JP4219348B2 - 微細加工方法 - Google Patents
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a)被処理基板上に配線形成材料からなる薄膜を形成し、
b)この薄膜の上にレジストと呼ばれる感光性材料を被覆し、
c)このレジストに可視光、紫外線、遠紫外線又はX線を所定パターンのマスクを介して選択的に照射して露光するか、あるいは照射径を絞った電子線で直接描画することにより、レジスト材料の溶解特性を選択的に変化させ、
d)現像によりレジストパターンを形成し、
e)このレジストパターンを用いてウエットエッチング又はドライエッチングにより微細な配線パターンを形成し、
f)レジストを酸素プラズマアッシング又はウエット処理で除去している。
1)被処理基板上に上記b〜dと同じ方法でレジストパターンを形成し、
2)蒸着やスパッタ法などで配線形成材料の薄膜を形成し、
3)剥離液を用いてレジストパターンをその上の配線材料薄膜と共に除去し、レジストのなかった部分のみに配線材料を残して配線パターンを形成している。
(2)パターンの高精度形成技術
a)ドライエッチングを用いた多層レジスト法
b)ウエットエッチングを用いた多層レジスト法
c)化学増幅レジストの形状改善法
d)レジスト現像後の残渣除去及びアッシング法
e)レジスト現像時のマイクロバブル除去法
f)リフトオフ工程でのバリの発生防止及び寸法精度安定化法
薄膜を形成する際には、互いに接する上下の膜(又は層)間の密着性が重要であり、従って導電膜と絶縁膜との、あるいはこれらの一方とレジスト膜との密着性確保が、製造歩留りとデバイスの信頼性を向上させる上で重要となる。従来は、導電膜と絶縁膜間の密着性を上げるために、水銀ランプ等を用いた紫外線洗浄、オゾン洗浄、又は酸素プラズマ処理といった方法で表面の有機不純物を取り除いたり、表面を酸化させるといった処理を施しているが、工程が複雑化する、時間がかかるなどの問題を抱えている。
a)ドライエッチングを用いた多層レジスト法
多層構造デバイスの製造では、基板表面の段差や露光に用いる光の基板表面からの反射の影響により、従来の単層レジスト法を用いた場合には微細パターンを高精度に形成することが困難となる。そこで、これの解決手法として、多層レジスト法が開発された。この多層レジスト法には、2層レジスト法と3層レジスト法がある。2層レジスト法では、基板上に第1層有機ポリマをスピンコートし、この上に酸素プラズマ耐性が高いポリマの第2層を形成し、第2層を露光、現像してパターニングし、この第2層のパターンを酸素プラズマで第1層に転写し、両層のパターンをマスクとして基板を加工する。一方、3層レジスト法では、基板上に第1層有機ポリマをスピンコートし、この上に酸素プラズマ耐性が高いポリマの第2層を形成し、更にこの上に第3層感光性樹脂層を形成して、露光と現像で第3層をパターニング後、これを第2層に転写し、さらにこれを酸素プラズマで第1層に転写し、この3層のパターンをマスクとして基板を加工する。
上記の多層レジスト法を露光とウエット現像処理のみで行う方法(露光PCM(exposure-PCM)法 (Lin, B.J.SPIE, 174, 114, 1979))も検討されている。これは、上層のパターニング後に上層レジストをマスクとして下層を感光させ、ウエット現像で2層パターンを形成する方法である。しかし、この下層感光工程で通常用いる低圧水銀ランプは、複数の輝線による広い範囲の波長光であるため、上層と下層の材料選定が難しく、また感光に要する時間が長いことから広く実用化されるには至っていない。
近年、高感度を有するレジストとして化学増幅型のレジスト (例えば、H.Itoh et al., ACS Symposium Series, No.242, 11 (1984)) が検討されている。化学増幅レジストは、露光部分で光酸発生剤(PAG)から発する酸を触媒として反応が進むレジストの総称である。しかし、化学増幅レジストは、基板表面にアルカリ成分が存在すると光酸発生剤から発生した酸が基板との界面で失活し、ポジ型レジストの場合パターンが裾引き形状になり問題となっている。この現象が起こる基板は、表面に密着性改善処理剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)を塗布した基板、窒素を含む材料のTiN 、SiON又は SiNを製膜した基板 (例えば、木村ら,第56回応用物理学会学術講演会予稿集28a-ZS-11 (1995))、及びポリシラザン系樹脂を出発物質とする絶縁膜 (例えば、中田ら,第42回応用物理学会関係連合講演会予稿集30aC7 (1995)) を製膜した基板などである。この酸失活現象を抑えるために、基板表面を酸素プラズマ処理したり、あるいは酸処理するといった提案がなされている (例えば、渡辺ら,第56回応用物理学会学術講演会予稿集26p-ZS-5 (1995))。ところが、このような処理は手間がかかるため、根本的な解決策とはなっていない。
