JP4218985B2 - ヒトサイトメガロウイルス(cmv)を検出するためのペプチド試薬 - Google Patents

ヒトサイトメガロウイルス(cmv)を検出するためのペプチド試薬 Download PDF

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Description

本発明は、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)に対する抗体類に免疫化学的に反応性であるペプチド類と、前記ペプチド類に対する(モノクローナル)抗体類と、さらにモノクローナル抗体類を産生できる細胞系とを含有しているペプチド試薬に関する。本発明はさらに、CMVの(直接的)検出方法又はCMVに対する抗体類の(間接的)検出方法に関する。
サイトメガロウイルス(CMV)は、年齢及び社会経済状態に依存して全人類の50〜100%を感染させる、世界的に分布するヒトヘルペスウイルス科に属するウイルスである。
CMVは、自然に唾液、尿又は乳汁を通して媒介されるが、さらに他の身体分泌物から回収されることもある。さらに、CMVは分娩又は性交中の尿生殖器接触によって経胎盤性で胎児へ媒介されたり、輸血(特に白血球)及び骨髄ないしは臓器移植によって媒介されることがある。
一次感染後、CMVは動的潜伏期の状態でその宿主の生涯に渡って身体内で持続し、宿主免疫系によって良好に制御され、様々な部位及び身体分泌物から定期的に回収されることがある。
一般には良性であるが、移植レシピエント、エイズ患者、遺伝的に決定された免疫不全症を有する患者のような免疫欠損を有する個人及び未熟免疫系を持つ新生児においてはCMV感染症が破壊的及び致死的となることがある。
ウイルスDNA複製に影響を及ぼす薬剤を用いる治療的介入が可能ではあるが、これには重大な毒性が結び付いている。CMV感染症を制御するためのもう1つの有効な方法は、ワクチン接種、免疫グロブリン若しくはT細胞を用いた受動免疫療法又は免疫抑制療法の操作によって達成できる宿主免疫の変調である。
CMVを原因とする活動性(症候性)感染症の同定及び監視は、臨床パラメーターだけを基礎にして行うことができないため−それらが多様かつ不定であるため−、迅速かつ正確な検査室診断に大きく依存している。
CMV特異的診断は、ウイルス成分を直接に検出する又は宿主免疫状態における変化を間接的に測定する様々な方法によって達成できる。確実な診断アプローチには、明瞭に定義された高度にCMV特異的な試薬を基礎とする感受性かつ再現性のテクノロジー及びヒト宿主におけるCMV感染症の基礎となる分子プロセスに関する詳細な理解が必要とされる。
CMVは230−270キロベースのゲノムを持つヒトヘルペスウイルス科に属する最大で最も複雑なウイルスである。
ヘルペスウイルスに特徴的なことに、CMVビリオンの構造成分は、タンパク質−DNAコアと、162キャプソメアのサブユニットから構成される正二十面体キャプシドと、テグメント(外皮)と呼ばれる無定形タンパク質層さらにウイルス感染性のために不可欠な周囲プロテオリピッド・エンベロープとを含んでいる。
in vivo CMVは相違するレベルのウイルス遺伝子発現をもつ様々な宿主細胞及び組織において所見できるが、in vitroでの有効な遺伝子発現及びウイルスDNA複製はヒト起源の一次線維芽細胞においてのみ可能である。このために、この系がウイルス遺伝子の発現、複製及び関連タンパク質産物の特性付けを研究するために最も広範囲に使用されてきた。
結合、脱エンベロープ及び感受性宿主細胞(例、ヒト線維芽細胞)内への侵入後、流入するビリオンからのテグメントタンパク質は、即時早期(IEA)クラスのウイルス遺伝子の発現を活性化する。この遺伝子は極めて多様なウイルス及び宿主遺伝子の転写を行うことができる広域活動性転写活性化機能を有する少数のタンパク質種をコードする。IEA産物によって活性化されるウイルス遺伝子は、主としてヌクレオチド代謝及びDNA合成に関与する酵素から構成されており、早期抗原(EA)グループとして分類されている。感染の最終段階においては、ウイルスによってコードされたDNAポリメラーゼ(EA成分)による新しいウイルスDNA鋳型の合成に必然的に依存して、ウイルス子孫の構築及び遊離のために必要な構造成分から構成されるウイルスタンパク質の第3(後期抗原(LA))のグループが発現する。
in vivo及びin vitroのどちらにおいても、この遺伝子発現の配列順序は様々な段階で中断されることがあり、これは制限された遺伝子発現パターンを特徴とする非溶解性(不全型又は不完全)感染症ないしは持続をもたらす。これらのパターンは感染した細胞の型及びその活性化や分化の状態の両方に依存する。従って、こうして発現したウイルス遺伝子産物は、まだ宿主細胞の特徴を変化させて、異常な行動及び機能を生じさせることがある。
3段階カスケード調節方法での自身の遺伝子の発現に加えて、CMVは感染後には宿主細胞遺伝子発現を刺激するため、ウイルス産物の特異的分析及び精製が複雑化する。
血液中では、CMVは散在性単核細胞/マクロファージ(複製)、リンパ球(不全型/制限)、多形核細胞(PP65タンパク質のみ)及び循環内皮細胞(複製)内で所見できる。さらにCMVは、動脈や小血管に沿って並んでいる平滑筋細胞(制限/溶解性)及び様々な組織に含まれる線維芽細胞及びマクロファージ様細胞中で検出できる。
有効な免疫反応が発生しない場合、CMVは身体内の実質的にあらゆる組織及び細胞型へ拡散することができる。
培養技術によって測定されるような血液中における感染性ウイルスの存在は活動性症候性感染症に関連する最善のマーカーと見なされているが、他方ウイルスDNAの存在はウイルス保有状態のマーカーである。
CMVは免疫競合性宿主及び免疫低下宿主の両方において広く様々な疾患症候群と関連しているが、後者の方がはるかに頻回で、有意に高い罹患率及び致死率が結び付いている。
通常、免疫適格性宿主における一次感染は見過ごされる。しかし、CMVは青年期及び若年成人における単球増加症候群の10%を惹起すると考えられており、急性非A−G型肝炎と頻回に関連している。妊婦における一次感染は胎児へのCMVの経胎盤性伝達と結び付いている。
CMVは世界中の新生児欠陥の主要原因であり、全新生児の0.5〜3%を感染させている。感染した新生児の約10%ではCMV関連性欠損を検出できるが、母体内での一次感染の場合には最も深刻となる。
CMVは、実質性器官及び骨髄移植レシピエントにおける合併症にとって最も頻度の高い感染原因であるため、「移植のトロール」と呼ばれている。
CMVは又、HIV陽性者及びエイズ患者における疾患の主要原因であり、肺炎、網膜炎及び胃腸合併症と極めて高頻度に結び付いている。
最後に、CMVは、しばしば遺伝的に決定された免疫不全症を有する患者、癌患者及び自己免疫疾患の患者において高頻度に疾患を誘発する。
休眠潜伏期状態におけるCMVの複製及び拡散とウイルス持続との平衡を決定するのは宿主免疫状態の質である。
