JP4218555B2 - センサ異常検出装置及びそれを搭載した車両 - Google Patents

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Description

本発明は、センサ異常検出装置及びそれを搭載した車両に関する。
従来、センサ異常検出装置としては、触媒コンバータに充填された触媒の酸素吸蔵量に基づいて触媒コンバータの下流に設置したリア排気センサの異常を判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された装置は、リア排気センサの出力がリーンを示すまで目標空燃比を強制的に所定のリーン空燃比に設定し、リア排気センサの出力値がリッチを示すまで目標空燃比を所定のリッチ空燃比に設定するという空燃比制御を行い、目標空燃比がリーン空燃比である期間中に触媒に流入する酸素量又は目標空燃比がリッチ空燃比である期間中に消費された触媒に吸蔵された酸素量から触媒の酸素吸蔵量を演算し、演算した酸素吸蔵量が理論的な触媒の最大酸素吸蔵量を超えたときにリア排気センサの異常を検出する。
特開2004−19542号公報
しかしながら、この特許文献1に記載された異常検出装置では触媒コンバータの下流に設置したリア排気センサの異常を検出することができるものの触媒に流入する酸素量を積算して酸素吸蔵量を求める際に誤差が含まれることがあり、この誤差が含まれているときにはリア排気センサの異常を検出する精度が十分ではない場合があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、触媒コンバータの下流に設置したリア排気センサの異常を十分な精度で検出することができるセンサ異常検出装置及びそれを搭載した車両を提供することを目的とする。
本発明のセンサ異常検出装置は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のセンサ異常検出装置は、
空気と燃料とを所定の空燃比となるようにした混合気を燃焼させ燃焼エネルギを運動エネルギに変換し燃焼後の排気を排気管に排出する内燃機関と、
前記排気管に接続され酸素の吸蔵・放出が可能であり前記内燃機関の排気を浄化する触媒が充填された触媒コンバータと、
前記排気管のうち前記触媒コンバータの下流に設置され前記排気に含まれる酸素量に応じて出力値が変化するリア排気センサと、
前記リア排気センサの出力値に基づいて前記触媒の酸素吸蔵量を演算する酸素吸蔵量演算手段と、
前記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記酸素吸蔵量演算手段によって演算された酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを前記触媒温度検出手段によって検出された温度を加味して判定し前記所定値を超えたときには前記リア排気センサに異常が発生したと判定する異常判定手段と、
を備えたものである。
このセンサ異常検出装置では、リア排気センサの出力値に基づいて触媒の酸素吸蔵量を演算し触媒の温度を加味して酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを判定し、所定値を超えたときにはリア排気センサの異常を検出する。ここで、触媒に吸蔵可能な酸素量は触媒の温度に依存して変化するため、触媒の温度を考慮せずにリア排気センサの出力値により酸素吸蔵量を求めると演算した酸素吸蔵量に誤差が含まれることがある。したがって、触媒の温度を加味して判定することによりこの誤差を補正してリア排気センサの異常を十分な精度で検出することができる。
本発明のセンサ異常検出装置において、前記異常判定手段は、前記温度を加味して判定するに際し、前記酸素吸蔵量を前記温度に基づいて補正するか又は前記所定値を前記温度に基づいて補正したうえで判定してもよい。こうすれば、リア排気センサの異常を十分な精度で検出することができる。
本発明のセンサ異常検出装置は、
空気と燃料とを所定の空燃比となるようにした混合気を燃焼させ燃焼エネルギを運動エネルギに変換し燃焼後の排気を排気管に排出する内燃機関と、
前記排気管に接続され酸素の吸蔵・放出が可能であり前記内燃機関の排気を浄化する触媒が充填された触媒コンバータと、
前記排気管のうち前記触媒コンバータの下流に設置され前記排気に含まれる酸素量に応じて出力値が変化するリア排気センサと、
前記リア排気センサの出力値に基づいて前記触媒の酸素吸蔵量を演算する酸素吸蔵量演算手段と、
前記触媒コンバータに含まれる成分の酸素消費量を把握する酸素消費量把握手段と、
前記酸素吸蔵量演算手段によって演算された酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを前記酸素消費量把握手段によって把握された酸素消費量を加味して判定し前記所定値を超えたときには前記リア排気センサに異常が発生したと判定する異常判定手段と、
を備えたものである。
このセンサ異常検出装置では、リア排気センサの出力値に基づいて触媒の酸素吸蔵量を演算し触媒コンバータに含まれる成分の酸素消費量を加味して酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを判定し、所定値を超えたときにはリア排気センサの異常を検出する。ここで、触媒コンバータに含まれる成分が酸素を消費するとリア排気センサの出力値の変化にずれが生じ、演算した酸素吸蔵量に誤差が含まれることがある。したがって、触媒コンバータに含まれる成分の酸素消費量を加味して判定することによりこの誤差を補正してリア排気センサの異常を十分な精度で検出することができる。
本発明のセンサ異常検出装置において、前記異常判定手段は、前記酸素消費量を加味して判定するに際し、前記酸素吸蔵量を前記酸素消費量に基づいて補正するか又は前記所定値を前記酸素消費量に基づいて補正したうえで判定してもよい。こうすれば、リア排気センサの異常を十分な精度で検出することができる。