レジスト現像後の残渣除去やレジストアッシングには酸素プラズマ処理が通常用いられる。しかし、プラズマプロセスは真空チャンバ中で行われるため、プロセスに時間がかかり問題となっている。また、近年薄膜化が進んでいるロジックLSIのゲート酸化膜の形成においては、アッシングの際プラズマによる帯電(チャージアップ)でゲート酸化膜が損傷し、LSIの歩留りが低下して問題となっている。
現在種々のデバイスの製造で用いられているレジストプロセスは、そのほとんどが、有機樹脂からなるレジストをアルカリ水溶液で現像する工程を含む。この場合、一般にレジスト膜は撥水性であるため、現像液であるアルカリ水溶液との馴染みが悪く、現像時に気泡 (マイクロバブル) がレジスト表面に付着して現像不良を起こし、問題となっている。これを解決するために、レジスト中の界面活性剤を工夫することで撥水性を抑えることが検討されているが、効果は十分とは言えない。
リフトオフは、現在磁気ヘッドの製造で多用されているプロセスである。図1は、磁気抵抗効果(MR)型ヘッドのMR素子部の斜視図を示しており、MR素子11の両端にはセンス電流を流すための端子(電極)12が接続されている。MR素子11と端子12との接合部は、電気的な接続を取るためのみでなく、センス領域を定めるMR素子のコア幅Wを確定するためにも非常に重要である。このMR素子部の製造工程には通常、フォトレジストを用いたリフトオフプロセスが適用されている。
1.被処理基板上に塗布したレジストが電子線レジストであって、該電子線レジスト層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該電子線レジスト層上に水溶性のチャージアップ防止剤を塗布する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
2.被処理基板がポリ水素シルセスキオキサンからなる絶縁層であって、該絶縁層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該絶縁層表面をSiO2化する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
3.被処理基板上に塗布した層間絶縁膜がフッ化カーボン系絶縁層であって、該絶縁膜にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、レジスト層をコーティングする工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
被処理基板に前述の単色光を全面照射処理することにより、照射面の上に後に形成する薄膜の当該照射面に対する密着性を高めることができる。ここでは、単色光の照射処理により、基板表面の材質が無機物の場合表面の有機汚染物の酸化、分解等による除去を行うことができ、基板表面の材質が有機物の場合はその極性の変化を従来法(水銀ランプでの紫外線洗浄、オゾン洗浄、酸素プラズマ処理等)より短時間で効果的に行うことができる。こうして処理した基板表面上に形成した膜は、基板との密着性が向上したものになる。
a)ドライエッチングを用いた多層レジスト法
第1層 (下層) レジストのウェット除去ができないというこれまでのドライエッチングを用いた多層レジスト法の課題は、第2層レジストの形成前に第1層レジストを硬化する際に、第1層レジストに前述の単色光を全面照射処理し、その表層のみを硬化させることにより解決できる。すなわち、溶剤や現像液に対する耐性が必要なのは第1層の表層のみであり、短波長光の全面照射により表層のみを硬化させて下部の溶解性を保っておけば、パターン形成後にウエット処理により第1層からレジストパターンを除去することができる。
従来ウエットエッチングを用いた多層レジスト法では上層と下層の材料の選定が難しく、感光時間が長いという課題は、上層レジストをパターニング後、前述の単色光を全面照射処理し、その後下層を現像することにより解決できる。また、これにより従来法より照射時間を大幅に短縮できる。
ポジ型化学増幅レジストにあっては形成したレジストパターンが基板界面で裾引き形状(ネガ型では食い込み形状)になりやすく、またパターン表面でT−トップ形状になりやすくて、これらの解消が容易でないという従来技術における課題は、レジスト膜形成プロセスに、化学増幅レジスト膜を形成する前の被処理基板を前述の単色光で全面照射処理する工程、及びレジスト膜を形成後の被処理基板の表面を前述の単色光で全面照射処理する工程のうちの一方又は両方を加えることで解決できる。
