JP4219222B2 - コイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体及びコイル状に巻かれた筒状製品の輸送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体及びコイル状に巻かれた筒状製品の輸送方法にかかわり、更に詳しくは例えば、長尺状のホース等をコイル状に巻いた筒状製品を多段積みして輸送する際に、筒状製品の内面形状を保持すると共に、荷崩れを起こさずに形状を保持して安心した荷姿で輸送することが出来るコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体及びコイル状に巻かれた筒状製品の輸送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、帯状,線状またはホース等のパイプ状の長尺状製品をコイル状に巻付けて所定の径で、所定の高さに形成した筒状製品を多段積みして輸送する場合、各筒状製品を縄や紐またはシート状のテープ等により縛って梱包した後、多段積みした全体の筒状製品を同様な方法により梱包し、更に多段積みした製品が荷崩れしないように、筒状製品の中空部に樹脂材料や硬質材料により形成した芯材を挿入して輸送する方法が行われていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−337968号公報(第2〜第4頁、図2(a)〜(d))
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、従来の輸送方法は、梱包作業及び多段積みして梱包するのに多くの手間と時間がかかり、また安定した荷姿で輸送することが難しく、重量が大きい筒状製品の場合には、危険を伴うことがあり、更に芯材を使用する場合には、芯材を製作するのに多大な費用がかかる上に、樹脂材料や硬質材料により形成した芯材を用いた場合には、再利用することが難しい上に、輸送後に於ける廃棄処理に多くの手間と費用が掛かると言う問題があった。
【0005】
この発明は、かかる従来の問題点に着目して案出されたもので、簡単な構成の芯体を使用することにより、安全に、しかも安定した荷姿で輸送することが出来、更に梱包作業も容易である上、繰返し使用することが可能なコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体及びコイル状に巻かれた筒状製品の輸送方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するため、この発明のコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体は、帯状,線状またはパイプ状の長尺状製品をコイル状に巻付けて筒状に形成した筒状製品の中空内部に、膨張,収縮可能な可撓性の袋体から成る芯体を挿入し、該芯体に気体を導入して膨張させることにより筒状製品の内面形状を保持すると共に、輸送時の筒状製品の荷姿形状保持する輸送用芯体であって、前記芯体は、筒状製品の内周形状に沿った形状に形成して成る可撓性の袋体の一部に気体の注入,排出口を少なくとも一個以上設け、該袋体は、上面部と下面部と、側面部とから成り、側面部の強度を、上面部及び下面部よりも小さく成るように構成すると共に、気体注入時に側面部が上面部及び下面部よりも膨出するように構成したことを要旨とするものである。
【0007】
ここで、前記袋体は、膨張時に筒状製品の中空内容積よりも10〜20%大きくなるように形成し、また膨張時にその長手方向に複数の仕切り部屋を区画して設け、各仕切り部屋に、それぞれ気体の注入,排出口を設けることも可能である。
【0008】
また、前記袋体は、ゴム引き布,ゴムシート,樹脂シートから選ばれた一つ、またはこれらの組み合わせにより構成し、また、前記筒状製品は、円形,楕円形または多角形から選ばれた一つの筒状製品を使用するものである。
【0009】
また、この発明のコイル状に巻かれた筒状製品の輸送方法は、予め筒状に形成した筒状製品の中空部内に、この筒状製品の内周形状に沿った形状に形成して成る可撓性の袋体の一部に気体の注入,排出口を少なくとも一個以上設けると共に側面部の強度を上面部及び下面部より小さく成るように構成した膨張、収縮可能な芯体を気体を抜いた状態で挿入し、前記袋体内に所定の圧力で気体を注入して袋体の側面部を上面部及び下面部よりも膨出させて筒状製品の内面形状に沿って保持させ、この状態で筒状製品を輸送し、輸送後に前記袋体内から気体を排出させることを要旨とするものである。