本発明のセンサ異常検出装置は、
空気と燃料とを所定の空燃比となるようにした混合気を燃焼させ燃焼エネルギを運動エネルギに変換し燃焼後の排気を排気管に排出する内燃機関と、
前記排気管に接続され酸素の吸蔵・放出が可能であり前記内燃機関の排気を浄化する触媒が充填された触媒コンバータと、
前記排気管のうち前記触媒コンバータの下流に設置され前記排気に含まれる酸素量に応じて出力値が変化するリア排気センサと、
前記リア排気センサの出力値に基づいて前記触媒の酸素吸蔵量を演算する酸素吸蔵量演算手段と、
前記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記触媒コンバータに含まれる成分の酸素消費量を把握する酸素消費量把握手段と、
前記酸素吸蔵量演算手段によって演算された酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを前記触媒温度検出手段によって検出された温度及び前記酸素消費量把握手段によって把握された前記酸素消費量を加味して判定し前記所定値を超えたときには前記リア排気センサに異常が発生したと判定する前記異常判定手段と、
を備えたものである。
このセンサ異常検出装置では、リア排気センサの出力値に基づいて触媒の酸素吸蔵量を演算し触媒の温度及び触媒コンバータに含まれる成分の酸素消費量を加味して酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを判定し、所定値を超えたときにはリア排気センサの異常を検出する。ここで、触媒に吸蔵可能な酸素量は触媒の温度に依存して変化するため、触媒の温度を考慮せずにリア排気センサの出力値により酸素吸蔵量を求めると演算した酸素吸蔵量に誤差が含まれることがある。また、触媒コンバータに含まれる成分が酸素を消費するとリア排気センサの出力値の変化にずれが生じ、演算した酸素吸蔵量に誤差が含まれることがある。したがって、触媒の温度及び触媒コンバータに含まれる成分の酸素消費量を加味して判定することによりこれらの誤差を補正してリア排気センサの異常を十分な精度で検出することができる。
このセンサ異常検出装置において、前記異常判定手段は、前記温度を加味して判定するに際し、前記温度に基づいて前記酸素吸蔵量を補正するか又は前記温度に基づいて前記所定値を補正し、前記酸素消費量を加味して判定するに際し、前記酸素消費量を前記温度に基づいて修正し該修正した酸素消費量に基づいて前記酸素吸蔵量を補正するか又は該修正した酸素消費量に基づいて前記所定値を補正したうえで判定してもよい。こうすれば、触媒コンバータに含まれる成分は、触媒の温度に依存して燃焼することがあるため、触媒の温度に基づいて修正した酸素消費量を用いてリア排気センサの異常を十分な精度で検出することができる。また、このセンサ異常検出装置は、前記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段、を備え、前記酸素消費量把握手段は、前記検出した触媒の温度に基づいて修正して前記酸素消費量を把握するものとしてもよい。また、触媒温度検出手段を備えるセンサ異常検出装置において、前記酸素消費量把握手段は、前記検出した触媒の温度が高いほど大きくなる傾向に前記酸素消費量を把握するものとしてもよい。
本発明のセンサ異常検出装置は、前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射手段と、前記リア排気センサの出力値がリーンを示すまで目標空燃比を所定のリーン空燃比となるようにし、リア排気センサの出力値がリッチを示すまで目標空燃比を所定のリッチ空燃比となるように目標空燃比を交互に設定し該設定した目標空燃比となるように前記燃料噴射手段により前記燃料を前記内燃機関に噴射させる燃料噴射制御手段と、を備え、前記酸素吸蔵量演算手段は、前記燃料噴射制御手段が前記目標空燃比を交互に設定して制御しているときの前記リア排気センサの出力値に基づいて前記触媒の酸素吸蔵量を演算してもよい。ここで、リア排気センサの出力値がリーンを示すまで目標空燃比をリーン空燃比とすると余剰酸素が触媒に吸蔵されていく。一方、リア排気センサの出力値がリッチを示すまで目標空燃比をリッチ空燃比とすると、余剰の燃料により触媒に吸蔵された酸素が消費されていく。このように、リア排気センサの出力値が変化するまでは酸素吸蔵量が増加するか減少するかのどちらかであるため、吸蔵された酸素量又は消費された酸素量から酸素吸蔵量を演算しやすい。
ここで、「所定値」とは、リア排気センサの異常を判定する閾値であり、例えば、触媒に吸蔵可能な酸素吸蔵量を超え通常取り得ないような酸素吸蔵量の値としてもよい。更に、通常取り得ないような酸素吸蔵量の値であり異常を検出するまでの時間が長くなりすぎないような値としてもよい。
本発明の車両は、上述した種々の態様のいずれかのセンサ異常検出装置を搭載したものである。本発明のセンサ異常検出装置はリア排気センサの異常を適正に検出することができるから、これを搭載した車両も同様の効果を奏するものとなる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例である車両10が搭載するエンジン20の構成の概略を示す構成図である。車両10は、図1に示すように、燃料を燃焼した燃焼エネルギを運動エネルギに変換するエンジン20と、エンジン20の下流側に接続され排気を浄化する排気浄化触媒31が充填された触媒コンバータ30と、触媒コンバータ30の上流に設置され空燃比(空気量/燃料量)に応じて出力値が変化するフロント排気センサ35と、触媒コンバータ30の下流に設置され空燃比がリッチかリーンかに応じて出力値が変化するリア排気センサ36と、触媒コンバータ30に設置され排気浄化触媒31の温度を検出する温度センサ38と、エンジンシステム全体をコントロールするエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)50とを備える。なお、エンジン20の出力軸としてのクランクシャフト27には図示しない駆動軸、図示しないデファレンシャルギヤ、図示しない駆動輪などが接続され、エンジン20から出力された動力は最終的に図示しない駆動輪に出力されるようになっている。
