参考例1.
図1は、参考例1における受信装置251の構成を示すブロック図である。なお、参考例1においては、受信装置251が移動可能な端末装置(例えば、携帯型の端末装置)である場合について説明する。また、当該受信装置251においてデジタルテレビ放送に対応する映像および音声を再生する場合を一例として説明する。
図1において、放送局1A、1B・・・からは、当該放送局1A、1B・・・で放送される番組に対応する信号(以下、放送信号という。)が送信される。なお、当該放送局1A、1B・・・は、受信装置251に設定されるチャンネルの数に応じて複数あるものとし、以下の説明では前記複数の放送局を総称して放送局1という。また、前記チャンネルは、各放送局が放送信号を送信する際に使用する所定の周波数帯域毎に設定される。また、前記放送信号は各放送局において所定の変調方式(例えば、16QAM、64QAM、QPSK、DQPSK等)により変調され、電波によって送信される。なお、前記チャンネルおよび前記変調方式は当該受信装置251を使用するシステムの環境に応じて任意に設定することができる。
また、送信局11A、11B・・・は、前記放送局1によって送信される前記放送信号に対応するデータと同一のデータに対応する信号(以下、送信信号という。)を、前記放送局1において使用される変調方式と異なる変調方式によって変調して無線によって送信する。
なお、当該送信局11A、11B・・・から送信される前記送信信号に対応するデータは、前記放送局1から送信された放送信号に対応するデータを有線回線(図示せず)を使用して取得する。
また、当該送信局11は、山間部、建物の内部、高層ビル付近またはトンネル内など、当該受信装置251の受信状態が悪くなる可能性が高い場所に設置される。そして、無線LAN等を使用してホットスポット等の通信可能領域を形成し、当該通信可能領域に前記送信信号を送信する。なお、送信局11A、11B・・・は、前記放送局1の数に対応して複数設置されるものとし、以下の説明においては前記送信局11A、11B・・・を総称して送信局11という。
受信装置251は、各放送局1によって送信され、無線放送回線2を介して当該受信装置251に到達した複数の前記放送信号を受信する第1の回線インターフェース3と、該第1の回線インターフェース3によって受信された前記複数の放送信号から、後述するチャンネル選択部10によって指定された放送局1に対応する放送信号を抽出して増幅する第1の高周波増幅/検波部4と、増幅した前記放送信号をデジタル信号に変換する第1のA/D変換部26と、該第1のA/D変換部26から出力されたデジタル信号を復調、復号して映像信号および音声信号を出力する第1の復調/復号部5と、該第1の復調/復号部5から出力された前記映像信号をモニタ8で表示可能な信号に復調して出力するビデオ受信部6と、前記第1の復調/復号部5から出力された前記音声信号をスピーカ9で再生可能な信号に復調して出力する音声受信部7とを備える。なお、以下の説明においては前記ビデオ受信部6から出力された映像信号を第1の映像信号といい、前記音声受信部7から出力された音声信号を第1の音声信号という。また、前記無線放送回線2は、前記放送局1から当該受信装置251までの伝送路を意味し、当該無線放送回線2は無線である。
また、受信装置251は、各送信局11によって送信され、無線通信回線12を介して当該受信装置251に到達した複数の前記送信信号を受信する第2の回線インターフェース13と、該第2の回線インターフェース13によって受信された前記複数の送信信号から、前記チャンネル選択部10によって指定された送信局11に対応する送信信号を抽出して増幅する第2の高周波増幅/検波部14と、該第2の高周波増幅/検波部14において増幅された前記送信信号をデジタル信号に変換する第2のA/D変換部27と、該第2のA/D変換部27から出力されたデジタル信号を復調、復号して映像信号および音声信号を出力する第2の復調/復号部15と、該第2の復調/復号部15から出力された前記映像信号をモニタ8で表示可能な信号に復調して出力するビデオ再生部16と、前記第2の復調/復号部15から出力された前記音声信号をスピーカ9で再生可能な信号に復調して出力する音声再生部17とを備える。なお、以下の説明においては、前記ビデオ再生部16から出力された映像信号を第2の映像信号といい、前記音声再生部17から出力された音声信号を第2の音声信号という。また、前記無線通信回線12は、前記送信局11から当該受信装置251までの伝送路を意味し、当該無線通信回線12は無線である。