【0010】
このように、多段積みした筒状製品の輸送時に、該筒状製品の中空部内に膨張,収縮可能な可撓性袋から成る芯体を挿入し、該芯体に気体を導入して膨張させることにより筒状製品の内面形状を保持すると共に、輸送時の筒状製品の形状を保持するようにしたので、安全に、しかも安定した荷姿で輸送することが出来、更に梱包作業も容易である上、繰返し使用することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づきこの発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、この発明を実施したコイル状に巻かれた筒状製品の輸送状態を示す斜視図を示し、この実施形態では、長尺状のホース等をコイル状に巻いた円筒状の製品を4段積みして輸送する場合を示している。
【0013】
前記各筒状製品Wは、規定された大きさ(径)と高さで円筒状に巻付けられ、外周部を複数本の紐状部材1aにより束ねている。このような筒状製品Wを複数個直列に積み上げて輸送する場合、全体を紐状部材1bにより束ねるが、輸送時の振動や、車両の揺れ等で崩れる場合があるため、この発明では、多段積した筒状製品Wの中空部2内に、図2〜図4に示すような膨張,収縮可能な可撓性の袋体から成る芯体3を挿入し、該芯体3にエアー等の気体を導入して膨張させることにより筒状製品Wの内面形状を保持すると共に、輸送時の筒状製品Wの荷姿形状を保持するものである。
【0014】
前記芯体3は、筒状製品Wの内周形状に沿った形状に形成して成る可撓性の袋体4の一部に、気体の注入,排出口8を少なくとも一個以上設け、袋体4は、膨張時に筒状製品Wの中空内容積よりも10〜20%大きくなるように形成することで、筒状製品Wの内面形状を保持させることが出来る。
【0015】
また袋体4は、ゴム引き布,ゴムシート,樹脂シートから選ばれた一つ、またはこれらの組み合わせにより構成し、上面部5aと下面部5bと、側面部6とで一体的に形成され、側面部6の強度、例えば、シートの厚さを、上面部5a及び下面部5bよりも小さく(厚さを薄く)するように構成することで、気体注入時に側面部6が上面部5a及び下面部5bよりも膨出し、筒状製品Wの内面形状を保持させることが出来ることが出来るものである。
【0016】
なお、袋体4の上面部5a、下面部5b、側面部6の強度を、材質の硬さや伸びで変えるようにしても良い。
【0017】
更に、芯体3の他の実施形態としては、多段積みする筒状製品Wの高さに対応させて、芯体3の長さを調整出来るように、図2及び図3に示すように、袋体4の長手方向に仕切り部材7を介して複数の仕切り部屋7a〜7eを区画形成し、その各仕切り部屋7a〜7eに、それぞれ気体の注入,排出口8a〜8eを設け、必要な長さだけ膨張させるように構成することも可能である。
【0018】
また、多段積みする筒状製品Wとしては、上記の実施形態のように円筒状の筒状製品Wに限定されず、例えば、図5に示すような方形状の筒状製品Waや、図6に示すような三角形状の筒状製品Wb等にも適用することが出来、この場合には、袋体4の形態は、予め方形状の筒状製品Waの中空部や三角形状の筒状製品Wbの中空部に対応するような形状に形成する必要がある。
【0019】
なお、その他の形状の筒状製品、例えば、楕円状の筒状製品や六角形状の筒状製品等にも適用出来ることは言うまでもない。
【0020】
以上のように、この発明の実施形態では、筒状製品Wを複数個直列に積み上げて輸送する場合に、その多段積みした筒状製品Wの中空部2内全体に、気体を抜いた状態の芯体3を構成する可撓性の袋体4を挿入し、この袋体4内に所定の圧力で気体を注入して膨張させることにより、筒状製品Wの内面形状を保持することが出来ると共に、輸送時の筒状製品Wの形状を保持することが出来るものである。
【0021】
これにより、輸送時には筒状製品Wを安定した荷姿で輸送することが出来、更に梱包作業も容易である。また輸送後には、袋体4内から気体を排出させることで繰返し使用することが可能であり、更に複数の仕切り部屋7a〜7eを備えた袋体4を使用する場合には、積み荷の高さに対応して安全に輸送することも可能である。
【0022】
【発明の効果】
