JP4219348B2 - 微細加工方法 - Google Patents

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本発明は、大規模集積回路(LSI)、磁気抵抗効果(MR)ヘッド、フォトマスク、液晶ディスプレイ(LCD)、PDP、MCM等の製造で重要となる微細加工技術に関する。詳しく言えば、これらの製造において用いられる微細加工技術の信頼性を向上させる技術に関し、特に特定の単色短波長光を被処理基板へ全面照射処理する工程を含む基板処理方法、特定の単色短波長光を全面照射処理する機構を有する照射装置、又はこれらの方法と装置を用いて多層構造デバイス等を製造する方法に関する。更に詳しくは、膜の密着性を向上できる薄膜形成方法、レジストパターンの形状を改善でき工程の簡略化が可能な多層レジストパターン形成方法、及びこれを実現する塗布、現像関連装置、またこれらの方法や装置を用いた半導体素子及び磁気ヘッド素子などの多層構造デバイスの製造法に関し、それにより製造された半導体素子及びそれにより製造されたMR素子を搭載した磁気ヘッドに関する。
半導体集積回路(IC)、磁気ヘッド等の多層構造デバイスの製造や、このようなデバイスの製造で用いられるフォトマスクの形成には、薄膜形成技術と写真蝕刻技術(リソグラフィ)等の微細加工技術が多用され、これらの技術の進歩によって素子は益々微細化され、半導体では大規模集積回路(LSI)、VLSI、ULSIのような集積回路が実用化されるようになった。
これらの集積回路の製造における微細加工技術の例として、配線技術について言えば、エッチングやリフトオフを利用して微細配線が形成されている。
エッチングによる方法では、
a)被処理基板上に配線形成材料からなる薄膜を形成し、
b)この薄膜の上にレジストと呼ばれる感光性材料を被覆し、
c)このレジストに可視光、紫外線、遠紫外線又はX線を所定パターンのマスクを介して選択的に照射して露光するか、あるいは照射径を絞った電子線で直接描画することにより、レジスト材料の溶解特性を選択的に変化させ、
d)現像によりレジストパターンを形成し、
e)このレジストパターンを用いてウエットエッチング又はドライエッチングにより微細な配線パターンを形成し、
f)レジストを酸素プラズマアッシング又はウエット処理で除去している。
リフトオフ法では、
1)被処理基板上に上記b〜dと同じ方法でレジストパターンを形成し、
2)蒸着やスパッタ法などで配線形成材料の薄膜を形成し、
3)剥離液を用いてレジストパターンをその上の配線材料薄膜と共に除去し、レジストのなかった部分のみに配線材料を残して配線パターンを形成している。
今後ますます微細化し、複雑化してくる各デバイスを上記のような微細加工技術でもって製作するためには、各工程の信頼性(歩留り)の向上や、工程の短時間化 (スル−プットの向上) がより強く要求される。このために、以下の項目が重要となる。
(1)密着性の高い多層薄膜の形成技術
(2)パターンの高精度形成技術
更に、このパターンの高精度形成技術には次に掲げる事項が包含される。
a)ドライエッチングを用いた多層レジスト法
b)ウエットエッチングを用いた多層レジスト法
c)化学増幅レジストの形状改善法
d)レジスト現像後の残渣除去及びアッシング法
e)レジスト現像時のマイクロバブル除去法
f)リフトオフ工程でのバリの発生防止及び寸法精度安定化法
以下、各項目の概要及びそれぞれの問題点を説明する。
1.密着性の高い多層薄膜の形成技術
薄膜を形成する際には、互いに接する上下の膜(又は層)間の密着性が重要であり、従って導電膜と絶縁膜との、あるいはこれらの一方とレジスト膜との密着性確保が、製造歩留りとデバイスの信頼性を向上させる上で重要となる。従来は、導電膜と絶縁膜間の密着性を上げるために、水銀ランプ等を用いた紫外線洗浄、オゾン洗浄、又は酸素プラズマ処理といった方法で表面の有機不純物を取り除いたり、表面を酸化させるといった処理を施しているが、工程が複雑化する、時間がかかるなどの問題を抱えている。
また、近年のデバイスの高密度化に伴い、導電層や絶縁層に使用される材料の特性に関する要求が厳しくなっている。そのため、これまで以上に多くの材料種が検討され、各材料間の密着性向上は益々困難の度を増している。例えば層間絶縁材料では、フッ素を含有している低誘電率材料の使用が検討されている (例えば、Chiu H. Ting et al., Materials Reseach Soc. Symposium Proc., 381, p.3 (1995)) が、フッ素系材料は一般に他の材料との密着性が悪く、従来の表面処理方法では処理に手間と時間が掛かる上に十分な密着性が得られず、問題となっている。
2.パターンの高精度形成技術
a)ドライエッチングを用いた多層レジスト法
多層構造デバイスの製造では、基板表面の段差や露光に用いる光の基板表面からの反射の影響により、従来の単層レジスト法を用いた場合には微細パターンを高精度に形成することが困難となる。そこで、これの解決手法として、多層レジスト法が開発された。この多層レジスト法には、2層レジスト法と3層レジスト法がある。2層レジスト法では、基板上に第1層有機ポリマをスピンコートし、この上に酸素プラズマ耐性が高いポリマの第2層を形成し、第2層を露光、現像してパターニングし、この第2層のパターンを酸素プラズマで第1層に転写し、両層のパターンをマスクとして基板を加工する。一方、3層レジスト法では、基板上に第1層有機ポリマをスピンコートし、この上に酸素プラズマ耐性が高いポリマの第2層を形成し、更にこの上に第3層感光性樹脂層を形成して、露光と現像で第3層をパターニング後、これを第2層に転写し、さらにこれを酸素プラズマで第1層に転写し、この3層のパターンをマスクとして基板を加工する。
これらの多層レジスト法の下層(第1層)に用いる材料には、上層のために使用される塗布溶剤や現像液に対する耐性が要求されることから、一般に加熱によりこれを架橋させて用いている。しかし、基板の加工後(多層レジストの下地層のパターン形成後)のレジスト除去の際、第1層が硬化しているためウエット除去ができないという問題があった。
b)ウエットエッチングを用いた多層レジスト法
上記の多層レジスト法を露光とウエット現像処理のみで行う方法(露光PCM(exposure-PCM)法 (Lin, B.J.SPIE, 174, 114, 1979))も検討されている。これは、上層のパターニング後に上層レジストをマスクとして下層を感光させ、ウエット現像で2層パターンを形成する方法である。しかし、この下層感光工程で通常用いる低圧水銀ランプは、複数の輝線による広い範囲の波長光であるため、上層と下層の材料選定が難しく、また感光に要する時間が長いことから広く実用化されるには至っていない。
c)化学増幅レジストの形状改善方法
近年、高感度を有するレジストとして化学増幅型のレジスト (例えば、H.Itoh et al., ACS Symposium Series, No.242, 11 (1984)) が検討されている。化学増幅レジストは、露光部分で光酸発生剤(PAG)から発する酸を触媒として反応が進むレジストの総称である。しかし、化学増幅レジストは、基板表面にアルカリ成分が存在すると光酸発生剤から発生した酸が基板との界面で失活し、ポジ型レジストの場合パターンが裾引き形状になり問題となっている。この現象が起こる基板は、表面に密着性改善処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)を塗布した基板、窒素を含む材料のTiN 、SiON又は SiNを製膜した基板 (例えば、木村ら,第56回応用物理学会学術講演会予稿集28a-ZS-11 (1995))、及びポリシラザン系樹脂を出発物質とする絶縁膜 (例えば、中田ら,第42回応用物理学会関係連合講演会予稿集30aC7 (1995)) を製膜した基板などである。この酸失活現象を抑えるために、基板表面を酸素プラズマ処理したり、あるいは酸処理するといった提案がなされている (例えば、渡辺ら,第56回応用物理学会学術講演会予稿集26p-ZS-5 (1995))。ところが、このような処理は手間がかかるため、根本的な解決策とはなっていない。
また、この酸の失活は雰囲気中のアルカリ成分によっても起こり、この場合ポジ型レジストのパターンがT−トップ形状(形成したレジストパターンの縦断面においてレジスト表層部が横に張出し、その下部が細くなった形状)になって問題となっている (例えば、E. Yano et al, Proc. of SPIE, Vol.2438, 551 (1995))。これを抑制するため、レジスト表面に保護膜を形成したり、レジストプロセス周りの環境制御を行うことが検討されている (例えば、 A. Oikawa et al., Proc. of SPIE, Vol. 2438, 599 (1995))。しかし、このような対策はプロセスや設備の複雑化を招き、問題となっている。
d)レジスト現像後の残渣除去及び高信頼性アッシング法
レジスト現像後の残渣除去やレジストアッシングには酸素プラズマ処理が通常用いられる。しかし、プラズマプロセスは真空チャンバ中で行われるため、プロセスに時間がかかり問題となっている。また、近年薄膜化が進んでいるロジックLSIのゲート酸化膜の形成においては、アッシングの際プラズマによる帯電(チャージアップ)でゲート酸化膜が損傷し、LSIの歩留りが低下して問題となっている。
e)レジスト現像時のマイクロバブルの除去法
現在種々のデバイスの製造で用いられているレジストプロセスは、そのほとんどが、有機樹脂からなるレジストをアルカリ水溶液で現像する工程を含む。この場合、一般にレジスト膜は撥水性であるため、現像液であるアルカリ水溶液との馴染みが悪く、現像時に気泡 (マイクロバブル) がレジスト表面に付着して現像不良を起こし、問題となっている。これを解決するために、レジスト中の界面活性剤を工夫することで撥水性を抑えることが検討されているが、効果は十分とは言えない。
f)リフトオフ工程でのバリの発生防止及び寸法精度安定化法
リフトオフは、現在磁気ヘッドの製造で多用されているプロセスである。図1は、磁気抵抗効果(MR)型ヘッドのMR素子部の斜視図を示しており、MR素子11の両端にはセンス電流を流すための端子(電極)12が接続されている。MR素子11と端子12との接合部は、電気的な接続を取るためのみでなく、センス領域を定めるMR素子のコア幅Wを確定するためにも非常に重要である。このMR素子部の製造工程には通常、フォトレジストを用いたリフトオフプロセスが適用されている。
MR素子部の製造において端子形成時に通常の単層フォトレジストをマスクとして用いた場合、スパッタ法での端子薄膜の形成時に膜がレジスト側面に回り込むため、バリが発生するという問題がある。このバリの発生を低減するために、フォトレジストの形状を逆テーパ状(パターン化したレジスト膜の縦断面において上部(表面部)より下部(底部)が細くなった形状)にする方法が知られている。ところが、この方法は、形状の制御が難しく、パターン寸法のマージンが狭くなり、コア幅がばらつくという問題がある。また、レジストを2層構造とし、下層の横幅を上層のそれより小さくさせた形状の2層レジストパターンを用いる方法が提案されている。この方法で形成したレジストパターンは、先の逆テーパパターンを形成する方法で形成したレジストパターンより安定しているが、工程が複雑なためパターン形成に長時間を要し、また上層パターン幅の最小寸法が2μm以下になると、下層の幅寸法がサブミクロンオーダーとなり、寸法(コア幅)や形状の制御が困難となる。特に、近年の磁気ディスク装置の高記録密度化に伴い、このコア幅寸法の微細化が進行しており、そのためこの工程の信頼性向上は大きな課題となっている。
