JP7332566B2 - センサ状態推定装置、後処理システム、センサの状態を推定する方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

センサ状態推定装置、後処理システム、センサの状態を推定する方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

本発明は、後処理システムに設けられたセンサの状態を推定する技術に関する。
内燃機関等から排出される排気に含まれる有害物質を浄化する技術が知られている。例えば、特許文献1には、添加剤としてNH3(アンモニア)を使用し、有害物質としてのNOx(窒素酸化物)を浄化するSCR触媒(選択還元触媒:Selective Catalytic Reduction catalyst)を用いた後処理システムについて開示されている。例えば、特許文献2及び特許文献3には、添加剤としてリッチスパイク処理により生じるCO(一酸化炭素),H2(水素),HC(炭化水素)を用い、有害物質としてのNOxを浄化するNSR触媒(吸蔵還元触媒:NOx Storage Reduction catalyst、NOx触媒とも呼ばれる)を用いた後処理システムについて開示されている。
特開2008-190383号公報 特開2004-308455号公報 特開2009-180086号公報
ところで、上述した後処理システムでは、排気が流通する主流路に排気中の所定成分の濃度を検出するセンサを設け、当該センサの観測値を利用した後処理システムの制御が行われている。例えば、特許文献2に記載の技術では、NSR触媒の上流側と下流側とにNOxセンサを設け、これらNOxセンサの観測値の変化から、NSR触媒の劣化状態を診断している。例えば、特許文献3に記載の技術では、排気中のO2(酸素)濃度を検出する空燃比センサを設け、この空燃比センサの観測値を用いて、NSR触媒における還元処理の実行時間を決定している。しかし、これらのセンサ(NOxセンサ、空燃比センサ等、排気中の所定成分の濃度を検出するセンサ)では、ハード的なばらつき(例えば、検出素子等の製造誤差)や、経年劣化等に起因して、正確な濃度が検出できない場合がある。
この点、特許文献1に記載の技術では、内燃機関から排出されるNOx流量の基準パターンと、NOxセンサの観測値によるNOx濃度の追従パターンと、を比較することでNOxセンサの故障診断を実現している。しかし、特許文献1に記載の技術では、内燃機関の運転状態によっては、長時間、内燃機関から排出されるNOx流量が基準パターンとならない場合があり、このような場合に、NOxセンサの故障診断ができないという課題を有する。なお、特許文献2及び特許文献3に記載の技術では、センサの状態を推定することについて、何ら考慮されていない。
なお、このような課題は、排気中のNOx濃度やO2濃度を検出するセンサに限らず、排気中の所定成分(任意の成分)の濃度を検出するセンサの全般に共通する。また、このような課題は、内燃機関からの排気に限らず、有害物質を含む排気を浄化する後処理システムの全般に共通する。さらに、このような課題は、添加剤としてNH3を用いるSCR触媒や、添加剤としてリッチスパイク処理により生じるCO,H2,HCを用いるNSR触媒に限らず、添加剤として酸化還元反応により生じるO2(酸素)を使用する三元触媒(Three-Way Catalyst)にも共通する。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、排気中の所定成分の濃度を取得するセンサのばらつき量を推定する技術の向上を図ることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。センサ状態推定装置であって、排気が流通する主流路において、前記排気中の有害物質を浄化する触媒の上流側または下流側に設けられ、前記排気中の所定成分の濃度を取得するセンサと、数理モデルを用いて、前記触媒に吸蔵されている前記所定成分の吸蔵量を推定する吸蔵量推定部と、前記吸蔵量推定部により推定された吸蔵量と、前記センサの観測値とから、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムを使用して構成された状態推定器を用いて、前記センサのばらつきを表すばらつき量を推定するばらつき推定部と、を備える、センサ状態推定装置。そのほか、本発明は、以下の形態としても実現可能である。
(1)本発明の一形態によれば、センサ状態推定装置が提供される。このセンサ状態推定装置は、排気が流通する主流路において、前記排気中の有害物質を浄化する触媒の上流側または下流側に設けられ、前記排気中の所定成分の濃度を取得するセンサと、数理モデルを用いて、前記触媒に吸蔵されている前記所定成分の吸蔵量を推定する吸蔵量推定部と、前記吸蔵量推定部により推定された吸蔵量と、前記センサの観測値とから、状態推定理論を用いて、前記センサのばらつきを表すばらつき量を推定するばらつき推定部と、を備える、センサ状態推定装置。
この構成によれば、ばらつき推定部は、吸蔵量推定部により推定された吸蔵量と、排気中の所定成分(例えば、NOx,NH3,O2,A/F)の濃度を取得するセンサの観測値とから、状態推定理論を用いて、センサのばらつきを表すばらつき量を推定する。このため、ばらつき推定部は、内燃機関の運転状態や所定成分の流量パターンに左右されずに、センサのばらつき量を推定することができるため、センサのばらつき量を推定する(換言すれば、センサの劣化診断をする)頻度を向上できる。この結果、本構成のセンサ状態推定装置によれば、センサのばらつき量を推定する技術の向上を図ることができる。
(2)上記形態のセンサ状態推定装置において、前記ばらつき推定部は、さらに、前記センサの観測値と、推定した前記ばらつき量とから、前記状態推定理論を用いて補正された前記センサの観測値である補正後観測値を推定してもよい。
この構成によれば、ばらつき推定部は、センサの観測値と、推定したばらつき量とから、状態推定理論を用いて補正されたセンサの観測値である補正後観測値を推定する。このため、センサ状態推定装置またはセンサ状態推定装置に接続された他の制御装置(以降、「センサ状態推定装置等」とも呼ぶ)は、センサのばらつき量を考慮した高精度な補正後観測値を用いて後処理システムを制御することができるため、後処理システムの浄化効率を向上できる。例えば、センサ状態推定装置等は、補正後観測値を用いて添加剤の供給制御(例えば、リッチスパイク制御)を行うことで、触媒に対する添加剤の供給をより適正化し、後処理システムの浄化効率を向上できる。
(3)上記形態のセンサ状態推定装置において、前記ばらつき推定部は、さらに、前記吸蔵量推定部により推定された吸蔵量と、推定した前記ばらつき量とから、前記状態推定理論を用いて補正された前記触媒における前記所定成分の吸蔵量である補正後吸蔵量を推定してもよい。
この構成によれば、ばらつき推定部は、吸蔵量推定部により推定された吸蔵量と、推定したばらつき量とから、状態推定理論を用いて補正された触媒における所定成分の吸蔵量である補正後吸蔵量を推定する。このため、センサ状態推定装置等は、センサのばらつき量を考慮した高精度な補正後吸蔵量を用いて後処理システムを制御することができるため、後処理システムの浄化効率を向上できる。例えば、センサ状態推定装置等は、補正後吸蔵量を用いて添加剤の供給制御(例えば、リッチスパイク制御)を行うことで、触媒に対する添加剤の供給をより適正化し、後処理システムの浄化効率を向上できる。
(4)上記形態のセンサ状態推定装置では、さらに、前記ばらつき量が予め定められた範囲を超えた場合に、その旨を表示する表示部を備えてもよい。
この構成によれば、センサ状態推定装置は、センサのばらつき量が予め定められた範囲を超えた場合に、その旨を表示する表示部を備えるため、利用者やメンテナンス作業者等にセンサの劣化を知らせることができる。
(5)上記形態のセンサ状態推定装置において、前記ばらつき推定部は、前記状態推定理論として、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムを使用してもよい。
この構成によれば、ばらつき推定部は、状態推定理論として、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムを使用することで、実測が困難な状態量(すなわち、センサのばらつき量)を推定できる。
(6)上記形態のセンサ状態推定装置において、前記主流路に同種の複数の前記触媒が設けられている場合に、前記センサは、前記複数の触媒のうち、最上流の触媒よりも上流側、または、最下流の触媒よりも下流側に設けられており、前記吸蔵量推定部は、前記複数の触媒全体としての前記所定成分の吸蔵量の合計値を推定し、前記ばらつき推定部は、前記吸蔵量推定部により推定された吸蔵量の合計値と、前記センサの観測値とから、前記ばらつき量を推定してもよい。
