JP4219456B2 - 領域抽出方法及び領域抽出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内画像データ,特に、3次元的に撮像された断層像を用い、個別臓器や病巣(以下、「関心領域」と称する)などを抽出する領域抽出方法及び領域抽出装置に係り、特に、関心領域を抽出するためのパラメータを自動的に検出する領域抽出方法及び領域抽出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
関心領域を3次元表示するためには、まず、その関心領域を画像データから抽出しておくことが必要である。関心領域の抽出の一般的な方法としては、
▲1▼関心領域の輪郭を追跡していく方法
▲2▼画素値の度数グラフを用いて関心領域の濃度しきい値を設定して領域抽出する方法
▲3▼関心領域の内部の点から領域拡張を行う方法
等が知られている。この中で、▲3▼関心領域の内部の点から領域拡張を行う方法は、一般的には、リージョン・グローイング(Region Growing)と称されており、関心領域内のある一点を選び、次いでそれに連結している点を隣接画素の中から探しだし、その連結点を取り込んで領域を拡大することにより関心領域を抽出するものであり、最も信頼性が高いものである。▲3▼関心領域の内部の点から領域拡張を行う方法については、例えば、アズリール・ローゼンフェルド(Azriel Rosenfeld)著(長尾真訳),「ディジタル・ピクチャー・プロセッシング(Digital Picture Processing)」,p.335に記載されている。また、3次元データによる関心領域抽出法の例として、電子情報通信学会論文誌,D-II No.2 Vol.J76- D-II(1993年2月),pp.350−358に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電子情報通信学会論文誌,D-II No.2 Vol.J76- D-II(1993年2月),pp.350−358では、「リージョングローイングをベースにした対話型3次元領域抽出法」として、領域の連結性の判定基準を大域的変化と局所的変化とからなる拡張条件を設定して領域抽出を行うようにしている。
【0004】
しかしながら、この拡張条件の設定においてはユーザが試行錯誤で行っているため、最適な拡張条件を得るために、多大な労力を要するという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、関心領域の抽出処理において、領域拡張法を用いる際に使用する拡張条件を容易に求めることができる領域抽出方法及び領域抽出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、元画像データの画素の濃度値の局所的変化と大域的変化の拡張条件を用いて領域拡張し、関心領域を抽出する領域抽出方法において、指定した位置の近傍の所定の領域にある画素の濃度値から特徴量を検出し、この特徴量を用いて拡張条件を決定するとともに、上記特徴量は、指定した位置を含む周囲の画素の濃度値の最小・最大値および隣接する画素との濃度差の平均誤差若しくは最大誤差であり、この特徴量を用いて関心領域の境界点を求め、この境界点に基づいて設定された拡張サイズの領域ついて新たに特徴量を検出し、拡張サイズに変化がないときの領域の特徴量によって拡張条件を決定するようにしたものである。
かかる方法により、境界点を用いて領域を拡張しながら、特徴量を求め、拡張条件を求めるようにしているため、拡張条件を容易に求め得るものとなる。
【0007】
(2)上記(1)において、好ましくは、さらに、上記特徴量を用いて領域拡張を行い、拡張された領域について新たに特徴量を検出し、拡張された領域が収束条件を満たすときの特徴量によって拡張条件を決定するようにしたものである。
かかる方法により、順次領域を拡張しながら、特徴量を求め、拡張条件を求めるようにしているため、拡張条件を容易に求め得るものとなる。
【0009】
(3)上記(1)において、好ましくは、指定した位置を通る少なくとも1つの直線上の画素の濃度値の変化を用いて拡張条件を決定するようにしたものである。
かかる方法により、拡張条件を容易に求め得るものとなる。
【0010】
(4)上記(1)において、好ましくは、拡張条件の複数の検出パラメータを設定し、それぞれの検出パラメータ毎に拡張条件を検出し、任意の検出パラメータを選択可能としたものである。かかる方法により、検出パラメータの設定が容易となるものである。
(5)また、上記目的を達成するために、本発明は、断層イメージング装置の断層像を格納するとともに、拡張条件や領域抽出した結果を格納するメモリと、該メモリに格納された上記断層像の画像データに対して、拡張条件設定断面画像を指定して拡張条件を検出し、上記メモリに格納し、上記メモリに格納された上記拡張条件により領域抽出を行い、この抽出結果を上記メモリに格納し、さらに、上記メモリに格納された上記断層像の画像データと上記抽出結果を用いて特定領域の3次元画像を作成するCPUとを有し、元画像データの画素の濃度値の局所的変化と大域的変化の拡張条件を用いて領域拡張し、関心領域を抽出する領域抽出装置において、上記CPUは、指定した位置の近傍の所定の領域にある画素の濃度値から特徴量を検出し、この特徴量を用いて拡張条件を決定するとともに、上記特徴量は、指定した位置を含む周囲の画素の濃度値の最小・最大値および隣接する画素との濃度差の平均誤差若しくは最大誤差であり、この特徴量を用いて関心領域の境界点を求め、この境界点に基づいて設定された拡張サイズの領域ついて新たに特徴量を検出し、拡張サイズに変化がないときの領域の特徴量によって拡張条件を決定するようにしたものである。
かかる構成により、境界点を用いて領域を拡張しながら、特徴量を求め、拡張条件を求めるようにしているため、拡張条件を容易に求め得るものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6を用いて、本発明の第1の実施形態による領域抽出方法について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成について説明する。
