JP4219513B2 - 姿勢変更装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、綴じられた折丁などの搬送対象物を搬送しながら、この搬送対象物の姿勢を立てた状態から横たわった状態に変更する姿勢変更装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平4−164713号公報には、垂直軸回りに回転する一対の前部プーリと、水平軸回りに回転する一対の後部プーリと、前部プーリと後部プーリとに巻き掛けられ、90度ねじれた一対のベルトと、一対の前部プーリ間に紙葉類を起立状態で搬送する一対の側板と、一対の前部プーリと一対の後部プーリとの間で、紙葉類の下側縁部をガイドする底板とを備える紙葉類の反転装置が開示されている。この紙葉類の反転装置は、一対のベルト間に紙葉類を挟み込みながら搬送して、紙葉類の姿勢を起立状態から水平状態に変える。
【0003】
特開平5−278839号公報には、垂直に配置された駆動用プーリと、水平に配置されたガイドプーリと、駆動用プーリとガイドプーリとに巻き掛けられ、90度捩じれたベルトと、姿勢変更時に本をガイドする垂直なガイド板と、姿勢変更時に本を支持する底板とを備える搬送装置が開示されている。この搬送装置は、ガイド板とベルトとの間で本を挟み込みながら搬送して、底板を基準として、この本の姿勢を垂直状態から水平状態に変える。
【0004】
特開平10−17131号公報には、綴じ本の姿勢を垂直状態から水平状態に変更するコンベヤと、このコンベヤの略中央部に設けられ、ベルトの角度を変更する角度変更手段とを備える捩じれ矯正コンベヤが開示されている。この捩じれ矯正コンベヤは、角度変更手段によって綴じ本の背をコンベヤに押し付けて、この綴じ本の背が捩じれるのを防止する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平4−164713号公報に記載された紙葉類の反転装置や、特開平5−278839号公報に記載された搬送装置では、厚みがあり開きやすい綴じられた折丁などを搬送すると、綴じられた折丁が前側のプーリで弾かれたり詰まるおそれがあった。また、このような装置では、底板を基準に紙葉類や本を反転するために、紙葉類や本の大きさを変更する度に、底板の高さを調節する必要があるとともに、底板と接触するために、紙葉類や本をスムーズに搬送することができなかった。
【0006】
また、特開平10−17131号公報に記載された捩じれ矯正コンベヤでは、コンベヤの略中央部に角度変更手段を設ける必要があり、装置が複雑化するとともに、ベルトの角度が強制的に変更されるために、ベルトに負荷がかかるという問題があった。
【0007】
この発明の課題は、厚みや大きさが異なる搬送対象物の姿勢を変更することができるとともに、装置を簡単でコンパクトにすることができる姿勢変更装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
請求項1の発明は、搬送対象物を搬送しながら、該搬送対象物の姿勢を立てた状態から横たわった状態に変更する姿勢変更装置であって、
前記搬送対象物は綴じられた折丁であり、該折丁の背側を加圧して摘み上げた状態で該折丁の姿勢を立てた状態から横たわった状態へと姿勢変更しながら搬送する姿勢変更手段を備え、該姿勢変更手段の入口側には前記折丁の背側を加圧して摘み上げた状態で前記姿勢変更手段に搬入するための該折丁を挟み込む開口角度が調節できる開口角度調節手段を備えることを特徴とする姿勢変更装置である。
【0009】
請求項2の発明は、前記姿勢変更手段が、前記折丁を摘み上げるための加圧量を調節する加圧量調節手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の姿勢変更装置である。
【0010】