エンジン20は、例えばガソリンなどの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されている。このエンジン20は、スロットルバルブ22を介して吸入された空気とインジェクタ23から噴射された燃料との混合気を吸気バルブ24を介して燃焼室に吸入し、この混合気を点火プラグ25による電気火花によって爆発燃焼させた燃焼エネルギにより押し下げられるピストン26の往復運動をクランクシャフト27が回転する運動エネルギに変換する。なお、吸入される空気はエアクリーナ21によって清浄化されたあとスロットルバルブ22を通過する。また、エンジン20からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する触媒コンバータ30を介して車外へ排出される。
触媒コンバータ30は、排気管34に接続され排気浄化触媒31が充填されたものである。排気浄化触媒31は、白金(Pt)やパラジウム(Pd)などの酸化触媒と、ロジウム(Rh)などの還元触媒と、セリア(CeO2)などの助触媒などを触媒の構成成分としてハニカム構造体に担持されたいわゆる三元触媒である。そして、酸化触媒の作用によりエンジン20から排出された排気に含まれるHC及びCOが水(H2O)や二酸化炭素(CO2)などに浄化され、還元触媒の作用により排気に含まれるNOxが窒素(N2)や酸素(O2)などに浄化される。この三元触媒では、混合気の空燃比が理論空燃比近傍のいわゆるウインドウ領域のときに還元触媒のNOxの吸着・分解反応とその際に生成する酸化成分によるHC,COの酸化反応とがバランスよく進み、HC,CO,NOxのすべてに対して高い浄化率を示す。ここで、CeO2は、Ceの価数が3価と4価の間で可逆的に変化する性質を持つため、排気がリーン雰囲気のときには3価から4価へ変化して排気から酸素を吸蔵し、排気がリッチ雰囲気のときには4価から3価に変化して排気へ酸素を放出する。なお、三元触媒の温度が高くなると、CeO2などの触媒成分が活性化するため、三元触媒に吸蔵可能な酸素量が大きくなる。
また、この排気浄化触媒31は、図2に示すように、無機保持マット32を巻き付けて触媒コンバータ30の内部に固定される。この無機保持マット32は、アルミナファイバーからなる耐熱性・断熱性・シール性を有するマットである。また、無機保持マット32は、組み付け性の向上のため有機バインダを含浸させたあと圧力を加えながら乾燥して全体的に肉薄な状態とし、肉薄な状態で排気浄化触媒31に巻き付けられ触媒コンバータ30の内部に圧入されて組み付けられる。そして、無機保持マット32に含浸された有機バインダをエンジン20の排気の熱により燃焼させて無機保持マット32を膨張させ、排気浄化触媒31の保持性などを高めるようになっている。
フロント排気センサ35は、排気管34のうち触媒コンバータ30の上流に設置され空燃比に応じて出力値が変化するセンサであり、本実施例では所定の電圧(例えば0.3V)を印加した状態で酸素濃度に応じた限界電流を出力する限界電流式酸素センサを採用している。この限界電流式酸素センサは空燃比に対する出力電流値がリニアな関係であるため、出力電流値から直接空燃比を求めることができる。なお、このフロント排気センサ35は、電気的にエンジンECU50に接続されている。
リア排気センサ36は、排気管34のうち触媒コンバータ30の下流に設置され空燃比がリッチかリーンかに応じて出力値が変化するセンサであり、本実施例では電解質であるジルコニアを大気と接触する基準電極と排気と接触する測定電極とで挟み両電極の酸素濃度差に応じた起電力を生じるジルコニア酸素センサを採用している。このリア排気センサ36は理論空燃比(A/F=14.5〜14.7)を境に出力電圧がリッチ側で約1V、リーン側で約0Vとなるため、適切な閾値V0(例えば0.45V)を設定して出力電圧と閾値との大小を比較することによりエンジン20へ噴射される混合気の空燃比がリッチなのかリーンなのかを判別することができる。なお、このリア排気センサ36は、電気的にエンジンECU50に接続されている。
エンジンECU50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、処理プログラムを記憶したROM54と、一時的にデータを記憶するRAM56と、入出力ポート(図示せず)とを備える。このエンジンECU50は、エンジン20の状態を検出する種々のセンサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU50には、クランクシャフト27の回転位置を検出するクランク角センサ27aからのクランクポジションやエンジン20の吸入空気量を検出するエアフローメータ28からの吸入空気量、フロント排気センサ35からの信号及びリア排気センサ36からの信号、温度センサ38からの信号、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Ac,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP及び車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU50からは、インジェクタ23への駆動信号、点火プラグ25の着火を行うイグナイタと一体化されたイグニッションコイル29への制御信号などのほか、エンジン20を駆動するための種々の制御信号が図示しない出力ポートを介して出力されている。