さらに、当該受信装置251は、前記放送信号または前記送信信号に基づいて得られた映像信号をアナログ信号に変換する第1のD/A変換部28と、前記放送信号または前記送信信号に基づいて得られた音声信号をアナログ信号に変換する第2のD/A変換部29と、前記第1のD/A変換部28によってアナログ信号に変換された映像信号に対応する映像を表示するモニタ8と、前記第2のD/A変換部29によってアナログ信号に変換された音声信号に対応する音声を再生するスピーカ9とを備える。
また、受信装置251は、ビデオ受信部6から出力される映像信号、またはビデオ再生部16から出力される映像信号のいずれかを選択する映像選択部18と、音声受信部6から出力される音声信号、または音声再生部16から出力される音声信号のいずれかを選択する音声選択部19とを備える。
すなわち、受信装置251は、前記放送信号に対応する映像信号および音声信号の再生を行なうか、または前記送信信号に対応する映像信号および音声信号の再生を行なうかの選択を行なうことができるように構成される。なお、映像選択部18または音声選択部19における選択は、ユーザーが当該受信装置251における操作部(図示せず)を操作することにより行なう。具体的に説明すると、ユーザーが前記操作部を操作することにより信号選択部20から信号(以下、選択信号という。)が出力され、前記映像選択部18は前記選択信号に応じて放送信号または送信信号のいずれかの信号に対応する映像信号を選択して出力し、前記音声選択部19は前記選択信号に応じて放送信号または送信信号のいずれかの信号に対応する音声信号を選択して出力する。
また、上述のように、第1の高周波増幅/検波部4および第2の高周波増幅/検波部14は、前記チャンネル選択部10によって指定された放送信号または送信信号を抽出するが、前記チャンネル選択部10による指定もまた、ユーザーが前記操作部を操作することによって行なう。すなわち、ユーザーが前記操作部を操作することにより当該受信装置251に設定されたチャンネルを指定すると、当該チャンネルに対応する信号(以下、チャンネル信号という。)がチャンネル選択部10から、第1の高周波増幅/検波部4および第2の高周波増幅/検波部14に出力される。
したがって、例えば、放送局1Aから送信された放送信号と、送信局11Aから送信される送信信号とが対応する場合、ユーザーが前記操作部を操作することにより、放送局1Aに対応するチャンネルを指定すると、チャンネル選択部10から前記チャンネル信号が出力され、前記第1の高周波増幅/検波部4は前記チャンネル信号に応じて前記放送局1Aから送信された放送信号を抽出し、前記第2の高周波増幅/検波部14は前記チャンネル信号に応じて送信局11Aから送信された送信信号を抽出する。
受信装置251は、前記放送局1から送信される放送信号を受信して映像または音声の再生を行なう。そして、ユーザーは、移動しながら受信装置251によって放送局1において放送される番組の視聴をする。
ユーザーの移動中に当該受信装置251の受信状態が悪くなった場合、ユーザーは前記操作部を操作することにより、前記映像および音声の再生に使用する信号を放送信号から送信信号に切替える。そうすると、前記モニタ8においては前記送信信号に対応する映像信号に基づいて映像が表示され、前記スピーカ9においては前記送信信号に対応する音声信号に基づいて音声の再生が行なわれる。
前記送信信号を送信する送信局11は、上述のように山間部やビル付近等、当該受信装置251の受信状態が悪くなる場所に予め設置される。よって、ユーザーが前記操作部を操作して、映像および音声の再生に使用する信号を切替えることによって、当該ユーザーは良好な映像および音声により所望の番組を視聴することができる。
なお、前記受信状態が悪いか否かの判断は、前記モニタ8において表示される映像の品質(画質)が悪くなった(映像が乱れる等)、または前記スピーカ9から出力される音声が乱れた等によってユーザーが行なう。
以上の説明のように、参考例1における受信装置251によれば、当該受信装置251の受信状態が悪くなった場合においても、良好な映像および音声を得ることができる。
また、当該受信装置251の受信可能な領域を実質的に拡大することができる。
参考例2.
