, the reason why the amount of absorbed liquid debris is small is not clear, but since the liquid debris is viscous, it is estimated that it is difficult to enter the micropores. In the present invention, the average pore diameter is a value measured using a nitrogen adsorption method. Those having an average pore diameter of 2 to 50 nm are particularly called mesopores, and the ability of porous particles having mesopores to absorb liquid waste is extremely high. The pore size distribution in the present invention is determined from an adsorption isotherm of nitrogen at −196 ° C.
[0042]
In the present invention, a resin having a relatively low molecular weight is preferably used so that it can be easily cleaved by laser irradiation. In this case, a large amount of low molecular weight monomers and oligomers are generated when the molecule is cleaved. It is characterized by the introduction of a new concept that does not exist at all in the conventional technical idea of removing scum using an inorganic porous material. In order to effectively remove viscous liquid residue, physical properties such as number average particle diameter, specific surface area, average pore diameter, pore volume, loss on ignition, and oil supply amount of the inorganic porous material are important factors. I found out. The inorganic porous body (c) preferably has a number average particle diameter of 0.1 to 100 μm. When one smaller than the number average particle diameter is used, dust tends to fly when the original plate obtained from the resin composition of the present invention is engraved with a laser, and mixed with the resin (a) and the organic compound (b). When carrying out the process, it tends to cause an increase in viscosity, entrainment of bubbles, generation of dust, and the like. On the other hand, when a particle having a size larger than the above-mentioned number average particle size is used, the relief image tends to be defective when laser engraved, and the fineness of the printed matter tends to be impaired. A more preferable range of the average particle diameter is 0.5 to 20 μm, and a further preferable range is 3 to 10 μm. The average particle size of the inorganic porous material used in the present invention can be measured using a laser scattering particle size distribution measuring device.
[0043]
A new concept of porosity is introduced to evaluate the properties of porous bodies. The porosity means the average particle diameter D (unit: μm) and the density d (unit: g / cm) of the substance constituting the particles.3) Is defined by the ratio of the specific surface area P to the surface area S per unit weight calculated from (1), that is, P / S. The surface area per particle is πD2× 10- 12(Unit: m2) And the weight of one particle is (πD3d / 6) × 10-12Since (unit: g), the surface area S per unit weight is S = 6 / (Dd) (unit: m2/ G). As the specific surface area P, a value measured by adsorbing nitrogen molecules on the surface is used.
[0044]
The porosity of the inorganic porous body (c) is preferably 20 or more, more preferably 50 or more, and still more preferably 100 or more. If the porosity is 20 or more, it is effective for removing adsorbed liquid residue. Since the specific surface area P increases as the particle diameter decreases, the specific surface area alone is not suitable as an index indicating the characteristics of the porous body. Therefore, considering the particle size, porosity was taken as a dimensionless index. For example, carbon black, which is widely used as a reinforcing material such as rubber, has a specific surface area of 150 m.2/ G to 20m2/ G, but the average particle size is very small, usually 10 to 100 nm, so the density is 2.25 g / cm of graphite.3When the porosity is calculated, the value is in the range of 0.8 to 1.0, and it is estimated that the particles are nonporous without a porous structure. Since carbon black is generally known to have a graphite structure, the value of graphite was used for the density. On the other hand, the porosity of the porous silica used in the present invention is a high value well over 500.
[0045]
  The present inventionUsed inIn order to obtain better adsorbability, the inorganic porous body preferably has a specific specific surface area and an oil absorption.
  The range of the specific surface area of the inorganic porous material (c) is preferably 10 m.2/ G or more 1500m2/ G or less. A more preferable range is 100 m.2/ G or more 800m2/ G or less. Specific surface area is 10m2/ G or more, the removal of liquid waste during laser engraving is sufficient, and 1500 m2If it is / g or less, the viscosity increase of the photosensitive resin composition can be suppressed, and thixotropy can be suppressed. The present inventionInThe specific surface area is determined from the nitrogen adsorption isotherm at −196 ° C. based on the BET equation.
[0046]
There is an oil absorption amount as an index for evaluating the liquid residue adsorption amount. This is defined by the amount of oil absorbed by 100 g of the inorganic porous body. A preferable range of the oil absorption amount of the inorganic porous material used in the present invention is 10 ml / 100 g or more and 2000 ml / 100 g or less, more preferably 50 ml / 100 g or more and 1000 ml / 100 g or less. If the oil absorption is 10 ml / 100 g or more, there is an effect in removing liquid debris generated during laser engraving, and if it is 2000 ml / 100 g or less, the mechanical strength of the inorganic porous material can be sufficiently secured. The oil absorption was measured according to JIS-K5101.
[0047]
  The present inventionUsed inThe inorganic porous body (c) needs to maintain the porous property without being deformed or melted by the laser beam irradiation in the infrared wavelength region. The loss on ignition when treated at 950 ° C. for 2 hours is preferably 15 wt% or less, more preferably 10 wt% or less.