本発明は、これらの諸問題を解決しようというものであり、すなわち短時間で簡単且つ効果的に被処理基板表面の均一性を向上させることができ、これにより基板と種々の薄膜間の密着性を改善でき、更にレジスト膜の現像不良の防止やそのパターン形状の改善を実現できる方法と装置の提供を目的とする。
上記の諸問題は、微細パターンを形成する前又は形成した後の被処理基板上に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理する工程を含む微細加工方法により解決できる。発明者らは鋭意研究の結果、この波長領域の単色光照射が、従来の水銀ランプ照射に比べて驚くべき効率の高さで基板表面の有機物の酸化、分解といった機構によりそれらの分子構造の変化をもたらし、これにより基板表面の有機汚染物の除去、あるいは有機材料のレジスト膜、絶縁膜、導電膜等の溶解性変化、極性変化、分子量変化、ガス化などの処理を、簡単なプロセスで短時間で行うことが可能なことを見いだした。ここで用いる光源としては、Ar2 エキシマ光(波長126 nm)、Kr2 エキシマ光(146 nm)、F2エキシマ光(153 nm)、ArBrエキシマ光(165 nm)、Xe2 エキシマ光(172 nm)、ArClエキシマ光(175 nm)、ArF エキシマ光(193 nm)、KrBrエキシマ光(207 nm)、KrClエキシマ光(222 nm)、KrF エキシマ光(248 nm)等を好ましく用いることができる。このようなエキシマ光の照射量、照射雰囲気、照射時の温度等の条件は、被処理基板の処理目的や基板表面の被照射物の吸収特性、感度特性に応じて適宜変えることができる。
本発明の方法を実施するのに用いる装置は、微細パターン形成前又は形成後の被処理基板の全面に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を±15%以内の照度分布にて照射できる機構を有することを特徴とする。使用する単色光の半値幅を30nm以下とするのは、レジストの吸収特性に合わせて表層のみを感光させるのに有効であり、且つ赤外線等の波長成分による発熱を抑えるのに有効なためである。また、照度分布を±15%以内とするのは、この範囲内の照度分布において被処理基板内処理量分布の信頼性が高まり、特に好ましいためである。この装置は、前述の単色光を照射可能な位置に被処理基板を搬送配置できる機構を備えることがより好ましい。
本発明における「被処理基板」とは、薄膜を形成する工程を経て形成した微細パターンを含む多層構造を持つ集積回路等の電子デバイスや、MRヘッド等の電気デバイスを製造するのに用いられる基板であって、その上に少なくとも一つの薄層が形成されるものを言う。この「被処理基板は」、その表面に既に下層の薄膜が一つ以上形成されているものでもよく、あるいはその上に一つ以上の薄膜を形成するための支持材として用いられるものでもよい。このような薄膜の典型的な例は、導電膜、絶縁膜あるいはレジスト膜である。
上述の本発明の種々の態様を示すと、以下のとおりである。
1.被処理基板上に塗布したレジストが電子線レジストであって、該電子線レジスト層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該電子線レジスト層上に水溶性のチャージアップ防止剤を塗布する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
2.被処理基板がポリ水素シルセスキオキサンからなる絶縁層であって、該絶縁層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該絶縁層表面をSiO2化する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
3.被処理基板上に塗布した層間絶縁膜がフッ化カーボン系絶縁層であって、該絶縁膜にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、レジスト層をコーティングする工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
本発明によれば、簡単なプロセス、短時間で効果的に均一性の良い薄膜表面を提供でき、これにより、基板上の従来困難であった種々の薄膜間の密着性を改善でき、更にレジストパターンの形状の改善や現像不良の防止を実現できる。また、本発明によれば、上記効果を得られる均一な露光を可能にするエキシマ光照射装置を提供できる。そしてこれらの方法及び装置を用いることにより、多層構造を持った種々の半導体デバイス(例、IC、LSI、VLSI、ULSI、液晶ディスプレイ(LCD)、PDP、MCM等)や、磁気ヘッドなどの製造における量産歩留り、信頼性が大きく向上する効果が奏される。
以下、本発明の方法の詳細について、上記の各項目ごとに述べるが、本発明は以下の用途に限定されるものではない。
1.密着性の高い多層薄膜の形成
被処理基板に前述の単色光を全面照射処理することにより、照射面の上に後に形成する薄膜の当該照射面に対する密着性を高めることができる。ここでは、単色光の照射処理により、基板表面の材質が無機物の場合表面の有機汚染物の酸化、分解等による除去を行うことができ、基板表面の材質が有機物の場合はその極性の変化を従来法(水銀ランプでの紫外線洗浄、オゾン洗浄、酸素プラズマ処理等)より短時間で効果的に行うことができる。こうして処理した基板表面上に形成した膜は、基板との密着性が向上したものになる。
被処理基板表面の材質とその上に形成する膜の材質は、同一であっても異なっていてもよい。本発明における被処理基板表面あるいはその上に形成する膜の材料として使用可能な材料は、特に限定されず、例えばCu、Al、Ti、Si、W、TiN 、SiON、Si3N4 、SiC 、Ni、NiFe、Ta、NiFeCo、Au、Al2O3 、Al4N3 、セラミックス、酸化物超伝導体などの無機材料や、ノボラック系樹脂、ビニルフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂もしくは脂環族系樹脂等を主成分とするレジスト、有機シロキサン系樹脂、有機シラン系樹脂、有機フッ素系樹脂、イミド系樹脂等からなる層間絶縁膜、導電処理剤 (ポリアニリン、ポリチオフェン、TCNQ錯体等) 、CEL 、BARC、TARCなどのレジスト補助剤等の有機材料を挙げることができる。特に、一般の樹脂材料との密着性が悪い低誘電率層間絶縁膜等のフッ素含有樹脂、及びレジストオーバーコート用水溶性樹脂は、本発明の方法で好ましく密着性を上げることができる。
更に、照射雰囲気への空気、酸素、オゾン又は水蒸気の流入、照射基板の水への浸漬、及び照射処理中の基板の50℃〜500 ℃への加熱のうちの少なくとも一つを併用すると、酸化の効率が高まり、有機汚染物の除去あるいは基板表面材料の改質にとって好ましい。
2.パターンの高精度形成
a)ドライエッチングを用いた多層レジスト法
第1層 (下層) レジストのウェット除去ができないというこれまでのドライエッチングを用いた多層レジスト法の課題は、第2層レジストの形成前に第1層レジストを硬化する際に、第1層レジストに前述の単色光を全面照射処理し、その表層のみを硬化させることにより解決できる。すなわち、溶剤や現像液に対する耐性が必要なのは第1層の表層のみであり、短波長光の全面照射により表層のみを硬化させて下部の溶解性を保っておけば、パターン形成後にウエット処理により第1層からレジストパターンを除去することができる。
第1層材料は、上記単色光に対して強い吸収を有する材料であれば特に限定されないが、ノボラック樹脂あるいはポリビニルフェノール樹脂などのようにベンゼン環等の炭素−炭素不飽和結合を有するフォトレジストを用いることができる。特に、クロロメチルスチレン系、アジド化合物含有系あるいは化学増幅系のネガ型レジストや、ナフトキノン系感光剤を有するレジストを好ましく用いることができる。また、露光中又は露光後に被照射基板を110 〜180 ℃で1〜60分間ベーク処理すると、好ましく表層のみを硬化させることができる。
第2層材料は、酸素プラズマ耐性が高ければ特に限定されないが、有機シリコーン系樹脂を好ましく用いることができる。
b)ウエットエッチングを用いた多層レジスト法
従来ウエットエッチングを用いた多層レジスト法では上層と下層の材料の選定が難しく、感光時間が長いという課題は、上層レジストをパターニング後、前述の単色光を全面照射処理し、その後下層を現像することにより解決できる。また、これにより従来法より照射時間を大幅に短縮できる。
ここで用いる材料は、上層が使用する単色光に対して吸収を有し、下層がこの単色光に対して感度があれば特に限定されない。一例として、上層にはベンゼン環等の炭素−炭素不飽和結合を有するレジスト、下層にはポリジメチルグルタルイミド系又は電子線用のメタクリレート系ポジレジストを好ましく用いることができる。
c)化学増幅レジストの形状改善法
ポジ型化学増幅レジストにあっては形成したレジストパターンが基板界面で裾引き形状(ネガ型では食い込み形状)になりやすく、またパターン表面でT−トップ形状になりやすくて、これらの解消が容易でないという従来技術における課題は、レジスト膜形成プロセスに、化学増幅レジスト膜を形成する前の被処理基板を前述の単色光で全面照射処理する工程、及びレジスト膜を形成後の被処理基板の表面を前述の単色光で全面照射処理する工程のうちの一方又は両方を加えることで解決できる。
被処理基板が化学増幅レジスト膜をこれから形成しようとする基板である場合、その種類については特に限定されないが、化学増幅レジストと基板との密着性を上げ、且つポジ型化学増幅レジストの場合レジストパターンと基板との界面付近の裾引きを抑える上で、特にシリル化剤をコーティングした基板に対して適用するのが有利である。シリル化剤が例えばヘキサメチルジシラザンである場合には、本発明による単色光照射処理により窒素成分を除き、表面を酸化する効果により、レジスト膜の基板への密着性を保ちつつ裾引きを抑えることができる。また、レジスト露光時の反射防止や金属拡散防止を目的に窒素を含んでなる膜、例えばSiON、TiN 、SiN などで作られた膜を表面に製膜した基板も、これらの上での化学増幅レジストパターンの裾引きを抑える意味で、本発明の単色光照射処理を好ましく適用することができる。更に、フッ素含有樹脂やポリシラザン系樹脂などのフッ素系やアミン系の層間絶縁膜を表面に形成した基板も、これらの上に形成する化学増幅レジスト膜の密着性を上げたり、あるいはレジストパターンの裾引きを抑える意味で、本発明による単色光照射処理を好ましく適用することができる。