この発明は、上記のように芯体は、筒状製品の内周形状に沿った形状に形成して成る可撓性の袋体の一部に気体の注入,排出口を少なくとも一個以上設け、該袋体は、上面部と下面部と、側面部とから成り、側面部の強度を、上面部及び下面部よりも小さく成るように構成すると共に、気体注入時に側面部が上面部及び下面部よりも膨出するように構成し、予め筒状に形成した筒状製品の中空部内に、この筒状製品の内周形状に沿った形状に形成して成る可撓性の袋体の一部に気体の注入,排出口を少なくとも一個以上設けると共に側面部の強度を上面部及び下面部より小さく成るように構成した膨張、収縮可能な芯体を気体を抜いた状態で挿入し、前記袋体内に所定の圧力で気体を注入して袋体の側面部を上面部及び下面部よりも膨出させて筒状製品の内面形状に沿って保持させ、この状態で筒状製品を輸送し、輸送後に前記袋体内から気体を排出させるようにしたので、簡単な構成で安価に製造でき、また安全に、しかも安定した荷姿で輸送することが出来、更に梱包作業も容易である上、繰返し使用することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施したコイル状に巻かれた筒状製品の輸送状態を示す斜視図である。
【図2】筒状製品の中空部に挿入する芯体を膨張させた時の袋体の斜視図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】芯体から気体を抜いた状態の斜視図である。
【図5】筒状製品の他の実施形態を示す斜視図である。
【図6】筒状製品の他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
W,Wa,Wb 筒状製品
1a,1b 紐状部材
2 中空部
3 芯体
4 袋体
5a 上面部
5b 下面部
6 側面部
7 仕切り部材
7a〜7e 仕切り部屋
8,8a〜8e 注入、排出口
Claims (6)
- 帯状,線状またはパイプ状の長尺状製品をコイル状に巻付けて筒状に形成した筒状製品の中空内部に、膨張,収縮可能な可撓性の袋体から成る芯体を挿入し、該芯体に気体を導入して膨張させることにより筒状製品の内面形状を保持すると共に、輸送時の筒状製品の荷姿形状保持するコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体であって、
前記芯体は、筒状製品の内周形状に沿った形状に形成して成る可撓性の袋体の一部に、気体の注入,排出口を少なくとも一個以上設け、該袋体は、上面部と下面部と、側面部とから成り、側面部の強度を、上面部及び下面部よりも小さく成るように構成すると共に、気体注入時に側面部が上面部及び下面部よりも膨出するように構成したことを特徴とするコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体。 - 前記袋体は、膨張時に筒状製品の中空内容積よりも10〜20%大きくなるように形成した請求項1に記載のコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体。
- 前記袋体は、膨張時にその長手方向に複数の仕切り部屋を区画して設け、各仕切り部屋に、それぞれ気体の注入,排出口を設けた請求項1または2に記載のコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体。
- 前記袋体は、ゴム引き布,ゴムシート,樹脂シートから選ばれた一つ、またはこれらの組み合わせにより構成した請求項1,2または3に記載のコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体。
- 前記筒状製品は、円形,楕円形または多角形から選ばれた一つの筒状製品である請求項1,2,3または4に記載のコイル状に巻かれた筒状製品の輸送用芯体。
- 予め筒状に形成した筒状製品の中空部内に、この筒状製品の内周形状に沿った形状に形成して成る可撓性の袋体の一部に気体の注入,排出口を少なくとも一個以上設けると共に側面部の強度を上面部及び下面部より小さく成るように構成した膨張、収縮可能な芯体を気体を抜いた状態で挿入し、前記袋体内に所定の圧力で気体を注入して袋体の側面部を上面部及び下面部よりも膨出させて筒状製品の内面形状に沿って保持させ、この状態で筒状製品を輸送し、輸送後に前記袋体内から気体を排出させることを特徴とするコイル状に巻かれた筒状製品の輸送方法。
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- 2003-06-26 JP JP2003182421A patent/JP4219222B2/ja not_active Expired - Fee Related
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