図2は、参考例2における受信装置252の構成を示すブロック図である。なお、図2において前記参考例1の受信装置251と同様の構成については同一の符号を付記し、説明は省略する。
図2において、ビデオ受信部6から出力された第1の映像信号、およびビデオ再生部16から出力された第2の映像信号は第1の判定回路21Aに入力される。また、同様に、音声受信部7から出力された第1の音声信号、および音声再生部17から出力された第2の音声信号は第2の判定回路21Bに出力される。
第1の判定回路21Aは、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とを比較する。前記第1の判定回路21Aは、当該比較により、放送信号または送信信号のいずれの信号が当該受信装置252において良好に受信されているかを判断して、前記放送信号または前記送信信号のいずれの信号を選択するかを示す信号(以下、第1の判定信号という。)を信号選択部20に出力する。
同様に、判定回路21Bは、前記第1の音声信号と前記第2の音声信号とを比較する。そして、当該比較によって、放送信号または送信信号のいずれの信号が当該受信装置252において良好に受信されているかを判断して、前記放送信号または前記送信信号のいずれの信号を選択するかを示す信号(以下、第2の判定信号という。)を信号選択部20に出力する。
なお、前記第1の判定回路21Aおよび前記第2の判定回路21Bにおける受信状態の良否の判断は、例えば、前記放送信号および送信信号を誤り訂正した結果得られる、放送信号における誤りデータの数(以下、誤り数という。)と、送信信号における誤り数とを比較することによって行なってもよいし、当該誤り数からビットエラーレートを演算し、当該ビットエラーレートを比較することによって行なってもよい。
信号選択部20は、前記第1の判定信号に基づいて、放送信号または送信信号のいずれの信号に基づいて映像の再生を行なうかを決定し、当該決定に対応する信号を映像選択部18に出力する。そして、当該映像選択部18は、前記信号選択部20から出力された信号に応じて、第1の映像信号または第2の映像信号を選択して第1のD/A変換部28に出力する。
また、信号選択部20は、前記第2の判定信号に基づいて、放送信号または送信信号のいずれの信号に基づいて音声の再生を行なうかを決定し、当該決定に対応する信号を音声選択部19に出力する。そして、当該音声選択部19は、前記信号選択部20から出力された信号に応じて、第1の音声信号または第2の音声信号を選択して第2のD/A変換部29に出力する。
以上の説明のように、参考例2における受信装置252によれば、当該受信装置252の受信状態が悪い場合であっても良好な映像および音声の再生をすることができる。
また、当該受信装置252の受信可能な領域を実質的に拡大することができる。
さらに、ユーザーの操作を必要とすることなく、自動的に、放送信号または映像信号のいずれの信号に基づいて映像および音声の再生を行なうかを選択することができる。
参考例3.
図3は、参考例3における受信装置253の構成を示すブロック図である。なお、図3において、前記参考例1または2において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付記し、説明を省略する。
図3において、第1の判定回路21Aから出力された第1の判定信号、および第2の判定回路21Bから出力された第2の判定信号は、グラフィックスジェネレータ22に入力される。そして、グラフィックスジェネレータ22は、入力された第1の判定信号および第2の判定信号に基づいて当該受信装置253の受信状態を示す映像を生成して、当該生成した映像に対応する信号を加算器33に出力する。
加算器33は、前記グラフィックスジェネレータ22から出力された信号と、映像選択部18から出力された信号とを合成して、当該合成した信号を第1のD/A変換部28に出力する。当該第1のD/A変換部28は、前記加算器33から出力された信号をアナログ信号に変換してモニタ8に出力し、前記モニタ8は前記アナログ信号に基づいて映像を画面上に表示する。
そうすると、当該モニタ8の画面上には、前記映像選択部18から出力された映像信号に対応する映像と、前記グラフィックスジェネレータ22によって生成された、当該受信装置253の受信状態を示す映像とが表示される。
そして、ユーザーは、前記モニタ8に表示された受信状態を示す映像に基づいて、放送信号または送信信号のいずれの信号に基づいて映像および音声の再生を行なうかを選択して、前記操作部の操作を行なう。