  The particle shape of the inorganic porous body is not particularly limited, and spherical, flat, needle-shaped, amorphous, or particles having protrusions on the surface can be used. Among these, spherical particles are particularly preferable from the viewpoint of wear resistance of the printing plate. It is also possible to use particles having hollow inside particles, spherical granules having a uniform pore diameter such as silica sponge, and the like. Although it does not specifically limit, For example, porous silica, mesoporous silica, silica-zirconia porous gel, mesoporous molecular sieve, porous alumina, porous glass, etc. can be mentioned.
[0048]
In addition, since pore diameters cannot be defined for those having a gap of several nm to 100 nm between layers, such as a layered clay compound, in the present invention, voids existing between layers, that is, surface spacing, are defined as pore diameters. . The total amount of space existing between the layers is defined as the pore volume. These values can be obtained from the nitrogen adsorption isotherm.
Furthermore, organic pigments such as pigments and dyes that absorb light of the wavelength of the laser beam can be incorporated into these pores or voids.
[0049]
Sphericality is defined as an index that defines spherical particles. The sphericity used in the present invention is the maximum value D of a circle that completely enters the projected figure when particles are projected.1The minimum value D of the circle in which the projected figure completely falls2Ratio (D1/ D2). In the case of a true sphere, the sphericity is 1.0. The sphericity of preferable spherical particles used in the present invention is preferably 0.5 or more and 1.0 or less, more preferably 0.7 or more and 1.0 or less. If it is 0.5 or more, the wear resistance as a printing plate is good. The sphericity of 1.0 is an upper limit value of sphericity. As spherical particles, it is desirable that 70% or more, more preferably 90% or more of the particles have a sphericity of 0.5 or more. As a method of measuring the sphericity, a method of measuring based on a photograph taken using a scanning electron microscope can be used. At that time, it is preferable to take a picture at a magnification at which at least 100 particles enter the monitor screen. Also, D1And D2However, it is preferable to process the photograph using a digitizing device such as a scanner and then process the data using image analysis software.
[0050]
Carbon black used in the prior art is generally considered to have a graphite structure and exhibits a layered structure. The inter-layer spacing is as extremely narrow as 0.34 nm, and it is difficult to absorb viscous liquid residue. Furthermore, since carbon black is black, it has strong light absorption characteristics over a wide wavelength range from ultraviolet to infrared. Therefore, in a system that is added to the photosensitive resin composition and cured using light such as ultraviolet rays, it is necessary to limit the addition amount to a very small amount, and for the viscous liquid residue adsorption / absorption application of the present invention. Not suitable for use.
[0051]
Moreover, the surface of the inorganic porous body can be coated with a silane coupling agent, a titanium coupling agent, or other organic compounds, and subjected to a surface modification treatment to make particles more hydrophilic or hydrophobic.
In the present invention, these inorganic porous bodies (c) can be selected from one or more kinds, and by adding the inorganic porous body (c), generation of liquid debris during laser engraving and relief Improvements such as tack prevention of the printing plate are effectively performed.
[0052]
  The present inventionUsed inThe ratio of the resin (a), the organic compound (b), and the inorganic porous body (c) in the photosensitive resin composition is usually 5 to 5 parts per 100 parts by weight of the resin (a). 200 parts by weight is preferable, and a range of 20 to 100 parts by weight is more preferable. Further, the inorganic porous body (c) is preferably 1 to 100 parts by weight, and more preferably 2 to 50 parts by weight. A more preferable range is 2 to 20 parts by weight.
  When the ratio of the organic compound (b) is smaller than the above range, it tends to cause inconveniences such as difficulty in balancing the hardness and tensile strength / elongation of the printing plate to be obtained, and when it is larger than the above range, cross-linking curing is performed. There is a tendency for the shrinkage during the process to increase and the thickness accuracy to deteriorate.
[0053]
Further, when the amount of the inorganic porous material (c) is smaller than the above range, depending on the types of the resin (a) and the organic compound (b), the effect of preventing the tack of the printing plate and the engraving liquid residue when laser engraving is performed. In some cases, the effect of suppressing the occurrence of the ink may not be sufficiently exhibited, and if it is larger than the above range, the printing plate may become brittle, transparency may be impaired, and particularly when used as a flexographic plate. May become too hard. When a photosensitive resin composition is cured using light, particularly ultraviolet rays, to prepare a laser engraving printing original plate, light transmittance affects the curing reaction. Therefore, it is effective to use a material having a refractive index close to that of the photosensitive resin composition.