化学増幅レジスト膜を既に形成した被処理基板に単色光を全面照射する処理工程は、特に化学増幅レジストがポジ型の場合に有効であり、レジストパターンのT−トップ形状を効果的に解消することができる。この処理工程を採用する場合、単色光の全面照射は、レジストの選択露光(イメージング露光)の直前、露光後ベーク(post exposure bake (PEB))の直前、露光後ベーク中、又は現像の直前に行うのが好ましく、特にPEB 直前又はPEB 中が好ましい。全面照射の光源としてレジストの吸収の強いものを用いると照射光がレジスト内層に達しないため、レジストの表層のみを反応させ膜減りを抑えるのに好適である。このように、単色光の光源はレジスト種に応じて使い分けることが好ましい。特に化学増幅レジスト膜の形成前の基板表面に対する照射処理に用いたのと同じ単色光の光源を使ってレジスト膜表面の照射処理を行えば、プロセスと装置を共に簡略化でき、好ましい。
ここで用いる化学増幅レジストの種類は特に限定されないが、全面照射光の吸収が強い炭素−炭素不飽和結合を有する材料が膜減り量が少なくて好ましい。また、単色光の全面照射量は0.01〜100 mJ/cm2が好ましく、これより少ないとT−トップが発生し易くなり、またこれより多いと膜減り量が大きくなる。照射時の雰囲気の水分含有量を調節し(少ない方が好ましい)、あるいは照射雰囲気にケミカルフィルタを通した空気又は窒素を流入すると、形成したレジストパターン形状の安定性が増し、好ましい。
d)レジスト現像後の残渣除去及びアッシング法
本発明によれば、レジストパターンを有する基板に前述の単色光を全面照射処理することにより、従来の酸素プラズマを用いる方法に比べ大幅に短い工程時間で、またプラズマによるチャージアップ問題を回避しながら、現像後の残渣除去及びアッシングを行うことができる。密着性向上の場合と同じように、照射雰囲気への空気、酸素、オゾン又は水蒸気の流入、照射基板の水への浸漬、及び照射処理中の基板の50〜500 ℃への加熱のうちの少なくとも一つを併用すると、残渣除去及びレジストアッシングの効率が高まり、好ましい。またこの場合、単色光の波長は、オゾンの発生効率の高い175 nm以下の波長を好ましく用いることができる。
e)レジスト現像時のマイクロバブル除去法
本方法によれば、レジスト膜を備えた被処理基板に対しレジストの現像前に前述の単色光を全面照射することにより、特にレジストの材料組成で極性 (親水性) を上げる必要なしに、オゾンの効果で表層の親水性が上がり、現像不良の発生を抑えることができる。全面照射に用いる単色光は、オゾンの発生効率の高い175 nm以下の波長を好ましく用いることができる。また、レジストの吸収の強い単色光を用いると照射光がレジスト内層に達しないため、レジスト膜の表層のみを反応させ膜減りを抑えるのに好ましい。このように、単色光の波長はレジスト種に応じて使い分けることが好ましい。
また、ポジ型化学増幅レジストの場合は、このマイクロバブル防止とともに全面照射処理で同時にT−トップ形成防止にもなり、好ましい。更に、レジスト膜の形成前の被処理基板の単色光全面照射処理(密着性改善、ポジ型化学増幅の場合裾引き防止対策)と同一の光源で露光すると、プロセスと装置を簡略化でき、好ましい。ここで用いるレジストの種類は、水系の現像液を使えるものであれば、ポジ型でもネガ型でもよく、また使用する構成材料等も特に限定されないが、ポジ型で全面照射単色光の吸収が強い炭素−炭素不飽和結合を有するものを好ましく用いることができる。また単色光の照射量は0.01〜100 mJ/cm2が好ましく、これより少ないと表層極性変化の効果が小さく、また多いとポジ型レジストの場合膜減り量が大きくなり、ネガ型レジストの場合望ましくない表層の硬化が起きる。
f)リフトオフ工程でのバリの発生防止及び寸法精度安定化法
MR型ヘッドの製造時のリフトオフ工程でバリを発生させず、安定した寸法精度でMR素子部を形成するには、第一のレジスト薄膜を形成した被処理基板に前述の単色光を全面照射し、表層のみの溶解性を変化させた後、この上に上層レジストを形成するのが有利である。
この方法を利用することにより、先に図1を参照して説明したようなMR型ヘッドのMR素子部を次のようにして製作することができる。図2(a)に示したように、支持材21の上にアルミナ層22を設け、その上にNiFeの下部シールド層23とアルミナの下部ギャップ層24を順次形成し、更に下部ギャップ層24の上にMRパターン25を備えた基板の表面に、第1層レジスト膜26を形成する。次に、この第1層レジスト膜26を塗布した基板を被処理基板として、図2(b)に示したようにその全面に単色光27を照射して表層28を改質し、後にその上に形成する別のレジスト膜との混合(ミキシング)を防ぐようにする。こうして表層28を改質した第1層レジスト膜26の上に、図2(c)に示したように第2層レジスト膜29を形成後、所定パターンの光30を照射して選択露光を行う。図2(c)に示した31、32が、この選択露光によるそれぞれ第1層及び第2層レジスト膜の感光部である。ここでは、この図に示したように第1層レジスト膜26の感度を第2層レジスト膜29の感度より高くして、第1層レジスト膜の露光部31の幅が第2層レジスト膜の露光部32の幅より広くなるようにしている。この選択露光後に、必要に応じて露光後ベークを行うことができる。
続いて、両方のレジスト膜26と29を現像して、図3(a)に示すように第1層レジストパターン26’が第2層レジストパターン29’の下に食い込んだ形状のレジストパターンを形成する。なお、図3(b)のようにMR素子上のレジストパターン下部を中空とすることもできる(後述)。次に、こうして2層レジストパターンを形成した基板表面に、図3(c)に示したように端子形成材料の第3の膜33を製膜し、そして現像液で2層レジストパターン26’、29’を溶解剥離して、図3(d)に示すように2層レジストパターン26’、29’のなかった部分に第3の膜のパターン33’を形成するリフトオフ工程を実施する。図3(d)において、MRパターン25が図1のMR素子11に相当し、第3の膜から形成したパターン33’が図1の端子12に相当している。
ここで説明した方法では、被処理基板への単色光の全面照射により第1層レジスト膜26は表層28が効率良く感光し、第2層レジスト膜29の塗布時のミキシングを防ぐ効果を発現する。第1及び第2層のレジスト膜ともポジ型で、且つ第1層のレジストが高感度な場合に、下層レジストパターン26’が上層レジストパターン29’の下に効率良く食い込んだ形状のパターンを好ましく形成することができる。また、第1層レジスト膜26を塗布した基板を回転させながら第2層用のレジスト溶液を滴下すると、良好にミキシングを防ぐことができる。
この方法とは別に、MR型ヘッドの製造時のリフトオフ工程でバリを発生させず、安定した寸法精度でMR素子部を形成するには、第一のレジスト材料の薄膜と、その上に形成した、前述の単色光に対し強い吸収を有する第二のレジスト材料のレジストパターンを備えた被処理基板に単色光を全面照射し、第二のレジスト材料のレジストパターンをマスクとして第一のレジスト材料の薄膜の選択露光を行うのが有利である。
この方法を利用することにより、先に図1を参照して説明したようなMR型ヘッドのMR素子部を次のようにして製作することができる。図4(a)に示したように、支持材41の上にアルミナ層42を設け、その上にNiFeの下部シールド層43とアルミナの下部ギャップ層44を順次形成し、更に下部ギャップ層44の上にMRパターン45を備えた基板の表面に、第1層レジスト膜46と第2層レジスト膜47を形成する。次に、第2層レジスト膜を選択露光し現像して、図4(b)に示したように第二のレジスト材料のレジストパターン47’を形成する。このレジストパターン47’を形成した基板を被処理基板として、その全面に単色光48を照射する(図4(c))。単色光48に対し強い吸収のあるレジストパターン47’がマスクとして働き、下層のレジスト膜46が感光して、図4(c)において49で表された感光部を生じる。
続いて、第1層レジスト膜46を現像して、図5(a)に示すように第1層レジストパターン46’が第2層レジストパターン47’の下に食い込んだ形状のレジストパターンを形成する。なお、第2層レジストパターン47’の幅と単色光の照射量により、図3(b)に示したようにMR素子上のレジストパターン下部を中空とすることも可能である。次に、こうして2層レジストパターンを形成した基板表面に、図5(b)に示したように端子形成材料の第3の膜50を製膜し、そして現像液で2層レジストパターン46’、47’を溶解剥離して、図5(c)に示したように2層レジストパターン46’、47’のなかった部分に第3の膜のパターン50’を形成するリフトオフ工程を実施する。図5(c)において、MRパターン45が図1のMR素子11に相当し、第3の膜から形成したパターン50’が図1の端子12に相当している。
この場合には、全面照射に短波長の単色光を用いることで下層(第1層レジスト膜)の感光効率を高め、工程時間を短くできる。ここで用いるレジスト材料は、上層用のレジスト材料が使用する単色光に吸収を有し、下層用のレジスト材料がこの単色光に感度があれば特に限定されないが、上層用にはベンゼン環等の炭素−炭素不飽和結合を有するレジスト材料、下層用にはポリジメチルグルタルイミド又は電子線用のメタクリレート系ポジレジスト材料を好ましく用いることができる。
一方、MRヘッドのMR素子に端子をリフトオフで形成するプロセスにおいて、端子パターンの反転レジストパターンを形成する際に、リードコア幅となるMR素子上部近傍の最も幅の狭いパターン領域においてのみ、レジストパターン下部を中空構造とすることができる。このようにすると、パターンが微細化した場合でもコア幅は上層の寸法と端子の製膜条件のみに依存することとなり、中空としない場合 (例えばパターン下部がサブミクロンオーダーのパターン) に比べ、パターン寸法の安定化、バリの撲滅の点で効果的であり、製造工程上の管理スペックも簡潔となる。
この中空リフトオフプロセスを図6を参照して説明する。図6(a)は、MR素子61に接続する端子62を、第1層レジスト膜63と第2層レジスト膜64を利用して形成したところを上面図で示している。第1層レジスト膜63は第2層レジスト膜64の下部に食い込んだ形で形成されており、その外周の輪郭が破線で示されている。MR素子の部分(図6(a)のAの円で示された部分)を拡大したのが図6(b)であり、ここでも第2層レジスト膜64の下の第1層レジスト膜63はその外周の輪郭が破線で示されており、そしてMR素子61の上方には第2層レジスト膜64のみが存在していてこの部分に中空構造が形成されている。
更に図7の断面図を参照すれば、図7(a)は図6(b)の7−7線断面図であり、MR素子61と第2層レジスト膜64との間に中空部分ができていることを示している。図7(b)は図6(b)の7’−7’線断面図であり、基板60の上に形成した第1層レジスト膜63の上に第2層レジスト膜64が形成されている。図7(a)と図7(b)において、第2層レジスト膜64の上にあるのは端子形成材料の膜であり、これはリフトオフにより後にレジスト膜と共に除去される。
このような中空構造を形成する手法については特に限定されないが、前述の単色光全面照射工程を含む方法を好ましく用いることができる。
本発明の方法を実施するのに用いる装置は、微細パターンの形成前又は形成後の被処理基板の全面に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を±15%以内の照度分布にて照射できる機構を有することを特徴とし、またこの装置は、前述の単色光を照射可能な位置に被処理基板を搬送配置できる機構を備えることがより好ましい。