次に、こうして構成された本実施例の車両10の動作、まず触媒コンバータ30に含まれる酸素を消費する成分の量をカウントする動作について説明する。図3は、エンジンECU50のCPU52により実行されるエージングカウントルーチンのフローチャートである。このルーチンは、ROM54に記憶され、CPU52により所定タイミングごと(例えば数msecごと)に繰り返し実行される。エージングカウントルーチンが開始されると、CPU52は、エージングカウンタの値が0よりも大きいか否かを判定する(ステップS100)。このエージングカウンタには、触媒コンバータ30の内部の無機保持マット32などに含まれる有機バインダなどの酸素を消費する成分(以下酸素消費成分とする)の量に対応するカウンタの初期値が設定され、この初期値から酸素消費成分の減少と共に値が減少し酸素消費成分が燃焼して消失したときに値が0になるように設定されている。エージングカウンタの値が0以下であるときには、CPU52は、エージングカウンタのカウント量を0にセットし(ステップS110)、このルーチンを終了し、エージングカウンタの値が0より大きいときは、排気浄化触媒31の温度を温度センサ38から入力し(ステップS120)、排気浄化触媒31の温度に基づいたカウント量をセットし(ステップS130)、セットされたカウント量でカウンタをダウンカウントしてこのルーチンを終了する(ステップS140)。ここで、カウント量について説明する。本実施例では、排気浄化触媒31の温度を変化させたときの温度と酸素消費成分の減少量とを経験的に求め、この酸素消費成分の減少量に対応するカウント量を設定し、このカウント量と排気浄化触媒31の温度との関係を求めたマップを作成してROM54に記憶しておき、このマップを用いてカウント量をセットする。このマップの一例を図4に示す。排気浄化触媒31の温度が低いときには酸素消費成分は燃焼しないためカウント量は0であり、酸素消費成分が燃焼し始める温度T0から温度が高くなると酸素消費成分が燃焼しやすくなり、酸素消費量が大きくなるため、カウント量も大きくなるように設定されている。つまり、カウント量は、排気浄化触媒31の温度に基づいて修正された酸素消費成分の酸素消費量に相当する。
次に、触媒コンバータ30の下流に設置されたリア排気センサ36の異常を検出する動作について説明する。図5は、エンジンECU50のCPU52により実行されるエンジン制御ルーチンのフローチャートであり、図8及び図9は、エンジン制御ルーチンを実行したときのタイムチャートである。このルーチンは、ROM54に記憶され、CPU52により所定クランク角(例えば180°CA)ごとに繰り返し実行される。このルーチンが実行されると、異常検出フラグF3が1にセットされているか否かを判定する(ステップS200)。この異常検出フラグF3は、後述の異常判定ルーチンにおいてリア排気センサ36の異常が検出されたときに1にセットされるフラグであり、初期値は0に設定されている。異常検出フラグF3が1にセットされていないと判定されたときには、CPU52は、リア排気センサ36の出力値を入力し(ステップS210)、リーン制御実行フラグF2が1にセットされているか否かを判定する(ステップS220)。このリーン制御実行フラグF2は、後述のリーン空燃比制御が行われているときに1にセットされるフラグであり、初期値は0にセットされている。リーン制御実行フラグF2が1にセットされていないと判定されたときには、CPU52は、リッチ制御実行フラグF1が1にセットされているか否かを判定する(ステップS230)。このリッチ制御実行フラグF1は、後述のリッチ空燃比制御が行われているときに1にセットされるフラグであり、初期値は0にセットされている。リッチ制御実行フラグF1が1にセットされていないと判定されたときには、CPU52は、異常検出条件が成立しているか否かを判定する(ステップS240)。この異常検出条件は、例えば、排気浄化触媒31の温度が排気浄化触媒31の活性化する温度T1以上であり、車速Vが一定であり、アクセル開度Acが大きく変化していないときなどに成立する。なお、排気浄化触媒31が活性化していなければ排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を求めることができないため、この温度T1以上であるときに後述の異常検出制御を実行する。異常検出条件が成立していないときには、CPU52は、ROM54に記憶された通常時空燃比制御ルーチンを実行する(ステップS250)。
ステップS250の通常時空燃比制御ルーチンが実行されると、CPU52は、目標空燃比を理論空燃比(例えば14.6など)に設定し、エアフローメータ28で検出された吸入空気量に対する基本燃料噴射量TPを算出し、燃料噴射量TAUを次式(1)より算出する。すなわち、フロント排気センサ35の出力値から混合気の空燃比を測定し、目標空燃比と測定空燃比との差分が0になる燃料噴射量となるような空燃比補正係数FAF1を決定する。次にリア排気センサ36の出力値がリーンを示すときは測定空燃比がリッチになるように、出力値がリッチを示すときは測定空燃比がリーンになるような空燃比補正係数FAF2を決定する。空燃比補正係数FAF1,FAF2やその他の補正係数a,bを基本燃料噴射量TPに掛けることにより燃料噴射量TAUを算出する。
TAU←TP・FAF1・FAF2・a・b…(1)
そして、CPU52は、燃料噴射量TAUの燃料がインジェクタ23から噴射されるようにインジェクタ23の開弁時間を制御する。なお、燃料噴射量TAUは、算出されるごとにRAM56に記憶される。
