JP4219593B2 - 4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録剤の顕色剤等として有用な4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを高純度かつ工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンは、発色感度、保存性、耐感光性等に優れた顕色剤であり、ファクシミリ等の高速記録用、あるいは保存性を重視したラベル等の記録材料に多用されている。
【0003】
従来、4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造方法としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、「BPS」ということがある。)とアルキルハライド等のハロゲン化合物とを、アルカリの存在下に反応させる方法が知られている(特開昭58−20493号公報、特開昭58−82788号公報、特開昭60−13852号公報、特開昭60−56949号公報、特開平5−255234号公報、特開平6−25148号公報、及び特許公報第2500532号等参照)。この方法によれば、目的物である4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン(以下、「目的物」ということがある。)を高収率で得ることができる。
【0004】
ところで、このBPSとハロゲン化合物との反応においては、反応が完全に進行せず、また副反応も同時に進行する。そのため、反応混合物(反応終了後の反応液)には目的物の他に未反応のBPSや副生成物である4,4’−ジ置換ヒドロキシジフェニルスルホン等が含まれており、反応混合物からこれらの不純物を除去する精製工程が必要である。
【0005】
しかしながら、4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを工業的規模で製造する場合に、BPSとハロゲン化アルキルとの反応液を精製する工程において反応液が着色し、製品である4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの結晶も着色し、その後精製を繰り返しても完全に脱色(着色物質の除去)することが困難となる場合があった。
【0006】
4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンは主に顕色剤として用いられるが、顕色剤はその用途から僅かな着色があっても問題となる。
従って、着色がなく高純度な4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを収率よく得ることができる工業的な製造方法を確立することが必要とされていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑みてなされたものであり、着色のない高純度な4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを工業的に有利に製造する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記式(II)で表される化合物と式(III)で表される化合物とを反応させて得られる反応混合物を精製して、着色がなく高純度な式(I)で表される化合物を効率よく単離する方法を鋭意検討した。
【0009】
その結果、反応液が精製工程において着色するのは、反応溶媒及び精製工程で用いられる水として用いられる工業用水中に含まれ、又はSUS製の反応槽から溶出した鉄イオン等の重金属イオンが4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン等のフェノール性水酸基を有する化合物とキレート化合物を形成し、これが着色原因物質となるためであると考えられた。また、着色の原因物質であるキレート化合物が生成しやすい原因は、反応液のpH値が局部的に低下し、フェノール性水酸基を有する化合物と重金属イオンとがキレートを形成し得るpH領域となるためであると考えられた。
従って、かかるキレート化合物の形成を効果的に防止し、着色の問題のない製品を得るためには、精製工程において正確かつ均一なpH調整が必要である。
【0010】
ところで、反応混合物には、通常未反応の化合物(III)が含まれている。化合物(III)は、一般的に水、特にアルカリ性の水溶液に不安定であり、加熱下においてさらに不安定で分解しやすくなる。化合物(III)がアルカリ性の水溶液により分解されると、酸(H−X)が発生し、それがアルカリと反応して反応液のpH値を低下させる。このpH値の低下は局部的であってその変化は小さい。しかしながら、目的物を有機層側へ、BPS等の不純物をアルカリ水層側へ確実に分離するためには特に正確なpH調整が必要であり、pH値が不均一であったり、pH値が設定値と異なっていると、目的物と(原料化合物及び副生成物)との完全な分離が困難となる。また、本反応では、反応終了後反応液を精製する工程において反応液が着色し、製品である化合物(I)も着色する場合があった。一旦着色すると脱色が困難となり問題となる。