宿主免疫反応は、新たに合成された、又は身体内の様々な部位/組織で種々の感染期中に発現した安定性で持続しているウイルス遺伝子産物と遭遇することにより誘発かつ維持される。
分子レベルでのウイルス宿主相互作用−各個人によって相違する可能性がある−に依存して、免疫反応は一次感染後に、潜伏期と呼ばれる平衡状態が達成されるまで徐々に形成される。
CMVへの宿主免疫反応の質及び量を決定することは診断的及び予後的に重要であり、CMVへの免疫状態を決定するため、移植環境におけるドナー/レシピエントのCMV保有状態を確定するため、そして様々なCMV関連性疾患症候群における急性感染症を同定/監視するために広範囲に使用されてきた。
診断的アッセイは、ウイルス培養又はDNA検出/定量技術によって体液中のウイルスの存在及び量を直接に測定できる。しかし、このウイルスはほとんどの健常CMV保有者において間欠的に尿及び唾液中へ分泌されることがあるので、血液中のCMV検出だけがヒトにおける活動性感染症を診断するための確実なパラメーターと見なされている。
血液中のDNA検出は、使用されたアッセイの感受性に依存して、全てではなくとも大多数の健常保有者において潜伏性感染しているCMV−DNA陽性白血球を検出できるため、活動性CMV感染症に対する確実な予測因子とは見なされていない。
白血球中のCMV−RNA発現の測定は、分析されたゲノム標的アミノ酸配列に依存して、血液中の活動性ウイルス複製を検出するために有用な可能性がある。
或いは又、抗原血症アッセイ、すなわち細胞内PP65(UL83)の存在についての白血球(特に多形核球)の定量は、様々なCMV疾患症候群における活動性及び症候性CMV感染症と良好に相関する確実な診断パラメーターであることが証明されている。
ウイルス又はウイルス産物の直接検出方法とは対照的に、CMVに対する液性免疫反応の分析はヒト宿主におけるCMV活性の間接的反映として使用できる。CMV血清学は、おそらく活動性CMV感染症の診断及び監視のため、そしてCMV保有状態を測定するために最も広範囲に使用されているアプローチであろう。CMVに対するIgM、IgG又はIgA抗体を検出するための迅速かつ安価な極めて多種類の方法が利用できる。
CMV−IgM及びこれより少ない程度でのCMV−IgAの検出は、−特に一次感染中には−(最近の)活動性感染に対する直接的指標であり、他方CMV−IgGの測定はCMV保有状態の測定とCMV疾患の診断/監視のどちらにも適用できる。
IgG抗体は一次感染中に急速に形成され、生涯に渡って存在し続ける。CMV−IgMの存在に加えてCMV−IgGの有意な上昇が見られる場合は、宿主における活動性感染症を反映している。CMV−IgGは全血輸血又は免疫グロブリン療法の場合には複雑化されることがある。
CMVへの抗体反応の発生は、活動性感染症の尺度である他に免疫適格性の反映であり、免疫低下患者において抗ウイルス療法を誘導するために使用できる。抗ウイルス療法中の活発な抗体反応の検出は、治療を終了し、免疫系に宿主におけるCMVの制御を任せるための指標として使用できる。
従って、血清学はヒト宿主におけるCMV感染症の診断及び監視における確実かつ汎用性のツールである。
血清学的アッセイの設計において極めて重要な要素は、分析される試料中の免疫グロブリンに結合するのに役立つCMV特異的抗原製剤である。従って、標準化を可能にするために、抗CMV抗体反応の分子的に鋭敏な特異性を定義することが重要である。そうした試験は近年開始されているが、抗CMV抗体反応が多様性であるのに加えてCMV系が複雑なために困難であることが証明されている。
プロトタイプ株AD169の235KB CMVゲノムは完全にアミノ酸配列が決定され、200以上の可能性あるタンパク質をコードするオープンリーディングフレームは同定されているが、今日までに生化学的及び免疫学的に研究されているのはこれらのうち約40のタンパク質に過ぎない。例えばpp150(UL32)、pp72(UL122/123)、pp65(UL83)、pp52(UL44)、pp38(UL80)、pp28(UL99)、gB(UL55)及びMDBP(UL57)のような、少数のCMV−ポリペプチド類がヒト抗体反応のための標的として定義されている。追加の免疫反応性ポリペプチド類は免疫ブロット法を用いて分析されたCMV感染細胞抽出物中でそれらの分子量によって定義されているが、CMVゲノム上のコーディングフレームはまだ定義されていない。
上記のように、現在ではCMV血清学のために多種多様な技術が使用されている。
これらの方法は、細胞培養由来(半精製)抗原抽出物、部分精製された細胞外ビリオン及び血小板濃密小体又はより明確に定義された(組換え)タンパク質及びそれらの断片のいずれかを使用する。方法における多様性及び一様な明確に定義された試薬がないために、CMV血清学は現在ではまだ良好には標準化されていない。このため、CMV血清学による確実な診断及びいっそうの標準化には、分子的に定義されて高度に精製されたCMV抗原を使用することが必要である。
そうした抗原類はCMV細胞培養から生成及び精製することができるが、これは多数の宿主細胞タンパク質が存在するために費用がかかる上に複雑である。代替宿主系において発現させた組換えCMVタンパク質は、患者血清がそうした宿主細胞成分への抗体類を有しているために擬陽性成績を生じさせる可能性があるので、いっそう高度の精製を必要とする。
組換えタンパク質の使用の例は、CMV特異的IgMを検出するために組換え抗原(融合タンパク質)の混合物が使用されている特許出願WO95/00073において所見できる。
合成ペプチド類はそうしたタンパク質抗原類の高度に定義された代替物を意味しており、高度に再現性のある方法で生成及び精製できる。
本発明の1つの目的は、IgG及びIgM両方のクラスのヒト血清免疫グロブリン類と高度に反応性であるような、CMV血清学的方法における適用に特に適合した合成ペプチド試薬の最適な組み合わせを定義することである。
これらの試薬類は高度に再現性で容易に精製できるので、従ってCMV血清学をいっそう向上させ、さらに標準化するために良好に適している。
これらのペプチド試薬類に対する抗体類は、血清学的アッセイの開発及び品質管理において、さらにCMVを直接検出するために有用な可能性がある。
診断テストにおいて無傷タンパク質に置換できるCMVタンパク質の免疫優勢ドメインを表している合成ペプチド断片を定義することが本発明の主題である。
合成ペプチド類は化学的に明確に定義されているので、従って高い産量で容易かつ再現性に生産することを許容し、極めて大きな再現性を備えて製造かつ使用できる診断用アッセイに適用するために良好に適しているという長所を有している。
本発明は、サイトメガロウイルスに対する抗体類を検出するためのペプチド試薬を提供するが、このとき前記試薬はサイトメガロウイルス構造リンタンパク質pp150(UL32)に由来するペプチドとサイトメガロウイルスタンパク質;pp52(UL44)、pp28(UL99)、又はgB(UL55)のうちの1つに由来するペプチドとを含有している。