【0012】
本実施形態による領域抽出システムは、I/O装置10と、メモリ11と、CPU12と、CRT13とから構成されている。
I/O装置10は、X線CT,MRIなどの断層イメージング装置とメモリ11間での画像のやり取りを行うものである。
メモリ11は、I/O装置10より入力した断層像を格納する。この時、各々の断面画像をそれぞれの位置関係を正確に保ちながら重ねあわせることにより、3次元データとして格納する。また、メモリ11は、拡張条件や領域抽出した結果を格納する。
【0013】
CPU12は、メモリ11に格納された3次元データに対して、拡張条件設定断面画像を指定して拡張条件を検出し、メモリ11に格納する。次に、CPU12は、メモリ11の3次元データから拡張条件により領域抽出を行い、抽出結果をメモリ11に格納する。さらに、メモリ11の3次元データと抽出結果を用いて特定領域の3次元画像を作成する。
CRT13は、CPU12によって作成された3次元画像を表示する。また、原データのチェック,拡張条件を検出過程のチェック,領域抽出過程のチェックを行うためにも用いられる。
【0014】
次に、図2を用いて、本実施形態による領域抽出方法を実施する領域抽出システムの処理手順について説明する。なお、以下の実施形態においては、頭部のMRI像を用い、疾患部領域を抽出するものとする。
図2は、本発明の第1の実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の処理手順を示すフローチャートである。
【0015】
ステップ20において、CPU12は、MRIによって撮像された複数枚の断面画像データを、I/O装置10を介してメモリ11に積み上げる。これにより、メモリ11上でのデータは、3次元構造を有することになる。
次に、ステップ21において、オペレータは、メモリ11の断面画像データの各断面画像を参照しながら、拡張条件を設定する断面画像(1枚または複数枚)を指定する。ここで、指定する断面画像は、抽出すべき疾患部のある断面画像である。
次に、ステップ22において、オペレータは、ステップ21で指定した断面画像データを参照して、抽出すべき疾患部の内部の点(1点または複数点)の座標を指定する。ここで、指定した点が、拡張条件検出および領域拡張の開始点となる。
【0016】
次に、ステップ23において、CPU12は、ステップ22で指定した各断面画像の開始点に関連した画素値の特徴量を求めて疾患部領域の境界点を検出し、この境界点を用いて拡張条件検出領域を設定し、局所・大域パラメータの拡張条件を検出して、メモリ11上に登録する。
ここで、領域を開始点から拡張する際の領域の連結性の判定基準としては、大域的変化と、局所的変化がある。大域的変化とは、同じ領域内では、各画素の濃度値はある濃度範囲に属することである。また、局所的変化とは、隣接点同士の濃度差は小さいことことである。大域的変化を判定する基準が大域パラメータであり、局所的変化を判定する基準が局所パラメータである。
なお、ステップ22の処理が、本実施形態による領域抽出の際のパラメータである拡張条件を検出処理であり、その詳細については、図3以降を用いて、後述する。
【0017】
次に、ステップ24において、CPU12は、ステップ22で指定した開始点から、ステップ23で検出した局所・大域パラメータの拡張条件を領域拡張の制約条件として領域抽出を行い、疾患部を抽出して、メモリ11上に登録する。
【0018】
次に、図3〜図6を用いて、図2のステップ23における拡張条件検出処理の手順について説明する。
図3は、本実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートであり、図4は、拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
【0019】
ステップ110において、CPU12は、指定した断面画像を、指定したサイズにより周囲の画素値を加算し、平均値を算出した平滑化処理をして、メモリ11に格納する。
【0020】
次に、ステップ111において、CPU12は、関心領域120内の開始点121を中心に、予め指定した初期サイズ122を用いて初期領域123を設定し、平滑化画像を用いて初期領域123内における濃度値の最小・最大値および隣接画素の誤差の平均値(平均誤差)に重み係数を掛けたものを、特徴量として算出する。ここで、重み係数としては、例えば、2.0を用いる。また、隣接画素の誤差の平均値に重み係数を掛けたものに代えて、隣接画素の最大誤差値を特徴量として算出するようにしてもよいものである。
【0021】
ここで、図5を用いて、開始点121,初期サイズ122,初期領域123について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態による拡張条件検出処理に用いる開始点,初期サイズ,初期領域の概念説明図である。
【0022】
断面画像は、画素であるドットの集合体であり、座標によってそれぞれの画素を特定することができる。例えば、図5に示す例において、開始点121を、座標(j,k)の画素とする。ここで、初期サイズ122を、例えば、9ドットとすると、初期領域123は、座標(j+4,k+4)と、座標(j+4,k−4)と、座標(j−4,k+4)と、座標(j−4,k−4)とによって囲まれた領域であり、81ドットの画素から構成されることになる。
【0023】
各画素は、濃度値Gを有している。例えば、入力データが12ビットの場合、濃度値Gは、212階調のグレイスケールの値を有している。なお、入力データとしては、10ビットでも、8ビットでもよいものである。
【0024】
従って、初期領域123内の81ドットの画素の濃度を、G(j+4,k+4),…,G(j+4,k-4),…,G(j-4,k+4),…,G(j-4,k-4)とすると、これらの濃度値の最大値Gmx及び最小値Gmnを求めることにより、これらの値は、初期領域123全体の傾向を示すものであるため、初期領域123内の大域的変化を判定するための初期的な基準値となる。
【0025】