なお、前記グラフィックスジェネレータ22によって生成される映像は、例えば、当該受信装置253において映像および音声の視聴を良好に行なうことができる場合の受信状態を100とし、第1の判定信号および第2の判定信号に基づいて、前記受信状態が前記100に対してどの程度の数値であるかを演算した結果を画面上にバーグラフの形で表示する。なお、バーグラフは、図4に示すように、放送信号に対する受信状態を示すバーグラフと、送信信号に対する受信状態を示すバーグラフとを別々に表示する。したがって、ユーザーは、2つのバーグラフを比較することによって、放送信号または送信信号のいずれの信号が、より良好に受信されているかを確認することができる。そして、ユーザーは、受信状態を確認したうえで、より良好な受信状態にある信号を選択することができる。
なお、グラフィックスジェネレータ22によって生成された映像の表示方法は、上述した態様に限らず、ビデオ受信部6またはビデオ再生部16から出力された映像信号に対応する映像に重ねてモニタ8の画面上に表示され、放送信号に対する受信状態または送信信号に対する受信状態のいずれの受信状態が、より良好であるかを判断することができれば他の態様であってもよい。
例えば、より良好な受信状態にある信号の名称のみ(すなわち放送信号または送信信号のいずれか一方)を表示してもよいし、現在再生している映像および音声に対応する信号と異なる信号に対する受信状態が良好となった場合に、信号切替えを指示する旨の表示をするような態様であってもよい。
また、前記グラフィックスジェネレータ22によって生成された映像は、モニタ8の画面上に常に表示されていてもよいし、当該映像を表示することを指示する指示ボタンなどを当該受信装置253の操作部に設けて、当該指示ボタンを操作したときにのみ前記映像が表示されるようにしてもよい。また、現在再生している映像および音声に対応する信号と異なる信号に対する受信状態が良好となった場合にのみ、所定の時間だけ、信号の切替えを指示する旨を表示するようにしてもよい。
なお、参考例3においては、グラフィックスジェネレータ22によって生成された映像をモニタ8の画面上に表示し、ユーザーが、当該映像に基づいて放送信号または送信信号のいずれかの信号を手動で選択する場合について説明したが、参考例3における受信装置253と前記参考例2における受信装置252とを組み合わせることにより、信号の選択を自動的に行なうようにしてもよい。
具体的には、参考例3における受信装置253において、第1の判定信号および第2の判定信号を信号選択部20に入力し、当該信号選択部20を前記参考例2において説明した動作と同様の動作をするように構成すればよい。また、放送信号または送信信号のいずれかを自動的に切替えることができるとともに、ユーザーの操作による信号の切替えもできるように構成してもよい。
以上の説明のように、参考例3における受信装置253によれば、グラフィックスジェネレータ22を設けることで、ユーザーが当該受信装置253の受信状態を目視で確認することできる。そして、ユーザーは、受信状態を示す映像に基づいて信号の選択を行なうことができる。
参考例4.
図5は、参考例4における受信装置254の構成を示すブロック図である。なお、図5において、前記参考例1ないし3において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付記し、説明を省略する。
前記参考例1ないし3における受信装置は、映像選択部18および音声選択部19によって、放送信号または送信信号のいずれかに基づいて映像および音声の再生を行なうが、前記放送信号と前記送信信号とは必ずしも同期しているとは限らない。したがって、両信号間で遅延が生じる場合がある。当該遅延は、モニタ8に表示される映像またはスピーカ9から出力される音声の途切れ等の原因となる。そこで、参考例4における受信装置254は、上述した映像や音声の途切れを解消するために、比較遅延差算出部23および可変バッファ24を利用する。以下、受信装置254の動作について説明する。
図5において、ビデオ受信部6から出力された第1の映像信号、およびビデオ再生部16から出力された第2の映像信号は、第1の比較遅延差算出部23Aに入力される。また、音声受信部7から出力された第1の音声信号、および音声再生部17から出力された第2の音声信号は、第2の比較遅延差演算部23Bに出力される。
第1の比較遅延差算出部23Aは、入力された第1の映像信号と第2の映像信号とを比較して、両信号間でどの程度の遅延が生じているかを演算する。そして、当該演算の結果得られる遅延量(以下、第1の遅延量という。)に対応する信号(以下、第1の遅延信号という。)を第1の可変バッファ24Aおよび第2の可変バッファ24Bに出力する。なお、前記遅延量の演算は、例えば、前記第1の映像信号に含まれるタイムスタンプと、前記第2の映像信号に含まれるタイムスタンプとを比較することにより行なうことができる。