請求項3の発明は、前記姿勢変更手段が、水平面内で間隔を空けて回転する一対の前側プーリと垂直面内で間隔を空けて対向して回転する一対の後側プーリ及び該一対の前側プーリと該一対の後側プーリとにそれぞれ巻き掛けられて前記折丁の姿勢を変更する一対のベルトを有する姿勢変更コンベヤを備え、かつ該姿勢変更コンベヤの前段に、水平面内で間隔を空けて対向して回転する他の一対の前側プーリと水平面内で間隔を空けて対向して回転する一対の他の後側プーリ及び該他の一対の前側プーリと該他の一対の後側プーリとにそれぞれ巻き掛けられて前記折丁を前記姿勢変更コンベヤに導入する一対の導入ベルトと、該一対の導入ベルトにそれぞれ張力を加える張り車とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢変更装置である。
【0011】
請求項4の発明は、前記姿勢変更コンベヤが、前記一対の前側プーリ間の間隔を可変して、前記折丁に対する加圧量を調節することを特徴とする請求項3に姿勢変更装置である。
【0012】
請求項5の発明は、前記一対の導入ベルトからなるベルトコンベヤが、前記他の一対の前側プーリ間の間隔を可変して、該導入コンベヤの入口側の開口角度を調節することを特徴とする請求項3に記載の姿勢変更装置である。
【0013】
請求項6の発明は、前記一対の導入ベルトからなるベルトコンベヤが、前記他の一対の後側プーリ間の間隔を可変して、前記折丁に対する加圧量を調節することを特徴とする請求項3に記載の姿勢変更装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。図1は、この発明の実施形態に係る姿勢変更装置の平面図である。図2は、この発明の実施形態に係る姿勢変更装置の側面図である。
【0017】
綴じられた折丁1は、丁合機によって複数枚の折丁をページ順に積み重ねた後に、製本用ミシンによって中綴じされたものである。綴じられた折丁1は、図1及び図2に示すように、所定の間隔を空けて連続してA方向に搬送される。
【0018】
サドル2は、綴じられた折丁1の背側(綴じ側)1aを上向きにし小口側1bを下向きにして、この綴じられた折丁1を跨がらせる部分である。サドル2は、断面逆V字状の板状体からなり、A方向に沿って配置されている。
【0019】
姿勢変更装置3は、綴じられた折丁1を搬送しながら、この綴じられた折丁1の姿勢を立てた状態(垂直状態)から横たわった状態(水平状態)に変更する装置である。姿勢変更装置3は、姿勢変更コンベヤ30と、導入コンベヤ31と、開口角度調節装置32と、加圧量調節装置33,34と、駆動装置35とを備えている。
【0020】
姿勢変更コンベヤ30は、綴じられた折丁1を加圧しながら、この綴じられた折丁1の姿勢を90度変更するベルトコンベヤ(レイダウンコンベヤ)である。姿勢変更コンベヤ30は、前側プーリ30a,30dと、後側プーリ30b,30eと、ベルト30c,30fとを備えている。
【0021】
前側プーリ30a,30dは、水平面内で間隔を空けて対向して回転する。後側プーリ30b,30eは、垂直面内で間隔を空けて対向して回転し、後側プーリ30bは、後側プーリ30eの上方に配置されている。ベルト30cは、前側プーリ30aと後側プーリ30bとに巻き掛けられており、ベルト30fは、前側プーリ30dと後側プーリ30eとに巻き掛けられている。ベルト30c,30fは、綴じられた折丁1の搬送方向(A方向)の上流側から見て、時計回りに90度捩じれており、この綴じられた折丁1の背側1aを加圧しながら搬送して、この綴じられた折丁1の姿勢を変更する。
【0022】
導入コンベヤ31は、綴じられた折丁1を姿勢変更コンベヤ30内に導入するベルトコンベヤである。導入コンベヤ31は、図1に示すように、前側プーリ31a,31eと、後側プーリ31b,31fと、ベルト31c,31gと、張り車31d,31hとを備えている。
【0023】
前側プーリ31a,31eは、水平面内で間隔を空けて対向して回転する。後側プーリ31b,31fは、前側プーリ31a,31eと同一平面内(水平面内)で間隔を空けて対向して回転する。後側プーリ31b,31fは、それぞれ前側プーリ30a,30dと僅かに間隙を開けて配置されている。ベルト31cは、前側プーリ31aと後側プーリ31bとにそれぞれ巻き掛けられ、ベルト31gは、前側プーリ31eと後側プーリ31fとにそれぞれ巻き掛けられている。ベルト31c,31gは、綴じられた折丁1の背側1aを加圧しながら姿勢変更コンベヤ31内に搬入する。張り車31d,31hは、それぞれベルト31c,31gに張力を加える。