また、初期領域123内の81ドットの画素の濃度G(j+4,k+4),…,G(j+4,k-4),…,G(j-4,k+4),…,G(j-4,k-4)に対して、隣接画素間の誤差を求めることにより、局所的な変化を判定することができるので、これらの誤差の平均値(平均誤差)に重みを掛けた値Geによって、局所的変化を判定するための初期的な基準値となる。
【0026】
次に、ステップ112において、CPU12は、開始点121を領域拡張のためのスタートポイントとして、ステップ111において求めた特徴量を用いて、領域拡張の処理を行い、領域を抽出する。
【0027】
ここで、図6を用いて、領域拡張処理を概要について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態による拡張条件検出処理における領域拡張処理の概要の説明図である。
【0028】
座標(j.k)の開始点121から領域拡張をスタートすると、最初に、座標(j,k)の4方向に隣接する4つの画素(j+1,k),(j,k+1),(j,k−1),(j−1,k)の濃度値G(j+1,k),G(j,k+1),G(j,k−1),G(j−1,k)が、特徴量である濃度値の最大値Gmx及び最小値Gmnの範囲内にあるか否かを判定する。また、元の画素(j,k)と判定対象の画素(j+1,k),(j,k+1),(j,k−1),(j−1,k)の差が、特徴量である平均誤差Ge以内であるか否かを判定する。そして、これらの両方の特徴量の条件を満たす場合に、それらの画素(j+1,k),(j,k+1),(j,k−1),(j−1,k)まで、領域が拡張される。
【0029】
次に、画素(j+1,k),(j,k+1),(j,k−1),(j−1,k)を、それぞれ基準として、隣接する画素まで領域が拡張可能か否かを判定する。即ち、画素(j+1,k)に対しては、画素(j+2,k),(j+1,k+1)及び(j+1,k−1)が隣接する画素となるので、これらの濃度Gが、特徴量である濃度値の最大値Gmx及び最小値Gmnの範囲内にあるか否か、また、基準となる画素(j+1,k)との間で、特徴量である平均誤差Ge以内であるか否かを判定して、領域を拡張するか否かを判定する。同様にして、基準となる(j,k+1),(j,k−1),(j−1,k)の画素についても、これらに隣接する画素(j+1,k+1),(j,k+2),(j−1,k+1),(j−2,k),(j−1,k−1),(j,k−2),(j+1,k−1)に対しても、特徴量である濃度値の最大値Gmx及び最小値Gmnの範囲内にあるか否か、基準となる画素との間で、特徴量である平均誤差Ge以内であるか否かを判定して、領域を拡張するか否かを判定する。
【0030】
以上の繰り返しにより、領域拡張を行い、例えば、図4に示した領域拡張によって抽出された領域124を得る。そして、特徴量である濃度値の最大値Gmx及び最小値Gmnの範囲内になく、また、隣接する画素との間で、特徴量である平均誤差Ge以内でない場合には、領域を拡張しないものとして、領域拡張を終了する。
【0031】
次に、ステップ113において、CPU12は、ステップ112で抽出した領域の周辺画素が、関心領域120内に含まれる画素か判定し、判定を満たす画素を抽出して領域を拡張する。
関心領域120内の画素の判定方法について、以下に説明する。
最初に、次のようにして、前処理を行う。即ち、ステップ112で領域拡張の処理時に拡張される画素が関心領域の場合、拡張する画素との画素値の差の絶対値を累積し、平均値を算出して平均誤差を検出する。平均誤差が1より小さい時は、平均誤差を1に補正する。
【0032】
以上の前処理後、以下の2条件が満たされた時、関心領域120内の画素と判定する。
1)ステップ112で抽出した画素が対象画素の隣接した画素中に在る画素数を検出し、予め指定した画素数より検出された画素数が多い場合。
例えば、予め指定した画素数を2とする。図6に示す例において、例えば、画素(j+1,k+1)が抽出した画素である場合、その隣接する画素中にある画素は、(j+1,k)と(j,k+1)であり、その個数は2個である。従って、この場合は、条件1)を満たすものとする。しかし、画素(j,k+2)の場合には、隣接する画素は(j,k+1)のみであり、1個であるため、条件1)を満たさないと判断する。
なお、予め指定した画素数は、通常1としておくことにより、隣接する画素は全て抽出できる。通常は、指定した画素数を1としておくことにより、条件1)はクリアできる。
【0033】
2)検出した画素値の平均値を算出して対象画素の画素値との差の絶対値を算出し、予め指定した重み係数に該平均誤差を乗じた値より算出した絶対値が小さい場合。
である。
【0034】
次に、ステップ114において、CPU12は、ステップ112及びステップ113で抽出された領域から、改めて特徴量を算出する。即ち、ステップ112及びステップ113の領域拡張処理により、領域は、少なくとも、初期領域123よりも広くなっている。そこで、この拡張された領域に対して、改めて、濃度値の最大値Gmx及び最小値Gmn及び隣接画素間の誤差の平均値(平均誤差)に重みを掛けた値Geからなる特徴量を算出することにより、この特徴量は、拡張された領域を表す特徴量に変更されることになる。
【0035】
次に、ステップ115において、CPU12は、収束条件を満すか否かを判定する。満たさない場合には、ステップ112に戻り、ステップ112,113,114を繰り返すことにより、さらに、領域を拡張する。
【0036】
ここで、収束条件について、以下に説明する。
収束条件は、以下の条件を組み合わせて行う。ただし、ステップ112で領域拡張の処理を行って領域を拡張した画素数を、抽出画素数とする。
【0037】
(1)抽出画素数が、前回の抽出画素数と同じ場合。
対象となる画像の画素の濃度の中で、境界が明確な病巣のような関心領域の場合には、関心領域とその外側の領域の間で、濃度の変化が大きいため、この境界まで領域が拡張されると、それ以上の領域の拡張が行われないため、「(1)抽出画素数が、前回の抽出画素数と同じ場合」の条件を満たすため、これを第1の収束条件とする。
一方、関心領域とその隣接領域の境界が明確でない場合には、領域拡張処理は、収束するよりは発散していく傾向がある。そこで、以下の(2)〜(4)の条件により、発散傾向にあるかどうかを判定し、発散傾向にあるときは、適当な位置で、収束と見なすようにしている。