一方、第2の比較遅延差算出部23Bは、入力された第1の音声信号と第2の音声信号とを比較して、両信号間における遅延量(以下、第2の遅延量という。)を演算する。そして、当該第2の遅延量に対応する信号(以下、第2の遅延信号という。)を第3の可変バッファ24Cおよび第4の可変バッファ24Dに出力する。なお、当該第2の遅延量の演算も、前記第1の音声信号に含まれるタイムスタンプと、前記第2の音声信号に含まれるタイムスタンプとを比較することにより行なうことができる。
前記第1の可変バッファ24Aには、前記ビデオ受信部6から出力された第1の映像信号および前記第1の遅延信号が入力される。また、第2の可変バッファ24Bには、ビデオ再生部16から出力された第2の映像信号および前記第1の遅延信号が入力される。各可変バッファ24A、24Bは、前記第1の遅延信号に対応する第1の遅延量に基づいて、入力された映像信号に対して遅延量を与える。
具体的に説明すると、例えば、前記第1の映像信号に対して前記第2の映像信号が遅延量D1だけ遅延している場合、前記第1の可変バッファ24Aにおいて前記第1の映像信号に遅延量D1を与え、前記第2の可変バッファ24Bにおいては前記第2の映像信号に対して遅延量を与えない。
そして、前記第1の遅延量に基づいて遅延の調整が行なわれた、第1の映像信号および第2の映像信号は、映像選択部18に入力される。
一方、前記第3の可変バッファ24Cには、前記音声受信部7から出力された第1の音声信号および前記第2の遅延信号が入力される。また、第4の可変バッファ24Dには、音声再生部17から出力された第2の音声信号および前記第2の遅延信号が入力される。各可変バッファ24C、24Dは、前記第2の遅延信号に対応する第2の遅延量に基づいて、入力された音声信号に対して遅延量を与える。そして、前記第2の遅延量に基づいて遅延差の調整が行なわれた、第1の音声信号および第2の音声信号は、音声選択部19に入力される。
上述のように、第1の可変バッファ24Aおよび第2の可変バッファ24Bにより、第1の映像信号と第2の映像信号との間の遅延が調整され、前記映像選択部18に入力された、前記第1の映像信号と前記第2の映像信号とは同期する。また、第3の可変バッファ24Cおよび第4の可変バッファ24Dにより、第1の音声信号と第2の音声信号との間の遅延が調整され、前記音声選択部19に入力された、前記第1の音声信号と前記第2の音声信号とは同期する。
以上の説明のように、参考例4における受信装置254によれば、放送信号と映像信号との間に遅延が生じている場合でも、当該遅延に起因する映像または音声の途切れ等を防止することができる。
なお、参考例4における受信装置254は、前記参考例1ないし3における受信装置と組み合わせることもできる。例えば、前記参考例2における受信装置252と組み合わせる場合には、前記第1の比較遅延差算出部23A、第1の可変バッファ24Aおよび第2の可変バッファ24Bを第1の判定回路21Aと並列に設け、また前記第2の比較遅延差算出部23B、第3の可変バッファ24Cおよび第4の可変バッファ24Dを前記第2の判定回路21Bと並列に設ければよい。
前提技術.
図6は、本発明の前提技術における受信装置255の構成を示すブロック図である。なお、図6において前記参考例1ないし4において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付記し、説明を省略する。
図6において、第1の復調/復号部5から出力された信号(以下、復調信号という。)は第1の誤り訂正部30に出力される。当該第1の誤り訂正部30は第1の前記復調/復号部5から出力された復調信号に対して誤り訂正処理を行なう。そして、入力される復調信号に対応するデータにおいて、誤り訂正が不可能であるデータがあった場合、当該誤り訂正が不可能であったデータに対応する信号(以下、訂正不可信号という。)を送信局11に出力する。
例えば、日本における地上デジタルTV放送のように、リードソロモン符号を適用して符号化された信号を復号して誤り訂正する際には、誤り位置多項式による演算等によって、入力されたデータが誤り訂正可能であるか否かの判断を行なうことができる。当該第1の誤り訂正部30は、上述のような判断に基づいて前記訂正不可信号を出力する。
なお、前記訂正不可信号は、当該受信装置255において受信している放送信号に対応するデータと同一のデータに対応する送信信号を送信する送信局11に出力される。
前記訂正不可信号を受信した送信局11は、当該訂正不可信号に応じて、前記第1の誤り訂正部30において誤り訂正が不可能であったデータを補完するデータ(以下、補完データという。)に対応する信号(以下、補完信号という。)を受信装置255に出力する。