本発明によれば、レジストパターンを有する基板に前述の単色光を全面照射処理することにより、従来の酸素プラズマを用いる方法に比べ大幅に短い工程時間で、またプラズマによるチャージアップ問題を回避しながら、現像後の残渣除去及びアッシングを行うことができる。密着性向上の場合と同じように、照射雰囲気への空気、酸素、オゾン又は水蒸気の流入、照射基板の水への浸漬、及び照射処理中の基板の50〜500 ℃への加熱のうちの少なくとも一つを併用すると、残渣除去及びレジストアッシングの効率が高まり、好ましい。またこの場合、単色光の波長は、オゾンの発生効率の高い175 nm以下の波長を好ましく用いることができる。
本方法によれば、レジスト膜を備えた被処理基板に対しレジストの現像前に前述の単色光を全面照射することにより、特にレジストの材料組成で極性 (親水性) を上げる必要なしに、オゾンの効果で表層の親水性が上がり、現像不良の発生を抑えることができる。全面照射に用いる単色光は、オゾンの発生効率の高い175 nm以下の波長を好ましく用いることができる。また、レジストの吸収の強い単色光を用いると照射光がレジスト内層に達しないため、レジスト膜の表層のみを反応させ膜減りを抑えるのに好ましい。このように、単色光の波長はレジスト種に応じて使い分けることが好ましい。
MR型ヘッドの製造時のリフトオフ工程でバリを発生させず、安定した寸法精度でMR素子部を形成するには、第一のレジスト薄膜を形成した被処理基板に前述の単色光を全面照射し、表層のみの溶解性を変化させた後、この上に上層レジストを形成するのが有利である。
ロ) ランプ固定で、基板側を回転させるタイプ
ハ)ランプ固定で、基板側を回転させながら移動させるタイプ
ニ) 基板側固定で、ランプを移動さるタイプ
ホ) 基板側固定で、ランプを回転さるタイプ
ヘ) 基板側固定で、ランプを回転させながら移動させるタイプ
ト) 基板が回転し、ランプが移動するタイプ
チ) 基板が移動し、ランプが回転するタイプ
リ) 基板とランプの双方が逆方向に回転し、且つどちらかが移動するタイプ
2.基板上に遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射処理した後、当該照射基板に導電膜、絶縁膜、又はレジストの薄膜を形成する工程を含む、上記態様1記載の薄膜又はパターンの形成方法。
4.導電膜、絶縁膜又はレジスト薄膜を製膜した基板を用いる、上記態様1又は2記載の薄膜又はパターンの形成方法。
6.シリル化剤がヘキサメチルジシラザンである、上記態様5記載の薄膜又はパターンの形成方法。
8.窒素を含んでなる膜がSiON、TiN 、又はSiN の膜である、上記態様7記載の薄膜又はパターンの形成方法。
10.層間絶縁材料がポリシラザン構造を有する材料を出発物質とするものである、上記態様9記載の薄膜又はパターンの形成方法。
11.層間絶縁材料がフッ素原子を含んでなる材料である、上記態様9記載の薄膜又はパターンの形成方法。
13.被照射基板上に形成する膜が化学増幅型レジストである、上記態様1〜4記載のパターン形成方法。
15.第1層ポリマがレジストであり、第2層ポリマが水溶性膜である、上記態様14記載のパターン形成方法。
19.第1層材料がノボラック樹脂とナフトキノンジアジド系の感光剤よりなるフォトレジストである、上記態様2又は16〜18に記載のパターン形成方法。
20.第2層材料が有機シリコーン系樹脂である、上記態様2又は16〜18記載のパターン形成方法。
22.レジスト膜がナフトキノンジアジド系の感光剤を含むポジ型レジストである、上記態様21記載のパターン形成方法。
23.レジスト膜がポジ型化学増幅レジストである、上記態様21記載のパターン形成方法。
24.基板上に遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有するポジ型化学増幅レジスト膜を形成し、このレジスト膜をプリベーク後選択露光し、当該レジスト膜を50〜200℃でベークしながら遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を0.01〜100 mJ/cm2の露光量で全面照射処理し、その後現像する、上記態様23記載のパターン形成方法。
26.上記態様1の方法で製膜した膜が遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有するポジ型化学増幅レジスト膜であり、当該レジスト膜をプリベーク後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を0.01〜100 mJ/cm2の露光量で全面照射処理し、その後選択露光、ベーク、現像する、上記態様23記載のパターン形成方法。
27.上記態様1の方法で製膜した膜が遠紫外から真空紫外領域の波長に強い吸収を有するポジ型化学増幅レジスト膜であり、当該レジスト膜をプリベーク、選択露光した後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を0.01〜100 mJ/cm2の露光量で全面照射処理し、その後現像する、上記態様23記載のパターン形成方法。