【0038】
(2)抽出画素数が、前回抽出画素数に予め指定した重み係数を乗じた値を超えた場合。
(3)抽出画素数と前回抽出画素数の差が、前回抽出画素数と前前回抽出画素数の差に予め指定した重み係数を乗じた値よりを超えた場合。
(4)前抽出画素数の差を抽出画素数差の履歴として保存し、今回抽出画素数と前回の抽出画素数の差が前回までの予め指定した抽出画素数差の平均に予め指定した重み係数を乗じた数を超えた場合。
【0039】
そして、(1)条件を満たすか、(2)〜(4)のいずれかの条件を満たす場合に収束条件を満たすと判定する。
[組み合わせ例1](1)若しくは(2)が成立する時収束条件とする。
この判定条件は、関心領域の境界で抽出画素数の変化が大き時に有効であるとともに、処理が簡単に行えるものである。
[組み合わせ例2](1)若しくは(3)が成立する時収束条件とする。
この判定条件は、関心領域内で抽出画素数の変化が大き時に有効である。
[組み合わせ例3](1)若しくは(4)が成立する時収束条件とする。
この判定条件は、関心領域内で抽出画素数の変化にバラツキがある時に有効である。
【0040】
次に、ステップ116において、CPU12は、収束条件を満たした直前の特徴量を用いて領域拡張を行い、領域拡張による抽出された拡張領域120内から最終的な拡張条件を決定する。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、初期領域の特徴量に基づいて領域を拡張し、拡張された領域について新たに特徴量を求め、再び、新たな特徴量に基づいて領域を拡張し、拡張された領域が収束条件を満たすときに、求められた特徴量を、拡張条件とすることにより、領域拡張法を用いる際に使用する拡張条件を容易に求めることができる。
【0042】
次に、図7及び図8を用いて、本発明の第2の実施形態による領域抽出方法について説明する。なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。
図7は、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順を示すフローチャートであり、図8は、拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
【0043】
なお、本実施形態においては、指定した位置を中心に予め指定したサイズの領域を対象に特徴量を検出し、検出した特徴量にもとづいて上下左右に関心領域の境界点を検出し、検出した境界点を用いたひし形領域を用いて拡張条件を決定するようにしている。
【0044】
最初に、ステップ40において、CPU12は、指定した断面画像を指定したサイズにより周囲の画素値を加算し、平均値を算出した平滑化処理をして、メモリ12に格納する。
次に、ステップ41において、CPU12は、図8に示した指定した初期サイズ32を、最初の拡張サイズとして設定する。ここで、初期サイズ32は、例えば、5ドットとする。
次に、ステップ42において、CPU12は、図8に示すように、関心領域30内に開始点31を指定する。そして、この開始点31を中心に、拡張サイズ35を用いて、ひし形の検出領域33を設定する。ステップ40において得られた平滑化画像を用いて、検出領域33内における濃度値の最小・最大値Gmn,Gmxおよび隣接画素の最大誤差値Geを、特徴量として算出する。
【0045】
次に、ステップ43において、CPU12は、図8に示すように、ステップ42で算出した特徴量を用いて、検出ライン36に沿って、境界点34を検出する。ここで、検出ライン36は、図8に示すように、直交する2軸方向,即ち、4方向に設定されている。従って、境界点34の検出は、この検出ライン36に沿って行われるため、例えば、図5に示す例でいうと、開始点の画素(j,k)から開始すると、画素(j+4,k)の方向に並んでいる画素,画素(j,k+4)の方向に並んでいる画素,画素(j,k−4)の方向に並んでいる画素,画素(j−4,k)の方向に並んでいる画素のみが対象となる。なお、(j+4,k+4)や、(j+4,k−4)や、(j−4,k+4)や、(j−4,k−4)などの画素は対象とならないため、対象画素の個数が少なくなり、処理が容易になるものである。
【0046】
ここで、ステップ43によって最終的な境界点34を検出する方法を説明する。
境界点は、以下の境界点検出方法を、単独あるいは組み合わせて行う。
【0047】
(1)隣接画素の誤差値を用いる方法
この方法は、以下の式(1)により、境界点を検出する。
【0048】
【数1】
【0049】
ここで、パラメータとして、濃度差重みaと濃度差画素間隔bを与え、境界点判定画素の濃度値Giと濃度差画素間隔bだけ先の濃度値Gi+1の誤差値|Gi−Gi+1|が、検出された特徴量の平均誤差または最大誤差値Geに、濃度差重みaを乗じた値(a・Ge)を超えた時、境界点とする。
【0050】
(2)濃度値の最小・最大値を用いる方法
この方法は、以下の式(2),(3),(4)により、境界点を検出する。
【0051】
【数2】
【0052】
ここで、パラメータとして、濃度補正値cを与え、検出された特徴量の濃度最小Gmnを、濃度補正値cで補正して、補正された特徴量の最小値Gmnaを求める。
【0053】
【数3】
【0054】
ここで、パラメータとして、濃度補正値cを与え、検出された特徴量の濃度最大Gmxを、濃度補正値cで補正して、補正された特徴量の最大値Gmxaを求める。
【0055】
【数4】
【0056】
さらに、境界点判定画素の濃度値Giが、補正した濃度最小・最大値(Gmna,Gmxa)の範囲外になった時、境界点とする。
【0057】
そして、(1)若しくは(2)の方法を組み合わせて、境界点を検出する。
[組み合わせ例1]
(1)と(2)が両方成立する点を境界点とする。
この境界点検出条件は、対象領域内の濃度差が大きく、境界が不明瞭な場合に有効である。
[組み合わせ例2]
(1)と(2)のどちらかが成立する点を境界点とする。
この境界点検出条件は、対象領域内の濃度差が大きく、境界が明瞭な場合に有効である。
[組み合わせ例3]
(1)が成立する時は除外し、(2)が成立する点を境界点とする。
