JP4219018B2 - 光半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光半導体装置およびこれを実装した光半導体モジュールに関するもので、特に光半導体装置の構造を薄くし、この薄い側面から光を射出(または入射)させるものであり、これらを用いた機器の小型化・薄型化を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、サブノートパソコン、携帯情報端末、電子スチルカメラ等のマルチメディア機器がめざましい発展を遂げている。
【0003】
しかも携帯機器は、年間700万台も販売され、約8割がIrDA(Infra redData Association)規格の赤外線方式を採用している。つまり外部機器と本体との赤外線信号を介した送受信が必要で、そこには、赤外線を発光する発光素子、赤外線を受光する受光素子が必要となってくる。
【0004】
またMDやCD等の光学式記録再生装置で用いられる光学ヘッドは、光学記録媒体へビームを照射して光学記録媒体からの変調されたビームを検出することにより、情報の記録や再生を行う。やはりここでも発光素子、受光素子が必要となってくる。
【0005】
しかしこれら発光素子、受光素子は、小型化が実現されていない。例えば、図5は、特公平7−28085号公報の技術を説明するもので、半導体レーザ1が半導体基板2に直接配置され、断面形状が台形のプリズム3が半導体基板2に固定されている。なお図番4は、光学記録媒体である。半導体レーザ1と対向しているプリズム3の傾斜面5は半透過反射面で、半導体基板2と対接しているプリズム面6は、光検出器(受光素子)7以外の部分が、また面6と対向しているプリズム面8は、共に反射面となっている。
【0006】
半導体レーザ1から発光され、傾斜面5からプリズム3に入射したビーム9は、反射面6と8で反射されてから、光検出器7で検出される。
【0007】
一方、図6は、赤外線データ通信モジュール11で、赤外線LED、LEDドライバ、PINフォトダイオード、アンプ等が内蔵されている。例えば基板に前記LED12が実装され、ここから射出される光は、レンズ13を介して外部へ放出される。また前記基板に実装されたフォトダイオード14には、レンズ15を介してモールド11内に入射される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述のモジュールに於いて、図5では半導体基板の上方に光学機器が実装されるため、非常に高度な技術が必要となり、価格も高価となる問題があった。また図6では、モールド体の上で光の出し入れが必要となり、対向位置にもう一つの光半導体装置をセットする必要があるため、これらを組み込んだセットは、厚みを有し小型化が実現できない問題があった。
【0009】
また図6で光の出し入れを水平方向にしようとすれば、図7のように光半導体装置11のリード16を90度に折り曲げなければ成らず、リード11の曲げ方によってはこの光半導体装置11の位置固定、安定性に問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光半導体装置は、Cuより成り、傾斜部および底部を有する集光板となる下に凸の第1のカップ形状部を持ったアイランドと、前記底部に固着された発光面を有する半導体チップと、傾斜部および底部を有し上に凸の第2のカップ形状部を持ち、前記第2のカップ形状部の底面に開口部が設けられ、前記アイランドに固着された反射板と、前記半導体チップ、前記アイランドおよび前記反射板を封止し、前記半導体チップから発光される光に対して透明な樹脂から成る封止体と、を有することを特徴とする。
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】
【0014】
図1および図2を参照して、参考例を説明する。
図1(a)は光半導体装置の平面図、図1(b)は前記平面図のA−A線に於ける断面図である。
【0015】
まず基板20がある。基板20は、アイランド21とリード22により構成され、ここではCuより成り、この上に発光面を有する半導体チップ23が半田等の固着手段を介して固定されている。半導体チップ23は、例えば赤外LED、レーザ等の発光素子であり、駆動回路が一体になっていても良い。赤外線LEDは、チップの上面から上に出るため図1のようにアイランドに水平に配置される。半導体チップ23の周囲には、ボンディングパッドが形成され、これに対応して、チップの周囲から外部へ複数のリード22が延在され、この間を金属細線で接続している。
【0016】
これらの構造は封止体25によって封止されている。ここで封止材としては例えば透明なエポキシ材料のような、光に対して透明な物質で有ればよく、材料は特に選ばない。またLEDでは、一般的に光は、赤外線であるので、この赤外線を透過する樹脂であればよい。つまり所定の光に対して少なくとも透過であれば良い。そしてこの封止体25には、反射面26を持つ溝27が設けられている。本発明の特徴は、前記反射面26にあり、この反射面は封止体25に溝を形成することで構成され、これにより矢印で示すように封止体25の側面28から光の射出が可能となる。