例えば、半導体デバイス等の製造に使用されるスピンコータ、スプレーコータ、蒸着装置、スパッタ装置、化学気相成長(CVD)装置などの製膜装置では、製膜位置 (コータカップやチャンバー) に基板が搬送される前か後に、あるいはその両方で、基板が例えばプレートのような適当な手段の上に搬送設置され、このプレート上の基板の全面に前述の単色光を一括照射できる機構を有するようにすることができる。また、レジスト現像装置で言えば、現像位置に基板が搬送される前に、この基板をプレート上に搬送し、このプレート上の基板の全面に前述の単色光を一括照射できるようにすることができる。
単色光の全面照射を行う位置のプレートに、室温以上500℃以下の範囲内で温度調節可能な機能を付加すると、被処理基板の表面処理効率を上げることができ、好ましい。また、全面照射する単色光の面内照度分布が±20%以内、更に好ましくは±15%以内であると、被処理基板内処理量分布の信頼性が高まり、好ましい。全面照射する単色光は、前述のAr2 エキシマ光(波長126 nm)、Kr2 エキシマ光(146 nm)、F2エキシマ光(153 nm)、ArBrエキシマ光(165 nm)、Xe2 エキシマ光(172 nm)、ArClエキシマ光(175 nm)、ArF エキシマ光(193 nm)、KrBrエキシマ光(207 nm)、KrClエキシマ光(222 nm)、KrF エキシマ光(248 nm)であることが好ましく、特にXe2 エキシマ光はデバイス製造用途で用いる材料に対応する上で、特に好ましい。更に、単色光を全面照射する被処理基板の配置された雰囲気を、用途に応じて空気、酸素、オゾン、水蒸気、窒素及びこのほかの任意の気体のうちの一つ又はそれらを任意に組み合わせたもので置換可能な機構を備えると、表面酸化効率を上げる上で好ましい。
本発明の装置は、単色光の照射位置に被処理基板を配置後、単色光の光源を被処理基板表面より0.1〜20mmの距離に、より好ましくは1〜5mmの距離に近づけることができる機構を有すると、照射光を基板の全面に効率良く照射できるとともに、基板をレール搬送やメカニカル搬送する際にはその支障とならないように移動させることができるため、好ましい。照射時の基板と光源との距離が20mmより大きいと一般に照度が不十分となり、また0.1mmより小さいと基板と光源との間へのガス供給が不十分となる。
また、これらの装置において光源が棒状のエキシマランプであり、このランプと基板が0.1〜20mmの距離で平行に向き合い、ランプと基板の双方又は片方が任意の速度で、相対的に移動及び/又は回転できる機構を有すると、照射光の基板内均一性を上げる上で好ましい。具体的装置構成として好ましいものを挙げると、次のとおりである。
イ) ランプ固定で、基板側を移動さるタイプ
ロ) ランプ固定で、基板側を回転させるタイプ
ハ)ランプ固定で、基板側を回転させながら移動させるタイプ
ニ) 基板側固定で、ランプを移動さるタイプ
ホ) 基板側固定で、ランプを回転さるタイプ
ヘ) 基板側固定で、ランプを回転させながら移動させるタイプ
ト) 基板が回転し、ランプが移動するタイプ
チ) 基板が移動し、ランプが回転するタイプ
リ) 基板とランプの双方が逆方向に回転し、且つどちらかが移動するタイプ
ここで、回転及び移動は任意の一定速度で精度良く回転及び移動できる範囲内で行うのが好ましい。進行方向は、ランプ固定の場合、ランプ長手方向に対して直角の方向とするのが好ましい。
更に、棒状ランプの周囲部分に反射体又は吸収体を配置して平行成分のみの光だけを取り出し、この光を基板表面に垂直に照射することができる。このように平行成分のみの光は、フォトマスクを介してレジストをパターニングするためや、前述の露光PCM(exposure-PCM)法等のために好ましく用いることができる。
このように、本発明においては、先に挙げたものを含めて、様々な態様が可能であるが、それらのうちで典型的なものを列挙すると次のとおりである。
1.基板上に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理する工程を有する薄膜形成方法、パターン形成方法、又は多層構造デバイスもしくはフォトマスクの製造方法、あるいは基板上に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理する機構を有する処理装置。
2.基板上に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理した後、当該照射基板に導電膜、絶縁膜、又はレジストの薄膜を形成する工程を含む、上記態様1記載の薄膜又はパターンの形成方法。
3.基板を全面照射する際に、基板雰囲気に酸素ガス及びオゾンのうちの一方又は両方を流入する工程と、照射基板を50〜500℃でベークする工程のうちの少なくとも一方を含む、上記態様1又は2記載の薄膜又はパターンの形成方法。
4.導電膜、絶縁膜又はレジスト薄膜を製膜した基板を用いる、上記態様1又は2記載の薄膜又はパターンの形成方法。
5.シリル化剤をコーティングした基板を用いる、上記態様1〜4記載の薄膜又はパターンの形成方法。
6.シリル化剤がヘキサメチルジシラザンである、上記態様5記載の薄膜又はパターンの形成方法。
7.窒素を含んでなる膜を製膜した基板を用いる、上記態様1〜4記載の薄膜又はパターンの形成方法。
8.窒素を含んでなる膜がSiON、TiN 、又はSiN の膜である、上記態様7記載の薄膜又はパターンの形成方法。
9.層間絶縁材料を製膜した基板を用いる、上記態様1〜4記載の薄膜又はパターンの形成方法。
10.層間絶縁材料がポリシラザン構造を有する材料を出発物質とするものである、上記態様9記載の薄膜又はパターンの形成方法。
11.層間絶縁材料がフッ素原子を含んでなる材料である、上記態様9記載の薄膜又はパターンの形成方法。
12.酸化クロムを製膜した基板を用いる、上記態様1〜4記載の薄膜又はパターンの形成方法。
13.被照射基板上に形成する膜が化学増幅型レジストである、上記態様1〜4記載のパターン形成方法。
14.基板上に第1層ポリマを製膜し、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理した後、第2層ポリマを製膜し、こうして形成した2層膜を選択露光後、現像する工程を含み、ここで用いる第1層及び第2層ポリマの少なくとも一方が感光性を有する、上記態様4記載のパターン形成方法。
15.第1層ポリマがレジストであり、第2層ポリマが水溶性膜である、上記態様14記載のパターン形成方法。
16.基板上に第1層有機ポリマをスピンコートし、これを248 nm以下の波長を有する光により全面照射した後、この上に酸素プラズマ耐性が下層有機ポリマに対して10倍以上高い第2層ポリマを形成し、第2層を露光、現像してパターニングし、このパターンを酸素プラズマで第1層に転写し、こうして形成した2層パターンをマスクとして基板を加工した後、ウエット処理により第1層を第2層とともに除去する工程を含む、上記態様1〜4記載のパターン形成方法。このように、酸素プラズマ耐性が下層(第1層)有機ポリマのそれより10倍以上高いポリマ材料を上層(第2層)有機ポリマとして用いることにより、酸素プラズマ処理を有利に行うことができる。
17.基板上に第1層有機ポリマをスピンコートし、これを248 nm以下の波長を有する光により全面照射した後、この上に酸素プラズマ耐性が下層有機ポリマに対して10倍以上高い第2層ポリマを形成し、更にこの上に第3層感光性樹脂を形成し、第3層を露光、現像してパターニングし、このパターンを第2層に転写し、更にこのパターンを酸素プラズマで第1層に転写し、こうして形成した3層パターンをマスクとして基板を加工した後、ウエット処理により第1層を第2層及び3層の一方又は両方とともに除去する工程を含む、上記態様1〜4記載のパターン形成方法。
18.第1層有機ポリマに全面照射処理を行っている間又は全面照射を行った後に被照射基板を110〜180℃で1 〜60分間ベーク処理する工程を含む、上記態様16又は17記載のパターン形成方法。
19.第1層材料がノボラック樹脂とナフトキノンジアジド系の感光剤よりなるフォトレジストである、上記態様2又は16〜18に記載のパターン形成方法。
20.第2層材料が有機シリコーン系樹脂である、上記態様2又は16〜18記載のパターン形成方法。
21.レジスト膜を形成した基板を遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理し、当該レジスト膜を水溶液系の現像液で現像する工程を含む、上記態様1記載のパターンの形成方法。
22.レジスト膜がナフトキノンジアジド系の感光剤を含むポジ型レジストである、上記態様21記載のパターン形成方法。
23.レジスト膜がポジ型化学増幅レジストである、上記態様21記載のパターン形成方法。
24.基板上に遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有するポジ型化学増幅レジスト膜を形成し、このレジスト膜をプリベーク後選択露光し、当該レジスト膜を50〜200℃でベークしながら遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を0.01〜100 mJ/cm2の露光量で全面照射処理し、その後現像する、上記態様23記載のパターン形成方法。
25.上記態様1の方法で製膜した膜が遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有するポジ型化学増幅レジスト膜であり、当該レジスト膜をプリベーク、選択露光、ベーク後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を0.01〜100 mJ/cm2の露光量で全面照射処理し、その後現像する、上記態様23記載のパターン形成方法。
26.上記態様1の方法で製膜した膜が遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有するポジ型化学増幅レジスト膜であり、当該レジスト膜をプリベーク後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を0.01〜100 mJ/cm2の露光量で全面照射処理し、その後選択露光、ベーク、現像する、上記態様23記載のパターン形成方法。
27.上記態様1の方法で製膜した膜が遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有するポジ型化学増幅レジスト膜であり、当該レジスト膜をプリベーク、選択露光した後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を0.01〜100 mJ/cm2の露光量で全面照射処理し、その後現像する、上記態様23記載のパターン形成方法。
28.レジスト又は有機膜のパターンを形成した基板に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理して、当該パターンの残渣を除去する工程を含む、上記態様1記載のパターン形成方法。