この境界点検出条件は、対象領域内の濃度差が小さく、境界が不明瞭な場合に有効である。
[組み合わせ例4]
(2)が成立する時は除外し、(1)が成立する点を境界点とする。
この境界点検出条件は、対象領域内の濃度差が小さく、境界が明瞭な場合に有効である。
【0058】
次に、ステップ44において、CPU12は、ステップ43で検出した境界点34の中から開始点31から最短の境界点34を選んで拡張サイズ35に設定する。即ち、4方向の検出ライン36に沿って境界点34を求めることにより、4個の境界点34が求められるので、開始点31からの距離が最も短い境界点を選択した上で、その境界点までの距離を新しい拡張サイズ35とする。
【0059】
次に、ステップ45において、CPU12は、新たな拡張サイズ35が、前回検出した値と異なるか否かを判定して、異なる場合には、ステップ42に戻り、ステップ42,43,44の処理を繰り返す。
【0060】
次に、ステップ45の判定で、拡張サイズに変更がない場合には、ステップ46において、CPU12は、断面画像の検出領域33内における濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を、最終的な拡張条件として決定する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、初期の特徴量に基づいて境界点を検出して領域を拡張し、拡張された領域について新たに特徴量を求め、再び、新たな特徴量に基づいて境界点を求めて領域を拡張し、拡張された領域が収束条件を満たすときに、求められた特徴量を、拡張条件とすることにより、領域拡張法を用いる際に使用する拡張条件を容易に求めることができる。
【0062】
次に、図9及び図10を用いて、本発明の第3の実施形態による領域抽出方法について説明する。なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。
図9は、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順を示すフローチャートであり、図10は、拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
なお、本実施形態においては、指定した位置を中心に予め指定したサイズの領域を対象に特徴量を検出し、検出した特徴量にもとづいて放射線上に関心領域の境界点を検出して拡張条件を決定するようにしている。
【0063】
最初に、ステップ50において、CPU12は、指定した断面画像を指定したサイズにより周囲の画素値を加算し、平均値を算出した平滑化処理をして、メモリ12に格納する。
次に、ステップ51において、CPU12は、図10に示したように、関心領域30内に開始点31を指定し、開始点31を中心に初期サイズ32を用いて矩形の検出領域33を設定し、平滑化画像を用いて検出領域33内における濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を特徴量として算出する。
【0064】
次に、ステップ52において、CPU12は、ステップ51で算出した特徴量を用いて、放射線状の検出ライン37に沿って境界点34を検出する。
次に、ステップ53において、CPU12は、ステップ51で検出した各検出ラインの境界点までの断面画像の画素を用いて、濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を拡張条件として検出する。
【0065】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、初期の特徴量に基づいて境界点を検出して領域を拡張し、拡張された領域について新たに特徴量を求め、拡張条件とすることにより、領域拡張法を用いる際に使用する拡張条件を容易に求めることができる。
【0066】
次に、本発明の第4の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。さらに、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順は、図9に示すフローチャートと同様である。
なお、本実施形態においては、図9のステップ52における境界点の検出処理を、一部変更している。
【0067】
第3の実施形態において、関心領域と、その外側の領域との境界が不明瞭な場合には、境界点が、関心領域よりも外側に検出される場合も生じてくる。
そこで、図9のステップ52の処理において、CPU12は、ステップ51で算出した特徴量を用いて、放射線状の検出ライン37に沿って複数の境界点34を検出する。これらの複数の境界点の内、所定の境界点のデータを除いくようにする。例えば、図10に示した例では、8本の検出ライン37を用いるため、8カ所の境界点34が検出されるが、これらの境界点の内、開始点31からの距離が遠い,例えば、2つの境界点を削除し、残りの6個の境界点について、ステップ53の処理を行うようにする。これによって、検出ライン上の境界領域が不明瞭で、その検出ライン上で求められた境界点が、他の境界点よりも離れた位置に検出されたような場合でも、他の境界点を用いて、ステップ53において、より正確に、濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を拡張条件として検出することができる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、関心領域の境界が不明瞭な場合でも、容易に拡張条件を求めることができる。
【0069】
次に、本発明の第5の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。さらに、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順は、図9に示すフローチャートと同様である。
【0070】