この構成によれば、主流路に同種の複数の触媒が設けられている場合に、吸蔵量推定部は、複数の触媒全体としての所定成分の吸蔵量の合計値を推定する。このため、触媒と触媒との間における排気管等の影響を数理モデルに予め織り込んでおくことで、吸蔵量推定部は、排気管等に関する情報を取得することなく、吸蔵量の合計値を高精度に推定できる。換言すれば、各触媒の吸蔵量をそれぞれ推定する場合と比較して、センサ等の数を減らすことができるため、後処理システムの部品点数を削減できると共に、吸蔵量推定部の演算負荷を低減でき、処理を高速化できる。また、吸蔵量推定部は、主流路に設けられた複数の触媒が同種の触媒である場合に、これらを1つの触媒とみなして吸蔵量の合計値を推定する。同種の触媒であれば、吸蔵量の合計値を左右する触媒の情報項目(例えば、触媒の温度、触媒に吸蔵されている添加剤の量)に相違がないため、吸蔵量推定部は、吸蔵量の合計値を精度良く推定することができる。さらに、センサは、複数の触媒のうち、最上流の触媒よりも上流側、または、最下流の触媒よりも下流側に設けられているため、ばらつき推定部は、当該センサを、複数の触媒からなる触媒群の上流側または下流側に設けられたセンサとして取り扱うことができる。
(7)本発明の一形態によれば、後処理システムが提供される。この後処理システムは、上記形態のセンサ状態推定装置と、排気が流通する主流路に設けられ、前記排気中の有害物質を浄化する触媒と、前記触媒に対して有害物質を浄化するための添加剤を供給する供給部と、前記供給部における前記添加剤の供給を制御する供給制御部と、を備える。
この構成によれば、センサのばらつき量を考慮した添加剤の供給が可能な後処理システムを提供できる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、センサ状態推定装置、推定されたセンサの状態を使用して後処理システムを制御する制御装置、これらの装置を含む後処理システム、これら装置及びシステムの制御方法、これら装置及びシステムにおいて実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを配布するためのサーバ装置、そのコンピュータプログラムを記憶した一時的でない記憶媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態としての後処理システムのブロック図である。 第4モデルについて説明する図である。 センサ状態推定装置における推定処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の後処理システムのブロック図である。 第3実施形態の後処理システムのブロック図である。 第3実施形態の推定処理の手順を示すフローチャートである。 第4実施形態における後処理システムのブロック図である。 第5実施形態における後処理システムのブロック図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の一実施形態としての後処理システム1のブロック図である。本実施形態の後処理システム1は、センサ状態推定装置10と、排気浄化装置20とを備える。本実施形態のセンサ状態推定装置10は、後述する処理によって、排気中の所定成分の濃度を取得するセンサのばらつきを推定できる。本実施形態では、排気中の所定成分としてNOx(窒素酸化物)を例示する。本実施形態の排気浄化装置20は、内燃機関92の排気中における有害物質としてのNOxを浄化する装置であり、触媒としてNSR触媒70(吸蔵還元触媒:NOx Storage Reduction catalyst、NOx触媒とも呼ばれる)を備え、添加剤としてリッチスパイク処理により生じるCO(一酸化炭素),H2(水素),HC(炭化水素)を使用する場合を例示する。
内燃機関92は、例えば、ディーゼルエンジンや、リーンバーン運転方式のガソリンエンジンである。燃焼状態制御部91は、内燃機関92に対する空気や燃料の噴射を制御することで、内燃機関92内の空燃比をリーン、ストイキ、リッチの各状態へと制御する。燃焼状態制御部91は、例えば、ECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)により実装される。なお、以下の説明では、排気浄化装置20のうち、内燃機関92に近い側を「上流側」と呼び、内燃機関92に遠い側を「下流側」と呼ぶ。図1の場合、左側が上流側に相当し、右側が下流側に相当する。なお、排気浄化装置20は、内燃機関92に代えて、有害物質を含む排気を排出する他の装置(例えば、工場、多種の燃焼装置等)に接続されてもよい。
排気浄化装置20は、内燃機関92に接続された排気管30と、排気管30上に設けられたNSR触媒70と、リッチスパイク制御部93とを備える。排気管30は、内燃機関92からの排気が流通する主流路を形成する。内燃機関92からの排気は、排気管30内の主流路を通って、NSR触媒70を通過して外気に放出される。NSR触媒70は、排気中のNOxをNSR触媒70内に吸蔵して溜め込むことで、排気中のNOxを浄化する。NSR触媒70は「触媒」に相当する。
リッチスパイク制御部93は、NSR触媒70に吸蔵されたNOxを浄化するリッチスパイク制御(「還元制御」とも呼ばれる)を実施する。リッチスパイク制御において、リッチスパイク制御部93は、内燃機関92内の空燃比を短時間リッチ状態とすることで、CO、H2、及び、HC等のその他の未燃ガス(以降「CO,H2,HC等」とも呼ぶ)を内燃機関92から排出させる。そして、排出されたCO,H2,HC等によって、NSR触媒70に吸蔵されているNOxを窒素ガス(N2)へと還元する。すなわち、CO,H2,HC等は、NSR触媒70に吸蔵されているNOxの還元反応のために用いられる添加剤(より具体的には還元剤)として機能する。本実施形態において、CO,H2,HCのうち、少なくともいずれか1つ以上の要素(1つでもよく、複数でもよい)は「添加剤」に相当する。また、リッチスパイク制御部93は「供給制御部」に相当し、内燃機関92は「供給部」に相当する。リッチスパイク制御部93は、燃焼状態制御部91と同様に、ECUにより実装できる。
センサ状態推定装置10は、CPU11と、記憶部12と、表示部13と、流量取得部52と、排気温度取得部53と、入口NOx濃度取得部54と、温度取得部78と、出口NOxセンサ99とを備える。CPU11及び記憶部12は、例えば、ECUにより実装される。表示部13には、任意の表示装置、例えばLED(Light Emitting Diode)、液晶パネル、タッチパネル等を採用できる。
CPU11は、ROMに格納されているコンピュータプログラムをRAMに展開して実行することにより、センサ状態推定装置10の各部を制御する。そのほかCPU11は、吸蔵量推定部110及びばらつき推定部111としても機能する。吸蔵量推定部110は、後述する触媒状態推定モデル120を用いて、NSR触媒70に吸蔵されているNOx吸蔵量を推定する。吸蔵量推定部110により推定されたNOx吸蔵量は「所定成分の吸蔵量」に相当する。
ばらつき推定部111は、図3の処理において、出口NOxセンサ99のばらつきを表すばらつき量を推定する。なお、「出口NOxセンサ99のばらつき量」とは、出口NOxセンサ99の観測値について、中央値(真値)からの差を表す値である。出口NOxセンサ99のばらつき量は、出口NOxセンサ99に内蔵された検出素子の製造誤差(ハード的なばらつき)や、出口NOxセンサ99の経年劣化に起因して生じる。出口NOxセンサ99のばらつきを表すばらつき量を、以降、単に「センサのばらつき量」とも呼ぶ。
流量取得部52は、内燃機関92からの排気の流量を取得する。流量取得部52は、例えば、排気管30に設けられたピトー管式流量計によって測定された測定信号を取得することで実現してもよい。また、流量取得部52は、内燃機関92への吸入空気量信号や、燃料噴射量信号から排気の流量を推定してもよい。排気温度取得部53は、内燃機関92からの排気の温度を測定するセンサである。入口NOx濃度取得部54は、NSR触媒70へ流入する排気中のNOx濃度を測定するセンサである。なお、入口NOx濃度取得部54は、センサによる測定に代えて、内燃機関92の燃焼状態(リーン、ストイキ、リッチ)から排気中のNOx濃度を推定してもよい。
前端温度取得部76は、NSR触媒70の入口近傍(前端)における温度を測定するセンサである。温度取得部78は、NSR触媒70の床温を測定するセンサである。出口NOxセンサ99は、NSR触媒70の下流側(還元すれば、排気管30の出口)における排気中のNOxを測定するセンサである。本実施形態では、出口NOxセンサ99は、「排気中の所定成分(本実施形態の例ではNOx)の濃度を取得するセンサ」に相当する。