[0054]
  The present inventionFeel used inThe light-sensitive resin composition is crosslinked by irradiation with light or electron beam to develop physical properties as a printing plate, and a polymerization initiator can be added at that time. The polymerization initiator can be selected from those commonly used. For example, initiators for radical polymerization, cationic polymerization, and anionic polymerization exemplified in “Polymer Data Handbook-Basics” edited by the Society of Polymer Science, published in 1986 by Fufukan. Etc. can be used. In addition, cross-linking by photopolymerization using a photopolymerization initiatorPhotosensitivity used inIt is useful as a method for producing a printing original plate with high productivity while maintaining the storage stability of the resin composition, and known initiators can be used in this case. For example, benzoin alkyl such as benzoin and benzoin ethyl ether can be used. Ethers, acetophenones such as 2-hydroxy-2-methylpropiophenone, 4′-isopropyl-2-hydroxy-2-methylpropiophenone, 2,2-dimethoxy-2-phenylacetophenone, diethoxyacetophenone; 1 -Hydroxycyclohexyl phenyl ketone, 2-methyl-1- [4- (methylthio) phenyl] -2-morpholino-propan-1-one, methyl phenylglyoxylate, benzophenone, benzyl, diacetyl, diphenyl sulfide, eosin, thionine, anthraquino In addition to photoradical polymerization initiators such as photoacid polymerization initiators such as aromatic diazonium salts, aromatic iodonium salts, and aromatic sulfonium salts that absorb light to generate acid, or generate light to generate bases Polymerization initiators to be used. The addition amount of the polymerization initiator is preferably in the range of 0.01 to 10 wt% of the total amount of the resin (a) and the organic compound (b).
[0055]
  In addition, the present inventionUsed inA polymerization inhibitor, an ultraviolet absorber, a dye, a pigment, a lubricant, a surfactant, a plasticizer, a fragrance and the like can be added to the photosensitive resin composition according to the purpose and purpose.
  The method for forming a laser-engravable cylindrical seamless printing original plate according to this embodiment includes (i) a step of forming a seamless photosensitive resin composition layer on a cylindrical support, and (ii) a formed photosensitive resin. (Iii) irradiating and scanning the surface of the cured photosensitive resin layer obtained by irradiating and scanning the surface of the cured photosensitive resin layer, and cutting the surface of the cured product layer to cut the surface of the cured product layer; And a step of removing the irregularities.
[0056]
  The present inventionPhotosensitivity used inAs a method for molding the resin composition into a cylindrical shape, an existing resin molding method can be used. For example, a casting method, a method of extruding a resin from a nozzle or a die with a machine such as a pump or an extruder, adjusting the thickness with a blade, or adjusting the thickness by calendering with a roll, etc. In that case, it is also possible to perform the molding while heating within a range that does not deteriorate the performance of the resin. Moreover, you may perform a rolling process as needed. Furthermore, it is also possible to form a cylindrical seamless printing original plate by winding a photosensitive resin composition formed into a sheet on a cylindrical support and welding a joint portion. In addition, after applying the photosensitive resin composition onto the cylindrical support, sleeve forming / engraving in which a laser light source for laser engraving is incorporated in an apparatus for irradiating light to cure and solidify the photosensitive resin composition Using the apparatus, the step of removing irregularities on the surface of the cylindrical seamless printing original plate and the step of forming a pattern for printing can also be carried out continuously. When such an apparatus is used, after forming a cylindrical seamless printing original plate, laser engraving can be immediately performed to form a printing plate, and the conventional rubber sleeve, which required a period of several weeks for molding, is considered at all. This makes it possible to achieve machining that cannot be performed for a short time.
[0057]
The role of the cylindrical support is to ensure the dimensional stability of the printing original plate, and it may be a rigid support or a flexible support. It is preferable to select one having high dimensional stability. When evaluated using the linear thermal expansion coefficient, the upper limit value of a preferable material is 100 ppm / ° C. or less, more preferably 70 ppm / ° C. or less. Specific examples of materials include polyester resin, polyimide resin, polyamide resin, polyamideimide resin, polyetherimide resin, polybismaleimide resin, polysulfone resin, polycarbonate resin, polyphenylene ether resin, polyphenylene thioether resin, polyethersulfone resin, all Examples thereof include a liquid crystal resin made of an aromatic polyester resin, a wholly aromatic polyamide resin, an epoxy resin, or a metal such as nickel or stainless steel. Further, these resins can be laminated and used.
[0058]
Examples of a method for reducing the linear thermal expansion coefficient of the cylindrical support include a method of adding a filler, a method of impregnating or coating a resin on a mesh cloth such as wholly aromatic polyamide, or a glass cloth. it can. As the filler, generally used organic fine particles, inorganic fine particles such as metal oxide or metal, organic / inorganic composite fine particles, and the like can be used. In addition, porous fine particles, fine particles having cavities inside, microcapsule particles, and layered compound particles in which a low molecular compound intercalates can be used. In particular, organic products such as alumina, silica, titanium oxide, zeolite and other metal oxide fine particles, latex fine particles made of polystyrene / polybutadiene copolymer, highly crystalline cellulose, organically produced organic crystals such as highly crystalline cellulose nanofibers System fine particles, fibers and the like are useful. In particular, fiber reinforced plastic (FRP) is useful as a material for a cylindrical support.
[0059]
By performing physical and chemical treatment on the surface of the cylindrical support used in the present invention, the adhesiveness with the photosensitive resin composition layer or the adhesive layer can be improved. Examples of the physical treatment method include a sand blast method, a wet blast method for injecting a liquid containing fine particles, a corona discharge treatment method, a plasma treatment method, an ultraviolet ray or vacuum ultraviolet ray irradiation method, and the like. The chemical treatment method includes a strong acid / strong alkali treatment method, an oxidant treatment method, a coupling agent treatment method, and the like.