【0024】
開口角度調節装置32は、前側プーリ31aと前側プーリ31eとの間の間隔を可変して、導入コンベヤ31の入口側の開口角度θを調節する装置である。開口角度調節装置32は、固定板32a,32cと、回転板32b,32dとを備えている。開口角度調節装置32は、固定板32a,32cに対して回転板32a,32cをB方向に回転させて、導入コンベヤ31の入口側の開口角度θを可変することができる。
【0025】
固定板32aは、後側プーリ31b及び張り車31dを回転自在に支持し、固定板32cは、後側プーリ31f及び張り車31hを回転自在に支持する。回転板32bは、固定板32aの先端部に回転自在に取り付けられ、前側プーリ31aを回転自在に支持し、回転板32dは、固定板32cの先端部に回転自在に取り付けられ、前側プーリ31eを回転自在に支持する。
【0026】
加圧量調節装置33は、前側プーリ30aと前側プーリ30dとの間隔、及び、後側プーリ31bと後側プーリ31fとの間隔を可変して、綴じられた折丁1に対する加圧量を調節する装置である。加圧量調節装置33は、前側プーリ30a及び後側プーリ31bを回転自在に支持し、C方向に移動可能なスライダ33aと、前側プーリ30d及び後側プーリ31fを回転自在に支持し、C方向に移動可能なスライダ33cと、スライダ33a,33cの位置をそれぞれ調節する間隔調節用ハンドル33b,33dとを備えている。
【0027】
加圧量調節装置34は、後側プーリ30bと後側プーリ30eとの間隔を可変して、綴じられた折丁1に対する加圧量を調節する装置である。加圧量調節装置34は、図2に示すように、後側プーリ30dを回転自在に支持し、D方向(上下方向)に移動可能なスライダ34aと、このスライダ34aの高さを調節する間隔調節用ハンドル34b,34cとを備えている。この発明の実施形態では、例えば、図示しないばねなどの弾力部材によってスライダ33a,33c,34aを付勢して、綴じられた折丁1の通過時に、スライダ33a,33c,34aを僅かに進退可能にしている。
【0028】
駆動装置35は、前側プーリ30a,30d及び後側プーリ31b,31fを回転させる装置である。駆動装置35は、図1に示すように、モータ35aと、前側プーリ30a,30d及び後側プーリ31b,31fに、モータ35aの回転力を伝達するスプロケットやチェーンなどからなる伝達機構35bとを備えている。
【0029】
次に、この発明の実施形態に係る姿勢変更装置の動作を説明する。
綴じられた折丁1は、サドル2上をA方向に移動して、背側1aに対して小口側1bが開いた状態で導入コンベヤ32内に搬入される。開口角度調節装置32は、導入コンベヤ32の先端が略V字状になるように、開口角度θを最適な角度に設定している。このために、ベルト31cとベルト31gとの間に、綴じられた折丁1が詰まることなく挟み込まれて、小口側1bを浮かした状態で姿勢変更コンベヤ30内に搬入される。加圧量調節装置33は、前側プーリ30aと前側プーリ30dとの間隔及び後側プーリ31bと後側プーリ31fとの間隔を、綴じられた折丁1の厚さよりも僅かに狭く設定している。このために、綴じられた折丁1は、ベルト31cとベルト31gとの間でプレスされるとともに、ベルト30cとベルと30fとの間でプレスされながら、立った状態から横たわった状態に姿勢が変更されて、次工程へ排出される。
【0030】
この発明の実施形態に係る姿勢変更装置には、以下に記載するようの効果がある。
(1) この発明の実施形態では、姿勢変更コンベヤ30が綴じられた折丁1を加圧しながら、この綴じられた折丁1の姿勢を変更する。このために、姿勢を変更するときに、綴じられた折丁1が開くのを防止することができる。また、綴じられた折丁1のプレスと姿勢変更を同時に行うことができるので、一旦プレスしてから姿勢を変更する装置などに比べて、構造を簡単でコンパクトにすることができる。
【0031】
(2) この発明の実施形態では、姿勢変更コンベヤ30及び導入コンベヤ31が綴じられた折丁1の背側を加圧する。従来の装置では、小口側1bを底板で支えながら姿勢を変更するので、綴じられた折丁1の厚みや大きさが異なる度に、底板の高さを調節する必要がある。しかし、この発明の実施形態では、綴じられた折丁1の背側を摘み上げた状態で姿勢を変更するので、装置の構造を変更する必要がなくなる。