なお、流量取得部52と、排気温度取得部53と、入口NOx濃度取得部54とは、NSR触媒70へと流入する排気の情報を取得する「第2取得部」に相当する。前端温度取得部76と、温度取得部78とは、NSR触媒70の情報を取得する「第1取得部」に相当する。
記憶部12は、フラッシュメモリ、メモリカード、ハードディスクなどで構成される。記憶部12には、予め触媒状態推定モデル120が記憶されている。触媒状態推定モデル120には、第1モデル121と、第2モデル122と、第3モデル123と、第4モデル124とが含まれている。
第1モデル121は、NSR触媒70における「NOx浄化率」を推定するためのモデルであり、機械学習モデル、具体的にはNN(ニューラルネットワーク:Neural Network)により構成されている。第1モデル121の入力変数には、例えば、以下の項目a1,a2に示すパラメータのうち、少なくとも1つ以上を採用できる。第1モデル121の出力変数は、入力変数が表わす諸条件下における、NSR触媒70のNOx浄化率の推定値である。
(a1)触媒の情報:NSR触媒70の前端の温度と、NSR触媒70の温度と、1時刻前においてNSR触媒70に吸蔵されているNOxの吸蔵量と、NSR触媒70におけるNOxの飽和吸蔵量に対する吸蔵量(実吸蔵量)の比と、のうちの少なくとも1つ
(a2)排気の情報:内燃機関92からの排気の温度と、排気の流量と、排気に含まれるNOxの量と、のうちの少なくとも1つ
第2モデル122は、NSR触媒70における「NOx還元量」を推定するためのモデルであり、機械学習モデル、具体的にはNNにより構成されている。第2モデル122の入力変数には、例えば、以下の項目b1~b3に示すパラメータのうち、少なくとも1つ以上を採用できる。第2モデル122の出力変数は、入力変数が表わす諸条件下における、リッチスパイク制御で還元されるNOx還元量の推定値である。
(b1)触媒の情報:NSR触媒70の前端の温度と、NSR触媒70の温度と、1時刻前においてNSR触媒70に吸蔵されているNOxの吸蔵量(実吸蔵量)と、のうちの少なくとも1つ
(b2)排気の情報:内燃機関92からの排気の温度と、排気の流量と、のうちの少なくとも1つ
(b3)添加剤の情報:NSR触媒70に流入する添加剤(CO,H2,HC等)の量と、後述する第4モデル124により求められたリッチスパイク制御において還元反応に寄与しない添加剤の量と、のうちの少なくとも1つ
第3モデル123は、NSR触媒70における「気相反応で浄化されるNOx量」を推定するためのモデルであり、機械学習モデル、具体的にはNNにより構成されている。第3モデル123の入力変数には、例えば、以下の項目c1,c2に示すパラメータのうち、少なくとも1つ以上を採用できる。第3モデル123の出力変数は、入力変数が表わす諸条件下において、NSR触媒70の気相反応で浄化されるNOxの量の推定値である。
(c1)触媒の情報:NSR触媒70の前端の温度と、NSR触媒70の温度と、のうちの少なくとも1つ
(c2)排気の情報:内燃機関92からの排気の温度と、排気の流量と、排気に含まれるNOxの量と、のうちの少なくとも1つ
なお、第1~第3モデル121~123は、出力変数が推定対象となる物理量と一致するように、入力変数と出力変数との関係をNNに学習させ、NNにおける重み定数等が予め決定されている。なお、第1~第3モデル121~123の学習には、内燃機関92の過渡運転時に取得されたデータを教師データとして用いることが好ましい。
図2は、第4モデル124について説明する図である。第4モデル124は、上述したリッチスパイク制御において、「還元反応に寄与しない添加剤量(CO,H2,HC等の量)」を推定するためのモデルであり、物理モデルにより構成されている。内燃機関92からの排気の温度やNSR触媒70の温度によっては、NSR触媒70に吸蔵されているNOxと、添加剤との還元反応が十分に進行しない場合がある。第4モデル124では、このような還元反応に寄与しない添加剤の量を推定する。図2では、第4モデル124の一例として、還元反応に寄与しないCOの量を推定するアレニウスの式を示す。還元反応に寄与しないH2やHCの量を推定する場合、図2のCOをH2またはHCと読み替えればよい。アレニウスの式のうち、頻度因子(A)、活性化エネルギー(E)については予め実験等により求めた値を使用できる。第4モデル124の入力変数には、例えば、以下の項目d1~d3に示すパラメータのうち、少なくとも1つ以上を採用できる。第4モデル124の出力変数Zは、入力変数(ベクトルU)が表わす諸条件下において、リッチスパイク制御での還元反応に寄与しない添加剤の量の推定値である。
(d1)触媒の情報:NSR触媒70の前端の温度と、NSR触媒70の温度と、のうちの少なくとも1つ
(d2)排気の情報:内燃機関92からの排気の温度と、NSR触媒70に流入する排気の空燃比と、のうちの少なくとも1つ
(d3)添加剤の情報:NSR触媒70に流入する添加剤(CO,H2,HC等)の量
触媒状態推定モデル120は、1時刻後においてNSR触媒70に吸蔵されているNOx吸蔵量の推定値を求めるためのモデルである。触媒状態推定モデル120は、以下の数式1により構成されている。
Figure 0007332566000001
数式1の各値は、以下の項目e1~e6に示す通りである。
(e1)NOxSt[k+1]:1時刻後においてNSR触媒70に吸蔵されているNOx吸蔵量の推定値
(e2)NOxSt[k]:前回の推定処理の結果得られたNOx吸蔵量(実吸蔵量)
(e3)NOx_NSRin[k]:NSR触媒70に流入するNOx量
(e4)NOx_NSRout[k]:第1モデル121によって推定されたNSR触媒70のNOx浄化率と、NSR触媒70に流入するNOx量(上記e3)とから算出された流出NOx量であって、現在時刻においてNSR触媒70から流出する流出NOx量
(e5)NOx_Gas[k]:第3モデル123によって推定されたNSR触媒70の気相反応で浄化されるNOx浄化量
(e6)NOx_rdct[k]:第2モデル122によって推定されたリッチスパイク制御で還元されるNOxの還元量
なお、数式1において、時刻t=kΔtは現在時刻を、時刻t=(k+1)Δtは1時刻後(1単位時間後)を、時刻t=(k-1)Δtは1時刻前(1単位時間前)を意味する。kは整数である。Δtはセンサ状態推定装置10における単位時間(例えば、CPU11の演算周期、上述した各取得部52~78におけるサンプリング周期)である。これらの点は、図3以降の説明においても同様である。
吸蔵量推定部110は、第1モデル121を用いてNOx浄化率NOxConv[k]を推定する。また、吸蔵量推定部110は、第4モデル124を用いて還元反応に寄与しない添加剤量Ad_thrmlytc[k]を推定する。さらに吸蔵量推定部110は、第2モデル122を用いてNOx還元量NOx_rdct[k]を推定し、第3モデル123を用いて気相反応で浄化されるNOx量NOx_Gas[k]を推定する。その後、吸蔵量推定部110は、これらの推定結果と、流量取得部52等の取得値とを、触媒状態推定モデル120(数式1)に入力することで、1時刻後においてNSR触媒70に吸蔵されているNOx吸蔵量の推定値NOxSt[k+1]を求める。なお、触媒状態推定モデル120により推定されるNOx吸蔵量NOxSt[k],NOxSt[k+1]は、「触媒に吸蔵されている所定成分の吸蔵量」に相当する。
このように、触媒状態推定モデル120は、数理モデルにより構成されている。触媒状態推定モデル120は、NNモデル(機械学習モデル)である第1モデル121、第2モデル122、及び第3モデル123による推定結果(NOx浄化率、NOx還元量、気相反応で浄化されるNOx量)と、物理モデルである第4モデル124による推定結果(還元反応に寄与しない添加剤量)とを併用し、1時刻後(時刻t=(k+1)Δt)においてNSR触媒70に吸蔵されているNOx吸蔵量NOxSt[k+1]を推定するモデルである。このため、触媒状態推定モデル120を用いることで、吸蔵量推定部110は、数多くの要因(例えば、項目a1~a2,b1~b3,c1~c2,d1~d3に列挙した要因)が影響するNOx吸蔵量NOxSt[k+1]の推定を、物理則を満たしつつ、高精度、かつ高速に実施できる。
また、NSR触媒70のNOx吸蔵量は、前の時刻の吸蔵量の影響を受けて変動する(換言すれば、時間履歴の影響を受けて変動する)。触媒状態推定モデル120によれば、第1~第4モデル121~124による現在時刻kの推定結果NOxSt[k]を用いて、次の時刻k+1におけるNOx吸蔵量NOxSt[k+1]を推定する。このため、吸蔵量推定部110は、前の時刻のNSR触媒70のNOx吸蔵量を踏まえて、次の時刻におけるNOx吸蔵量を高精度に推定できる。