【0011】
そこで、本発明者等は、反応終了後、反応混合物を精製する工程において、反応液に含まれている未反応の化合物(III)を除去する工程を新たに設けることにより、化合物(III)が分解して反応液のpH値が変化するのを防止して正確なpH調整を可能とし、着色のない高純度な式(I)で表される化合物を効率よく単離することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0012】
かくして本発明によれば、式(II)
【0013】
【化6】
【0014】
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C1〜C8アルキル基又はC2〜C8アルケニル基を表し、m及びnは、それぞれ独立して0又は1〜4のいずれかの整数を表す。)で表される化合物と、式(III):R3−X(式中、R3は、C1〜8アルキル基、C2〜8アルケニル基、C3〜8シクロアルキル基又は置換基を有してもよいアラルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物とを、溶媒中、塩基存在下に反応させる反応工程と、得られた反応混合物を精製する精製工程とを有する、式(I)
【0015】
【化7】
【0016】
(式中、R1、R2、R3、m及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法であって、前記反応混合物から未反応の式(III)で表される化合物を除去する除去工程をさらに設けたことを特徴とする式(I)で表される化合物の製造方法が提供される。
【0017】
本発明においては、前記除去工程を、前記反応工程の直後に設けるのが好ましい。
また、前記除去工程が、前記反応混合物から式(III)で表される化合物を反応溶媒とともに留去する工程ものであるのが好ましく、前記式(III)で表される化合物を水及び水と共沸する溶媒との混合物とともに留去するものであるのがより好ましい。
さらに、本発明においては、前記反応溶媒として水を用いるのが好ましい。
【0018】
本発明においては、前記反応混合物を含む溶液のpHを調整するpH調整工程をさらに設け、前記除去工程を前記pH調整工程の直前に設けるのが好ましく、前記式(I)で表される化合物を有機溶媒中から晶析させる晶析工程を前記pH調整工程の後に設け、該有機溶媒中の式(III)で表される化合物の濃度が1重量%以下になるように式(III)で表される化合物を除去するのがより好ましい。
本発明の製造方法の好ましい態様は、式(II)
【0019】
【化8】
【0020】
(式中、R1、R2、m及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される化合物1モルに対し、1.5〜3モルのアルカリ存在下、式(II)で表される化合物1重量部に対し0.3〜1.5重量部の水溶媒中で、前記式(II)で表される化合物と式(III):R3−X(式中、R3は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を反応させる反応工程と、得られた反応混合物から前記式(III)で表される化合物を除去する除去工程とを有する、式(I)
【0021】
【化9】
【0022】
(式中、R1、R2、R3、m及びnは、前記と同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法であって、前記除去工程が、前記反応混合物から未反応の式(III)で表される化合物の大部分を加熱下に留去した後、さらに水を添加して式(III)で表される化合物を留去するものであることを特徴とする式(I)で表される化合物の製造方法である。
【0023】
上記の場合においては、添加する水の量が、式(II)で表される化合物1重量部に対し、0.03〜0.1重量部の範囲であるのが好ましく、添加する水の量が、式(II)で表される化合物1重量部に対し、0.04〜0.08重量部の範囲であるのがより好ましい。
【0024】
また、上記の場合においては、水を複数回に分割して添加するのが好ましく、最初に添加する水の量が、前記式(II)で表される化合物1重量部に対し、0.03〜0.1重量部の範囲であるのがより好ましい。
【0025】
本発明の製造方法においては、前記式(I)で表される化合物が、式(IV)
【0026】
【化10】
【0027】
(式中、R3は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物であるのが好ましい。
【0028】
本発明によれば、反応液のpH値を正確に調整して確実な分離・精製を実現し、SUS製の反応槽や精製工程で工業用水を用いても、着色の問題がない高純度な式(I)で表される4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを高収率で製造することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明は、前記式(II)で表される化合物(以下、「化合物(II)」という。)と前記式(III)で表される化合物(以下、「化合物(III)」という。)とを、溶媒中、塩基存在下に反応させる反応工程と、得られた反応混合物を精製する精製工程とを有する前記式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」という。)の製造方法であって、前記反応混合物から未反応の化合物(III)を除去する除去工程をさらに設けたことを特徴とする。