次に、ステップS240で異常検出条件が成立したときには、CPU52は、ステップS210で入力したリア排気センサ36の出力値はリーンか否かを判定する(ステップS260)。リア排気センサ36の出力値がリーンでないときには、CPU52は、通常時空燃比制御ルーチンを実行し(ステップS250)、このルーチンを終了し、一方、リア排気センサ36の出力値がリーンであるときには、リア排気センサ36の異常検出制御を実行する(図9のt0参照)。なお、ここではリア排気センサ36の出力値がリーンであるときに異常検出制御を実行するとしたが、リッチであるときに実行するとしてもよい。まず、CPU52は、リッチ制御実行フラグF1を1にセットし(ステップS270)、ROM54に記憶されたリッチ空燃比制御ルーチンを実行する(ステップS280)。このルーチンが実行されると、CPU52は、目標空燃比を所定のリッチ空燃比(例えば14.1など)に設定し、目標空燃比と測定空燃比との差分が0になる燃料噴射量となるような空燃比補正係数FAF1を決定する。そして、CPU52は、上述の式(1)を用いて燃料噴射量TAUを決定し、その燃料噴射量TAUの燃料をエンジン20へ噴射するようにインジェクタ23を操作し、このルーチンを終了する。なお、リア排気センサ36の出力値をリッチ空燃比制御に用いると測定空燃比を理論空燃比に引き戻してしまうことがあるため、この制御の際には空燃比補正係数FAF2は1にセットされる。
続いて、CPU52は、ROM54に記憶された異常判定ルーチンを実行する(ステップS290)。図6は、CPU52により実行される異常判定ルーチンのフローチャートである。このルーチンが実行されると、CPU52は、燃料噴射量TAUと、排気浄化触媒31の温度と、上述のエージングカウントルーチンでセットされているカウント量を読み出し(ステップS291)、今回の排気浄化触媒31に吸蔵される酸素量Sを演算する(ステップS292)。ここで、酸素量Sは、次式(2)によって求めることができる。すなわち、目標空燃比と理論空燃比との差分ΔRをとり、この差分に燃料噴射量TAUと
空気中に含まれる酸素の比率r(0.2)を掛けると目標空燃比がリッチ空燃比のときは不足酸素量として酸素量Sが演算される。また、目標空燃比がリーン空燃比のときは余剰酸素量として酸素量Sが演算される。
S=ΔR・TAU・r…(2)
なお、酸素量Sは、本実施例では式(2)を用いて演算するとしたが、燃料噴射量TAU、差分ΔR及び比率rと酸素吸蔵量とを予め経験的に定めたマップを作成してROM5
4に記憶させ、このマップを用いて求めてもよい。
次に、CPU52は、排気浄化触媒31の温度及びエージングカウンタにセットされているカウント量に基づいて酸素量Sを補正する(ステップS293)。ここで、酸素量Sの補正について説明する。まず、排気浄化触媒31の温度に基づいて酸素量Sを補正する。本実施例では、排気浄化触媒31の温度を変化させたときの酸素吸蔵量を予め求め、その結果から温度が変化しても所定の基準温度における酸素吸蔵量となるような第1補正係数を求め、この温度と第1補正係数との関係を対応付けたマップを作成してROM54に記憶しておく。そして、現在の排気浄化触媒31の現在の温度に対応する第1補正係数をこのマップから読み出し、酸素量Sにその第1補正係数を乗じることにより温度補正を行う。このマップの一例を図7に示す。排気浄化触媒31が活性化する温度T1では第1補正係数はL1(例えば1など)に設定され、温度T1より高くなると排気浄化触媒31に吸蔵可能な酸素量が増加するため、第1補正係数が小さくなるように、つまり、酸素量Sが小さくなるように設定されている。次に、エージングカウンタにセットされるカウント量に対応する酸素消費成分の酸素消費量をこの温度補正した酸素量Sから差し引く補正を行う。ここで、カウント量に対応する酸素消費成分の酸素消費量は既に述べたとおり温度による修正がなされているため、温度補正した酸素量Sからこの酸素消費量をそのまま差し引けば、酸素量Sにつき温度と酸素消費成分の酸素消費量を加味した補正が完了する。その後、CPU52は、前回の酸素吸蔵量を読み出して今回の補正後の酸素量Sを加えて酸素吸蔵量を演算しRAM56に記憶させ(ステップS294)、演算した酸素吸蔵量が所定値を超えているか否かを判定し(ステップS295)、酸素吸蔵量が所定値を超えていないと判定されたときには、そのままこのルーチンを終了する。ここで、酸素吸蔵量は、燃料噴射が行われるごとに演算される酸素量Sの積算量であり、初期値が0にセットされ、リア排気センサ36の出力値が反転するごとに0にセットされる(図9参照)。また、排気浄化触媒31の温度及びカウント量に基づいて補正された酸素量Sから酸素吸蔵量を演算するため、演算された酸素吸蔵量もこれらに基づいて補正されたものとなる。なお、所定値は、予め求めた排気浄化触媒31の吸蔵可能な最大酸素吸蔵量(例えば新品状態のものなど)にマージンを加えた量として設定されている(図9参照)。
一方、異常判定ルーチンのステップS295で酸素吸蔵量が所定値を超えていると判定されたときには(図8のt6)、CPU52は、異常検出フラグF3を1にセットし(ステップS296)、異常発生処理を行い(ステップS297)、このルーチンを終了する。ここで、異常発生処理とは、例えば、図示しないインジケータに備えたリア排気センサ36の異常発生ランプを点灯させ報知することなどを行う。図5のフローチャートに戻り、ステップS100で異常検出フラグF3が1にセットされていると判定されたときには、CPU52は、ROM54に記憶された異常時空燃比制御ルーチンを実行する(ステップS370)。このルーチンが実行されると、CPU52は、目標空燃比を理論空燃比に設定し、フロント排気センサ35の出力値のみから混合気の空燃比を測定し、目標空燃比と測定空燃比との差分が0になる燃料噴射量となるような空燃比補正係数FAF1を決定する。そして、CPU52は、上述の式(1)を用いて燃料噴射量TAUを決定し(ここでは空燃比補正係数FAF2=1である。)、その燃料噴射量TAUの燃料をエンジン20へ噴射するようにインジェクタ23を操作し、このルーチンを終了する。