[0060]
The molded photosensitive resin composition is crosslinked by irradiation with light or an electron beam to form a printing original plate. Moreover, it can also bridge | crosslink by irradiation of light or an electron beam, shape | molding. Among them, the method of crosslinking using light is preferable because it has advantages such as simple apparatus and high thickness accuracy. Examples of the light source used for curing include a high-pressure mercury lamp, an ultra-high pressure mercury lamp, an ultraviolet fluorescent lamp, a carbon arc lamp, and a xenon lamp, and the curing can be performed by other known methods. Moreover, you may irradiate the light of a several kind of light source.
[0061]
The thickness of the original plate used for laser engraving may be arbitrarily set according to the purpose of use, but is generally in the range of 0.1 to 7 mm when used as a printing plate. In some cases, a plurality of materials having different compositions may be stacked.
In the step of forming the cylindrical seamless printing original plate of the present invention, it is a great feature that the surface irregularities are removed by cutting with a laser. It is important for the present invention to produce a printing original plate with high surface accuracy and plate thickness accuracy by removing fine irregularities generated in the process of forming a cured photosensitive resin layer on a cylindrical support using a laser. Design philosophy.
[0062]
The laser used for laser cutting is not particularly limited as long as it has a lasing wavelength at a wavelength that can be absorbed by the photosensitive resin cured product, but may be a laser having a lasing wavelength in a wavelength region of 200 nm to 15 μm. preferable. When a laser in the vacuum ultraviolet region with an oscillation wavelength of less than 200 nm is used, there is a problem that the light intensity is greatly reduced due to light absorption of oxygen in the air, ozone is generated, etc., in an inert gas such as nitrogen Or since the laser beam irradiation in a vacuum is needed, the structure of an apparatus becomes very complicated. From the viewpoint of laser output, a carbon dioxide gas laser having an oscillation wavelength in the infrared region, a YAG laser, a fiber laser, a semiconductor laser, etc. having an oscillation wavelength in the near infrared region are particularly preferable. By using a laser having an oscillation wavelength in the wavelength region of 200 nm to 15 μm, it becomes possible to efficiently process the photosensitive resin cured product layer to be cut.
[0063]
In the process of cutting and removing irregularities on the surface of the cured photosensitive resin layer, the seamless printing original plate is rotated around the central axis of the cylinder while the laser beam is irradiated, and the irradiation and scanning direction of the laser beam is the same as the seamless printing original plate. It is preferable that it is the in-plane direction which touches. Rotating the cylindrical object during irradiation with laser light is important for forming a uniform surface. The laser light irradiation surface is a surface in contact with the cylindrical object, and it is preferable to gradually scan the laser light. The rotational speed of the cylindrical object and the scanning speed of the laser are important parameters for forming a printing original plate with high surface accuracy and high plate thickness accuracy.
[0064]
As a laser beam scanning method, the tip of an optical waveguide component such as an optical fiber that guides light from the laser main body is fixed to a jig, and is installed with high positional accuracy parallel to the central axis of the cylindrical object to be processed. A method of moving a jig on the rail and moving the jig on the rail, a light guide such as a mirror or an optical fiber fixed in one place in a plane parallel to the central axis of the cylindrical object to be processed and in contact with the cylindrical object A method of moving the tip of the component within a predetermined angle range and scanning in the in-plane direction can be mentioned.
[0065]
  The present inventionTo the printing original plate manufactured byCan also form a cushion layer made of an elastomer under the laser engraved layer. In general, since the thickness of the layer to be laser engraved is 0.1 to several mm, the other lower layers may be made of materials having different compositions.
  The cushion layer is preferably an elastomer layer having a Shore A hardness of 20 to 70 degrees. When the Shore A hardness is 20 degrees or more, the print quality can be ensured because the film is appropriately deformed. Moreover, if it is 70 degrees or less, it can play the role as a cushion layer. A more preferable range of Shore A hardness is 30 to 60 degrees.
[0066]
The cushion layer is not particularly limited, and any cushion layer may be used as long as it has rubber elasticity, such as a thermoplastic elastomer, a photocurable elastomer, and a thermosetting elastomer. It may be a porous elastomer layer having nanometer-level micropores. In particular, from the viewpoint of processability to a sheet-like or cylindrical printing plate, it is convenient and preferable to use a liquid photosensitive resin composition that is cured by light and to use a material that becomes elastomer after curing.
[0067]
Specific examples of the thermoplastic elastomer used for the cushion layer include SBS (polystyrene-polybutadiene-polystyrene), SIS (polystyrene-polyisoprene-polystyrene), SEBS (polystyrene-polyethylene / polybutylene-polystyrene), which are styrenic thermoplastic elastomers, and the like. Olefin-based thermoplastic elastomer, urethane-based thermoplastic elastomer, ester-based thermoplastic elastomer, amide-based thermoplastic elastomer, and the like.
[0068]
Examples of the photocurable elastomer include those obtained by mixing a photopolymerizable monomer, a plasticizer, a photopolymerization initiator, and the like with the thermoplastic elastomer, and a liquid composition obtained by mixing a photopolymerizable monomer, a photopolymerization initiator, etc. with a plastomer resin. Can be mentioned. In the present invention, unlike the design concept of the photosensitive resin composition, in which the function of forming a fine pattern is an important element, it is not necessary to form a fine pattern using light, and by curing by overall exposure, Since it is sufficient to ensure a certain level of mechanical strength, the degree of freedom in selecting a material is extremely high.