以下、本発明の製造方法を詳細に説明する。
【0030】
1)化合物(II)
前記式(II)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等のC1〜8アルキル基;プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等のC2〜8アルケニル基を表す。
m及びnは、それぞれ独立して、0又は1〜4のいずれかの整数を表し、m、nが1以上の場合、置換位置は特に限定されない。
これらの中でも、化合物(II)としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンが特に好ましい。
【0031】
2)反応工程
本発明は、化合物(II)と化合物(III)とを、溶媒中、アルカリ存在下に反応させる工程を有する。
式(III)中、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子を表す。R3は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜8のアルキル基;プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基;又はベンジル基、4−クロロベンジル基、2−フェニルエチル基等の置換基を有してもよいアラルキル基を表す。
【0032】
化合物(III)の具体例としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、エチルブロマイド、ヨウ化n−プロピル、n−プロピルブロマイド、n−プロピルクロライド、ヨウ化イソプロピル、イソプロピルブロマイド、イソプロピルクロライド、ヨウ化n−ブチル、n−ブチルブロマイド、ヨウ化sec−ブチル、sec−ブチルブロマイド、ヨウ化t−ブチル、t−ブチルブロマイド、ヨウ化n−ペンチル、n−ペンチルブロマイド、ヨウ化n−ヘキシル、n−ヘキシルブロマイド等のアルキルハライド;アリルクロライド、アリルブロマイド、ヨウ化アリル、クロチルクロライド、クロチルブロマイド等のアルケニルハライド;ヨウ化シクロプロピル、シクロプロピルブロマイド、シクロプロピルクロライド、ヨウ化シクロペンチル、シクロペンチルブロマイド、シクロペンチルクロライド、ヨウ化シクロヘキシル、シクロヘキシルブロマイド、シクロヘキシルクロライド等のシクロアルキルハライド;ヨウ化ベンジル、ベンジルブロマイド、ベンジルクロライド、ヨウ化4−クロロベンジル、4−メチルベンジルブロマイド、3−クロロベンジルクロライド、ヨウ化(1−フェニル)エチル、(1−フェニル)エチルブロマイド、2−フェニルエチルブロマイド、2−フェニルエチルクロライド、3−フェニルプロピルブロマイド等のアラルキルハライド;等が挙げられる。これらの中でも、Xが臭素原子であるものが好ましく、イソプロピルブロマイドが特に好ましい。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1〜3モル、好ましくは1〜1.5モルの範囲である。
【0033】
反応に用いられる塩基としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カルシウム等のアルカリ金属炭酸塩;トリエチルアミン、ピリジン、ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデ−7−セン等の有機アミン等を例示することができ、これらの中でも、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物等のアルカリを特に好ましく例示することができる。
塩基の使用量は、化合物(II)1モルに対して、通常1〜5モル、好ましくは1.5〜3モルの範囲である。
【0034】
また、用いられる溶媒としては、例えば、水、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド等のアミド類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;水−トルエン、水−キシレン、水−ベンゼン等の2相系混合溶媒;等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(II)1重量部に対して、通常、0.1〜10重量部の範囲である。
【0035】
化合物(II)と化合物(III)との反応に用いられる反応槽としては、ガラス製の反応槽やSUS製の反応槽等が挙げられるが、工業的に大量生産する場合においては、SUS製の反応槽を用いるのが一般的である。
【0036】
化合物(II)と化合物(III)との反応方法としては、例えば、化合物(II)のアルカリ塩の溶液中に、化合物(III)を添加する方法が挙げられる。化合物(III)を添加する方法は特に制限はないが、例えば、化合物(III)の一定量を反応液に連続的に滴下する方法や、化合物(III)を少量ずつを数回に分けて添加する方法等が挙げられる。反応は、通常、室温〜溶媒の沸点、好ましくは45〜80℃の温度範囲で行われ、通常、1〜25時間程度で終了する。