送信局11から送信された前記補完信号は、当該受信装置255における第2の回線I/F13に入力された後、第2の高周波増幅/検波部14から第2の誤り訂正部31までの各部の処理によって復調、誤り訂正等が行なわれる。そして、当該復調等をした結果得られる、映像信号はビデオ再生部16を介して第1のバッファ41に出力され、音声信号は音声再生部17を介して第2のバッファ42に出力される。
前記第1のバッファ41は、ビデオ受信部6から出力された第1の映像信号と、前記ビデオ再生部16から出力された第2の映像信号とを合成して、前記第1の映像信号に対応するデータにおいて誤り訂正不可能であったデータを前記第2の映像信号に対応する補完データによって補完する。そして、当該補完後のデータに対応する信号を第1のD/A変換部28に出力する。
一方、前記第2のバッファ42は、音声受信部7から出力された第1の音声信号と、前記音声再生部17から出力された第2の音声信号とを合成して、前記第1の音声信号に対応するデータにおいて誤り訂正不可能であったデータを前記第2の音声信号に対応する補完データによって補完する。そして、当該補完後のデータに対応する信号を第2のD/A変換部29に出力する。
以上の説明のように、前提技術における受信装置255によれば、受信した放送信号に対応する復調信号に対して誤り訂正をした結果、当該復調信号に対応するデータに誤り訂正が不可能なデータがであった場合でも、送信局11から当該誤り訂正不可能であったデータに対応する補完データを得ることができる。したがって、当該受信装置255において放送信号に対する受信状態が悪い場合でも、前記補完データを利用することによって映像および音声の再生を良好に行なうことができる。
なお、前記送信局11から前記訂正不可信号に応じて補完信号を送信する場合、当該補完信号に対応する補完データに付加するエラー訂正パケットの数を変更してもよい。前記送信局11から訂正不可信号に応じて前記補完信号を送信する際に当該補完データに付加するエラー訂正パケットの数を増やした場合には、受信装置255の第1の誤り訂正部30において前記復調信号に対する誤り訂正をより確実に行なうことが可能となる。すなわち、前記第1の誤り訂正部30の誤り訂正能力を実質的に高くすることができる。
また、前記送信局から前記訂正不可信号に応じて補完信号を送信する場合、当該補完信号に対応する補完データを割り当てるキャリアの変調方式を変更してもよい。例えば、当該キャリアの変調方式としてはDQPSK、QPSK、16QAM、64QAM等がある。一般に、多値数が少ない変調方式は雑音の影響を受けにくい。したがって、例えば、受信装置255の送信信号に対する受信状態が悪くなった場合には、64QAMから16QAMに変調方式を変更する。
なお、当該受信装置255における受信状態の良否の判断は、例えば、前記第1の誤り訂正部30において得られる訂正不可信号に対応する誤り数と所定のしきい値とを比較し、前記誤り数が前記しきい値以上の場合には受信状態が悪く、前記誤り数が前記しきい値よりも小さい場合には受信状態が良いというように判断することができる。
また、前記変調方式の変更は前記送信局11によって行なうが、当該変調方式の選択は、当該受信装置255において行なってもよいし、送信局11において行なってもよい。なお、受信装置255における変調方式の選択は以下のように行なうことができる。例えば、しきい値Th1、Th2、Th3をTh1>Th2>Th3となるように第1の誤り訂正部30に設定し、当該第1の誤り訂正部30において得られる前記訂正不可信号に対応する誤り数eが、Th3よりも小さい場合には16QAM、Th3以上であってTh2よりも小さい場合には64QAM、Th2以上であってTh1よりも小さい場合にはQPSK、Th1以上である場合にはDQPSKというように変調方式を選択する。以上説明した、前記しきい値と誤り数との関係をまとめると図7のようになる。
そして、上述のように変調方式の選択を行なった受信装置255は、前記第1の誤り訂正部30から送信局11に訂正不可信号を送信する際に、当該選択した変調方式に対応する信号を送信する。なお、前記送信局11において変調方式を選択する場合にも上述の方法を適用することができる。
なお、以上の説明においては、前記第1の誤り訂正部30における誤り訂正の結果、前記復調信号に対応するデータにおいて誤り訂正不可能なデータがある場合に、当該第1の誤り訂正部30から信号を送信する場合について説明したが、当該第1の誤り訂正部30から定期的に誤り訂正の結果に対応する信号(以下、訂正結果信号という。)を送信局11に出力し、当該信号を受信した送信局11は、定期的に入力される前記訂正結果信号に基づいて適宜、エラー訂正パケット数または変調方式の変更を行なうように構成してもよい。
実施の形態.