29.被加工膜上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンを転写して被加工膜のパターン形成を行った後、遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射してレジストを除去する工程を含む、上記態様1記載のパターン形成方法。
30.全面照射の際に、基板を50〜500℃のベーク処理する工程と、照射雰囲気に酸素又はオゾンを流入する工程のうちの少なくとも一方を含む、上記態様29記載のパターン形成方法。
33.第一のレジスト膜及び第二のレジスト膜がポジ型レジストであり、且つ第一のレジスト膜が第二のレジスト膜より高感度である、上記態様32記載のパターン形成方法。
35.第一のレジスト又は下層レジストがポリジメチルグルタルイミドである、上記態様31、32又は34記載のパターン形成方法。
37.全面照射する光源がXe2 を用いた波長172 nmのエキシマ光である、上記態様1〜36記載の薄膜又はパターン形成方法。
43.全面照射するプレート上の基板雰囲気が、酸素、オゾン及び窒素のうちの少なくとも一つで置換可能な機構を有する、上記態様38〜42記載の装置。
44.プレート上に基板が搬送され、当該基板がプレート上に着置した後に、単色光の光源及び基板のうちの少なくとも一方が、基板搬送系に支障のない位置から、当該光源と当該基板の表面との距離が0.1〜20mmとなる位置に近づき、単色光の照射後再び基板搬送系に支障のない位置に戻る機構を有する、上記態様38〜43記載の装置。
45.単色光の光源が棒状のエキシマランプであり、このランプと基板が0.1 〜20mmの距離で平行に向き合い、双方又は片方が任意速度で、ランプ長手方向に対して直角に移動及び/又は回転できる機構を有する、上記態様38〜44記載の装置。
47.全面照射する光がXe2 エキシマ光である、上記態様38〜45記載の装置。
48.単色光の光源から平行成分の光のみを取り出し、被処理基板に対して垂直に照射する工程又は機構を有する、上記態様1〜47記載の方法又は装置。
50.上記態様1〜48の方法、装置を使用する、フォトマスクの製造方法。
51.上記態様1〜48の方法、装置を使用する、半導体デバイスの製造方法。
52.上記態様1〜48の方法、装置を使用する、磁気ヘッドの製造方法。
この例では、エキシマ照射機能つきの表面処理・残渣除去・アッシング装置を説明する。
市販のオゾン洗浄装置(サムコインターナショナル研究所社製UV−1)をベースに、被処理基板を載置するホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図8に示すとおりであり、この図において81は表面処理チャンバ、82はホットプレート、そして83は増設したエキシマランプを表している。このランプ83は、被処理基板としてのウエハ(図示せず)を入口側ウエハカセット84からホットプレート82上へ搬送する時と、露光後にホットプレート82から出口側ウエハカセット85へ搬送する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート82上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ83が移動する代わりに、ウエハを載置するホットプレート82を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
この例では、エキシマ露光機能つきスピンコータ装置を説明する。
市販のメカニカル搬送タイプのスピンコータ(リソテックジャパン社製LARC−ULTIMA 1000)をベースに、被処理基板を載置するホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図9に示すとおりであり、この図において91は表面処理チャンバ、92はホットプレート、そして93は増設したエキシマランプを表している。このランプ93は、被処理基板としてのウエハ(図示ぜず)を入口側ウエハカセット94からホットプレート92上へ搬送する時と、露光後にホットプレート92から処理済みウエハ(図示せず)を排出する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート92上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ93を移動させる代わりに、ウエハを載置するホットプレート92を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
この例では、エキシマ露光機能つき製膜装置を説明する。