本実施形態においては、関心領域内に異なる濃度値の領域が複数ある場合、濃度値の領域毎に開始点を指定して、断面画像の画素を用いて濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を算出し、各開始点で算出した最大濃度値の最大の値を拡張条件の濃度最大値に、また各開始点で算出した最小濃度値の最小の値を拡張条件の濃度最小値に、また各開始点で算出した隣接画素の最大誤差値の最大の値を拡張条件の隣接画素の最大誤差値として検出する。
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、関心領域内に異なる濃度値の領域が複数ある場合でも、拡張条件を検出することができる。
【0071】
次に、図11〜図13を用いて、本発明の第6の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。
図11は、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順を示すフローチャートであり、図12は、拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図であり、図13は、抽出領域を抽出するための原理説明図である。
なお、本実施形態においては、指定した位置を通る直線上の画素値の変化を用いて拡張条件を決定するようにしている。
【0072】
最初に、ステップ70において、オペレータは、図12に示すように、指定した断面画像の関心領域60内に、開始点61を指定する。
次に、ステップ71において、CPU12は、開始点61を通る検出ライン62の画素値のラインプロファイル63を検出し、CRT13上に表示する。ここで、ラインプロファイル63は、例えば、図13に示すように、横軸が開始点61を含む検出ライン62上の各点を示し、縦軸が各画素の濃度値を表すものとなる。
【0073】
次に、ステップ72において、オペレータは、検出されたラインプロファイル63を用い、抽出領域64を指定し、分離する。即ち、図13に示すようなラインプロファイル64を見て、開始点61を含む領域の濃度値のレベルよりも高いレベル(若しくは低いレベル)にスライスレベルを設けた考え、このスライスレベルと濃度値のラインプロファイル63が交差する位置の範囲内を、視覚的に判断して、抽出領域64として指定する。
次に、ステップ73において、CPU12は、抽出領域64内の濃度値を用い、領域内の濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を算出して、特徴量である拡張条件を検出する。
【0074】
次に、ステップ74において、CPU12は、拡張条件を用いて、開始点61より拡張処理を行い、抽出画像を作成し、表示する。
次に、ステップ75において、オペレータは、ステップ74によって抽出された抽出画像と、関心領域60とをCRT13上で比較し、正しく抽出されていなければ、ステップ72に戻り、ステップ72,73,74を繰り返す。
【0075】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、ラインプロファイルを用いて視覚的に抽出領域を指定できるので、拡張条件を容易に求めることができる。
【0076】
次に、本発明の第7の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。さらに、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順は、図11に示すフローチャートと同様である。なお、本実施形態においては、図11のステップ71におけるラインプロファイルの検出処理を、一部変更している。
【0077】
第6の実施形態のステップ71において、開始点61を通る検出ライン62の画素値のラインプロファイル63を検出する際に、検出ライン62内の各画素の濃度値Giを用いて、以下の式(5)に基づいて指定した長さLen(例えば、9ドット分)毎の平均値Gaを求める。
【0078】
【数5】
【0079】
さらに、平均値Gaから以下の式(6)に基づいて、分散値Gdを算出し、算出した分散値のラインプロファイル63を、CRT13上に表示する。
【0080】
【数6】
【0081】
そして、ステップ72において、検出したラインプロファイル63を用いて抽出領域64を分離する。
【0082】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、ラインプロファイルの分散値を用いて、容易に拡張条件を求めることができる。
【0083】
次に、図14及び図12を用いて、本発明の第8の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。
図14は、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順を示すフローチャートである。
なお、本実施形態においては、指定した位置を通る複数の直線上の画素値の変化を用いて拡張条件を決定するようにしている。
【0084】
最初に、ステップ80において、オペレータは、図12に示すように、指定した断面画像の関心領域60内に、開始点61を指定する。
次に、ステップ81において、CPU12は、図12に示すように、開始点61を中心に放射線状に複数の検出ライン62を設定する。
【0085】
次に、ステップ82において、CPU12は、開始点61を通る検出ライン62の濃度値のラインプロファイル63を検出する。
次に、ステップ83において、オペレータは、図11のステップ72と同様にして、検出されたラインプロファイル63を用い、抽出領域64を分離する。
【0086】
次に、ステップ84において、CPU12は、抽出領域64内の濃度値を用い、領域内の濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を算出して、特徴量である拡張条件を検出する。
【0087】
次に、ステップ85において、CPU12は、未処理の検出ライン62があるか否かを判断して、あればステップ82に戻り、ステップ82,83,84を繰り返して、全ての検出ライン62について、拡張条件を検出する。
次に、ステップ86において、CPU12は、検出された複数の拡張条件を用いて拡張処理を行い、それぞれの拡張条件に対する抽出画像を作成し、表示する。オペレータは、表示された抽出画像の中から関心領域に近い、最適な拡張条件を選択する。