さらに、本発明は配列番号1〜6に示されているアミノ酸配列の少なくとも一部を含有しているCMV pp150タンパク質に由来するペプチドを含有しているペプチド試薬を提供する。
本発明の好ましい実施態様は、配列番号1に示されているアミノ酸配列の少なくとも一部を含有しているCMV pp150タンパク質に由来するペプチドを含有しているペプチド試薬である。
本発明の別の目的は、配列番号7に示されているアミノ酸配列の少なくとも一部を含有しているCMV gBタンパク質に由来するペプチドを含有しているペプチド試薬である。
本発明のもう1つの目的は、配列番号8に示されているアミノ酸配列の少なくとも一部を含有しているCMV pp52タンパク質に由来するペプチドを含有しているペプチド試薬である。
本発明のもう1つの目的は、配列番号9〜10に示されているアミノ酸配列の少なくとも一部を含有しているCMV pp28タンパク質に由来するペプチドを含有しているペプチド試薬である。
本発明の好ましい実施態様は、配列番号10に示されているアミノ酸配列を有しているペプチドを含有しているペプチド試薬である。
本発明の最も好ましい実施態様は、配列番号1に示されているアミノ酸配列を有しているペプチドと、配列番号7に示されているアミノ酸配列を有しているペプチドと、さらに配列番号10に示されているアミノ酸配列を有しているペプチドとを含有しているペプチド試薬である。
本発明のもう1つの最も好ましい実施態様は、配列番号1に示されているアミノ酸配列を有しているペプチドと配列番号8に示されているアミノ酸配列とを有しているペプチドを含有しているペプチド試薬である。
天然CMVとは対照的に、本発明に記載のペプチド類はこれらが安全な非感染性起源に由来するという大きな長所を有している。
本発明に記載のペプチド試薬において優先的に使用されているペプチド類及びそれらの断片は、試料中のCMV又はCMV抗体類の存在を測定するための診断的方法に使用するために特に適していることが発見されている。さらに、前記ペプチド類及びそれらの断片は、CMV関連性疾患の治療において適切な薬学的投与形態で使用することができる。活性成分としてペプチド又はその断片を含有している、このようにして入手されたワクチン類の調製は当業者には既知である。
本発明に記載のペプチド試薬において優先的に使用されているペプチド類は、現在利用可能なCMV試薬類に比較して反応性及び特異性(性能)を向上させた。
このため血清学的テストにおいてこれらの免疫学的試薬類を利用すると、活動性CMV感染症の患者においてより優れた鑑別診断を許容するアッセイの開発が可能になる。
さらに、本発明の目的は、選択されたCMVペプチド類に対する抗体の存在が活動性CMV感染症と相関しているという発見である。
本書で使用される用語「ペプチド試薬」とは、1又は2以上のペプチド類及び適切な担体又は標識物質を意味している。
使用できる担体は、例えばマイクロテストのウエル若しくはキュベットの内壁、試験管又は毛細管、メンブラン、フィルター、試験ストリップ又は例えばラテックス粒子、アルデヒド粒子(例えば活性アルデヒド表面基を持つ磁化可能なセラミック粒子)のような粒子の表面、赤血球、染料ゾル、金属ゾル又はゾル粒子のような金属化合物、BSA若しくはKLHのようなキャリアタンパク質である。
使用できる標識物質は、特に放射性アイソトープ、蛍光化合物、酵素、染料ゾル、金属ゾル又はゾル粒子のような金属化合物である。
試料中の抗CMV抗体類を検出するための方法では、本発明に記載のペプチド試薬が試料と接触させられる。その後、試料中でペプチドと抗体類の間で形成された免疫複合体の存在が検出され、この検出によって試料中のCMV抗体類の存在が判明し、定量的に測定することができる。
ペプチド試薬の性質及び詳細な特徴に依存して、発生する免疫化学反応はいわゆるサンドイッチ反応、凝集反応、競合反応又は阻害反応である。
本書で使用される用語「ペプチド」は、生物学的活性を持つアミノ酸の分子鎖を意味しており、産物の特異的長さは意味していない。従って、特にタンパク質類、融合タンパク質類又は融合ペプチド類、オリゴペプチド類及びポリペプチド類が含まれる。
必要なら、本発明に記載のペプチド試薬において使用に適した必要なペプチド類は、例えばグリコシル化、アミド化、カルボキシル化又はホスホリル化によってin vivo又はin vitroで修飾することができる。このため、例えば前記ペプチド類の酸添加塩類、アミド類、エステル類及び特にC末端エステル類及びNアシル誘導体類のような機能的変種は本発明の一部と見なされる。本書に含まれている特定タンパク質類又はポリペプチド類については、天然変種も又存在することがあると理解されるであろう。これらの変種類は、全アミノ酸配列におけるアミノ酸の相違又は前記配列におけるアミノ酸(類)の欠失、置換、挿入、転換又は付加によって証明することができる。そこから必ずしも生物学的及び免疫学的活性を変化させないと予想できるアミノ酸置換が報告されている。進化において頻回に発生してきた関連アミノ酸類と置換物との間のアミノ酸置換は、中でもSer/Ala、Ser/Gly、Asp/Gly、Asp/Asn、Ile/Valである(Dayhof,M.D.,Atlas of protein sequence and structure(タンパク質のアミノ酸配列順序及び構造集),Nat.Biomed.Res.Found.,Washington D.C.,1978,vol.5,suppl.3参照)。この情報に基づいて、Lipman及びPearsonは、迅速かつ高感受性でタンパク質を比較し(Science227,1435−1441,1985)、さらに同種タンパク質間の機能的類似性を測定するための方法を開発した。
本書で使用される用語「少なくとも〜の一部」は、本発明に記載のペプチド試薬において優先的に使用されているペプチドのサブ配列を含有しているアミノ酸配列を意味している。前記一部又は断片はCMV pp28(UL99)、pp150(UL32)、pp72(UL122/123)、pp65(UL83)、pp52(UL44)、pp38(UL80)、gB(UL55)及びMDBP(UL57)タンパク質の1又は2以上の免疫学的決定因子を有しているペプチドである。断片は、中でもDNAに対する制限エンドヌクレアーゼ類及びポリペプチド類に対するプロテアーゼ類を使用して、前駆物質分子の酵素による開裂によって産生できる。その他の方法には、断片の化学合成又はDNA断片によるペプチド断片の発現が含まれる。
エピトープ(類)を含有している前記ペプチド類の適切な抗原性又は免疫学的断片は、考察下の完全なポリペプチドの部分アミノ酸配列に対応する一連の部分的重複ペプチド類が合成され、抗体類とのそれらの反応性が調査されるいわゆるペプスキャン法に基づいて、欧州特許第0,220,245号、Geysen,H.M.ら(Proc.Natl.Acad.Sci.81,3998−4002,1984)、Geysen,H.M.ら(J.Immunol.Meth.102,259−274,1987)に記載の方法によって発見することができる。