【0032】
(3) この発明の実施形態では、開口角度調節装置32によって、前側プーリ31aと前側プーリ31eとの間隔が可変されて、導入コンベヤ31の開口角度θが調節される。また、この発明の実施形態では、加圧量調節装置33によって、前側プーリ30aと前側プーリ30dとの間隔及び後側プーリ31bと前側プーリ31fとの間隔が可変されて、綴じられた折丁1に対する加圧量が調節される。このために、厚みや大きさが異なる種々の綴じられた折丁1を、姿勢変更コンベヤ30内にスムーズに搬入することができる。
【0033】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、種々の変形又は変更が可能であって、これらもこの発明の範囲内である。例えば、伝票、しおり、付録などが折丁間に挟み込まれた搬送対象物についても、本発明を適用することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、搬送対象物を加圧しながら、この搬送対象物の姿勢を変更するので、厚みや大きさが異なる搬送対象物の姿勢を変更することができるとともに、装置を簡単でコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る姿勢変更装置の平面図である。
【図2】この発明の実施形態に係る姿勢変更装置の側面図である。
【符号の説明】
1 綴じられた折丁
1a 背側
1b 小口側
2 サドル
3 姿勢変更装置
30 姿勢変更コンベヤ
30a,30d 前側プーリ
30b,30e 後側プーリ
30c,30f ベルト
31 導入コンベヤ
31a,31e 前側プーリ
31b,31f 後側プーリ
31c,31g ベルト
32 開口角度調節装置
33,34 加圧量調節装置
35 駆動装置
θ 開口角度
Claims (6)
- 搬送対象物を搬送しながら、該搬送対象物の姿勢を立てた状態から横たわった状態に変更する姿勢変更装置であって、
前記搬送対象物は綴じられた折丁であり、該折丁の背側を加圧して摘み上げた状態で該折丁の姿勢を立てた状態から横たわった状態へと姿勢変更しながら搬送する姿勢変更手段を備え、該姿勢変更手段の入口側には前記折丁の背側を加圧して摘み上げた状態で前記姿勢変更手段に搬入するための該折丁を挟み込む開口角度が調節できる開口角度調節手段を備えることを特徴とする姿勢変更装置。 - 前記姿勢変更手段が、前記折丁を摘み上げるための加圧量を調節する加圧量調節手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の姿勢変更装置。
- 前記姿勢変更手段が、水平面内で間隔を空けて回転する一対の前側プーリと垂直面内で間隔を空けて対向して回転する一対の後側プーリ及び該一対の前側プーリと該一対の後側プーリとにそれぞれ巻き掛けられて前記折丁の姿勢を変更する一対のベルトを有する姿勢変更コンベヤを備え、かつ該姿勢変更コンベヤの前段に、水平面内で間隔を空けて対向して回転する他の一対の前側プーリと水平面内で間隔を空けて対向して回転する一対の他の後側プーリ及び該他の一対の前側プーリと該他の一対の後側プーリとにそれぞれ巻き掛けられて前記折丁を前記姿勢変更コンベヤに導入する一対の導入ベルトと、該一対の導入ベルトにそれぞれ張力を加える張り車とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢変更装置。
- 前記姿勢変更コンベヤが、前記一対の前側プーリ間の間隔を可変して、前記折丁に対する加圧量を調節することを特徴とする請求項3に姿勢変更装置。
- 前記一対の導入ベルトからなるベルトコンベヤが、前記他の一対の前側プーリ間の間隔を可変して、該導入コンベヤの入口側の開口角度を調節することを特徴とする請求項3に記載の姿勢変更装置。
- 前記一対の導入ベルトからなるベルトコンベヤが、前記他の一対の後側プーリ間の間隔を可変して、前記折丁に対する加圧量を調節することを特徴とする請求項3に記載の姿勢変更装置。
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