[0069]
  Moreover, non-sulfur cross-linked rubbers such as sulfur cross-linked rubber, organic peroxide, phenol resin initial condensate, quinone dioxime, metal oxide, and thiourea can also be used.
  Furthermore, it is also possible to use a three-dimensionally crosslinked elastomer obtained by using a curing agent that reacts with a telechelic liquid rubber.
  In addition, the present inventionUsing the printing original plate manufactured byBy forming a modified layer on the surface of the laser engraving printing plate, tackiness of the printing plate surface can be reduced and ink wettability can be improved. Examples of the modified layer include a film treated with a compound that reacts with a surface hydroxyl group such as a silane coupling agent or a titanium coupling agent, or a polymer film containing porous inorganic particles.
[0070]
  A widely used silane coupling agent is a compound having in its molecule a functional group highly reactive with the surface hydroxyl group of the substrate. Examples of such a functional group include a trimethoxysilyl group and a triethoxysilyl group. Group, trichlorosilyl group, diethoxysilyl group, dimethoxysilyl group, dimonochlorosilyl group, monoethoxysilyl group, monomethoxysilyl group, monochlorosilyl group. Further, at least one of these functional groups exists in the molecule, and is immobilized on the surface of the base material by reacting with the surface hydroxyl group of the base material. FurtherToThe compound constituting the run coupling agent is at least one selected from acryloyl group, methacryloyl group, active hydrogen-containing amino group, epoxy group, vinyl group, perfluoroalkyl group, and mercapto group as reactive functional groups in the molecule. One having one functional group or one having a long-chain alkyl group can be used.
[0071]
Examples of titanium coupling agents include isopropyl triisostearoyl titanate, isopropyl tris (dioctyl pyrophosphate) titanate, isopropyl tri (N-aminoethyl-aminoethyl) titanate, tetraoctyl bis (di-tridecyl phosphite) titanate, Tetra (2,2-diallyloxymethyl-1-butyl) bis (di-tridecyl) phosphite titanate, bis (octylpyrophosphate) oxyacetate titanate, bis (dioctylpyrophosphate) ethylene titanate, isopropyltrioctanoyl titanate, isopropyl Dimethacrylisostearoyl titanate, isopropyltridodecylbenzenesulfonyl titanate, isopropylisostearoyl diacryl titanate Over DOO, isopropyl tri (dioctyl sulfate) titanate, isopropyl tricumylphenyl titanate, tetraisopropyl bis (dioctyl phosphite) may include compounds such as titanates.
[0072]
  When the coupling agent molecule immobilized on the surface has a polymerizable reactive group in particular, it is possible to obtain a stronger coating by irradiating light, heat, or an electron beam and crosslinking after immobilization on the surface..
  UpThe above coupling agent is diluted with water-alcohol or acetic acid water-alcohol mixed solution as necessary. The concentration of the coupling agent in the treatment liquid is preferably 0.05 to 10.0% by weight.
[0073]
The coupling agent treatment method will be described. The treatment liquid containing the coupling agent is applied to the printing original plate or the surface of the printing plate after laser engraving. The method for applying the coupling agent treatment liquid is not particularly limited, and for example, an immersion method, a spray method, a roll coating method, or a brush coating method can be applied. Further, the coating treatment temperature and the coating treatment time are not particularly limited, but are preferably 5 to 60 ° C., and the treatment time is preferably 0.1 to 60 seconds. Furthermore, it is preferable to dry the treatment liquid layer on the surface of the resin plate under heating, and the heating temperature is preferably 50 to 150 ° C.
[0074]
Before treating the printing plate surface with a coupling agent, a method of irradiating light in a vacuum ultraviolet region with a wavelength of 200 nm or less such as a xenon excimer lamp, or by exposing it to a high energy atmosphere such as plasma, a hydroxyl group on the printing plate surface. And the coupling agent can be immobilized at a high density.
In addition, when the layer containing inorganic porous particles is exposed on the printing plate surface, it is treated in a high-energy atmosphere such as plasma, and the organic layer on the surface is slightly etched away to remove minute particles on the printing plate surface. Unevenness can be formed. By this treatment, the effect of improving the ink wettability can be expected by reducing the tack of the printing plate surface and making the inorganic porous particles exposed on the surface easy to absorb the ink.