【0037】
3)除去工程
本発明は、反応終了後、反応液を精製する工程において、反応混合物から未反応の化合物(III)を除去する工程を設けたことを特徴とする。反応終了後、反応液を精製する工程において、反応液に含まれている未反応の化合物(III)を除去する工程を設けることにより、化合物(III)が分解して反応液のpH値が変化するのを防止して正確なpH調整を可能となる。
【0038】
化合物(III)は、反応終了から目的物を単離するまでの間に除去されればよいが、pH変化を最小限に抑制して正確なpH調整を行なう観点から、反応終了後から前記水層のpH値を調整するまでの間に化合物(III)を除去するのが好ましく、反応終了後、有機溶媒にてジエーテル体(副生物)を抽出除去する前に未反応の化合物(III)を除去するのがより好ましい。すなわち、反応工程直後に化合物(III)を除去する工程を設けるのが好ましい。
【0039】
また、pH調整工程等において、特に化合物(III)が分解する可能性が高いことから、pH調整工程の直前に化合物(III)を除去する工程を設けるのが好ましい。
【0040】
化合物(III)を除去する方法としては特に制限はなく、例えば、▲1▼反応終了後、反応液を加熱し、化合物(III)を蒸発留去させる方法や、▲2▼反応終了後、反応液にベンゼンやトルエン等の抽出溶媒を添加して化合物(III)を溶媒抽出して除去する方法等が挙げられる。
【0041】
本発明においては、これらの方法のうち、▲1▼の方法が簡便である。なお、▲1▼の蒸発留去の操作においては、化合物(III)を反応に用いた溶媒とともに留去させるのが好ましい。また、反応溶媒として特に水を用いた場合には、水と共沸する溶媒、例えば、トルエン、ベンゼン等の溶媒を添加して、これらの混合溶媒と共に留去するのがより低温で、化合物(III)の分解を最小限に抑えて回収できるので好ましい。また、▲1▼の方法は常圧で行うことができるが、減圧下で行うこともできる。減圧下で行うことにより、未反応の化合物(III)をより低温で蒸発留去させることができ、化合物(III)の分解によるpH変化を抑制することができる。
【0042】
なお、反応液から除去された化合物(III)は、回収等を行なうことによって再利用に供することができる。
【0043】
本発明の好ましい態様として、化合物(II)1モルに対し、1.5〜3モルのアルカリ存在下、化合物(II)1重量部に対し、0.3〜1.5重量部の水溶媒中で化合物(II)と化合物(III)で表される化合物を反応させ、化合物(III)を留去する工程を有する化合物(I)の製造方法においては、化合物(III)を加熱下に留去した後、さらに水を添加して化合物(III)を留去する方法が挙げられる。この方法によれば、化合物(III)を効率よく回収できると共に、ジエーテル体等の不純物の副生を抑えることができる。
【0044】
この場合、水は複数回に分割して添加するのが好ましく、最初に添加する水の量を制御し、化合物(III)を十分に回収するのがより好ましい。最初に添加する水の量は、化合物(II)1重量部に対し、好ましくは0.03〜0.1重量部、より好ましくは0.04〜0.08重量部である。水の添加量が0.03重量部未満の場合には、化合物(III)を十分に留去することができず、0.1重量部を超える場合には、ジエーテル体等の不純物の副生が多くなる。もちろん、2回目以降の水の添加量は初回と同様の量を添加することもできるし、化合物(III)の残存量が少なければ、水を多く添加しても構わない。
【0045】
化合物(III)を除去工程後の反応液中の化合物(III)の残存量は、少なければ少ないほど好ましいが、反応スケールが大きくなればなるほど、完全に留去させることは困難となる。留去後の反応液中に残存した化合物(III)は、その後の工程を経て、例えば化合物(I)を有機溶媒中から晶析させる工程の有機溶媒中に含まれる。晶析に用いられた有機溶媒は、化合物(I)を濾取した後、回収再利用することができる場合が多い。化合物(III)が多く含まれた状態で再利用する場合には、先に述べたように、様々な工程で分解等を引き起こして化合物(I)の着色等の問題を引き起こす。このため、有機溶媒中の化合物(III)の量を少なくする必要があり、通常、1重量%以下に抑えるのが好ましい。すなわち、晶析工程における有機溶媒中の化合物(III)の含有量が1重量%以下になるように、化合物(III)を留去するのが好ましい。
【0046】
4)精製工程
次に、化合物(III)を除去して得られた反応液にトルエン、キシレン、ベンゼン等の非水混和性溶媒、及び所望により水及び/又はアルカリ(水)を加えて、反応液を有機層と水層との2層に分液する。この分液操作により、フェノール性水酸基を有しない4,4’−ジ置換ヒドロキシジフェニルスルホンを有機層側へ、目的物を水層側へ分離することができる。この分液操作は、目的物及び不純物等の晶析を防止する観点から、晶析温度以上の温度、通常70〜90℃の温度範囲で行うのが好ましい。また、分液に用いられる水非混和性有機溶媒の使用量は、通常、原料として用いた化合物(II)1gに対して、0.5〜5mlの範囲である。この操作は、ジエーテル体の生成量が少ない場合には省略することができる。