【0088】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、複数の検出ラインを用いて、複数の拡張条件を検出し、それらの中から抽出画像を用いて、容易に適切な拡張条件を求めることができる。
【0089】
次に、図15及び図10を用いて、本発明の第9の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。
図15は、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順を示すフローチャートである。
なお、本実施形態においては、検出ライン37の画素値を用いて濃度ヒストグラムを作成し、濃度ヒストグラム用いて拡張条件を決定するようにしている。
【0090】
最初に、ステップ00において、オペレータは、図10に示すように、指定した断面画像の関心領域30内に、開始点31を指定する。
次に、ステップ91において、CPU12は、図10に示すように、開始点31を複数の検出ライン37の画素の濃度値を用いて、濃度ヒストグラムを作成する。
【0091】
次に、ステップ92において、CPU12は、濃度ヒストグラムを、予め指定したサイズ毎に、平滑化処理する。
次に、ステップ93において、CPU12は、ステップ92で作成した濃度ヒストグラムの開始点31の位置より、度数の極小の位置を探して濃度最小・最大値を検出する。
【0092】
次に、ステップ94において、CPU12は、ステップ93で検出した濃度最小・最大値を用いて、検出ライン37の境界点34を検出する。
次に、ステップ95において、CPU12は、境界点34間の画素の濃度値を用いて、領域内の濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を算出して、特徴量である拡張条件を検出する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、濃度ヒストグラムを用いて、拡張条件を容易に求めることができる。
【0094】
次に、図16を用いて、本発明の第10の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。
図16は、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順を示すフローチャートである。
なお、本実施形態においては、複数の拡張条件検出パラメータを用いて拡張条件を決定するようにしている。
【0095】
最初に、ステップ210において、オペレータは、式(1)や式(2)に用いられている濃度差重みaや濃度補正値bの拡張条件検出パラメータを、複数個設定する。例えば、濃度差重みaとして、a=2.0,a=3.0,a=4.0のように、複数個設定する。
次に、ステップ211において、オペレータは、指定した断面画像の関心領域60内に開始点61を指定する。
【0096】
次に、ステップ212において、CPU12は、設定された内の1つの拡張条件検出パラメータを用い、抽出対象領域を指定する。
次に、ステップ213において、CPU12は、抽出対象領域より、対象画素の濃度値を用いて、領域内の濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を算出して、特徴量である拡張条件を検出する。
【0097】
次に、ステップ214において、CPU12は、設定された全ての拡張条件検出パラメータについて、処理が終了したか否かを判定し、未処理の拡張条件検出パラメータがあれば、ステップ212に戻り、ステップ212,213,214の処理を繰り返して、それぞれ、設定された全ての拡張条件検出パラメータ毎の拡張条件を検出する。
次に、ステップ215において、CPU12は、全ての拡張条件を提示し、オペレータは、その中から最適な拡張条件を選択する。
【0098】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、複数の拡張条件検出パラメータに対する拡張条件を検出することにより、最適な拡張条件を容易に求めることができる。
【0099】
次に、図17及び図18を用いて、本発明の第11の実施形態による領域抽出方法について説明する。
なお、本実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の全体的な処理手順は、図2に示したフローチャートと同様である。
図17は、図2のステップ23における拡張条件検出処理の本実施形態による処理手順を示すフローチャートであり、図12は、拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
なお、本実施形態においては、指定した位置を通る直線上の画素値の変化を用いて拡張条件を決定するようにしている。
【0100】
最初に、ステップ230において、CPU12は、図18に示すように、指定された断面画像220の関心領域内221に指定された開始点222に対して、拡張条件を検出する。拡張条件の検出方法としては、上述した第1〜第10実施形態のいずれの方法を用いてもよいものである。
次に、ステップ231において、CPU12は、直前に検出した拡張条件を用い、図18に示すように、断面画像220の上に位置する断面画像において、開始点222の真上の位置の点(開始点同一座標点)223の画素が拡張可能か検出する。
【0101】
そして、ステップ232において、CPU12は、拡張が不可能かどうかを判定する。不可能であれば、ステップ235にジャンプする。
【0102】
不可能でない場合には、ステップ233において、CPU12は、さらに、上の断面画像の指定位置の真上の位置の点(開始点同一座標点)223を指定し、対象領域を設定して、抽出対象領域より、対象画素の濃度値を用いて、領域内の濃度値の最小・最大値および隣接画素の最大誤差値を算出して、特徴量である拡張条件を検出する。
【0103】
次に、ステップ234において、CPU12は、上の断面画像が最上位断層像であるか否かを判定する。最上位の断層像でなければ、ステップ231に戻り、ステップ231,232,233の処理を繰り返し、最上位断層像まで、それぞれの拡張条件を検出する。