[0075]
In laser engraving, a relief image is created on an original by operating a laser device using a computer as an image to be formed as digital data. Any laser may be used for the laser engraving as long as the original plate includes a wavelength having absorption. However, in order to perform engraving at a high speed, a laser with a high output is desirable. A laser having an oscillation wavelength in the infrared or near-infrared region, such as a YAG laser, a semiconductor laser, or a fiber laser, is preferable. In addition, an ultraviolet laser having an oscillation wavelength in the ultraviolet region, such as an excimer laser, a YAG laser wavelength-converted to the third or fourth harmonic, a copper vapor laser, and the like, can be ablated to cut bonds between organic molecules, Suitable for fine processing. A laser having an extremely high peak output such as a femtosecond laser can also be used. The laser may be continuous irradiation or pulse irradiation. In general, since resin has absorption in the vicinity of 10 μm of a carbon dioxide laser, it is not essential to add a component that assists in absorption of laser light. YAG lasers, semiconductor lasers, and fiber lasers have an oscillation wavelength around 1 μm, but there are not many organic substances that absorb light in this wavelength region. In that case, it is preferable to add a dye or a pigment, which is a component that assists in the absorption thereof. Examples of such dyes include poly (substituted) phthalocyanine compounds and metal-containing phthalocyanine compounds; cyanine compounds; squarylium dyes; chalcogenopyrylarylidene dyes; chloronium dyes; Indolizine dyes; bis (aminoaryl) polymethine dyes; merocyanine dyes; and quinoid dyes. Examples of pigments include dark inorganic pigments such as carbon black, graphite copper chromite, chromium oxide, cobalt chrome aluminate, and iron oxide, metal powders such as iron, aluminum, copper, and zinc, and Si, Mg , P, Co, Ni, Y and the like doped. These dyes and pigments may be used alone, in combination of a plurality, or in any form such as a multilayer structure. However, when the photosensitive resin composition is cured using ultraviolet rays or visible light, it is preferable to keep the amount of the dye or pigment that is absorbed in the light beam region used low in order to cure the interior of the printing original plate. Although the curing characteristics are greatly influenced by the kind of the photopolymerization initiator to be added, the addition amount is desirably 1 wt% or less, preferably 0.2 wt% or less of the total amount of the photosensitive resin composition.
[0076]
Laser engraving is carried out in an oxygen-containing gas, generally in the presence of air or an air stream, but can also be carried out in the presence of carbon dioxide or nitrogen gas. After engraving is finished, the powdery or liquid substance slightly generated on the relief printing plate surface is washed with an appropriate method such as water containing a solvent or a surfactant, or a water-based cleaning agent is irradiated by a high-pressure spray or the like. Alternatively, it may be removed using a method of irradiating high-pressure steam.
The original plate of the present invention is a relief image for printing plates, stamps and seals, design rolls for embossing, relief images for patterning of insulators, resistors and conductor pastes used in the production of electronic components, and ceramic mold products. It can be applied to various uses such as relief images, relief images for displays such as advertisements and display boards, and prototypes / mothers of various molded products.
[0077]
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated based on an Example, this invention is not restrict | limited by these.
In Examples and Comparative Examples, laser engraving is carried out using a carbon dioxide laser engraving machine (trademark “TYP STAMPLAS SN 09” manufactured by BAASEL), and the engraving pattern is a line drawing of 500 μm wide convex lines, and A pattern including a white line having a width of 500 μm was prepared and carried out. If the engraving depth is set to be large, the area of the top portion of the fine halftone dot pattern cannot be secured, and the shape is broken and unclear, so the engraving depth is set to 0.55 mm.
[0078]
After laser engraving, the residue on the relief printing plate was wiped off using a nonwoven fabric impregnated with ethanol or acetone (trade name “BEMCOT M-3” manufactured by Asahi Kasei Corporation). The weights of the printing original plate before laser engraving, the printing plate immediately after laser engraving, and the relief printing plate after wiping were measured, and the residue rate at the time of engraving was determined by the formula (1).
(Weight of plate immediately after engraving-Weight of plate after wiping) ÷ (Weight of original plate before engraving-Weight of plate after wiping) x 100 (1)
[0079]
Further, tack measurement of the relief printing plate surface after wiping was performed using a tack tester manufactured by Toyo Seiki Seisakusho. Tack measurement was performed at 20 ° C. by contacting a smooth portion of a sample piece with a portion of an aluminum ring having a radius of 50 mm and a width of 13 mm, applying a load of 0.5 kg to the aluminum ring and leaving it for 4 seconds. The aluminum ring is pulled up at a constant speed of 30 mm and the resistance force when the aluminum ring is separated from the sample piece is read with a push-pull gauge. The larger this value, the greater the stickiness and the higher the adhesive strength.
[0080]
Further, among the engraved parts, the shape of a halftone dot part having an area ratio of about 10% at 80 lpi was observed with an electron microscope.
The specific surface area and fine pore distribution of the fine particles were measured by adsorbing nitrogen gas in an atmosphere of liquid nitrogen using an auto soap 3MP (trademark) manufactured by Cantachrome.
[0081]
[Production Example 1]
A 1 L separable flask equipped with a thermometer, a stirrer, and a refluxer is a polycarbonate diol manufactured by Asahi Kasei Corporation. After adding 30.83 g and reacting at 80 ° C. for about 3 hours, 14.83 g of 2-methacryloyloxyisocyanate was added and further reacted for about 3 hours, and the terminal was a methacrylic group (intramolecular polymerization). A resin (A) having a number average molecular weight of about 10,000 having an average of about 2 unsaturated unsaturated groups per molecule) was produced. This resin was in the shape of a syrup at 20 ° C., flowed when an external force was applied, and did not recover its original shape even when the external force was removed.