【0017】
一般には、発光部を構成する半導体チップは、この上に、プリズムやレンズを構成して半導体装置となるため、これを使用したモジュールやセットは、セット自身の縦方向の厚みが厚くなり、しかもこの上や周辺に光学機器が配置されるため、薄型・小型が難しかった。しかし封止体の溝の一部分である反射面26により、封止体の側面28から光の出し入れが可能となるため、プリズムは不要であるし、レンズが必要で有れば、この側面28に凸状のレンズを一体成型することも可能であるし、ここに別途レンズを取り付けても良い。従って装置自身の厚みを薄くすることができる。
【0018】
基板20はCuより成り、厚さは、約0.125mmで、半導体チップ23の厚みは、例えば250〜300μm程度である。また封止体25は、例えばトランスファーモールドにより成され、全体の厚みは、約1mm〜1.5mmである。当然チップの厚みが薄くなれば、更に薄くできる事は言うまでもない。また金型にも溝を形成する部分が設けられており、透明の樹脂封止体で半導体チップをトランスファーモールドした際に、溝が同時に形成される。
【0019】
ここで溝27は、半導体チップを露出することなく、反射面が構成されればよく、例えば厚みの半分程度、ここでは750μm程度の深さを有し、少なくとも反射面26を構成する部分は例えば45°に成っている。ここの反射面は、界面の両側の空気と透明樹脂の屈折率の違いにより、反射面となる。
【0020】
アイランド21は、光を上方に飛ばすために、半導体チップ23が設置されている部分を底部としたカップ状になっている。カップの形状を理解しやすくするための斜視図を図1(c)に示す。このカップは、側面が斜めに形成され、上方以外に飛んだ光をこの傾斜部分で集光して効率よく上方へ飛ばしている。例えば携帯用ランプの豆球の周囲に形成されている集光板の様な働きをする。カップの形状は、円形を例示したが、もちろんこれにとらわれるものではなく、半導体チップ23の形状に合わせ、楕円形や、方形などでもよい。また、基板20及びアイランド21は本実施形態においては、Cuであるが、光を反射可能で、半導体チップ23を保持できればどのようなものでもよく、他の金属でももちろん良い。さらに例えばセラミック基板に上記カップの内面に金属メッキを施す等してもよいが、金属基板であればプレスによって整形でき、また、Cuであれば安価である。
【0021】
次に、図2について説明する。図2(a)は、図1(b)と同様の断面図である。アイランド21上に半導体チップ23の上方に延在する反射板30が設置されている。反射板30はアイランド21と同様の材質であり、アイランド21に半田などの固着手段を用いて固着されている。図2(b)は反射板30の形状を理解しやすくするための斜視図である。反射板30は光路となる側面28よりも遠い側に設けられており、側面が傾斜している。半導体チップ23より発した光のうち、反射板30の方向に発した光は、反射板30によって反射され、封止体25の側面28から発射される。これによって、半導体チップ23の光をさらに効率よく光半導体装置から発射することができる。
【0022】
反射板30の形状は、図示した形状に限らず、平板、凹面などでもよい。
【0023】
本実施形態において、反射板30は、別途用意した基板20のアイランド21のカップの一部を切り取り、これを半田によってアイランド21に固着している。このようにして作れば、アイランド21と同じ曲率の反射板30を得るために、アイランド21の型が流用でき、別途型を製造する必要がないので、効率がよい。
【0024】
次に図3を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図3は、図1(b)と同様の断面図である。アイランド21上に半導体チップ23の上方に延在する反射板31が設置されている。反射板31はアイランド21と同様の材質であり、アイランド21に半田などの固着手段を用いて固着されている。図3(b)は反射板31の形状を理解しやすくするための斜視図である。本実施形態の反射板31は、底を開口したカップを上下逆にしてアイランド21のカップに固着している。これによって、半導体チップ23から放出される光のうち、上方に放出された光のみを光半導体装置から発射することができ、光の集光性が向上する。
【0025】
一般的にIrDA等の赤外線通信は、発光と受光の両方の素子を必要とする。当然、これらの素子を両方とも備えていた方が効率がよい。図4はそのような光半導体装置の平面図を示している。図1と同様の構造は同じ番号を付し、説明を省略する。
【0026】