市販のメカニカル搬送タイプのCVD製膜装置(住友精密工業社製MULTIPLEX−CVD)をベースに、被処理基板を載置するホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図10に示すとおりであり、この図において101は表面処理チャンバ、102はホットプレート、そして103は増設したエキシマランプを表している。このランプ103は、被処理基板としてのウエハ(図示ぜず)を入口側ウエハカセット104からホットプレート102上へ搬送する時と、露光後にホットプレート102から処理済みウエハ(図示せず)を排出する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート102上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ103を移動させる代わりに、ウエハを載置するホットプレート102を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
この例では、エキシマ露光機能つきデベロッパーを説明する。
市販のメカ搬送タイプレジストデベロッパー(東京エレクトロン社製MARK−V)をベースに、現像の前後で被処理基板としてのウエハを表面処理チャンバのホットプレート上に移動できるようにし、このホットプレート上にウシオ電機社製UER200−172型Xe2 エキシマランプを増設した。このように改造した装置の概要は図11に示すとおりであり、この図において111は表面処理チャンバ、112はホットプレート、そして113は増設したエキシマランプを表している。このランプ113は、被処理基板としてのウエハ(図示ぜず)を入口側ウエハカセット114からホットプレート112上へ搬送する時と、露光後にホットプレート112から処理済みウエハ(図示せず)を排出する時には、支障にならないよう上方に移動して搬送アームとの接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート112上のウエハ(図示せず)から任意の距離で露光できるように設計した。エキシマランプ113を移動させる代わりに、ウエハを載置するホットプレート112を上下方向に移動させるようにすることもできる。ウエハの搬送には、レールやベルト等の通常の手段を採用することもできる。
この例では、照射分布改良型エキシマ平行光照射装置を説明する。
先の例で説明したのと同じ表面処理チャンバ内のホットプレート上に、平行光のみ取り出せるように改良したXe2 エキシマランプを、ホットプレート面から任意の距離で平行に移動可能なように設置した。このように構成した装置を図12を参照して説明する。図12(a)の側面図と図12(b)の上面図に見られるように、表面処理チャンバ121内の、ウエハ脱着ピン131を備えたホットプレート122の上方に、エキシマランプ123を上下方向(図中の矢印Aの方向)とウエハ130の搬送方向と平行な水平方向(図中の矢印Bの方向)の両方に移動可能なように設置した。このエキシマランプ123は、先の例におけるのと同じように、ウエハ130をホットプレート122上へ搬送する時と、露光後にホットプレート122から排出する時には、支障にならないよう上方に移動してウエハ搬送アーム133との接触を避け、そして露光時には下方に移動してホットプレート122上のウエハ130から任意の距離で露光できるように設計した。
この例では、レジストと水溶性膜との密着性の改善を説明する。
図8に示した実施例1の表面処理装置を用いて、入口側ウエハカセットから日本ゼオン社製ZEP-520 型電子線レジストを製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、Xe2 エキシマランプをウエハ面から5mmの距離に近づけ、15秒間全面照射した。この際、露光雰囲気は空気とした。光照射後、出口側カセットにウエハを搬送した。その後、処理したウエハ表面に水溶性のチャージアップ防止剤を塗布したところ、良好な塗布性を確認した。次いで、このチャージアップ防止剤(昭和電工社製エスペイサー)を塗布したウエハを基板として、通常の方法で電子線露光し、現像したところ、0.1μm以下のレジスト膜減り量で、0.5μmのライン・アンド・スペースパターンが良好に形成できていることが確認された。
この例では、SiON基板の表面処理を説明する。
図8に示した実施例1の表面処理装置を用いて、出口側ウエハカセットからSiONを製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、エキシマランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、露光時間を変えて全面照射した。この際、露光雰囲気は空気とした。照射後、出口側カセットにウエハを搬送した。XPS分析装置にてSiON表面の原子数比を測定したところ、表1のようになった。この表より、残留アミン系のNや、不純物系のCが減少し、酸素が増加しており、SiONの表面を効果的に光洗浄できていることがわかった。また、このエキシマ光の照射では通常の低圧水銀ランプで照射した際に起こる基板の加熱も起こらないことが確認できた。