[0082]
[Production Example 2]
A 1-liter separable flask equipped with a thermometer, a stirrer, and a refluxer is a polycarbonate diol manufactured by Asahi Kasei Corporation. After adding 30.83 g and reacting at 80 ° C. for about 3 hours, adding 7.42 g of 2-methacryloyloxyisocyanate and further reacting for about 3 hours, the terminal is a methacrylic group (intramolecular polymerization). A resin (I) having a number average molecular weight of about 10,000 having an average of about 1 unsaturated unsaturated group per molecule) was produced. This resin was in the shape of a syrup at 20 ° C., flowed when an external force was applied, and did not recover its original shape even when the external force was removed.
[0083]
Example 15]
  Using the resins (a) and (b) obtained in the above production examples, as shown in Table 1, a polymerizable monomer, an inorganic porous material, manufactured by Fuji Silysia Chemical Ltd., is a porous fine powder silica, Trademark "Cyrossphere C-1504" (hereinafter abbreviated as C-1504, number average particle diameter 4.5 μm, specific surface area 520 m)2/ G, average pore diameter 12 nm, pore volume 1.5 ml / g, loss on ignition 2.5 wt%, oil absorption 290 ml / 100 g), trademark “Silysia 450” (hereinafter abbreviated C-450, number average particle diameter 8. 0 μm, specific surface area 300 m2/ G, average pore diameter of 17 nm, pore volume of 1.25 ml / g, loss on ignition of 5.0 wt%, oil absorption of 200 ml / 100 g), trademark “Silysia 470” (hereinafter abbreviated as C-470, number average particle diameter of 14. 1μm, specific surface area 300m2/ G, average pore diameter 17 nm, pore volume 1.25 ml / g, loss on ignition 5.0 wt%, oil absorption 180 ml / 100 g), photopolymerization initiator and other additives were added to prepare a photosensitive resin composition. .
[0084]
The obtained photosensitive resin composition was applied on a glass fiber reinforced plastic as a cylindrical support at a thickness of 2.8 mm, and while rotating the cylindrical support, excess resin was scraped off with a doctor blade, The functional resin composition layer was molded. In this step, the resin swelled up slightly in the part where the doctor blade separated from the surface of the photosensitive resin composition layer.
While rotating the cylindrical support on which the photosensitive resin composition layer is laminated around the central axis, the light of an ultraviolet lamp having an emission center wavelength of 370 nm is 2000 mJ / cm under a nitrogen atmosphere.2The photosensitive resin composition layer was photocured by irradiation. On the surface, there were some linear bulges, and some unevenness in the thickness of the cured photosensitive resin layer was also observed.
[0085]
A jig with a 1 mm diameter fiber tip fixed is fixed on a rail that is accurately arranged with an accuracy within 20 μm parallel to the central axis of the cylindrical support, and carbon dioxide gas with an output of 100 W from the fiber tip. The cured resin layer was irradiated with laser light to cut and remove unevenness present on the surface. At this time, the cylindrical support is rotated around the central axis at a speed of 100 rpm, and a laser beam is irradiated in the tangential direction of the cured photosensitive resin layer formed on the cylindrical support, and Was moved at a speed of 5 mm / min to slowly cut the surface of the cured photosensitive resin layer. As a result, in any of the examples, the thickness of the cured photosensitive resin layer could be within 20 μm. Regarding Example 2, a large amount of liquid residue was adhered to the surface of the obtained laser engraving printing original plate, and it took time to wipe it off with a nonwoven fabric soaked with acetone. In the other examples, the residue was attached to the surface, but could be easily wiped off with a nonwoven fabric soaked with acetone.
[0086]
The porosity of the used porous fine powder silica is 2 g / cm in density.3Calculated as 780, Cyrossphere C-1504 is 780, Sicily 450 is 800, and Cylicia 470 is 1410. When the sphericity of Cyrossphere C-1504, which was added porous spherical silica, was observed using a scanning electron microscope, almost all of the particles were 0.9 or more. Silicia 450 and Silicia 470 were porous silica but not spherical silica.
[0087]
  These were engraved with a pattern using a carbon dioxide laser engraving machine manufactured by BAASEL. The evaluation results are shown in Table 2.
  The number of wiping off the residue after engraving in Table 2 is the number of times of wiping treatment required to remove the viscous liquid residue generated after engraving. If this number is large, the amount of liquid residue is large. Do.
FruitExample 15Among the double bond-containing organic compounds used in the above, the alicyclic and aromatic derivatives are BZMA, CHMA and PEMA.
  Moreover, when the abrasion resistance of the printing original plate was evaluated, the one using the spherical silica Cyrosphere C-1504 had a smaller amount of wear and was superior to the one using the Cycilia 450.
[0088]
【Example6]
  A printing original plate was prepared in the same manner as in Example 1 except that sodium calcium aluminosilicate (trade name “Silton JC50” manufactured by Mizusawa Chemical Co., Ltd.) was used as a nonporous material instead of the inorganic porous material. The nonporous material used had an average particle size of 5.0 μm, a pore volume of 0.02 ml / g, and a specific surface area of 6.7 m.2/ G, oil absorption 45 ml / 100 g. Porosity has a density of 2 g / cm3As 11.