さらに、ペプチド類の多数の領域は理論的考察を基礎にエピトープ類へ指定できるが、これらの理論的考察の予測的価値は限定されている。これらの領域の決定はHopp及びWoods(Proc.Natl.Acad.Sci.78,3824−3828,1981)による親水性基準とChou及びFasman(Advances in Enzymology 47,45−148,1987)による二次構造の態様との組み合わせに基づいている。
本発明に記載のペプチド試薬において優先的に使用されるペプチド類又はそれらの断片の調製は、ペプチドを合成するための既知の有機化学方法の1つによって、又は組換えDNA技術の助けを借りて実行される。
ペプチドを合成するための有機化学的方法は、均質相中か又はいわゆる固相を使用するかのどちらかで、縮合反応によって必要なアミノ酸を結合することを含んでいると見なされている。
縮合反応は下記の通りに実施できる:
a)縮合剤の存在下で、遊離カルボキシル基及び保護された他の反応性基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド)と遊離アミノ基及び保護された他の反応性基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド)との縮合;
b)活性化カルボキシル基と遊離又は保護された他の反応性基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド)と遊離アミノ基及び遊離又は保護された他の反応性基を有する化合物(アミノ酸、ペプチド)との縮合。
カルボキシル基の活性化は、中でもカルボキシル基を酸ハロゲン化物、アジ化物、無水物、イミダゾライド、又は例えばN−ヒドロキシ−スクシンイミド、N−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール又はp−ニトロフェニルエステルのような活性化エステルへ転換させることによって発生させることができる。
上記の縮合反応を発生させるために最も一般的な方法は次の通りである:カルボジイミド法、アジ化物法、混合無水物法及びThe Peptides,Analysis,Syntesis(ペプチド類、分析、合成)、Biology Vol.1−3(Ed.Gross,E.and Meienhofer,J.)1979,1980,1981(Academic Press,Inc.)に記載されているような活性化エステル類を使用する方法。
「固相法」を用いて上記のペプチド類の適切な断片を調製する方法は、例えばJ.Amer.Chem.Soc.85,2149(1963)及びInt.J.Peptide Protein Res.35,161−214(1990)に記載されている。調製されるペプチドのアミノ酸結合は、通常はカルボキシル末端側から始まる。この方法を行うためには、その上に反応性基が存在する又はその上にそうした基を導入できる固相が必要とされる。これは、例えばベンゼンと反応性クロロメチル基を持つジビニルベンゼンのコポリマー又はヒドロキシメチル若しくはアミン機能と反応性にさせられた高分子固相であって良い。
特別に適当な固相は、例えばWang(1974;J.Am.Chem.Soc.95,1328)によって記載されたP−アルコキシベンジルアルコール樹脂(4−ヒドロキシ−メチル―フェノキシ−メチル−コポリステレン−1%ジビニル−ベンゼン樹脂)である。合成後、ペプチド類は穏和な条件下でこの固相から分離できる。
望ましいアミノ酸配列の合成後、樹脂からのペプチドの分離は例えばトリフルオロメタン−スルホン酸又はトリフルオロ酢酸に溶解させたメタンスルホン酸を用いて行われる。ペプチドは又、低級アルコール、好ましくはメタノール又はエタノールを用いてのエステル交換反応によっても担体から取り除くことができるが、この場合はペプチドの低級アルキルエステルが直接的に形成される。同様に、アンモニアを用いての分割は本発明に記載のペプチドのアミドを生じさせる。
縮合反応に関連しない可能性がある反応性基は、上記のように、酸、塩基又は還元の助けを借りて加水分解によって極めて容易に再び取り除ける基によって効果的に保護されている。従って、カルボキシル基は、例えばメタノール、エタノール、第三級ブタノール、ベンジルアルコール又はp−ニトロベンジルアルコール及び固相担体に連結されているアミン類を用いてのエステル化によって効果的に保護することができる。
アミノ基を効果的に保護できる基は、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシ−カルボニル(t−boc)基又はp−メトキシ−ベンジルオキシカルボニル基、又はベンゼン−スルホニル基若しくはp−トルエン−スルホニル基のようなスルホン酸由来の酸基であるが、例えばベンジル基及びトリフェニルメチル基のような置換された又は置換されていないアリル若しくはアラキル基のような他の基、又はオルソ−ニトロフェニル−スルフェニル基及び2−ベンゾイル−1−メチル−ビニル基のような他の基も使用できる。特別に適当なA−アミノ保護基は、例えば塩基感受性の9−フルオレニル−メトキシカルボニル(Fmoc)基[Carpino & Han(1970)J.Amer.Chem.Soc.92,5748]である。
可能性ある保護基についてのより広範な解説は、The Peptides,Analysis,Syntesis(ペプチド類、分析、合成)、Biology Vol.1−9(Ed.Gross,Udenfriend and Meienhofer)1979−1987(Academic Press,Inc.)の中で所見できる。
さらに又、リシンのε−アミノ基を保護することが必要であるが、これはアルギニンのグアニジン基にとっても賢明である。この関連における慣習的保護基はリシンに対してはBoc基及びアルギニンにとってはPmc−又はPms−若しくはMbs基又はMtr基である。
保護基は特定基の性質に依存して、例えばトリフルオロ酢酸の助けを借りて、又は水素及びパラジウムのような触媒を用いての穏和な還元によって、又は氷酢酸中のHBrを用いて、種々の従来型方法によって分割することができる。
本発明に記載のペプチド試薬において使用される免疫反応性ペプチド類はさらに単一分子内に結合することもできる。ハイブリッド又はコンビペプチド中における2個以上のペプチド類の共有結合は、例えば上記の方法を用いて、個々のペプチド類のアミノ酸配列が整列しているペプチド配列を持つ固相ペプチド合成によって実行することができる。個々のペプチド配列間にリンカー配列を挿入できることは理解されている。そうしたリンカー配列は例えばグリシンの2−5残基の伸張であって良い。
ハイブリッド又はコンビペプチドは、さらに断片縮合アプローチを用いる固相合成を通しても調製できる。断片(それらの配列が本発明による個々のペプチド類のアミノ酸配列と一致している可能性がある)が別個に調製かつ精製される後者の方法は、より長いハイブリッド又はコンビペプチド配列の合成において好ましい。より長いペプチドを調製するための方法は現行技術において既知であり、例えばThe Peptides,Analysis,(ペプチド類、分析)、Biology,Vol.1−9(上記参照)に記載されている。