図3は、センサ状態推定装置10における推定処理の手順を示すフローチャートである。推定処理は、NSR触媒70の上流側または下流側に設けられたセンサであって、排気中の所定成分の濃度を取得するセンサのばらつき量を推定する処理である。ここでは、NSR触媒70の下流側に設けられ、排気中のNOx濃度を取得する出口NOxセンサ99のばらつき量を推定する場合を例示する。図3に示す処理は任意のタイミングで実行可能であり、例えば、内燃機関92の始動後に繰り返し実行される。なお、図3に示す処理は、後処理システム1の利用者からの要求によって実行されてもよく、後処理システム1を搭載する車両等における他の制御部からの要求によって実行されてもよい。
ステップS10においてばらつき推定部111は、処理開始条件が成立しているか否かを判定する。具体的には、例えば、ばらつき推定部111は、温度取得部78が正常であり、かつ、リッチスパイク制御部93が正常であり、かつ、入口NOx濃度取得部54及び出口NOxセンサ99が活性状態である場合に、処理の開始条件が成立していると判定できる。開始条件が成立している場合(ステップS10:YES)、ばらつき推定部111は処理をステップS12へ遷移させる。開始条件が成立していない場合(ステップS10:NO)、ばらつき推定部111は処理を終了させる。
ステップS12においてばらつき推定部111は、流量取得部52から、現在(時刻t=kΔt)の排気管30内部の流量Q[k]を取得する。ステップS14においてばらつき推定部111は、現在(時刻t=kΔt)のNSR触媒70に流入するNOx量NOx_NSRinを取得する。具体的には、推定部110は、入口NOx濃度取得部54から、NSR触媒70へと流入する排気中の現在のNOx濃度[k]を取得する。次に推定部110は、取得した排気中のNOx濃度[k]と、ステップS12で取得した排気の流量Q[k]とから、NOx量NOx_NSRin[k]を算出する。ステップS16においてばらつき推定部111は、温度取得部78から、現在(時刻t=kΔt)のNSR触媒70の床温T[k]を取得する。
ステップS18においてばらつき推定部111は、1時刻前(時刻t=(k-1)Δt)に吸蔵量推定部110により実行された推定処理における、触媒状態推定モデル120の入力変数u[k-1]を取得する。具体的には、ばらつき推定部111は、以下に示す、1時刻前の触媒状態推定モデル120の入力変数e2~e6を取得する。
(e2)NOxSt[k-1]:前回の推定処理の結果得られたNOx吸蔵量(実吸蔵量)
(e3)NOx_NSRin[k-1]:NSR触媒70に流入するNOx量
(e4)NOx_NSRout[k-1]:NSR触媒70から流出する流出NOx量
(e5)NOx_Gas[k-1]:第3モデル123によって推定されたNSR触媒70の気相反応で浄化されるNOx浄化量
(e6)NOx_rdct[k-1]:第2モデル122によって推定されたリッチスパイク制御で還元されるNOxの還元量
以降、ばらつき推定部111は、状態推定理論を用いて、以下の項目f1,f2に示すNOx吸蔵量と、センサのばらつき量とを推定する。ここで、ばらつき推定部111は、状態推定理論を実現する状態推定器として、アンセンテッドカルマンフィルタ(UKF)を使用する場合を例示する。アンセンテッドカルマンフィルタは、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムである。なお、ばらつき推定部111は、同様の他のアルゴリズム、例えば、拡張カルマンフィルタ(EKF)、シグマポイントカルマンフィルタ、パーティクルフィルタ等を使用してもよい。
(f1)NSR触媒70におけるNOx吸蔵量NOx,st[k-1]
(f2)出口NOxセンサ99のばらつき量θout[k-1]
ステップS20においてばらつき推定部111は、数式2に示すベクトルx[k-1]と、共分散行列P[k-1]とから、2n+1個のシグマポイントを算出する。なお、ばらつき推定部111は、数式2右項のNOx吸蔵量NOx,stとして、初回処理時は任意の初期値を使用でき、2回目以降の処理時は、1時刻前にばらつき推定部111により推定されたNOx吸蔵量の推定値を使用できる。ばらつき推定部111は、数式2右項のばらつき量θoutとして、初回処理時は任意の初期値を使用でき、2回目以降の処理時は前回処理(図3:ステップS40)で求めたばらつき量を使用できる。ステップS20における2n+1個のシグマポイントは、平均値と標準偏差に対応するサンプル点に相当し、数式3,4,5でそれぞれ表される。数式4,5の(√P)iは、共分散行列Pの平方根行列のi番目の列を意味する。
Figure 0007332566000002
Figure 0007332566000003
Figure 0007332566000004
Figure 0007332566000005
ステップS22においてばらつき推定部111は、数式6に示すように、f=[f12Tを用いてシグマポイントXi ̄[k]を更新する。なお、f1は、NOx吸蔵量NOx,stを求めるための触媒状態推定モデル120である(数式1)。f2は、ばらつき量θoutを求めるための時間更新式である。
Figure 0007332566000006
ステップS24においてばらつき推定部111は、NOx吸蔵量及びばらつき量の事前状態推定値を算出する。具体的には、ばらつき推定部111は、ステップS22で更新したシグマポイントXi ̄[k]を、以下に示す数式7に入力することで、現在(時刻t=kΔt)における、NOx吸蔵量及びばらつき量の事前状態推定値x^ ̄[k](数式7左項)を取得する。ここで、ばらつき推定部111は、各シグマポイントXi ̄に対して、重み係数wiを数式8によって計算する。
Figure 0007332566000007
Figure 0007332566000008
ステップS26においてばらつき推定部111は、数式9を用いて、NOx吸蔵量及びばらつき量の事前誤差共分散行列P ̄[k]を算出する。
Figure 0007332566000009
ステップS28においてばらつき推定部111は、数式2に示すベクトルx[k-1]と、共分散行列P[k-1]とから、出口NOxセンサ99の観測値に関する2n+1個のシグマポイントを算出する。ステップS28における2n+1個のシグマポイントは、数式10,11,12でそれぞれ表される。
Figure 0007332566000010
Figure 0007332566000011
Figure 0007332566000012
その後、ばらつき推定部111は、数式13に示すように、観測方程式y[k]=h(x[k])を用いてシグマポイントYi ̄[k]を更新する。
Figure 0007332566000013
ステップS30においてばらつき推定部111は、出口NOxセンサ99の観測値を取得する前段階における、出口NOxセンサ99の観測値の推定値である、事前出力推定値を算出する。具体的には、ばらつき推定部111は、ステップS28で更新したシグマポイントYi ̄[k]を、以下に示す数式14に入力することで、現在(時刻t=kΔt)における、出口NOxセンサ99の観測値の事前出力推定値y^ ̄[k](数式14左項)を取得する。重み係数wiは、数式8で説明した通りである。
Figure 0007332566000014
ステップS32においてばらつき推定部111は、事前出力誤差共分散行列を算出する。具体的には、ばらつき推定部111は、ステップS28で更新したシグマポイントYi ̄[k]と、ステップS30で求めた事前出力推定値y^ ̄[k]とを、以下に示す数式15に入力することで、現在(時刻t=kΔt)における、出口NOxセンサ99の観測値の事前出力誤差共分散行列Pyy ̄[k](数式15左項)を取得する。重み係数wiは、数式8で説明した通りである。
Figure 0007332566000015
ステップS34においてばらつき推定部111は、事前状態・出力誤差共分散行列を算出する。具体的には、ばらつき推定部111は、ステップS22で更新したNOx吸蔵量及びばらつき量のシグマポイントXi ̄[k]と、ステップS24で求めたNOx吸蔵量及びばらつき量の事前状態推定値x^ ̄[k]と、ステップS28で更新した出口NOxセンサ99の観測値のシグマポイントYi ̄[k]と、ステップS30で求めた出口NOxセンサ99の観測値の事前出力推定値y^ ̄[k]とを、以下に示す数式16に入力することで、現在(時刻t=kΔt)における、NOx吸蔵量、ばらつき量、及び出口NOxセンサ99の観測値についての事前状態・出力誤差共分散行列Pxy ̄[k](数式15左項)を取得する。重み係数wiは、数式8で説明した通りである。
Figure 0007332566000016
ステップS36においてばらつき推定部111は、カルマンゲインを算出する。具体的には、ばらつき推定部111は、ステップS34で求めた事前状態・出力誤差共分散行列Pxy ̄[k]と、ステップS32で求めた事前出力誤差共分散行列Pyy ̄[k]と、観測雑音の分散Rkとを、以下に示す数式17に入力することで、カルマンゲインG[k]を求める。