この例では、SOG層間絶縁膜の常温SiO2 化を説明する。
図8に示した実施例1の表面処理装置を用いて、入口側ウエハカセットから米国ダウコーニング社製のFOX(ポリ水素シルセスキオキサン)層間絶縁膜をスピンコートしたSiウエハをホットプレート上に搬送し、エキシマランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、照射時間を変えてウエハ全面に照射した。この際、照射雰囲気は乾燥空気とした。照射後、出口側カセットにウエハを搬送した。IR分析装置により絶縁膜のSi−H量を測定したところ、表2のようになった。この表より、常温でSi−Hが減少しており、効率的にシリコーン樹脂系絶縁膜がSiO2 化しているのが確認できた。通常この膜はSiO2 化するのに400℃以上の加熱が必要であるが、本発明の処理方法を採用することで常温で同様の効果が得られることが確認された。
ここでは、フッ化カーボン上でのレジストパターンの形成を説明する。
図9に示した実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットから米国ゴア社製ポリテトラフルオロエチレン系層間絶縁膜(誘電率=1.8)をスピンコートしたSiウエハを表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、エキシマランプをウエハ面から1 mmの距離に近づけ、室温の空気中で全面照射した(露光量600 mJ/cm2 )。照射後、ウエハをコーターカップに搬送し、日本ゼオン社製のZIR−S185型ノボラックレジストをスピンコートし、その後ウエハをホットプレートに搬送して100℃で1分間ベーキングし、出口側ウエハカセットに搬送した。このウエハをi線ステッパにて選択露光した後、通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で現像し、0.4μmのライン・アンド・スペースパターンを形成できた。
この例では、ドライエッチングによる2層レジスト法を説明する。
アルミニウム膜を形成したシリコンウエハ上に、平坦化層 (シブレー社製SAL-601 レジスト) を2μm塗布し、90℃でプリベーク後、ウシオ電機社製のUER200-172のXe2 エキシマレーザ光を3mmの照射距離で3分間全面照射後、110℃で2分間ベーク処理した。その後、このレジスト膜上に上層レジスト (トリメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン) を0.2μm塗布し、プリベークを行った。次に、電子線露光と有機現像液(メチルイソブチルケトン)での現像を行い、上層のみ1μmのライン・アンド・スペースをパターニングした。
ここでも、ドライエッチングによる2層レジスト法を説明する。
アルミニウム膜を形成したシリコンウエハ上に、平坦化層 (シブレー社製MP-1300 レジスト) を2μm塗布し、90℃でプリベーク後、ウシオ電機社製のUER200-172のXe2 エキシマレーザ光を全面照射し、その後この上に上層レジスト (トリメチルシリル化ポリメチルシルセスキオキサン) を0.2μm塗布し、プリベークを行った。次に電子線露光と有機現像液での現像を行い、上層のみ1μmのライン・アンド・スペースをパターニングした。
ここでは、ドライエッチングによる3層レジスト法を説明する。
アルミニウム膜を形成したシリコンウエハ上に、平坦化層 (シブレー社製MP-1300 レジスト) を2μm塗布し、90℃でプリベーク後、ウシオ電機社製UER200-172のXe2 エキシマレーザ光を全面照射し、その後、この上にポリビニルフェニルシルセスキオキサンを0.2μm塗布し、露光により硬化後、この上にMP-1300 レジストを製膜し、紫外線露光及びアルカリ現像を行って、上層のみ1μmのライン・アンド・スペースをパターニングした。
この例では、ウエットエッチングによる2層レジスト法を説明する。
シリコンウエハ上に日本ゼオン社製CMR レジストを0.4 μm塗布し、180 ℃でプリベーク後、上層として日本ゼオン社製ZIR-S185型フォトレジストの0.5 μmのパターンをi線露光にて形成した。次に、このウエハにウシオ電機社製UER200-172のXe2 エキシマレーザ光を照射距離3mmで1分間全面照射後、現像したところ、上層レジストパターンを下層に短時間照射で転写できた。