そして、ステップ235において、CPU12は、断層像の関心領域抽出処理を、各々の拡張条件を用いて行う。
なお、以上の処理を、下側の断面画像についても同じように行う。
【0104】
以上説明したように、本実施形態の方法によれば、3次元の断層画像についても、拡張条件を容易に求めることができる。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、領域拡張法を用いる際に使用する拡張条件を容易に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による領域抽出方法を実施するための領域抽出システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による領域抽出システムによって領域抽出方法を実施する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態による領域抽出方法の中の拡張条件検出処理を実施する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態による領域抽出方法の中の拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による拡張条件検出処理に用いる開始点,初期サイズ,初期領域の概念説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による拡張条件検出処理における領域拡張処理の概要の説明図である。
【図7】本発明の第2の実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態による拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
【図9】本発明の第3の実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態による拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
【図11】本発明の第6の実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第6の実施形態による拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
【図13】本発明の第6の実施形態による拡張条件検出処理における抽出領域を抽出するための原理説明図である。
【図14】本発明の第8の実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第9の実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第10の実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第11の実施形態による拡張条件検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第11の実施形態による拡張条件検出処理の対象となる画像データにおける各領域等の説明図である。
【符号の説明】
10…I/O装置
11…メモリ
12…CPOU
11…CRT
120…関心領域
121…開始点
122…初期サイズ
123…初期領域
124…領域拡張による抽出領域
Claims (5)
- 元画像データの画素の濃度値の局所的変化と大域的変化の拡張条件を用いて領域拡張し、関心領域を抽出する領域抽出方法において、
指定した位置の近傍の所定の領域にある画素の濃度値から特徴量を検出し、この特徴量を用いて拡張条件を決定するとともに、
上記特徴量は、指定した位置を含む周囲の画素の濃度値の最小・最大値および隣接する画素との濃度差の平均誤差若しくは最大誤差であり、
この特徴量を用いて関心領域の境界点を求め、この境界点に基づいて設定された拡張サイズの領域ついて新たに特徴量を検出し、拡張サイズに変化がないときの領域の特徴量によって拡張条件を決定することを特徴とする領域抽出方法。 - 請求項1記載の領域抽出方法において、さらに、
上記特徴量を用いて領域拡張を行い、拡張された領域について新たに特徴量を検出し、
拡張された領域が収束条件を満たすときの特徴量によって拡張条件を決定することを特徴とする領域抽出方法。 - 請求項1記載の領域抽出方法において、
指定した位置を通る少なくとも1つの直線上の画素の濃度値の変化を用いて拡張条件を決定することを特徴とする領域抽出方法。 - 請求項1記載の領域抽出方法において、
拡張条件の複数の検出パラメータを設定し、それぞれの検出パラメータ毎に拡張条件を検出し、任意の検出パラメータを選択可能としたことを特徴とする領域抽出方法。 - 断層イメージング装置の断層像を格納するとともに、拡張条件や領域抽出した結果を格納するメモリと、
該メモリに格納された上記断層像の画像データに対して、拡張条件設定断面画像を指定して拡張条件を検出し、上記メモリに格納し、上記メモリに格納された上記拡張条件により領域抽出を行い、この抽出結果を上記メモリに格納し、さらに、上記メモリに格納された上記断層像の画像データと上記抽出結果を用いて特定領域の3次元画像を作成するCPUとを有し、
元画像データの画素の濃度値の局所的変化と大域的変化の拡張条件を用いて領域拡張し、関心領域を抽出する領域抽出装置において、
上記CPUは、
指定した位置の近傍の所定の領域にある画素の濃度値から特徴量を検出し、この特徴量を用いて拡張条件を決定するとともに、
上記特徴量は、指定した位置を含む周囲の画素の濃度値の最小・最大値および隣接する画素との濃度差の平均誤差若しくは最大誤差であり、
この特徴量を用いて関心領域の境界点を求め、この境界点に基づいて設定された拡張サイズの領域ついて新たに特徴量を検出し、拡張サイズに変化がないときの領域の特徴量によって拡張条件を決定することを特徴とする領域抽出装置。
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