或いは又、ハイブリッド又はコンビペプチド類は適切に修飾した本発明のペプチド類の共役によって調製することもできる。
アミノ酸システインが欠けている2つの相違するペプチド配列を共役させるための好ましい方法においては、カルボキシル末端又はアミノ末端のどちらかでシステインの追加の残基を含有しているように誘導される。これらのペプチドの一方は引き続いて2,2‘−ジチオジピリジンを用いて単一システインチオール官能基で活性化される。結果として生じるピリジル−ジチオ−ペプチド誘導体はその後、個々のペプチドがジスルフィド結合を通して連結されているハイブリッドペプチドを産生するためにシステインチオール基を含有している第2ペプチドと反応させられる。
他の数多くのハイブリッドペプチド類を調製するための方法は想像できる。タンパク質−タンパク質共役の分野において開発されている化学的方法を利用することができる。そうした方法の概説はMeans及びFeeney(Bioconj.Chem.,2−12,1990)によって与えられている。例えば、周知の同種又は異種二官能架橋結合剤を使用すると、ジスルフィド結合、又はチオエーテル若しくはアミド結合その他を通しての個々のペプチド類の結合が可能になる。
既に上記で指摘したように、本発明に記載のペプチド試薬において優先的に使用されるペプチド類は同様に組換えDNA技術の助けを借りて調製することができる。ペプチドが反復配列(「縦列で」)に組み込まれる場合、又はペプチドを(はるかに大きな)タンパク質又はポリペプチドの成分として又は例えばβ−ガラクトシダーゼ(の一部)との融合タンパク質として調製できる場合は、この可能性は特に重要である。このため、このタイプのペプチド類は同様に本発明の範囲内に含まれている。この目的で、組換えDNAの成分として、本発明に記載のペプチドをコードし、更に天然型CMVゲノムにおいて上記の核酸配列の横に位置する核酸セグメントを実質的に含まない核酸配列が使用される。
この後者の方法は、宿主として適切な微生物中で1又は2以上の問題のペプチド類をコードする核酸配列を有する組換えポリヌクレオチドを発現させることによる望ましいペプチドの調製を含んでいる。
本発明に記載のペプチド試薬において使用されるようなペプチドをコードする核酸配列は、適切な宿主の形質転換のために使用できるいわゆる組換えベクター分子を生じさせる、事実上関連又は連結していない様々な複製効果DNA配列に連結させることができる。有用な組換えベクター分子は、好ましくは例えばプラスミド類、バクテリオファージ類、コスミド類又はウイルス類に由来する。
核酸配列をクローン化するために使用できる特異的ベクター類若しくはクローニング媒介体類は現行技術において既知であるが、中でもpBR322,種々のpUC、pGEM及びBluescriptプラスミド類のようなプラスミドベクター類、例えばkgt−Wes、Charon28及びM13由来ファージ類のようなバクテリオファージ類、又はSV40、アデノウイルス又はポリオーマウイルスのようなウイルスベクター類が含まれる(Rodriquez,R.L.and D.T.Denhardt,ed.,Vectors:A survey of molecular cloning vectors and their uses(ベクター:分子クローニングベクター及びそれらの使用に関する研究),Butterworths,1988;Lenstra,J.A.et al.,Arch.Virol.110,1−24,1990も参照)。組換えベクター分子を構成するために使用できる方法は当業者には周知であるが、中でもManiatis,T.ら(Molecular Cloning A Laboratory Manual,second edition(分子クローニング実験室マニュアル、第二版);Cold Spring Harbor Laboratory,1989)に記載されている。
例えば、それによって相補的DNA末端が産生するように遺伝子及び望ましいクローニング媒介体の両方が同一制限酵素を用いて切断されているときは、本発明に記載のペプチドをコードする核酸配列をクローニングベクター内に挿入することは容易に達成できる。
組換えベクター分子は、例えばpUC8におけるアンピシリン耐性及びβ−ガラクトシダーゼのα−ペプチドと同様に、pBR322におけるアンピシリン及びテトラサイクリン耐性のような望ましい形質転換細胞を選択するために使用できる1又は2以上のマーカー活性を追加して含有することができる。
もちろん、クローニングベクターの選択された部位に挿入されるヌクレオチド配列は、形質転換された宿主が少なくとも1又は2以上の抗原性又は免疫学的決定因子を有するポリペプチドを産生する限りにおいて、本発明に記載のペプチド試薬において使用されたペプチド類をコードする完全な核酸配列の断片だけを含有している可能性があると理解されなければならない。
前記ペプチド類に対する抗体類も又本発明の一部である。
上記のペプチド類又はそれらから調製された断片は、ポリクローナル及びモノクローナル両方の抗体類を産生するために使用できる。
このため、本発明に記載のモノクローナル抗体類はCMV感染を診断するための新規の手段を提供する。
本発明に記載の好ましい抗体類は、配列番号1〜10に記載のアミノ酸配列を有するペプチドのエピトープに結合するモノクローナル抗体類である。
本発明に記載のより好ましい抗体類は、保管番号No.96071123を付けて欧州動物細胞培養コレクション(European Collection of Animal Cell Cultures(ECACC),CAMR(Center for Applied Microbiology & Research:応用微生物学研究センター),Salisbury(英国)に保管されているハイブリドーマ細胞系によって産生したモノクローナル抗体CMV.OT3Cによってエピトープが認識される、CMV pp150−タンパク質のエピトープに結合するモノクローナル抗体類である。
本発明に記載のヒト又は動物(例、マウス、ラット又はチンパンジー)モノクローナル抗体類を排出できる不死化細胞系も又本発明の一部である。
モノクローナル抗体類を産生する細胞系の調製は、例えばKohler及びMilstein法(Kohler及びMilsteinがモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ形成を生じさせる技術を案出した(G.Kohler and C.Milstein,1975,Nature 256:495−497;1976,Eur.J.Immunol.6:511−519))、エプスタイン−バーウイルス(EBV)を用いての形質転換、又は腫瘍原性DNAを有するBリンパ球の直接形質転換法、又はヒトBリンパ球とヒト又はマウス−ヒトハイブリッド骨髄腫細胞系のどちらかである融合相手との直接融合、又はEBV形質転換B細胞系と前記骨髄腫細胞系との直接融合によって行うことができる。