Figure 0007332566000017
ステップS38においてばらつき推定部111は、出口NOxセンサ99の観測値y[k]を取得する。換言すれば、出口NOxセンサ99の観測値y[k]は、NSR触媒70の下流側(換言すれば、排気管30の出口)におけるNOx濃度の実測定値である。
ステップS40においてばらつき推定部111は、NOx吸蔵量及びばらつき量の状態推定値を算出する。具体的には、ばらつき推定部111は、ステップS24で求めたNOx吸蔵量及びばらつき量の事前状態推定値x^ ̄[k]と、ステップS36で求めたカルマンゲインG[k]と、ステップS38で取得した出口NOxセンサ99の観測値y[k]と、ステップS30で求めた出口NOxセンサ99の観測値の事前出力推定値y^ ̄[k]とを、以下に示す数式18に入力することで、NOx吸蔵量及びばらつき量の状態推定値x^[k]を求める。
Figure 0007332566000018
ここで、数式2で説明したように、x^により表されるベクトルxは、NSR触媒70におけるNOx吸蔵量NOx,stと、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutと、を含んでいる。このように、状態推定理論を用いてNOx吸蔵量NOx,stを推定するため、ばらつき推定部111は、吸蔵量推定部110により推定されたNOx吸蔵量よりも高精度なNOx吸蔵量NOx,stを求めることができる。なお、ステップS40で得られたNOx吸蔵量NOx,stは、「補正後吸蔵量」に相当する。また、ばらつき推定部111は、吸蔵量推定部110により推定されたNOx吸蔵量と、出口NOxセンサ99の観測値(実観測値)とから、状態推定理論を用いて、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutを推定することができる。すなわち、ばらつき推定部111は、内燃機関92の運転状態やNOxの流量パターンに左右されずに、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutを推定できる。
ステップS42においてばらつき推定部111は、数式19を用いて、事後誤差共分散行列P[k]を算出し、処理を終了する。事後誤差共分散行列P[k]は、次回の処理において使用される。
Figure 0007332566000019
センサ状態推定装置10は、推定処理(図3)のステップS40で推定したNOx吸蔵量NOx,st(補正後吸蔵量)と、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutとを用いて、例えば以下のg1~g3に示す処理を実施できる。処理g1~g3は、単独で実施されてもよく、組み合わせて実施されてもよい。
(g1)出口NOxセンサ99の観測値の補正
ばらつき推定部111は、出口NOxセンサ99の観測値(実観測値)を、ばらつき量θoutで補正した「補正後観測値」を推定できる。補正後観測値は、処理g2のリッチスパイク制御で用いられてもよい。補正後観測値は、他のECUに送信され、当該ECUでの制御に用いられてもよい。
(g2)リッチスパイク制御(添加剤の供給制御)
センサ状態推定装置10は、NOx吸蔵量NOx,st(補正後吸蔵量)と、処理g1で説明した補正後観測値と、の少なくとも一方を、リッチスパイク制御部93に送信する。リッチスパイク制御部93は、これら補正後吸蔵量と、補正後観測値とを用いて、リッチスパイク制御部93を行うことで、補正後吸蔵量と補正後観測値とに応じた添加剤(CO,H2,HC等)の供給制御を行う。なお、補正後吸蔵量のみ受信した場合、リッチスパイク制御部93は、補正後吸蔵量と出口NOxセンサ99の観測値を用いて制御すればよい。同様に、補正後観測値のみ受信した場合、リッチスパイク制御部93は、吸蔵量推定部110の推定値と補正後観測値を用いて制御すればよい。
(g3)出口NOxセンサ99の劣化診断
センサ状態推定装置10は、ばらつき量θoutが予め定められた正常範囲を超えた場合に、表示部13に対して、「出口NOxセンサ99が劣化している(または故障している)」旨を表示させる。ばらつき量θoutの正常範囲は任意に定めることができる。表示は、LEDの点灯、LEDの色、所定の文字やアイコン表示等の任意の態様とできる。なお、センサ状態推定装置10は、出口NOxセンサ99が劣化している旨に加えて、ばらつき量θoutの大きさから推定した「劣化の程度」を表示してもよい。
以上のように、第1実施形態のセンサ状態推定装置10によれば、ばらつき推定部111は、吸蔵量推定部110により推定されたNOx吸蔵量と、排気中のNOxの濃度を取得する出口NOxセンサ99の観測値とから、状態推定理論を用いて、出口NOxセンサ99のばらつきを表すばらつき量θoutを推定する(図3)。このため、ばらつき推定部111は、内燃機関92の運転状態や、NOxの流量パターンに左右されずに、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutを推定することができるため、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutを推定する(換言すれば、出口NOxセンサ99の劣化診断をする)頻度を向上できる。この結果、第1実施形態のセンサ状態推定装置10によれば、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutを推定する技術の向上を図ることができる。
また、第1実施形態のセンサ状態推定装置10によれば、ばらつき推定部111は、出口NOxセンサ99の観測値と、推定したばらつき量θoutとから、状態推定理論を用いて補正された出口NOxセンサ99の観測値である補正後観測値を推定する(処理g1)。このため、センサ状態推定装置10またはセンサ状態推定装置10に接続された他の制御装置(以降、「センサ状態推定装置等」とも呼ぶ)は、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutを考慮した高精度な補正後観測値を用いて後処理システム1を制御することができるため、後処理システム1の浄化効率を向上できる。例えば、センサ状態推定装置等(例えば、リッチスパイク制御部93)は、補正後観測値を用いて添加剤の供給制御(例えば、リッチスパイク制御、処理g2)を行うことで、NSR触媒70に対する添加剤の供給をより適正化し、後処理システム1の浄化効率を向上できる。
さらに、第1実施形態のセンサ状態推定装置10によれば、ばらつき推定部111は、吸蔵量推定部110により推定されたNOx吸蔵量と、推定したばらつき量θoutとから、状態推定理論を用いて補正されたNSR触媒70におけるNOx吸蔵量である補正後吸蔵量NOx,stを推定する(図3)。このため、センサ状態推定装置等は、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutを考慮した高精度な補正後吸蔵量NOx,stを用いて後処理システム1を制御することができるため、後処理システム1の浄化効率を向上できる。例えば、センサ状態推定装置等(例えば、リッチスパイク制御部93)は、補正後吸蔵量NOx,stを用いて添加剤の供給制御(例えば、リッチスパイク制御、処理g2)を行うことで、NSR触媒70に対する添加剤の供給をより適正化し、後処理システム1の浄化効率を向上できる。
さらに、第1実施形態のセンサ状態推定装置10は、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutが予め定められた範囲を超えた場合に、その旨を表示する表示部13を備えるため、利用者やメンテナンス作業者等にセンサの劣化を知らせることができる(処理g3)。
さらに、第1実施形態のセンサ状態推定装置10によれば、ばらつき推定部111は、状態推定理論として、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズム(例えば、アンセンテッドカルマンフィルタ)を使用することで、実測が困難な状態量(すなわち、出口NOxセンサ99のばらつき量θout)を推定できる。
<第2実施形態>
図4は、第2実施形態の後処理システム1aのブロック図である。第2実施形態の後処理システム1aでは、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutに代えて、入口NOx濃度取得部54のばらつき量θinを推定する。後処理システム1aは、センサ状態推定装置10に代えてセンサ状態推定装置10aを備える。センサ状態推定装置10aは、ばらつき推定部111に代えてばらつき推定部111aを備える。