29.被加工膜上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを転写して被加工膜のパターン形成を行った後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射してレジストを除去する工程を含む、上記態様1記載のパターン形成方法。
30.全面照射の際に、基板を50〜500℃のベーク処理する工程と、照射雰囲気に酸素又はオゾンを流入する工程のうちの少なくとも一方を含む、上記態様29記載のパターン形成方法。
31.基板上に上層レジストが遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有する材料からなる2層構造のレジスト膜を形成し、上層レジストをパターニング後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理し、その後下層を現像する、上記態様1記載のパターン形成方法。
32.基板上に第一のレジスト薄膜を塗布した後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、表層のみの溶解性を変化させた後、この上に第二のレジスト膜を形成し、選択露光を行い、必要に応じて露光後ベークを行った後、現像により第一のレジストが第二のレジストパターン下で食い込んだ形状の2層レジストパターンを形成し、更にこの後第三の薄膜を製膜し、レジスト膜を溶解剥離して除去するリフトオフ工程を含む、上記態様1記載のパターン形成方法。この方法は、MRヘッドの製造において特に有用である。
33.第一のレジスト膜及び第二のレジスト膜がポジ型レジストであり、且つ第一のレジスト膜が第二のレジスト膜より高感度である、上記態様32記載のパターン形成方法。
34.基板上に上層レジストが遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有する材料からなる2層構造のレジスト膜を形成し、上層レジストをパターニング後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理し、その後現像することで下層レジストが上層レジストパターン下で食い込んだ形状の2層レジストパターンを形成し、更にこの後第三の膜を製膜し、レジスト膜を溶解剥離して除去するリフトオフ工程を含む、上記態様1記載のパターン形成方法。この方法は、MRヘッドの製造において特に有用である。
35.第一のレジスト又は下層レジストがポリジメチルグルタルイミドである、上記態様31、32又は34記載のパターン形成方法。
36.全面照射する光源が、Ar2 、Kr2 、F2、ArBr、Xe2 、ArCl、ArF 、KrBr、KrCl、KrF のいずれかを用いたエキシマ光である、上記態様1〜35記載の薄膜又はパターン形成方法。
37.全面照射する光源がXe2 を用いた波長172 nmのエキシマ光である、上記態様1〜36記載の薄膜又はパターン形成方法。
38.基板を照射可能な位置にあるプレート上に搬送配置でき、プレート上の該基板の全面に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を±15%以内の照度分布にて照射できる機構を有する、上記態様1記載の処理装置。
39.スピンコーティング位置に基板が搬送される前と後の一方又は両方に、当該基板を照射可能な位置にあるプレート上に搬送配置でき、このプレート上の基板の全面に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を±15%以内の照度分布にて照射できる機構を有する、上記態様1記載の処理装置。すなわちこの装置はスピンコーティング装置に相当する。
40.真空製膜位置に基板が搬送される前と後の一方又は両方に、当該基板を照射可能な位置にあるプレート上に搬送配置でき、このプレート上の当該基板の全面に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を±15%以内の照度分布にて照射できる機構を有する、上記態様1記載の処理装置。すなわちこの装置は真空製膜装置に相当する。
41.レジスト現像位置に基板が搬送される前に、当該基板を照射可能な位置にあるプレート上に搬送配置でき、このプレート上の当該基板の全面に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を±15%以内の照度分布にて照射できる機構を有する、上記態様1記載の処理装置。すなわちこの装置は現像装置に相当する。
42.全面照射位置のプレートが50℃以上500℃以下の範囲内で温度調節可能な機能を有する、上記態様38〜41記載の装置。
43.全面照射するプレート上の基板雰囲気が、酸素、オゾン及び窒素のうちの少なくとも一つで置換可能な機構を有する、上記態様38〜42記載の装置。
44.プレート上に基板が搬送され、当該基板がプレート上に着置した後に、単色光の光源及び基板のうちの少なくとも一方が、基板搬送系に支障のない位置から、当該光源と当該基板の表面との距離が0.1〜20mmとなる位置に近づき、単色光の照射後再び基板搬送系に支障のない位置に戻る機構を有する、上記態様38〜43記載の装置。
45.単色光の光源が棒状のエキシマランプであり、このランプと基板が0.1 〜20mmの距離で平行に向き合い、双方又は片方が任意速度で、ランプ長手方向に対して直角に移動及び/又は回転できる機構を有する、上記態様38〜44記載の装置。
46.全面照射する光が、Ar2 、Kr2 、F2、ArBr、Xe2 、ArCl、ArF 、KrBr、KrCl、KrF のいずれかを用いたエキシマ光である、上記態様38〜45記載の装置。
47.全面照射する光がXe2 エキシマ光である、上記態様38〜45記載の装置。
48.単色光の光源から平行成分の光のみを取り出し、被処理基板に対して垂直に照射する工程又は機構を有する、上記態様1〜47記載の方法又は装置。
49.上記態様1〜48記載の方法、装置を使用する、多層構造デバイスの製造方法。
50.上記態様1〜48の方法、装置を使用する、フォトマスクの製造方法。
51.上記態様1〜48の方法、装置を使用する、半導体デバイスの製造方法。
52.上記態様1〜48の方法、装置を使用する、磁気ヘッドの製造方法。
53.媒体からの信号磁界を再生する磁気抵抗効果(MR)素子を含みそしてこの素子の両側にシールドを有するMRヘッドを製造するため、MR素子に端子パターンをリフトオフにより形成する工程において端子パターンの反転レジストパターンを形成する際に、反転レジストパターンのリードコア幅となるMR素子の上方近傍領域のみを狭くしたレジストパターンを形成し、且つこの領域のレジストパターンのみ下部を中空構造とする、MRヘッドの製造方法。
54.媒体からの信号磁界を再生する磁気抵抗効果 (MR) 素子を含みそしてこの素子の両側にシールドを有するMRヘッドを製造するため、MR素子に端子パターンをリフトオフ形成する工程において、上記態様32〜35のうち少なくとも一つの方法を用い、端子パターンの反転レジストパターンを形成する際に、反転レジストパターンのリードコア幅となるMR素子の上方近傍領域のみを狭くしたレジストパターンを形成し、且つこの領域のレジストパターンのみ下部を中空構造とする、MRヘッドの製造方法。
次に、実施例を参照して本発明を更に説明する。本発明がこれらの実施例によっていささかも限定されるものでないことは言うまでもない。
〔実施例1〕
この例では、エキシマ照射機能つきの表面処理・残渣除去・アッシング装置を説明する。
市販のオゾン洗浄装置(サムコインターナショナル研究所社製UV−1)をベースに、被処理基板を載置するホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図8に示すとおりであり、この図において81は表面処理チャンバ、82はホットプレート、そして83は増設したエキシマランプを表している。このランプ83は、被処理基板としてのウエハ(図示せず)を入口側ウエハカセット84からホットプレート82上へ搬送する時と、露光後にホットプレート82から出口側ウエハカセット85へ搬送する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート82上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ83が移動する代わりに、ウエハを載置するホットプレート82を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
ウエハの搬送経路及び露光量は通常のレシピ設定時に制御できる機構とした。また、照度計を設置し、定期的にランプの照度をチェックできるようにした。更に、ホットプレート82上のウエハの雰囲気には任意の気体 (ここでは酸素、窒素、オゾン) をそれぞれ独立に又は混合して導入できるようにした。図8に示した86a、86b、86cはそれぞれオゾン発生用酸素、酸素及び窒素の流量計であり、87はオゾン発生器である。なお、この装置においては、ホットプレート82はなくてもよく、またオゾン、酸素及び窒素の供給がなくてもよい。
〔実施例2〕
この例では、エキシマ露光機能つきスピンコータ装置を説明する。
市販のメカニカル搬送タイプのスピンコータ(リソテックジャパン社製LARC−ULTIMA 1000)をベースに、被処理基板を載置するホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図9に示すとおりであり、この図において91は表面処理チャンバ、92はホットプレート、そして93は増設したエキシマランプを表している。このランプ93は、被処理基板としてのウエハ(図示ぜず)を入口側ウエハカセット94からホットプレート92上へ搬送する時と、露光後にホットプレート92から処理済みウエハ(図示せず)を排出する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート92上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ93を移動させる代わりに、ウエハを載置するホットプレート92を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
ウエハの搬送経路及び露光量は通常のレシピ設定時に制御できる機構とした。また、照度計を設置し、定期的にランプの照度をチェックできるようにした。更に、ホットプレート92上のウエハの雰囲気には酸素、窒素、オゾンをそれぞれ独立に又は混合して導入できるようにした。図9に示した96a、96b、96cはそれぞれオゾン発生用酸素、酸素及び窒素の流量計であり、97はオゾン発生器である。
表面処理を終えたウエハ(図示せず)は、コーターカップ98へ搬送して処理液を塗布し、更に通常のホットプレート99へ搬送して処理し、出口側ウエハカセット95へ送ることができる。コーターカップ98又は通常のホットプレート99での処理後に、ウエハを再び表面処理チャンバ91に戻して処理することも可能である。
この装置においては、ホットプレート92はなくてもよく、またオゾン、酸素及び窒素の供給がなくてもよい。通常ホットプレート99はなくてもよく、あるいは2台以上用意してもよい。更に、クーリングプレート(図示せず)を設けてもよい。
〔実施例3〕
この例では、エキシマ露光機能つき製膜装置を説明する。