本発明に記載の好ましい細胞系は、保管番号No.96071123を付けて欧州動物細胞培養コレクション(European Collection of Animal Cell Cultures(ECACC),CAMR(Center for Applied Microbiology & Research:応用微生物学研究センター),Salisbury(英国)に保管されている細胞系である。
これらのハイブリドーマ細胞系は、CMV関連性合成ペプチド分子(必要な場合は免疫原性を強化するためにKLH(Keyhole limpet hemacyanin:スカシガイのヘモシアニン)に結合させた)が事前に接種されたマウスに由来するリンパ球と骨髄腫細胞との融合によって産生させた。
CMVに由来するタンパク質類に対するモノクローナル抗体類は、in vivo及びin vitro両方で細胞及び細胞抽出物に含まれているCMV発現を検出するため、精製の目的で、及びこれらのタンパク質類の機能を調査するために行う様々な生化学的及び免疫学的分析法のために有用なツールである。
本発明に記載の用語「免疫学的試薬」は、通常は1又は2以上の(モノクローナル)抗体類と適切な担体又は標識物質とから構成される。
使用できる担体類は、例えばマイクロテストウエル若しくはキュベットの内壁、試験管又は毛細管、メンブラン、フィルター、試験ストリップ、又は例えばラテックス粒子、アルデヒド粒子(例えば活性アルデヒド表面基を有する磁化可能なセラミック粒子)のような粒子の表面、赤血球、染料ゾル、金属ゾル又はゾル粒子のような金属化合物、BSA若しくはKLHのようなキャリアタンパク質である。
使用できる標識物質は、特に放射性アイソトープ、蛍光化合物、酵素、染料ゾル、金属ゾル又はゾル粒子のような金属化合物である。
本発明はさらに、被験液又は組織試料中の全長タンパク質を検出することを目的とする免疫学的及び生化学的方法における前記ペプチドに対する抗体類の使用を含有している。
本発明に記載のペプチド類に対するモノクローナル及びポリクローナル両方の抗体類は、組織試料中でのin situ検出のために診断学及び免疫細胞化学において極めて適しており、他方ではそれらの中和抗体類は受動免疫療法において極めて有用である。
本発明の一部は、さらに問題のモノクローナル抗体類を「ヒト化」である。「ヒト化」モノクローナル抗体類を作り出すための技術は現行技術において既知である。
試料中に含まれるCMVを検出するためには、1又は2以上のペプチド類を含有している本発明に記載のペプチド試薬をその試料及び抗CMVと接触させると、その後に形成された免疫複合体の存在を検出することができ、これから試料中のCMVの存在を決定することができる。
試料中のCMVを検出するために特に適切な方法は、それによってペプチド及び抗原が固相担体に付着したCMVに対する抗体と競合する、標識物質を含んでいる前記ペプチド試薬中に使用されたペプチドとCMV抗原(試料中に存在する)との間の競合反応に基づいている。
本発明はさらに、本発明に記載の抗体が試料と接触させられ、その後に形成された免疫複合体の存在が検出され、それが試料中のCMVの存在に対する尺度であることを特徴とする、試料中のサイトメガロウイルス(CMV)を検出するための方法を含んでいる。
本発明に記載の試験キットは、必須成分として上記のペプチド試薬を含有している。CMV抗体類を検出するためにサンドイッチ反応を実行するためには、試験キットは例えばマイクロテストウエルの内壁である固相担体へ塗布された本発明に記載のペプチド試薬に使用されているペプチドと、本発明に記載のペプチド試薬に使用されている標識ペプチド又は標識抗−抗体のどちらかとを含有している場合がある。
競合反応を実行するためには、試験キットは固相担体へ塗布された本発明に記載のペプチド試薬に使用されているペプチドと、CMVに対する標識抗体、好ましくは前記ペプチドに対するモノクローナル抗体とを含有している場合がある。
凝集反応を実行するためには、試験キットは粒子類又はゾル類に塗布されたペプチドを含有しているペプチド試薬を含んでいる。
試験キットのもう1つの実施態様は、固相担体に塗布されている、CMVに対する抗体上の結合部位について検出されるべきCMV抗原との競合反応における、例えば本発明に記載のペプチド試薬に使用されている標識ペプチドの使用である。
上記の開示は本発明を一般的に説明している。例示する目的でのみ提供されているもので、本発明の範囲を限定することは意図していない。本発明は、下記の特異的実施例を参照することによってより完全に理解できる。
【図面の簡単な説明】
ペプチドコードの定義:
#K−38−E(pp150):配列番号1
#T−21−C(pp150):配列番号2
#C−21−M(pp150):配列番号3
#T21CC21M(pp150):配列番号4
#OTP194(pp150):配列番号5
#OTP197(pp150):配列番号6
#OTP101A(gB):配列番号7
#F−28−G(pp52):配列番号8
#OTP118A(pp28):配列番号9
#OTP119A(pp28):配列番号10
図1:
ペプチドスキャンELISAによるCMV−pp28(UL99)上のヒトIgG抗体類(CMV血清陽性者の血清10例)に対する結合部位の同定:
A=試験した各被験者血清に対する相対吸光度値。
B=各血清に対するバックグラウンド値について補正された、各ペプチドに対する個々の吸光度値の合計。
C=試験した各血清に対する平均バックグラウンド値を少なくとも3SD越える吸光度値を産生した各ペプチドについての陽性スコア。
図2:
活動性CMV感染症患者及び活動性CMV感染症を有していない適切な対照被験者からの血清を用いて、IgG抗体類と反応する最高のペプチドセットを表している分析。
図3:
CMV抗体類に対して血清陽性又は血清陰性の任意健常被験者からの血清を用いて、標準抗体アッセイによって決定された、IgM抗体類に反応する最高のペプチドセットを表している分析。
図4:
細胞培養由来CMV−Ag(横軸)及びCMVペプチド試薬[#K38E+#OTP101A+#OTP119A](配列番号1+配列番号7+配列番号9)(縦軸)のヒトIgGとの反応性に関する比較。
図5:
細胞培養由来CMV−Ag(横軸)及びCMVペプチド試薬[#K38E+#F28G](配列番号1+配列番号8)(縦軸)のヒトIgMとの反応性に関する比較。
図6:
CMV.OT3Cを用いたCMV−pp150(UL32)の免疫ブロット検出。図の下の説明に記載されているように、追加のCMVタンパク質(Goodwin Institute for Cancer Research,フロリダ州、米国から入手したGICRシリーズ)及びCMV血清陽性ドナーからのヒト血清IgGに対するモノクローナル抗体類の対照反応が平行ストリップに示されている。
本発明を下記の実施例によってさらに詳細に例示する:
実施例1.