次に、ステップS230でリッチ制御実行フラグF1が1にセットされていると判定されたときには、CPU52は、リア排気センサ36の出力値がリッチであるか否かを判定し(ステップS300)、リア排気センサ36の出力値がリッチでないときにはリッチ空燃比制御ルーチンを継続して実行し(ステップS280)、そのまま上述した異常判定ルーチンを実行し(ステップS290)、このルーチンを終了する。一方、ステップS300でリア排気センサ36の出力値がリッチであるときには、空燃比変動カウンタのカウンタ値が5以上であるか否かを判定する(ステップS310)。ここで、空燃比変動カウンタは、リア排気センサ36の出力値が反転した回数をカウントするものであり、初期値は0にセットされている。なお、本実施例ではリア排気センサ36の異常検出を行いながらリッチ空燃比制御(図9のt0〜t1,t2〜t3,t4〜t5)とリーン空燃比制御(図9のt1〜2,t3〜4)とを5回交互に繰り返すように設定されている。空燃比変動カウンタのカウンタ値が5以上でないときには、CPU52は、リッチ制御実行フラグF1を0にセットしリーン制御実行フラグF2を1にセットし空燃比変動カウンタのカウンタ値に1を加える(ステップS320)。ここで、リア排気センサ36の出力値がリッチに切り替わると、排気浄化触媒31に吸蔵された酸素が全て消費されているため、RAM56に記憶された酸素吸蔵量を0にリセットする。
そして、CPU52は、ROM54に記憶されたリーン空燃比制御ルーチンを実行する(ステップS330)。このルーチンが実行されると、CPU52は、目標空燃比を所定のリーン空燃比(例えば、15.1など)に設定し、目標空燃比と測定空燃比との差分が0になる燃料噴射量となるような空燃比補正係数FAF1を決定する。そして、CPU52は、上述の式(1)を用いて燃料噴射量TAUを決定し、その燃料噴射量の燃料をエンジン20へ噴射するようにインジェクタ23を操作し、このルーチンを終了する。なお、リア排気センサ36の出力値をリーン空燃比制御に用いると測定空燃比を理論空燃比に引き戻してしまうことがあるため、この制御の際には空燃比補正係数FAF2は1にセットされる。
次に、ステップS220でリーン制御実行フラグF2が1にセットされていると判定されたときには、CPU52は、リア排気センサ36の出力値がリーンであるか否かを判定し(ステップS340)、リア排気センサ36の出力値がリーンでないときには、リーン空燃比制御ルーチンを継続して実行し(ステップS330)、そのまま上述した異常判定ルーチンを実行し(ステップS290)、このルーチンを終了する。一方、ステップS340でリア排気センサ36の出力値がリーンであるときには、リッチ制御実行フラグF1を1にセットしリーン制御実行フラグF2を0にセットし空燃比変動カウンタのカウンタ値に1を加え(ステップS350)、リッチ空燃比制御ルーチンを実行し(ステップS280)、そのまま上述した異常判定ルーチンを実行し(ステップS290)、このルーチンを終了する。
その後、ステップS295で酸素吸蔵量が所定値を超えていないと判定されたときには、リッチ空燃比制御の継続又はリーン空燃比制御の継続が交互に繰り返され、空燃比変動カウンタのカウンタ値が増加していく。そして、ステップS310で空燃比変動カウンタのカウンタ値が5以上であるときには(図9のt5)、CPU52は、リッチ制御実行フラグF1を0にセットすると共に空燃比変動カウンタのカウンタ値をクリアし(ステップS360)、このルーチンを終了する。
次に、図8及び図9に示したタイミングチャートを用いて一連の処理を説明する。排気浄化触媒31の温度が排気浄化触媒31の活性化する温度T1以上であり、車速Vが一定であり、アクセル開度Acが大きく変化していないときなどの異常検出条件が成立し、リア排気センサ36の出力値がリーンであるときにリア排気センサ36の異常検出制御が実行される(t0)。リア排気センサ36に異常が発生しセンサ出力が出ないときに異常検出制御が実行されると、図8に示すように、演算された排気浄化触媒31の酸素吸蔵量が所定値を超え(t6)、リア排気センサ36の異常が検出され、異常発生ランプを点灯させるなどの異常検出処理が行われる。一方、リア排気センサ36が正常であるときに異常検出制御が実行されると、図9に示すように、CPU52は、目標空燃比をリッチ空燃比に設定して空燃比制御を実行し、リア排気センサ36の出力値がリッチを示すまでリッチ空燃比に制御する。このときに、インジェクタ23が燃料を噴射するごとに排気浄化触媒31から消費される酸素量Sを演算し、演算した酸素量Sを排気浄化触媒31の温度及びエージングカウンタのカウント量に基づいて補正し、補正した酸素量Sを積算して酸素吸蔵量を演算し、酸素吸蔵量が所定値を超えているか否かを判定する。酸素吸蔵量が所定値を超えていないときには、リッチ空燃比の制御を継続し(t0〜t1)、酸素量Sが積算されていき、リア排気センサ36の出力値がリッチを示すと、酸素吸蔵量を0にリセットし、目標空燃比をリーン空燃比に設定して空燃比制御を実行する(t1〜t2)。そして、リッチ空燃比制御の継続、リーン空燃比制御の継続を交互に繰り返す間、酸素量Sを演算・補正して積算した酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを判定する。そして、5回目の空燃比制御でリア排気センサ36の出力値がリッチになるとき酸素吸蔵量が所定値を超えていなければリア排気センサ36は正常であると検出し異常検出制御を終了する(t5)。ここで、排気浄化触媒31に吸蔵可能な酸素量は温度に依存して変化するため、排気浄化触媒31の温度を考慮せずにリア排気センサ36の出力値により酸素吸蔵量を求めると演算した酸素吸蔵量に誤差が含まれることがある。また、触媒コンバータ30に含まれる成分が酸素を消費するとリア排気センサ36の出力値の変化にずれが生じ、演算した酸素吸蔵量に誤差が含まれることがある。また、この酸素消費成分による酸素消費量も排気浄化触媒31の温度に依存して変化する。したがって、酸素量Sを補正しない場合は、一点鎖線で示すようにこれらの誤差によりリア排気センサ36が正常であるにもかかわらず異常であると判定されてしまう。