【0047】
また、生成した化合物(I)及び未反応の化合物(II)はともにアルカリ性水溶液に溶解するのに対してジエーテル体は不溶であることから、水非混和性有機溶媒を用いなくても、有機溶媒などを除去した状態の反応混合物(水を反応溶媒として用いた場合には、反応後の反応混合物)をpH8以上に調整し、析出したジエーテル体をろ過することにより、ジエーテル体を除去することができる。
【0048】
次いで、目的物を含む水層を分取し、得られた水層に水非混和性有機溶媒及び所望により水をさらに加えて有機層と水層の2層に分液する。この場合には、水層のpH値を所定値に調整するのが好ましい(pH調整工程)。この工程を設けることにより、目的物を有機層側へ、化合物(II)等の不純物をアルカリ水層側へ確実に分離することができる。これは、目的物のフェノール性水酸基と化合物(II)のフェノール性水酸基の酸性度に差があることを利用したものである。
【0049】
pH値の調整は、通常、水層に酸を添加することにより行なうことができる。用いられる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。また、酸は、急激なpH変化を防止し、精密なpH調整を行なう観点から混合物全体を十分に撹拌しながら少量ずつ添加するのが好ましい。この場合、目的物と原料化合物及び副生成物とを完全に分離するためには、pH値の設定を数段階に微妙に変化させて、有機層と水層とを分離する操作を複数回繰り返して行うこともできる。
【0050】
以上のようにして水層のpH値を正確に調整することにより、目的物を有機層側へ、化合物(II)等を水層側へ分離することができる。水層側へ分離された化合物(II)は、所望により精製を行なうことによって、再利用に供することができる。
【0051】
5)晶析工程
最後に、有機層を分取し、所望によりさらに水洗を繰り返し、得られた有機層を冷却して目的物を晶析させ、析出結晶をろ取し、水洗及び乾燥することにより、着色のない、高純度な4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを収率よく得ることができる。
【0052】
式(I)で表される化合物として、具体的には、4−メトキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−エトキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−n−プロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−n−ブトキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−sec−ブトキシ−4−ヒドロキシジフェニルスルホン、4−t−ブトキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン等を例示することができる。これらの中でも、前記式(IV)で表される化合物が好ましく、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが特に好ましい。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。本発明は下記の実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、化合物(II)や溶媒の種類、反応及び精製工程において用いる槽の種類等を自由に変更することができる。実施例1〜4及び比較例1、2において用いられる水は蒸留水を用いた。蒸留水中の金属イオン含有量を、誘導結合型プラズマ発光分析装置により測定したところ、0.05ppm以下であった。また、実施例1〜4及び比較例1、2において、反応槽及び精製槽として、内壁をガラスライニングした槽(以下、「GL槽」という)を用いた。
(実施例1)4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの製造
【0054】
【化11】
【0055】
BPS210g、48%水酸化ナトリウム水溶液74.2ml及び水740mlをSUS製の反応槽に仕込み、撹拌しながら80℃に昇温させて全容を均一な溶液とした。得られた溶液に、トルエン705mlを70℃で加え、イソプロピルブロマイド(iPr−Br)165gを攪拌しながら滴下した後、76〜80℃で8時間撹拌した。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液4.8ml及びイソプロピルブロマイド22gを加えて、78〜80℃で6時間撹拌した。さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液3.3ml及びイソプロピルブロマイド25gを加えて、78〜81℃で8時間反応させた。
【0056】
反応終了後、反応液にトルエン300mlを加え、80℃で3時間加熱して、未反応のイソプロピルブロマイドを完全に蒸発留去させた。