ここでは、SiON基板上での化学増幅レジストパターンの形成を説明する。
図9に示したような実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットからSiONを製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、常温及び空気中で1分間Xe2 エキシマレーザ光を全面照射した(露光量600 mJ/cm2 )。このウエハ上に、日本合成ゴム社製K2G化学増幅型ポジ型レジストをスピンコートし、80℃で90秒間ベーキングした。このウエハをKrFエキシマレーザステッパにて選択露光した後、 100℃にて90秒間ベークを行い、そして通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて60秒間現像した。形成したレジストパターン断面を観察したところ、0.25μmライン・アンド・スペースパターンを裾引きなしに解像できた。
ここでは、ポリシラザン系絶縁膜基板上での化学増幅レジストパターンの形成を説明する。
図9に示したような実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットから触媒化成社製BLN-Q(ポリシラザン系材料) 層間絶縁膜を製膜したSiウエハをホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から1mmの距離に近づけ、600mJ/cm2の露光量で1分間Xe2 エキシマ光を全面照射した。この際、オゾンを1リットル/min の流量で露光雰囲気に導入し、基板を200 ℃に加熱した。照射後、ウエハをコータカップに搬送し、実施例9と同様のノボラックレジストをスピンコートし、その後ウエハをホットプレートに搬送して100 ℃で1 分間ベーキングし、そして出口側ウエハカセットに搬送した。続いて、このウエハをKrF エキシマレーザ光にて選択露光した後、直ちに110 ℃にて1分間ベークを行い、通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて現像した。形成したレジストパターン断面を観察したところ、基板界面で裾引きを起こすことなく、0.25μmのライン・アンド・スペースパターンを解像できた。
この例においては、化学増幅レジストの露光後引き置きパターン形成を説明する。
シリコンウエハ上に、日本合成ゴム社製K2G化学増幅型ポジ型レジストをスピンコートし、80℃で90秒間ベーキングした後、KrF エキシマレーザステッパにて選択露光した。その後アンモニア濃度30 ppbの雰囲気で10時間放置し、実施例1の表面処理装置を用いて、Xe2 エキシマランプをウエハ面から5mmの距離に近づけて1秒間全面照射した。その後、100 ℃にて90秒間ベークを行い、そして通常通り2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて60秒間現像した。形成したレジストパターン断面を観察したところ、表面難溶解層 (T−トップ) を発生することなく、0.25μmのライン・アンド・スペースパターンを解像出来た。
ここでは、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理基板上での化学増幅レジストパターンの形成を説明する。
実施例2の装置を用い、入口側ウエハカセットからHMDS処理したSiウエハを表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、ここでXe2 エキシマランプをウエハ面から3mmの距離に近づけ、常温、空気中で1分間全面照射した(露光量600 mJ/cm2 )。照射後、ウエハをコータカップに搬送し、市販の化学増幅型ポジ型レジスト(日本合成ゴム社製K2G)をスピンコートし、その後ウエハをホットプレートに搬送して100 ℃で1分間ベーキングし、次いで出口側ウエハカセットに搬送した。このウエハをKrF エキシマレーザステッパにて選択露光した後、通常のクリーンルーム中で120分間放置した。
この例においては、レジストパターンのアッシングを説明する。
日本ゼオン社製のZEP-520 型電子線レジストで膜厚0.3 μmのレジストパターンを形成したフォトマスク基板を、実施例1の装置を用い出口側ウエハカセットから表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から0.3 mmの距離に近づけ、酸素雰囲気中で10分間Xe2 エキシマ光を全面照射した。照射後、基板を出口側ウエハカセットに搬送した。その後、基板表面を観察したところ、レジストパターンを確実に除去できていることがわかった。
ここでは、レジストパターンの残渣除去を説明する。