ここで、本実施例の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施例のインジェクタ23が本発明の燃料噴射手段に相当し、温度センサ38が触媒温度検出手段に相当し、エンジンECU50が酸素吸蔵量演算手段、異常判定手段、酸素消費量把握手段及び燃料噴射制御手段に相当する。
以上詳述した本実施例の車両10では、リア排気センサ36の出力値に基づいて排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を演算し、エージングカウンタのカウント量を用いて排気浄化触媒31の温度に基づいて酸素消費量を修正し、修正した酸素消費量及び排気浄化触媒31の温度に基づいて酸素吸蔵量を補正し、補正した酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを判定し、所定値を超えたときにはリア排気センサ36の異常を検出する。したがって、排気浄化触媒31の温度及び触媒コンバータ30に含まれる成分の酸素消費量に基づいて誤差を補正してリア排気センサの異常を十分な精度で検出することができる。
更に、リア排気センサ36の出力値がリーンを示すまで目標空燃比を所定のリーン空燃比となるようにし、リア排気センサ36の出力値がリッチを示すまで目標空燃比を所定のリッチ空燃比となるように目標空燃比を交互に設定して制御し、この目標空燃比を交互に設定して制御しているときのリア排気センサ36の出力値に基づいて排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を演算する。ここで、リア排気センサ36の出力値がリーンを示すまで目標空燃比をリーン空燃比とすると余剰酸素が排気浄化触媒31に吸蔵されていく。一方、リア排気センサ36の出力値がリッチを示すまで目標空燃比をリッチ空燃比とすると、余剰の燃料により排気浄化触媒31に吸蔵された酸素が消費されていく。このように、リア排気センサ36の出力値が変化するまでは酸素吸蔵量が増加するか減少するかのどちらかであるため、吸蔵された酸素量又は消費された酸素量から酸素吸蔵量を演算しやすい。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施例では、エージングカウンタを用いて触媒コンバータ30に含まれる酸素消費成分の酸素消費量によって排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を補正するとしたが、これを省略して排気浄化触媒31の温度のみに基づいて酸素吸蔵量を補正するとしてもよい。こうすれば、例えば、車両10への装着前に触媒コンバータ30のエージングを行い、車両10への装着時に酸素消費成分が含まれていないような場合に、簡易にリア排気センサ36の異常を十分な精度で検出することができる。
また、上述した実施例では、排気浄化触媒31の温度に基づいて排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を補正するとしたが、これを省略して触媒コンバータ30に含まれる酸素消費成分の酸素消費量のみに基づいて排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を補正するとしてもよい。こうすれば、例えば、触媒コンバータ30の温度に大きな変化がない場合に、簡易にリア排気センサ36の異常を十分な精度で検出することができる。
更に、上述した実施例では、第1補正係数を用いて酸素量Sを小さい値に補正するとしたが、図10に示すマップの第2補正係数により排気浄化触媒31の温度に基づいてリア排気センサ36の異常を判定する所定値を大きな値に補正してもよい。図10に示すマップは、排気浄化触媒31が活性化する温度T1のときに第2補正係数はL2(例えば1など)に設定され、排気浄化触媒31が活性化する温度T1を超えて温度が高くなると第2補正係数が大きくなるように、つまり、所定値が大きくなるように設定されている。こうしても、リア排気センサ36の異常を十分な精度で検出することができる。また、エージングカウンタのカウント量に対応する酸素消費成分の酸素消費量を酸素量Sから差し引いて小さい値に補正するとしたが、酸素消費成分の酸素消費量を所定値に加えて所定値を大きい値に補正してもよい。こうしても、リア排気センサ36の異常を十分な精度で検出することができる。
更にまた、上述した実施例では、温度センサ38を用いて排気浄化触媒31の温度を直接測定するとしたが、エアフローメータ28によって検出された積算吸入空気量からこの温度を推定するとしてもよい。混合気の燃焼により加熱した排気によって排気浄化触媒31の温度が上昇することになり、積算吸入空気量(積算排気量)と排気浄化触媒31の温度は相関関係にあるため、積算吸入空気量と排気浄化触媒31の温度の関係を経験的に求めたマップをROM54に記憶しておき、このマップから温度を求めてもよい。こうすれば、温度センサ38を設置することなく排気浄化触媒31の温度を求めることができる。
そして、上述して実施例では、排気浄化触媒31の温度が温度T0を超えてから高くなるほどエージングカウンタのカウント量が大きくなるように設定されたマップを用いてカウント量を設定するとしたが、温度T0を超えてから高くなるほどエージングカウンタのカウント量が大きくなるようにステップ的に定めたマップを用いてカウント量を設定してもよい。こうしても、酸素消費成分の燃焼により消費された酸素消費量を排気浄化触媒31の温度に基づいて修正しリア排気センサ36の異常を十分な精度で検出することができる。
そしてまた、上述して実施例では、排気浄化触媒31の温度が温度T1を超えてから高いほど第1補正係数が小さくなるように設定されたマップを用いて排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を小さい値に補正するとしたが、排気浄化触媒31の温度が温度T1を超えてから高いほど第1補正係数が小さくなるようにステップ的に定めたマップを用いて第1補正係数を設定してもよい。こうしても、排気浄化触媒31の酸素吸蔵量を酸素消費量に基づいて補正しリア排気センサ36の異常を十分な精度で検出することができる。