図8は、実施の一形態における受信装置256の構成を示すブロック図である。なお、図8において前記参考例1ないし4および前記前提技術において説明した構成と同様の構成については同一の符号を付記し、説明を省略する。
図8において、第1の復調/復号部5から出力された復調信号は、第1の誤り訂正部30に出力される。第1の誤り訂正部30は、前記復調信号に対して誤り訂正処理を行ない、前記復調信号に基づいて得られた映像信号または音声信号をビデオ受信部6または音声受信部7に出力する。また、第1の誤り訂正部30は、前記復調信号に誤り訂正が不可能なデータがあった場合、当該データに対応する訂正不可信号を誤り情報蓄積部31に出力する。
誤り情報蓄積部31は、前記訂正不可信号に対応する誤り数を記録する。なお、以下の説明においては誤り情報蓄積部31において誤り数を記録する場合について説明するが、当該誤り情報蓄積部31には、例えば、ビットエラーレートを記憶してもよい。すなわち、当該誤り情報蓄積部31には、前記復調信号に対応するデータにおける誤りに対応する情報が記憶されればよい。
誤り情報蓄積部31は、記録した前記誤り数に対応する信号を受信状態予測部32に出力する。そして受信状態予測部32は、前記誤り情報蓄積部31から入力された信号に対応する誤り数に基づいて当該受信装置256における受信状態の時間的な変動を予測する。
図9は、前記受信状態予測部32における前記受信状態の予測を説明するための説明図である。当該受信状態予測部32は、前記誤り情報蓄積部31から入力された信号に基づいて図9に示すように、当該受信装置256が放送信号を受信した時刻と、当該放送信号に対応するデータに含まれる誤り数とを対応付けて記録する。
当該受信状態予測部32は、記録した前記時刻と前記誤り数とに基づいて受信状態の変動を予測する。具体的には、所定の時間内に前記誤り情報蓄積部31から入力された信号に基づいて、前記所定時間内における前記時刻と前記誤り数とを関数化し、当該関数に基づいて外挿を行なうことにより、前記誤り数が予め定めるしきい値を越える時刻を検出する。
なお、前記図9においては、前記誤り情報蓄積部31から信号が3回入力される間の時間を前記所定の時間tとして、当該所定の時間tにおける前記時刻と前記誤り数とを1次関数化し、当該1次関数を外挿することによって、前記誤り数が所定のしきい値Thを越える時刻t1を検出する。したがって、当該受信状態予測部32は、前記時刻t1において受信装置256の受信状態が悪くなると予測する。なお、前記所定の時間および前記しきい値は、当該受信装置256を使用するシステムの環境に応じて任意に設定することができる。
そして、受信状態予測部32は、前記外挿を行なった結果、前記誤り数が予め定めるしきい値を越える時刻において当該受信装置256が受信する放送信号に対応するデータを予め送信局11に要求する。具体的には、当該要求するデータに対応する信号(以下、要求信号という。)を前記送信局11に送信する。
前記送信局11は受信状態予測部32から出力された前記要求信号を受信すると、当該データ要求信号に対応する補完信号を受信装置256に出力する。
送信局11から送信された補完信号は、当該受信装置256における第2の回線I/F13に入力され、第2の高周波増幅/検波部14から第2の誤り訂正部31までの各部の処理によって復調、誤り訂正等が行なわれる。そして、復調、誤り訂正等をした結果得られる前記補完データに対応する映像信号はビデオ受信部16を介して第1のバッファ41に出力される。また、前記補完データに対応する音声信号は音声受信部17を介して第2のバッファ42に出力される。なお、第1のバッファ41および第2のバッファ42以降の動作は、前記前提技術における受信装置255の動作と同様であるので説明を省略する。
以上の説明のように、本実施の形態における受信装置256によれば、前記第1の誤り訂正部30の出力に基づいて、前記補完データを予め取得することができる。したがって、当該受信装置256の受信状態が悪くなった場合においても、映像または音声の再生を良好に行なうことができる。
参考例5.
図10は、参考例5における受信装置257の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明においては、前記参考例1ないし4、前記前提技術および前記実施の形態で説明した構成と同様の構成については同一の符号を付記し、説明を省略する。
図10において、第1の誤り訂正部30は、第1の復調/復号部5から出力された復調信号に対して誤り訂正処理を行ない、当該誤り訂正処理が施された前記復調信号に基づいて得られる映像信号および音声信号をビデオ受信部6または音声受信部7にそれぞれ出力する。そして、前記ビデオ受信部6は第1の映像信号を第1のバッファ41に出力し、前記音声受信部7は第1の音声信号を第2のバッファ42に出力する。また、第1の誤り訂正部30は、前記復調信号に対応するデータにおいて誤り訂正が不可能なデータがあった場合、当該データに対応する訂正不可信号を誤り情報蓄積部31に出力する。