半導体チップ24は、受光面を有するフォトセンサ、例えばPINダイオード等であり、やはりこのPINダイオードの駆動回路が一体のものでよいし、更にはLEDやレーザの駆動回路が一体で構成されても良い。これらの半導体チップの周囲には、ボンディングパッドが形成され、これに対応して、チップの周囲から外部へ複数のリード22が延在され、この間を金属細線で接続している。
【0027】
半導体チップ24にも図2、図3に示したような反射板を設けることができる。受光素子である半導体チップ24にこのような反射板を設けると、予定外の方向から入射する、信号ではない光を検知して光半導体装置が誤動作することを防止できる。また、発光素子23と受光素子24を同時に使用する場合、図3に示したような反射板31が両方の素子に設置されていると、発光素子23の光が直接受光素子24に入射する誤動作が起こりにくくなる。
【0028】
一方、アイランド21は、二つで成っているが、一体で構成しても良い。また樹脂封止体25は、二つの半導体チップを一体でモールドしているが、個別でも良い。当然、一つのアイランドに二つの半導体チップを固着し、各々を個別にモールドしても良いし、更には、金属基板を別にしてディスクリート部品のように個別モールドしても良い。
【0029】
また側面28には、球面もしくは楕円を切ったレンズを設けてもよい。この光半導体装置は、IrDA用に形成されたもので、受光素子が形成されている所のレンズは、外部からの光信号を効率よく、受光素子の光検出領域に光が当たるように設計される。発光素子が形成されているところのレンズは、発光された光を、別の光半導体装置の検出領域に到達させるように設計される。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、発光面を有する半導体チップと、前記半導体チップを設置する金属基板と、前記半導体チップ及び前記金属基板を封止する封止体と、前記発光面の垂線と所定の角度で交差し、前記封止体に設けられる反射面とを有し、光の光路は、前記発光面より発し、前記反射面を介して曲折され、封止体の側面より発射され、前記半導体チップより発した光の一部は前記反射板において反射されることを特徴とする光半導体装置であるので、封止体に反射面を設けることで、この光半導体装置を水平に置いたまま、入射光または射出光を水平にすることが出来るため、光半導体装置を小型化、薄型化できると共に、光路の位置精度が向上し、しかも対向位置にこれらの光半導体装置を置けば、光通信が水平方向で可能となる。また、前記金属基板上に、前記半導体チップの上方に延在する反射板を有するので、半導体チップより発した光を効率よく光半導体装置から放出することができる。光の放出の効率が上がることによって、光通信の感度が増すので、光通信可能な距離が増大する。また、通信距離が一定であれば発光強度を弱めても通信可能であるので、省電力化ができ、電池による携帯機器の駆動時間が増大する。
【0031】
更に、本発明によれば、さらに、前記反射板は前記光路上の前記封止体の側面から遠い領域で、前記半導体チップの上方に延在しているので、反射板に反射した光の一部は直接光半導体装置から発射され、光のロスが少なく、光の放出の効率を増大することができる。
【0032】
更にまた、本発明によれば、さらに、前記金属基板は、凹部を有し、前記半導体チップは前記凹部の底に設置されており、前記半導体チップより発する光の一部は、前記金属基板の凹部の側面によって屈曲されるので、光の放出の効率を増大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である光半導体装置の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態である光半導体装置の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態である光半導体装置の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態である光半導体装置の説明図である。
【図5】従来の光半導体装置の概略図である。
【図6】従来の光半導体装置の概略図である。
【図7】従来の光半導体装置をサーキットボードの取り付けた図である。
Claims (2)
- Cuより成り、傾斜部および底部を有する集光板となる下に凸の第1のカップ形状部を持ったアイランドと、
前記底部に固着された発光面を有する半導体チップと、
傾斜部および底部を有し上に凸の第2のカップ形状部を持ち、前記第2のカップ形状部の底面に開口部が設けられ、前記アイランドに固着された反射板と、
前記半導体チップ、前記アイランドおよび前記反射板を封止し、前記半導体チップから発光される光に対して透明な樹脂から成る封止体と、を有することを特徴とする光半導体装置。 - 前記反射板は、アイランドの一部を切り取りすることにより成ることを特徴とする請求項1に記載の光半導体装置。
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