次いで、水200ml、トルエン694ml、無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)2.5g及び温水10mlを反応液に加え、さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.55±0.02に調整した。このものを30分静置後、トルエン層を分取した。このトルエン層に水500ml及びトルエン800mlを75〜80℃で加え、同温度で30分間攪拌した。30分静置後、トルエン層を分取した。トルエン層を冷却して析出した結晶をろ取し、水で洗浄、乾燥することにより、目的とする4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末184.0gを得た(収率70%)。
得られた4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの純度は99.5%以上であった。また、色差計(日本電色工業(株)製、型式:1001DP)で測定したところ、b値は2.5以下であり、着色は見られなかった。
【0057】
(実施例2)
BPS450g、48%水酸化ナトリウム水溶液255ml及び水120mlをSUS製の反応槽に仕込み、撹拌しながら75℃に昇温させて全容を均一な溶液とした。得られた溶液に、イソプロピルブロマイド225gを55±3℃でゆっくりと滴下し、滴下終了後さらに55±5℃で撹拌を継続した。
滴下開始からトータルで20時間経過後、反応液に温水235mlを加え、80℃で1時間加熱して、未反応のイソプロピルブロマイドを蒸発留去させた。その後、温水300ml及びトルエン250mlを80℃で加えて十分に撹拌し、水層を分取した。
【0058】
水層にトルエン1100ml及び水200mlを79℃で加え、同温度で30分間攪拌した。さらに、30%希硫酸を撹拌しながら82℃で少量ずつ1時間かけて滴下して、反応液が均一にpH8.4〜8.7になるように調整した。このものを82℃で30分間静置した後、トルエン層を分取した。
トルエン層に、トルエン300ml及び水300mlを82℃で加え、30%希硫酸を撹拌しながら82℃で少量ずつ1時間かけて滴下して、全体が均一にpH8.3〜8.6になるように調整した。このものを82℃で30分間静置した後、トルエン層を分取した。さらに、このトルエン層にトルエン250ml及び水250mlを82℃で加え、同温度で2時間攪拌した後、82℃で30分間静置して、トルエン層を分取した。
トルエン層を10〜35℃に冷却して結晶を晶析させ、析出結晶をろ取し、水で洗浄、乾燥することにより、目的とする4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末394.3gを得た(収率70%)。
得られた4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末の純度は99.5%以上であった。また、色差計(日本電色工業(株)製、型式:1001DP)で測定したところ、b値は2.5以下であり、着色は見られなかった。
【0059】
(比較例1)
反応終了後、反応液にトルエン300mlを加え80℃で3時間加熱して未反応のイソプロピルブロマイドを除去する工程を省略する以外は、実施例1と同様にして、4−イソプロピポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末171.7gを得た(収率70%)。
このものの純度は99.5%以上であった。また、色差計(日本電色工業(株)製、型式:1001DP)で測定したところ、b値は4.1であり、淡黄色の着色が見られた。
【0060】
(実施例3)
BPS210g、48%水酸化ナトリウム水溶液74.2ml及び水740mlをSUS製の反応槽に仕込み、撹拌しながら80℃に昇温させて全容を均一な溶液とした。得られた溶液にトルエン705mlを70℃で加え、イソプロピルブロマイド(iPr−Br)165gを攪拌しながら滴下した後、76〜80℃で8時間撹拌した。次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液4.8ml及びイソプロピルブロマイド22gを加えて、78〜80℃で6時間撹拌した。さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液3.3ml及びイソプロピルブロマイド25gを加えて、78〜81℃で8時間反応させた。
反応終了後、反応液にトルエン300mlを加え、80℃で3時間加熱して、未反応のイソプロピルブロマイドを完全に蒸発留去させた。
【0061】
次いで、水200ml、トルエン694ml、無水炭酸ナトリウム(ソーダ灰)2.5g及び温水10mlを反応液に加え、さらに、48%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.55±0.02に調整した。このものを30分静置後、トルエン層を分取した。このトルエン層に水500ml及びトルエン800mlを75〜80℃で加え、同温度で30分間攪拌した。30分静置後、トルエン層を分取した。トルエン層を冷却して析出した結晶をろ取し、水で洗浄、乾燥することにより、目的とする4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末171.7gを得た(収率70%)。また、この時、トルエン層に含まれるイソプロピルブロマイドの量を、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、0.5重量%であった。