前記誤り情報蓄積部31は、前記訂正不可信号が入力されると、当該訂正不可信号に対応する誤り数を記憶する。また、当該入力された訂正不可信号を送信局11に出力する。前記訂正不可信号を受信した送信局11は、当該訂正不可信号に対応する補完信号を受信装置257に送信した場合に必要な料金に関する情報(以下、課金情報という。)に対応する信号(以下、課金信号という。)を前記誤り情報蓄積部31に出力する。
誤り情報蓄積部31は、前記送信局11から送信された前記課金信号を受信すると、当該課金信号および前記訂正不可信号をグラフィックスジェネレータ22に出力する。
グラフィクスジェネレータ22は、誤り情報蓄積部31から出力された前記課金信号および前記訂正不可信号に基づいて、当該受信装置257の受信状態を示す第1の映像および課金情報に対応する料金を示す第2の映像を生成し、これらの映像に対応する信号を加算器33に出力する。
加算器33は、前記第1のバッファ41から出力された信号と、前記グラフィクスジェネレータ22から出力された信号とを合成する。なお、当該加算器33によって前記合成が行なわれることにより、放送局から送信された放送信号に対応する映像、前記第1の映像および前記第2の映像の3つの映像が、例えば図11のようにモニタ8の画面上に表示される。
そして、受信装置257のユーザーは、前記第1の映像により当該受信装置257の受信状態を確認する。ユーザーは当該確認の結果、受信装置257の受信状態が悪い場合には、前記第2の映像により前記補完データを得た場合に必要な料金を確認して、誤り訂正不可能なデータに対応する補完データを前記送信局11から取得するか否かを判断する。
前記判断の結果、前記補完データを前記送信局11から取得する場合、ユーザーは受信装置257における操作部を操作して前記補完データを取得する旨の入力をする。そして、ユーザーが前記操作部を操作すると、当該操作部から前記誤り情報蓄積部31に信号が入力される。
誤り情報蓄積部31は、前記操作部からの信号を受信すると、記憶している前記訂正不可信号を再度、送信局11に出力する。前記訂正不可信号を再度受信した送信局11は、当該訂正不可信号に対応する補完信号を受信装置257に出力する。
そして、前記補完信号は、第2の回線I/F13によって受信され、第2の高周波増幅/検波部14から第2の誤り訂正部31までの各構成によって復調、誤り訂正等が行なわれる。そして、復調、誤り訂正等がされた結果得られる第2の映像信号は第1のバッファ41に入力される。また、第2の音声信号は第2のバッファ42に出力される。なお、第1のバッファ41および第2のバッファ42以降の動作は前記前提技術における受信装置255の動作と同様であるので説明を省略する。
以上の説明のように、参考例5における受信装置257によれば、当該受信装置257の受信状態が悪い場合に、送信局11から補完データを得るか否かの判断をモニタ8の画面上に表示される料金を示す映像に基づいてユーザーが行なうことができる。
すなわち、ユーザーはモニタ8の画面上に表示された前記料金を表示する映像を見ることにより、表示された料金が高い場合には「映像の品質が悪くても放送信号による映像を見よう。」という判断を行なうことができ、一方、前記料金が安い場合には「送信局11から補完データを取得して映像を見よう。」という判断を行なうことができる。
したがって、送信局11から送信される補完信号対して課金されている場合に、当該補完信号を得るか否かをユーザーが自由に選択することができる。また、前記補完データの取得にともなう、ユーザーの無駄な出費を抑えることができる。
なお、以上の説明においては、モニタ8に課金情報を示す映像を表示する場合について説明したが、課金情報だけでなく、実際に取得した補完データに対応する料金の合計(以下、合計額という。)を示す映像を表示するようにしてもよい。
前記合計額を示す映像を表示する場合には、前記誤り情報蓄積部31に前記課金信号を記憶しておき、前記誤り情報蓄積部31から送信局11に訂正不可信号が再度送信される際、当該誤り情報蓄積部31からグラフィックジェネレータ22に記憶した課金信号を出力する。
そして、グラフィックジェネレータ22は、既に入力された課金信号に対応する料金の合計額に、受信した課金信号に対応する料金を更に加算して、当該加算後の合計額を示す映像を生成し、当該映像に対応する信号を加算器33に出力する。
1 放送局、2 無線放送回線、3 第1の回線インターフェース、13 第2の回線インターフェース、4 第1の高周波増幅/検波部、14 第2の高周波増幅/検波部、5 第1の復調/復号部、15 第2の復調/復号部、6 ビデオ受信部、7 音声受信部、8 モニタ、9 スピーカ、10 チャンネル選択部、11 送信局、12 無線通信回線、16 ビデオ再生部、17 音声再生部、18 映像選択部、19 音声選択部、20 信号選択部、21A 第1の判定回路、21B 第2の判定回路、22 グラフィックスジェネレータ、23A 第1の比較遅延差算出部、23B 第2の比較遅延差算出部、24A 第1の可変バッファ、24B 第2の可変バッファ、24C 第3の可変バッファ、24D 第4の可変バッファ、26 第1のA/D変換部、27 第2のA/D変換部、28 第1のD/A変換部、29 第2のD/A変換部。