市販のメカニカル搬送タイプのCVD製膜装置(住友精密工業社製MULTIPLEX−CVD)をベースに、被処理基板を載置するホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図10に示すとおりであり、この図において101は表面処理チャンバ、102はホットプレート、そして103は増設したエキシマランプを表している。このランプ103は、被処理基板としてのウエハ(図示ぜず)を入口側ウエハカセット104からホットプレート102上へ搬送する時と、露光後にホットプレート102から処理済みウエハ(図示せず)を排出する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート102上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ103を移動させる代わりに、ウエハを載置するホットプレート102を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
ウエハの搬送経路及び露光量は通常のレシピ設定時に制御できる機構とした。また、照度計を設置し、定期的にランプの照度をチェックできるようにした。更に、ホットプレート102上のウエハの雰囲気には酸素、窒素、オゾンをそれぞれ独立に又は混合して導入できるようにした。図10に示した106a、106b、106cはそれぞれオゾン発生用酸素、酸素及び窒素の流量計であり、107はオゾン発生器である。
表面処理を終えたウエハ(図示せず)は、CVDチャンバ108へ搬送して製膜処理を行い、そして出口側ウエハカセット105へ排出することができ、あるいは出口側ウエハカセット105へ送る前に再び表面処理チャンバ101で表面処理を施してから出口側ウエハカセット105へ排出することもできる。
この装置においては、ホットプレート102はなくてもよく、またオゾン、酸素及び窒素の供給がなくてもよい。更に、クーリングプレート(図示せず)を設けてもよい。
〔実施例4〕
この例では、エキシマ露光機能つきデベロッパーを説明する。
市販のメカ搬送タイプレジストデベロッパー(東京エレクトロン社製MARK−V)をベースに、現像の前後で被処理基板としてのウエハを表面処理チャンバのホットプレート上に移動できるようにし、このホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図11に示すとおりであり、この図において111は表面処理チャンバ、112はホットプレート、そして113は増設したエキシマランプを表している。このランプ113は、被処理基板としてのウエハ(図示ぜず)を入口側ウエハカセット114からホットプレート112上へ搬送する時と、露光後にホットプレート112から処理済みウエハ(図示せず)を排出する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート112上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ113を移動させる代わりに、ウエハを載置するホットプレート112を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
ウエハの搬送経路及び露光量は通常のレシピ設定時に制御できる機構とした。また、照度計を設置し、定期的にランプの照度をチェックできるようにした。更に、ホットプレート112上のウエハの雰囲気には、窒素、酸素、オゾンを、それぞれ独立に又は混合して導入できるようにした。窒素に代えて、ケミカルフィルタ(図示せず)などでアミン系の不純物を除きそして水分含有量を調節した空気を導入するようにすることも可能である。図11に示した116a、116b、116cはそれぞれオゾン発生用酸素、酸素及び窒素の流量計であり、117はオゾン発生器である。
表面処理を終えたウエハ(図示せず)は、現像カップ118へ搬送して現像処理を行い、そして出口側ウエハカセット115へ排出することができ、あるいは出口側ウエハカセット115へ送る前に再び表面処理チャンバ111で表面処理を施してから出口側ウエハカセット115へ排出することも可能である。
この装置においては、ホットプレート112はなくてもよく、またオゾン、酸素及び窒素の供給がなくてもよい。更に、通常のホットプレート(図示せず)あるいはクーリングプレート(図示せず)を設けてもよい。
〔実施例5〕
この例では、照射分布改良型エキシマ平行光照射装置を説明する。
先の例で説明したのと同じ表面処理チャンバ内のホットプレート上に、平行光のみ取り出せるように改良したXe2 エキシマランプを、ホットプレート面から任意の距離で平行に移動可能なように設置した。このように構成した装置を図12を参照して説明する。図12(a)の側面図と図12(b)の上面図に見られるように、表面処理チャンバ121内の、ウエハ脱着ピン131を備えたホットプレート122の上方に、エキシマランプ123を上下方向(図中の矢印Aの方向)とウエハ130の搬送方向と平行な水平方向(図中の矢印Bの方向)の両方に移動可能なように設置した。このエキシマランプ123は、先の例におけるのと同じように、ウエハ130をホットプレート122上へ搬送する時と、露光後にホットプレート122から排出する時には、支障にならないよう上方に移動してウエハ搬送アーム133との接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート122上のウエハ130から任意の距離で露光できるように設計した。
ウエハ130の露光量は、ランプ123の水平方向(図の矢印Bの方向)の移動速度にて設定できる機構とした。また、照度計134を設置し、ランプ照度を定期的にチェックできるようにした。更に、ホットプレート130上のウエハの雰囲気には空気、酸素、窒素、オゾンをそれぞれ独立に又は混合して導入できるようにした(図には、簡略化のため一つのガス入口のみを示している)。図中の135はウエハ130を表面処理チャンバ121に出し入れする際に搬送アーム133を通過させるため開閉されるシャッタである。
この装置で使用するエキシマランプ123には、平行光を取り出すためその周囲部分に光の反射体136を設置してある。反射体に代えて光の吸収体を使用することも可能である。図13に示したように、この反射体136には、ウエハ130に面する部分にスリット状の光取り出し口137が設けてあり、エキシマランプ123から放射された光138のうちの光取り出し口137を通り抜けた平行光139のみがウエハ130に照射されるように構成されている。もちろん、このほかの構成によりエキシマランプから平行光のみをウエハ上に照射するようにすることも可能である。
〔実施例6〕
この例では、レジストと水溶性膜との密着性の改善を説明する。
図8に示した実施例1の表面処理装置を用いて、入口側ウエハカセットから日本ゼオン社製ZEP-520 型電子線レジストを製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、Xe2 エキシマランプをウエハ面から5mmの距離に近づけ、15秒間全面照射した。この際、露光雰囲気は空気とした。光照射後、出口側カセットにウエハを搬送した。その後、処理したウエハ表面に水溶性のチャージアップ防止剤を塗布したところ、良好な塗布性を確認した。次いで、このチャージアップ防止剤(昭和電工社製エスペイサー)を塗布したウエハを基板として、通常の方法で電子線露光し、現像したところ、0.1μm以下のレジスト膜減り量で、0.5μmのライン・アンド・スペースパターンが良好に形成できていることが確認された。
一方、上記のエキシマ光の全面照射処理を行わずにレジスト膜上に水溶性のチャージアップ防止剤を塗布したところ、レジストがはっ水性のため良好に塗布できなかった。
また、エキシマ光の全面照射の際のエキシマランプと基板との距離及び照射時間を変えて、同じレジスト膜の表面照射処理を行い、同じチャージアップ防止剤水溶液を塗布した後の基板表面の水に対する接触角を測定した結果を図14に示す。この図より、本照射処理によるレジスト表面の親水化処理が、照射距離と照射時間とに応じて効率的に起こっていることが確認された。
〔実施例7〕
この例では、SiON基板の表面処理を説明する。
図8に示した実施例1の表面処理装置を用いて、出口側ウエハカセットからSiONを製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、エキシマランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、露光時間を変えて全面照射した。この際、露光雰囲気は空気とした。照射後、出口側カセットにウエハを搬送した。XPS分析装置にてSiON表面の原子数比を測定したところ、表1のようになった。この表より、残留アミン系のNや、不純物系のCが減少し、酸素が増加しており、SiONの表面を効果的に光洗浄できていることがわかった。また、このエキシマ光の照射では通常の低圧水銀ランプで照射した際に起こる基板の加熱も起こらないことが確認できた。
Figure 0004219348
〔実施例8〕
この例では、SOG層間絶縁膜の常温SiO2 化を説明する。
図8に示した実施例1の表面処理装置を用いて、入口側ウエハカセットから米国ダウコーニング社製のFOX(ポリ水素シルセスキオキサン)層間絶縁膜をスピンコートしたSiウエハをホットプレート上に搬送し、エキシマランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、照射時間を変えてウエハ全面に照射した。この際、照射雰囲気は乾燥空気とした。照射後、出口側カセットにウエハを搬送した。IR分析装置により絶縁膜のSi−H量を測定したところ、表2のようになった。この表より、常温でSi−Hが減少しており、効率的にシリコーン樹脂系絶縁膜がSiO2 化しているのが確認できた。通常この膜はSiO2 化するのに400℃以上の加熱が必要であるが、本発明の処理方法を採用することで常温で同様の効果が得られることが確認された。
Figure 0004219348
〔実施例9〕
ここでは、フッ化カーボン上でのレジストパターンの形成を説明する。
図9に示した実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットから米国ゴア社製ポリテトラフルオロエチレン系層間絶縁膜(誘電率=1.8)をスピンコートしたSiウエハを表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、エキシマランプをウエハ面から1 mmの距離に近づけ、室温の空気中で全面照射した(露光量600 mJ/cm2 )。照射後、ウエハをコーターカップに搬送し、日本ゼオン社製のZIR−S185型ノボラックレジストをスピンコートし、その後ウエハをホットプレートに搬送して100℃で1分間ベーキングし、出口側ウエハカセットに搬送した。このウエハをi線ステッパにて選択露光した後、通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で現像し、0.4μmのライン・アンド・スペースパターンを形成できた。
一方、同じポリテトラフルオロエチレン系層間絶縁膜を製膜したSiウエハに、上記照射処理を行わずに同じレジストをスピンコートしたところ、密着性が悪く、均一な製膜ができなかった。