配列の長さ12アミノ酸(AA)を有し、CMV−pp28をコードする完全UL99リーディングフレームのアミノ酸配列の11AAによって重複しているペプチドをGeysenら(P.N.A.S.,USA,83(1984)p.3998−4002)によって最初に報告された化学的に活性化されたピン上での全自動固相合成法によって合成した。
ヒト血清(CMV血清陽性者10例)からのCMV特異的抗体類との各ペプチドの免疫反応性をMiddeldorp及びMeloen(J.Virol.Meth.21(1988)p.147−159)によって報告されているように測定した。
相違するCMV血清陽性者からの血清10例を用いたそうしたPEPSCAN分析の結果は図1に示されている。
パネルAは、試験した各血清についての相対吸光度値を示している。
パネルBは、各血清に対するバックグラウンド値について補正した、各ペプチドに対する個々の吸光度値の合計を示している。
パネルCは、試験した各血清に対する平均バックグラウンド値を少なくとも3SD越える吸光度値を産生した各ペプチドについての陽性スコアを示している。
各血清に対するバックグラウンド吸光度値は、10種の最小反応性ペプチドの平均吸光度値として決定した。
この図から、ほとんどの血清がpp28アミノ酸配列の明確な領域と反応性であることを見て取ることができる。一部の領域は多数の被験者によって認識されているので、従ってpp28の免疫優勢エピトープを表している。
pp150(UL32)、pp65(UL83)、pp52(UL44)のような他のCMVタンパク質のPEPSCAN分析によっても類似のデータが入手されている。
結論:相違する個人からの血清中の抗体類は明確な領域(エピトープクラスター)との相互作用を通してCMVタンパク質を認識するが、その位置は各個人で有意に相違する場合がある。
実施例2.
単一分子内に多数のPEPSCAN反応性ドメインを結合させるために、標準固相合成法を用いて長さの相違する選択されたペプチド類(配列表参照)を合成した。
これらのペプチド類を96ウエル・マイクロELISAプレートのウエル内の固相上に一般的にはコーティング緩衝液中に1μg/mlで塗布し、コーティング緩衝液に溶解させた1%ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて非結合位置をブロックした。至適化実験で決定された最高免疫化学反応性に基づいて、ペプチド類を直接に塗布するか、又は高度に精製されたBSAへのペプチド類のグルタールアルデヒド媒介性結合によって合成されたBSAペプチド複合体として塗布した。
塗布後、ウエルを0.05%Tween−20(PBS−T)を含有しているph7.4の0.1Mリン酸塩緩衝液(PBS)を用いて洗浄し、PBS−T中に溶解させたヒト血清の希釈液(通常は1:100)の抗体反応性を標準ELISA法によって分析した。
図2には、CMV抗体類に対して血清陽性又は血清陰性の任意健常被験者からの血清を用いて、標準抗体アッセイによって測定されたIgG抗体類についてのペプチドELISA試験結果が示されている。
下記の表には、各パネルについて対応するペプチド分析が示されている:
パネル2A−ペプチド #T21C(配列番号2)、
パネル2B−ペプチド #C21M(配列番号3)、
パネル2C−ペプチド #T21CC21M(配列番号4)
パネル2D−ペプチド #K38E(配列番号1)
パネル2E−ペプチド #OTP194(配列番号5)
パネル2F−ペプチド #OTP197(配列番号6)
パネル2G−ペプチド #F28G(配列番号8)
パネル2H−ペプチド #OTP101A(配列番号7)
パネル2I−ペプチド #OTP118A(配列番号9)
パネル2J−ペプチド #OTP119A(配列番号10)
パネル2K−細胞培養抽出物であるCMV−Ag(ゴールドスタンダード)
各パネルには、任意健常血液ドナーから入手した相違するヒト血清セットを用いた4例の実験結果が示されている。
CMV免疫状態は、CMV抗原由来細胞培養に基づく標準の「ゴールドスタンダード」(*)ELISAを使用して測定した(パネル2K)。
(○)はCMV血清陽性試料を表している。
(×)はCMV血清陰性試料を表している。
*)CMV株AD−169の3PFU/cellを用いて6日間に渡って感染させたヒト胚肺線維芽細胞から調製した、精製され、脱エンベロープ化したビリオンと血小板濃密小体から構成される「ゴールドスタンダード」のための抗原。感染細胞は冷凍−解凍サイクルを3回繰り返し、溶解相中に細胞内ビリオンと血小板濃密小体を遊離させるために0.05Nリン酸塩緩衝液(pH7.4)中に溶解させた0.35% TX100を用いて抽出した。溶解性粒子を核から分離し、より大きな細胞性物質を+4℃、1,200xgでの20分間の密度勾配遠心法によってFicoll層を通して分離した。上層から、12,000xgでの10分間の遠心によってウイルス粒子を単離し、ペレット粒子をPBS中に短時間の超音波処理によって溶解させた。電子顕微鏡検査により、これらの粒子は主として脱エンベロープ化したウイルスキャプシドと血小板濃密小体とから構成されていることが証明された。
図3には、活動性CMV感染症を有する患者及び活動性CMV感染症を有していない適切な対照被験者からの血清を用いて、IgM抗体類に反応する最高のペプチドセットを表している分析結果の抜粋が示されている。
血清は標準ELISAにおいてCMV−IgMに対して陽性反応を示している活動性CMV感染症を有する腎臓移植患者から入手した(図3E参照)。
下記の表では、各パネルについて対応するペプチド分析が示されている:
パネル3A−ペプチド #K38E(配列番号1)
パネル3B−ペプチド #T21CC21M(配列番号4)
パネル3C−ペプチド #F28G(配列番号8)
パネル3D−ペプチド #OTP119A(配列番号10)
パネル3E−細胞培養抽出物であるCMV−Ag(ゴールドスタンダード)
結論:図2及び図3に示されているデータは、個々のコンビペプチド類がほとんどのヒト血清中の抗体類と反応性であるが、全ての血清と反応性を示すペプチドはないことを証明している。時々、一部のペプチド類はCMV陰性血清とも反応する(擬陽性)。
このため、ほとんどの選択されたペプチド類は一部のヒト血清と反応性であると思われるが、全血清と反応性の単一ペプチドは存在しない。
実施例3.