そして更に、上述した実施例では、目標空燃比をリッチ空燃比とリーン空燃比とを繰り返しながらリア排気センサ36の異常を検出するとしたが、例えば燃料カットの実行時など、空燃比がリーン空燃比又はリッチ空燃比に偏る時期を利用してリア排気センサ36の異常検出を行ってもよい。
本実施例のエンジン20の構成の概略を示す構成図である。 本実施例の触媒コンバータ30の説明図である。 本実施例のエージングカウントルーチンである。 本実施例のエージングカウンタのカウント量を求めるマップである。 本実施例のエンジン制御ルーチンである。 本実施例の異常判定ルーチンである。 本実施例の第1補正係数のマップである。 リア排気センサ36の異常検出時の空燃比制御のタイムチャートである。 リア排気センサ36の異常検出時の空燃比制御のタイムチャートである。 本実施例の第2補正係数のマップである。
符号の説明
10 車両、20 エンジン、21 エアクリーナ、22 スロットルバルブ、23 インジェクタ、24 吸気バルブ、25 点火プラグ、26 ピストン、27 クランクシャフト、27a クランク角センサ、28 エアフローメータ、29 イグニッションコイル、30 触媒コンバータ、31 触媒、32 無機保持マット、34 排気管、35 フロント排気センサ、36 リア排気センサ、38 温度センサ、50 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、52 CPU、54 ROM、56 RAM、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ。

Claims (8)

  1. 空気と燃料とを所定の空燃比となるようにした混合気を燃焼させ燃焼エネルギを運動エネルギに変換し燃焼後の排気を排気管に排出する内燃機関と、
    前記排気管に接続され酸素の吸蔵・放出が可能であり前記内燃機関の排気を浄化する触媒が充填された触媒コンバータと、
    前記排気管のうち前記触媒コンバータの下流に設置され前記排気に含まれる酸素量に応じて出力値が変化するリア排気センサと、
    前記リア排気センサの出力値に基づいて前記触媒の酸素吸蔵量を演算する酸素吸蔵量演算手段と、
    前記触媒コンバータに含まれる成分が燃焼して酸素を消費する量である酸素消費量を把握する酸素消費量把握手段と、
    前記酸素吸蔵量演算手段によって演算された酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを前記酸素消費量把握手段によって把握された酸素消費量を加味して判定し前記所定値を超えたときには前記リア排気センサに異常が発生したと判定する異常判定手段と、
    を備えたセンサ異常検出装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記酸素消費量を加味して判定するに際し、前記酸素吸蔵量を前記酸素消費量に基づいて補正するか又は前記所定値を前記酸素消費量に基づいて補正したうえで判定する、請求項に記載のセンサ異常検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載のセンサ異常検出装置であって、
    前記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段、を備え、
    前記酸素消費量把握手段は、前記検出した触媒の温度に基づいて修正して前記酸素消費量を把握する、センサ異常検出装置。
  4. 請求項1又は2に記載のセンサ異常検出装置であって、
    前記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段、を備え、
    前記異常判定手段は、前記酸素吸蔵量演算手段によって演算された酸素吸蔵量が所定値を超えたか否かを前記触媒温度検出手段によって検出された温度及び前記酸素消費量把握手段によって把握された前記酸素消費量を加味して判定し前記所定値を超えたときには前記リア排気センサに異常が発生したと判定する、センサ異常検出装置。
  5. 前記異常判定手段は、前記温度を加味して判定するに際し、前記温度に基づいて前記酸素吸蔵量を補正するか又は前記温度に基づいて前記所定値を補正し、前記酸素消費量を加味して判定するに際し、前記酸素消費量を前記温度に基づいて修正し該修正した酸素消費量に基づいて前記酸素吸蔵量を補正するか又は該修正した酸素消費量に基づいて前記所定値を補正したうえで判定する、請求項に記載のセンサ異常検出装置。
  6. 前記酸素消費量把握手段は、前記検出した触媒温度が高いほど大きくなる傾向に前記酸素消費量を把握する、請求項3〜5のいずれか1項に記載のセンサ異常検出装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のセンサ異常検出装置であって、
    前記内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    前記リア排気センサの出力値がリーンを示すまで目標空燃比を所定のリーン空燃比となるようにし、リア排気センサの出力値がリッチを示すまで目標空燃比を所定のリッチ空燃比となるように目標空燃比を交互に設定し該設定した目標空燃比となるように前記燃料噴射手段により前記燃料を前記内燃機関に噴射させる燃料噴射制御手段と、
    を備え、
    前記酸素吸蔵量演算手段は、前記燃料噴射制御手段が前記目標空燃比を交互に設定して制御しているときの前記リア排気センサの出力値に基づいて前記触媒の酸素吸蔵量を演算する、
    センサ異常検出装置。
  8. 請求項1〜7に記載のセンサ異常検出装置を備えた車両。
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