〔実施例10〕
この例では、ドライエッチングによる2層レジスト法を説明する。
アルミニウム膜を形成したシリコンウエハ上に、平坦化層 (シブレー社製SAL-601 レジスト) を2μm塗布し、90℃でプリベーク後、ウシオ電機社製のUER200-172のXe2 エキシマレーザ光を3mmの照射距離で3分間全面照射後、110℃で2分間ベーク処理した。その後、このレジスト膜上に上層レジスト (トリメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン) を0.2μm塗布し、プリベークを行った。次に、電子線露光と有機現像液(メチルイソブチルケトン)での現像を行い、上層のみ1μmのライン・アンド・スペースをパターニングした。
その後、DEM−451型ドライエッチング装置(日電アネルバ社製)を用い、ガス圧20 mTorr、印加周波数13.56 MHz 、酸素ガス流量20 sccm 、RFパワー0.16 W/cm2の条件で平坦化層のエッチングを行い、2層パターンを形成した。更に、この2層パターンをマスクとして下地のアルミニウムをパターニングした。その後、このウエハをアセトンに浸漬したところ、2層レジストパターンを容易に剥離することができた。
〔実施例11〕
ここでも、ドライエッチングによる2層レジスト法を説明する。
アルミニウム膜を形成したシリコンウエハ上に、平坦化層 (シブレー社製MP-1300 レジスト) を2μm塗布し、90℃でプリベーク後、ウシオ電機社製のUER200-172のXe2 エキシマレーザ光を全面照射し、その後この上に上層レジスト (トリメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン) を0.2μm塗布し、プリベークを行った。次に電子線露光と有機現像液での現像を行い、上層のみ1μmのライン・アンド・スペースをパターニングした。
その後、DEM−451型ドライエッチング装置を用い、ガス圧20 mTorr、印加周波数13.56 MHz 、酸素ガス流量20 sccm 、RFパワー0.16 W/cm2の条件で平坦化層のエッチングを行い、2層パターンを形成した。更に、この2層パターンをマスクとして下地のアルミニウムをパターニングした。その後、このウエハをアセトンに浸漬したところ、2層レジストパターンを容易に剥離することができた。
〔実施例12〕
ここでは、ドライエッチングによる3層レジスト法を説明する。
アルミニウム膜を形成したシリコンウエハ上に、平坦化層 (シブレー社製MP-1300 レジスト) を2μm塗布し、90℃でプリベーク後、ウシオ電機社製UER200-172のXe2 エキシマレーザ光を全面照射し、その後、この上にポリビニルフェニルシルセスキオキサンを0.2μm塗布し、露光により硬化後、この上にMP-1300 レジストを製膜し、紫外線露光及びアルカリ現像を行って、上層のみ1μmのライン・アンド・スペースをパターニングした。
その後、DEM−451型ドライエッチング装置を用い、ガス圧20 mTorr、印加周波数13.56 MHz 、フッ素ガス流量20 sccm 、RFパワー0.16 W/cm2の条件で上層パターンを中間層に転写し、続いて酸素プラズマで更に下層のエッチングを行い、3層レジストパターンを形成した。更に、このパターンをマスクとして下地のアルミニウムをパターニングした。その後、このウエハを富士ハント社製のMS2001剥離液に浸漬したところ、3層レジストパターンを容易に剥離することができた。
〔実施例13〕
この例では、ウエットエッチングによる2層レジスト法を説明する。
シリコンウエハ上に日本ゼオン社製CMR レジストを0.4 μm塗布し、180 ℃でプリベーク後、上層として日本ゼオン社製ZIR-S185型フォトレジストの0.5 μmのパターンをi線露光にて形成した。次に、このウエハにウシオ電機社製UER200-172のXe2 エキシマレーザ光を照射距離3mmで1分間全面照射後、現像したところ、上層レジストパターンを下層に短時間照射で転写できた。
〔実施例14〕
ここでは、SiON基板上での化学増幅レジストパターンの形成を説明する。
図9に示したような実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットからSiONを製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、常温及び空気中で1分間Xe2 エキシマレーザ光を全面照射した(露光量600 mJ/cm2 )。このウエハ上に、日本合成ゴム社製K2G化学増幅型ポジ型レジストをスピンコートし、80℃で90秒間ベーキングした。このウエハをKrFエキシマレーザステッパにて選択露光した後、 100℃にて90秒間ベークを行い、そして通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて60秒間現像した。形成したレジストパターン断面を観察したところ、0.25μmライン・アンド・スペースパターンを裾引きなしに解像できた。
一方、通常のスピンコータ、ホットプレート、及び現像装置を用い、上記のようなエキシマ光の全面照射処理を行わずに形成したレジストパターンでは、基板界面での裾引き形状が認められた。
〔実施例15〕
ここでは、ポリシラザン系絶縁膜基板上での化学増幅レジストパターンの形成を説明する。
図9に示したような実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットから触媒化成社製BLN-Q(ポリシラザン系材料) 層間絶縁膜を製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、600mJ/cm2の露光量で1分間Xe2 エキシマ光を全面照射した。この際、オゾンを1リットル/min の流量で露光雰囲気に導入し、基板を200 ℃に加熱した。照射後、ウエハをコータカップに搬送し、実施例9と同様のノボラックレジストをスピンコートし、その後ウエハをホットプレートに搬送して100 ℃で1 分間ベーキングし、そして出口側ウエハカセットに搬送した。続いて、このウエハをKrF エキシマレーザ光にて選択露光した後、直ちに110 ℃にて1分間ベークを行い、通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて現像した。形成したレジストパターン断面を観察したところ、基板界面で裾引きを起こすことなく、0.25μmのライン・アンド・スペースパターンを解像できた。
一方、通常のスピンコータ、ホットプレート、及び現像装置を用い、上記のようなXe2 エキシマ光での全面照射処理を行わずに形成したレジストパターンでは、基板界面での裾引き形状が確認された。
〔実施例16〕
この例においては、化学増幅レジストの露光後引き置きパターン形成を説明する。
シリコンウエハ上に、日本合成ゴム社製K2G化学増幅型ポジ型レジストをスピンコートし、80℃で90秒間ベーキングした後、KrF エキシマレーザステッパにて選択露光した。その後アンモニア濃度30 ppbの雰囲気で10時間放置し、実施例1の表面処理装置を用いて、Xe2 エキシマランプをウエハ面から5mmの距離に近づけて1秒間全面照射した。その後、100 ℃にて90秒間ベークを行い、そして通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて60秒間現像した。形成したレジストパターン断面を観察したところ、表面難溶解層 (T−トップ) を発生することなく、0.25μmのライン・アンド・スペースパターンを解像出来た。
一方、上記のようなXe2 エキシマ光の全面照射処理を行わずに形成したレジストパターンでは、レジストの表層にT−トップが形成しているのが認められた。
〔実施例17〕
ここでは、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理基板上での化学増幅レジストパターンの形成を説明する。
実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットからHMDS処理したSiウエハを表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、ここでXe2 エキシマランプをウエハ面から3mmの距離に近づけ、常温、空気中で1分間全面照射した(露光量600 mJ/cm2 )。照射後、ウエハをコータカップに搬送し、市販の化学増幅型ポジ型レジスト(日本合成ゴム社製K2G)をスピンコートし、その後ウエハをホットプレートに搬送して100 ℃で1分間ベーキングし、次いで出口側ウエハカセットに搬送した。このウエハをKrF エキシマレーザステッパにて選択露光した後、通常のクリーンルーム中で120分間放置した。
次に、ウエハを実施例4の装置(図11参照)に移し、入口側ウエハカセットからウエハを表面処理チャンバ内のホットプレート上に移動し、110 ℃で1分間ベークしながらXe2 エキシマランプをウエハ面から3mmの距離に近づけ、そして1mJ/cm2の露光量でウエハ全面に照射した。続いて、ウエハを現像カップに移動し、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて現像した。
この例で行った処理を説明すると次のとおりである。Xe2 エキシマ光での第一の基板表面処理においては、通常HMDSで表面処理した基板表面にはHMDS由来のアミンが残留しており、この基板上に化学増幅レジスト膜を製膜すると、光酸発生剤から生じた化学増幅レジスト中の酸の一部をこのアミンが失活させ、そのため、化学増幅レジストがポジ型の場合、図15(a)に示したように、形成したレジストパターン151に裾引き152が認められることがある。Xe2 エキシマ光のような単色光での表面処理を行うと、基板表面の残留HMDSは効率的に酸化されるため、その上に化学増幅レジストを塗布してレジストパターンを形成しても従来のような裾引きは認められなくなる。
次に、このXe2 エキシマ光で全面照射処理した基板上に塗布した化学増幅レジストをKrF エキシマレーザステッパにて選択露光すると、露光パターンに応じて露光部分(感光部分)において光酸発生剤から酸が発生する。レジスト膜中に発生した酸のうちの表層部の近くに存在するものの一部は、空気中に微量に存在する不純物アミン等により失活して、そのため、やはり化学増幅レジストがポジ型の場合、図15(a)に示したように、形成したレジストパターン151にT−トップ153が生じる。光酸発生剤から酸を発生させたレジストの表面に対してXe2 エキシマ光のような単色光での表面処理を行うと、表層のみを酸化して酸を補い、且つ同時にベークすることで表層のみを現像液に可溶化して、T−トップ形状の発生を防止することができる。
このように、本発明の基板処理方法を用いて形成した化学増幅レジストパターンには、図15(b)に示すように裾引きもT−トップも認められなくなる。そしてこの例においては、形成したレジストパターン断面を観察したところ、0.25μmのライン・アンド・スペースパターンをT−トップや裾引きを起こすことなく解像できたことが確認できた。