実施した数例の実験において、相違する免疫反応性CMVタンパク質に由来する明確に定義された合成コンビペプチド類の選択された組み合わせ、特に[#K38E+#OTP101A+#OTP119A](配列番号1+配列番号7+配列番号10)の組み合わせは、細胞培養由来CMV抗原類を使用する現在の「ゴールドスタンダード」であるELISAと同等又はより良好な感受性でヒト血清中に含まれるCMV−IgG抗体類を検出することができた。
CMV−Agは実施例2に記載された通りに調製し、固相上に塗布した。#OTP101A(配列番号7)は、#K38E(配列番号1)及び#OTP119A(配列番号10)と等モル比で塗布前にBSAへ結合させた。
図4には、ペプチド結合ELISAにおけるCMV−IgG反応性を固相上の半精製細胞培養由来CMV抗原を使用する標準ELISAと比較したデータが示されている。分析された血清は米国(4A)又はオランダ(4B)のどちらかからの健常血液ドナーから入手した。
ペプチドをベースとするELISA(縦軸)で測定されたCMV−IgG反応性は、「ゴールドスタンダード」であるELISA(横軸)に比較して同等又はより良好な反応性を生じる。CMV−IgGに対して陰性である対照ヒト血清はどちらのアッセイでも陰性である。
固相上にこれら3種のペプチド類が存在することは、エピトープ特異的抗体類を用いて検査した(データは示されていない)。
結論:このように明確に特定されたCMV合成分子のセットが利用可能であることは、ヒト血清中の抗CMV IgGを検出するための高度に精密なアッセイを開発するために極めて価値が高く、CMV血清診断のいっそうの標準化及びCMV免疫状態の測定に寄与する可能性がある。
実施例4.
分析された全血清と細胞培養由来CMV−Agと同程度に反応できる単一ペプチドが存在しなかったので(実施例2)、ヒト抗CMV IgMとの十分な反応性を得るためには単一ウエル中での選択された複数のコンビペプチド類の組み合わせが必要であった。
このためペプチド類の数種の組み合わせを試験して至適化した。
これらの試験成績から、ヒト血清中抗CMV IgMを検出するために最高のペプチドの組み合わせは[#K38E+#F28G](配列番号1+配列番号8)であることが証明された。
図5は、1μg/mlで固相に結合させた細胞培養由来CMV−Ag及び[#K38E+#F28G](配列番号1+配列番号8)のヒトIgMとの反応性の比較を示している。
血清は明確に定義された一次CMV感染症の腎臓移植患者から入手した。
CMV−Agは実施例2に記載された通りに調製して塗布し、ペプチド類は0.05M炭酸塩緩衝液(pH9.6)中1μg/mlで同時に固相上に塗布した。
[#K38E+#F28G](配列番号1+配列番号8)はヒト抗CMV−IgM抗体類の検出において細胞培養由来CMV−Agに取って代わることのできる優秀な、良好に定義された組み合わせを提供すると結論できる。
実施例5.
本発明に記載のCMVペプチド試薬類に対して反応性のモノクローナル抗体類は診断アッセイのために有用である(例えば、IgM捕獲アッセイにおけるCMV特異的抱合体として、固相上のペプチド塗布を測定する品質管理等)。
そうした抗体類は、培養細胞及び患者の組織又は体液中に含まれるCMVの直接検出においても有用な可能性がある。
そうした抗体の1つだけを例示するために、CMV−pp150(UL32)のC末端ドメインに対するCMV.OT3Cと称する(保管番号No.96071123を付けて欧州動物細胞培養コレクション(European Collection of Animal Cell Cultures(ECACC),CAMR(Center for Applied Microbiology & Research:応用微生物学研究センター),Salisbury(英国)に保管されている)、及びELISAによってペプチド#K38E(配列番号1)と反応性である抗体について説明する。この抗体はELISA、免疫ブロット法又は免疫沈降法によってCMV感染細胞溶解物中の無傷pp150を検出することができ、さらに免疫蛍光法又は免疫組織学的方法によってCMV感染細胞を特異的に染色する。
CMV.OT3Cの直接酵素結合は、(IgM又はIgA)免疫捕獲アッセイにおいてCMV特異的検出試薬として使用できる抗体抱合体を産生する。
図6には、次のように調製された免疫ブロットが示されている:CMV−AD169感染ヒト線維芽全細胞溶解液のタンパク質を標準Laemmli SDS−PAGEによって変性及び分離させ、ニトロセルロース上にブロッティングした。ストリップをカットし、残りのタンパク質結合部位を5%ウマ血清(ブロッキング緩衝液)を含むPBS中に溶解させた4%乾燥乳粉末と一緒に1時間インキュベートすることによってブロックした。引き続いてストリップを37℃で1時間、ブロッキング緩衝液中でモノクローナル抗体と一緒にインキュベートした。PBS−Tweenを用いて洗浄した後、抗マウスHRP抱合体を添加し、上記と同様にインキュベートし、沈降基質として4−クロロナフトールを使用して結合した酵素反応性を検出した。
図の下の説明に記載されているように、追加のCMVタンパク質(Goodwin Institute for Cancer Research,フロリダ州、米国から入手したGICRシリーズ)及びCMV血清陽性ドナーからのヒト血清IgGに対するモノクローナル抗体類の対照反応が平行ストリップに示されている。
【配列表】
配列番号:1
配列の長さ:38
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:2
配列の長さ:21
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:3
配列の長さ:21
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:4
配列の長さ:42
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:5
配列の長さ:29
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:6
配列の長さ:27
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:7
配列の長さ:22
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:8
配列の長さ:28
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:9
配列の長さ:37
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985
配列番号:10
配列の長さ:38
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
起源
生物名:サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)
配列
Figure 0004218985

Claims (6)

  1. サイトメガロウイルスに対する抗体を検出するためのペプチド試薬であって、
    配列番号1−6に示されているアミノ酸配列またはそれらの抗原決定基から選択される合成免疫優勢ペプチドと
    配列番号7−10に示されているアミノ酸配列またはそれらの抗原決定基から選択される1又は2以上の合成免疫優勢ペプチドとを含有していることを特徴とするペプチド試薬。
  2. 配列番号1に示されているアミノ酸配列からなる合成免疫優勢ペプチドと、配列番号7に示されているアミノ酸配列からなる合成免疫優勢ペプチドと、さらに配列番号10に示されているアミノ酸配列からなる合成免疫優勢ペプチドとを含有している、請求項1に記載のペプチド試薬。
  3. 配列番号1に示されているアミノ酸配列からなる合成免疫優勢ペプチドと配列番号8に示されているアミノ酸配列からなる合成免疫優勢ペプチドとを含有している、請求項1に記載のペプチド試薬。
  4. 被験液中に含まれるサイトメガロウイルスに対する抗体の検出方法であって、被験液を請求項1〜3のいずれかに記載のペプチド試薬と接触させ、さらに被験液中で形成された免疫複合体類の存在を検出することを特徴とする検出方法。
  5. 被験液中に含まれるサイトメガロウイルスの検出方法であって、被験液を請求項1〜3のいずれかに記載のペプチド試薬と接触させ、それにサイトメガロウイルスに対する抗体を接触させ、その後に形成された免疫複合体の存在を検出することを特徴とする検出方法。
  6. 請求項4〜5のいずれかに記載の方法を実行するための試験キット。
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