得られた4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの純度は99%以上であった。また、色差計(日本電色工業(株)製、型式:1001DP)で測定したところ、b値は2.5以下であり、着色は見られなかった。
【0062】
(実施例4)
BPS450g、48%水酸化ナトリウム水溶液255ml及び水120mlをSUS製の反応槽に仕込み、撹拌しながら75℃に昇温させて全容を均一な溶液とした。得られた溶液に、イソプロピルブロマイド225gを55±3℃でゆっくりと滴下し、滴下終了後さらに55±5℃で撹拌を継続した。
滴下開始から合計で20時間経過後、反応を終了した。反応液の一部をサンプリングして、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析したところ、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが67%、BPSが32%、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンが1%であった。反応液を80℃で1時間加熱し未反応のイソプロピルブロマイドを蒸発留去させ、さらに反応液に温水24ml(BPS1重量部に対して、0.05重量部)を加え、80℃で1時間加熱して、さらに温水235mlを加え、80℃で1時間加熱して未反応のイソプロピルブロマイドを蒸発留去させた。反応液の一部をサンプリングし、HPLCで分析したところ、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが70%、BPSが29%、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンが1%であり、副生成物である4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンの増加は認められなかった。その後、温水300ml及びトルエン250mlを80℃で加えて十分に撹拌し、水層を分取した。
【0063】
水層にトルエン1100ml及び水200mlを79℃で加え、同温度で30分間攪拌した。さらに、30%希硫酸を撹拌しながら82℃で少量ずつ1時間かけて滴下して、反応液が均一にpH8.4〜8.7になるように調整した。このものを82℃で30分間静置した後、トルエン層を分取した。
トルエン層に、トルエン300ml及び水300mlを82℃で加え、30%希硫酸を撹拌しながら82℃で少量ずつ1時間かけて滴下して、全体が均一にpH8.3〜8.6になるように調整した。このものを82℃で30分間静置した後、トルエン層を分取した。さらに、このトルエン層にトルエン250ml及び水250mlを82℃で加え、同温度で2時間攪拌した後、82℃で30分間静置して、トルエン層を分取した。
【0064】
トルエン層を10〜35℃に冷却して結晶を晶析させ、析出結晶をろ取し、水で洗浄、乾燥することにより、目的とする4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末368.0gを得た(収率70%)。また、この時、トルエン層に含まれるイソプロピルブロマイドの量を、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、0.8重量%であった。
得られた4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末の純度は99%以上であった。また、色差計(日本電色工業(株)製、型式:1001DP)で測定したところ、b値は2.5以下であり、着色は見られなかった。
【0065】
以上のように、反応後イソプロピルブロマイドを過熱留去する手順、さらには添加する水の量を調整することにより不純物である4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンの副生量の増加を抑えることができた。
【0066】
(比較例2)
BPS450g、48%水酸化ナトリウム水溶液255ml及び水120mlをSUS製の反応槽に仕込み、撹拌しながら75℃に昇温させて全容を均一な溶液とした。得られた溶液に、イソプロピルブロマイド225gを55±3℃でゆっくりと滴下し、滴下終了後さらに55±5℃で撹拌を継続した。
滴下開始から合計で20時間経過後、反応を終了した。反応液の一部をサンプリングして、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析したところ、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが67%、BPSが32%、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンが1%であった。反応液に、温水235ml(BPS1重量部に対して、0.52重量部)を加え、80℃で1時間加熱し未反応のイソプロピルブロマイドを蒸発留去させた。
【0067】