ばらつき推定部111aは、図3で説明した推定処理において「出口NOxセンサ99」と記載した部分を「入口NOx濃度取得部54」と読み替えて、同様の処理を行う。また、センサ状態推定装置10aは、第1実施形態の処理g1に代えて、次の処理g4を実行する。
(g4)入口NOx濃度取得部54の観測値(または推定値)の補正
ばらつき推定部111aは、入口NOx濃度取得部54の観測値(または、内燃機関92の燃焼状態からのNOx濃度の推定値)を、ばらつき量θinで補正した「補正後観測値」を推定できる。補正後観測値は、第1実施形態で説明した処理g2のリッチスパイク制御で用いられてもよい。補正後観測値は、吸蔵量推定部110に送信されて、触媒状態推定モデル120を用いた推定の際に使用されてもよい。そうすれば、吸蔵量推定部110におけるNOx吸蔵量の推定精度を向上させることができる。補正後観測値は、他のECUに送信され、当該ECUでの制御に用いられてもよい。
このように、センサ状態推定装置10aは、出口NOxセンサ99のばらつき量θoutに代えて、入口NOx濃度取得部54のばらつき量θinを推定してもよい。また、センサ状態推定装置10aは、出口NOxセンサ99のばらつき量と、入口NOx濃度取得部54のばらつき量の両方を推定してもよい。このような第2実施形態のセンサ状態推定装置10aによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態の後処理システム1bのブロック図である。図1に示す第1実施形態では、1つのNSR触媒70についてのNOx吸蔵量を推定した。しかし、第3実施形態の後処理システム1bでは、複数のNSR触媒を搭載し、この複数のNSR触媒全体としてのNOx吸蔵量を推定する。後処理システム1bは、センサ状態推定装置10に代えてセンサ状態推定装置10bを備え、排気浄化装置20に代えて排気浄化装置20bを備える。
排気浄化装置20bは、さらに、NSR触媒70の下流側に配置された第2NSR触媒71を備える。以降では区別のために、NSR触媒70を第1NSR触媒70とも呼ぶ。第2NSR触媒71は、第1NSR触媒70と同種の吸蔵還元触媒である。本実施形態において、「同種の触媒」とは、触媒における排気浄化メカニズムが同一または類似の触媒を意味する。第2NSR触媒71は、第1NSR触媒70において吸蔵しきれずに下流側に漏れ出した有害物質(NOx)を、第2NSR触媒71内に吸蔵して溜め込むことで、排気中のNOxを浄化する。以降、排気浄化装置20bに搭載された複数の同種の触媒(第1及び第2NSR触媒70,71)を総称して「触媒群CG」とも呼ぶ。図5に示す構成において、第1NSR触媒70を「最上流に位置する触媒」とも呼び、第2NSR触媒71を「最下流に位置する触媒」とも呼ぶ。
なお、本実施形態では、第1実施形態で説明したリッチスパイク制御(還元制御)は、複数の触媒のそれぞれで実施される。具体的には、内燃機関92から排出されたCO,H2,HC等によって、第1NSR触媒70に吸蔵されているNOxが窒素ガス(N2)へと還元される。また、第1NSR触媒70での還元制御で用いられずに第1NSR触媒70から流出したCO,H2,HC等によって、第2NSR触媒71に吸蔵されているNOxが窒素ガス(N2)へと還元される。
センサ状態推定装置10bは、さらに、第2NSR触媒71の床温を測定するセンサからなる第2温度取得部79を備える。また、センサ状態推定装置10bは、吸蔵量推定部110に代えて吸蔵量推定部110bを、ばらつき推定部111に代えてばらつき推定部111bを備え、触媒状態推定モデル120に代えて触媒状態推定モデル120bを備える。なお、センサ状態推定装置10bは、第2温度取得部79に代えて、下流側の触媒(図5の例では、第2NSR触媒71)の温度を推定する温度推定部を備えてもよい。温度推定部は、温度取得部78により取得された第1NSR触媒70の温度から、予め用意された計算式やマップ等を用いて、第2NSR触媒71の温度を算出する。なお、温度推定部は、内燃機関92からの排気の温度、排気の流量、第1NSR触媒70の反応熱、その他の任意のパラメータを考慮して、第2NSR触媒71の温度を算出してもよい。
触媒状態推定モデル120bのうち、第1モデル121bは、触媒群CG全体としてのNOx浄化率を出力するよう構成されている。同様に、第2モデル122bは、触媒群CG全体としてのNOx還元量を出力するよう構成されている。第3モデル123bは、触媒群CG全体としての気相反応で浄化されるNOx量を出力するよう構成されている。第4モデル124bは、触媒群CG全体としての、還元反応に寄与しない添加剤量(CO,H2,HC等の量)を出力するよう構成されている。吸蔵量推定部110bは、このような触媒状態推定モデル120bを用いて、触媒群CG全体としてのNOx吸蔵量を推定する。
図6は、第3実施形態の推定処理の手順を示すフローチャートである。以降、第1実施形態(図3)で説明した処理と相違する部分についてのみ説明する。ステップS14bにおいてばらつき推定部111bは、触媒群CGのうち最上流の触媒(第1NSR触媒70)に流入するNOx量を取得する。詳細は、図3のステップS14と同様である。ステップS16bにおいてばらつき推定部111bは、第1温度取得部78から第1NSR触媒70の床温を取得し、第2温度取得部79から第2NSR触媒71の床温を取得する。ステップS20b,S22bにおいてばらつき推定部111bは、触媒群CG全体としてのNOx吸蔵量合計値を用いて、シグマポイントを算出及び更新する。詳細は、図3のステップS20,S22と同様である。
ステップS24bにおいてばらつき推定部111bは、NOx吸蔵量合計値、及び、ばらつき量の事前状態推定値を算出する。ステップS26bにおいてばらつき推定部111bは、NOx吸蔵量合計値、及び、ばらつき量の事前誤差共分散行列を算出する。ステップS40bにおいてばらつき推定部111bは、NOx吸蔵量合計値、及び、ばらつき量の状態推定値を算出する。図6の処理では、図3において「NOx吸蔵量」と説明していた箇所を、「NOx吸蔵量合計値」に読み替えれば足り、他の処理内容については図3で説明した第1実施形態と同様である。すなわち、第3実施形態のセンサ状態推定装置10bでは、吸蔵量推定部110bが触媒状態推定モデル120bにより推定するNOx吸蔵量(NOx吸蔵量NOxSt)と、ばらつき推定部111bが図6の処理により推定する補正後吸蔵量(NOx吸蔵量NOx,st)とは、共に、触媒群CG全体としてのNOx吸蔵量合計値である。
このように、第3実施形態のセンサ状態推定装置10bによれば、排気管30(主流路)に同種の複数の第1及び第2NSR触媒70,71が設けられている場合に、吸蔵量推定部110bは、当該複数の触媒全体70,71を1つの触媒(触媒群CG)とみなして、触媒群CG全体としてのNOx吸蔵量の合計値を推定する。このため、第1NSR触媒70と第2NSR触媒71との間における排気管30等の影響を数理モデル(触媒状態推定モデル120b)に予め織り込んでおくことで、吸蔵量推定部110bは、排気管30等に関する情報を取得することなく、NOx吸蔵量の合計値を高精度に推定できる。換言すれば、各触媒70,71のNOx吸蔵量をそれぞれ推定する場合と比較して、センサ等の数を減らすことができるため、後処理システム1bの部品点数を削減できると共に、吸蔵量推定部110bの演算負荷を低減でき、処理を高速化できる。また、吸蔵量推定部110bは、排気管30に設けられた複数の触媒70,71が同種の触媒である場合に、これらを1つの触媒(触媒群CG)とみなしてNOx吸蔵量の合計値を推定する。同種の触媒であれば、NOx吸蔵量の合計値を左右する触媒の情報項目(例えば、触媒の温度、触媒に吸蔵されている添加剤の量)に相違がないため、吸蔵量推定部110bは、NOx吸蔵量の合計値を精度良く推定することができる。さらに、センサは、複数の触媒70,71のうち、最上流の触媒よりも上流側(具体的には、第1NSR触媒70の上流側の入口NOx濃度取得部54)、または、最下流の触媒よりも下流側(具体的には、第2NSR触媒71の下流側の出口NOxセンサ99)に設けられている。このため、ばらつき推定部111bは、当該センサ(出口NOxセンサ99または入口NOx濃度取得部54)を、複数の触媒70,71からなる触媒群CGの上流側または下流側に設けられたセンサとして取り扱うことができる。
<第4実施形態>
図7は、第4実施形態における後処理システム1cのブロック図である。図1に示す第1実施形態ではNSR触媒を用いた構成について説明したが、第4実施形態の後処理システム1cでは、NSR触媒に代えてSCR触媒(選択還元触媒:Selective Catalytic Reduction catalyst)を用いる。SCR触媒は、添加剤としてNH3(アンモニア)を用いることで、排気中のNOx(有害物質)を浄化する。本実施形態では、排気中の所定成分としてNH3(アンモニア)を例示する。後処理システム1cは、センサ状態推定装置10に代えてセンサ状態推定装置10cを備え、排気浄化装置20に代えて排気浄化装置20cを備える。