  As in Example 1, a carbon dioxide laser was used.CutBy cutting, a laser engraving printing original plate having a thickness accuracy of the photosensitive resin cured product layer within 20 μm was obtained. However, liquid residue was adhered to the surface of the obtained laser engraving printing original plate, and it took time to wipe off with a nonwoven fabric soaked with acetone.
[0089]
After engraving with a carbon dioxide laser, a large amount of viscous liquid residue was generated, and the number of times of residue wiping was required to exceed 10.
The halftone dot shape was conical and good. The tack on the relief after wiping was 250 N / m.
[0090]
[Comparative Example 1]
In the same manner as in Example 1, a cured photosensitive resin cured product layer was obtained. The surface was not cut with a carbon dioxide laser. The thickness accuracy of the photosensitive resin cured product layer was about 50 μm.
[0091]
[Table 1]
Figure 0004220271
[0092]
[Table 2]
Figure 0004220271
[0093]
【The invention's effect】
According to the present invention, a printing original plate having high surface accuracy and high film thickness accuracy can be produced. Furthermore, by making it a specific resin composition, not only can the generation of debris when producing a relief image by direct laser engraving, not only the debris can be easily removed, but also the shape of the engraving is excellent, A laser-engravable cylindrical seamless printing original plate capable of producing a printing plate with a small tack on the printing surface can be provided.

Claims (6)

レーザー彫刻可能なフレキソ印刷用シームレス印刷原版の成形方法において、(i)円筒状支持体上に継ぎ目のない感光性樹脂組成物層を形成する工程、(ii)形成された感光性樹脂組成物層全面に光を照射し硬化させる工程、(iii)得られた感光性樹脂硬化物層表面にレーザー光を照射・走査し、該硬化物層表面を切削することにより前記硬化物層表面の凹凸を除去する工程を含むことを特徴とするレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。  In a method for forming a seamless printing original plate for flexographic printing capable of laser engraving, (i) a step of forming a seamless photosensitive resin composition layer on a cylindrical support, (ii) a formed photosensitive resin composition layer (Iii) irradiating and scanning the surface of the obtained photosensitive resin cured product layer with laser light and cutting the surface of the cured product layer to cut the surface of the cured product layer. A method for forming a laser-engravable seamless printing original plate, which comprises a step of removing. 感光性樹脂組成物層が、数平均分子量1000以上20万以下の樹脂(a)、数平均分子量1000未満でその分子内に重合性不飽和基を有する有機化合物(b)、および無機多孔質体(c)を含有した感光性樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。A photosensitive resin composition layer comprising a resin (a) having a number average molecular weight of 1,000 or more and 200,000 or less, an organic compound (b) having a number average molecular weight of less than 1,000 and having a polymerizable unsaturated group in the molecule, and an inorganic porous body; method of forming a laser engravable seamless printing original plate according to claim 1, wherein the photosensitive resin composition Tona Rukoto containing the (c). 無機多孔質体(c)の平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、比表面積が10m/g以上1500m/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする請求項2に記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。The inorganic porous body (c) has an average pore diameter of 1 nm to 1000 nm, a pore volume of 0.1 ml / g to 10 ml / g, a specific surface area of 10 m 2 / g to 1500 m 2 / g, and an oil absorption amount. The method for forming a laser-engravable seamless printing original plate according to claim 2 , wherein the forming amount is 10 ml / 100 g or more and 2000 ml / 100 g or less. 無機多孔質体(c)が、数平均粒子径が0.1μm以上100μm以下であって、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5〜1の範囲の球状粒子であることを特徴とする請求項2または3に記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。The inorganic porous material (c) is a spherical particle having a number average particle diameter of 0.1 μm or more and 100 μm or less, and at least 70% of particles having a sphericity of 0.5 to 1. The method for forming a laser-engravable seamless printing original plate according to claim 2 or 3 . 有機化合物(b)の全体量の20wt%以上が脂環族、芳香族の少なくとも1種類以上の誘導体であることを特徴とする請求項から4のいずれかに記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。The laser engraveable seamless printing according to any one of claims 2 to 4, wherein 20 wt% or more of the total amount of the organic compound (b) is at least one alicyclic or aromatic derivative. Molding method of the original plate. 感光性樹脂硬化物層表面の凹凸を除去する工程で用いられるレーザーが、200nm以上15μm以下の波長領域に発振波長を有すること、レーザー光を照射中にシームレス印刷原版を円筒の中心軸の周りに回転させること、更にレーザー光の照射・走査方向が前記シームレス印刷原版に接する面内方向であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレーザー彫刻可能なシームレス印刷原版の成形方法。  The laser used in the process of removing the irregularities on the surface of the cured photosensitive resin layer has an oscillation wavelength in the wavelength region of 200 nm to 15 μm, and the seamless printing original plate is placed around the central axis of the cylinder during laser irradiation. The method for forming a laser-engravable seamless printing original plate according to any one of claims 1 to 5, wherein the laser beam irradiation / scanning direction is an in-plane direction in contact with the seamless printing original plate. .
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