日本ゼオン社製のZEP-520 型電子線レジストで膜厚0.4 μmのレジストパターンを形成したフォトマスク基板を、実施例1の装置を用い出口側ウエハカセットから表面処理チャンバ内のホットプレート上に搬送し、ここでランプをウエハ面から0.3 mmの距離に近づけ、空気中で1分間Xe2 エキシマ光を全面照射した。照射後、基板を出口側ウエハカセットに搬送した。その後、基板表面を観察したところ、照射処理前にレジストパターン間及びパターンエッジに存在したスカムを除去できていることがわかった。
ここでは、ノボラックレジストの親水化処理を説明する。
シリコンウエハ上に日本ゼオン社製ZIR-S185レジストをスピンコートし、100 ℃で1分間ベーキング後、i線ステッパにて選択露光した。その後、実施例1の表面処理装置を用いて、ランプをウエハ面から5mmの距離に近づけXe2 エキシマ光を10秒間全面照射した。続いて、2.38%のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液にて60秒間現像した。形成したレジストパターンを米国KLA 社製のウエハ検査装置にて観察したところ、エキシマ光を照射しないウエハを使って同様にパターニングしたレジストパターンで見られるマイクロバブルによる現像不良率が1/100 以下に改善されたことが確認できた。
ここでは、MRヘッド用のMR素子のリフトオフ法での製作を説明する。
図16(a)に示すように、支持材161の上にアルミナ層162を設け、その上にNiFeの下部シールド層163とアルミナの下部ギャップ層164を順次形成し、更に下部ギャップ層164の上にMR素子を形成するためのMR膜165を備えた基板を用意する。次に、基板表面のMR膜165をパターニングして、図16(b)に示すようにMR素子166を形成する。続いて、基板の下部ギャップ層164の上に、マスク167を利用して端子168を形成し(図16(c))、そしてリフトオフによりマスク167を除去する(図16(d))。その後、イオンミリングにより下部シールド層163及び下部ギャップ層164のパターニングを行って下部シールド163’と下部ギャップ164’を形成する(図16(e))。一方、図17に示すように、まず図16(a)に示した基板の第一のパターニングを行って下部シールド163’と下部ギャップ164’を形成し(図17(a))、続いてMR素子166の形成とリフトオフによる端子168の形成(図17(b))後、下部シールド163’と下部ギャップ164’の第二のパターニングを行って、最終的な形状の下部シールド163”と下部ギャップ164”を形成しても何らさしつかえない。
実施例21と同様に、下部シールド、下部MRギャップ及びMR素子を形成した基板上に端子を形成したが、ここではMR素子のパターニングをレジストパターン形成後に行った例を、図18、19を参照して示す。なお、図18と19においては、下部シールド層の下にある支持材とアルミナ層は、説明を簡単にするため割愛されている。
12、33’、50’、62、168 端子
21、41、161 支持材
22、42、162 アルミナ層
23、43、163 下部シールド層
24、44、164 下部ギャップ層
26、46、63 第1層レジスト膜
27、48 単色光
29、47、64 第2層レジスト膜
33、50 端子形成材料膜
81、91、101、111 表面処理チャンバ
82、92、102、112 ホットプレート
83、93、103、113 エキシマランプ
84、94、104、114 入口側ウエハカセット
85、95、105、115 出口側ウエハカセット
87、97、107、117 オゾン発生器
98 コーターカップ
99 ホットプレート
108 CVDチャンバ
118 現像カップ
Claims (3)
- 被処理基板上に塗布したレジストが電子線レジストであって、該電子線レジスト層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該電子線レジスト層上に水溶性のチャージアップ防止剤を塗布する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
- 被処理基板がポリ水素シルセスキオキサンからなる絶縁層であって、該絶縁層にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、該絶縁層表面をSiO2化する工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
- 被処理基板上に塗布した層間絶縁膜がフッ化カーボン系絶縁層であって、該絶縁膜にエキシマランプを用いて遠紫外から真空紫外領域の波長で半値幅30nm以下の単色光を全面照射し、レジスト層をコーティングする工程を含むことを特徴とする微細加工方法。
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