排気浄化装置20cは、NSR触媒70に代えてSCR触媒40を、リッチスパイク制御部93に代えて供給制御部61を備え、さらに、尿素ポンプユニット62及び尿素ノズル64を備えている。SCR触媒40は、添加剤の供給を受けて、排気中のNOxを浄化する。SCR触媒40は「触媒」に相当する。供給制御部61は、尿素ポンプユニット62から供給され、尿素ノズル64から噴射される尿素水の供給(例えば、供給量、供給サイクル、濃度等)を制御することで、添加剤としてのNH3の供給を制御する。
尿素ポンプユニット62は、内部に添加剤となる尿素水を貯蔵すると共に、尿素ノズル64へと尿素水を送出するポンプを内蔵している。尿素ノズル64は、尿素水の噴射口であり、SCR触媒40の上流側に設けられてSCR触媒40に対して尿素水を供給する。尿素ポンプユニット62及び尿素ノズル64は「供給部」に相当する。尿素ノズル64は「噴射弁」とも呼ばれる。
センサ状態推定装置10cは、前端温度取得部76に代えて前端温度取得部56を、温度取得部78に代えて温度取得部58を、出口NOxセンサ99に代えて出口NH3センサ99cを、吸蔵量推定部110に代えて吸蔵量推定部110cを、ばらつき推定部111に代えてばらつき推定部111cを、触媒状態推定モデル120に代えて触媒状態推定モデル120cを、それぞれ備えている。
前端温度取得部56は、SCR触媒40の入口近傍(前端)における温度を測定するセンサである。温度取得部58は、SCR触媒40の床温を測定するセンサである。前端温度取得部56と温度取得部58とは、SCR触媒40の情報を取得する「第1取得部」とも呼ぶ。出口NH3センサ99cは、SCR触媒40の下流側(還元すれば、排気管30の出口)における排気中のNH3の濃度を測定するセンサである。本実施形態では、出口NH3センサ99cは、「排気中の所定成分(本実施形態の例ではNH3)の濃度を取得するセンサ」に相当する。
触媒状態推定モデル120cは、第1実施形態の触媒状態推定モデル120と同様に、機械学習モデルにより構成され、SCR触媒40におけるNOx浄化率を出力とする第1モデルと、機械学習モデルにより構成され、SCR触媒40から流出する添加剤(NH3)の流出量を出力とする第2モデルと、物理モデルにより構成され、SCR触媒40においてNOxの浄化反応に寄与しない添加剤(NH3)量を出力とする第3モデルとを含んでいる。吸蔵量推定部110cは、このような触媒状態推定モデル120cを用いて、SCR触媒40におけるNH3吸着量を、例えば、質量保存則、物質収支則、熱収支則、エネルギー収支則等の物理則を用いて求める。本実施形態では、SCR触媒40におけるNH3吸着量が「触媒に吸蔵されている所定成分の吸蔵量」に相当する。
ばらつき推定部111cは、SCR触媒40におけるNH3吸着量(所定成分の吸蔵量)と、出口NH3センサ99cのばらつき量と、を数式2のベクトルxとして、第1実施形態の図3と同様の処理を行い、NH3吸着量と、出口NH3センサ99cのばらつき量とを推定する。また、センサ状態推定装置10cは、ばらつき推定部111cにより推定されたNH3吸着量とばらつき量とを用いて、第1実施形態で説明した処理g1(出口NH3センサ99cの観測値の補正)と、処理g3(出口NH3センサ99cの劣化診断)を行う。さらに、センサ状態推定装置10cは、ばらつき推定部111cにより推定されたNH3吸着量と、処理g1による補正後観測値と、の少なくとも一方を用いて、供給制御部61による尿素水の供給を制御する。このようにすれば、SCR触媒40を利用した第4実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<第5実施形態>
図8は、第5実施形態における後処理システム1dのブロック図である。図1に示す第1実施形態では、NSR触媒を用いた構成について説明したが、第5実施形態の後処理システム1dでは、NSR触媒に代えて三元触媒(Three-Way Catalyst)を用いる。三元触媒は、添加剤として、酸化還元反応により生じるO2(酸素)を使用することで、排気中のCO,HC,NOx(有害物質)を浄化する。本実施形態では、排気中の所定成分としてO2(酸素)を例示する。後処理システム1dは、センサ状態推定装置10に代えてセンサ状態推定装置10dを備え、排気浄化装置20に代えて排気浄化装置20dを備える。
排気浄化装置20dは、NSR触媒70に代えて三元触媒80を備え、リッチスパイク制御部93を備えていない。三元触媒80は、排気中に含まれるCO,HC,NOxをそれぞれ酸化又は還元することで除去し、これら有害物質を浄化する。三元触媒80は、酸素吸蔵能(OSC:Oxygen Storage Capacity)を有し、三元触媒80に流入する排気中のO2をため込む(吸蔵する)ことができる。本実施形態において「添加剤」とは、酸化反応に使用されるO2を意味する。なお、本実施形態において、三元触媒80は「触媒」に相当する。燃焼状態制御部91は「供給制御部」に相当し、内燃機関92は「供給部」に相当する。
センサ状態推定装置10dは、入口NOx濃度取得部54に代えて入口酸素濃度取得部84を、前端温度取得部76に代えて前端温度取得部86を、温度取得部78に代えて温度取得部88を、出口NOxセンサ99に代えて出口酸素センサ99dを、吸蔵量推定部110に代えて吸蔵量推定部110dを、ばらつき推定部111に代えてばらつき推定部111dを、触媒状態推定モデル120に代えて触媒状態推定モデル120dを、それぞれ備えている。
入口酸素濃度取得部84は、内燃機関92からの排気中のO2濃度を取得する。入口酸素濃度取得部84は、例えば、排気管30に設けられたA/Fセンサによって測定された測定信号を取得することで実現してもよく、酸素センサによって測定された測定信号を取得することで実現してもよい。入口酸素濃度取得部84は、内燃機関92への吸入空気量信号や、燃料噴射量信号から排気中のO2濃度を推定してもよい。入口酸素濃度取得部84は、添加剤の情報を取得する「第3取得部」とも呼ぶ。前端温度取得部86は、三元触媒80の入口近傍(前端)における温度を測定するセンサである。温度取得部88は、三元触媒80の床温を測定するセンサである。なお、前端温度取得部86と温度取得部88とは、三元触媒80の情報を取得する「第1取得部」とも呼ぶ。出口酸素センサ99dは、三元触媒80の下流側(換言すれば、排気管30の出口)における排気中のO2濃度を取得するセンサであり、例えば、A/Fセンサや酸素センサにより実現できる。本実施形態では、出口酸素センサ99dは、「排気中の所定成分(本実施形態の例ではO2)の濃度を取得するセンサ」に相当する。
触媒状態推定モデル120dは、第1実施形態の触媒状態推定モデル120と同様に、機械学習モデルにより構成され、三元触媒80のCO浄化率を出力とする第1モデルと、機械学習モデルにより構成され、三元触媒80におけるNOx浄化率を出力とする第2モデルと、機械学習モデルにより構成され、三元触媒80におけるTHC浄化率を出力とする第3モデルと、機械学習モデルにより構成され、三元触媒80から流出する添加剤(O2)の流出量を出力とする第4モデルと、物理モデルにより構成され、三元触媒80に流入するNOx中のNO(一酸化窒素)とNO2(二酸化窒素)の比率を出力とする第5モデルとを含んでいる。吸蔵量推定部110dは、このような触媒状態推定モデル120dを用いて、三元触媒80の酸素貯蔵量OSAを、例えば、質量保存則、物質収支則、熱収支則、エネルギー収支則等の物理則を用いて求める。本実施形態では、三元触媒80の酸素貯蔵量OSAが「触媒に吸蔵されている所定成分の吸蔵量」に相当する。
ばらつき推定部111dは、三元触媒80の酸素貯蔵量OSA(所定成分の吸蔵量)と、出口酸素センサ99dのばらつき量と、を数式2のベクトルxとして、第1実施形態の図3と同様の処理を行い、酸素貯蔵量OSAと、出口酸素センサ99dのばらつき量とを推定する。また、センサ状態推定装置10dは、ばらつき推定部111dにより推定された酸素貯蔵量OSAとばらつき量とを用いて、第1実施形態で説明した処理g1(出口酸素センサ99dの観測値の補正)と、処理g3(出口酸素センサ99dの劣化診断)を行う。さらに、センサ状態推定装置10dは、ばらつき推定部111dにより推定された酸素貯蔵量OSAと、処理g1により補正後観測値と、の少なくとも一方を用いて、燃焼状態制御部91による空気や燃料の噴射を制御することで、内燃機関92内の空燃比をリーン、ストイキ、リッチの各状態へと制御することで、添加剤量(すなわちO2量)を制御する。このようにすれば、三元触媒80を利用した第5実施形態においても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。そのほか、例えば次のような変形も可能である。