一方、通常のスピンコータ、ホットプレート、及び現像装置を用い、上記のようなXe2 エキシマ光の全面照射処理を一切行わずに形成したレジストパターンでは、基板界面での裾引き及びパターン表層部のT−トップ形状が発生した。
〔実施例18〕
この例においては、レジストパターンのアッシングを説明する。
日本ゼオン社製のZEP-520 型電子線レジストで膜厚0.3 μmのレジストパターンを形成したフォトマスク基板を、実施例1の装置を用い出口側ウエハカセットから表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から0.3 mmの距離に近づけ、酸素雰囲気中で10分間Xe2 エキシマ光を全面照射した。照射後、基板を出口側ウエハカセットに搬送した。その後、基板表面を観察したところ、レジストパターンを確実に除去できていることがわかった。
〔実施例19〕
ここでは、レジストパターンの残渣除去を説明する。
日本ゼオン社製のZEP-520 型電子線レジストで膜厚0.4 μmのレジストパターンを形成したフォトマスク基板を、実施例1の装置を用い出口側ウエハカセットから表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から0.3 mmの距離に近づけ、空気中で1分間Xe2 エキシマ光を全面照射した。照射後、基板を出口側ウエハカセットに搬送した。その後、基板表面を観察したところ、照射処理前にレジストパターン間及びパターンエッジに存在したスカムを除去できていることがわかった。
〔実施例20〕
ここでは、ノボラックレジストの親水化処理を説明する。
シリコンウエハ上に日本ゼオン社製ZIR-S185レジストをスピンコートし、100 ℃で1分間ベーキング後、i線ステッパにて選択露光した。その後、実施例1の表面処理装置を用いて、ランプをウエハ面から5mmの距離に近づけXe2 エキシマ光を10秒間全面照射した。続いて、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて60秒間現像した。形成したレジストパターンを米国KLA 社製のウエハ検査装置にて観察したところ、エキシマ光を照射しないウエハを使って同様にパターニングしたレジストパターンで見られるマイクロバブルによる現像不良率が1/100 以下に改善されたことが確認できた。
〔実施例21〕
ここでは、MRヘッド用のMR素子のリフトオフ法での製作を説明する。
図16(a)に示すように、支持材161の上にアルミナ層162を設け、その上にNiFeの下部シールド層163とアルミナの下部ギャップ層164を順次形成し、更に下部ギャップ層164の上にMR素子を形成するためのMR膜165を備えた基板を用意する。次に、基板表面のMR膜165をパターニングして、図16(b)に示すようにMR素子166を形成する。続いて、基板の下部ギャップ層164の上に、マスク167を利用して端子168を形成し(図16(c))、そしてリフトオフによりマスク167を除去する(図16(d))。その後、イオンミリングにより下部シールド層163及び下部ギャップ層164のパターニングを行って下部シールド163’と下部ギャップ164’を形成する(図16(e))。一方、図17に示すように、まず図16(a)に示した基板の第一のパターニングを行って下部シールド163’と下部ギャップ164’を形成し(図17(a))、続いてMR素子166の形成とリフトオフによる端子168の形成(図17(b))後、下部シールド163’と下部ギャップ164’の第二のパターニングを行って、最終的な形状の下部シールド163”と下部ギャップ164”を形成しても何らさしつかえない。
図16の端子168を形成する際のマスク167の形成は、例えば図4と図5を参照して説明した方法と同様でよい。すなわち、MR素子166のパターニング後、実施例2のスピンコート装置で、2層構造レジストとして第一層に日本マクダーミッド社製のポリメチルグルタルイミドを0.3 μm厚でスピンコートし、180 ℃で2分間ベーキングした後、上層にポジ型レジスト(ヘキスト社製AZP)を滴下、2.0 μm厚でスピンコートし、110 ℃で2分間ベーキングした。g線ステッパにて端子パターンを露光後、 2.38 %テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で上層のみ現像した。次に、172 nm光(Xe2 エキシマ光)にて照射距離1mmで20秒間全面照射処理を行った後、下層を同様に現像し、2層レジストパターンを形成した。形成したパターンは、上層の側端から内側に1.6 μmほど下層が上層の下部に食い込んだ形状であり、コア幅となる最小寸法部 (上層の幅3μmのレジストパターン部分) では、図7(a)に示したように下層が完全に抜けて中空となった。これは、上部より光学顕微鏡にて観察し、容易に確認できた。
続いて、端子168を形成するため、端子となる金属膜をスパッタした後、マスクとして使用した2層レジストパターンをレジスト剥離剤 (富士ハント社製MS-2001)で剥離し、エタノールで洗浄後乾燥して、端子168をリフトオフ形成してから、引き続き下部シールドのパターニングを行った。その結果、端子部分にバリのない良好な端子薄膜を形成できた。ここで形成したMRコア幅のばらつきは、コア幅3μmに対して±0.1μmであった。
一方、リフトオフのマスクとして2層レジストの代わりに一般的なリフトオフ用単層レジスト(ヘキスト社製AZ5214E)を用い、イメージリバーサル法でパターニングし、アセトンでリフトオフして同様に端子形成を行ったところ、端子にバリが発生した。またコア幅も3μm±0.5μmとばらつきが大きかった。
〔実施例22〕
実施例21と同様に、下部シールド、下部MRギャップ及びMR素子を形成した基板上に端子を形成したが、ここではMR素子のパターニングをレジストパターン形成後に行った例を、図18、19を参照して示す。なお、図18と19においては、下部シールド層の下にある支持材とアルミナ層は、説明を簡単にするため割愛されている。
図18(a)に示したように、支持材(図示せず)の上に設けたアルミナ層(図示せず)の上にNiFeの下部シールド層183、アルミナの下部ギャップ層184、そしてMR素子を形成するためのMR膜185を順次形成した基板を用いて、実施例2のスピンコート装置(図9参照)のコーターカップで2層構造レジストの第一層として日本マクダーミッド社製のポリメチルグルタルイミドを0.3 μm厚でスピンコートし、180 ℃で2分間ベーキングして第1層レジスト膜186を形成した後、基板を表面処理チャンバ内のホットプレート上に移し、172 nm光(Xe2 エキシマ光)にて照射距離1mmで20秒間全面照射処理を行った。次に、この基板を再びコーターカップに戻して回転させながらポジ型レジスト(ヘキスト社製AZP)を滴下、2.0 nm厚でスピンコートし、110 ℃で2分間ベーキングして、第2層レジスト膜187を形成した。続いて、図18(c)に示したように、g線ステッパにて所定パターンのg線188を照射して端子パターンを露光後、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で現像した。この際、両レジスト膜186、187は同時に現像され、図18(d)に示すような2層レジストパターン189が形成された。形成した2層レジストパターン189は下層が上層よりも1.0 μm食い込んだ形状となった。これは上部より光学顕微鏡にて観察し、確認できた。
次に、この2層レジストパターン189をマスクとしてMR膜185をイオンミリングにてパターニングしてMR素子190を形成(図19(a))後、端子となる金属膜191をスパッタ(図19(b))し、次いで2層レジストパターン189をレジスト剥離剤 (富士ハント社製MS-2001)で剥離(図19(c))し、エタノールで洗浄後乾燥して端子を形成した後、下部シールドのパターニングを行って、図16(e)及び図17(c)に例示したのと同様の下部シールドを形成した。その結果、端子部分にバリのない良好な端子薄膜を形成できた。ここで形成したMRコア幅のばらつきは、コア幅4μmに対して±0.2μmであった。
MR型ヘッドのMR素子部を説明する斜視図である。 MR素子部の製造工程の前半を説明する図である。 MR素子部の製造工程の後半を説明する図である。 MR素子部の別の製造工程の前半を説明する図である。 MR素子部の別の製造工程の後半を説明する図である。 中空リフトオフプロセスを説明する上面図である。 中空リフトオフプロセスを説明する断面図である。 本発明による一態様の装置を説明する図である。 本発明による別の態様の装置を説明する図である。 本発明のもう一つの態様の装置を説明する図である。 本発明の更にもう一つの態様の装置を説明する図である。 照射分布の向上を可能にする装置を説明する図である。 光源から平行光を取り出す手段を説明する図である。 実施例6の結果を示すグラフである。 化学増幅レジストを用いて形成したレジストパターンの断面形状を説明する図である。 実施例21でのリフトオフ法の工程を説明する図である。 実施例21での下部シールド形成の別法を説明する図である。 実施例22でのリフトオフ法の工程の前半を説明する図である。 実施例22でのリフトオフ法の工程の後半を説明する図である。
符号の説明
11、25、45、61、166、190 MR素子
12、33’、50’、62、168 端子
21、41、161 支持材
22、42、162 アルミナ層
23、43、163 下部シールド層
24、44、164 下部ギャップ層
26、46、63 第1層レジスト膜
27、48 単色光
29、47、64 第2層レジスト膜
33、50 端子形成材料膜
81、91、101、111 表面処理チャンバ
82、92、102、112 ホットプレート
83、93、103、113 エキシマランプ
84、94、104、114 入口側ウエハカセット
85、95、105、115 出口側ウエハカセット
87、97、107、117 オゾン発生器
98 コーターカップ
99 ホットプレート
108 CVDチャンバ
118 現像カップ

Claims (3)

  1. 被処理基板上に塗布したレジストが電子線レジストであって、該電子線レジスト層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該電子線レジスト層上に水溶性のチャージアップ防止剤を塗布する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
  2. 被処理基板がポリ水素シルセスキオキサンからなる絶縁層であって、該絶縁層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該絶縁層表面をSiO2化する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
  3. 被処理基板上に塗布した層間絶縁膜がフッ化カーボン系絶縁層であって、該絶縁膜にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、レジスト層をコーティングする工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
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