反応液の一部をサンプリングし、HPLCで分析したところ、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが70%、BPSが26%、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンが4%であり、副生成物である4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンの増加が認められた。その後、温水300ml及びトルエン250mlを80℃で加えて十分に撹拌し、水層を分取した。
【0068】
水層にトルエン1100ml及び水200mlを79℃で加え、同温度で30分間攪拌した。さらに、30%希硫酸を撹拌しながら82℃で少量ずつ1時間かけて滴下して、反応液が均一にpH8.4〜8.7になるように調整した。このものを82℃で30分間静置した後、トルエン層を分取した。
トルエン層に、トルエン300ml及び水300mlを82℃で加え、30%希硫酸を撹拌しながら82℃で少量ずつ1時間かけて滴下して、全体が均一にpH8.3〜8.6になるように調整した。このものを82℃で30分間静置した後、トルエン層を分取した。さらに、このトルエン層にトルエン250ml及び水250mlを82℃で加え、同温度で2時間攪拌した後、82℃で30分間静置して、トルエン層を分取した。
【0069】
トルエン層を10〜35℃に冷却して結晶を晶析させ、析出結晶をろ取し、水で洗浄、乾燥することにより、目的とする4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末368.0gを得た(収率70%)。また、この時、トルエン層に含まれるイソプロピルブロマイドの量を、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、0.8重量%であった。
得られた4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンの粉末の純度は99%以上であった。また、色差計(日本電色工業(株)製、型式:1001DP)で測定したところ、b値は2.5以下であり、着色は見られなかった。
【0070】
以上のように,反応後、イソプロピルブロマイドをある程度加熱留去する前に水を添加した後、イソプロピルブロマイドを留去すると、不純物である4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホンの副生の増加が認められた。本比較例2は、本発明の請求項8〜10に対応する比較例ではあるが、着色のない4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンが得られる点では、他の請求項を満足させるものであり、本願発明を逸脱するものではない。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来の製造ラインに大幅に変更を加えることなく簡便に、着色のない高純度な4−置換ヒドロキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを効率よく製造することができる。
Claims (12)
- 式(II)
- 式(II)
- 前記除去工程が、前記反応混合物から式(III)で表される化合物を反応溶媒とともに留去するものである請求項1または2に記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記除去工程が、前記式(III)で表される化合物を水及び水と共沸する溶媒との混合物とともに留去するものである請求項1または2に記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記反応溶媒として水を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
- 前記式(I)で表される化合物を有機溶媒中から晶析させる晶析工程を前記pH調整工程の後に設け、該有機溶媒中の式(III)で表される化合物の濃度が1重量%以下になるように式(III)で表される化合物を除去することを特徴とする、請求項5に記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
- 式(II)
- 添加する水の量が、式(II)で表される化合物1重量部に対し、0.03〜0.1重量部の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
- 添加する水の量が、式(II)で表される化合物1重量部に対し、0.04〜0.08重量部の範囲であることを特徴とする請求項7に記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
- 水を複数回に分割して添加することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
- 最初に添加する水の量が、前記式(II)で表される化合物1重量部に対し、0.03〜0.1重量部の範囲であることを特徴とする請求項10に記載の式(I)で表される化合物の製造方法。
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