[変形例1]
上記実施形態では、後処理システムの構成の一例を示した。しかし、後処理システムの構成は種々の変更が可能である。例えば、後処理システムの排気浄化装置には、SCR触媒と、NSR触媒と、三元触媒とのうちの複数の触媒が組み合わせて搭載され、センサ状態推定装置は、これら複数の触媒それぞれに対して、異なる所定成分(例えば、NOx,NH3,O2,A/F)の吸蔵量と、触媒の上流側または下流側に設けられたセンサのばらつき量と、状態推定理論を用いて推定してもよい。そして、制御装置は、推定された所定成分の吸蔵量とばらつき量を用いて、上述した処理g1~g4の少なくともいずれかの処理を行ってもよい。また、排気浄化装置は、粒子状物質(PM)を除去する粒子状物質除去フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)や、加水分解触媒等の他の構成を備えてもよい。
例えば、触媒の床温を取得する温度取得部は、触媒の前方(入口近傍)又は後方(出口近傍)に設けられてもよい。例えば、流量取得部、NOx濃度取得部、前端温度取得部、温度取得部がそれぞれ取得するとした流量、NOx濃度、前端温度、触媒の温度のうちの少なくともいずれかは、センサによる計測値に代えて、NNやマップ等を用いて得られた推定値であってもよい。例えば、センサ状態推定装置は、表示部を備えていなくてもよい。また、センサ状態推定装置は、ネットワークを介して接続された他の装置(スマートフォンや、車載装置等)を表示部として利用してもよい。
[変形例2]
上記実施形態では、推定処理の一例を示した(図3,図6)。しかし、推定処理の内容は種々の変形が可能である。例えば、図3,図6の処理において、ステップS10~S42の実行順序を変更してもよく、ステップS10~S42のうち少なくとも一部の処理が省略されてもよい。例えば、吸蔵量推定部は、上述した触媒状態推定モデルとは異なるNN,マップ,物理式等の任意の手段を用いて、NOx吸蔵量を推定してもよい。同様に、吸蔵量推定部は、第1モデルとは異なるNN,マップ,物理式等の任意の手段を用いて、NOx浄化率を推定してもよい。吸蔵量推定部は、第2モデルとは異なるNN,マップ,物理式等の任意の手段を用いて、NOx還元量を推定してもよい。吸蔵量推定部は、第3モデルとは異なるNN,マップ,物理式等の任意の手段を用いて、気相反応で浄化されるNOx量を推定してもよい。吸蔵量推定部は、第4モデルとは異なるNN,マップ,物理式等の任意の手段を用いて、還元反応に寄与しない添加剤量を推定してもよい。第4,5実施形態で触媒状態推定モデル(第4実施形態では第1~第4モデル、第5実施形態では第1~第5モデル)を用いて推定するとした各値についても、NN,マップ,物理式等の任意の手段を用いて推定してよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
1,1a~1d…後処理システム
10,10a~10d…センサ状態推定装置
11…CPU
12…記憶部
13…表示部
20,20b~20d…排気浄化装置
30…排気管
40…SCR触媒
52…流量取得部
53…排気温度取得部
54…入口NOx濃度取得部
56…前端温度取得部
58…温度取得部
61…供給制御部
62…尿素ポンプユニット
64…尿素ノズル
70…NSR触媒、第1NSR触媒
71…第2NSR触媒
76…前端温度取得部
78…温度取得部、第1温度取得部
79…第2温度取得部
80…三元触媒
84…入口酸素濃度取得部
86…前端温度取得部
88…温度取得部
91…燃焼状態制御部
92…内燃機関
93…リッチスパイク制御部
99…出口NOxセンサ
99c…出口NH3センサ
99d…出口酸素センサ
110,110b~110d…吸蔵量推定部
111,111a~111d…ばらつき推定部
120,120b~120d…触媒状態推定モデル
121,121b…第1モデル
122,122b…第2モデル
123,123b…第3モデル
124,124b…第4モデル

Claims (9)

  1. センサ状態推定装置であって、
    排気が流通する主流路において、前記排気中の有害物質を浄化する触媒の上流側または下流側に設けられ、前記排気中の所定成分の濃度を取得するセンサと、
    数理モデルを用いて、前記触媒に吸蔵されている前記所定成分の吸蔵量を推定する吸蔵量推定部と、
    前記吸蔵量推定部により推定された吸蔵量と、前記センサの観測値とから、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムを使用して構成された状態推定器を用いて、前記センサのばらつきを表すばらつき量を推定するばらつき推定部と、
    を備える、センサ状態推定装置。
  2. 請求項1に記載のセンサ状態推定装置であって、
    前記ばらつき推定部は、さらに、前記センサの観測値と、推定した前記ばらつき量とから、前記状態推定器を用いて補正された前記センサの観測値である補正後観測値を推定する、センサ状態推定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセンサ状態推定装置であって、
    前記ばらつき推定部は、さらに、前記吸蔵量推定部により推定された吸蔵量と、推定した前記ばらつき量とから、前記状態推定器を用いて補正された前記触媒における前記所定成分の吸蔵量である補正後吸蔵量を推定する、センサ状態推定装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセンサ状態推定装置であって、さらに、
    前記ばらつき量が予め定められた範囲を超えた場合に、その旨を表示する表示部を備える、センサ状態推定装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のセンサ状態推定装置であって、
    前記ばらつき推定部は、前記アルゴリズムとして、アンセンテッドカルマンフィルタと、拡張カルマンフィルタと、シグマポイントカルマンフィルタと、パーティクルフィルタとのうちのいずれかを使用する、センサ状態推定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセンサ状態推定装置であって、
    前記主流路に同種の複数の前記触媒が設けられている場合に、
    前記センサは、前記複数の触媒のうち、最上流の触媒よりも上流側、または、最下流の触媒よりも下流側に設けられており、
    前記吸蔵量推定部は、前記複数の触媒全体としての前記所定成分の吸蔵量の合計値を推定し、
    前記ばらつき推定部は、前記吸蔵量推定部により推定された吸蔵量の合計値と、前記センサの観測値とから、前記ばらつき量を推定する、センサ状態推定装置。
  7. 後処理システムであって、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のセンサ状態推定装置と、
    排気が流通する主流路に設けられ、前記排気中の有害物質を浄化する触媒と、
    前記触媒に対して有害物質を浄化するための添加剤を供給する供給部と、
    前記供給部における前記添加剤の供給を制御する供給制御部と、
    を備える、後処理システム。
  8. 排気が流通する主流路において、前記排気中の有害物質を浄化する触媒の上流側または下流側に設けられ、前記排気中の所定成分の濃度を取得するセンサの状態を推定する方法であって、情報処理装置が、
    前記センサの観測値を取得する工程と、
    数理モデルを用いて、前記触媒に吸蔵されている前記所定成分の吸蔵量を推定する工程と、
    前記吸蔵量を推定する工程により推定された吸蔵量と、前記センサの観測値とから、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムを使用して構成された状態推定器を用いて、前記センサのばらつきを表すばらつき量を推定する工程と、
    を備える、方法。
  9. 排気が流通する主流路において、前記排気中の有害物質を浄化する触媒の上流側または下流側に設けられ、前記排気中の所定成分の濃度を取得するセンサの状態を推定するコンピュータプログラムであって、情報処理装置に、
    前記センサの観測値を取得する機能と、
    数理モデルを用いて、前記触媒に吸蔵されている前記所定成分の吸蔵量を推定する機能と、
    前記吸蔵量を推定する機能により推定された吸蔵量と、前記センサの観測値とから、評価関数として平均二乗誤差を用いた場合に、状態量の平均二乗誤差を最小にする推定値を求めるアルゴリズムを使用して構成された状態推定器を用いて、前記センサのばらつきを表すばらつき量を推定する機能と、
    を実行させる、コンピュータプログラム。
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